(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入力文字を交換候補文字と交換する必要が有ると判定され、交換候補文字のうちから交換対象文字が選択されると、入力文字に代えて交換対象文字を前記文字表示領域に表示させる第3の表示制御部(6e)を備え、
前記文字確定部は、前記文字表示領域に表示された交換対象文字を確定文字として確定する請求項1に記載の電子情報処理システム。
前記交換必要判定部は、ユーザの視線方向が交換候補文字のうち特定の文字に向けられ且つユーザの脳活動が不快でない状態が所定時間継続すると、入力文字を交換候補文字と交換する必要が有ると判定し、その特定の文字を交換対象文字として選択する請求項1又は2に記載の電子情報処理システム。
ユーザの挙動を検出する挙動検出部(9)、ユーザが発話した音声を検出する音声検出部(10)、ユーザの操作を検出する操作検出部(11)のうち少なくとも何れかを備え、
前記提示必要判定部は、ユーザからの文字入力の操作により受け付けられた文字が入力文字として表示された後の前記脳活動検出部の検出結果に加え、前記挙動検出部の検出結果、前記音声検出部の検出結果、前記操作検出部の検出結果のうち少なくとも何れかを用い、その入力文字に対応する交換候補文字を提示する必要の有無を判定する請求項1から3の何れか一項に記載の電子情報処理システム。
ユーザの挙動を検出する挙動検出部(9)、ユーザが発話した音声を検出する音声検出部(10)、ユーザの操作を検出する操作検出部(11)のうち少なくとも何れかを備え、
前記交換必要判定部は、交換候補文字が表示された後の前記視線方向検出部の検出結果及び前記脳活動検出部の検出結果に加え、前記挙動検出部の検出結果、前記音声検出部の検出結果、前記操作検出部の検出結果のうち少なくとも何れかを用い、入力文字を交換候補文字と交換する必要の有無を判定し、入力文字を交換候補文字と交換する必要が有ると判定すると、交換候補文字のうちから交換対象文字を選択する請求項1から3の何れか一項に記載の電子情報処理システム。
前記第2の表示制御部は、入力文字が前記文字表示領域に表示されている状態で交換候補文字を前記交換候補表示領域に表示させる請求項1から5の何れか一項に記載の電子情報処理システム。
前記文字確定部は、交換候補文字を提示する必要が無いと判定されると、前記文字表示領域に表示されている入力文字を確定文字として確定する請求項1から8の何れか一項に記載の電子情報処理システム。
ユーザからの文字入力の操作を受け付ける操作受付部(16)と、ユーザの脳活動を検出する脳活動検出部(8)と、ユーザの視線方向を検出する視線方向検出部(12)と、を備えた電子情報処理システム(1)の制御部(6)に、
ユーザからの文字入力の操作を受け付ける操作受付手順と、
ユーザからの文字入力の操作が受け付けられると、その受け付けられた文字を入力文字として文字表示領域(32)に表示させる第1の表示制御手順と、
ユーザからの文字入力の操作により受け付けられた文字が入力文字として表示された後の前記脳活動検出部の検出結果を用い、その入力文字に対応する交換候補文字を提示する必要の有無を判定する提示必要判定手順と、
交換候補文字を提示する必要が有ると判定すると、複数の交換候補文字を交換候補表示領域(34c〜34e)に表示させる第2の表示制御手順と、
交換候補文字が表示された後の前記視線方向検出部の検出結果及び前記脳活動検出部の検出結果を用い、入力文字を交換候補文字と交換する必要の有無を判定し、入力文字を交換候補文字と交換する必要が有ると判定すると、交換候補文字のうちから交換対象文字を選択する交換必要判定手順と、
交換候補文字のうちから交換対象文字を選択すると、その選択した交換対象文字を確定文字として確定する文字確定手順と、を実行させるコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を車両に搭載される電子情報処理システムに適用した一実施形態について図面を参照して説明する。電子情報処理システム1は、
図2に示すように、車室内において運転者であるユーザが視認可能な表示器2を有する。表示器2は、ユーザの前方視界を妨げない位置に配置されている。表示器2には、ユーザの顔を撮影する2つのカメラ3,4が配置されていると共に、各種の電子部品を含む制御ユニット5が内蔵されている。
【0012】
電子情報処理システム1は、制御部6と、通信部7と、脳活動検出部8と、挙動検出部9と、音声検出部10と、操作検出部11と、視線方向検出部12と、記憶部13と、表示部14と、音声出力部15と、操作受付部16と、信号入力部17とを有する。
【0013】
