(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。以下の説明では、
図1の右下側、左上側、左下側、右上側、上側、下側を、それぞれ、印刷装置1およびテープカセット30の前側、後側、左側、右側、上側、下側とする。
【0015】
図1〜
図4を参照して、印刷装置1およびテープカセット30を説明する。
図2では、理解を容易にするために、カセットケース31の上面を取り除いている。印刷装置1は、各種テープカセット(例えば、サーマルタイプ、レセプタタイプ、ラミネートタイプ、チューブタイプ等)を1台で使用可能である。以下、テープカセット30に収容される長尺状の各種印刷媒体(例えば、感熱紙テープ、印刷テープ37、両面粘着テープ、チューブテープ、フィルムテープ)を、総称して「テープ」という。印刷装置1は、ケーブル(図示略)等を介して外部端末(図示略)に接続可能である。例えば印刷装置1は、外部端末から送信される印刷データに基づいて、キャラクタ列51を含む画像(以下、「印刷画像50」という。)をテープに印刷する(
図6等参照)。キャラクタ列51は、少なくとも1つのキャラクタ(文字、数字、図形等)によって構成される。外部端末は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)である。
【0016】
図1に示すように、印刷装置1は、本体カバー2を備える。本体カバー2は、略直方体形状である。本体カバー2の前面には、入力部3が配置される。入力部3は、印刷装置1に各種情報を入力するスイッチであり、印刷装置1の電源スイッチを含む。本体カバー2には、装着部8が設けられる。装着部8は、テープカセット30が着脱可能に装着される凹部である。
【0017】
装着部8の上側には、カセットカバー6が設けられる。カセットカバー6は、平面視略長方形状の蓋であり、本体カバー2の後面上方の左右両端部で軸支される。カセットカバー6は、装着部8を上方から覆う閉位置(図示略)と、装着部8を開放する開位置(
図1参照)との間で回動可能である。カセットカバー6は、テープカセット30の交換時に開閉される。
【0018】
本体カバー2の左側面には、排出口111が設けられる。排出口111は、開口であり、印刷済みテープを装着部8から外部に排出する。本体カバー2は、テープ排出部110を有する。テープ排出部110は、下方に凹む凹部であり、装着部8と排出口111との間に設けられる。
【0019】
図1、
図2に示すように、テープカセット30は、カセットケース31を備える。カセットケース31は、箱状であり、テープ駆動ローラ46、支持孔65〜68を有する。テープ駆動ローラ46は、カセットケース31の右後角部に設けられる。テープ駆動ローラ46は、上下方向に延びる筒状であり、カセットケース31によって回転可能に支持される。支持孔65は、第一テープスプール40を回転可能に支持する。第一テープスプール40には第一のテープが巻回される。支持孔67は、リボンスプール42を回転可能に支持する。リボンスプール42には、未使用のインクリボン60が巻回される。支持孔68は、リボン巻取スプール44を回転可能に支持する。リボン巻取スプール44には、使用済みのインクリボン60が巻き取られて巻回される。支持孔66は、第二テープスプール(図示略)を回転可能に支持する。第二テープスプールには、第二のテープが巻回される。カセットケース31の左前部には、案内部49が設けられる。案内部49は、テープカセット30から排出されるテープを案内する。テープカセット30の前面には、指標部32が設けられる。指標部32は、テープカセット30が収容する各種テープに応じたパターン(以下、「形成パターン」という。)でスイッチ孔を形成する。
【0020】
テープカセット30は、カセットケース31の内部に収容されるテープの種類、インクリボン60の有無等を適宜変更することによって、前述のサーマルタイプ、レセプタタイプ、ラミネートタイプ、チューブタイプ等に実装可能である。
図2は、レセプタタイプのテープカセット30を例示する。レセプタタイプのテープカセット30では、支持孔65は、第一のテープとして印刷テープ37が巻回された第一テープスプール40を支持する。レセプタタイプのテープカセット30では第二のテープが使用されないので、支持孔66は第二テープスプールを支持しない。例えば、ラミネートタイプのテープカセット(図示略)では、支持孔65は、第一のテープとして両面粘着テープが巻回された第一テープスプール40を支持する。支持孔66は第二のテープとしてフィルムテープが巻回された第二テープスプールを支持する。
【0021】
図3に示すように、本実施形態の印刷テープ37は、粘着テープ38と剥離紙39とを含む複数の層で構成される。粘着テープ38の表面は、キャラクタ列51が印刷される印刷面38Aである。粘着テープ38の裏面は、粘着剤の層が形成される粘着面38Bである。剥離紙39は、粘着面38Bに貼り合わされる。
【0022】
図2に示すように、装着部8の前部には、ヘッドホルダ9が立設される。ヘッドホルダ9の前面には、サーマルヘッド10が設けられる。サーマルヘッド10は、上下方向に並ぶ複数の発熱体(図示略)を備え、ライン単位の印刷を行う。ヘッドホルダ9の後方には、リボン巻取軸7が立設される。リボン巻取軸7は、リボン巻取スプール44に着脱可能である。ヘッドホルダ9の左側には、テープ駆動軸5が立設される。テープ駆動軸5は、テープ駆動ローラ46に着脱可能である。
【0023】
ヘッドホルダ9の前側には、プラテンホルダ12が配置される。プラテンホルダ12は、軸支部121を中心に前後方向に揺動可能である。プラテンホルダ12の左端部には、プラテンローラ15および可動搬送ローラ14がそれぞれ回転可能に軸支される。プラテンローラ15は、テープの搬送経路Lを間にしてサーマルヘッド10に相対し、サーマルヘッド10と接離可能である。可動搬送ローラ14は、搬送経路Lを間にして、テープ駆動軸5に装着されたテープ駆動ローラ46に相対し、テープ駆動ローラ46と接離可能である。テープ駆動軸5は、テープ駆動モータ18(
