特許第6790920号(P6790920)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電装株式会社の特許一覧

特許6790920ワイヤハーネス固定用吸音シートおよび吸音シート付ワイヤハーネス並びに吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造
<>
  • 特許6790920-ワイヤハーネス固定用吸音シートおよび吸音シート付ワイヤハーネス並びに吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造 図000002
  • 特許6790920-ワイヤハーネス固定用吸音シートおよび吸音シート付ワイヤハーネス並びに吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造 図000003
  • 特許6790920-ワイヤハーネス固定用吸音シートおよび吸音シート付ワイヤハーネス並びに吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造 図000004
  • 特許6790920-ワイヤハーネス固定用吸音シートおよび吸音シート付ワイヤハーネス並びに吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造 図000005
  • 特許6790920-ワイヤハーネス固定用吸音シートおよび吸音シート付ワイヤハーネス並びに吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造 図000006
  • 特許6790920-ワイヤハーネス固定用吸音シートおよび吸音シート付ワイヤハーネス並びに吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造 図000007
  • 特許6790920-ワイヤハーネス固定用吸音シートおよび吸音シート付ワイヤハーネス並びに吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造 図000008
  • 特許6790920-ワイヤハーネス固定用吸音シートおよび吸音シート付ワイヤハーネス並びに吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造 図000009
  • 特許6790920-ワイヤハーネス固定用吸音シートおよび吸音シート付ワイヤハーネス並びに吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造 図000010
  • 特許6790920-ワイヤハーネス固定用吸音シートおよび吸音シート付ワイヤハーネス並びに吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6790920
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス固定用吸音シートおよび吸音シート付ワイヤハーネス並びに吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/08 20060101AFI20201116BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20201116BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20201116BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   B60R13/08
   G10K11/16 120
   B60R13/02 B
   B60R16/02 623H
   B60R16/02 623D
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-39642(P2017-39642)
(22)【出願日】2017年3月2日
(65)【公開番号】特開2018-144560(P2018-144560A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2019年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】特許業務法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】深井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】竹中 和也
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−217202(JP,A)
【文献】 特開2007−314287(JP,A)
【文献】 特開2014−217197(JP,A)
【文献】 特開平10−172707(JP,A)
【文献】 特開2015−039846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/08
B60R 13/02
B60R 16/02
G10K 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤハーネスと、
シート状に形成されて一方の面が非接着面とされ他方の面が剥離紙で覆われた接着面とされてなる、同一形状の少なくとも2枚のワイヤハーネス固定用吸音シートとを有し、