制御部6は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びI/O(Input/Output)を有するマイクロコンピュータにより構成されている。制御部6は、非遷移的実体的記録媒体に格納されているコンピュータプログラムを実行することで、コンピュータプログラムに対応する処理を実行し、電子情報処理システム1の動作全般を制御する。
【0014】
カメラ3,4は、ユーザの顔の略全体を撮影し、その撮影した映像を含む映像信号を制御部6に出力する。通信部7は、ユーザの頭部に装着されるヘッドセット18に複数設けられている脳活動センサ19、ユーザが発話した音声を集音するマイク20、ユーザが操作可能な手元スイッチ21との間で例えばBluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)等の通信規格に準拠した近距離無線通信を行う。マイク20は、例えばハンドル22の周辺等のユーザが発話した音声を集音し易い位置に配置されている。尚、マイク20は、ヘッドセット18と一体に取り付けられていても良い。手元スイッチ21は、例えばユーザがハンドル22を把持したまま操作し易い位置に配置されている。
【0015】
脳活動センサ19は、ユーザの頭皮上に近赤外光を照射し、その照射した近赤外光が乱反射した光を受光し、ユーザの脳活動を監視する。近赤外光がユーザの頭皮上に照射されると、皮膚や骨を透過する高い生体透過性により、その近赤外光の光成分が脳組織内に拡散し、頭皮上から約20〜30mmの深部にある大脳皮質に到達する。脳活動センサ19は、血液中のオキシヘモグロビン濃度とデオキシヘモグロビン濃度とで光吸収特性が異なる性質を利用し、照射点から数cm離れた箇所で乱反射した光成分を検出する。脳活動センサ19は、このようにして光成分を検出すると、大脳皮質のオキシヘモグロビン濃度とデオキシヘモグロビン濃度との変化を推定し、その推定した変化を示す脳活動監視信号を通信部7に送信する。尚、脳活動センサ19は、大脳皮質のオキシヘモグロビン濃度とデオキシヘモグロビン濃度とに加え、両者の総計である総ヘモグロビン濃度の変化も推定し、その推定した変化を示す脳活動監視信号を通信部7に送信しても良い。
【0016】
マイク20は、ユーザが発話した音声を集音して検出すると、その検出した音声を示す音声検出信号を通信部7に送信する。手元スイッチ21は、ユーザの操作を検出すると、その検出した操作を示す操作検出信号を通信部7に送信する。通信部7は、脳活動センサ19、マイク20、手元スイッチ21からそれぞれ脳活動監視信号、音声検出信号、操作検出信号を受信すると、その受信した脳活動監視信号、音声検出信号、操作検出信号を制御部6に出力する。尚、脳活動センサ19、マイク20、手元スイッチ21は、何れも無線給電されるように構成されており、給電線の配線が不要とされている。
【0017】
脳活動検出部8は、NIRS(Near Infra-Red Spectoroscopy)の技術を用いてユーザの脳活動を検出する。脳の情報処理では、神経活動が担う情報伝達系と、神経活動を支えるエネルギー供給系との2つの系が密接に関係していると考えられている。神経活動が起こると、その周囲にある血管が拡張し、エネルギー源となる酸素やグルコースを含む多くの動脈血を供給する調整機構が働く。そして、活動神経の近傍の組織では、血流量及び血液量が増大し、血液の酸化状態(即ちオキシヘモグロビン濃度とデオキシヘモグロビン濃度との比率)が変化すると仮定されている。このような神経活動と脳血液反応との関係はニューロバスキュラーカップリングと称されており、NIRSの技術ではニューロバスキュラーカップリングが存在するという仮定に基づき脳の局所ヘモグロビン濃度を検出することで、ユーザの脳活動を検出する。
【0018】
脳活動検出部8は、脳活動センサ19から脳活動監視信号が通信部7に受信され、その受信された脳活動監視信号が制御部6に入力されると、その入力された脳活動監視信号から大脳皮質のオキシヘモグロビン濃度とデオキシヘモグロビン濃度との変化を検出する。脳活動検出部8は、その検出結果を数値化した脳活動データを脳活動データベース23に逐一記憶し、脳活動データベース23に記憶されている脳活動データを更新すると共に、その検出した脳活動データを過去の脳活動データと照合する。
【0019】
脳活動検出部8は、脳活動データベース23に記憶されている脳活動データから判定基準となる快適閾値と不快閾値とを設定しており、脳活動データの数値が快適閾値以上であれば、ユーザが快適と感じていると検出する。脳活動検出部8は、脳活動データの数値が快適閾値未満であり不快閾値以上であれば、ユーザが平常(即ち快適でも不快でもない)と感じていると検出する。脳活動検出部8は、脳活動データの数値が不快閾値未満であれば、ユーザが不快と感じていると検出する。脳活動検出部8は、このようにして検出したユーザの脳活動の検出結果を示す検出結果信号を制御部6に出力する。
【0020】
