特許第6790840号(P6790840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6790840
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】ひずみ検出装置及びひずみ検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/32 20060101AFI20201116BHJP
   G01B 7/16 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   G01B21/32
   G01B7/16
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-1947(P2017-1947)
(22)【出願日】2017年1月10日
(65)【公開番号】特開2018-112430(P2018-112430A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2019年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 栄郎
(72)【発明者】
【氏名】西田 秀高
(72)【発明者】
【氏名】片岡 敏明
(72)【発明者】
【氏名】森下 啓司
【審査官】 續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 再公表特許第2008/013049(JP,A1)
【文献】 特開2003−302320(JP,A)
【文献】 実開昭58−016516(JP,U)
【文献】 特開平07−163040(JP,A)
【文献】 特開2004−333437(JP,A)
【文献】 特開2007−078364(JP,A)
【文献】 特開2005−181172(JP,A)
【文献】 再公表特許第2013/168720(JP,A1)
【文献】 特開2006−284199(JP,A)
【文献】 特開2003−214811(JP,A)
【文献】 特開平09−329507(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/041241(WO,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2007−0066522(KR,A)
【文献】 国際公開第2008/013049(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/32
G01B 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1孔及び第2孔を有する容器と、
前記容器に収容される検出部と、
前記検出部と接続され、前記第1孔を介して前記容器の外部へ取り出される第1ケーブルと、
前記検出部と接続され、前記第2孔を介して前記容器の外部へ取り出される第2ケーブルと、
前記第1孔と前記第1ケーブルとの隙間を塞ぐ第1閉塞部と、
前記第2孔と前記第2ケーブルとの隙間を塞ぐ第2閉塞部と、を備え、
前記容器は、検出対象物と共にひずみ、
前記検出部は、前記容器のひずみに基づいて、前記検出対象物が所定の値を超えてひずんだことを検出することを特徴とするひずみ検出装置。
【請求項2】
前記第1ケーブルを被覆する第1金属シースと、
前記第2ケーブルを被覆する第2金属シースと、を備え、
前記第1閉塞部は、外面が前記第1孔の内壁にねじ固定され、内面が前記第1金属シースの外面にねじ固定された円筒形状の絶縁体であり、
前記第2閉塞部は、外面が前記第2孔の内壁にねじ固定され、内面が前記第2金属シースの外面にねじ固定された円筒形状の絶縁体であることを特徴とする請求項1に記載のひずみ検出装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記第2ケーブルと電気的に接続された第2電極と、前記第1ケーブルと電気的に接続され、前記第2電極を把持可能な第1電極と、を備え、
前記第1電極は、前記検出対象物のひずみが所定の値未満である場合に、前記第2電極を把持して互いに接触することで、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルとを電気的に接続し、前記検出対象物が所定の値を超えてひずんだ場合に、前記第1電極と前記第2電極との接触が外れることを特徴とする請求項1又は2に記載のひずみ検出装置。
【請求項4】
前記第1電極は、鉛直方向と直交する方向から前記第2電極を把持することを特徴とする請求項3に記載のひずみ検出装置。
【請求項5】
前記第1電極及び前記第2電極の内少なくとも一方と、前記容器との間には、絶縁スリーブが配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のひずみ検出装置。
【請求項6】
前記検出部を絶縁体を介して前記容器の内壁に固定する第1固定部と、
前記検出部を絶縁体を介して前記容器の内壁に固定する第2固定部と、を備え、
前記検出部は、最も垂直断面の面積が小さい応力集中部を有する板形状の電極であり、前記第1固定部及び前記第2固定部を介して前記容器と共にひずみ、
前記第1ケーブルと前記第2ケーブルとは、前記応力集中部を介して電気的に接続され、
前記応力集中部は、前記検出対象物が所定の値を超えてひずんだ場合に、前記第1固定部及び前記第2固定部から伝えられる前記容器のひずみによって破断することを特徴とする請求項1又は2に記載のひずみ検出装置。
【請求項7】
第1固定部と、
第2固定部と、を備え、
前記検出部は、最も垂直断面の面積が小さい応力集中部を有する絶縁体の板部材と、少なくとも前記応力集中部の外側を覆うように前記板部材の表面に形成された電極と、を備え、
前記板部材は、前記第1固定部及び前記第2固定部によって前記容器の内壁に固定され、前記第1固定部及び前記第2固定部を介して前記容器と共にひずみ、
前記第1ケーブル及び前記第2ケーブルは、前記電極に接続され、
前記第1ケーブルと前記第2ケーブルとは、前記電極の内前記応力集中部の外側を覆う部分を介して電気的に接続され、
前記応力集中部は、前記検出対象物が所定の値を超えてひずんだ場合に、前記第1固定部及び前記第2固定部から伝えられる前記容器のひずみによって破断することを特徴とする請求項1又は2に記載のひずみ検出装置。
【請求項8】
前記検出対象物は、配管を接合する溶接部であり、