一方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記剥離紙が剥がされて露呈させた前記接着面上に前記ワイヤハーネスが載置されている一方、
他方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートが、前記ワイヤハーネスを間に挟んで、前記非接着面側で、前記一方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記接着面に対して重ね合されて密着固定されており、
前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記接着面が、接着剤が塗布されていない素地領域を有しており、前記二つの前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記素地領域同士が重ね合されて固定具を用いて固定されている
ことを特徴とする吸音シート付ワイヤハーネス。
【請求項2】
前記ワイヤハーネス固定用吸音シートには、同じ位置にそれぞれ治具挿通孔が厚さ方向に貫通して設けられており、前記一方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記治具挿通孔と、前記他方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記治具挿通孔が、前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの重ね合せ方向で連接されている請求項1に記載の吸音シート付ワイヤハーネス。
【請求項3】
ワイヤハーネスと、
シート状に形成されて一方の面が非接着面とされ他方の面が剥離紙で覆われた接着面とされてなる、同一形状の少なくとも2枚のワイヤハーネス固定用吸音シートとを有し、
一方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記剥離紙が剥がされて露呈させた前記接着面上に前記ワイヤハーネスが載置されている一方、
他方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートが、前記ワイヤハーネスを間に挟んで、前記非接着面側で、前記一方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記接着面に対して重ね合されて密着固定されており、
前記ワイヤハーネス固定用吸音シートには、同じ位置にそれぞれ治具挿通孔が厚さ方向に貫通して設けられており、前記一方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記治具挿通孔と、前記他方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記治具挿通孔が、前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの重ね合せ方向で連接されており、
前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記剥離紙には、前記治具挿通孔に対応した貫通穴と、前記剥離紙の剥離方向に平行でかつ前記貫通穴の径方向両側に延びる一対のスリットが、前記貫通穴に開口して設けられている
ことを特徴とする吸音シート付ワイヤハーネス。
【請求項4】
前記剥離紙が、前記接着面より外方に向かって突出する把持部を有している請求項1〜の何れか1項に記載の吸音シート付ワイヤハーネス。
【請求項5】
前記請求項1〜の何れか1項に記載の吸音シート付ワイヤハーネスを用い、
前記他方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記剥離紙が剥がされて露呈された前記接着面が、固定対象に対して密着固定されている
ことを特徴とする吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造。
【請求項6】
前記請求項1〜の何れか1項に記載の吸音シート付ワイヤハーネスの製造に用いられるワイヤハーネス固定用吸音シートであって、
シート状に形成されて一方の面が非接着面とされ他方の面が剥離紙で覆われた接着面とされており、
同一形状の少なくとも2枚の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートが、前記接着面を同じ方向に配向した状態で重ね合されて用いられるものである
ことを特徴とするワイヤハーネス固定用吸音シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネスを車体等の固定対象に固定するために用いられるワイヤハーネス固定用吸音シート、および当該吸音シートが取り付けられた吸音シート付ワイヤハーネス、並びに当該吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等において、様々な電子機器に電力や各種制御信号を伝えるためにワイヤハーネスが用いられている。かかるワイヤハーネスは、車両用ドアやルーフやフロア等といった場所に配索されており、車体パネルとトリムの間に収容されて位置決め固定された状態で組み付けられるようになっている。
【0003】