図5参照)の回転駆動によって回転する。テープ駆動軸5の回転に伴い、テープ駆動ローラ46が回転することで、可動搬送ローラ14とテープ駆動ローラ46との間で挟まれたテープが、搬送経路Lに沿って搬送される。このとき、テープの幅方向は、上下方向を向く。テープの厚さ方向は、前後方向を向く。搬送経路Lは、サーマルヘッド10の複数の発熱体が並ぶ方向(上下方向)に直交する仮想線である。プラテンホルダ12には、複数のスイッチセンサ13が設けられる。各スイッチセンサ13は、プラテンホルダ12に対して進退可能である。
【0024】
カセットカバー6(
図1参照)が開位置から閉位置に回動すると、プラテンホルダ12が軸支部121を中心に後方に揺動し、装着部8に近接する。プラテンローラ15および可動搬送ローラ14は、装着部8の内側に配置される。このとき、プラテンローラ15は、印刷テープ37およびインクリボン60を重ねて、サーマルヘッド10に向けて付勢する。インクリボン60のインク面が印刷面38A上に重なる。これに伴い、各スイッチセンサ13も指標部32に対して付勢される。各スイッチセンサ13は、指標部32のスイッチ孔の形成パターンに応じて選択的に押下される。可動搬送ローラ14は、テープ駆動ローラ46との間で、テープカセット30の印刷テープ37およびインクリボン60を挟む。印刷装置1は、テープカセット30を用いて印刷テープ37に印刷可能な状態となる。
【0025】
図4を参照し、切断機構80を説明する。切断機構は、例えば特開2015−85507によって開示され、公知となっている。従って、切断機構80の説明は簡略化する。切断機構80は、テープ排出部110(
図2参照)に設けられる。すなわち、切断機構80は、サーマルヘッド10(
図2参照)よりもテープの搬送方向下流側に設けられる。切断機構80は、切断動作を実行することで、搬送経路Lに直交する方向(テープの厚さ方向)に、印刷済みテープの少なくとも一部を切断する。切断機構80による切断動作は、ハーフカット動作とフルカット動作とを含む。ハーフカット動作は、印刷済みテープの一部の層(例えば、印刷テープ37のうち剥離紙39)を切断せず、印刷済みテープの一部の層(例えば、印刷テープ37のうち粘着テープ38)のみを切断する動作である。フルカット動作は、印刷済みテープの全ての層(例えば、印刷テープ37の粘着テープ38および剥離紙39)を切断し、印刷済みテープを二つに切り離す動作である。
【0026】
切断機構80は、カッタ駆動モータ19(
図5参照)とハーフカット機構81とフルカット機構85とを備える。カッタ駆動モータ19は、正方向および逆方向に回転駆動可能である。カッタ駆動モータ19は、回転方向を切り替えることで、ハーフカット動作およびフルカット動作を選択的に実行できる。ハーフカット機構81は、ハーフカット動作を実行する。ハーフカット機構81は、受台82と切断刃83とを備える。
【0027】
受台82は、略直方体状であり、テープ排出部110において、搬送経路L(
図2参照)よりも前側に配置される。切断刃83は、上下方向に延び、搬送経路Lよりも後側に配置される。受台82と切断刃83とは、搬送経路Lを間にして互いに前後方向に対向する。切断刃83の上端部には、突出部84が設けられる。突出部84は、切断刃83の上側から受台82に向けて、切断刃83よりも僅かに突出する。
【0028】
フルカット機構85は、フルカット動作を実行する。フルカット機構85は、固定刃86と可動刃87とを備える。固定刃86は、上下方向に延び、テープ排出部110において、搬送経路Lよりも前側に配置される。可動刃87は、上下方向に延び、搬送経路Lよりも前側に配置される。固定刃86と可動刃87とは、搬送経路Lを間にして互いに前後方向に対向する。本実施形態では、ハーフカット機構81(詳細には、切断刃83)およびフルカット機構85(詳細には、可動刃87)は、搬送方向において、略一致する位置に設けられる。
【0029】
切断機構80によるハーフカット動作の概要を説明する。ハーフカット機構81によりハーフカット動作が実行される場合、カッタ駆動モータ19が正方向に回転する。カッタ駆動モータ19が正方向に回転すると、切断刃83が、右側に移動し、受台82と近接する。このとき、突出部84が受台82に接触して、切断刃83と受台82との間に、テープの厚みよりも狭い隙間(例えば、剥離紙39の厚みと略等しい隙間)が形成される。テープは、切断刃83と受台82との隙間に配置されて、切断刃83によって受台82に押圧される。これにより、テープの一部の層(例えば、印刷テープ37のうち切断刃83側の粘着テープ38)が、切断刃83によって切断される。
【0030】
切断機構80によるフルカット動作の概要を説明する。フルカット機構85によりフルカット動作が実行される場合、カッタ駆動モータ19が逆方向に回転する。カッタ駆動モータ19が逆方向に回転すると、可動刃87が右側に移動し、固定刃86と交差する。これにより、テープの全ての層(例えば、印刷テープ37の粘着テープ38および剥離紙39)が、可動刃87と固定刃86との間で切断される。
【0031】
図5を参照し、印刷装置1の電気的構成を説明する。印刷装置1は、CPU21を備える。印刷装置1を統括制御する。CPU21は、ROM22、CGROM23、RAM24、フラッシュメモリ25、入力部3、駆動回路26、27、28、および各スイッチセンサ13と接続する。
【0032】