前記容器は、少なくとも前記配管の前記溶接部を跨ぐ2カ所に固定されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のひずみ検出装置。
【請求項9】
前記検出対象物は、配管を接合する溶接部の熱影響部であり、
前記容器は、前記配管の母材と前記溶接部の溶接金属とに固定されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のひずみ検出装置。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項に記載のひずみ検出装置を少なくとも2つ備え、
前記検出対象物は、配管を接合する溶接部であり、
それぞれの前記容器は、前記配管の周方向に異なる位置、かつ少なくとも前記配管の前記溶接部を跨ぐ2カ所に固定されていることを特徴とするひずみ検出システム。
【請求項11】
請求項1から7のいずれか一項に記載のひずみ検出装置を少なくとも2つ備え、
前記検出対象物は、配管を接合する溶接部の熱影響部であり、
それぞれの前記容器は、前記配管の周方向に異なる位置、かつ前記配管の母材と前記溶接部の溶接金属とに固定されていることを特徴とするひずみ検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ひずみ検出装置及びひずみ検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
溶接部の余寿命は、例えば、溶接部のひずみ量から評価される。ひずみ量は、例えば、ひずみゲージ、又はレーザ変位計等を用いて測定される。
【0003】
特許文献1には、配管のひずみ量を計測するための距離計測システムが記載されている。特許文献1に記載の発明は、レーザ変位計を用いて基準部材までの距離を計測することで溶接部のひずみ量を算出する。
【0004】
特許文献2には、金属箔の破断によってひずみの発生を検出するひずみ検知装置が記載されている。特許文献2に記載の発明は、測定対象物と共にひずむ薄膜基板と、薄膜基板上にギャップを挟んで対置された一対のひずみ伝達片と、一対のひずみ伝達片上に跨って貼付された金属のセンサ箔とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2013−557309号公報
【特許文献2】国際公開第2008/013049号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ひずみ検出装置は、熱の影響を受けても、長期的、かつ高い信頼性でひずみを検出することが求められている。しかしながら、特許文献2に記載のひずみ検知装置では、センサ箔が熱の影響を受けて酸化するため、長期的、かつ高い信頼性でひずみを検出することは難しい。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱の影響を受けても、長期的、かつ高い信頼性でひずみを検出できるひずみ検出装置及びひずみ検出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るひずみ検出装置は、第1孔及び第2孔を有する容器と、前記容器に収容される検出部と、前記検出部と接続され、前記第1孔を介して前記容器の外部へ取り出される第1ケーブルと、前記検出部と接続され、前記第2孔を介して前記容器の外部へ取り出される第2ケーブルと、前記第1孔と前記第1ケーブルとの隙間を塞ぐ第1閉塞部と、前記第2孔と前記第2ケーブルとの隙間を塞ぐ第2閉塞部と、を備え、前記容器は、検出対象物と共にひずみ、前記検出部は、前記容器のひずみに基づいて、前記検出対象物が所定の値を超えてひずんだことを検出することを特徴とする。
【0009】
これによれば、ひずみ検出装置は、検出部を密閉された容器の内部に配置することができる。これにより、ひずみ検出装置は、検出部を空気の量が限られた空間に配置することで、検出部と反応する酸素の量を制限することができる。このため、ひずみ検出装置は、検出部が酸化することを抑制できる。したがって、ひずみ検出装置は、検出部の酸化による誤検出及び動作不良等を抑制できる。その結果、ひずみ検出装置は、長期的、かつ高い信頼性で検出対象物のひずみを検出することができる。
【0010】
本発明の望ましい態様として、前記第1ケーブルを被覆する第1金属シースと、前記第2ケーブルを被覆する第2金属シースと、を備え、前記第1閉塞部は、外面が前記第1孔の内壁にねじ固定され、内面が前記第1金属シースの外面にねじ固定された円筒形状の絶縁体であり、前記第2閉塞部は、外面が前記第2孔の内壁にねじ固定され、内面が前記第2金属シースの外面にねじ固定された円筒形状の絶縁体であることが好ましい。
【0011】
本発明の望ましい態様として、前記検出部は、前記第2ケーブルと電気的に接続された第2電極と、前記第1ケーブルと電気的に接続され、前記第2電極を把持可能な第1電極と、を備え、前記第1電極は、前記検出対象物のひずみが所定の値未満である場合に、前記第2電極を把持して互いに接触することで、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルとを電気的に接続し、前記検出対象物が所定の値を超えてひずんだ場合に、前記第1電極と前記第2電極との接触が外れることが好ましい。
【0012】
これによれば、ひずみ検出装置は、検出対象物が所定の値を超えてひずんだ場合に、第1電極と第2電極との電気的な接続が切れる。これにより、ひずみ検出装置は、検出対象物が所定の値を超えてひずんだ場合に、第1ケーブルと第2ケーブルとの電気的な接続が切れる。その結果、使用者は、第1ケーブルと第2ケーブルとの電気的な接続を確認することで検出対象物のひずみが所定の値を超えたことを知ることができる。
【0013】
本発明の望ましい態様として、前記第1電極は、鉛直方向と直交する方向から前記第2電極を把持することが好ましい。
【0014】
これによれば、第2電極は、検出対象物が所定の値を超えてひずんで第1電極との接触が外れた場合に、第1電極の把持方向と直交する鉛直方向に撓む。したがって、第2電極は、第1電極との接触が外れた後に、再度第1電極と接触し難い。
【0015】
本発明の望ましい態様として、前記第1電極及び前記第2電極の内少なくとも一方と、前記容器との間には、絶縁スリーブが配置されていることが好ましい。
【0016】
これによれば、ひずみ検出装置は、振動等によって第1電極及び第2電極が容器内で動いた場合でも、第1電極及び第2電極と容器との接触を防ぐことができる。これにより、第1電極と第2電極とが容器を介して電気的に接続されることを防ぐことができる。その結果、ひずみ検出装置は、検知部の誤動作を抑制することができる。