ところで、車体パネルの外部から車室内に伝達される騒音を吸収して車室内の静粛性を実現するために、車体パネルとトリムの間に吸音シートが配設されている場合があるが、例えば特開2016−210339号公報(特許文献1)に示されているように、車体パネルとトリムの間に配設されるワイヤハーネスをかかる吸音シートと一体化して、組み付ける構造が知られている。具体的には、2枚のシート材の間にワイヤハーネスを挟持することが提案されており、一方のシート材が吸音シートで形成された吸音シートによって構成されており、他方のシート材が、ワイヤハーネスを吸音シートに対して固定するために吸音シートに貼付される薄膜シートによって構成されている。このような構造を採用することにより、車体パネルの外部から車室内に伝達される騒音を吸音シートで低減しつつ、ワイヤハーネスを所定位置に保持することが可能となる。
【0004】
ところが、特許文献1に記載のワイヤハーネスの配索構造では、車体パネルとトリムの間に配設される吸音シートの他、新たにワイヤハーネスを吸音シートに固定するための、吸音シートよりも小さく形成された薄膜シートが必要とされていることから、2種類のシート材を準備する必要があり、部品管理の煩雑化やコストアップが避けられないという問題を内在していた。
【0005】
加えて、吸音シートを車体パネルとトリムの間に設けられた固定対象等にクランプ等で固定する必要があり、さらなる部品点数や作業工数の増大が避けられなかった。また、車両の小型化・高密度化の影響により、クランプ等の固定穴が設けられない場合もあり、吸音シートと一体化したワイヤハーネスの固定が困難となるおそれもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016−210339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、ワイヤハーネスを、吸音シートを利用して少ない部品点数で簡便に位置決め固定することができる、新規な構造のワイヤハーネス固定用吸音シートおよび吸音シート付ワイヤハーネス並びに吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
吸音シート付ワイヤハーネスに関する本発明の第一の態様は、ワイヤハーネスと、シート状に形成されて一方の面が非接着面とされ他方の面が剥離紙で覆われた接着面とされてなる、同一形状の少なくとも2枚のワイヤハーネス固定用吸音シートとを有し、一方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記剥離紙が剥がされて露呈させた前記接着面上に前記ワイヤハーネスが載置されている一方、他方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートが、前記ワイヤハーネスを間に挟んで、前記非接着面側で、前記一方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記接着面に対して重ね合されて密着固定されており、前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記接着面が、接着剤が塗布されていない素地領域を有しており、前記二つの前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記素地領域同士が重ね合されて固定具を用いて固定されていることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、同一の構成で同一形状のワイヤハーネス固定用吸音シートを少なくとも2つを用い、それら2つのワイヤハーネス固定用吸音シートの一方の接着面を露呈させ、ワイヤハーネスを間に挟んで他方のワイヤハーネス固定用吸音シートの非接着面を密着固定させるという簡単な構造により、1種類のワイヤハーネス固定用吸音シートを2つ準備するのみで、ワイヤハーネスを吸音シートに対して位置決め固定することができる。それゆえ、従来必要とされた、吸音シート以外のシート材が不要となり、部品管理を簡素化して、部品点数の削減やコスト低減を図ることができる。
【0010】
しかも、本態様の吸音シート付ワイヤハーネスによれば、ワイヤハーネスに取り付けられた吸音シートの表面側に剥離紙で覆われた接着面が配設されている。これにより、追加の固定具等を必要とすることなく、剥離紙を剥がして露呈させた接着面を、車体パネルやトリム等の固定対象に密着固定するだけで、ワイヤハーネスを固定対象に対して位置決め固定することが可能となる。
【0011】
このように、本態様の吸音シート付ワイヤハーネスによれば、1種類のワイヤハーネス固定用吸音シートを接着面の配向を揃えた状態でワイヤハーネスを間に挟んで重ね合わせるだけの簡単な構造で、吸音性能を確保しつつ少ない部品点数でワイヤハーネスの位置決め固定が可能となるのである。また、ワイヤハーネス固定用吸音シートが、接着剤が塗布されていない素地領域をそれらの接着面に有し、素地領域同士が重ね合されて固定具を介して相互に固定されている。それゆえ、例えば、接着材がはがれやすい、ワイヤハーネス固定用吸音シートの周縁領域では、接着剤ではなくて固定具を用いて両ワイヤハーネス固定用吸音シート同士を相互に固定することができる。
【0012】
吸音シート付ワイヤハーネスに関する本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載の吸音シート付ワイヤハーネスにおいて、前記ワイヤハーネス固定用吸音シートには、同じ位置にそれぞれ治具挿通孔が厚さ方向に貫通して設けられており、前記一方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記治具挿通孔と、前記他方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記治具挿通孔が、前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの重ね合せ方向で連接されているものである。
