(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の街路灯それぞれに対応して設置された人感センサによる人の集団の検知に応答して、前記人感センサに対応する街路灯以外の他の街路灯の点灯状態を取得する状態取得部と、
人の集団を検出した前記人感センサに対応する街路灯の点灯状態を、前記他の街路灯と異なる点灯状態に設定する設定部と、
を有することを特徴とする街路灯制御システム。
前記人感センサに対応する街路灯の点灯色を、前記特定された他の街路灯の点灯色と異ならせる点灯制御部を更に有する、ことを特徴とする請求項2記載の街路灯制御システム。
複数の街路灯それぞれに対応して設置された人感センサによる人の集団の検知に応答して、前記人感センサに対応する街路灯以外の他の街路灯の点灯状態を取得する処理と、
人の集団を検出した前記人感センサに対応する街路灯の点灯状態を、前記他の街路灯と異なる点灯状態に設定する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする、街路灯制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第一の実施形態)
以下に、図面を参照して第一の実施形態について説明する。
図1は、第一の実施形態の街路灯制御システムの概要を説明する図である。
【0011】
本実施形態の街路灯制御システム100は、街路灯制御サーバ200と、人感センサが設けられた複数の街路灯300−1、300−2、300−3を有する。尚、
図1の例では、街路灯制御システム100の有する街路灯の数は3台としているが、これに限定されない。街路灯制御システム100に含まれる街路灯の台数は任意である、以下の説明では、街路灯300−1、300−2、300−3を区別しない場合には、街路灯300と呼ぶ。
【0012】
本実施形態の街路灯制御システム100において、街路灯制御サーバ200は、人感センサから取得するセンサ情報に基づいて、街路灯300の周辺に、人の集団(グループ)が存在するか否かを定期的に判定する。そして、街路灯制御サーバ200は、グループが存在すると判定されると、該当する街路灯300の点灯状態を、周囲の他の街路灯300と異ならせる。
【0013】
図1の例では、例えば、街路灯300−1の周囲に、グループA、B、Cの3つのグループが存在している。この場合、街路灯制御サーバ200は、街路灯300−1に設けられた人感センサのセンサ情報から、街路灯300−1の周囲に複数のグループの存在を検知し、街路灯300−1の点灯状態を街路灯300−2、300−3の点灯状態と異ならせる。
【0014】
本実施形態の街路灯制御システム100では、このように、街路灯300の点灯状態を制御することで、例えば、グループA、B、Cのそれぞれのメンバーと待ち合わせをしている人に対し、グループのメンバーが集合している待ち合わせ場所を知らせることができる。
【0015】
以下に、
図2を参照して、本実施形態の街路灯制御システム100のシステム構成について説明する。
図2は、第一の実施形態の街路灯制御システムのシステム構成の一例を説明する図である。
【0016】
本実施形態の街路灯制御システム100は、街路灯制御サーバ200と、街路灯300−1、300−2、・・・、300−nを有する。本実施形態の街路灯制御システム100では、街路灯制御サーバ200と、街路灯300−1、300−2、・・・、300−nとがネットワークを介して接続される。街路灯300−1、300−2、・・・、300−nのそれぞれには、人感センサ310−1、310−2、・・・、310−nが設けられている。以下の説明では、人感センサ310−1、310−2、・・・、310−nのそれぞれを区別しない場合には、人感センサ310と呼ぶ。
【0017】
本実施形態の街路灯制御サーバ200は、点灯状態データベース210と、街路灯制御処理部220と、を有する。
【0018】
点灯状態データベース210は、街路灯300−1、300−2、・・・、300−nそれぞれの点灯状態を示す情報が格納される。
【0019】
街路灯制御処理部220は、街路灯300に設けられて人感センサ310のセンサ情報に応じて、街路灯300の周囲に複数の人のグループ(人の集団)が存在するか否かを判定する。そして、街路灯制御処理部220は、点灯状態データベース210を参照し、グループが存在すると判定された街路灯300の点灯状態を、他の街路灯300の点灯状態と異ならせるための指示を街路灯300へ送信する。
【0020】
街路灯300−1、300−2、・・・、300−nは、発光制御処理部320−1、320−2、・・・、320−nを有する。以下の説明では、発光制御処理部320−1、320−2、・・・、320−nを区別しない場合には、発光制御処理部320と呼ぶ。
【0021】
街路灯300は、街路灯制御サーバ200からの指示を受けると、発光制御処理部320により、自機の有する発光体を指示に従って点灯させる。
【0022】
本実施形態の街路灯制御システム100では、このように街路灯300を制御することで、街路灯300の近傍を待ち合わせの場所に指定しているグループのメンバーに対し、待ち合わせの場所を知らせることができる。