ROM22は、CPU21が各種プログラムを実行するときに必要な各種パラメータを記憶する。ROM22には、例えば後述の離隔距離Zが記憶される。CGROM23は、キャラクタを印刷するための印刷用ドットパターンデータを記憶する。RAM24は、テキストメモリ、印刷バッファ等、複数の記憶領域を備える。フラッシュメモリ25は、CPU21が印刷装置1を制御するために実行する各種プログラムを記憶する。フラッシュメモリ25には、例えば外部端末から予め取得された印刷データが記憶される。
【0033】
駆動回路26は、サーマルヘッド10を駆動するための電子回路である。駆動回路27は、テープ駆動モータ18を駆動するための電子回路である。駆動回路28は、カッタ駆動モータ19を駆動するための電子回路である。各スイッチセンサ13は、指標部32のスイッチ孔の形成パターンに応じて選択的に押下されることで、指標部32のスイッチ孔の形成パターンを検出できる。各スイッチセンサ13は、検出した形成パターンをCPU21に出力する。CPU21は、各スイッチセンサ13から出力された形成パターンに基づいて、テープの種類を特定する。
【0034】
図6の状態A5を参照し、本実施形態の印刷データを説明する。印刷データは、印刷画像50を印刷するための情報である。印刷データは、例えば印刷画像50の画像データ等を含む。印刷画像50は、キャラクタ列51を含む。
図6では、キャラクタ列51は、「ABC」を示す。印刷画像50は、第一空白領域52および第二空白領域53を含む場合がある。第一空白領域52は、印刷画像50のうち、キャラクタ列51が印刷されない空白(いわゆるスペース)を示し、キャラクタ列51よりも搬送方向下流側に設けられる。第二空白領域53は、印刷画像50のうち、キャラクタ列51が印刷されない空白を示し、キャラクタ列51よりも搬送方向上流側に設けられる。
【0035】
図6を参照し、特定長さX、第一余白長さY1、第二余白長さY2、第一空白長さy1、第二空白長さy2、離隔距離Zを説明する。
図6では、理解を容易にするために、印刷テープ37、サーマルヘッド10、および切断機構80の位置関係を模式的に示している(
図9、
図11、
図13も同様。)。本実施形態では、ユーザは、入力部3を操作して、特定長さX、第一余白長さY1、第二余白長さY2を設定できる。特定長さXは、搬送経路Lに沿った長さを示す。詳しくは後述するが、本実施形態の印刷装置1は、印刷テープ37のうち、ハーフカット動作により切断される部分から搬送方向下流側の端部までの非印刷部分(以下、「非印刷端部37A」という。)の搬送経路Lに沿った長さとして、少なくとも特定長さX分確保できる。
【0036】
第一余白長さY1および第二余白長さY2は、それぞれ、第一余白部分54および第二余白部分55の搬送方向長さを示す。第一余白部分54は、印刷テープ37において、印刷データに基づいた印刷が行われる部分(すなわち、印刷画像50が印刷される部分、以下、「印刷部分」という。)よりも搬送方向下流側に設けられるマージンである。第二余白部分55は、印刷テープ37において、印刷部分よりも搬送方向上流側に設けられるマージンである。すなわち、第一余白部分54および第二余白部分55には、印刷画像50の印刷が行われない。第一空白長さy1および第二空白長さy2は、それぞれ、前述した第一空白領域52および第二空白領域53の搬送方向長さを示す。
【0037】
離隔距離Zは、印刷位置T1と切断位置T2との間の搬送経路Lに沿った距離を示す。印刷位置T1は、サーマルヘッド10により一ライン分のキャラクタの印刷が行われる搬送経路L上の位置を示す。詳細には、印刷位置T1は、サーマルヘッド10の複数の発熱体が設けられた搬送方向の位置を示す。切断位置T2は、フルカット機構85によりテープが切断される搬送経路L上の位置を示す。詳細には、フルカット動作のときに可動刃87が搬送経路Lと交差する位置を示す。切断位置T2は、印刷位置T1よりも搬送経路Lの下流側にある。本実施形態では、印刷位置T1と切断位置T2との間の搬送経路Lは、直線状に延びる。
【0038】
以下、特定長さXと第一余白長さY1との合計長さを、「第一合計長さ(X+Y1)」という。特定長さXと第一余白長さY1と第一空白長さy1との合計長さを、「第二合計長さ(X+W1)」という。第一余白長さY1と第一空白長さy1との合計長さを、「第三合計長さW1」という。第二余白長さY2と第二空白長さy2との合計長さを、「第四合計長さW2」という。離隔距離Zと第四合計長さW2との合計長さを、「第五合計長さ(Z+W2)」という。離隔距離Zと第一余白長さY1との差分長さを、「第一差分長さ(Z−Y1)」または「第一差分長さ(Y1−Z)」という。離隔距離Zと第三合計長さW1との差分長さを、「第二差分長さ(Z−W1)」または「第二差分長さ(W1−Z)」という。第二合計長さ(X+W1)と離隔距離Zとの差分長さを、「第三差分長さ(X+W1−Z)」という。第一合計長さ(X+Y1)と離隔距離Zとの差分長さを、「第四差分長さ(X+Y1−Z)」という。なお、第一合計長さ(X+Y1)、第一差分長さ(Z−Y1)、第一差分長さ(Y1−Z)、および第四差分長さ(X+Y1−Z)は、後述の第一変形例の説明で使用する。
【0039】
図6〜
図13を参照し、メイン処理を説明する。以下では、
図6、
図9、
図11、
図13に示すように、第一空白長さy1を有する第一空白領域52、「ABC」を示すキャラクタ列51、第二空白長さy2を有する第二空白領域53を含む印刷画像50を、印刷テープ37に印刷する場合を適宜例に挙げて説明する。ユーザは、前述したように、印刷装置1を、テープカセット30を用いてテープに印刷可能な状態とする。ユーザは、入力部3の電源スイッチを操作して、印刷装置1の電源をオンとする。CPU21は、印刷装置1の電源がオンとなった場合、ROM22に記憶されたプログラムを実行することで、メイン処理を開始する。
【0040】
