(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ケース(30)、及び、前記ケースに組み付けられた状態で前記ケースとともに内部空間(21)を形成するカバー(40)を有し、前記カバーに、前記内部空間に連なるようにカバー貫通孔(46)が形成された筐体(20)と、
前記内部空間に収容された回路基板(50)と、
前記カバー貫通孔を挿通し、一端が前記ケースに固定された柱部(61,64)、及び、前記柱部の他端に連なり、前記筐体の外部に配置された頭部(62,65)を有し、締結により、前記ケースとの間に前記カバー及び前記回路基板を挟んで固定する締結部(60,63)と、
前記内部空間を水密に封止するシール材として、前記内部空間を取り囲むように前記ケース及び前記カバーの周縁部に配置された周縁シール材(70)、及び、前記カバー貫通孔を介した前記内部空間と前記筐体の外部との連通を柱部周りの全周で遮断するように、前記締結部の周辺で前記筐体に接触配置された環状の締結シール材(80)と、を備え、
前記柱部は、前記回路基板に形成された基板貫通孔(51)も挿通しており、
前記締結シール材は、前記筐体の内部に配置され、
前記締結シール材として、柱部周りの全周で前記カバーと前記回路基板との間に介在し、少なくとも前記カバーと前記回路基板との間を水密に封止する第1締結シール材(81,84)を含み、
前記カバーは、前記締結部による締結状態で、突出先端面が前記回路基板に接触するように所定高さを有して設けられ、前記回路基板の端部を支持するカバー台座(44)を有し、
前記カバー貫通孔が前記カバー台座を貫通しており、前記カバー台座の内側面(44a)に環状の前記第1締結シール材の外周部が接触している電子装置。
前記締結シール材として、柱部周りの全周で前記ケースと前記回路基板との間に介在し、前記ケースと前記回路基板との間を水密に封止する第2締結シール材(82,85)を含み、
前記ケースは、前記締結部による締結状態で、突出先端面が前記回路基板に接触するように所定高さを有するとともに前記カバー台座に対向して設けられ、前記回路基板の端部を支持するケース台座(34)を有し、
前記ケース台座が前記柱部を取り囲んでおり、前記ケース台座の内側面(34a)に環状の前記第2締結シール材の外周部が接触している請求項1に記載の電子装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的に及び/又は構造的に対応する部分には同一の参照符号を付与する。
【0014】
(第1実施形態)
先ず、
図1及び
図2に基づき、本実施形態に係る電子装置について説明する。
図1は平面図であるが、明確化のため、シール材70にハッチングを付与している。
【0015】
図1及び
図2に示す電子装置10は、筐体20、回路基板50、かしめ部60、及びシール材70,80を備えている。電子装置10は、たとえば車両用の電子制御装置(ECU)として構成されている。
【0016】
筐体20は、回路基板50を内部に収容し、回路基板50を保護する。たとえば回路基板50の熱に対する放熱性を向上するために、筐体20は、アルミニウム、鉄などの金属材料を用いて形成される。たとえば電子装置10の軽量化を図るために、筐体20は、樹脂材料を用いて形成される。
【0017】
筐体20は、回路基板50の板厚方向において2つの部材に分割されており、一方がケース30、他方がカバー40となっている。筐体20は、ケース30及びカバー40を相互に組み付けて構成される。以下において、回路基板の50の板厚方向を、単に板厚方向と示す。また、板厚方向に直交する面の形状を平面形状と示す。
【0018】
ケース30には、かしめ部60が一体化されている。本実施形態では、ケース30が、PBTやPPSなどの熱可塑性樹脂を用いて形成されている。ケース30は、一面が開口する箱状をなしている。具体的には、ケース30が、平面略矩形状をなす底部31、及び、底部31を取り囲むように底部31の外周端に連なり、板厚方向に延設された側壁部32を有している。側壁部32が、ケース30の周縁部に相当する。ケース30において、4つの側壁部32のひとつに図示しない切り欠きが設けられ、この切り欠きは、上記した一面の開口につながっている。
【0019】
側壁部32には、シール材70用の溝33が形成されている。溝33は、側壁部32の先端面に開口し、底部31を取り囲むように側壁部32の全周にわたって形成されている。溝33は、側壁部32に形成された切り欠きの縁にも形成されている。また、底部31の外周端近傍には、台座34が形成されている。台座34は、底部31の他の内面部分に対して板厚方向に突出しており、その突出先端面により回路基板50を支持する。台座34は、側壁部32よりも低い高さで突出している。本実施形態では、台座34が底部31の四隅にそれぞれ設けられている。
