(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記情報収集部は、前記無人飛行体の飛行領域の近傍に設置された位置検出装置から前記無人飛行体の飛行位置を示す情報を取得するとともに、前記無人飛行体が備える姿勢検出装置から前記無人飛行体の姿勢を示す情報を取得する、
ことを特徴する請求項1に記載の飛行体運用システム。
前記支点位置決定部は、前記支点位置を決定する前に、前記無人飛行体の飛行位置の時間変化に基づいて前記無人飛行体の移動方向及び単位時間当たりの移動量を算出し、前記無人飛行体の単位時間当たりの下降量が閾値以上である場合には、前記ケーブル支持部に前記ケーブル支持部から供給される前記ケーブルの長さの変更を阻止させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の飛行体運用システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で説明する飛行体運用システムは、遠隔操縦による飛行が可能な無人飛行体を利用して構造物の壁面の画像を撮像するシステムである。
【0011】
図1は、一実施形態に係る飛行体運用システムのシステム構成を示す図である。
図1に示すように、飛行体運用システム1は、無人飛行体2と、操縦機3と、クレーン装置4と、位置検出装置5と、風向風速検出装置6と、を含む。
【0012】
無人飛行体2は、操縦機3を利用した遠隔操縦(無線操縦)による飛行が可能な飛行体である。無人飛行体2には、例えば、図示しない撮像装置と、姿勢検出装置とが取り付けられている。本実施形態では、無人飛行体2として、複数の回転翼201〜204を持つ飛行体(マルチコプター)を例に挙げる。飛行体運用システム1における操縦者10は、操縦機3を操作し、構造物11の壁面1101に沿って垂直方向及び水平方向に無人飛行体2を移動させる。この際、操縦者10は、例えば、無人飛行体2に取り付けた撮像装置の撮像範囲200が構造物11の壁面1101の全体をラスタスキャン状に移動するよう無人飛行体2を操縦する。
【0013】
また、無人飛行体2に取り付けた姿勢検出装置は、既知の検出方法により無人飛行体2の飛行中の姿勢を検出する。
姿勢検出装置は、無人飛行体2の姿勢を示す情報をクレーン装置4に送信する。
【0014】
クレーン装置4は、無人飛行体2に接続されたケーブル7における、クレーン装置4側の支点位置と、無人飛行体2側の支点位置P1との位置関係、及び支点間のケーブル7の長さ(以下「供給ケーブル長」ともいう)を調整する。クレーン装置4は、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢、並びに無人飛行体2の周囲(飛行環境)における風向及び風速、等に基づいて、供給ケーブル長及びケーブル7の伸長方向を調整する。無人飛行体2の飛行位置は、構造物11の近傍に設置した位置検出装置5により検出する。無人飛行体2の姿勢は、飛行体2に設けられた姿勢検出装置(図示しない)により検出する。無人飛行体2の周囲における風向及び風速は、構造物11の近傍に設置した風向風速検出装置6により検出する。クレーン装置4は、図示しない制御装置において無人飛行体2の飛行位置及び飛行姿勢、並びに無人飛行体2の周囲における風向及び風速、等を収集し、ケーブル7の支点位置、及び供給ケーブル長を調整する。
【0015】
位置検出装置5は、既知の検出方法に従って、無人飛行体2の飛行位置を検出する。例えば、位置検出装置5は、レーザ光を利用して飛行体検出装置5から見た無人飛行体2の方向及び距離を検出し、世界座標系における無人飛行体2の飛行位置を算出する。位置検出装置5は、クレーン装置4との間で無線又は有線による通信を行い、無人飛行体2の飛行位置を示す情報クレーン装置4に送信する。
【0016】
風向風速検出装置6は、既知の検出方法に従って、構造物11の近傍における風向及び風速を検出する。風向風速検出装置6は、クレーン装置4との間で無線又は有線による通信を行い、風向及び風速を示す情報をクレーン装置4に送信する。
【0017】
本実施形態に係る飛行体運用システム1では、構造物11の屋上1102等の、無人飛行体2よりも上方側となる位置にクレーン装置4を設置し、該クレーン装置4により、無人飛行体2に接続されたケーブル7を支持する。クレーン装置4は、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢、並びに無人飛行体2の周囲における風の状態に基づいて、ケーブル7の支点位置と、供給ケーブル長とを調整する。この際、クレーン装置4は、クレーン装置4側における支点位置と、無人飛行体2におけるケーブル7の接続位置との距離に基づいて、ケーブル7に生じるたわみが所定のたわみ量よりも小さくなるように供給ケーブル長を調整する。例えば、クレーン装置4は、無人飛行体2側の支点位置の近傍におけるケーブル7の伸長方向と、無人飛行体2が正姿勢であるときに無人飛行体2において鉛直上方となる方向との角度が所定の範囲内となるように供給ケーブル長を調整する。ここで、無人飛行体2の正姿勢は、無人飛行体2の姿勢検出装置(例えば、ジャイロセンサ)が、無人飛行体2に傾きが無いことを検出する姿勢である。すなわち、無人飛行体2が正姿勢であるときに無人飛行体2において鉛直上方となる方向は、無人飛行体2の姿勢が傾くと、傾き角に応じて変化する。また、ケーブル7の伸長方向と、無人飛行体2が正姿勢であるときに無人飛行体2において鉛直上方となる方向との角度は、ケーブル7が無人飛行体2の回転翼と接触する角度よりも小さくする。これにより、例えば、飛行不能に陥って落下する無人飛行体2は、ケーブル7により、クレーン装置4に吊り下げられた状態となるため、無人飛行体2の墜落等を防ぐことが可能となる。また、クレーン装置4においてケーブル7の支点位置と、供給ケーブル長とを調整することにより、飛行中の無人飛行体2の回転翼にケーブル7が絡まることを防ぐことが可能となる。
【0018】
図2は、一実施形態に係るクレーン装置の構成を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係るクレーン装置4は、支点位置調整機構41と、機構保持部42と、ケーブル巻取装置43と、制御装置44と、を含む。
【0019】
支点位置調整機構41は、無人飛行体2に接続されたケーブル7における、クレーン装置4側の支点位置を調整する。支点位置調整機構41は、アーム部4110と、該アーム部4110を回転可能に支持する台座部4120と、図示しない動力伝達機構等とを含む。台座部4120は、機構保持部42に保持されている。
【0020】
アーム部4110は、台座部4120における所定の位置P3と、無人飛行体2に接続されたケーブル7を支持する支点位置P2との位置関係を三次元で変更可能な機構を含む。例えば、アーム部4110は、第1のアーム4111、第2のアーム4112、第3のアーム4113、及び第4のアーム4114の4個のアームを含む。
【0021】
第1のアーム4111は、概形が略柱状であり、第1のアーム4111における軸心方向Q1の一端部には、軸心方向Q1が回転軸となる態様で、台座部4120におけるアーム支持部と回転可能に係合する係合部が設けられている。また、第1のアーム4111における軸心方向の他端には、第2のアーム4112が取り付けられている。