図7に示すように、ユーザは、入力部3を操作して、特定長さXをCPU21に入力する。CPU21は、ユーザによって入力された特定長さXを取得する(S11)。取得された特定長さXは、RAM24に記憶される。ユーザは、入力部3を操作して、第一余白長さY1および第二余白長さY2をCPU21に入力する。CPU21は、ユーザによって入力された第一余白長さY1および第二余白長さY2をそれぞれ取得する(S12)。取得された第一余白長さY1および第二余白長さY2は、RAM24にそれぞれ記憶される。
【0041】
ユーザは、入力部3を操作して、印刷指示をCPU21に入力する。CPU21は、ユーザによって入力された印刷指示を取得する(S13)。CPU21は、印刷指示によって指定された印刷データを、フラッシュメモリ25から取得する(S14)。取得された印刷データは、RAM24に記憶される。
【0042】
CPU21は、取得した印刷データから第一空白長さy1および第二空白長さy2をそれぞれ取得する(S15)。取得された第一空白長さy1および第二空白長さy2は、RAM24にそれぞれ記憶される。CPU21は、RAM24にそれぞれ記憶されたY1、y1、Y2、y2に基づいて、第三合計長さW1および第四合計長さW2をそれぞれ算出する(S16)。算出された第三合計長さW1および第四合計長さW2は、RAM24にそれぞれ記憶される。
【0043】
CPU21は、RAM24を参照し、W1≧W2であるかを判断する(S21)。W1≧W2の場合(S21:YES)、CPU21は、離隔距離ZをROM22から取得する(S31)。取得された離隔距離Zは、RAM24に記憶される。CPU21は、RAM24を参照し、Z≧(X+W1)であるかを判断する(S32)。Z≧(X+W1)の場合(S32:YES)、CPU21は、第一制御処理を実行し(S33)、処理をS37に移す。Z<(X+W1)の場合(S32:NO)、CPU21は、W1≧Zであるかを判断する(S34)。W1≧Zの場合(S34:YES)、CPU21は、第二制御処理を実行し(S35)、処理をS37に移す。W1<Zの場合(S34:NO)、CPU21は、第三制御処理を実行し(S36)、処理をS37に移す。
【0044】
図6、
図8を参照し、第一制御処理を説明する。
図6は、W1≧W2、Z≧X+W1を満たすときの印刷テープ37の状態遷移を示す。状態A1は、初期状態を示す(
図9の状態B1、
図11の状態C1、
図13の状態C11も同様。)。初期状態では、印刷テープ37の搬送方向下流側の端部は、搬送方向において切断位置T2に配置される。CPU21は、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18の駆動を開始して、第二差分長さ(Z−W1)分、印刷テープ37を搬送する(S51)。CPU21は、駆動回路26を介してサーマルヘッド10の駆動を開始する(S51)。これにより、印刷テープ37の搬送に同期して、「ABC」を示すキャラクタ列51(すなわち、印刷画像50のうち、第一空白領域52および第二空白領域53を除いた部分)が、印刷面38Aに印刷される。印刷テープ37が、第二差分長さ(Z−W1)分、搬送さながら印刷されると、印刷テープ37が状態A1から状態A2となり、CPU21は、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18の駆動を停止する(S52)。CPU21は、駆動回路26を介してサーマルヘッド10の駆動を停止する(S52)。
【0045】
CPU21は、駆動回路28を介してカッタ駆動モータ19を正方向に回転駆動することにより、ハーフカット動作を実行する(S53)。状態A2に示すように、搬送方向に第二差分長さ(Z−W1)を有する非印刷端部37Aが形成される。CPU21は、処理をメイン処理(
図7参照)に戻す。
【0046】
図9、
図10を参照し、第二制御処理を説明する。
図9は、W1≧W2、Z<X+W1、W1≧Zを満たすときの印刷テープ37の状態遷移を示す。CPU21は、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18の駆動を開始して、特定長さX分、印刷テープ37を搬送する(S61)。印刷テープ37が、特定長さX分、搬送されると、印刷テープ37が状態B1から状態B2となり、CPU21は、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18の駆動を停止する(S62)。CPU21は、駆動回路28を介してカッタ駆動モータ19を正方向に回転駆動することにより、ハーフカット動作を実行する(S63)。状態B2に示すように、搬送方向に特定長さXを有する非印刷端部37Aが形成される。
【0047】
CPU21は、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18の駆動を再開して、印刷テープ37を搬送する(S64)。CPU21は、第二差分長さ(W1−Z)分、印刷テープ37が搬送されたかを判断する(S65)。第二差分長さ(W1−Z)分、印刷テープ37がまだ搬送されていない場合(S65:NO)、CPU21は、第二差分長さ(W1−Z)分、印刷テープ37が搬送されるまで、S65を繰り返す。第二差分長さ(W1−Z)分、印刷テープ37が搬送された場合(S65:YES)、印刷テープ37が状態B2から状態B3となり、CPU21は、処理をメイン処理(
図7参照)に戻す。
【0048】
図11、
図12を参照し、第三制御処理を説明する。