挙動検出部9は、画像解析や音声認識の技術を用いてユーザの挙動を検出する。挙動検出部9は、カメラ3,4から映像信号が制御部6に入力されると、その入力された映像信号からユーザの目の動きや口の動きや表情を検出し、その検出結果を数値化した挙動データを挙動データベース24に逐一記憶し、挙動データベース24に記憶されている挙動データを更新すると共に、その検出した挙動データを過去の挙動データと照合する。
【0021】
挙動検出部9は、挙動データベース24に記憶されている挙動データから判定基準となる快適閾値と不快閾値とを設定しており、挙動データの数値が快適閾値以上であれば、ユーザが快適と感じていると検出する。挙動検出部9は、挙動データの数値が快適閾値未満であり不快閾値以上であれば、ユーザが平常(即ち快適でも不快でもない)と感じていると検出する。挙動検出部9は、挙動データの数値が不快閾値未満であれば、ユーザが不快と感じていると検出する。挙動検出部9は、このようにして検出したユーザの挙動の検出結果を示す検出結果信号を制御部6に出力する。
【0022】
音声検出部10は、ユーザが発話したことでマイク20から音声検出信号が通信部7に受信され、その受信された音声検出信号が制御部6に入力されると、その入力された音声検出信号からユーザが発話した音声を検出し、その検出した検出結果を示す検出結果信号を制御部6に出力する。操作検出部11は、ユーザが手元スイッチ21を操作したことで手元スイッチ21から操作検出信号が通信部7に受信され、その受信された操作検出信号が制御部6に入力されると、その入力された操作検出信号からユーザの操作を検出し、その検出した検出結果を示す検出結果信号を制御部6に出力する。視線方向検出部12は、カメラ3,4から映像信号が制御部6に入力されると、その入力された映像信号からユーザの視線方向を検出し、その検出結果を示す検出結果信号を制御部6に出力する。
【0023】
記憶部13は、制御部6が実行可能な複数のプログラムを記憶している。記憶部13に記憶されているプログラムには、文字入力を複数の文字入力モードにより受け付け可能な複数種類のアプリプログラムA,B,C,…と、日本語入力のかな漢字変換プログラムとが含まれる。日本語入力のかな漢字変換プログラムは、日本語の文章を入力するためにかな漢字変換を行うソフトウェアであり、日本語入力プログラム、日本語入力フロントエンドプロセッサ(FEP:Front End Processor)、かな漢字変換プログラムとも称される。文字入力モードは、半角英数入力モード、全角英数入力モード、半角カタカナ入力モード、全角カタカナ入力モード、ひらがな入力モード等である。
【0024】
表示部14は、例えば液晶ディスプレイ等により構成されており、制御部6から表示指令信号を入力すると、その入力した表示指令信号により指定される画面を表示する。音声出力部15は、例えばスピーカー等により構成されており、制御部6から音声出力指令信号を入力すると、その入力した音声出力指令信号により指定される音声を出力する。操作受付部16は、表示部14の画面上に形成されるタッチパネルや機械的なスイッチ等により構成されており、ユーザからの文字入力の操作を受け付けると、その受け付けた文字入力の操作の内容を示す文字入力検出信号を制御部6に出力する。信号入力部17は、車両に搭載されている各種ECU(Electronic Control Unit)25や各種センサ26から各種信号を入力する。
【0025】
制御部6は、記憶部13に記憶されている各種プログラムを実行する。制御部6は、何れかのアプリプログラムを実行中では、その実行中のアプリプログラムの文字入力モードがひらがな入力モードであるときには日本語入力のかな漢字変換プログラムを併せて起動する。即ち、制御部6は、ひらがな入力モードであるときに日本語入力のかな漢字変換プログラムを併せて起動することで、かな文字入力を可能とし、更にかな漢字変換(即ちかな文字から漢字への変換)を可能としている。
【0026】
制御部6は、本発明に関連する機能として、第1の表示制御部6aと、提示必要判定部6bと、第2の表示制御部6cと、交換必要判定部6dと、第3の表示制御部6eと、文字確定部6fとを有する。これらの各部6a〜6fは制御部6が実行するコンピュータプログラムにより構成されており、ソフトウェアにより実現されている。
【0027】
第1の表示制御部6aは、ユーザからの文字入力の操作が受け付けられると、その受け付けられた文字を入力文字として表示部14に表示させる。提示必要判定部6bは、ユーザからの文字入力の操作により受け付けられた文字が入力文字として表示されると、その後の脳活動検出部8の検出結果及び挙動検出部9の検出結果を用い、その入力文字に対応する交換候補文字を提示する必要の有無を判定する。
【0028】