【0022】
第2のアーム4112は、概形が略柱状であり、軸心方向Q2に伸縮可能に構成される。第2のアーム4112は、該第2のアーム4112の軸心方向Q2が第1のアーム4111の軸心方向Q1と略直交する向きで、第1のアーム4111に取り付けられる。第2のアーム4112における第1のアーム4111との接続箇所から遠方となる端部には、第3のアーム4113が取り付けられる。
【0023】
第3のアーム4113は、概形が略柱状であり、軸心方向Q3に伸縮可能に構成される。第3のアーム4113は、該第3のアーム4113の軸心方向Q3が第2のアーム4112の軸心方向Q2と略直交する向きで、第2のアーム4112に取り付けられる。第3のアーム4113における第2のアーム4112との接続箇所から遠方となる端部には、第4のアーム4114が取り付けられる。
【0024】
第4のアーム4114は、概形が略柱状であり、無人飛行体2に接続されたケーブル7を支持するケーブル支持部4115が設けられている。第4のアームは、該第4のアーム4114の軸心方向Q4が第3のアーム4113の軸心方向Q3と略直交する向きで、第3のアーム4113に取り付けられる。また、第4のアーム4114は、軸心方向Q4を回転軸として回転可能な態様で、第3のアーム4113に取り付けられている。ケーブル支持部4115は、例えば、ケーブル7の供給ケーブル長を変更可能であり、かつ無人飛行体2の落下時に供給ケーブル長の変更を阻止する態様でケーブル7を支持するよう構成される。
【0025】
アーム部4110におけるアームの長さや方向は、支点位置調整機構41の動力伝達部(図示せず)により調整される。
【0026】
機構保持部42は、支点位置調整機構41における台座部4120と、第1のアーム4111の係合部とを保持する。
【0027】
ケーブル巻取装置43は、無人飛行体2に接続されたケーブル7の余剰分を巻き取るドラム4301を備え、ドラム4301へのケーブル7の巻き付け回数を調整して供給ケーブル長を調整する。ケーブル7は、アーム部4110の各アーム4111〜4114、及び台座部4120のそれぞれに形成されたケーブル引き回し用の空間を通して、機構保持部42の内部空間に引き出されている。機構保持部42の内部空間に引き出されたケーブル7の余剰分は、機構保持部42の内部空間に設置したケーブル巻取装置43に巻き取られている。ケーブル巻取装置43は、制御装置44からの制御信号に基づいて、ケーブル7の巻き付け回数を調整し、アーム部4110のケーブル支持部4115から無人飛行体2までのケーブル7の長さ(供給ケーブル長)を調整する。
【0028】
制御装置44は、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢、並びに無人飛行体2の周囲における風向及び風速等に基づいて、支点位置調整機構41、及びケーブル巻取装置43の動作を制御する。
【0029】
制御装置44は、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢等に基づいて、世界座標系における飛行位置に対するケーブル支持部4115の位置(支点位置P2)を決定し、アーム部4110の各アーム4111〜4114の長さや方位を算出する。制御装置44は、アーム部4110の各アーム4111〜4114の長さや方位を示す情報を含む制御信号を生成して支点位置調整機構41に送信する。支点位置調整機構41は、制御装置44からの制御信号に基づいて、アーム部4110の各アーム4111〜4114の長さや方位を制御する。
【0030】
また、制御装置44は、例えば、無人飛行体2の飛行姿勢、無人飛行体2におけるケーブル7の支点位置P1から見たクレーン装置4側の支点位置P2(ケーブル支持部4115)の方向、支点間距離等に基づいて、供給ケーブル長を算出する。更に、制御装置44は、アーム部4110の各アーム4111〜4114の長さに基づいて、ケーブル巻取装置43からケーブル支持部4115までのケーブル7の引き回し長を算出する。制御装置44は、算出した供給ケーブル長及び引き回し長に基づいて、ケーブル7の巻き付け回数を示す情報を含む制御信号を生成しケーブル巻取装置43に送信する。ケーブル巻取装置43は、制御装置44からの制御信号に基づいて、ケーブル巻取装置43のドラム4301を回転させケーブル7の巻き付け回数を制御する。
【0031】
図3は、制御装置の機能的構成を示す図である。
図3に示すように、制御装置44は、情報収集部4410と、支点位置決定部4420と、アーム制御情報決定部4430と、アーム制御信号出力部4440と、ケーブル引出長決定部4450と、ドラム制御信号出力部4460と、を備える。また、制御装置44は、飛行体特徴記憶部4490を備える。
【0032】
情報収集部4410は、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢、並びに風向及び風速等の情報を収集する。情報収集部4410は、例えば、位置検出装置5との間で無線通信を行って、無人飛行体2の飛行位置を示す情報を取得する。また、情報収集部4410は、無人飛行体2の姿勢検出装置210との間で無線通信を行って、無人飛行体2の姿勢を示す情報を取得する。更に、情報収集部4410は、例えば、風向風速検出装置6との間で無線通信を行って、無人飛行体2の周囲(飛行環境)における風向及び風速を示す情報を取得する。
【0033】
なお、情報収集部4410は、上記の各情報の取得(収集)に加え、無人飛行体2の撮像装置220で撮像した画像を取得して表示装置8に出力する機能を持っていてもよい。
【0034】
支点位置決定部4420は、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢等に基づいて、アーム部4110におけるケーブル支持部4115の適正な位置を算出し、クレーン装置4側のケーブル7の支点位置P2を決定する。
支点位置決定部4420は、まず、例えば、飛行位置に基づいて無人飛行体2におけるケーブル7の接続位置P1を算出するとともに、姿勢に基づいてケーブル7の基準伸長方向を算出する。ケーブル7の基準伸長方向は、例えば、無人飛行体2が正姿勢で飛行しているときに無人飛行体2において鉛直上方となる方向とする。その後、
支点位置決定部4420は、無人飛行体2におけるケーブル7の接続位置と、ケーブル7の基準伸長方向と、飛行体特徴記憶部4490に記憶させた無人飛行体2についての特徴量とに基づいて、ケーブル支持部4115の適正な位置を算出する。
【0035】
飛行体特徴記憶部4490に記憶させた無人飛行体2についての特徴は、ケーブル7の伸長方向として許容されるケーブル7の基準伸長方向からの角度範囲を含む。該角度範囲は、例えば、無人飛行体2におけるケーブル7の接続位置P1と、回転翼201〜204の旋回領域とに基づいて設定される。
【0036】
アーム制御情報決定部4430は、支点位置決定部4420で算出したケーブル支持部4115の位置と、無人飛行体2におけるケーブル7の接続位置との位置関係に基づいて、支点位置調整機構41のアームの長さ及び方向を決定し、アーム制御情報を生成する。アーム制御情報決定部4430で生成したアーム制御情報は、アーム制御信号出力部4440により支点位置調整機構41に出力される。
【0037】