【0013】
本態様によれば、同一形状のワイヤハーネス固定用吸音シートにおいて、同じ位置に治具挿通孔が貫設されている。それゆえ、ワイヤハーネス配索用の図板上に設けられた位置決め治具から突出する位置決めピンを両方のワイヤハーネス固定用吸音シートの治具挿通孔に挿通配置するだけで、ワイヤハーネスに対する両ワイヤハーネス固定用吸音シートの位置決めや、ワイヤハーネス固定用吸音シート同士の位置決めを一括して行うことができ、吸音シート付ワイヤハーネスの製造効率の向上を図ることができる。
【0014】
吸音シート付ワイヤハーネスに関する本発明の第三の態様は、ワイヤハーネスと、シート状に形成されて一方の面が非接着面とされ他方の面が剥離紙で覆われた接着面とされてなる、同一形状の少なくとも2枚のワイヤハーネス固定用吸音シートとを有し、一方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記剥離紙が剥がされて露呈させた前記接着面上に前記ワイヤハーネスが載置されている一方、他方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートが、前記ワイヤハーネスを間に挟んで、前記非接着面側で、前記一方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記接着面に対して重ね合されて密着固定されており、前記ワイヤハーネス固定用吸音シートには、同じ位置にそれぞれ治具挿通孔が厚さ方向に貫通して設けられており、前記一方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記治具挿通孔と、前記他方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記治具挿通孔が、前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの重ね合せ方向で連接されており、前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記剥離紙には、前記治具挿通孔に対応した貫通穴と、前記剥離紙の剥離方向に平行でかつ前記貫通穴の径方向両側に延びる一対のスリットが、前記貫通穴に開口して設けられていることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、各ワイヤハーネス固定用吸音シートの治具挿通孔に対して、ワイヤハーネス配索用の図板上に設けられた位置決め治具から突出する位置決めピンを挿通した状態で、剥離紙を剥離する作業を行う場合に、剥離方向に平行な径方向両側に延びるスリットが剥離シートの貫通孔に開口して設けられている。それゆえ、剥離紙に対する位置決めピンのひっかかりがスリットによって回避されて、治具挿通孔に位置決めピンを挿通配置させた状態で、剥離紙の剥離を容易に行うことができ、作業性の向上に寄与することができる。
【0018】
吸音シート付ワイヤハーネスに関する本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れか1つの態様に記載の吸音シート付ワイヤハーネスにおいて、前記剥離紙が、前記接着面より外方に向かって突出する把持部を有しているものである。
【0019】
本態様によれば、剥離紙が接着面よりも外方に突出する把持部を有していることから、剥離紙の把持部を摘んで、接着面からの剥離紙の接着面からの剥離を容易に行うことが可能となる。
【0020】
吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造に関する本発明の第一の態様は、前記第乃至第の何れか1つの態様に記載の吸音シート付ワイヤハーネスを用い、前記他方の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートの前記剥離紙が剥がされて露呈された前記接着面が、固定対象に対して密着固定されていることを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、第乃至第の何れか1つの態様に記載の吸音シート付ワイヤハーネスを用いていることから、吸音シートに対するワイヤハーネスの位置決めを少ない部品点数で効率よく行うことができ、従来必要とされた、吸音シート以外のシート材が不要となり、部品管理を簡素化して、部品点数の削減やコスト低減を図ることができる。
【0022】
しかも、本態様の吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造によれば、他方のワイヤハーネス固定用吸音シートの剥離紙が剥がされて露呈された接着面を、固定対象に密着固定することで、吸音シートや吸音シートを介したワイヤハーネスの固定対象への固定が完成する。それゆえ、追加の固定具等を必要とすることなく、剥離紙を剥がして露呈させた接着面を、車体パネルやトリム等の固定対象に密着固定するだけで、ワイヤハーネスを固定対象に対して位置決め固定することが可能となる。
【0023】
ワイヤハーネス固定用吸音シートに関する本発明の第一の態様は、前記第乃至第の何れか1つの態様に記載の吸音シート付ワイヤハーネスの製造に用いられるワイヤハーネス固定用吸音シートであって、シート状に形成されて一方の面が前記非接着面とされ他方の面が前記剥離紙で覆われた前記接着面とされており、同一形状の少なくとも2枚の前記ワイヤハーネス固定用吸音シートが、前記接着面を同じ方向に配向した状態で重ね合されて用いられるものであることを特徴とする。