第2の表示制御部6cは、交換候補文字を提示する必要が有ると提示必要判定部6bにより判定されると、その交換候補文字を表示部14に表示させる。交換必要判定部6dは、交換候補文字が表示されると、その後の視線方向検出部12の検出結果、脳活動検出部8の検出結果及び挙動検出部9の検出結果を用い、入力文字を交換候補文字と交換する必要の有無を判定する。交換必要判定部6dは、入力文字を交換候補文字と交換する必要が有ると判定すると、交換候補文字のうちから交換対象文字を選択する。
【0029】
第3の表示制御部6eは、入力文字を交換候補文字と交換する必要が有ると判定され、交換候補文字のうちから交換対象文字が選択されると、入力文字に代えて交換対象文字を表示部14に表示させる。文字確定部6fは、交換候補文字のうちから交換対象文字が選択されると、その選択された交換対象文字を確定文字として確定する。
【0030】
次に、上記した構成の作用について
図3から
図28を参照して説明する。
電子情報処理システム1において、制御部6は、文字入力処理を開始すると、ユーザからの文字入力の操作を監視し(S1)、ユーザからの文字入力の操作を受け付けたか否かを判定する(S2、操作受付手順に相当する)。制御部6は、文字入力検出信号を操作受付部16から入力し、ユーザからの文字入力の操作を受け付けたと判定すると(S2:YES)、その時点で設定されている文字入力モードに応じた文字を入力文字として表示部14に表示させる(S3、第1の表示制御手順に相当する)。
【0031】
即ち、制御部6は、
図5に示すように、表示部14に文字入力画面31が表示されている状態でユーザからの文字入力の操作が操作受付部16により受け付けられると、その受け付けられた文字を入力文字として文字表示領域32に表示させる。
図5の例示では、制御部6は、ユーザからの文字入力の操作として、最初に「A」のキーが押下され、続いて「I」のキーが押下された場合に、半角英数入力モードが設定されていれば「AI(半角)」を文字表示領域32に表示させる。又、制御部6は、入力文字を文字表示領域32に表示させた直後では、文字表示領域32の周辺である周辺領域33の背景色を例えば白色で表示させる。
【0032】
尚、制御部6は、最初に「A」のキーが押下され、続いて「I」のキーが押下された場合に、全角英数入力モードが設定されていれば「AI(全角)」を表示させる。又、制御部6は、半角カタカナ入力モードが設定されていれば「アイ(半角)」を表示させ、全角カタカナ入力モードが設定されていれば「アイ(全角)」を表示させ、ひらがな入力モードが設定されていれば「あい」を表示させる。又、音声認識の機能を有する構成であれば、ユーザが発話することでユーザからの文字入力の操作が受け付けられる構成でも良い。ユーザは、文字表示領域32に表示された文字を視認することで、自分の意図通りに文字が入力されたか否かを判断可能となる。
【0033】
制御部6は、脳活動検出部8から入力した検出結果信号を用いて脳活動データを解析し(S4)、挙動検出部9から入力した検出結果信号を用いて挙動データを解析する(S5)。制御部6は、その時点でのユーザの脳活動及び挙動、即ちユーザが自らの文字入力の操作により入力した文字を視認した直後の感情を判定し、交換候補文字を提示する必要の有無を判定する(S6、提示必要判定手順に相当する)。
【0034】
図5の例示では、ユーザは、半角英数入力を意図していれば、自分の意図通りに文字が入力されたことを視認する。このとき、ユーザは快適又は平常と感じており、ユーザが不快と感じることはなく、ユーザの脳活動及び挙動の変化が活性化することはない。一方、ユーザは、半角英数入力を意図しておらず例えばひらがな入力を意図していれば、自分の意図に反した文字が入力されたことを視認する。このとき、ユーザは不快と感じており、ユーザの脳活動及び挙動の変化が活性化する。
【0035】
制御部6は、脳活動データ及び挙動データの両方が不快閾値未満でなく、ユーザが不快と感じていないと判定すると、交換候補文字を提示する必要が無いと判定する(S6:NO)。制御部6は、その時点で文字表示領域32に表示されている文字、即ち入力文字を確定文字として確定し(S7)、文字入力処理を終了する。即ち、ユーザからの文字入力の操作により入力された入力文字である「AI(半角)」に対してユーザが不快と感じていなければ、制御部6は、「AI(半角)」を確定文字として確定する。
【0036】
一方、制御部6は、脳活動データ及び挙動データのうち少なくとも何れかが不快閾値未満であり、ユーザが不快と感じていると判定すると、交換候補文字を提示する必要が有ると判定する(S6:YES)。制御部6は、
図6に示すように、周辺領域33の背景色を白色から例えば赤色に変更し、入力文字に対応する交換候補文字を表示する交換対象文字選択処理に移行する(S8)。
【0037】
制御部6は、交換対象文字選択処理を開始すると、