【0017】
本発明の望ましい態様として、前記検出部を絶縁体を介して前記容器の内壁に固定する第1固定部と、前記検出部を絶縁体を介して前記容器の内壁に固定する第2固定部と、を備え、前記検出部は、最も垂直断面の面積が小さい応力集中部を有する板形状の電極であり、前記第1固定部及び前記第2固定部を介して前記容器と共にひずみ、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルとは、前記応力集中部を介して電気的に接続され、前記応力集中部は、前記検出対象物が所定の値を超えてひずんだ場合に、前記第1固定部及び前記第2固定部から伝えられる前記容器のひずみによって破断することが好ましい。
【0018】
これによれば、応力集中部は、検出対象物が所定の値を超えてひずんだ場合に、破断できる。したがって、使用者は、第1ケーブルと第2ケーブルとの電気的な接続を確認することで検出対象物のひずみ量が所定の値を超えたことを知ることができる。
【0019】
本発明の望ましい態様として、第1固定部と、第2固定部と、を備え、前記検出部は、最も垂直断面の面積が小さい応力集中部を有する絶縁体の板部材と、少なくとも前記応力集中部の外側を覆うように前記板部材の表面に形成された電極と、を備え、前記板部材は、前記第1固定部及び前記第2固定部によって前記容器の内壁に固定され、前記第1固定部及び前記第2固定部を介して前記容器と共にひずみ、前記第1ケーブル及び前記第2ケーブルは、前記電極に接続され、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルとは、前記電極の内前記応力集中部の外側を覆う部分を介して電気的に接続され、前記応力集中部は、前記検出対象物が所定の値を超えてひずんだ場合に、前記第1固定部及び前記第2固定部から伝えられる前記容器のひずみによって破断することが好ましい。
【0020】
これによれば、応力集中部は、検出対象物が所定の値を超えてひずんだ場合に、破断できる。したがって、使用者は、第1ケーブルと第2ケーブルとの電気的な接続を確認することで検出対象物のひずみ量が所定の値を超えたことを知ることができる。
【0021】
本発明の望ましい態様として、前記検出対象物は、配管を接合する溶接部であり、前記容器は、少なくとも前記配管の前記溶接部を跨ぐ2カ所に固定されていることが好ましい。
【0022】
これにより、ひずみ検出装置は、溶接部が所定量ひずんだことを検出できる。
【0023】
本発明の望ましい態様として、前記検出対象物は、配管を接合する溶接部の熱影響部であり、前記容器は、前記配管の母材と前記溶接部の溶接金属とに固定されていることが好ましい。
【0024】
これにより、ひずみ検出装置は、熱影響部が所定量ひずんだことを検出できる。
【0025】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の他の態様として、ひずみ検出システムは、上述したひずみ検出装置を少なくとも2つ備え、前記検出対象物は、配管を接合する溶接部であり、それぞれの前記容器は、前記配管の周方向に異なる位置、かつ少なくとも前記配管の前記溶接部を跨ぐ2カ所に固定されていることを特徴とする。
【0026】
これによれば、ひずみ検出システムは、溶接部が配管の周方向に渡って均等にひずまない場合(例えば、配管を曲げる応力によってひずんだ場合等)でも、いずれかのひずみ検出装置が溶接部のひずみが所定値を超えたことを検出できる。これにより、ひずみ検出システムは、溶接部のひずみを周方向に渡る複数の位置で検出できる。その結果、ひずみ検出システムは、溶接部が所定値を超えてひずんだことをより高い信頼性で検出できる。
【0027】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の他の態様として、ひずみ検出システムは、上述したひずみ検出装置を少なくとも2つ備え、前記検出対象物は、配管を接合する溶接部の熱影響部であり、それぞれの前記容器は、前記配管の周方向に異なる位置、かつ前記配管の母材と前記溶接部の溶接金属とに固定されていることを特徴とする。
【0028】
これによれば、ひずみ検出システムは、熱影響部が配管の周方向に渡って均等にひずまない場合(例えば、配管を曲げる応力によってひずんだ場合等)でも、いずれかのひずみ検出装置が熱影響部のひずみが所定値を超えたことを検出できる。これにより、ひずみ検出システムは、熱影響部のひずみを周方向に渡る複数の位置で検出できる。その結果、ひずみ検出システムは、熱影響部が所定値を超えてひずんだことをより高い信頼性で検出できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、熱の影響を受けても、長期的、かつ高い信頼性でひずみを検出できるひずみ検出装置及びひずみ検出システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、第1実施形態に係るひずみ検出装置の一例を示す模式図である。
図2図2は、図1のA−A矢視図である。
図3図3は、図2のB−B断面模式図である。
図4図4は、図3のC−C矢視図である。
図5図5は、図3の位置Qを拡大して示す断面模式図である。
図6図6は、第2実施形態に係るひずみ検出装置の一例を示す模式図である。
図7図7は、第3実施形態に係るひずみ検出装置の一例を示す模式図である。
図8図8は、図7のD−D矢視図である。
図9図9は、図8のE−E断面模式図である。
図10図10は、図8のF−F矢視図である。
図11図11は、第4実施形態に係るひずみ検出装置の一例を示す断面模式図である。
図12図12は、第1実施形態に係るひずみ検出装置を用いたひずみ検出システムの一例を示す模式図である。