図11は、W1≧W2、Z<X+W1、W1<Zを満たすときの印刷テープ37の状態遷移を示す。CPU21は、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18の駆動を開始して、印刷テープ37を搬送する(S71)。CPU21は、第三差分長さ(X+W1−Z)分、印刷テープ37が搬送されたかを判断する(S72)。第三差分長さ(X+W1−Z)分、印刷テープ37がまだ搬送されていない場合(S72:NO)、CPU21は、第三差分長さ(X+W1−Z)分、印刷テープ37が搬送されるまで、S72を繰り返す。第三差分長さ(X+W1−Z)分、印刷テープ37が搬送された場合(S72:YES)、印刷テープ37が状態C1から状態C2となり、CPU21は、駆動回路26を介してサーマルヘッド10の駆動を開始する(S73)。これにより、印刷テープ37の搬送に同期して、「ABC」を示すキャラクタ列51が、印刷面38Aに印刷される。CPU21は、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18の駆動を引き続き制御し、第二差分長さ(Z−W1)分、印刷テープ37を搬送する(S73)。印刷テープ37が、第二差分長さ(Z−W1)分、搬送さながら印刷されると、印刷テープ37が状態C2から状態C3となり、CPU21は、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18の駆動を停止する(S74)。CPU21は、駆動回路26を介してサーマルヘッド10の駆動を停止する(S74)。
【0049】
CPU21は、駆動回路28を介してカッタ駆動モータ19を正方向に回転駆動することにより、ハーフカット動作を実行する(S75)。状態C3に示すように、搬送方向に特定長さXを有する非印刷端部37Aが形成される。CPU21は、処理をメイン処理(
図7参照)に戻す。
【0050】
図7に示すように、上記の第一制御処理(
図8参照)、第二制御処理(
図10参照)、第三制御処理(
図12参照)の後、CPU21は、残りの印刷データに基づいて、テープ駆動モータ18およびサーマルヘッド10を制御する(S37)。これにより、印刷テープ37の搬送に同期して、「ABC」を示すキャラクタ列51のうち、第一制御処理、第二制御処理、第三制御処理で印刷されていない部分が、印刷面38Aに印刷される。「ABC」を示すキャラクタ列51の印刷が終了し、搬送が停止すると、
図6の場合、印刷テープ37は、状態A2から状態A3となる。
図9の場合、印刷テープ37は、状態B3から状態B4となる。
図11の場合、状態C3から状態C4となる。
【0051】
CPU21は、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18を制御して、第五合計長さ(Z+W2)分、印刷テープ37を搬送する(S38)。印刷テープ37が第五合計長さ(Z+W2)分、搬送されると、CPU21は、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18の駆動を停止する(S38)。
図6の場合、印刷テープ37は、状態A3から状態A4となる。
図9の場合、印刷テープ37は、状態B4から状態B5となる。
図11の場合、状態C4から状態C5となる。CPU21は、駆動回路28を介してカッタ駆動モータ19を逆方向に回転駆動することにより、フルカット動作を実行する(S39)。
図6の場合、状態A5となった印刷テープ37が、印刷結果物としてユーザに提供される。
図9の場合、状態B6となった印刷テープ37が、印刷結果物としてユーザに提供される。
図11の場合、状態C6となった印刷テープ37が、印刷結果物としてユーザに提供される。CPU21は、メイン処理終了する。
【0052】
S21において、W1<W2の場合(S21:NO)、CPU21は、回転変換処理を行う(S22)。回転変換処理では、S13で取得された印刷データが、180度回転した印刷画像50(
図13参照)を印刷するための新たな印刷データに変換される。
【0053】
CPU21は、第三合計長さW1と第四合計長さW2とを互いに入れ替える(S23)。詳細には、RAM24に記憶された第三合計長さW1が、新たに第四合計長さW2として更新され、更新前の第四合計長さW2が新たに第三合計長さW1として更新される。CPU21は、入れ替え後の第三合計長さW1および回転変換処理後の新たな印刷データに基づいて、S31以降の処理を実行する。例えば、S32、S34では、入れ替え後の第三合計長さW1(すなわち、入れ替え前の第四合計長さW2)に基づいて判断される。
【0054】
図13は、回転変換処理(S22)が行われた後、一例として、第三制御処理(
図12参照)が実行された場合の印刷テープ37の状態遷移を示す。CPU21は、入れ替え後の第三合計長さW1および回転変換処理後の新たな印刷データに基づいて、第三制御処理を実行する。状態C11〜状態C16は、それぞれ、状態C1〜状態C6(
図11参照)に対応する。S22、S23が行われた場合、状態C16となった印刷テープ37が、印刷結果物としてユーザに提供される。状態C16は、180度回転した印刷画像50が印刷された印刷テープ37を示す。
【0055】
以上説明したように、離隔距離Zが第二合計長さ(X+W1)以上の場合、非印刷端部37Aとして第二差分長さ(Z−W1)分が確保される。離隔距離Zが第二合計長さ(X+W1)未満の場合、非印刷端部37Aとして特定長さ分Xが確保される。第二差分長さ(Z−W1)は、特定長さX以上である。よって、印刷装置1は、離隔距離Z、特定長さX、および第一余白長さY1に応じて、非印刷端部37Aとして、少なくとも特定長さX分、多くても第二差分長さ(Z−W1)分を確保できる。例えば、ユーザは、少なくとも特定長さX分が確保された非印刷端部37Aを保持して、印刷された印刷テープ37を取り扱うことができる。従って、印刷装置1は、印刷テープ37のユーザによる取り扱い易さを確保したうえで、非印刷端部37Aを小さくし得る。第二差分長さ(Z−W1)は、後述の第一変形例における第一差分長さ(Z−Y1)以下である。従って、印刷装置1は、離隔距離Zが第二合計長さ(X+W1)以上の場合、印刷テープ37のユーザによる取り扱い易さを確保したうえで、第一変形例に比べて非印刷端部37Aをさらに小さくし得る。