【0020】
台座34には、シール材80を配置するための凹部35が形成されている。凹部35は、かしめ部60の後述する柱部61を取り囲むように環状に設けられている。凹部35は、平面円環状をなしている。換言すれば、凹部35の底面の中心位置に、柱部61が設けられている。台座34の内側面34aが、凹部35の側面となっている。台座34がケース突起に相当し、内側面34aがケース突起の側面に相当する。本実施形態では、凹部35の底面が、台座34を除く底部31の内面部分に対して略面一となっている。
【0021】
カバー40は、ケース30とともに筐体20の内部空間21を形成する。ケース30とカバー40を組み付けることで、カバー40によりケース30における一面の開口が閉塞される。また、カバー40によりケース30の一面の開口が閉塞されることで、側壁部32に形成された切り欠きが区画され、図示しない開口部となる。この開口部により、後述するコネクタ52の一部が外部に露出される。
【0022】
本実施形態では、カバー40が、アルミニウム系材料を用いて形成されている。カバー40は、一面が開口する底の浅い箱状をなしている。具体的には、カバー40が、平面略矩形状をなす底部41と、底部41を取り囲むように底部41の外周端に連なり、板厚方向に延設された側壁部42を有している。側壁部42が、カバー40の周縁部に相当する。
【0023】
側壁部42には、シール材70用の突起43が形成されている。突起43は、側壁部42の先端面から突出し、底部41を取り囲むように側壁部42の全周にわたって形成されている。突起43の一部分は、
図2に示すように溝33に挿入され、シール材70に埋設されている。突起43の残りの部分は、コネクタ52のハウジングに形成された図示しない溝内に挿入され、シール材70に埋設されている。なお、溝33の一部分には、上記したように突起43が挿入配置され、溝33の残りの部分には、コネクタ52のハウジングに形成された図示しない突起が挿入されている。
【0024】
また、底部41の外周端近傍には、台座44が形成されている。台座44は、底部41の他の内面部分に対して板厚方向に突出しており、その突出先端面により回路基板50を支持する。台座44の突出先端面が、側壁部42の先端面と略面一となっている。本実施形態では、台座44が底部41の四隅にそれぞれ設けられている。台座44は、台座34の形成領域に対向して設けられている。
【0025】
台座44には、シール材80を配置するための凹部45が形成されている。凹部45も、かしめ部60の柱部61を取り囲むように環状に設けられている。そして、凹部45の底面の中心位置に、貫通孔46が形成されている。これにより、凹部45は、平面円環状をなしている。また、台座44の内側面44aが、凹部45の側面となっている。台座44がカバー突起に相当し、内側面44aがカバー突起の側面に相当する。また、貫通孔46が、カバー貫通孔に相当する。凹部45の底面は、台座44を除く底部41の内面部分に対して略面一となっている。貫通孔46は、台座44に対応して4か所に形成されている。
【0026】
回路基板50は、プリント基板、及び、プリント基板に実装された図示しない電子部品を有している。プリント基板は、樹脂などの電気絶縁材料を用いて形成された基材に、配線が配置されてなる。そして、配線と電子部品とにより、回路が形成されている。回路基板50は、筐体20の内部空間21に収容されている。
【0027】
回路基板50は、一面50a、及び、板厚方向において一面50aと反対の裏面50bを有している。筐体20のうち、ケース30は一面50a側に配置され、カバー40は裏面50b側に配置されている。回路基板50(プリント基板)は、平面略矩形状をなしている。
【0028】
回路基板50には、板厚方向からの平面視において、貫通孔46と重なる位置に貫通孔51が形成されている。貫通孔51が、基板貫通孔に相当する。この貫通孔51を、柱部61が挿通している。貫通孔51も、4か所に形成されている。
【0029】
回路基板50には、コネクタ52が実装されている。コネクタ52は、平面略矩形状をなす回路基板50の一辺の中央付近に配置されている。コネクタ52の一部は筐体20の上記した開口部を介して外部に露出され、残りの部分は筐体20の内部空間21に収容されている。図示を省略するが、コネクタ52は、樹脂材料を用いて形成されたハウジング、及び、導電性材料を用いて形成され、ハウジングに保持された複数の端子を有している。ハウジングには、シール材70用の溝及び突起が形成されている。
【0030】