図13図13は、図12のG−G矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0032】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るひずみ検出装置の一例を示す模式図である。図2は、図1のA−A矢視図である。図3は、図2のB−B断面模式図である。図4は、図3のC−C矢視図である。図5は、図3の位置Qを拡大して示す断面模式図である。第1実施形態に係るひずみ検出装置10は、例えば、火力発電所のボイラ配管等の溶接部のひずみを検出する場合に適用されるが、ひずみ検出装置10がひずみを検出する対象は、これに限定されない。配管12は、第1母材14と、第2母材16と、第1母材14と第2母材16とを接合する溶接部18と、を備える。第1母材14及び第2母材16は、例えば、高クロムフェライト鋼鋼管である。溶接部18は、溶接金属20と、熱影響部22、24と、を備える。溶接金属20は、例えば、高クロムフェライト鋼である。熱影響部22は、第1母材14と溶接金属20との間に位置する。熱影響部22は、第1母材14と第2母材16とを溶接金属20を用いて溶接する際に、熱の影響を受けた部分である。熱影響部22は、機械的性質等が第1母材14、第2母材16、及び溶接金属20と異なる。熱影響部24は、第2母材16と溶接金属20との間に位置すること以外は、熱影響部22と同様である。
【0033】
図1及び図3に示すように、ひずみ検出装置10は、容器26と、第1ケーブル42と、第2ケーブル54と、第1閉塞部70と、第2閉塞部80と、検出部90と、第1スリーブ120と、第2スリーブ122と、を備える。
【0034】
図1から図3に示すように、容器26は、円筒形状のケーシングである。なお、容器26の形状はこれに限定されない。容器26は、例えば、材料がステンレス(SUS316等)である。これによれば、容器26は、配管12から熱が伝わった場合でも、酸化し難い。図1及び図3に示すように、容器26は、第1溶接固定部28及び第2溶接固定部30を介して配管12に固定されている。第1溶接固定部28及び第2溶接固定部30は、容器26と配管12とを接合する溶接金属である。第1溶接固定部28と第2溶接固定部30とは、ひずみ方向29に対して、溶接部18を間に挟む位置で容器26を配管12に対して固定している。ひずみ方向29は、配管12が延伸する方向である。溶接部18は、例えば、クリープ損傷により、溶接線と直交又は交差するひずみ方向29に伸びてひずむ。第1溶接固定部28及び第2溶接固定部30は、配管12のひずみを容器26に伝える。これによれば、容器26は、第1溶接固定部28及び第2溶接固定部30を介して、溶接部18と共にひずむことができる。図1及び図3に示すように、容器26は、第1孔34と、第2孔36と、を備える。
【0035】
図3に示すように、第1孔34は、容器26の一方の端部に形成された開口である。第1孔34は、内壁に雌ねじ38が切られている。第2孔36は、容器26の他方の端部に形成された開口である。第2孔36は、内壁に雌ねじ40が切られている。
【0036】
図3に示すように、第1ケーブル42は、容器26の内部から第1孔34を介して容器26の外部へ取り出されている。第1ケーブル42は、第1電線44と、第1金属シース46と、第1絶縁層48と、を備える。
【0037】
図3に示すように、第1金属シース46は、第1電線44を覆う保護管である。第1金属シース46は、容器26に挿入される側の端部に雄ねじ50が切られている。第1金属シース46は、例えば、材料がステンレス(SUS316等)である。これによれば、第1金属シース46は、配管12から熱が伝わっても錆び難い。第1金属シース46は、雄ねじ50の終端に形成された第1ストッパー52を有する。第1ストッパー52は、雄ねじ50の外径よりも大きい円環形状の部材である。第1ストッパー52は、第1金属シース46と一体に形成される。
【0038】
第1絶縁層48は、第1金属シース46と第1電線44とを絶縁する絶縁体である。第1絶縁層48は、例えば、第1金属シース46と第1電線44との間に密閉充填された高純度の酸化マグネシウムの粉末である。これによれば、第1絶縁層48は、熱の影響を受けても、高い絶縁性能を維持できる。
【0039】
第2ケーブル54は、容器26の内部から第2孔36を介して容器26の外部へ取り出されている。第2ケーブル54は、第2電線56と、第2金属シース58と、第2絶縁層60と、を備える。
【0040】
図3に示すように、第2金属シース58は、第2電線56を覆う保護管である。第2金属シース58は、容器26に挿入される側の端部に雄ねじ62が切られている。第2金属シース58は、例えば、材料がステンレス(SUS316等)である。これによれば、第2金属シース58は、配管12から熱が伝わっても錆び難い。第2金属シース58は、雄ねじ62の終端に形成された第2ストッパー64を有する。第2ストッパー64は、雄ねじ62の外径よりも大きい円環形状の部材である。第2ストッパー64は、第2金属シース58と一体に形成される。第2絶縁層60は、第2金属シース58と第2電線56とを絶縁する絶縁体である。第2絶縁層60は、例えば、第2金属シース58と第2電線56との間に密閉充填された高純度の酸化マグネシウムの粉末である。これによれば、第2絶縁層60は、熱の影響を受けても、高い絶縁性能を維持できる。
【0041】
図2及び図3に示すように、第1閉塞部70は、例えば、筒形状のセラミック(酸化アルミニウム等)である。第1閉塞部70は、外面に雄ねじ72が切られている。第1閉塞部70は、内面に雌ねじ74が切られている。雄ねじ72は、第1孔34の内壁に切られた雌ねじ38と締結される。雌ねじ74は、第1金属シース46の雄ねじ50と締結される。これによれば、第1閉塞部70は、第1孔34と第1ケーブル42との隙間を埋めることができる。また、第1金属シース46の雄ねじ50の終端には、第1ストッパー52が形成されている。これによれば、第1ストッパー52は、雌ねじ74と雄ねじ50とのねじ込み深さを制限できる。これにより、雄ねじ50を雌ねじ74に十分な深さ迄ねじ込むことができる。十分な深さとは、第1ストッパー52と第1閉塞部70の端部とが当接する深さである。その結果、第1閉塞部70は、第1孔34と第1ケーブル42との隙間を密に埋めることができる。
【0042】
図2及び図3に示すように、第2閉塞部80は、筒形状のセラミック(酸化アルミニウム等)である。第2閉塞部80は、外面に雄ねじ82が切られている。第2閉塞部80は、内面に雌ねじ84が切られている。雄ねじ82は、第2孔36の内壁に切られた雌ねじ40と締結される。雌ねじ84は、第2金属シース58の雄ねじ62と締結される。これによれば、第2閉塞部80は、第2孔36と第2ケーブル54との隙間を埋めることができる。また、第2金属シース58の雄ねじ62の終端には、第2ストッパー64が形成されている。これによれば、第2ストッパー64は、雌ねじ84と雄ねじ62とのねじ込み深さを制限できる。これにより、雄ねじ62を雌ねじ84に十分な深さ迄ねじ込むことができる。十分な深さとは、第2ストッパー64と第2閉塞部80の端部とが当接する深さである。その結果、第2閉塞部80は、第2孔36と第2ケーブル54との隙間を密に埋めることができる。これにより、第1閉塞部70及び第2閉塞部80は、容器26を密閉することができる。