【0023】
また、街路灯制御システム100は、例えば、大きな公園やショッピングモール、テーマパーク等の人通りの多い場所や、駅前等の混雑しやすい場所等に設置された街路灯300を含むようにすれば、待ち合わせ場所の間違いを減らすことに貢献できる。
【0024】
尚、本実施形態の人感センサ310は、例えば、赤外線、超音波、可視光等を用いて人間の所在を検知するものであっても良い。また、本実施形態の人感センサ310は、街路灯300の周辺の画像や動画を撮像する撮像装置であっても良い。
【0025】
また、本実施形態の人感センサ310は、街路灯300の一部として街路灯300に設けられていても良いし、街路灯300の外部に配置され、街路灯300と接続されることによって、街路灯300に設けられていても良い。
【0026】
次に、
図3と
図4を参照し、街路灯制御サーバ200のハードウェア構成と、街路灯300のハードウェア構成について説明する。
【0027】
図3は、街路灯制御サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0028】
本実施形態の街路灯制御サーバ200は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置201、出力装置202、ドライブ装置203、補助記憶装置204、メモリ装置205、演算処理装置206及びインターフェース装置207を含む情報処理装置である。
【0029】
入力装置201は、情報の入力を行うための装置であり、出力装置202は、情報を出力すめるための装置である。インターフェース装置207は、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
【0030】
街路灯制御プログラムは、街路灯制御サーバ200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。街路灯制御プログラムは例えば記憶媒体208の配布やネットワークからのダウンロードなどによって提供される。街路灯制御プログラムを記録した記憶媒体208は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
【0031】
また、街路灯制御プログラムは、街路灯制御プログラムを記録した記憶媒体208がドライブ装置203にセットされると、記憶媒体208からドライブ装置203を介して補助記憶装置204にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた街路灯制御プログラムは、インターフェース装置207を介して補助記憶装置204にインストールされる。
【0032】
補助記憶装置204は、インストールされた街路灯制御プログラムを格納すると共に、必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置205は、コンピュータの起動時に補助記憶装置204から街路灯制御プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置206はメモリ装置205に格納された街路灯制御プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0033】
図4は、街路灯のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態の街路灯300は、それぞれバスBで相互に接続されている発光体301、通信装置302、ドライブ装置303、補助記憶装置304、メモリ装置305、演算処理装置306及びインターフェース装置307を含む情報処理装置である。
【0034】
発光体301は、例えばLED(Light Emitting Diode)等である。通信装置302は、例えば、人感センサ310と通信を行い、人感センサ310からセンサ情報を取得する。尚、本実施形態の街路灯300の内部に人感センサ310が設けられている場合には、街路灯300は、通信装置302の代わりに、人感センサ310を有していても良い。
【0035】
インターフェース装置307はネットワークに接続する為に用いられる。
【0036】
発光制御プログラムは、街路灯300を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。発光制御プログラムは例えば記憶媒体308の配布やネットワークからのダウンロードなどによって提供される。発光制御プログラムを記録した記憶媒体308は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
【0037】
また、発光制御プログラムは、発光制御プログラムを記録した記憶媒体308がドライブ装置303にセットされると、記憶媒体308からドライブ装置303を介して補助記憶装置304にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた発光制御プログラムは、インターフェース装置307を介して補助記憶装置304にインストールされる。