かしめ部60は、締結により、ケース30との間にカバー40及び回路基板50を挟んで固定する締結部である。かしめ部60は、カバー40の貫通孔46を挿通し、一端がケース30に固定された柱部61、及び、柱部61の他端に連なり、筐体20の外部に配置された頭部62を有している。柱部61は、ボス、軸部とも称される。上記したように、かしめ部60は、熱可塑性樹脂を用いて形成されたケース30と一体化されている。すなわち、かしめ部60も、ケース30とともに樹脂成形体の一部となっている。
【0031】
柱部61は、略円柱状をなしている。柱部61は、ケース30における底部31に連なり、板厚方向に延設されている。このように、柱部61の一端は、ケース30に連なっている。柱部61は、凹部35の底面の中心位置から突出している。柱部61を取り囲むように、柱部61の外周面に隣接して円環状の凹部35が形成されている。すなわち、柱部61の周囲には、所定の間隔を有して内側面34aが設けられている。
【0032】
本実施形態では、柱部61が、カバー40の貫通孔46だけでなく、回路基板50の貫通孔51も挿通している。また、柱部61の他端が、カバー40の外面40aと略面一となっている。そして、この他端に頭部62が連なっている。
【0033】
頭部62は、板厚方向に直交する方向に延設されている。頭部62は、平面略円形状をなしており、その中心付近に柱部61が連なっている。板厚方向からの平面視において、頭部62は、貫通孔46を完全に内包するように設けられている。すなわち、頭部62は、貫通孔46周りの全周で、外面40aと対向するように設けられている。
【0034】
本実施形態では、熱かしめにより、頭部62とケース30との間で、カバー40及び回路基板50を挟んで固定している。頭部62は、外面40aにおける貫通孔46の周囲部分に密着している。
【0035】
シール材70,80は、筐体20の内部空間21を、筐体20の外部の空間(たとえばエンジンルーム)に対して水密に封止して、内部空間21に水が侵入するのを防止する機能を果たすものである。シール材70が周縁シール材に相当し、シール材80が締結シール材に相当する。
【0036】
シール材70は、内部空間21がケース30とカバー40との間、ケース30とコネクタ52との間、及びカバー40とコネクタ52との間を介して筐体20の外部の空間と連通するのを遮断するように設けられている。シール材70は、内部空間21を取り囲むようにケース30及びカバー40の周縁部に配置されている。シール材70は、硬化前において液状の接着材である。シール材70として、たとえば湿気硬化型の接着材を採用することができる。シール材70は、ケース30の溝33に配置されている。また、コネクタ52のハウジングの溝にも配置されている。そして、ケース30の溝33に配置されたシール材70に対し、カバー40の突起43及びコネクタ52のハウジングの突起が挿入されている。また、コネクタ52のハウジングの溝に配置されたシール材70に対し、カバー40の突起43が挿入されている。このようにして、筐体20の周縁部に防水構造が形成されている。
【0037】
シール材80は、内部空間21が貫通孔46を通じて筐体20の外部の空間と連通するのを、柱部61周りの全周で遮断するように設けられている。シール材80は、板厚方向からの平面視において柱部61(かしめ部60)を取り囲むように環状に設けられており、筐体20に接触配置されている。本実施形態では、シール材80として環状の弾性体、具体的にはゴム状弾性体(所謂Oリング)を採用している。また、電子装置10が、シール材80として、第1シール材81及び第2シール材82を有している。第1シール材81が第1締結シール材に相当し、第2シール材82が第2締結シール材に相当する。第1シール材81及び第2シール材82は、ともに筐体20の内部に配置されている。
【0038】
第1シール材81は、柱部61周りの全周で、カバー40と回路基板50との間に介在している。第1シール材81は、かしめ部60の締結力により板厚方向に弾性変形(圧縮)され、弾性変形の反力で、カバー40及び回路基板50の両方に密着している。このようにして、第1シール材81は、カバー40と回路基板50との間を水密に封止している。本実施形態では、第1シール材81がカバー40の凹部45に配置され、凹部45の底面と回路基板50の裏面50bとに密着している。また、第1シール材81の外周部は、台座44の内側面44aに接触している。第1シール材81の内周部は、柱部61の外周面との間に隙間を有している。
【0039】