ケーブル引出長決定部4450は、支点位置調整機構41のアームの長さ、並びにケーブル支持部4115から無人飛行体2のケーブル接続位置までの距離及び方向に基づいて、ケーブル巻取装置43から引き出すケーブルの長さを算出して決定する。ケーブル引出長決定部4450は、支点位置調整機構41のアームの長さに基づいて、ケーブル巻取装置43からケーブル支持部4115までのケーブル7の引き回し長を算出する。また、ケーブル引出長決定部4450は、ケーブル支持部4115から無人飛行体2のケーブル接続位置までの距離及び方向に基づいて、ケーブル支持部4115から無人飛行体2のケーブル接続位置までのケーブル7の長さ(供給ケーブル長)を算出する。ケーブル引出長決定部4450は、算出したケーブル7の引き回し長と供給ケーブル長との和をケーブル巻取装置43から引き出すケーブル7の長さに決定する。ケーブル引出長決定部4450で算出したケーブル巻取装置43から引き出すケーブル7の長さを示す情報は、ドラム制御信号出力部4460に出力される。
【0038】
ドラム制御信号出力部4460は、ケーブル引出長決定部4450で算出したケーブル巻取装置43から引き出すケーブル7の長さを示す情報に基づいて、ケーブル巻取装置43におけるケーブル巻き付け回数を示すドラム制御信号を生成する。ドラム制御信号出力部4460は、生成したドラム制御信号をケーブル巻取装置43に出力する。ケーブル巻取装置43は、ドラム制御信号に従って、ケーブル7を巻きつけているドラム4301を回転させ、ドラムから引き出されるケーブル7の長さを制御する。
【0039】
次に、
図4及び
図5を参照して、飛行体特徴記憶部4490に記憶させる無人飛行体2についての特徴の例を説明する。
【0040】
図4は、無人飛行体における回転翼の旋回領域とケーブル接続位置との関係を説明する平面図である。
図5は、無人飛行体における回転翼の旋回領域とケーブルの伸長方向との関係を説明する正面図である。なお、
図5の正面図では、無人飛行体2における筐体250の手前側及び奥側に位置する腕部及び回転翼を省略している。
【0041】
本実施形態の飛行体運用システム1における無人飛行体2は、例えば、
図4及び
図5に示すように、複数の腕部251〜254が形成された筐体部250と、複数の腕部251〜254のそれぞれに回転可能に支持された回転翼201〜204と、撮像装置220とを備える。
【0042】
筐体部250及び腕部251〜254の内部空間には、無人飛行体2の飛行に関わる各種の電子回路や電子部品が収容されている。例えば、筐体部250の内部空間には、操縦機3からの制御信号を受信する受信部、無人飛行体2の姿勢を検出する姿勢検出装置、回転翼を回転させるモータ、モータの回転数を制御する制御部等が収容されている。また、筐体部250の内部空間には、無人飛行体2の姿勢を示す情報や撮像装置220で撮像した画像等を送信する送信部が収容されている。
【0043】
無人飛行体2に墜落防止用のケーブル7を接続する場合、ケーブル7の接続位置P1は、筐体部250のうちの、無人飛行体2が正姿勢で飛行しているときに無人飛行体2において鉛直上方側を向く面のうちの、無人飛行体2の重心に近い位置にすることが好ましい。無人飛行体2の飛行時における正姿勢は、無人飛行体2に設けた姿勢検出装置(例えば、ジャイロセンサ)により検出される姿勢が、無人飛行体2に傾きが生じていないことを示す姿勢である。このようにすることで、無人飛行体2に接続したケーブル7から回転翼201〜204の旋回領域R1〜R4のそれぞれまでの距離を長くすることが可能となり、ケーブル7が回転翼201〜204と接触する事態の発生を低減することが可能となる。
【0044】
本実施形態では、例えば、
図5に示したように、無人飛行体2が正姿勢で飛行しているときに無人飛行体2においてケーブル7の接続位置P1から鉛直上方となる方向を基準伸長方向V0とする。そして、無人飛行体2の飛行中におけるケーブル7の伸長方向Vと、基準伸長方向V0との角度θが所定の角度範囲内となるよう、クレーン装置4のケーブル支持部4115の位置を調整する。無人飛行体2における筐体部250の外形寸法、回転翼201〜204の旋回領域R1〜R4、及びケーブル7の接続位置がわかれば、旋回領域R1,R3と干渉するケーブル7の伸長方向V1の角度θ1を算出することが可能である。また、無人飛行体2の姿勢が変化すると世界座標系における基準伸長方向Vの方向は変化するが、無人飛行体2における三次元座標系での基準伸長方向V0に対する旋回領域R1,R3と干渉するケーブル7の伸長方向V1の角度θ1は変わらない。したがって、無人飛行体2における筐体部250の外形寸法、回転翼201〜204の旋回領域R1〜R4、及びケーブル7の接続位置に基づいて、飛行中に許容するケーブル7の伸長方向Vの角度範囲を予め決定し、飛行体特徴記憶部4490に記憶させておく。
【0045】
本実施形態に係るクレーン装置4の制御は、制御装置44が行う。無人飛行体2を飛行させている間、制御装置44は、例えば、
図6のフローチャートに沿った処理を行う。
【0046】
図6は、一実施形態に係るクレーン装置の制御方法を説明するフローチャートである。
本実施形態のクレーン装置4における制御装置44は、まず、無人飛行体2の飛行位置及び飛行姿勢、並びに無人飛行体2の周囲における風向及び風速を収集する(ステップS1)。ステップS1の処理は、制御装置44の情報収集部4410が行う。情報収集部4410は、無人飛行体2の飛行領域の近傍に設置した位置検出装置5から、無人飛行体2の飛行位置を示す情報を取得する。また、情報収集部4410は、無人飛行体2に設けられた姿勢検出装置から、無人飛行体2の姿勢を示す情報を取得する。更に、情報収集部4410は、無人飛行体2の飛行領域の近傍に設置した風向風速検出装置6から、飛行環境における風向及び風速を取得する。
【0047】
次に、制御装置44は、無人飛行体2の飛行位置の単位時間当たりの下降量が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2は、例えば、制御装置44の支点位置決定部4420が行う。ステップS2において、支点位置決定部4420は、無人飛行体2の飛行位置の履歴に基づいて、無人飛行体2の移動方向及び単位時間当たりの移動量を算出する。無人飛行体2の移動方向が下方であり、かつ単位時間当たりの移動量が所定の移動量以上である場合、無人飛行体2が飛行不能な状態に陥り落下(墜落)している可能性が高い。このため、飛行位置の単位時間当たりの下降量が閾値以上である場合(ステップS2;YES)、支点位置決定部4420は、ケーブル支持部4115をロックさせ(ステップS10)、ケーブル7の供給ケーブル長の変化を阻止する。これにより、落下する無人飛行体2はケーブル7でクレーン装置4に吊られた状態となるため、無人飛行体2の墜落による被害の発生を回避することが可能となる。
【0048】
一方、飛行位置の単位時間当たりの下降量が閾値よりも小さい場合(ステップS2;
NO)、制御装置44は、次に、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢等の情報と、無人飛行体の特徴情報とに基づいて、ケーブル支持部4115の位置を決定する(ステップS3)。ステップS3の処理は、制御装置44の支点位置決定部4420が行う。例えば、支点位置決定部4420は、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢に基づいて、無人飛行体2におけるケーブル接続位置P1と、基準伸長方向V0とを算出する。その後、支点位置決定部4420は、飛行体特徴記憶部4490に記憶させた飛行体の特徴情報(ケーブル7の伸長方向Vとして許容する角度範囲)、風向及び風速等に基づいて、ケーブル支持部4115の適切な位置(支点位置P2)を決定する。例えば、支点位置決定部4420は、風向