【0056】
印刷装置1は、入力部3を備えるので、ユーザは、入力部3を操作して特定長さXを入力できる。従って、印刷装置1は、非印刷端部37Aの搬送方向長さとして少なくとも確保する長さ(特定長さX)を、ユーザの用途に応じて取得できる。
【0057】
第三合計長さW1が第四合計長さW2未満の場合には、取得された印刷データが、180度回転された印刷画像50を印刷するための新たな印刷データに変換される。第三合計長さW1と第四合計長さW2とが互いに入れ替えられて、印刷等の制御が行われる。第三合計長さW1が第四合計長さW2未満なので、互いに入れ替わった後には第三合計長さW1が第四合計長さW2よりも長くなり、第三合計長さW1と第四合計長さW2とが互いに入れ替わらない場合に比べて、離隔距離Zが第二合計長さ(X+W1)未満であると判断され易くなる。従って、印刷装置1は、例えば第三合計長さW1が短くても、第四合計長さW2が長い場合には、印刷テープ37のユーザによる取り扱い易さを確保したうえで、非印刷端部37Aを小さくし得る。
【0058】
離隔距離Zは、印刷位置T1と切断位置T2との間の搬送経路Lに沿った距離となる。印刷位置T1と切断位置T2との間の搬送経路Lにある印刷テープ37の長さは、例えば切断後に印刷テープ37を搬送したときに比べて安定している。よって、離隔距離Zが、印刷位置T1と切断位置T2との間の搬送経路Lにある印刷テープ37の長さと一致し易いので、印刷装置1は、搬送、印刷、切断を精度良く制御し得る。
【0059】
本実施形態において、テープ駆動ローラ46が本発明の「搬送手段」に相当する。印刷位置T1が本発明の「第一位置」に相当する。サーマルヘッド10が本発明の「印刷手段」に相当する。切断位置T2が本発明の「第二位置」および「第三位置」に相当する。切断機構80が本発明の「切断手段」に相当する。
図7のS11の処理を実行するCPU21が本発明の「第一取得手段」に相当する。
図7のS12の処理を実行するCPU21が本発明の「第二取得手段」および「第六取得手段」に相当する。
図7のS31の処理を実行するCPU21が本発明の「第三取得手段」に相当する。
図7のS32の処理を実行するCPU21が本発明の「第一判断手段」に相当する。
図7のS34の処理を実行するCPU21が本発明の「第二判断手段」に相当する。
図7のS33、S37の処理を実行するCPU21が本発明の「第一制御手段」に相当する。
図7のS35、S37の処理を実行するCPU21が本発明の「第二制御手段」に相当する。
図7のS36S、37の処理を実行するCPU21が本発明の「第三制御手段」に相当する。
【0060】
図8のS51、S52の処理が本発明の「第一処理」に相当する。
図8のS53の処理が本発明の「第二処理」に相当する。
図7のS37の処理が本発明の「第三処理」に相当する。
図10のS61、S62の処理が本発明の「第四処理」に相当する。
図10のS63の処理が本発明の「第五処理」に相当する。
図10のS64の処理が本発明の「第六処理」に相当する。
図10のS65、
図7のS37の処理が本発明の「第七処理」に相当する。
図12のS71の処理が本発明の「第八処理」に相当する。
図12のS72、S73、S74の処理が本発明の「第九処理」に相当する。
図12の75の処理が本発明の「第十処理」に相当する。
図7のS37の処理が本発明の「第十一処理」に相当する。
【0061】
入力部3が本発明の「入力手段」に相当する。
図7のS14の処理を実行するCPU21が本発明の「第四取得手段」に相当する。
図7のS15の処理を実行するCPU21が本発明の「第五取得手段」および「第七取得手段」に相当する。
図7のS21の処理を実行するCPU21が本発明の「第三判断手段」に相当する。
図7のS22の処理を実行するCPU21が本発明の「回転変換手段」に相当する。
図7のS23の処理を実行するCPU21が本発明の「入替手段」に相当する。
【0062】
本発明は、上記実施形態から種々変形できる。例えば、上記実施形態のメイン処理(
図7参照)において、以下説明する第一変形例のように、S15、S16を省略してもよい。
図14〜
図17を参照し、第一変形例を説明する。なお、上記実施形態の処理(
図7、
図8、
図10、
図12参照)と対応する処理については、同一のステップ番号を付して説明を省略し、異なる点を主に説明する。
【0063】
図14に示すように、第一変形例のメイン処理では、印刷データをフラッシュメモリ25から取得した後(S14)、CPU21は、S21の代わりに、Y1≧Y2であるかを判断する(S211)。Y1<Y2の場合(S211:NO)、CPU21は、回転変換処理を実行する(S22)。CPU21は、S23の代わりに、第一余白長さY1と第二余白長さY2とを入れ替え(S231)、処理をS31に移す。Y1≧Y2の場合(S211:YES)、CPU21は、処理をS31に移す。
【0064】
離隔距離ZをROM22から取得した後(S31)、CPU21は、S32の代わりに、RAM24を参照し、Z≧(X+Y1)であるかを判断する(S321)。Z≧(X+Y1)の場合(S321:YES)、CPU21は、第一制御処理を実行する(S33)。Z<(X+Y1)の場合(S321:NO)、CPU21は、S34の代わりに、Y1≧Zであるかを判断する(S341)。Y1≧Zの場合(S341:YES)、CPU21は、第二制御処理を実行する(S35)。Y1<Zの場合(S341:NO)、CPU21は、第三制御処理を実行する(S36)。
【0065】