第2シール材82は、柱部61周りの全周で、ケース30と回路基板50との間に介在している。第2シール材82は、かしめ部60の締結力により板厚方向に弾性変形(圧縮)され、弾性変形の反力で、ケース30及び回路基板50の両方に密着している。このようにして、第2シール材82は、ケース30と回路基板50との間を水密に封止している。本実施形態では、第2シール材82がケース30の凹部35に配置され、凹部35の底面と回路基板50の一面50aとに密着している。また、第2シール材82の外周部は、台座34の内側面34aに接触している。第2シール材82の内周部は、柱部61の外周面との間に隙間を有している。
【0040】
次に、
図2及び
図3に基づき、上記した電子装置10の組み付け手順の一例について説明する。
【0041】
先ず、ケース30、カバー40、及び回路基板50をそれぞれ準備する。このとき、貫通孔51が形成され、コネクタ52が実装された回路基板50を準備する。
【0042】
また、かしめ部60が一体化されたケース30を準備する。この時点で、かしめ部60は熱かしめ前の状態であり、円柱状の柱部61のみを有する。そして、柱部61が挿通するように、環状の第2シール材82をケース30の凹部35に配置する。第2シール材82の環の内径は、圧縮前の状態で柱部61の外径よりも大きいため、第2シール材82を凹部35に容易に配置することができる。また、第2シール材82の環の外径は、圧縮前の状態で凹部35の外径とほぼ一致するか若干小さいものとなっている。このため、第2シール材82は内側面34aに接触し、凹部35に保持される。
【0043】
さらに、断面略円形状をなす第2シール材82の直径は、凹部35の深さ、すなわち台座34の高さよりも長くなっている。このため、第2シール材82は、凹部35に配置されて底面に接触した状態で、台座34の突出先端面から突出する。このように、かしめ部60が一体化され、第2シール材82が配置されたケース30を準備する。
【0044】
また、環状の第1シール材81をカバー40の凹部45に配置する。第1シール材81についても、第2シール材82同様、環の内径は、圧縮前の状態で柱部61の外径よりも大きいものとされている。また、第1シール材81の環の外径は、圧縮前の状態で凹部45の外径に対して若干小さいものとなっている。このため、第1シール材81は内側面44aに接触し、凹部45に保持される。
【0045】
さらに、第1シール材81の直径は、凹部45の深さ、すなわち台座44の高さよりも長くなっている。このため、第1シール材81は、凹部45に配置されて底面に接触した状態で、台座44の突出先端面から突出する。このように、第1シール材81が配置されたカバー40を準備する。
【0046】
次いで、柱部61が対応する貫通孔51を挿通するように、回路基板50をケース30に対して位置決めしつつケース30上に配置する。この時点で、
図3に示すように、回路基板50の一面50aが第2シール材82に接触する。そして、この位置決め状態で、ケース30の溝33及びコネクタ52のハウジングの溝に、液状のシール材70を充填(塗布)する。
【0047】
次いで、
図3に示すように、ケース30に対してカバー40を位置決めする。このとき、柱部61が対応する貫通孔46を挿通するように、カバー40をケース30に対して位置決めする。そして、この位置決め状態で、ケース30上にカバー40を配置する。これにより、カバー40の突起43が、ケース30の溝33及びコネクタ52の溝のシール材70に挿入される。また、回路基板50の裏面50bが第1シール材81に接触する。
【0048】
次いで、図示しないヒートツールにより、カバー40の外面40a側に突出する柱部61の先端を、加熱しつつ加圧する。この過程で、シール材80(第1シール材81及び第2シール材82)が板厚方向に圧縮される。シール材80は、台座34,44が回路基板50に接触するまで圧縮される。このように、シール材80の圧縮量、換言すれば反力は、台座34,44の高さ(凹部35,45の深さ)とシール材80の直径との関係により制御される。そして、
図2に示す頭部62が形成される。さらにシール材70の硬化処理を経て、電子装置10が得られる。
【0049】
次に、
図4及び
図5に示す参考例と対比しつつ、上記した電子装置10の効果を説明する。なお、参考例では、各要素の符号を、本実施形態の関連する要素の符号に100を加算したものとしている。
図4も平面図であるが、明確化のため、シール材170にハッチングを付与している。また、
図5には、比較のために、本実施形態の電子装置10の外形を二点鎖線で示している。
【0050】
図4及び