【0038】
補助記憶装置304は、インストールされた発光制御プログラムを格納すると共に、必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置305は、コンピュータの起動時に補助記憶装置304から発光制御プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置306はメモリ装置305に格納された発光制御プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0039】
次に、
図5を参照して、本実施形態の点灯状態データベース210について説明する。
図5は、第一の実施形態の点灯状態データベースの一例を説明する図である。
【0040】
本実施形態の点灯状態データベース210は、情報の項目として、街路灯ID、点灯色、配置位置を有し、項目「街路灯ID」に、その他の項目が対応付けられている。以下の説明では、項目「街路灯ID」の値と、その他の項目の値と、を含む情報を点灯状態情報と呼ぶ。
【0041】
項目「街路灯ID」の値は、街路灯300を識別するための識別子を示す。項目「点灯色」の値は、対応する街路灯IDが示す街路灯300の発光体301の点灯色を示す。項目「配置位置」の値は、対応する街路灯IDが示す街路灯300が配置された位置を示す位置情報である。本実施形態の位置情報は、例えば、緯度と経度等によって示されても良い。
【0042】
図5の例では、例えば、街路灯ID「101」の街路灯300は、街路灯300の基準位置が緯度x1、経度y1となるように配置され、街路灯300の発光体301から発光される光の色は、「白色」とされていることがわかる。
【0043】
次に、
図6を参照して、本実施形態の街路灯制御システム100の有する各装置の機能構成について説明する。
図6は、第一の実施形態の街路灯制御システムの有する各装置の機能構成を説明する図である。
【0044】
はじめに、街路灯制御サーバ200の有する街路灯制御処理部220について説明する。街路灯制御処理部220は、演算処理装置206がメモリ装置205等に格納された街路灯制御プログラムを読み出して実行することで実現される。
【0045】
本実施形態の街路灯制御処理部220は、センサ情報受信部221、グループ検知部222、街路灯特定部223、点灯状態取得部224、点灯制御部225を有する。
【0046】
センサ情報受信部221は、街路灯300から人感センサ310の出力であるセンサ情報を受信する。尚、本実施形態では、センサ情報受信部221は、センサ情報と共に、センサ情報を出力した人感センサ310と対応する街路灯300の街路灯IDを受信するものとした。
【0047】
グループ検知部222は、センサ情報から、街路灯300の周辺に存在する複数人のグループを検知する。言い換えれば、グループ検知部222は、街路灯300の周囲に存在する人の集団を検知する。
【0048】
街路灯特定部223は、街路灯300の周囲にグループが検知されたとき、点灯状態情報の取得対象となる街路灯300を特定する。具体的には、街路灯特定部223は、センサ情報から周囲にグループの存在が検知された街路灯300から、所定範囲の領域に設置された街路灯300を、点灯状態情報を取得する対象として特定しても良い。
【0049】
点灯状態取得部224は、点灯状態データベース210を参照し、街路灯特定部223により特定された街路灯300の点灯状態情報を取得する。
【0050】
点灯制御部225は、点灯状態取得部224により取得した各街路灯300の点灯状態情報に基づき、周囲にグループの存在が検知された街路灯300の点灯色を、点灯状態情報が取得された全ての街路灯300の点灯色と異なる色に変更させる。つまり、本実施形態の点灯制御部225は、人感センサ310に対応する点灯状態を他の街路灯300と異なるように設定する設定部の機能を果たす。点灯制御部225の処理の詳細は後述する。
【0051】
次に、街路灯300について説明する。街路灯300の有する発光制御処理部320は、演算処理装置306がメモリ装置305等に格納された発光制御プログラムを実行することで実現される。
【0052】
本実施形態の発光制御処理部320は、センサ情報取得部321、センサ情報送信部322、発光制御部323を有する。
【0053】
センサ情報取得部321は、人感センサ310から出力される信号であるセンサ情報を取得する。センサ情報送信部322は、センサ情報取得部321が取得したセンサ情報に、自機の街路灯IDを付与し、街路灯制御サーバ200へ送信する。
【0054】
発光制御部323は、街路灯制御サーバ200から受け付けた発光体301の点灯色の変更指示に基づき、発光体301が発光する光の色を変更する。尚、本実施形態の点灯色とは、発光体301から発光される光の色を示す。
【0055】
次に、
図7を参照し、本実施形態の街路灯制御システム100の動作について説明する。
図7は、第一の実施形態の街路灯制御システムの動作を説明するシーケンス図である。