【0043】
図3に示すように、検出部90は、第1電極92と、第2電極94と、を備える。第1電極92及び第2電極94の材料は、例えば、プラチナであるがこれに限定されない。第1電極92及び第2電極94の材料は、導電性の材料であればよい。図3から図5に示すように、第1電極92は、第2電極94を把持することで第2電極94と電気的に接続されている。第1電極92は、第1平板部96と、第2平板部98と、第1湾曲部100と、第2湾曲部102と、第1電極固定部116と、を備える。
【0044】
図3及び図4に示すように、第1平板部96及び第2平板部98は、平板形状である。第1湾曲部100及び第2湾曲部102は、断面視でV字に湾曲した板形状の部材である。第1湾曲部100は、第1平板部96の一方の端部に接続される。第2湾曲部102は、第2平板部98の一方の端部に接続される。
【0045】
図3から図5に示すように、第1湾曲部100は、第1ガイド面104と、第1湾曲部100が第2電極94と接触する部分である第1接触部106と、を備える。第1ガイド面104は、第1湾曲部100の第2孔36側の面である。第2湾曲部102は、第2ガイド面108と、第2湾曲部102が第2電極94と接触する部分である第2接触部110と、を備える。第2ガイド面108は、第2湾曲部102の第2孔36側の面である。
【0046】
図4に示す矢印PAは、第1接触部106が第2電極94に対して加える力の向きを示す。図4に示す矢印PBは、第2接触部110が第2電極94に対して加える力の向きを示す。図4に示す矢印Gは、重力が加わる方向である鉛直方向を示す。図4に示すように、第1接触部106及び第2接触部110は、鉛直方向と直交する方向から第2電極94を把持する。
【0047】
図5に示す位置L1は、ひずみ方向29における、第1接触部106及び第2接触部110の位置である。図5に示す位置L2は、ひずみ方向29における、第2電極94の先端の位置である。図5に示す距離d1は、位置L1と位置L2との距離である。距離d1は、溶接部18がひずみ方向29に所定の値ひずんだ場合に、容器26のひずみによって第1電極92と第2電極94とが変位する量に等しい。所定値とは、例えば、設備管理上許容できる溶接部18のひずみの値であり、使用者によって適宜決定される。
【0048】
図5に示す第1平面112は、第1ガイド面104が含まれる平面である。図5に示す第2平面114は、第2ガイド面108が含まれる平面である。図5に示すように、第1平面112と第2電極94とが成す角度αは、鋭角である。図5に示すように、第2平面114と第2電極94とが成す角度βは、鋭角である。
【0049】
第1電極固定部116は、第1電線44と第1平板部96の他方の端部及び第2平板部98の他方の端部とを接続する板形状の部材である。第1電極固定部116は、第1接触部106と第2接触部110とが互いに近ずくように第1平板部96と第2平板部98とに弾性力を加える板ばねである。第1電極92は、第1電線44によって支持されている。
【0050】
第2電極94は、ひずみ方向29と平行に配置された棒形状の導体である。第2電極94は、第2電線56に電気的に接続されている。第2電線56は、第2電極94がひずみ方向29と平行になるように第2電極94を支持する。
【0051】
第1スリーブ120は、第1電極92と容器26との間に配置される円筒形状の絶縁体である。第1スリーブ120の長さは、第1電極92よりも長い。これによれば、第1スリーブ120は、第1電極92を覆うことができる。これにより、第1スリーブ120は、容器26と第1電極92との電気的な接触を防ぐことができる。
【0052】
第2スリーブ122は、第2電極94と容器26との間に配置される円筒形状の絶縁体である。第2スリーブ122の長さは、第2電極94よりも長い。これによれば、第2スリーブ122は、第2電極94を覆うことができる。これにより、第2スリーブ122は、容器26と第2電極94との電気的な接触を防ぐことができる。第1スリーブ120及び第2スリーブ122は、振動等によって第1電極92及び第2電極94が容器26内で動いた場合でも、第1電極92及び第2電極94と容器26との接触を防ぐことができる。これにより、第1電極92と第2電極94とが容器26を介して電気的に接続されることを防ぐことができる。その結果、ひずみ検出装置10は、検出部90の誤動作を抑制することができる。
【0053】
特許文献2に記載のひずみ検出装置は、検出部が密閉された容器の中に収容されていない。したがって、検出部は、大気に露出しており、特許文献2に記載のひずみ検出装置を用いて配管のひずみを検出しようとしても、配管から熱の影響を受けて、検出部が錆びてしまう。その結果、熱の影響を受ける環境において、長期的、かつ高い信頼性でひずみを検出することは難しかった。それに対し、第1実施形態に係るひずみ検出装置10は、第1閉塞部70が第1ケーブル42と第1孔34との間の隙間を閉塞する。また、第2閉塞部80は、第2ケーブル54と第2孔36との間の隙間を閉塞する。したがって、第1閉塞部70及び第2閉塞部80は、容器26を密封できる。これにより、ひずみ検出装置10は、検出部90を空気の量が限られた空間に配置することで、検出部90と反応する酸素の量を制限することができる。つまり、ひずみ検出装置10は、検出部90が酸化することを抑制できる。したがって、ひずみ検出装置10は、検出部90の酸化による誤検出及び動作不良等を抑制できる。その結果、ひずみ検出装置10は、長期的、かつ高い信頼性で検出対象物のひずみを検出することができる。
【0054】
第1実施形態に係るひずみ検出装置10は、容器26が第1溶接固定部28及び第2溶接固定部30を介して検出対象物である溶接部18と共にひずむ。また、容器26と第1電線44とは第1閉塞部70を介して固定されている。また、第1電極92は、第1電線44に固定されている。また、容器26と第2電線56とは第2閉塞部80を介して固定されている。また、第2電極94は、第2電線56に固定されている。これによれば、第1電極92の位置と第2電極94の位置とは、容器26のひずみによって移動する。また、第2電極94の先端から第1接触部106及び第2接触部110までの距離d1は、溶接部18が所定量ひずんだ場合に、第1電極92と第2電極94とが変位する長さに等しい。これによれば、溶接部18が所定量を超えてひずんだ場合に、第1電極92と第2電極94との接触が外れる。これにより、第1ケーブル42と第2ケーブル54との電気的な接続が切れる。その結果、使用者は、第1ケーブル42と第2ケーブル54との電気的な接続状態を確認することで、溶接部18が所定量を超えてひずんだことを検出できる。このように、第1実施形態によれば、溶接部18のひずみ量そのものを計測できなくても、溶接部18のひずみが所定量を超えたことが検出できる。