図5に示す参考例は、従来の防水型の電子装置110を示している。この電子装置110では、電子装置10同様、シール材170により、ケース130及びカバー140の周縁部に防水構造が形成されている。このシール材170は、硬化前で液状の接着材である。回路基板150は、シール材170の配置(塗布)された領域であるシール領域よりも内側において、ねじ163によりケース130に固定されている。ねじ163は、筐体120の内部に配置されている。ケース130の台座134には、ねじ孔136が形成されている。ねじ163は、回路基板150の貫通孔151を挿通し、ケース130のねじ孔136に螺合されている。ねじ163の頭部との接触を避けるため、本実施形態の電子装置10よりもカバー140の底が深くなっている。
【0051】
ケース130とカバー140は、ねじ190により、シール領域よりも外側で相互に固定されている。ケース130の周縁部には、ねじ孔137が形成されている。ねじ190は、カバーの貫通孔148を挿通し、ケース130のねじ孔137に螺合されている。
【0052】
このように、従来の電子装置110では、筐体120において、回路基板150の固定領域、シール材170のシール領域、ケース130とカバー140の固定領域が個別に必要であった。このため、特に板厚方向において、筐体120、ひいては電子装置110の体格を小型化するのが困難であった。
【0053】
これに対し、本実施形態では、かしめ部60の締結により、回路基板50を筐体20に固定しつつケース30とカバー40を固定する。このため、板厚方向からの平面視において、筐体20における回路基板50の固定領域と、ケース30とカバー40の固定領域が重なる。したがって、板厚方向に直交する方向において、筐体20、ひいては電子装置10の体格を小型化することができる。具体的には、
図5に示す長さL1の分、電子装置10を小型化することができる。
【0054】
本実施形態では、かしめ部60の締結力により、第1シール材81が板厚方向に圧縮される。そして、圧縮による反力で第1シール材81がカバー40及び回路基板50に密着し、これによりカバー40と回路基板50との間が柱部61周りの全周で水密に封止される。かしめ部60の締結力により、第2シール材82が板厚方向に圧縮される。そして、圧縮による反力で第2シール材82がケース30及び回路基板50に密着し、これによりケース30と回路基板50との間が柱部61周りの全周で水密に封止される。このように2つのシール材80(第1シール材81及び第2シール材82)により、内部空間21が、貫通孔46、ひいては筐体20の外部の空間と遮断される。
【0055】
したがって、カバー40の貫通孔46を挿通するかしめ部60を採用しながらも、内部空間21を水密に封止することができる。以上により、防水性を確保しつつ、電子装置10の体格を小型化することができる。
【0056】
特に本実施形態では、かしめ部60の締結力を利用して、頭部62の直下に位置するシール材80を圧縮させ、その反力により柱部61周りの全周で水密に封止する。したがって、少ない部品点数で、防水性を確保しつつ、電子装置10の体格を小型化することができる。
【0057】
また、かしめ部60がケース30と一体に設けられているため、部品点数を少なくすることができる。さらには、ねじ163を設けなくてもよいので、カバー40の深さを従来よりも浅くすることができる。これにより、板厚方向においても、筐体20、ひいては電子装置10の体格を小型化することができる。具体的には、
図5に示す高さH1の分、電子装置10を小型化することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、第1シール材81の内周部及び第2シール材82の内周部が、柱部61の外周面との間にそれぞれ隙間を有する例を示したが、これに限定されない。第1シール材81の内周部及び第2シール材82の内周部の少なくとも一方が、柱部61の外周面に接触してもよい。
【0059】
(第2実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10と共通する部分についての説明は省略する。
【0060】
本実施形態の電子装置10は、
図6に示すように、シール材80として第3シール材83をさらに有している。第3シール材83が、第3締結シール材に相当する。第1シール材81及び第2シール材82とは異なり、第3シール材83は筐体20の外部に配置されている。本実施形態では、第3シール材83として、ゴム状弾性体を採用している。
【0061】
第3シール材83は、柱部61周りの全周で、カバー40と頭部62との間に介在している。第3シール材83は、かしめ部60の締結力により板厚方向に弾性変形(圧縮)し、弾性変形の反力で、カバー40及び頭部62の両方に密着している。このようにして、第3シール材83は、カバー40と頭部62との間を水密に封止している。
【0062】