【0056】
本実施形態の街路灯制御システム100において、街路灯300は、センサ情報取得部321により、人感センサ310の出力であるセンサ情報を取得する(ステップS701)。続いて、街路灯300は、センサ情報送信部322により、センサ情報に自機の街路灯IDを付与し、街路灯制御サーバ200へ送信する(ステップS702)。
【0057】
街路灯制御サーバ200は、街路灯IDが付与されたセンサ情報を受信すると、グループの検知を行う(ステップS703)。ステップS703においてグループが検知されると、街路灯制御サーバ200は、グループが検知されたセンサ情報に付与された街路灯IDに対して点灯色を設定する(ステップS704)。続いて、街路灯制御サーバ200は、点灯色が設定された街路灯IDが示す街路灯300に対し、点灯色の変更指示を通知する(ステップS705)。尚、ステップS703、ステップS704の処理の詳細は後述する。
【0058】
点灯色の通知を受け付けた街路灯300は、発光制御部323により、自機の発光体301の点灯色を変更する(ステップS706)。
【0059】
続いて、街路灯制御サーバ200は、点灯色の変更指示を通知してから所定時間が経過すると、点灯色の変更指示を通知した街路灯300に対し、点灯色を変更前の色に戻すように、再度変更指示を通知する(ステップS707)。
【0060】
街路灯300は、この通知を受けて、発光制御部323により、点灯色を変更前の色に戻す(ステップS708)。尚、本実施形態の発光制御部323は、点灯色の変更指示を受け付けたときの点灯色を示す情報を保持していても良い。
【0061】
本実施形態の街路灯制御システム100では、
図7に示す動作を、街路灯制御システム100が有する各街路灯300に対して行っている。
【0062】
次に、
図8を参照して、本実施形態の街路灯制御サーバ200の動作について説明する。
図8は、第一の実施形態の街路灯制御サーバの処理を説明するフローチャートである。本実施形態の街路灯制御サーバ200は、街路灯300からセンサ情報を受信する度に、
図8に示す処理を実行しても良い。また、本実施形態では、街路灯300は、予め設定された所定間隔毎に、人感センサ310からセンサ情報を取得して街路灯制御サーバ200へ送信しても良い。
【0063】
本実施形態の街路灯制御サーバ200は、街路灯制御処理部220のセンサ情報受信部221により、街路灯300からセンサ情報と、街路灯IDとを取得する(ステップS801)。
【0064】
続いて、街路灯制御処理部220は、グループ検知部222によりセンサ情報を解析し、街路灯IDが示す街路灯300の周囲に複数の人が集まっているか否かを判定する(ステップS802)。尚、街路灯300の周囲とは、人感センサ310によって人が検知できる範囲を示す。
【0065】
以下に、グループ検知部222の処理について説明する。本実施形態のグループ検知部222は、例えば、人感センサ310が赤外線等を用いたセンサである場合には、予め設定された所定の範囲内に複数人が検知された場合に、この複数人が同一のグループのメンバーであるものとし、グループとして検知しても良い。
【0066】
また、例えば、グループ検知部222は、例えば、人感センサ310が赤外線等を用いたセンサである場合には、例えば、複数の人の所在を検知したとき、人と人との間の距離が所定距離未満である場合に、この複数の人を同一のグループのメンバーであるものとし、グループとして検知しても良い。
【0067】
また、本実施形態の街路灯制御サーバ200は、人感センサ310が撮像装置であった場合等には、センサ情報として、街路灯300の周辺の画像データ(動画データを含む)を街路灯300から受信することになる。
【0068】
よって、その場合、グループ検知部222は、画像データを解析して顔認証等を行い、複数の人の顔が、予め設定された所定の範囲内にある場合に、グループを検知しても良い。
【0069】
ステップS802において、街路灯300の周囲に複数の人が集まっていない場合、街路灯制御処理部220は、ステップS801へ戻る。
【0070】
ステップS802において、街路灯300の周囲に複数の人が集まっている場合、街路灯制御処理部220は、点灯制御部225により、この街路灯300の点灯色をランダムに設定する(ステップS803)。言い換えれば、街路灯制御処理部220は、センサ情報に付与された街路灯IDの示す街路灯300の周囲にグループが検知された場合、点灯制御部225により、街路灯IDに対する点灯色をランダムに設定する。
【0071】
続いて、街路灯制御処理部220は、街路灯特定部223により、点灯状態情報の取得対象となる街路灯300を特定する(ステップS804)。
【0072】
以下に、ステップS804の街路灯特定部223の処理について説明する。本実施形態の街路灯特定部223は、点灯状態データベース210を参照し、センサ情報と共に受信した街路灯IDの点灯状態情報から、この街路灯IDが示す街路灯300が配置された位置を特定する。
【0073】