図7に示すように、周辺領域33の背景色を赤色から例えば緑色に変更し、文字入力画面31上において交換候補画面34のポップアップ表示を開始し(S11、第2の表示制御手順に相当する)、監視タイマによる計時を開始する(S12)。このとき、制御部6は、交換候補画面34を文字入力画面31の略中心部に表示させる。監視タイマは、交換候補画面34の表示時間の上限を規定するタイマである。交換候補画面34は、入力文字区画34a、交換候補文字区画34b〜34d(交換候補表示領域に相当する)、スクロール区画34e,34f、インジケータ区画34gを有する。制御部6は、文字表示領域32に表示させている文字、即ち入力文字を入力文字区画34aに表示させ、その入力文字に対応する交換候補文字を交換候補文字区画34b〜34dに表示させる。
図7の例示では、制御部6は、入力文字として「AI(半角)」を入力文字区画34aに表示させ、交換候補文字として「愛」、「あい」、「アイ(全角)」を交換候補文字区画34b〜34dに表示させる。又、制御部6は、左矢印アイコン35をスクロール区画34eに表示させ、右矢印アイコン36をスクロール区画34fに表示させ、感情を示すインジケータ37をインジケータ区画34gに表示させる。このとき、制御部6は、入力文字区画34a及びインジケータ37を赤色で表示させる。
【0038】
制御部6は、このようにして交換候補画面34を文字入力画面31上にポップアップ表示させると、視線方向検出部12から入力する検出結果信号を用いてユーザの視線方向を検出する(S13)。そして、制御部6は、ユーザの視線方向が特定の区画に向けられ且つユーザの脳活動及び挙動が不快でない状態が所定時間継続したか否かを判定すると共に(S14)、監視タイマによる計時が満了したか否かを判定する(S15)。
【0039】
制御部6は、監視タイマによる計時が満了したと判定するよりも前に、ユーザの視線方向が特定の区画に向けられ且つユーザの脳活動及び挙動が不快でない状態が所定時間継続したと判定すると(S14:YES)、その区画を判定する(S16,S17、交換必要判定手順に相当する)。
【0040】
制御部6は、ユーザの視線方向が向けられた区画が交換候補文字区画34b〜34dであると判定すると(S16:YES)、そのユーザの視線方向が向けられた区画に属する交換候補文字を交換対象文字として選択し(S18)、監視タイマによる計時を終了する(S19)。即ち、制御部6は、
図8に示すように、そのユーザの視線方向が向けられた区画が交換候補文字区画34cであれば、その交換候補文字区画34cに属する「あい」を交換対象文字として選択する。このとき、制御部6は、その交換候補文字区画34cを例えば黄色で表示させ、入力文字区画34a及びインジケータ37を赤色から緑色に変更する。
【0041】
制御部6は、
図9に示すように、交換対象文字として選択した交換候補文字区画34cに属する「あい」と、入力文字区画34aに属する「AI(半角)」とを交換する。このとき、制御部6は、入力文字区画34aを緑色から黄色に変更し、交換候補文字区画34cを黄色から緑色に変更する。又、制御部6は、文字表示領域32に表示されている文字を「AI(半角)」から「あい」に変更する(S20)。
【0042】
制御部6は、
図10に示すように、周辺領域33の背景色を緑色から白色に変更し(即ち白色に戻し)、文字入力画面31上において交換候補画面34のポップアップ表示を終了し(S21)、交換対象文字選択処理を終了して文字入力処理に戻る。以上の処理により、ユーザは、所望の交換候補文字に視線方向を所定時間継続して向けるだけで、文字入力の操作を行うことなく、文字表示領域32に表示されている文字を所望の交換候補文字に変更することができる。
【0043】
一方、制御部6は、ユーザの視線方向が向けられた区画がスクロール区画34e,34fであると判定すると(S17:YES)、交換候補文字をスクロール表示させ(S22)、上記したステップS14,15に戻る。即ち、制御部6は、
図11に示すように、そのユーザの視線方向が向けられた区画がスクロール区画34eであれば、その交換候補文字区画34b〜34dに属する交換対象文字を左方向にスクロール表示させ、交換候補文字区画34b〜34dに「あい」、「アイ(全角)」、「アイ(半角)」を表示させる。又、制御部6は、
図12に示すように、そのユーザの視線方向が向けられた区画がスクロール区画34fであれば、その交換候補文字区画34b〜34dに属する交換対象文字を右方向にスクロール表示させ、交換候補文字区画34b〜34dに「相」、「愛」、「あい」を表示させる。
【0044】