及び風速に基づいて風による無人飛行体2の移動方向や移動量を推定し、風により無人飛行体2が流された場合でもケーブル7が回転翼の旋回領域と干渉しないよう、ケーブル支持部4115の位置を決定する。支点位置決定部4420は、無人飛行体2が風に流されたとしても、基準伸長方向V1との角度θがθ1となる可能性が低くなる方向の延長上となる位置のいずれかをケーブル支持部4115の位置に決定する。
【0049】
次に、制御装置44は、ステップS3で決定したケーブル支持部4115の位置と、無人飛行体2におけるケーブル接続位置との位置関係に基づいて、アーム部4110における各アームの長さ及び方向を示すアーム制御情報を決定する(ステップS4)。ステップS4の処理は、制御装置44のアーム制御情報決定部4430が行う。アーム制御情報決定部4430は、例えば、まず、ケーブル支持部4115の位置と、無人飛行体2におけるケーブル接続位置P1との位置関係に基づいて、ケーブル支持部4115が無人飛行体2のケーブル接続位置の方向を向く第4のアーム4114の回転角度を算出する。その後、ケーブル支持部4115は、ケーブル支持部4115の位置と、台座部
4120の位置と、アーム部4110の各アームの可動範囲とに基づいて、第2のアーム4112の軸心方向及び長さ、並びに第3のアーム4113の長さを算出する。この際、アーム制御情報決定部4430は、例えば、現在の各アームの長さ及び方向からの変更量が最小となる各アームの長さ及び方向を算出し、これをアーム制御情報に決定する。アーム制御情報決定部4430は、決定したアーム制御情報を、アーム制御信号出力部4440及びケーブル引出長決定部4450に通知する。
【0050】
次に、制御装置44は、ステップS4で決定したアーム制御情報と、無人飛行体2におけるケーブル接続位置とに基づいて、ケーブル巻取装置43から引き出すケーブル7の長さ(ケーブル引出長)を決定する(ステップS5)。ステップS5の処理は、ケーブル引出長決定部4450が行う。ケーブル引出長決定部4450は、アーム制御情報に含まれる各アームの長さに基づいて、ケーブル巻取装置43からアーム部4110のケーブル支持部4115までのケーブル7の引き回し長を算出する。また、ケーブル引出長決定部4450は、ケーブル支持部4115の位置と、無人飛行体2におけるケーブル接続位置P1との位置関係に基づいて、ケーブル支持部4115から、無人飛行体2におけるケーブル接続位置までの供給ケーブル長を算出する。供給ケーブル長は、例えば、ケーブルの張力により無人飛行体2の飛行が不安定にならないよう、ケーブル支持部4115の位置から、無人飛行体2におけるケーブル接続位置までの距離よりもわずかに長くする。なお、供給ケーブル長は、無人飛行体2のケーブル接続位置P1の周辺におけるケーブル7の伸長方向Vと基準伸長方向V0との角度θが許容される角度範囲内になるようにする。ケーブル引出長決定部4450は、ケーブルの引き回し長と供給ケーブル長との和をケーブル引出長として、ドラム制御信号出力部4460に通知する。
【0051】
次に、制御装置44は、ケーブル引出長に基づいて、ケーブル巻取装置43のケーブル巻付ドラムの回転方向及び回転量を示すドラム制御信号を生成する(ステップS6)。ステップS6の処理は、ドラム制御信号出力部4460が行う。ドラム制御信号出力部4460は、ケーブル巻付ドラムの円周の長さと、ステップS4で決定したケーブルの引き出し長と、現在のケーブルの引出し長とに基づいて、ドラムの回転方向及び回転量(角度)を算出し、当該情報を含むドラム制御信号を生成する。
【0052】
次に、制御装置44は、アーム制御信号を支点位置調整機構41に出力するととともに、ドラム制御信号をケーブル巻取装置43に出力する(ステップS7)。ステップS7の処理は、アーム制御信号出力部4440と、ドラム制御信号出力部4460とが行う。アーム制御信号出力部4440は、アーム制御情報を含むアーム制御信号を生成し、支点位置調整機構41に出力する。支点位置調整機構41は、アーム制御信号に従って、アーム部4110の各アーム、及び台座部4120を駆動させ、ケーブル支持部4115を所定の位置に移動させる。ドラム制御信号出力部4460は、ドラム制御信号をケーブル巻取装置43に出力する。ケーブル巻取装置43は、ドラム制御信号に従って、ドラム4301を回転させ、ケーブル巻取装置43から引き出されたケーブル7の量(ケーブル引出長)を調整する。これにより、クレーン装置4のケーブル支持部4115から無人飛行体2までの供給ケーブル長が適正な長さになると共に、無人飛行体2のケーブル
接続位置におけるケーブルの伸長方向が適正な方向となる。
【0053】
制御装置44は、例えば、
図6のフローチャートにおけるステップS1〜S7の処理を繰り返し、刻々と変化する無人飛行体2の飛行位置及び姿勢等に応じてクレーン装置4の支点位置調整機構41及びケーブル巻取装置43の動作を制御する。これにより、本実施形態の飛行体運用システム1では、ケーブル7が回転翼と接触して飛行状態が不安定になる事態の発生や、ケーブル7の張力により飛行姿勢が乱れて飛行状態が不安定になる事態の発生を防ぐことが可能となる。また、本実施形態の飛行体運用システム1では、無人飛行体2が操縦不能、或いは飛行不能に陥って落下している場合には、ケーブル支持部4115においてケーブル7をロックし、供給ケーブル長の変更を阻止する。これにより、無人飛行体2の移動可能範囲が制限され、無人飛行体2がクレーン装置4に吊られた状態となるため、無人飛行体2の墜落等を防ぐことが可能となる。
【0054】
なお、
図6のステップS1〜S7,S10の処理は、1回のステップS1〜S7,S10の処理を1つの処理単位としてループ化して繰り返し行ってもよいし、パイプライン化して行ってもよい。
【0055】
次に、本実施形態に係る飛行体運用システム1における無人飛行体2の飛行位置等に応じたクレーン装置4の動作について、
図7〜
図9を参照して説明する。
【0056】
図7は、無人飛行体を鉛直方向に移動させたときのクレーン装置の動作を説明する図である。
図7には、本実施形態に係る飛行体運用システム1を道路の高架橋(橋梁)16における橋脚17の壁面1701の点検に適用した例を示している。橋脚17は、例えば、高さ(z方向の寸法)が数mから十数mに及ぶため、人手による点検には手間がかかる。このため、近年、ドローン等の小型の無人飛行体2に撮像装置220を搭載し、該撮像装置220で撮像した橋脚17の壁面1701の画像に基づいて橋脚17の点検を行う方法が提案されている。ところが、無人飛行体2を遠隔操縦により飛行させる場合、例えば、故障や強風等の予期せぬ要因により無人飛行体2の安定飛行が困難な状態に陥り、無人飛行体2が墜落する可能性がある。このため、無人飛行体2を利用した橋脚17等の構造物の点検においては、例えば、安定飛行が困難な状態に陥った無人飛行体2をケーブル7によりクレーン装置4で吊り下げた状態で支持し、無人飛行体2の墜落を防ぐ。