次に、街路灯特定部223は、点灯状態データベース210を参照し、特定された位置を中心として、予め設定された範囲の領域内に配置された街路灯300を特定する。尚、予め設定された範囲の領域とは、例えば、センサ情報と共に受信した街路灯IDの示す街路灯300から、人が目視で見渡せる範囲の領域を示す。
【0074】
次にも、街路灯制御処理部220は、点灯状態取得部224により、点灯状態データベース210から、特定した街路灯300の点灯状態情報を取得する(ステップS805)。
【0075】
続いて、街路灯制御処理部220は、点灯制御部225により、ステップS803で設定した点灯色が、取得した点灯状態情報に含まれる点灯色の全てと異なっているか否かを判定する(ステップS806)。つまり、点灯制御部225は、周囲のグループが検知された街路灯300の点灯色を変更した後に、変更後の点灯色が、この街路灯300を中心とした所定の領域内に配置された他の街路灯300の点灯色と同じ色になるか否かを判定している。
【0076】
ステップS806において、ステップS803で設定した点灯色が、取得した点灯状態情報に含まれる点灯色の全てと異なっていない場合、街路灯制御処理部220は、ステップS803へ戻る。
【0077】
ステップS806において、設定した点灯色が、取得した点灯状態情報に含まれる点灯色の全てと異なっていた場合、点灯制御部225は、センサ情報と共に取得した街路灯IDが示す街路灯300に対し、点灯色を設定した色に変更させる変更指示を通知する(ステップS807)。
【0078】
続いて、点灯制御部225は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS808)。ステップS808において、所定時間が経過していない場合、点灯制御部225は、ステップS808に戻る。
【0079】
ステップS808において、所定時間が経過した場合、点灯制御部225は、センサ情報と共に受信した街路灯IDが示す街路灯300に対し、点灯色を変更前の色に戻すように、再度変更指示を通知し(ステップS809)、処理を終了する。
【0080】
以上のように、本実施形態によれば、街路灯300の近傍に、待ち合わせをしていると思われる人の集団を検知したとき、この街路灯300の点灯色を、周囲の街路灯300の点灯色と異ならせる。本実施形態では、この処理により、例えば、まだ待ち合わせ場所に到着していない人や、待ち合わせ場所がどこか探している人に対して、街路灯300の近傍が待ち合わせ場所(集合場所)であることを知らせることができる。
【0081】
以下に、本実施形態の街路灯制御サーバ200の処理について、
図1と
図5を参照して具体的に説明する。
【0082】
以下では、
図1に示すように、街路灯300−1、300−2、300−3のうち、街路灯300−1の近傍に人の集合が存在する場合について説明する。
【0083】
この場合、街路灯制御サーバ200は、街路灯300−1が人感センサ310から取得したセンサ情報と、街路灯300−2が人感センサ310−2から取得したセンサ情報と、街路灯300−3が人感センサ310−3から取得したセンサ情報と、を受信している。
【0084】
ここで、街路灯制御サーバ200は、街路灯300−1の街路灯ID「101」が付与されたセンサ情報から、人の集団を検知し、街路灯ID「101」の点灯色をランダムに設定する。ここでは、点灯色が「青」が設定されたものとする。
【0085】
続いて、街路灯制御サーバ200は、点灯状態データベース210を参照し、街路灯ID「101」の配置位置(x1,y1)を取得する。
【0086】
次に、街路灯制御サーバ200は、点灯状態データベース210を参照し、配置位置(x1,y1)が示す位置を中心とした所定の領域内に、配置位置が含まれる街路灯IDを特定する。ここでは、街路灯ID「102」、「103」が特定されるものとした。
【0087】
次に、街路灯制御サーバ200は、点灯状態データベース210から、特定された街路灯ID「102」、「103」を含む点灯状態情報を取得し、各街路灯ID「102」、「103」の点灯色を取得する。この場合、街路灯ID「102」の点灯色は「青」であり、街路灯ID「103」の点灯色は「白」である。
【0088】
この場合、街路灯ID「102」の点灯色は「青」は、街路灯ID「101」に設定された変更後の点灯色「青」と一致する。よって、街路灯制御サーバ200は、再度街路灯ID「101」の点灯色をランダムに設定する。次は、街路灯ID「101」に点灯色「赤」が設定されたものとする。
【0089】
この場合、設定された点灯色「赤」は、街路灯ID「102」と街路灯ID「103」のいずれの点灯色とも一致しないため、街路灯制御サーバ200は、街路灯ID「101」の街路灯300−1に対し、点灯色を「白」から「赤」へ変更させる変更指示を通知する。街路灯300−1は、この通知を受けて、点灯色を「白」から「赤」へ変更させる。
【0090】
また、街路灯制御サーバ200は、所定時間が経過すると、街路灯300−1に対し、点灯色を「赤」から「白」へ変更させる変更指示を通知し、街路灯300−1の点灯色を変更前の色に戻す。尚、所定時間とは、予め設定された時間であり、例えば3〜5分程度であっても良い。