【0024】
本態様によれば、第乃至第の何れか1つの態様に記載の吸音シート付ワイヤハーネスを用いていることから、吸音シートに対するワイヤハーネスの位置決めを少ない部品点数で効率よく行うことができ、従来必要とされた、吸音シート以外のシート材が不要となり、部品管理を簡素化して、部品点数の削減やコスト低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、同一の構成で同一形状のワイヤハーネス固定用吸音シートを少なくとも2つを用い、一方のワイヤハーネス固定用吸音シートの一方の接着面を露呈させ、ワイヤハーネスを間に挟んで他方のワイヤハーネス固定用吸音シートの非接着面を密着固定させるだけで、ワイヤハーネスを吸音シートに対して位置決め固定できる。それゆえ、従来必要とされた吸音シート以外のシート材が不要となり、部品点数の削減やコスト低減ができる。しかも、ワイヤハーネスに取り付けられた吸音シートの表面側に剥離紙で覆われた接着面が配設されていることから、追加の固定具等を必要とすることなく、剥離紙を剥がして露呈させた接着面を車体パネルやトリム等の固定対象に密着固定するだけで、ワイヤハーネスを固定対象に対して位置決め固定できる。このような簡単な構造で、吸音性能を確保しつつ少ない部品点数でワイヤハーネスの位置決め固定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第一の実施形態としての吸音シート付ワイヤハーネスを示す斜視図。
図2】本実施形態の分解図と、製造に用いる治具を示す斜視図。
図3】本実施形態に用いられるワイヤハーネス固定用吸音シートを示す側面図。
図4】本実施形態の製造方法を示す斜視図((a)一方のワイヤハーネス固定用吸音シートが位置決め治具に載置された状態、(b)剥離紙が剥がされて露呈させた接着面上にワイヤハーネスが載置された状態、(c)他方のワイヤハーネス固定用吸音シートがワイヤハーネスを間に挟んで一方のワイヤハーネス固定用吸音シートの接着面に対して重ね合されて密着固定された状態)。
図5】本実施形態の吸音シート付ワイヤハーネスを用いた吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造を示す側面図。
図6】本実施形態に用いられるワイヤハーネス固定用吸音シートの他の態様を示す斜視図。
図7】本実施形態に用いられるワイヤハーネス固定用吸音シートの別の態様を説明するための斜視図であって、図2に相当する図。
図8】本発明の第二の実施形態としての吸音シート付ワイヤハーネスに用いられるワイヤハーネス固定用吸音シートを示す斜視図。
図9図8に示すワイヤハーネス固定用吸音シートを用いた本実施形態の吸音シート付ワイヤハーネスを示す斜視図であって、図1に相当する図。
図10図9の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0028】
図1〜5には、本発明の第一の実施形態としての吸音シート付ワイヤハーネス10が示されている。吸音シート付ワイヤハーネス10は、図示しない複数の電線が結束されてなるワイヤハーネス12と、同一形状の2枚のワイヤハーネス固定用吸音シート14とを有している。なお、理解を容易とするため、図1では、ワイヤハーネス12を仮想線で記載している。また、以下の説明において、上方とは、図1〜5中の上方、下方とは、図1〜5中の下方、また前方とは、図5中の左方、後方とは、図5中の右方を言うものとする。
【0029】
先ず、図2〜3に示されているように、ワイヤハーネス固定用吸音シート14は、シート状に形成された吸音材16上の一方の面である裏面が非接着面18とされて吸音材16が露呈されている一方、他方の面である表面が接着面20とされた構造を有しており、かかる接着面20の全面に亘って、例えば合成ゴム系などの粘着剤が塗布されてなる粘着部22が形成されている。ここで、吸音材16は、例えば、ポリプロピレン系繊維やポリエチレンテレフタレート系繊維やガラス系繊維等によって形成された不織布、ウレタン等の合成樹脂材料からなる連続気泡体あるいはフェルト等から構成されている。さらに、ワイヤハーネス固定用吸音シート14の粘着部22上には全面に亘ってシート状の剥離紙24が貼付されており、接着面20が剥離紙24で覆われている。ここで、吸音材16と接着面20と粘着部22と剥離紙24は平面視で同一形状とされている。なお、剥離紙24としては、例えば上質紙などの基材上にPE(ポリエチレン)樹脂などからなる目止め層を介してシリコーン系などの剥離剤がコーティングされて形成されたものや、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂などからなるシート状の基材上にシリコーン系などの剥離剤がコーティングされたものが用いられる。また、図3では、理解を容易にするために、ワイヤハーネス固定用吸音シート14を構成する粘着部22と剥離紙24を厚さ方向(図3中、上下方向)に拡大して記載している。
【0030】
また、ワイヤハーネス固定用吸音シート14は、図2に示されているように平面視で略横長矩形形状を有しており、長手方向(図2〜3中、左右方向)の両側にはそれぞれ幅方向(図3中、紙面に垂直方向)に離隔して一対の略円形断面形状の治具挿通孔26,26が厚さ方向(図2〜3中、上下方向)に貫通して設けられている。加えて、ワイヤハーネス固定用吸音シート14の剥離紙24には、治具挿通孔26に対応した略円形断面形状の貫通穴28と、剥離紙24の剥離方向(図2〜3中、左右方向)に平行でかつ貫通穴28の径方向両側に延びる一対のスリット30,30が、貫通穴28に開口するように設けられている。