【0057】
このように、ケーブル7を利用して無人飛行体2の墜落を防止する場合、無人飛行体2の飛行中におけるケーブル7の張力が大きいと、無人飛行体2がケーブル7に引っ張られ、無人飛行体2の姿勢が不安定になる可能性がある。また、ケーブル7を長くした場合、ケーブル7にたるみが生じ、ケーブル7が無人飛行体2の回転翼201又は202と接触し、無人飛行体2の姿勢が不安定になる可能性がある。よって、本実施形態に係る飛行体運用システム1では、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢、並びに周囲における風向及び風速に基づいて、ケーブル7の長さ(供給ケーブル長)や、ケーブル7の伸長方向を制御する。
【0058】
例えば、
図7に示すように、無人飛行体2を点線で示した位置から鉛直上方に上昇させる場合を考える。この場合、クレーン装置4から供給されるケーブル7の供給ケーブル長が一定であると、無人飛行体2の上昇に伴いケーブル7のたるみが大きくなる。そのためたるんだケーブル7が無人飛行体2の回転翼201又は202と接触し、無人飛行体2の姿勢が不安定になる可能性が高い。
【0059】
これに対し、本実施形態の飛行体運用システム1では、無人飛行体2が鉛直上方に上昇した場合、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢等に基づいて、クレーン装置4から供給されるケーブル7の供給ケーブル長を短くする。これにより、ケーブル7のたるみを抑制することが可能となり、ケーブル7と無人飛行体2の回転翼201又は202との接触により無人飛行体2の姿勢が不安定になることを防ぐことが可能となる。
【0060】
また、図示は省略するが、無人飛行体2が鉛直下方に下降した場合、本実施形態の飛行体運用システム1では、無人飛行体2の飛行位置の時間変化量に基づいてケーブル7の供給を続けるか否かを判定する(ステップS2)。無人飛行体2が操縦者の意図に従って下降している場合には、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢等に基づいて、クレーン装置4から供給されるケーブル7の供給ケーブル長を長くする。これにより、ケーブル7の張力の増大を抑制することが可能となり、ケーブル7に引っ張られることにより無人飛行体2の姿勢が不安定になることを防ぐことが可能となる。一方、無人飛行体2が操縦不能又は飛行不能な状態に陥って落下している場合には、ケーブル7の供給を停止して無人飛行体2の墜落を阻止する。
【0061】
図8は、無人飛行体の水平方向の移動にアームが追従しない場合に起こり得る事態を説明する図である。
図9は、一実施形態の飛行体運用システムにおいて無人飛行体が水平方向に移動したときのクレーン装置の動作を説明する図である。
【0062】
本実施形態の飛行体運用システム1における無人飛行体2の操縦においては、無人飛行体2を上昇又は下降させるだけでなく、水平方向に移動させることも可能である。更に、無人飛行体2は軽量であるため、風により水平方向に流されることもあり得る。すなわち、橋脚17の壁面1701の点検中には、例えば、
図8に示したように、無人飛行体2が点線で示した位置から水平方向に移動することがある。この場合、ケーブル7の供給ケーブル長が、無人飛行体2の飛行位置が点線で示した位置であるときの長さと同じであり、かつ、支点位置調整機構41のアーム部4110が固定されているとすると、ケーブル7により無人飛行体2の水平方向への移動が規制される。このため、例えば、無人飛行体2が斜め上方に移動することによりケーブル7の伸長方向Vが変化し、ケーブル7が無人飛行体2の回転翼202と接触する可能性がある。また、ケーブル7の張力が増大し、無人飛行体2の飛行姿勢が不安定になる可能性がある。
【0063】
これに対し、本実施形態の飛行体運用システム1では、無人飛行体2が水平方向に移動した場合には、
図9に示したように、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢等の情報に基づいて、クレーン装置4におけるアーム部4110を水平面内で回転させる。この際、クレーン装置4は、例えば、アーム部4110におけるケーブル支持部(図示せず)が水平面内における無人飛行体2の飛行経路を追従する態様で、アーム部4110における第2のアーム4112の軸心方向の長さを変化させながら回転させる。これにより、ケーブル7と無人飛行体2の回転翼との接触を防ぐとともに、ケーブル7の張力により無人飛行体2の飛行姿勢が不安定になることを防ぐことが可能となる。よって、橋脚17の幅(y方向の寸法)が広い場合でも、無人飛行体2をラスタスキャン状に飛行させ、橋脚17の壁面1701の画像を効率よく取得することが可能となる。また、例えば、クレーン装置4を車両に搭載し、車両の位置を変更しながら無人飛行体2の撮像装置による撮像を行うことで、更に幅広の橋脚17の壁面1701の撮像、或いは複数の橋脚の壁面1701の撮像を効率よく行うことが可能となる。
【0064】
以上のように、本実施形態に係る飛行体運用システム1では、無人飛行体2の上方に設置したクレーン装置4から供給されるケーブル7を、正姿勢で飛行している無人飛行体2における上方を向いた面に接続する。この際、クレーン装置4は、ケーブル支持部4115と無人飛行体2のケーブル接続位置との位置関係に基づいて、ケーブル7の伸長方向Vが無人飛行体2の回転翼と接触しない方向となるよう供給するケーブル7の長さを調節する。このため、本実施形態によれば、ケーブル7と無人飛行体2の回転翼との接触を防ぎ、無人飛行体2を安定飛行させることが可能となる。
【0065】
また、本実施形態では、無人飛行体2の単位時間当たりの下降量が閾値以上である場合(すなわち所定の速度以上で落下している場合)、ケーブル支持部4115がケーブル7をロックし、供給ケーブル長の増加を阻止する。このため、本実施形態によれば、無人飛行体2が飛行不能な状態に陥った場合に、該無人飛行体2をクレーン装置4に吊り下げた状態で支持し、無人飛行体2の墜落を防ぐことが可能となる。
【0066】
また、本実施形態のクレーン装置4の制御方法によれば、強風等で無人飛行体2が予期せぬ方向に流された場合に、無人飛行体2との接続部分におけるケーブル7の伸長方向が変化することによるケーブル7と無人飛行体2の回転翼との接触を抑制することが可能となる。また、ケーブル支持部4115の位置及び供給ケーブル長を制御することにより、ケーブル7の張力の増大を抑制することが可能となるため、ケーブル7から受ける力により無人飛行体2の飛行姿勢が不安定になることを防ぐことが可能となる。
【0067】
なお、本実施形態では、無人飛行体2に搭載した撮像装置220で撮像した画像に基づいて構造物11の壁面1101(橋脚17の壁面1701)の点検を行う例を示している。しかしながら、無人飛行体2による構造物11の壁面1101(橋脚17の壁面1701)の点検においては、撮像装置220の代わりに、例えば、超音波を利用する測定装置等の他の測定装置を無人飛行体2に搭載してもよい。更に、無人飛行体2には、撮像装置
220と共に1種類或いは複数種類の測定装置を搭載してもよい。
【0068】
また、本実施形態に係る飛行体運用システム1では、例えば、無人飛行体2の飛行位置を検出する位置検出装置5や、飛行環境における風向及び風速を検出する風向風速検出装置6が、クレーン装置4のアーム部4110に内蔵されていてもよい。