【0091】
本実施形態では、このように街路灯300の点灯色を制御することで、例えば、街路灯300−1の近傍で待機している人が、これから待ち合わせ場所に集合しようとしている人に対し、点灯色が「赤」の街路灯300を目印として知らせることができる。
【0092】
尚、本実施形態の街路灯制御サーバ200は、近くに人の集団が検知された街路灯300の点灯色のみを変更するものとして説明したが、これに限定されない。
【0093】
本実施形態では、例えば、街路灯特定部223により特定された街路灯300の点灯色も変更しても良い。
【0094】
具体的には、例えば、近くに人の集団が検知された街路灯300を中心として、この街路灯300からの距離に基づき、点灯色がグラデーションとなるように、他の街路灯300の点灯色を変更させても良い。
【0095】
例えば、街路灯ID「101」の街路灯300−1を中心とする場合、所定の領域内の街路灯300として、街路灯ID「102」の街路灯300−2と、街路灯ID「103」の街路灯300−3が特定される。このとき、街路灯300−1から最も距離が離れている街路灯300を街路灯300−3とする。
【0096】
この場合、街路灯制御サーバ200の点灯制御部225は、街路灯ID「101」に設定された点灯色「赤」を基本色とし、街路灯ID「103」と対応する点灯色「白」を目的色とし、以下の等比計算式によって、街路灯ID「102」と対応する点灯色を求める。
【0097】
尚、以下の等比計算式では、Raを基本色のR値、Gaを基本色のG値、Baを基本色のB値とし、Rbを目的色のR値、Gbを目的色のG値、Bbを目的色のB値としたときのX%の中間色を示している。
【0098】
<等比計算式>
R(X)=(Rb−Ra)×X/100+Ra
G(X)=(Gb−Ga)×X/100+Ga
B(X)=(Bb−Ba)×X/100+Ba
また、Xは、以下の式によって求められても良い。
【0099】
X=(街路灯300−1から街路灯300−2まで距離)/(街路灯300−1から街路灯300−3までの距離)×100
本実施形態では、このようにして街路灯300−2の点灯色を求め、街路灯300−2の点灯色を変更することで、街路灯300−1と、その周囲の街路灯300の点灯色により、街路灯300−1を中心とする同心円状のグラデーションを実現することができる。
【0100】
このように、グラデーションを実現することで、街路灯300−1の近傍に集合している人は、これから待ち合わせ場所に集合しようとしている人に対し、自身の所在場所として、特定の場所ではなく、特定の範囲として知らせることができる。具体的には、例えば、自身の所在は、点灯色が赤色の街路灯から白色の街路灯までの間である、というように、知らせることができる。
【0101】
このように、自身やグループの所在を知らせることができれば、例えば、グループのメンバーが一箇所に密集せずに、ある程度の広がりを持って待機している場合等に効果的である。
【0102】
尚、本実施形態では、点灯色を変更させることで、街路灯300の点灯状態を他の街路灯300と異ならせるものとして説明したが、これに限定されない。本実施形態では、例えば、発光体301を点滅させたり、周囲の街路灯300とは異なる点灯パターンで点灯させたり、明るさを変更したりして、点灯状態を周囲の街路灯300と異ならせても良い。
【0103】
また、本実施形態では、点灯状態を制御する対象を街路灯としているが、これに限定されない。本実施形態では、防犯灯を含む街灯や、屋内に設置された照明装置等についても適用することができる。
【0104】
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、街路灯の近傍で人の集団が検知されたとき、検知された人の人数に応じた点灯条件を満たしたとき、この街路灯の点灯状態を周囲と異ならせる点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0105】
図9は、第二の実施形態の街路灯制御システムのシステム構成の一例を説明する図である。
【0106】
本実施形態の街路灯制御システム100Aは、街路灯制御サーバ200Aと、街路灯300とを有する。
【0107】
本実施形態の街路灯制御サーバ200Aは、点灯状態データベース210、街路灯制御処理部220A、点灯条件データベース230を有する。
【0108】
本実施形態の街路灯制御処理部220Aは、街路灯300の近傍に人の集団が検知されたとき、点灯条件データベース230を参照し、該当する点灯条件が満たされたとき、この街路灯300の点灯状態を、他の街路灯300の点灯状態と異ならせる。
【0109】
本実施形態の点灯条件データベース230は、検知された集団の人数に応じた点灯条件が格納される。
【0110】
図10は、第二の実施形態の点灯条件データベースの一例を示す図である。本実施形態の点灯条件データベース230は、情報の項目として、グループ人数と、点灯待ち時間と、を有し、両者は対応付けられている。
【0111】