【0031】
このような形状とされたワイヤハーネス固定用吸音シート14を用いて、本実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス10を製造する方法について、図1〜2および図4を用いて、説明する。先ず、位置決め治具32を準備する。かかる位置決め治具32は、例えば、図示しないワイヤハーネス配索用の図板上に設けられて用いられる。より詳細には、位置決め治具32は、上方に向かって開口する平面視で略横長矩形状の箱体形状とされており、平面視で略横長矩形平板状の底壁34と、底壁34の周縁部の全周に亘って上方に向かって略一定の突出寸法で突出する略平板状の側壁36を備え、合成樹脂材料等によって形成されている。これにより、位置決め治具32は、底壁34と側壁36によって囲まれ上方に向かって開口する平面視で略横長矩形状の収容部38を備えている。また、位置決め治具32の長手方向(図2中、左右方向)に対向する両側壁36にはそれぞれ、正面視で略矩形状の切欠部40が上方に向かって開口するように形成されている。さらに、位置決め治具32の底壁34の長手方向(図2中、左右方向)の両側にはそれぞれ、幅方向に離隔して一対の略円柱形状の位置決めピン42,42が上方に向かって側壁36と略同じ高さ寸法になるように突設されている。
【0032】
次に、このような形状とされた位置決め治具32の収容部38に対して、上方から、同一形状の2枚のワイヤハーネス固定用吸音シート14のうちの一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aを挿入する(図2および図4(a)参照)。なお、この際、一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aに設けられた治具挿通孔26に対して、位置決め治具32の収容部38に突設された位置決めピン42を挿通して載置することにより、一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aが位置決め治具32の収容部38内に位置決め配置されるようになっている。かかる位置決め配置された状態において、一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aの接着面20を覆う剥離紙24が、位置決め治具32の切欠部40の底面44よりもやや上側に位置するように位置決め治具32が形成されている。これにより、一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aの剥離紙24の剥離や、一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aの接着面20に対するワイヤハーネス12の確実な載置が可能となっている。
【0033】
続いて、かかる位置決め配置された一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aの剥離紙24を、図4(a)に示されているように前方側(図4(a)中、左側)から後方側(図4(a)中、右側)に向かって剥がして接着面20を露呈させる(図4(b)参照)。この際、剥離紙24の治具挿通孔26に対応した貫通穴28には、剥離紙24の剥離方向(図4(a)中、左右方向)に平行でかつ貫通穴28の径方向両側に延びる一対のスリット30,30が貫通穴28に開口して設けられている。それゆえ、剥離紙24を剥がす際に位置決め治具32の位置決めピン42に引っ掛かることがスリット30によって回避されるようになっていることから、位置決め配置された一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aの剥離紙24の剥離を容易に行うことができ、作業性の向上に寄与できるようになっている。
【0034】
そして、図4(b)に示されているように、一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aの剥離紙24が剥がされて露呈させた接着面20上にワイヤハーネス12を載置する。これにより、ワイヤハーネス12が、位置決め治具32の長手方向の両端部に設けられた切欠部40および幅方向に離隔して設けられた一対の位置決めピン42,42間を挿通して配設されることから、ワイヤハーネス12を容易に位置決め配置できるようになっている。続いて、図4(b)〜(c)に示されているように、他方のワイヤハーネス固定用吸音シート14bを、ワイヤハーネス12が位置決め配置された一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aの接着面20上に、上方から非接着面18側を一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aに向けた状態で載置する。これにより、他方のワイヤハーネス固定用吸音シート14bが、ワイヤハーネス12を間に挟んで、非接着面18側で、一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aの接着面20に対して重ね合されて密着固定されるようになっている。すなわち、同一形状の2つのワイヤハーネス固定用吸音シート14a,14bが接着面20を同じ上方に向けた状態で重ね合されて用いられている。