【0069】
また、
図6のフローチャートは、本実施形態に係る飛行体運用システム1におけるクレーン装置4の制御方法の一例に過ぎない。クレーン装置4の制御方法は、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、無人飛行体2が加速度センサを備えており、該加速センサのセンサ値を制御装置44で取得可能である場合、ステップS2の判定は、加速度センサのセンサ値に基づいて行ってもよい。
【0070】
更に、本実施形態に係る飛行体運用システム1は、上述した橋脚17を含む構造物11の点検に限らず、無人飛行体2を所定の飛行領域内で飛行させる各種の用途に適用可能である。例えば、本実施形態に係る飛行体運転システム1は、屋内等の、風による影響を受けない環境下で無人飛行体2を飛行させる用途にも適用可能である。無人飛行体2を屋内で飛行させる場合、飛行体運用システム1は、風向風速検出装置6を省略可能である。
【0071】
また、
図1の飛行体運用システム1は、本実施形態に係る飛行体運用システムのシステム構成の一例に過ぎない。本実施形態に係る飛行体運用システム1は、例えば、無人飛行体2に接続するケーブル7として信号線を用い、当該信号線を利用して無人飛行体2の操縦、及び姿勢情報の取得等を行ってもよい。
【0072】
図10は、クレーン装置の構成の変形例を説明する図である。
図10に示すように、変形例に係るクレーン装置4は、支点位置調整機構41と、機構保持部42と、ケーブル巻取装置43と、制御装置44と、を含む。変形例に係るクレーン装置4における支点位置調整機構41、機構保持部42、及びケーブル巻取装置43は、それぞれ、上記の構成及び機能を備える。
【0073】
これに対し、変形例に係るクレーン装置4における制御装置44は、操縦機3から無人飛行体2の操縦に関する信号を取得し、当該信号を、ケーブル7を介して、無人飛行体2に送信する。また、制御装置44は、ケーブル7を介して、無人飛行体2で検出した無人飛行体2の姿勢を示す情報や、無人飛行体2に搭載した撮像装置220で撮像した画像等を取得する。更に、制御装置44は、上述したように、位置検出装置5から無人飛行体2の飛行位置を示す情報を取得するとともに、風向風速検出装置6から飛行環境における風向及び風速を示す情報を取得する。
【0074】
変形例に係るクレーン装置4における制御装置44の機能的構成は、例えば、
図11に示したような構成とする。
図11は、変形例に係る制御装置の機能的構成を示す図である。
【0075】
図11に示すように、変形例に係る制御装置44は、情報収集部4410と、支点位置決定部4420と、アーム制御情報決定部4430と、アーム制御信号出力部4440と、ケーブル引出長決定部4450と、ドラム制御信号出力部4460とを備える。変形例に係る制御装置44におけるこれらの構成要素4410〜4460は、それぞれ、上述した機能を持つ。また、変形例に係る制御装置44における飛行体特徴記憶部4490には、
図4及び
図5を参照して説明した、ケーブル7の伸長方向として許容される角度を示す情報を含む、無人飛行体2についての特徴情報を記憶させる
また、変形例に係る制御装置44は、上記の構成要素4410〜4460,及び4490に加え、飛行制御信号出力部4470を更に備える。飛行制御信号出力部4470は、無人飛行体2の操縦者による操縦機3の操作内容に応じた信号を操縦機3から取得し、操縦機3から取得した信号をケーブル7を介して無人飛行体に出力する。
【0076】
図10及び
図11に示したように、ケーブル7を信号線として無人飛行体2を操縦することにより、例えば、操縦機3からの操縦に関する信号を確実に無人飛行体2に入力することが可能となる。このため、無人飛行体2が予期せぬ方向に移動して操縦不能な状態に陥ることを抑制することが可能となる。また、ケーブル7を信号線として無人飛行体2を操縦することにより、無線通信を行う場合と比べて、無人飛行体2における電力消費量を低減させることが可能となり、無人飛行体2の連続飛行時間を長くすることが可能となる。
【0077】
なお、変形例に係る飛行体運用システム1においても、例えば、屋内等の、風による影響を受けない環境下で無人飛行体2を飛行させる場合には、風向風速検出装置6を省略可能である。
【0078】
上記の実施形態に係る飛行体運用システム1におけるクレーン装置4の制御装置44は、コンピュータと、該コンピュータに実行させる制御プログラムとにより実現可能である。以下、
図12を参照して、コンピュータと制御プログラムとにより実現される制御装置
44について説明する。
【0079】
図12は、コンピュータのハードウェア構成を示す図である。
図12に示すように、コンピュータ20は、プロセッサ2001と、主記憶装置2002と、補助記憶装置2003と、入力装置2004と、出力装置2005と、通信制御装置2006と、入出力インタフェース2007と、媒体駆動装置2008と、を備える。コンピュータ20におけるこれらの要素2001〜2008は、バス2010により相互に接続されており、要素間でのデータの受け渡しが可能になっている。
【0080】
プロセッサ2001は、Central Processing Unit(CPU)やMicro Processing Unit(MPU)等である。プロセッサ2001は、オペレーティングシステムを含む各種のプログラムを実行することにより、コンピュータ20の全体の動作を制御する。また、プロセッサ2001は、例えば、
図6のフローチャートに沿った処理を含む、クレーン装置4の動作を制御する制御プログラムを実行する。
【0081】
主記憶装置2002は、図示しないRead Only Memory(ROM)及びRandom Access Memory(RAM)を含む。主記憶装置2002のROMには、例えば、コンピュータ20の起動時にプロセッサ2001が読み出す所定の基本制御プログラム等が予め記録されている。一方、主記憶装置2002のRAMは、プロセッサ2001が、各種のプログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用する。主記憶装置2002のRAMは、例えば、許容されるケーブル7の伸長方向の角度範囲を示す情報を含む飛行体の特徴情報、ケーブル支持部4115の位置、アーム部4110における各アームの方向及び長さ等の記憶に利用可能である。
【0082】
補助記憶装置2003は、主記憶装置2002のRAMと比べて容量の大きい記憶装置であり、例えば、Hard Disk Drive(HDD)や、フラッシュメモリのような不揮発性メモリ(Solid State Drive(SSD)を含む)等である。補助記憶装置2003は、プロセッサ2001によって実行される各種のプログラムや各種のデータ等の記憶に利用可能である。補助記憶装置2003は、例えば、
図6のフローチャートに沿った処理を含む、クレーン装置4の動作を制御する制御プログラムの記憶に利用可能である。例えば、また、補助記憶装置2003は、許容されるケーブル7の伸長方向の角度範囲を示す情報を含む飛行体の特徴情報、ケーブル支持部4115の位置、アーム部4110における各アームの方向及び長さ等の記憶に利用可能である。更に、補助記憶装置2003は、例えば、無人飛行体2の飛行履歴、無人飛行体2に取り付けた撮像装置220で撮像した画像、無人飛行体2に取り付けた計測装置による計測結果等の記憶に利用可能である。