項目「グループ人数」の値は、街路灯300の近傍で検知されたグループにおける、グループ毎の人数を示す。項目「点灯待ち時間」の値は、近傍に人が検知された街路灯300の点灯状態を変更させるまでの待ち時間を示す。
【0112】
図10の例では、例えば検知されたグループの人数が3人であった場合には、グループを検知してから5分経過した後に、このグループが近傍に検知された街路灯300の点灯状態を変更させる。また、例えば検知されたグループの人数が2人であった場合には、グループを検知してから10分経過した後に、このグループが近傍に検知された街路灯300の点灯状態を変更させる。
【0113】
つまり、本実施形態の点灯条件データベース230では、グループの人数が多いほど、街路灯300の点灯状態を変更させるまでの待ち時間が短くなるように、設定されている。
【0114】
次に、
図11を参照して、本実施形態の街路灯制御システム100Aの有する各装置の機能について説明する。
図11は、第二の実施形態の街路灯制御システムの有する各装置の機能構成を説明する図である。
【0115】
本実施形態の街路灯制御サーバ200Aは、街路灯制御処理部220Aを有する。本実施形態の街路灯制御処理部220Aは、第一の実施形態の街路灯制御処理部220の有する各部に加え、点灯判定部226を有する。
【0116】
本実施形態の点灯判定部226は、センサ情報に基づき、街路灯300の近傍にグループが検知されると、点灯条件データベース230を参照し、グループの人数に対応する点灯条件が満たされたか否かを判定する。
【0117】
次に、
図12を参照して、本実施形態の街路灯制御サーバ200Aの動作について説明する。
図12は、第二の実施形態の街路灯制御サーバの処理を説明するフローチャートである。
【0118】
図12のステップS1201とステップS1202の処理は、
図8のステップS801とステップS802の処理と同様であるから、説明を省略する。
【0119】
ステップS1202において、センサ情報からグループが検知されると、点灯判定部226は、参照グループの人数を取得して、点灯条件データベース230を参照する。そして、点灯判定部226は、グループの人数と対応する待ち時間を取得し、設定する(ステップS1203)。
【0120】
続いて、街路灯制御処理部220Aは、点灯判定部226により、設定された待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS1204)。
【0121】
ステップS1204において、設定された待ち時間が経過した場合、街路灯制御処理部220Aは、点灯制御部225により、ステップS1201で受信した街路灯IDについて、ランダムに点灯色を決定し、設定する(ステップS1205)。ステップS1205からステップS1211までの処理は、
図8のステップS803からステップS809までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0122】
ステップS1203において、待ち時間が経過していない場合、点灯判定部226は、待ち時間の間に受信したセンサ情報に基づき、グループの人数の増加又は減少を検知したか否かを判定する(ステップS1212)。ステップS1212で、グループの人数の増加又は減少を検知しない場合、点灯判定部226は、ステップS1204へ戻る。
【0123】
ステップS1204において、グループの人数の増加又は減少を検知した場合、点灯判定部226は、増加又は減少した後のグループの人数と対応する待ち時間を新たな点灯条件として取得し(ステップS1213)、ステップS1204へ戻る。
【0124】
以上のように、本実施形態では、街路灯300の近傍で検知されたグループの人数に応じて、点灯状態を変更するまでの時間を調整する。
【0125】
本実施形態では、集合している人数が多いほど、待ち合わせ時刻となっている可能性が高いと推定されることが、例えば、4人以上のグループが検知された場合には、待ち時間を0分として、ただちに該当する街路灯300の点灯状態を変更させる(
図10参照)。
【0126】
また、本実施形態では、例えば、街路灯300の近傍に1人の人が検知された場合には、この人が待ち合わせをしている人か否かを判定することが困難である。そこで、本実施形態では、例えば、1人の人が検知された場合には、人数が2人のグループが検知されたときの待ち時間よりも長い待ち時間を設定した。本実施形態では、例えば、街路灯300の近傍に1人の人が検知され、この1人の人が、例えば20分間検知され続けた場合には、この街路灯300の点灯状態を変更し、周囲の街路灯300の点灯状態と異ならせても良い。
【0127】
また、このような場合には、人感センサ310は、撮像装置であり、画像データの顔認証等によって、人を検知することが好ましい。
【0128】
さらに、本実施形態では、検知されたグループの人数に応じて、点灯状態を変更するまでの待ち時間を点灯条件に設定するものとしたが、例えば、検知されたグループの数に応じて、待ち時間を設定しても良い。
【0129】