これ以降、制御部6は、同様にしてユーザの視線方向が向けられた区画が交換候補文字区画34b〜34dであると判定すると、そのユーザの視線方向が向けられた区画に属する交換候補文字を交換対象文字として選択する。以上の処理により、ユーザは、所望の交換候補文字が表示されていなくても、左矢印アイコン35や右矢印アイコン36に視線方向を所定時間継続して向けるだけで、所望の交換候補文字を表示させることができる。そして、これ以降、ユーザは、同様にして所望の交換候補文字に視線方向を所定時間継続して向けるだけで、文字入力の操作を行うことなく、文字表示領域32に表示されている文字を所望の交換候補文字に変更することができる。
【0045】
尚、制御部6は、ユーザの視線方向が向けられた区画が交換候補文字区画34b〜34d及びスクロール区画34e,34fの何れでもないと判定すると(S16:NO,S17:NO)、上記したステップS14,15に戻る。
【0046】
又、制御部6は、ユーザの視線方向が特定の区画に向けられ且つユーザの脳活動及び挙動が不快でない状態が所定時間継続したと判定するよりも前に、監視タイマによる計時が満了したと判定すると(S15:YES)、交換対象文字を選択せずに交換候補画面34のポップアップ表示を終了し(S21)、交換対象文字選択処理を終了して文字入力処理に戻る。
【0047】
制御部6は、文字入力処理に戻ると、交換対象文字選択処理において交換対象文字を選択したか否かを判定する(S9)。制御部6は、交換対象文字を選択したと判定すると(S9:YES)、その選択した交換対象文字を確定文字として確定し(S10、文字確定手順に相当する)、文字入力処理を終了する。即ち、ユーザからの文字入力の操作により入力された入力文字である「AI(半角)」に対してユーザが不快と感じ、ユーザが交換候補画面34で視線方向を定めて例えば「あい」を交換対象文字として選択していれば、制御部6は、その交換対象文字として選択した「あい」を確定文字として確定する。
【0048】
一方、制御部6は、交換対象文字を選択しなかったと判定すると(S9:NO)、文字表示領域32に表示されている文字、即ち入力文字を確定文字として確定し(S7)、文字入力処理を終了する。即ち、ユーザが交換候補画面34で視線方向を定めずに交換対象文字を選択していなければ、制御部6は、入力文字を確定文字として確定する。
【0049】
制御部6は、以上の処理を行うことで確定文字を以下のようにして確定する。ユーザが「あい」の文字入力を意図している場合であれば、
図13に示すように、制御部6は、ユーザの視線方向が「あい」に向けられ且つユーザの脳活動及び挙動が不快でない状態が所定時間継続したと判定すると、「あい」と「AI(半角)」とを交換し、「あい」を確定文字として確定する。又、ユーザが「アイ(全角)」の文字入力を意図している場合であれば、
図14に示すように、制御部6は、ユーザの視線方向が「あい」に向けられても「あい」を確定文字として確定しない。制御部6は、ユーザの視線方向が「アイ(全角)」に向けられ且つユーザの脳活動及び挙動が不快でない状態が所定時間継続したと判定すると、「アイ(全角)」と「あい」とを交換し、「アイ(全角)」と「AI(半角)」とを交換し、「アイ(全角)」を確定文字として確定する。
【0050】
又、ユーザが「愛」の文字入力を意図している場合であれば、
図15に示すように、制御部6は、ユーザの視線方向が「あい」や「アイ」に向けられても「あい」や「アイ」を確定文字として確定しない。制御部6は、ユーザの視線方向が「愛」に向けられ且つユーザの脳活動及び挙動が不快でない状態が所定時間継続したと判定すると、「愛」と「あい」とを交換し、「愛」と「AI(半角)」とを交換し、「愛」を確定文字として確定する。更に、ユーザが「相」の文字入力を意図している場合であれば、
図16に示すように、制御部6は、ユーザの視線方向が左矢印アイコン35に向けられ且つユーザの脳活動及び挙動が不快でない状態が所定時間継続したと判定すると、交換候補文字をスクロール表示させて「相」を表示させる。制御部6は、ユーザの視線方向が「相」に向けられ且つユーザの脳活動及び挙動が不快でない状態が所定時間継続したと判定すると、「相」と「愛」とを交換し、「相」と「AI(半角)」とを交換し、「相」を確定文字として確定する。
【0051】
尚、制御部6は、左矢印アイコン35によるスクロール表示としては、
図17に示すように、ユーザの視線方向が左矢印アイコン35に向けられている時間が長くなるにしたがって交換候補文字を左方向にスクロール表示させ、例えば「アイ(半角)」、「Ai(半角)」、「ai(半角)」等を順次表示させる。又、制御部6は、右矢印アイコン36によるスクロール表示としては、
図18に示すように、ユーザの視線方向が右矢印アイコン36に向けられている時間が長くなるにしたがって交換候補文字を右方向にスクロール表示させ、例えば「相」、「合」、「藍」等を順次表示させる。
【0052】