【0083】
入力装置2004は、例えば、キーボード装置やタッチパネル装置等である。コンピュータ20のオペレータ(利用者)が入力装置2004に対して所定の操作を行うと、入力装置2004は、その操作内容に対応付けられている入力情報をプロセッサ2001に送信する。入力装置2004は、例えば、クレーン装置4の起動命令の入力、無人飛行体2の特徴情報の入力、編集等に利用可能である。また、ケーブル7を信号線として利用する、変形例に係る制御装置44(
図10及び
図11を参照)においては、入力装置2004を、無人飛行体2の操縦機3として利用可能である。
【0084】
出力装置2005は、例えば、液晶表示装置等の表示装置やプリンタ等の印刷装置である。出力装置2005は、コンピュータ20の動作状況、無人飛行体2に取り付けた撮像装置220で撮像した画像の表示、飛行履歴の表示や印刷等に利用可能である。
【0085】
通信制御装置2006は、所定の通信規格に従って、コンピュータ20と他の通信機器との間での各種通信を制御する装置である。通信制御装置2006は、例えば、無人飛行体2(姿勢検出装置210)、及び位置検出装置5のそれぞれと無線又は有線による通信を行い、クレーン装置4の動作の制御に必要な情報の取得(収集)に利用可能である。無線通信装置2006は、無人飛行体2(姿勢検出装置210)と通信を行い、無人飛行体2の姿勢を示す情報を取得する。また、無線通信装置2006は、位置検出装置5から、無人飛行体2の飛行位置を示す情報を取得する。更に、飛行体運用システム1が風向風速検出装置6を含む場合、通信制御装置2006は、風向風速検出装置6とも有線又は無線による通信を行い、無人飛行体2の飛行環境における風向及び風速を示す情報を取得する。
【0086】
入出力インタフェース2007は、コンピュータ20と、他の電子機器とを接続する。入出力インタフェース2007は、例えば、Universal Serial Bus(USB)規格のコネクタを備える。入出力インタフェース2007は、例えば、コンピュータ20とクレーン装置4の支点位置調整機構41との接続、コンピュータ20とクレーン装置4のケーブル巻取装置43との接続に利用可能である。また、入出力インタフェース2007は、例えば、コンピュータ20と、位置検出装置5、及び風向風速検出装置6のそれぞれとの接続にも利用可能である。更に、ケーブル7を信号線として利用する、変形例に係る制御装置44(
図10及び
図11を参照)においては、ケーブル7を介したコンピュータ20と無人飛行体2との接続に入出力インタフェース2007を利用可能である。
【0087】
媒体駆動装置2008は、可搬型記憶媒体21に記録されているプログラムやデータの読み出し、補助記憶装置2003に記憶されたデータ等の可搬型記憶媒体21への書き込みを行う。媒体駆動装置2008には、例えば、1種類又は複数種類の規格に対応したメモリカード用リーダ/ライタが利用可能である。媒体駆動装置2008としてメモリカード用リーダ/ライタを用いる場合、可搬型記憶媒体21としては、メモリカード用リーダ/ライタが対応している規格、例えば、Secure Digital(SD)規格のメモリカード(フラッシュメモリ)等を利用可能である。また、可搬型記録媒体21としては、例えば、USB規格のコネクタを備えたフラッシュメモリ等が利用可能である。更に、コンピュータ20が媒体駆動装置2008として利用可能な光ディスクドライブを搭載している場合、当該光ディスクドライブで認識可能な各種の光ディスクを可搬型記録媒体21として利用可能である。可搬型記録媒体21として利用可能な光ディスクには、例えば、Compact Disc(CD)、Digital Versatile Disc(DVD)、Blu-ray Disc(登録商標)等がある。可搬型記録媒体21は、例えば、
図6のフローチャートに沿った処理を含む、クレーン装置4の動作を制御する制御プログラムの記憶に利用可能である。例えば、また、可搬型記録媒体21は、許容されるケーブル7の伸長方向の角度範囲を示す情報を含む飛行体の特徴情報、ケーブル支持部4115の位置、アーム部4110における各アームの方向及び長さ等の記憶に利用可能である。更に、可搬型記録媒体21は、例えば、無人飛行体2の飛行履歴、無人飛行体2に取り付けた撮像装置220で撮像した画像、無人飛行体2に取り付けた計測装置による計測結果等の記憶に利用可能である。
【0088】
クレーン装置4のオペレータが入力装置2004を利用してクレーン装置4の起動命令等をコンピュータ20に入力すると、プロセッサ2001が、補助記憶装置2003等の非一時的な記録媒体に記憶させた制御プログラムを読み出して実行する。制御プログラムを実行している間、コンピュータ20は、予め定められた時間間隔で、
図6のフローチャートに沿った処理を繰り返す。すなわち、コンピュータ20は、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢、並びに風向及び風速を収集し、収集した情報に基づいてクレーン装置4のケーブル支持部4115の位置、及び供給ケーブル長の調整(制御)を行う。制御プログラムを実行している間、通信制御装置2006は、制御装置44における情報収集部4410として機能する(動作する)。また、制御プログラムを実行している間、プロセッサ2001は、制御装置44における支点位置決定部4420、アーム制御情報決定部4430、及びケーブル引出長決定部4450として機能する(動作する)。更に、制御プログラムを実行している間、プロセッサ2001は、入出力インタフェースと協働してアーム制御信号出力部4440、及びドラム制御信号出力部4460として機能する(動作する)。
【0089】
また、制御プログラムを実行している間、主記憶装置2002のRAMや補助記憶装置2003等は、飛行体特徴記憶部4440を含む、各種情報を記憶する記憶部として機能する。
【0090】
なお、制御装置44として動作させるコンピュータ20は、
図12に示した全ての要素2001〜2008を含む必要はなく、用途や条件に応じて一部の要素を省略することも可能である。例えば、コンピュータ20は、媒体駆動装置2008が省略されたものであってもよい。また、無人飛行体2の飛行位置及び姿勢、並びに風向及び風速等の情報を入出力インタフェース2007を介して収集する場合、コンピュータ20は、通信制御装置2006が省略されたものであってもよい。
【0091】
以上記載した実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
正姿勢で飛行しているときに上方を向く面にケーブルが接続された無人飛行体と、
前記無人飛行体の飛行位置及び姿勢を収集する情報収集部と、
前記無人飛行体の飛行位置及び姿勢に基づいて、前記無人飛行体よりも上方であり、かつ前記無人飛行体における基準伸長方向から所定の角度範囲内となる方向の延長上に前記ケーブルを支持する支点位置を決定する支点位置決定部と、
決定した前記支点位置に基づいて、前記ケーブルを支持するケーブル支持部と、前記ケーブル支持部の位置を変更するアーム部とを備えたクレーン装置における前記アーム部の動作についての制御情報を決定するアーム制御情報決定部と、