【0055】
第1実施形態に係るひずみ検出装置10は、第1接触部106及び第2接触部110が重力の加わる鉛直方向と直交する方向から第2電極94を把持する。これによれば、容器26のひずみによって第1電極92と第2電極94との接触が外れた場合に、第2電極94が鉛直方向に撓む。これにより、第1電極92と第2電極94との接触が外れた後に、第2電極94が第1電極92の第1ガイド面104及び第2ガイド面108に接触することを抑制できる。
【0056】
第1実施形態に係るひずみ検出装置10は、第1平面112と第2電極94とが成す角度α、及び第2平面114と第2電極94とが成す角度βが鋭角である。これによれば、第1ガイド面104及び第2ガイド面108は、第2電極94を第1接触部106と第2接触部110との間に挿入する場合に、第2電極94を第1接触部106及び第2接触部110へガイドできる。
【0057】
第1実施形態に係るひずみ検出装置10は、第1閉塞部70及び第2閉塞部80の材料がセラミックである。これによれば、第1閉塞部70及び第2閉塞部80の材料が金属である場合と比較して、第1閉塞部70及び第2閉塞部80と容器26とが固着することを抑制できる。
【0058】
なお、第1実施形態に係るひずみ検出装置10は、第1スリーブ120及び第2スリーブ122を備えるとしたが、両方、或いは、どちらか一方を省略してもよい。また、第1スリーブ120と第2スリーブ122を一体としてもよい。
【0059】
なお、第1実施形態に係るひずみ検出装置10は、第1電極92が第2電極94を2方向から把持する構成としたが、これに限定されない。第1電極92は、第2電極94と電気的に接続可能な構成であればよい。ひずみ検出装置10は、例えば、第1電極92が第3平板部及び第3湾曲部を備え、第1電極92が第2電極94を3方向から把持する構成としてもよい。
【0060】
なお、第1実施形態に係るひずみ検出装置10は、容器26の材料がステンレスであるとしたが、これに限定されない。容器26の材料は、例えば、配管12と同じ材料でもよい。
【0061】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係るひずみ検出装置一例を示す模式図である。第2実施形態に係るひずみ検出装置10aは、第1溶接固定部28に代えて第1溶接固定部28aを備えること、及び第2溶接固定部30に代えて第2溶接固定部30aを備えること以外は第1実施形態に係るひずみ検出装置10と同様である。
【0062】
図6に示すように、容器26は、第1溶接固定部28a及び第2溶接固定部30aを介して配管12に固定されている。第1溶接固定部28a及び第2溶接固定部30aは、容器26と配管12とを接合する溶接金属である。第1溶接固定部28aと第2溶接固定部30aとは、ひずみ方向29に対して、熱影響部22を間に挟む位置で容器26を固定している。より詳細には、第1溶接固定部28aは、容器26を第1母材14に固定する。第2溶接固定部30aは、容器26を溶接金属20に固定する。なお、第1溶接固定部28aと第2溶接固定部30aとは、ひずみ方向29に対して、熱影響部24を間に挟む位置で容器26を固定してもよい。この場合、第1溶接固定部28aは、容器26を第2母材16に固定する。第2実施形態においても、熱影響部24のひずみ量そのものを計測できなくても、熱影響部24のひずみが所定量を超えたことが検出できる。
【0063】
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態に係るひずみ検出装置の一例を示す模式図である。図8は、図7のD−D矢視図である。図9は、図8のE−E断面模式図である。図10は、図8のF−F矢視図である。第3実施形態に係るひずみ検出装置10bには、第1実施形態に係るひずみ検出装置10と同じ構成要素に同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0064】
図9に示すように、ひずみ検出装置10bは、容器26b、第1ケーブル42と、第2ケーブル54と、第1閉塞部70と、第2閉塞部80と、検出部90bと、第1固定部224bと、第2固定部226bと、を備える。
【0065】
図7から図9に示すように、容器26bは、中空の直方体形状であり、下部ケーシング200bと、上部ケーシング202bと、を備えること以外は、容器26と同様である。図9に示すように、下部ケーシング200bは、第1溶接固定部28及び第2溶接固定部30を介して配管12に固定される。下部ケーシング200bは、下部ケーシング200bの配管12側とは反対側に形成された開口部201bと、第1ボス204bと、第2ボス206bと、第1孔34と、第2孔36とを備える。
【0066】
図9に示すように、第1ボス204b及び第2ボス206bは、下部ケーシング200bの配管12と反対側の内壁に形成される。第1ボス204b及び第2ボス206bの位置は、ひずみ方向29において、第1溶接固定部28の位置及び第2溶接固定部30の位置を間に挟む。これによれば、第1ボス204b及び第2ボス206bは、溶接部18がひずんで容器26bが変形した場合に、容器26bのひずみ方向29に対する変形量と同じだけ第1ボス204bと第2ボス206bとの位置が変位する。
【0067】
図7から図9に示すように、上部ケーシング202bは、下部ケーシング200bの開口部201bを覆う板形状の部材である。図7及び図8に示すように、上部ケーシング202bは、溶接部208bによって、外側面が全周に渡って下部ケーシング200bに接合されている。
【0068】
図9及び図10に示すように、検出部90bは、板部材210bと、電極212bと、を備える。板部材210bの材料は、例えば、セラミック(酸化アルミニウム等)であるがこれに限定されない。板部材210bの材料は、配管12から伝わる熱の影響に耐えられる絶縁体の材料であればよい。図10に示すように、板部材210bは、平面視で矩形の形状である。板部材210bは、切欠き部214b、216bと、応力集中部218bと、を備える。
【0069】