図15に示すように、第一変形例の第一制御処理では、CPU21は、S51の代わりに、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18の駆動を開始して、第一差分長さ(Z−Y1)分、印刷テープ37を搬送する(S511)。CPU21は、駆動回路26を介してサーマルヘッド10の駆動を開始する(S511)。CPU21は、S52以降の処理を実行する。これにより、印刷テープ37の搬送に同期して、イメージデータに基づいて、印刷面38Aに印刷が行われる。
【0066】
図16に示すように、第一変形例の第二制御処理では、CPU21は、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18の駆動を再開した後(S64)、CPU21は、S65の代わりに、第一差分長さ(Y1−Z)分、印刷テープ37が搬送されたかを判断する(S651)。第一差分長さ(Y1−Z)分、印刷テープ37がまだ搬送されていない場合(S651:NO)、CPU21は、第一差分長さ(Y1−Z)分、印刷テープ37が搬送されるまで、S651を繰り返す。第一差分長さ(Y1−Z)分、印刷テープ37が搬送された場合(S651:YES)、CPU21は、処理を第一変形例のメイン処理(
図14参照)に戻す。
【0067】
図17に示すように、第一変形例の第三制御処理では、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18の駆動を開始した後(S71)、CPU21は、S72の代わりに、第四差分長さ(X+Y1−Z)分、印刷テープ37が搬送されたかを判断する(S721)。第四差分長さ(X+Y1−Z)分、印刷テープ37がまだ搬送されていない場合(S721:NO)、CPU21は、第四差分長さ(X+Y1−Z)分、印刷テープ37が搬送されるまで、S721を繰り返す。第四差分長さ(X+Y1−Z)分、印刷テープ37が搬送された場合(S721:YES)、CPU21は、S73の代わりに、駆動回路26を介してサーマルヘッド10の駆動を開始する(S731)。CPU21は、駆動回路27を介してテープ駆動モータ18の駆動を引き続き制御し、第一差分長さ(Z−Y1)分、印刷テープ37を搬送する(S731)。CPU21は、S74以降の処理を実行する。
【0068】
離隔距離Zが第一合計長さ(X+Y1)以上の場合、非印刷端部37Aとして第一差分長さ(Z−Y1)分が確保される。離隔距離Zが第一合計長さ(X+Y1)未満の場合、非印刷端部37Aとして特定長さX分が確保される。第一差分長さ(Z−Y1)は、特定長さX以上である。よって、印刷装置1は、離隔距離Z、特定長さX、および第一余白長さY1に応じて、非印刷端部37Aとして、少なくとも特定長さX分、多くても第一差分長さ(Z−Y1)分を確保できる。従って、印刷装置1は、印刷テープ37のユーザによる取り扱い易さを確保したうえで、非印刷端部37Aを小さくし得る。
【0069】
また、
図18に示すように、例えば、印刷テープ37には、剥離紙39に予め長尺方向に切り込み39Aが入っている種類と、剥離紙39に切り込み39Aが入っていない種類(
図3参照)がある。以下、剥離紙39に予め長尺方向に切り込み39Aが入っている種類の印刷テープ37を、「特定の印刷テープ37」という。特定の印刷テープ37に印刷を行った場合、ユーザは、例えば切り込み39Aを利用して、粘着テープ38から剥離紙39を剥離できる。このため、特定の印刷テープ37は、非印刷端部37Aを有しなくてもよい。この場合、例えば、CPU21は、以下説明する第二変形例のように、スイッチセンサ13から出力された形成パターンに基づいて、印刷テープ37の種類が、特定の印刷テープ37であるかを特定してもよい。CPU21は、印刷テープ37の種類が特定の印刷テープ37でない場合のみ、少なくとも特定長さXを有する非印刷端部37Aを確保するための制御(例えば、
図7に示すメイン処理)を行ってもよい。
【0070】
図18、
図19を参照し、第二変形例を説明する。なお、上記実施形態のメイン処理(
図7参照)と対応する処理については、同一のステップ番号を付して説明を省略し、異なる点を主に説明する。CPU21は、スイッチセンサ13から出力された形成パターンに基づいて、印刷テープ37の種類が特定の印刷テープ37であるかを判断する(S1)。印刷テープ37の種類が特定の印刷テープ37でない場合(S1:NO)、CPU21は、上記実施形態と同様にS11以降の処理を実行する。印刷テープ37の種類が特定の印刷テープ37の場合(S1:YES)、CPU21は、特定長さXとして「0」を取得する(S2)。特定長さとして「0」がRAM24に記憶される。CPU21は、S12以降の処理を実行する。なお、S2が実行された場合、特定長さXが「0」なので、第二制御処理(
図10参照)のS61〜S63、および第三制御処理(
図12参照)のS74、S75は省略してもよい。
【0071】
剥離紙39に切り込み39Aがない場合、ユーザは、印刷テープ37から剥離紙39を剥離し難い可能性がある。剥離紙39に切り込み39Aがある場合、剥離紙39に切り込み39Aがない場合に比べて、ユーザは、剥離紙39の切り込み39Aを利用して印刷テープ37から剥離紙39を容易に剥離し得る。印刷装置1は、特定の印刷テープ37を有するテープカセット30が装着部8に装着されると、特定長さXを「0」とする。このため、非印刷端部37Aが小さくなる。具体的には、S2が実行された後、第一制御処理(S33)が実行されると、第二差分長さ(Z−W1)を有する非印刷端部37Aが作成される。すなわち、上記実施形態において、第一制御処理が実行されたときと同一の印刷結果物が得られる。S2が実行された後、第二制御処理(S35)が実行されると、特定長さXが「0」なので、非印刷端部37Aが作成されない。S2が実行された後、第三制御処理(S36)が実行されると、特定長さXが「0」なので、非印刷端部37Aが作成されない。このように、印刷装置1は、剥離紙39を剥離し易くするための切り込み39Aが剥離紙39に予めあるか否かに応じて、非印刷端部37Aとして少なくとも特定長さXを確保するか否かの制御を実行できる。