本実施形態では、カバー40の外面40a側に凹部47が形成され、凹部47の底面の中心位置に貫通孔46が開口している。そして、第3シール材83が凹部47に配置され、カバー40における凹部47の底面と頭部62とに密着している。また、第3シール材83の外周部は、凹部47の側面に接触している。第3シール材83の内周部は、柱部61の外周面に対して非接触となっている。頭部62は、凹部47の周囲で外面40aに接触している。熱かしめ前の状態で、第3シール材83は、凹部47に配置されて底面に接触し、外面40aから突出する。
【0063】
これによれば、第3シール材83により、貫通孔46を介した内部空間21と筐体20の外部との連通が、柱部61周りの全周で遮断される。したがって、第3シール材83による防水構造と、第1シール材81及び第2シール材82による防水構造とを備えた2重の防水構造となる。したがって、防水性能をより高めることができる。
【0064】
特に本実施形態では、第3シール材83を凹部47に配置しているため、防水性能を高めつつ、板厚方向の体格の増大を抑制することができる。凹部47の深さにより、第3シール材83の圧縮量を制御することができる。
【0065】
(第3実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10と共通する部分についての説明は省略する。
【0066】
本実施形態の電子装置10は、
図7に示すように、シール材80として第1シール材81のみを有している。第1シール材81は、柱部61の外周面に全周で強く密着している。かしめ部60の締結力により圧縮された第1シール材81は、板厚方向と直交する方向に長くなる。第1シール材81は、台座44の内側面44aに接触しており、圧縮により柱部61の方向に伸びる。これにより、第1シール材81が柱部61に強く密着する。
【0067】
このように、本実施形態では、第1シール材81が柱部61に全周で密着することで、柱部61周りの空間が第1シール材81により遮断される。したがって、第2シール材82を設けなくとも、第1シール材81のみにより、内部空間21を、貫通孔46、ひいては筐体20の外部の空間と遮断し、防水性を確保することができる。
【0068】
しかしながら、第1シール材81とともに第2シール材82を配置したほうが、防水性能をより高めることができる。
【0069】
なお、第1シール材81に代えて、第2実施形態に示した第3シール材83を採用することもできる。第3シール材83により、カバー40と頭部62の間が水密に封止されるため、第3シール材83のみによっても、防水性を確保することができる。シール材80として第3シール材83のみを採用する場合、貫通孔51を有さない回路基板50を採用することもできる。
【0070】
(第4実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10と共通する部分についての説明は省略する。
【0071】
本実施形態の電子装置10は、
図8に示すように、台座44の内側面が傾斜面44bとなっている。それ以外の構成は、第3実施形態(
図7)と同じである。傾斜面44bは、凹部45の開口面積が回路基板50に近づくほど大きくなるような傾斜を有している。
【0072】
これによれば、かしめ部60による板厚方向の締結力が、傾斜面44bによって傾斜面44bに直交する方向の力(柱部61に向かう方向の力)に変換される。したがって、傾斜面44bにより、第1シール材81が柱部61側に押される。これにより、板厚方向に沿う内側面44aを有する構成に較べて、柱部61に第1シール材81を強く密着させることができる。したがって、第1シール材81のみを有する構成において、防水性能をさらに高めることができる。
【0073】
なお、シール材80との接触面を傾斜面とする構成は、第1シール材81に限定されるものではない。たとえば、第2シール材82と接触する内側面34aを傾斜面としてもよい。さらには、第3シール材83と接触する凹部47の側面を傾斜面としてもよい。傾斜面は、かしめ部60による締結力を柱部61に向かう方向への力に変換するような傾斜を有せばよい。
【0074】
(第5実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10と共通する部分についての説明は省略する。
【0075】
本実施形態の電子装置10は、
図9に示すように、ゴム状弾性体の第1シール材81及び第2シール材82に代えて、硬化前で液状の接着材を第1シール材84及び第2シール材85として採用している。
【0076】