図9及び図10に示すように、切欠き部214b、216bは、板部材210bの一部を刳り貫いた部分である。切欠き部214b、216bの形状は特に限定されない。切欠き部214b、216bは、板部材210bの垂直断面の内で最も面積が小さい部分である応力集中部218bを形成する。応力集中部218bの面積は、溶接部18がひずみ方向29に所定の値を超えてひずんだ場合に、応力集中部218bが破断するように適宜調整される。所定値とは、例えば、設備管理上許容できる溶接部18のひずみの値であり、使用者によって適宜決定される。
【0070】
電極212bは、板部材210bの配管12側と反対側の面の表面に形成された金属導電体である。電極212bは、例えば、プラチナ等を板部材210bに蒸着して形成される。なお、電極212bは、板部材210bの一方の表面すべてに形成される必要は無く、応力集中部218bの外側の一部を覆っていればよい。電極212bは、例えば、はんだによって、第1電線44と接続点220bで電気的に接続される。電極212bは、例えば、はんだによって、第2電線56と接続点222bで電気的に接続される。これによれば、電極212bは、第1電線44と第2電線56とを電気的に接続することができる。
【0071】
第1固定部224b及び第2固定部226bは、絶縁体のねじである。第1固定部224b及び第2固定部226bの材料は、例えば、セラミックである。図9及び図10に示すように、第1固定部224b及び第2固定部226bは、板部材210bを容器26bに固定する。具体的には、第1固定部224bは、板部材210b及び電極212bを介して第1ボス204bに締結される。第2固定部226bは、板部材210b及び電極212bを介して第2ボス206bに締結される。
【0072】
第3実施形態に係るひずみ検出装置10bは、溶接部208bが上部ケーシング202bと下部ケーシング200bとを接合する。また、第1閉塞部70が第1ケーブル42と第1孔34との間の隙間を閉塞する。また、第2閉塞部80が第2ケーブル54と第2孔36との間の隙間を閉塞する。したがって、第1閉塞部70及び第2閉塞部80は、容器26bを密封できる。これによれば、ひずみ検出装置10bは、検出部90bが大気に曝されることを防ぐことができる。これにより、検出部90bが配管12から熱の影響を受けた場合でも、検出部90bが酸化することを抑制することができる。その結果、ひずみ検出装置10bは、熱の影響を受けても長期的、かつ高い信頼性でひずみを検出することができる。
【0073】
第3実施形態に係るひずみ検出装置10bは、容器26bが第1溶接固定部28及び第2溶接固定部30を介して検出対象物である溶接部18と共にひずむ。板部材210bは、第1固定部224b及び第2固定部226bを介して容器26bと共にひずむ。応力集中部218bは、板部材210bの中で垂直断面の断面積が最も小さい。これによれば、応力集中部218bには、応力集中部218b以外の板部材210bよりもひずみによる応力が大きくなる。また、応力集中部218bの面積は、溶接部18がひずみ方向29に所定の値を超えてひずんだ場合に、応力集中部218bが破断するように適宜調整される。これによれば、溶接部18が所定量を超えてひずんだ場合に、応力集中部218bは、応力集中部218b以外の板部材210bよりも先に破断する。このため、応力集中部218bの板部材210bの中で垂直断面の断面積を調整することで、所定量のひずみを決定することができる。板部材210bの破断に伴って、電極212bも破断する。これにより、第1ケーブル42と第2ケーブル54との電気的な接続が切れる。その結果、使用者は、第1ケーブル42と第2ケーブル54との電気的な接続状態を確認することで、溶接部18が所定量を超えてひずんだことを検出できる。このように、第3実施形態によれば、溶接部18のひずみ量そのものを計測できなくても、溶接部18のひずみが所定量を超えたことが検出できる。
【0074】
(第4実施形態)
図11は、第4実施形態に係るひずみ検出装置の一例を示す断面模式図である。図11は、第4実施形態に係るひずみ検出装置10cの垂直断面図を模式的に示している。第4実施形態に係るひずみ検出装置10cは、検出部90bに代えて検出部90cを備え、絶縁部材300c、302cを備えていること以外は、第3実施形態に係るひずみ検出装置10bと同様である。
【0075】
図11に示すように、検出部90cは、板部材210cを備える。板部材210cは、板部材210b同様に切欠き部214b、216bと、応力集中部218bと、を備える平面視で矩形の形状の部材である。図11に示すように、板部材210cは、材料が、プラチナ等の導電性の金属であること、第1電線44と接続点220bで電気的に接続されること、及び第2電線56と接続点222bで電気的に接続されること以外は、板部材210bと同様である。
【0076】
切欠き部214b、216bは、板部材210cの一部を刳り貫いた部分である。切欠き部214b、216bの形状は特に限定されない。切欠き部214b、216bは、板部材210cの垂直断面の内で最も面積が小さい部分である応力集中部218bを形成する。応力集中部218bの面積は、溶接部18がひずみ方向29に所定の値を超えてひずんだ場合に、応力集中部218bが破断するように適宜調整される。所定値とは、例えば、設備管理上許容できる溶接部18のひずみの値であり、使用者によって適宜決定される。
【0077】
図11に示すように、絶縁部材300c、302cは、円筒形状の絶縁体である。絶縁部材300c、302cの材料は、例えば、セラミックである。絶縁部材300c、302cは、内径が第1ボス204b及び第2ボス206bの外径よりも小さい。絶縁部材300cは、板部材210cと第1ボス204bとの間に配置されている。絶縁部材300cの内壁は、第1固定部224bと締結されている。絶縁部材302cは、板部材210cと第2ボス206bとの間に配置されている。絶縁部材302cの内壁は、第2固定部226bと締結されている。これによれば、絶縁部材300c、302cは、板部材210cと容器26bとを絶縁することができる。
【0078】