以上は、ユーザの脳活動及び挙動を判定し、交換候補文字を提示する必要の有無を判定する構成を説明したが、ユーザが発話することやユーザが手元スイッチ21を操作することを判定し、交換候補文字を提示する必要の有無を判定する構成でも良い。即ち、制御部6は、ユーザが例えば「交換候補文字を提示して」等を発話したり手元スイッチ21を所定操作したりしたと判定すると、交換候補文字を提示する必要が有ると判定しても良い。
【0053】
又、以上は、ユーザの脳活動及び挙動を判定し、入力文字を交換候補文字と交換する必要の有無を判定する構成を説明したが、ユーザが発話することやユーザが手元スイッチ21を操作することを判定し、入力文字を交換候補文字と交換する必要の有無を判定する構成でも良い。即ち、制御部6は、ユーザが例えば「その文字と交換して」等を発話したり手元スイッチ21を所定操作したりしたと判定すると、入力文字を交換候補文字と交換する必要が有ると判定しても良い。
【0054】
又、以上は、交換候補文字区画34b〜34dの区画数を「3」とすることで、3個の交換候補文字を同時に表示させる構成を説明したが、交換候補文字区画の区画数を「4」以上とすることで、4個以上の交換候補文字を同時に表示させる構成でも良い。
【0055】
又、以上は、文字入力画面31の略中心部に交換候補画面34を表示させる構成を説明したが、
図19に示すように、文字表示領域32の真下に交換候補画面38を表示させる構成でも良い。交換候補画面38は、上記した交換候補画面34よりも簡素な画面であり、交換候補文字区画38a〜38c(交換候補表示領域に相当する)、スクロール区画38d,38eを有する。制御部6は、交換候補文字として「愛」、「あい」、「アイ(全角)」を交換候補文字区画38a〜38cに表示させ、左矢印アイコン39をスクロール区画38dに表示させ、右矢印アイコン40をスクロール区画38eに表示させる。
【0056】
この場合も、交換候補画面34が表示された場合と同様であり、制御部6は、
図20に示すように、ユーザの視線方向が向けられた区画が交換候補文字区画38bであれば、その交換候補文字区画38bに属する「あい」を交換対象文字として選択し、文字表示領域32に表示されている文字を「AI(半角)」から「あい」に変更する。又、制御部6は、ユーザの視線方向が向けられた区画がスクロール区画38d,38eであれば、その交換候補文字区画38a〜38cに属する交換対象文字をスクロール表示させる。
【0057】
又、制御部6は、文中の文節を単位とし、交換候補文字を提示する必要の有無を判定し、入力文字を交換候補文字と交換する必要の有無を判定する構成でも良い。即ち、制御部6は、
図21に示すように、ユーザからの文字入力の操作により「愛らしい」が操作受付部16により受け付けられると、その受け付けられた「愛らしい」を文字表示領域41に表示させる。続いて、制御部6は、
図22に示すように、「ことば」が操作受付部16により受け付けられると、その受け付けられた「ことば」を「愛らしい」に続けて文字表示領域41に表示させる。
【0058】
ここで、制御部6は、脳活動データ及び挙動データのうち少なくとも何れかが不快閾値未満であり、ユーザが不快と感じていると判定すると、交換候補文字を提示する必要が有ると判定し、入力文字に対応する交換候補文字を表示する。即ち、制御部6は、
図23に示すように、文字表示領域41の真下に交換候補画面42を表示させる。交換候補画面42は、交換候補文字区画42a〜42c(交換候補表示領域に相当する)、スクロール区画42d,42eを有する。制御部6は、最初の文節である「愛らしい」に対応する交換候補文字として「あいらしい」、「アイラシイ」、「「愛らしい」削除」を交換候補文字区画42a〜42cに表示させ、左矢印アイコン43をスクロール区画42dに表示させ、右矢印アイコン44をスクロール区画42eに表示させる。
【0059】
この場合も、前述した交換候補画面34や交換候補画面38が表示された場合と同様である。制御部6は、
図24に示すように、ユーザの視線方向が向けられた区画が交換候補文字区画42aであれば、その交換候補文字区画42aに属する「あいらしい」を交換対象文字として選択し、文字表示領域41に表示されている文字を「愛らしい」から「あいらしい」に変更する。又、制御部6は、
図25に示すように、ユーザの視線方向が向けられた区画が交換候補文字区画42cであれば、文字表示領域41に表示されている「愛らしい」を削除する。
【0060】
続いて、制御部6は、
図26に示すように、次の文節である「ことば」に対応する交換候補文字として「言葉」、「コトバ」、「「ことば」削除」を交換候補文字区画42a〜42cに表示させる。制御部6は、
図27に示すように、ユーザの視線方向が向けられた区画が交換候補文字区画42aであれば、その交換候補文字区画42aに属する「言葉」を交換対象文字として選択し、文字表示領域41に表示されている文字を「ことば」から「言葉」に変更する。又、制御部6は、
図28に示すように、ユーザの視線方向が向けられた区画が交換候補文字区画42cであれば、文字表示領域41に表示されている「ことば」を削除する。