第1シール材84は、カバー40の凹部45に配置されている。第1シール材84は、カバー40及び回路基板50に密着(接着)している。第2シール材85は、ケース30の凹部35に配置されている。第2シール材85は、ケース30及び回路基板50に密着(接着)している。
【0077】
これによれば、先行実施形態同様、板厚方向に直交する方向において、筐体20、ひいては電子装置10の体格を小型化することができる。
【0078】
また、第1シール材81がカバー40及び回路基板50に接着し、これによりカバー40と回路基板50との間が柱部61周りの全周で水密に封止される。同様に、第2シール材82がケース30及び回路基板50に接着し、これによりケース30と回路基板50との間が柱部61周りの全周で水密に封止される。したがって、カバー40に貫通孔46を形成しつつも、内部空間21を、貫通孔46、ひいては筐体20の外部の空間と遮断し、防水性を確保することができる。
【0079】
また、弾性体のシール材80のように、弾性変形(圧縮)の反力で水密に封止するのではない。すなわち、カバー40に、水密に封止するだけの反力が作用するものではない。したがって、カバー40として樹脂やプレス材などの剛性の小さいものを採用した場合でも、カバー40に変形が生じず、回路基板50の保持力及び防水性を確保することができる。
【0080】
なお、第1シール材84及び第2シール材85として、シール材70と同じ材料を用いると良い。部品点数を削減することができる。また、弾性体の第3シール材83に代えて、硬化前で液状の接着材を採用することもできる。
【0081】
(第6実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10と共通する部分についての説明は省略する。
【0082】
本実施形態の電子装置10は、
図10に示すように、締結部としてねじ63を備えている。ねじ63は、板厚方向に延びる柱部64、及び、柱部64に連なる頭部65を有している。
【0083】
ケース30の底部31には、凹部35の底面に開口するねじ孔36が形成されている。ねじ孔36は、凹部35の底面の中心位置付近に形成されている。柱部64の一端はねじ孔36に挿入されて螺合されている。柱部64は、柱部61同様、貫通孔51を挿通している。
【0084】
頭部65は、柱部64の他端に連なっている。ねじ63はワッシャ66を有しており、ワッシャ66を介して締結されている。ワッシャ66は、頭部65とカバー40の外面40aの間に介在している。ワッシャ66は、頭部65の一部とも言える。それ以外の構成は、第1実施形態(
図2参照)と同じとなっている。
【0085】
本実施形態でも、ねじ63により、回路基板50を筐体20に固定しつつケース30とカバー40を固定する。すなわち、板厚方向からの平面視において、筐体20における回路基板50の固定領域と、ケース30とカバー40の固定領域が重なる。したがって、板厚方向に直交する方向において、筐体20、ひいては電子装置10の体格を小型化することができる。
【0086】
また、ねじ63の締結力により第1シール材81及び第2シール材82が板厚方向に圧縮される。そして、圧縮による反力で第1シール材81がカバー40及び回路基板50に密着し、これによりカバー40と回路基板50との間が柱部61周りの全周で水密に封止される。また、圧縮による反力で第2シール材82がケース30及び回路基板50に密着し、これによりケース30と回路基板50との間が柱部61周りの全周で水密に封止される。したがって、カバー40に貫通孔46を形成しつつも、内部空間21を、貫通孔46、ひいては筐体20の外部の空間と遮断し、防水性を確保することができる。
【0087】
なお、ねじ63と組み合わされるシール材80は、上記例に限定されない。第2〜第5実施形態のいずれとの組み合わせも可能である。
【0088】
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
【0089】
かしめ部60がケース30とともに熱可塑性樹脂を用いて形成され、熱かしめにより締結する例を示したがこれに限定されない。たとえばかしめ部60がケース30とともに金属材料を用いて形成され、柱部61の先端を潰して頭部62を形成することにより、かしめる構成を採用することもできる。
【0090】
カバーが金属材料を用いて形成される例を示したがこれに限定されない。樹脂材料を用いて構成してもよい。
【0091】
第1シール材81がカバー40の凹部45に配置され、第2シール材82がケース30の凹部35に配置され、締結状態で、台座34,44が回路基板50に接触する例を示したがこれに限定されない。凹部35,45のない平坦面上に、第1シール材81、第2シール材82を配置してもよい。さらには、凹部47を有さず、平坦面上に第3シール材83を配置してもよい。