【0072】
第二変形例において、装着部8が本発明の「装着部」に相当する。スイッチセンサ13が本発明の「検出手段」に相当する。
図19のS1の処理を実行するCPU21が本発明の「第四判断手段」に相当する。
【0073】
第二変形例において、S2が実行された場合、第一制御処理(
図8参照)のS53でハーフカット動作が実行されるが、S2が実行された場合には、フルカット動作が実行されてもよい。具体的には、CPU21は、S2の後にフラグ処理を行ってもよい。CPU21は、フラグを参照することで、S2が実行されたと判断したときは、S53でフルカット動作を実行し、S11が実行されたと判断したときは、S53でハーフカット動作を実行してもよい。
【0074】
第二変形例において、印刷テープ37の種類を検出する方法は、スイッチセンサ13による方法に限定されない。例えば、ユーザが予め入力部3を操作して、印刷テープ37の種類をCPU21に入力してもよい。
【0075】
本発明は、上記第一変形例および第二変形例の他にも変形できる。例えば、CPU21は、S21〜S23を省略してもよい。CPU21は、S38、S39を省略してもよい。この場合、印刷終了後、ユーザがテープを引き出し切断してもよい。ユーザがテープを手動で切断する場合には、切断機構80は、フルカット機構85を備えなくてもよい。
【0076】
上記実施形態では、レセプタタイプのテープを実装したテープカセット30で説明をしたが、本発明は、ラミネートタイプ、チューブタイプ等のテープを実装したテープカセット30にも適用できる。
【0077】
上記実施形態において、テープは単層でもよい。上記実施形態において、ハーフカット機構81は、印刷済みテープの一部の層のみを切断する。これに対し、ハーフカット機構81は、印刷済みテープの全ての層に対して、例えばテープの幅方向に延びる破線状に切れ込みを形成してもよい。ラミネートタイプのテープを実装したテープカセット30が使用される場合、印刷済みの両面粘着テープにフィルムテープが貼り付けられる。ハーフカット機構81は、両面粘着テープおよびフィルムテープのうち、例えばフィルムテープの全てを切断してもよい。ラミネートタイプの場合、両面粘着テープおよびフィルムテープが本発明の「印刷媒体」に相当する。チューブテープのテープを実装したテープカセット30が使用される場合、ハーフカット機構81は、例えばチューブテープの径の一部を切断して切れ込みを形成してもよい。ハーフカット機構81は、印刷テープ37のうち、粘着テープ38を切断するが、剥離紙39を切断してもよい。ハーフカット機構81は、印刷テープ37のうち、剥離紙39の全部と粘着テープ38の一部を切断してもよい。
【0078】
上記実施形態において、ハーフカット機構81とフルカット機構85とは、互いに異なる刃(切断刃83と可動刃87)を用いるが、一つの刃によって、ハーフカット動作とフルカット動作を実行できてもよい。例えば、切断機構80は、一つの刃として可動刃87を備えてもよい。この場合、受台82は、凹部を有するハーフカット面と、平面であるフルカット面とを有してもよい。印刷装置1は、受台82のハーフカット面が可動刃87に対向する位置と、受台82のフルカット面が可動刃87に対向する位置とに、受台82を移動させてもよい。この場合、フルカット動作によりテープが切断される位置と、ハーフカット動作によりテープが切断される位置とが互いに一致する。よって、離隔距離Zが、印刷位置T1と切断位置T2との間の搬送経路Lにある印刷テープ37の長さと一致し易いので、印刷装置1は、搬送、印刷、切断を精度良く制御し得る。
【0079】
離隔距離Zは、印刷位置T1と切断位置T2との間の搬送経路Lに沿った距離でなくてもよい。離隔距離Zは、印刷位置T1と第三位置との間の搬送経路Lに沿った距離であればよい。第三位置は、印刷位置T1と切断位置T2との間の搬送経路L上の位置である。第三位置の具体例を説明する。例えば、印刷装置1は、S39でフルカット動作によりテープを切断した後、テープを搬送方向上流側に所定長さ巻き戻してもよい。具体的には、印刷装置1は、テープ巻き戻しモータを備えてもよい。CPU21は、S39の後に、テープ巻き戻しモータを制御することで、テープを巻き取る方向(
図2では、平面視反時計回り方向)に第一テープスプール40を所定長さに対応する量分回転させてもよい。この場合、離隔距離Zは、印刷位置T1と切断位置T2との間の搬送経路Lに沿った距離と、巻き戻されるテープの搬送方向長さとの差分長さであることが好ましい。このとき、第三位置は、巻き戻されたときのテープの搬送方向下流側の端部の搬送経路L上の位置を示す。第三位置は、ハーフカット機構81によりテープが切断される搬送経路L上の位置でもよい。詳細には、ハーフカット動作のときに切断刃83が搬送経路Lと交差する位置もよい。上記実施形態では、印刷位置T1と切断位置T2との間の搬送経路Lは、直線状に延びるが、これに限定されず、例えば屈曲していてもよい。
【0080】
CPU21の代わりに、マイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が、プロセッサとして用いられてもよい。メイン処理等は、複数のプロセッサによって分散処理されてもよい。ROM22およびフラッシュメモリ25は、一時的な記憶媒体(例えば、伝送される信号)を含まなくてもよい。プログラムは、例えば、ネットワークに接続されたサーバからダウンロードされて(すなわち、伝送信号として送信され)、フラッシュメモリ25に記憶されてもよい。この場合、プログラムは、サーバに備えられたHDD等の非一時的な記憶媒体に保存されていればよい。