ここで、2つのワイヤハーネス固定用吸音シート14a,14bにはそれぞれ、同じ位置に治具挿通孔26が厚さ方向に貫通して設けられていることから、2つのワイヤハーネス固定用吸音シート14a,14bの治具挿通孔26はそれぞれワイヤハーネス固定用吸音シート14a,14bの重ね合せ方向(図1〜2,4中、上下方向) で連接されるようになっている。なお、例えばかかる重ね合された状態でさらに他方のワイヤハーネス固定用吸音シート14bを下方に向かって押圧することにより、一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aの接着面20とワイヤハーネス12および他方のワイヤハーネス固定用吸音シート14bの非接着面18間の密着固定をより確実なものとすることができる。そして、最後に、位置決め治具32の収容部38から取り出すことにより、ワイヤハーネス固定用吸音シート14を用いた本実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス10が完成されるようになっているのである。
【0035】
次に、このように形成された吸音シート付ワイヤハーネス10を用いて、ワイヤハーネス12を固定対象である例えばドアトリム46に対して固定する吸音シート付ワイヤハーネス10の固定構造について、図5を用いて、説明する。かかる吸音シート付ワイヤハーネス10の固定構造は、図1に示す本実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス10の他方のワイヤハーネス固定用吸音シート14bの剥離紙24を剥がして、図5に示すように露呈された接着面20を固定対象であるドアトリム46に対して密着固定することによって実行される。これにより、吸音シート付ワイヤハーネス10は、ドアトリム46に対して密着固定されると共に、ドアトリム46とドアパネル48の間に配設されるようになっている。
【0036】
このような構成とされた本実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス10によれば、同一形状の2つのワイヤハーネス固定用吸音シート14を用いて、一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aの剥離紙24が剥がされて露呈させた接着面20上にワイヤハーネス12を載置した後、他方のワイヤハーネス固定用吸音シート14bをワイヤハーネス12を間に挟んで非接着面18側で一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14aの接着面20に対して重ね合せて密着固定させるという簡単なやり方により、吸音シート付ワイヤハーネス10を構成することが可能となっている。このように、同一形状の2つのワイヤハーネス固定用吸音シート14a,14bを接着面20が同じ上方を向いた状態でワイヤハーネス12を間に挟んで重ね合せるだけで本実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス10を容易に形成することができ、従来の如き吸音シート以外のシート材を必要とすることがなくなることから、部品点数が削減されると共に部品管理が簡素化され、コスト低減を図ることができるようになっている。
【0037】
また、同一形状の2つのワイヤハーネス固定用吸音シート14a,14bは同じ位置に治具挿通孔26が貫設されていることから、例えば図示しないワイヤハーネス配索用の図板上に設けられた位置決め治具32から突出する位置決めピン42を両方のワイヤハーネス固定用吸音シート14a,14bの治具挿通孔26に挿通配置するだけで、ワイヤハーネス12に対する両ワイヤハーネス固定用吸音シート14a,14bの位置決めや、ワイヤハーネス固定用吸音シート14a,14b同士の位置決めを一括して行うことができる。それゆえ、吸音シート付ワイヤハーネス10を構成するワイヤハーネス固定用吸音シート14a,14bおよびワイヤハーネス12を容易に位置決め配置することができることから、吸音シート付ワイヤハーネス10を容易に形成することができ、製造効率の向上を図ることができる。
【0038】
さらに、本実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス10の固定構造によれば、他方のワイヤハーネス固定用吸音シート14bの剥離紙24を剥がして露呈された接着面20を固定対象であるドアトリム46に対して密着固定することによって、ワイヤハーネス12の固定対象への固定が完了するようになっている。このように、従来の如きクランプ等の追加の固定用部材等を必要とすることなくかつ容易に、ワイヤハーネス12を固定対象に対して位置決め固定することが可能となっている。また、吸音シート付ワイヤハーネス10がドアトリム46に対して密着固定されるようになっていることから、例えば予め別ラインでドアトリム46に対して吸音シート付ワイヤハーネス10等を組み付けておき、かかるモジュール化されたドアトリム46をドアパネル48に対して取り付けることにより、作業効率の向上を図ることができる。
【0039】
加えて、本実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス10の製造に用いられるワイヤハーネス固定用吸音シート14は、シート状に形成された吸音材16上の一方の面である裏面が非接着面18とされ他方の面である表面が接着面20とされた構造を有している。それゆえ、2枚のワイヤハーネス固定用吸音シート14a,14bを接着面20が同じ上方を向いた状態でワイヤハーネス12を間に挟んで重ね合せて位置決め固定するだけで、本実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス10を容易に製造することができ、さらには吸音シート付ワイヤハーネスの固定構造を有利に提供することができる。