第4実施形態に係るひずみ検出装置10cは、容器26bが第1溶接固定部28及び第2溶接固定部30を介して検出対象物である溶接部18と共にひずむ。板部材210cは、第1固定部224b及び第2固定部226bを介して容器26bと共にひずむ。応力集中部218bは、板部材210cの中で垂直断面の断面積が最も小さい。これによれば、応力集中部218bには、応力集中部218b以外の板部材210cよりもひずみによる応力が大きくなる。また、応力集中部218bの面積は、溶接部18がひずみ方向29に所定の値を超えてひずんだ場合に、応力集中部218bが破断するように適宜調整される。これによれば、溶接部18が所定量を超えてひずんだ場合に、応力集中部218bは、応力集中部218b以外の板部材210cよりも先に破断する。このため、応力集中部218bの板部材210cの中で垂直断面の断面積を調整することで、所定量のひずみを決定することができる。これにより、第1ケーブル42と第2ケーブル54との電気的な接続が切れる。その結果、使用者は、第1ケーブル42と第2ケーブル54との電気的な接続状態を確認することで、溶接部18が所定量を超えてひずんだことを検出できる。このように、第4実施形態によれば、溶接部18のひずみ量そのものを計測できなくても、溶接部18のひずみが所定量を超えたことが検出できる。
【0079】
なお、絶縁部材300c、302cの材料、形状、及び個数は、特に限定されない。絶縁部材300c、302cは、検出部90cと容器26bとを電気的に絶縁するものであればよい。また、ひずみ検出装置10cは、例えば、絶縁部材300c、302cを省略して、第1ボス204b及び第2ボス206bを絶縁体材料とすることで、検出部90cと容器26bとを電気的に絶縁してもよい。
【0080】
(ひずみ検出システム)
図12は、第1実施形態に係るひずみ検出装置を用いたひずみ検出システムの一例を示す模式図である。図13は、図12のG−G矢視図である。図12及び図13に示すように、ひずみ検出システム1は、上述した第1実施形態から第4実施形態のいずれかに係るひずみ検出装置10を4つ備える。ひずみ検出システム1は、ひずみ検出装置10を2つ以上備えていればよい。
【0081】
図13に示すように、4つのひずみ検出装置10は、配管12の周方向に対してそれぞれ異なる位置に固定されている。図12に示すように、4つのひずみ検出装置10の容器は、それぞれ溶接部18を跨ぐ位置で固定されている。ひずみ検出システム1が第1実施形態に係るひずみ検出装置10を4つ備える場合、4つのひずみ検出装置10は、それぞれの第2電極94の先端からそれぞれの第1接触部106までの距離がそれぞれ同じ長さである。これによれば、ひずみ検出システム1は、溶接部18が配管の周方向に渡って均等にひずまない場合(例えば、配管が曲げ応力によってひずんだ場合等)でも、いずれかのひずみ検出装置10が溶接部18のひずみが所定値を超えていることを検出できる。これにより、ひずみ検出システム1は、溶接部18のひずみを周方向に渡る複数の位置で検出できる。その結果、ひずみ検出システム1は、溶接部18が所定値を超えてひずんだことをより正確に検出できる。同様に、ひずみ検出システム1が第2実施形態に係るひずみ検出装置10を4つ備える場合においても、ひずみ検出システム1は、熱影響部24のひずみが所定量超えたことを検出できる。
【0082】
ひずみ検出システム1が第3実施形態に係るひずみ検出装置10を4つ備える場合、応力集中部218bの面積がそれぞれ同じ面積である。これによれば、ひずみ検出システム1は、溶接部18が配管の周方向に渡って均等にひずまない場合(例えば、配管が曲げ応力によってひずんだ場合等)でも、いずれかのひずみ検出装置10が溶接部18のひずみが所定値を超えていることを検出できる。これにより、ひずみ検出システム1は、溶接部18のひずみを周方向に渡る複数の位置で検出できる。その結果、ひずみ検出システム1は、溶接部18が所定値を超えてひずんだことをより正確に検出できる。同様に、ひずみ検出システム1が第4実施形態に係るひずみ検出装置10を4つ備える場合においても、ひずみ検出システム1は、熱影響部24のひずみが所定量を超えたことが検出できる。
【0083】
ひずみ検出システム1が第1実施形態に係るひずみ検出装置10を4つ備える場合、4つのひずみ検出装置10は、それぞれの第2電極94の先端からそれぞれの第1接触部106までの距離がそれぞれ異なる長さとしてもよい。具体的には、4つのひずみ検出装置10のそれぞれの第2電極94の先端からそれぞれの第1接触部106までの距離は、距離d1の0.25倍、0.5倍、0.75倍及び1倍とする。ひずみ検出装置10毎に距離d1が異なるので、ひずみ検出システム1は、配管12が所定の値のひずみに対して、25パーセント、50パーセント、75パーセント、及び100パーセントのいずれかに達したことを検出できる。これにより、ひずみ検出システム1は、配管12が所定の値のひずみに対してどの程度までひずんでいるのかを検出することができる。ひずみ検出システム1が第2実施形態に係るひずみ検出装置10を4つ備える場合においても、ひずみ検出装置10毎に距離d1を異ならせることで同様の作用効果を奏する。
【0084】
ひずみ検出システム1が第3実施形態に係るひずみ検出装置10を4つ備える場合において、それぞれの応力集中部218bの面積がそれぞれ異なる面積としてもよい。具体的には、基準となる1つの応力集中部218bの面積を1とした場合、4つのひずみ検出装置10のそれぞれの応力集中部218bの面積が、0.25倍、0.5倍、0.75倍及び1倍とする。ひずみ検出装置10毎に応力集中部218bの面積を異ならせたので、ひずみ検出システム1は、配管12が所定の値のひずみに対して、25パーセント、50パーセント、75パーセント、及び100パーセントのいずれかに達したことを検出できる。これにより、ひずみ検出システム1は、配管12が所定の値のひずみに対してどの程度までひずんでいるのかを検出することができる。ひずみ検出システム1が第4実施形態に係るひずみ検出装置10を4つ備える場合においても、ひずみ検出装置10毎に応力集中部218bの面積を異ならせることで、同様の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0085】
1 ひずみ検出システム
10、10a、10b、10c ひずみ検出装置
12 配管
18 溶接部
20 溶接金属
22、24 熱影響部
26、26b 容器
29 ひずみ方向
34 第1孔
36 第2孔
38、40 雌ねじ
42 第1ケーブル
46 第1金属シース
54 第2ケーブル
58 第2金属シース
70 第1閉塞部
80 第2閉塞部
90、90b、90c 検出部
92 第1電極
94 第2電極
120 第1スリーブ
122 第2スリーブ
204b 第1ボス
206b 第2ボス
210b、210c 板部材
212b 電極
218b 応力集中部
224b 第1固定部
226b 第2固定部
300c、302c 絶縁部材
図1
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図12
図13