決定した前記支点位置と、前記無人飛行体における前記ケーブルの接続位置との位置関係、及び前記無人飛行体における前記ケーブルの接続位置と、前記無人飛行体の回転翼の旋回領域との位置関係に基づいて、前記支点位置から前記無人飛行体におけるの前記ケーブルの接続位置までのケーブルの長さを決定するケーブル引出長決定部と、
決定した前記アーム部の動作についての制御情報に基づいて前記アーム部の動作を制御する支点位置調整機構と、
決定した前記ケーブルの長さに基づいて、前記ケーブル支持部から供給される前記ケーブルの長さを変更するケーブル巻取装置と、
を備えることを特徴とする、飛行体運用システム。
(付記2)
前記無人飛行体における前記基準伸長方向は、正姿勢で飛行しているときに前記無人飛行体において鉛直上方となる方向であり、
前記支点位置決定部は、前記無人飛行体に接続された前記ケーブルが前記回転翼と接触する前記ケーブルの伸長方向と、前記基準伸長方向との角度に基づいて予め設定された、許容される前記ケーブルの伸長方向の角度範囲内となる方向の延長上に前記ケーブルを支持する支点位置を決定する、
ことを特徴とする付記1に記載の飛行体運用システム。
(付記3)
前記情報収集部は、前記無人飛行体の飛行領域の近傍に設置された位置検出装置から前記無人飛行体の飛行位置を示す情報を取得するとともに、前記無人飛行体が備える姿勢検出装置から前記無人飛行体の姿勢を示す情報を取得する、
ことを特徴する付記1に記載の飛行体運用システム。
(付記4)
前記情報収集部は、更に、前記無人飛行体の周囲における風向及び風速を含む情報を取得し、
前記支点位置決定部は、前記無人飛行体の飛行位置及び姿勢、並びに前記風向及び風速に基づいて前記支点位置を決定する、
ことを特徴とする付記1に記載の飛行体運用システム。
(付記5)
前記ケーブルは信号線を含み、
前記情報収集部は、前記信号線を介して前記無人飛行体の姿勢を示す情報を取得する、
ことを特徴とする付記1に記載の飛行体運用システム。
(付記6)
前記ケーブルは、前記無人飛行体を操縦する操縦機と前記無人飛行体とを接続する第1の信号線と、前記情報収集部と前記無人飛行体とを接続する第2の信号線とを含み、
前記情報収集部は、前記信号線を介して前記無人飛行体の姿勢を示す情報を取得する、
ことを特徴とする付記1に記載の飛行体運用システム。
(付記7)
前記クレーン装置の前記アーム部は、軸心方向に伸縮可能なアームと、軸心方向を回転軸として回転可能なアームとを含み、
前記アーム制御情報決定部は、前記伸縮可能なアームの長さと、前記回転可能なアームの回転角度を含む制御情報を決定する、
ことを特徴とする付記1に記載の飛行体運用システム。
(付記8)
前記支点位置決定部は、前記支点位置を決定する前に、前記無人飛行体の飛行位置の時間変化に基づいて前記無人飛行体の移動方向及び単位時間当たりの移動量を算出し、前記無人飛行体の単位時間当たりの下降量が閾値以上である場合には、前記ケーブル支持部に前記ケーブル支持部から供給される前記ケーブルの長さの変更を阻止させる、
ことを特徴とする付記1に記載の飛行体運用システム。
(付記9)
コンピュータが、
正姿勢で飛行しているときに上方を向く面にケーブルが接続された無人飛行体の飛行位置及び姿勢を収集し、
前記無人飛行体の飛行位置及び姿勢に基づいて、前記無人飛行体よりも上方であり、かつ前記無人飛行体における基準伸長方向から所定の角度範囲内となる方向の延長上に前記ケーブルを支持する支点位置を決定し、
決定した前記支点位置に基づいて、前記ケーブルを支持するケーブル支持部と、前記ケーブル支持部の位置を変更するアーム部とを備えたクレーン装置における前記アーム部の動作についての制御情報を決定し、
決定した前記支点位置と、前記無人飛行体における前記ケーブルの接続位置との位置関係、及び前記無人飛行体における前記ケーブルの接続位置と、前記無人飛行体の回転翼の旋回領域との位置関係に基づいて、前記支点位置から前記無人飛行体における前記ケーブルの接続位置までのケーブルの長さを決定し、
決定した前記アーム部の動作についての制御情報に基づいて前記クレーン装置に前記アーム部の動作を制御させるとともに、決定した前記ケーブルの長さに基づいて、前記クレーン装置に前記ケーブル支持部から供給される前記ケーブルの長さを変更させる、
処理を実行することを特徴とするクレーン装置制御方法。
(付記10)
前記無人飛行体における前記基準伸長方向は、正姿勢で飛行しているときに前記無人飛行体において鉛直上方となる方向であり、
前記支点位置を決定する処理において、前記コンピュータは、前記無人飛行体に接続された前記ケーブルが前記回転翼と接触する前記ケーブルの伸長方向と、前記基準伸長方向との角度に基づいて予め設定された、許容される前記ケーブルの伸長方向の角度範囲内となる方向の延長上に前記ケーブルを支持する支点位置を決定する、
ことを特徴とする付記9に記載のクレーン装置制御方法。
(付記11)
前記コンピュータは、前記無人飛行体の飛行位置及び姿勢とともに、前記無人飛行体の周囲における風向及び風速を含む情報を収集し、
前記支点位置を決定する処理において、前記コンピュータは、前記風向及び風速に基づいて、風による前記無人飛行体の移動方向及び移動量を推定し、当該推定結果と、前記無人飛行体の飛行位置及び姿勢とに基づいて、前記支点位置を決定する、
ことを特徴とする付記9に記載のクレーン装置制御方法。
(付記12)
前記クレーン装置の前記アーム部は、軸心方向に伸縮可能なアームと、軸心方向を回転軸として回転可能なアームとを含み、
前記アーム部の動作についての制御情報を決定する処理において、前記コンピュータは、前記伸縮可能なアームの長さと、前記回転可能なアームの回転角度を含む前記制御情報を決定する、
ことを特徴とする付記9に記載のクレーン装置制御方法。
(付記13)
前記支点位置を決定する前に、前記コンピュータが、前記無人飛行体の飛行位置の時間変化に基づいて前記無人飛行体の移動方向及び単位時間当たりの移動量を算出し、前記無人飛行体の単位時間当たりの下降量が閾値以上である場合には、前記ケーブル支持部に前記ケーブル支持部から供給される前記ケーブルの長さの変更を阻止させる、
ことを特徴とする付記9に記載のクレーン装置制御方法。
(付記14)
正姿勢で飛行しているときに上方を向く面にケーブルが接続された無人飛行体の飛行位置及び姿勢を収集し、
前記無人飛行体の飛行位置及び姿勢に基づいて、前記無人飛行体よりも上方であり、かつ前記無人飛行体における基準伸長方向から所定の角度範囲内となる方向の延長上に前記ケーブルを支持する支点位置を決定し、
決定した前記支点位置に基づいて、前記ケーブルを支持するケーブル支持部と、前記ケーブル支持部の位置を変更するアーム部とを備えたクレーン装置における前記アーム部の動作についての制御情報を決定し、
決定した前記支点位置と、前記無人飛行体における前記ケーブルの接続位置との位置関係、及び前記無人飛行体における前記ケーブルの接続位置と、前記無人飛行体の回転翼の旋回領域との位置関係に基づいて、前記支点位置から前記無人飛行体における前記ケーブルの接続位置までのケーブルの長さを決定し、
決定した前記アーム部の動作についての制御情報に基づいて前記クレーン装置に前記アーム部の動作を制御させるとともに、決定した前記ケーブルの長さに基づいて、前記クレーン装置に前記ケーブル支持部から供給される前記ケーブルの長さを変更させる、
処理をコンピュータに実行させる制御プログラム。