【0040】
以上、本発明の複数の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの具体的な記載によって限定されない。例えば、上記第一の実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス10におけるワイヤハーネス固定用吸音シート14では、剥離紙24は平面視で接着面20とほぼ同形状とされていた(図2参照)が、図6に示されている他の態様のワイヤハーネス固定用吸音シート50のように、剥離紙52が長手方向(図6中、左右方向)の両端部において、接着面20の幅方向中央部より長手方向外方に向かって突出する平面視略矩形状の把持部54を有していてもよい。これにより、剥離紙52の把持部54を摘んで接着面20から剥離紙52を剥離することが容易にできるようになっている。なお、把持部54は、剥離紙52が長手方向の一端部に設けられていてもよいし、剥離紙52が長手方向の端部において接着面20より幅方向外方に向かって突出するように形成されていてもよい。
【0041】
また、上記第一の実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス10におけるワイヤハーネス固定用吸音シート14は、回転対称とされていたが、図7に示されている別の態様のワイヤハーネス固定用吸音シート56のように、例えば治具挿通孔26を1つ取り除くことによって非回転対称としてもよい。この際、取り除かれた治具挿通孔26に対応する剥離紙58の貫通穴28と一対のスリット30,30および位置決め治具60の位置決めピン42も取り除かれている。これにより、同一形状の2つのワイヤハーネス固定用吸音シート56a,56bを正規の向きに容易に位置決め配置してワイヤハーネス12を間に挟んだ状態で重ね合わせることが確実にできるようになっている。なお、非回転対称となる構成は図7に示す態様に限定されず、任意の非回転対称となる構成が採用可能である。
【0042】
また、上記第一の実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス10におけるワイヤハーネス固定用吸音シート14では、接着面20の全面に亘って粘着剤が塗布されてなる粘着部22が形成されていたが、図8〜10に示されている第二の実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス62におけるワイヤハーネス固定用吸音シート64のように、ワイヤハーネス固定用吸音シート64の接着面20が、接着剤が塗布されておらずかつ剥離紙66が貼付されていない素地領域68を有していてもよい(図8参照)。そして、図9〜10に示されているように、2つのワイヤハーネス固定用吸音シート64a,64bをワイヤハーネス12を間に挟んだ状態で素地領域68同士を重ね合わせて、固定具であるタグピン70を用いて固定することにより、本実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス62が構成されるようになっている。なお、図10に示されているように、タグピン70は、2つのワイヤハーネス固定用吸音シート64a,64bを厚さ方向に貫通する軸部72と、軸部72の両端部において径方向両側に延び出して軸部72の抜け出しを防止する係止部74を備えて構成されている。これにより、例えば、接着材がはがれやすい、ワイヤハーネス固定用吸音シート64の周縁領域において素地領域68を設けることにより、接着剤ではなくて固定具であるタグピン70を用いて2つのワイヤハーネス固定用吸音シート64a,64bを相互に固定することができるようになっている。
【0043】
さらに、上記第一および第二の実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス10,62ではそれぞれ、2つのワイヤハーネス固定用吸音シート14,64を有して構成されていたが、吸音シート付ワイヤハーネス10,62に要求される吸音性能に応じて、一方のワイヤハーネス固定用吸音シート14a,64aの下面や他方のワイヤハーネス固定用吸音シート14b,64bの上面の一方あるいは両方に対して、追加の1つあるいは複数のワイヤハーネス固定用吸音シート14,64を接着して吸音性能を確保するようにしてもよい。
【0044】
加えて、上記第一の実施形態の吸音シート付ワイヤハーネス10の固定構造では、吸音シート付ワイヤハーネス10は固定対象であるドアトリム46に対して密着固定されていたが、ドアパネル48に対して密着固定されるようになっていてもよいし、あるいはワイヤハーネス12が配索されているルーフやフロア等に密着固定されるようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10,62:吸音シート付ワイヤハーネス、12:ワイヤハーネス、14,50,56,64:ワイヤハーネス固定用吸音シート、14a,56a,64a:一方のワイヤハーネス固定用吸音シート、14b,56b,64b:他方のワイヤハーネス固定用吸音シート、18:非接着面、20:接着面、24,52,58,66:剥離紙、26:治具挿通孔、28:貫通穴、30:スリット、46:ドアトリム(固定対象)、54:把持部、68:素地領域、70:タグピン(固定具)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10