例えば、1つの街路灯300の近傍に、1つのグループが検知された場合、2つの異なるグループが検知された場合、3つの異なるグループが検知された場合のそれぞれにおいて、点灯状態を変更するまでの待ち時間を異ならせても良い。この場合も、待ち時間は、検知されたグループの数が多いほど、待ち時間が短くなるように設定しても良い。
【0130】
さらには、街路灯300の近傍で検知されたグループの人数とグループの数の組合せに応じて、点灯状態を変更するまでの待ち時間を異ならせても良い。
【0131】
また、本実施形態の街路灯制御サーバ200Aは、センサ情報として画像データを受信する場合には、グループが待ち合わせ場所を変更した場合等に、各街路灯300から受信したセンサ情報の顔認証の結果を用いて、変更後の待ち合わせ場所を検知しても良い。
【0132】
例えば、最初に街路灯300−1において、人感センサ310−1が取得した画像データの顔認証処理により、グループBが検知されたとする。
【0133】
そして、グループBが、街路灯300−1の近傍から街路灯300−2の近傍に移動して、待ち合わせ場所を街路灯300−1の近傍から街路灯300−2の近傍に変更したとする。待ち合わせ場所の変更の理由は、例えば、街路灯300−1の周辺が混雑しており、グループが集合するための場所が狭い、等が挙げられるが、これに限定されず、状況に応じて様々な理由が考えられる。
【0134】
グループBが街路灯300−2の近傍に移動すると、街路灯制御サーバ200Aは、街路灯300−2から受信したセンサ情報の顔認証結果に基づき、街路灯300−2の近傍にグループBを検知する。
【0135】
このとき、本実施形態の街路灯制御サーバ200Aは、街路灯300−1から受信したセンサ情報の顔認証結果と、街路灯300−2から受信したセンサ情報の顔認証結果とを照合しても良い。そして、街路灯制御サーバ200Aは、照合の結果、グループBに含まれる人のうち、複数人の顔認証の結果が一致した場合には、街路灯300−2で検知したグループBを、街路灯300−1で検知したグループBと同一のグループと判定しても良い。
【0136】
そして、街路灯制御サーバ200Aは、街路灯300−2において検知されたグループBが、街路灯300−1で検知されたグループBと同一と判定された場合には、街路灯300−2では、点灯条件を設定せずに、直ちに街路灯300−2の点灯状態を変更させても良い。
【0137】
本実施形態では、このように街路灯300の点灯状態を制御することで、例えば、混雑を避けて待ち合わせ場所を変更したグループのメンバーに対し、新たな待ち合わせ場所を知らせることができる。
【0138】
開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
複数の街路灯それぞれに対応して設置された人感センサによる人の集団の検知に応答して、前記人感センサに対応する街路灯以外の他の街路灯の点灯状態を取得する状態取得部と、
人の集団を検出した前記人感センサに対応する街路灯の点灯状態を、前記他の街路灯と異なる点灯状態に設定する設定部と、
を有することを特徴とする街路灯制御システム。
(付記2)
人の集団を検知した前記人感センサに対応する街路灯が配置された位置を含む所定の領域内に配置された、他の街路灯を特定する街路灯特定部を更に有し、
前記状態取得部は、
前記街路灯特定部により特定された他の街路灯の点灯状態を取得する、ことを特徴とする付記1記載の街路灯制御システム。
(付記3)
前記人感センサに対応する街路灯の点灯色を、前記特定された他の街路灯の点灯色と異ならせる点灯制御部を更に有する、ことを特徴とする付記2記載の街路灯制御システム。
(付記4)
前記点灯制御部は、
前記特定された他の街路灯の点灯色を、
前記特定された他の街路灯から前記人感センサに対応する街路灯からまでの距離と、
前記設定部により前記人感センサに対応する街路灯に設定された点灯状態が示す点灯色と、
前記特定された他の街路灯の点灯色と、に基づき決められた点灯色へ変更させる、ことを特徴とする、付記3記載の街路灯制御システム。
(付記5)
前記人の集団の人数に応じて、前記人感センサに対応する街路灯の点灯色を、前記特定された他の街路灯の点灯色と異ならせるまでの待ち時間を設定する点灯判定部を更に有する、ことを特徴とする、付記3又は4記載の街路灯制御システム。
(付記6)
複数の街路灯それぞれに対応して設置された人感センサによる人の集団の検知に応答して、前記人感センサに対応する街路灯以外の他の街路灯の点灯状態を取得する処理と、
人の集団を検出した前記人感センサに対応する街路灯の点灯状態を、前記他の街路灯と異なる点灯状態に設定する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする、街路灯制御プログラム。
(付記7)
複数の街路灯それぞれに対応して設置された人感センサによる人の集団の検知に応答して、前記人感センサに対応する街路灯以外の他の街路灯の点灯状態を取得し、
人の集団を検出した前記人感センサに対応する街路灯の点灯状態を、前記他の街路灯と異なる点灯状態に設定する、ことを特徴とする街路灯制御方法。
【0139】
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。