【0061】
以上に説明したように本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
電子情報処理システム1において、ユーザが文字入力の操作を行うときに、ユーザが意図する文字が入力された場合と意図しない文字が入力された場合とでユーザの脳活動や挙動に差が発生することに着目した。ユーザが文字入力の操作を行うと、その後のユーザの脳活動や挙動の検出結果を用い、入力文字に対応する交換候補文字を提示する必要が有ると判定すると、交換候補文字を表示するようにした。そして、その後のユーザの視線方向、脳活動及び挙動の検出結果を用い、入力文字を交換候補文字と交換する必要が有ると判定すると、交換候補文字のうちから交換対象文字を選択し、その選択した交換対象文字を確定文字として確定するようにした。
【0062】
ユーザが文字入力モードを変更する操作や文字入力の操作を再度行わなくとも、ユーザが視線方向を変えるだけで、交換候補文字のうちから意図する文字を交換対象文字として選択して確定文字として確定することができる。これにより、ユーザが文字入力の操作を行う際の利便性を高めることができる。この場合、言語中枢の働きにより発生する磁場や電場の時系列の変化を利用する従来とは異なり、ユーザの脳活動の差を利用するので、多大な処理時間がかかることがなく、多大な文字数の文字入力にも適する。
【0063】
又、電子情報処理システム1において、交換候補文字のうちから交換対象文字を選択すると、入力文字に代えて交換対象文字を文字表示領域32に表示し、その文字表示領域32に表示した交換対象文字を確定文字として確定するようにした。入力文字に代えて交換対象文字を文字表示領域32に表示することで、入力文字と交換対象文字とを交換した旨をユーザに適切に把握させることができる。
【0064】
又、電子情報処理システム1において、ユーザの視線方向が交換候補文字のうち特定の文字に向けられ且つユーザの脳活動が不快でない状態が所定時間継続すると、入力文字を交換候補文字と交換する必要が有ると判定し、その特定の文字を交換対象文字として選択するようにした。ユーザの視線方向が特定の文字に向けられている時間を判定することで、入力文字を交換候補文字と交換する必要の有無を容易に判定することができる。
【0065】
又、電子情報処理システム1において、ユーザの脳活動や挙動の検出結果に加え、ユーザが発話した音声やユーザの操作の検出結果をも用い、入力文字に対応する交換候補文字を提示する必要の有無を判定するようにした。ユーザの脳活動や挙動の検出結果が不確かな場合でも、ユーザが音声を発話したり手元スイッチ21を操作したりすることで、交換候補文字を提示させることができる。又、ユーザの脳活動や挙動の検出結果に加え、ユーザが発話した音声やユーザの操作の検出結果をも用い、入力文字を交換候補文字と交換する必要の有無を判定するようにした。ユーザの脳活動や挙動の検出結果が不確かな場合でも、ユーザが音声を発話したり手元スイッチ21を操作したりすることで、入力文字を交換候補文字と交換することができる。
【0066】
又、電子情報処理システム1において、入力文字を文字表示領域32に表示している状態で交換候補文字を表示するようにした。入力文字と交換候補文字とを同時にユーザに把握させることができ、入力文字と対比させながら交換対象文字を適切に選択させることができる。又、電子情報処理システム1において、複数の交換候補文字を同時に表示するようにした。複数の交換候補文字を対比させながら交換対象文字を適切に選択させることができる。
【0067】
又、電子情報処理システム1において、交換候補文字を提示する必要が無いと判定すると、文字表示領域32に表示されている入力文字を確定文字として確定ようにした。ユーザからの文字入力の操作により受け付けられた文字が意図する文字であれば、その入力文字をそのまま確定文字として確定することができる。
【0068】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、更には、それらに一要素のみ、それ以上、或いはそれ以下を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
車載の用途に適用する構成に限らず、車載以外の用途に適用する構成でも良い。
本実施形態では、ユーザの脳活動を検出する技術としてNIRSの技術を用いたが、他の技術を用いても良い。
本実施形態では、脳活動検出部8の検出結果と挙動検出部9の検出結果とを併用したが、脳活動検出部8の検出結果のみを用い、交換候補文字を提示する必要の有無を判定したり、入力文字を交換候補文字と交換する必要の有無を判定したりする構成でも良い。
文字入力画面及び交換候補画面のレイアウトは、例示した以外のレイアウトでも良い。