(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の熱交換器は、例えば車両に搭載される図示していない冷凍サイクルを構成するコンデンサまたはエバポレータ等に適用されるものである。この種の熱交換器は、その冷凍サイクルを循環する冷媒と、空気との熱交換を行うことが可能である。
【0016】
図1および
図2に示すように、熱交換器1は、2個のヘッダタンク10、その2個のヘッダタンク10を連通する複数のチューブ20、複数のチューブ20の外側に設けられるアウターフィン30、および、複数のチューブ20の内側に設けられるインナーフィン40などを備えている。これらの部材はいずれも、流体が流れる流路を構成するための流路部材である。製造過程において、これらの部材は、例えば、アルミニウムからなる母材の表面にろう材が圧接されたブレージングシートにより形成される。
【0017】
2個のヘッダタンク10は、いずれも筒状に形成され、互いに離れた位置に平行に配置されている。2個のヘッダタンク10には、それぞれ、冷凍サイクルの配管が接続されるジョイント11が設けられている。一方のジョイント11には、冷凍サイクルの配管から冷媒が供給される流入口12が形成されている。他方のジョイント11には、冷凍サイクルの配管へ冷媒を流出するための流出口13が形成されている。なお、2個のヘッダタンク10の内側には、内部の空間を軸方向に分割するための図示していないセパレータが設けられている。そのため、
図1の破線矢印LF1に示したように、流入口12から一方のヘッダタンク10に供給された冷媒は、ヘッダタンク10と複数のチューブ20を流れた後、他方のヘッダタンク10に設けられた流出口13から流出する。
【0018】
複数のチューブ20は、一方のヘッダタンク10と他方のヘッダタンク10との間に積層されるように設けられており、一方のヘッダタンク10と他方のヘッダタンク10とを連通している。
図2に示すように、チューブ20は、ブレージングシートを折り曲げることにより、断面が扁平状の管形状に形成されている。チューブ20の内側には、冷媒が流れる流路が形成されている。また、チューブ20の内側には、インナーフィン40が設けられている。インナーフィン40は、金属薄板を板厚方向の一方と他方に交互に折り曲げて形成したコルゲートフィンであり、チューブ20の内壁にろう付けにより固定されている。チューブ20の内壁とインナーフィン40との接合部は、それらの部材同士が鋭角をなす状態で接合されている。
【0019】
図1に示すように、複数のチューブ20同士の間には、アウターフィン30が設けられている。アウターフィン30は、金属薄板を板厚方向の一方と他方に交互に折り曲げて形成したコルゲートフィンであり、チューブ20の外壁にろう付けにより固定されている。なお、
図1では、アウターフィン30のうち紙面左側の一部の図示を省略している。また、
図1および
図2では、アウターフィン30を通過する空気の流れ方向を矢印AF1で示している。
【0020】
図3に示すように、ヘッダタンク10は、タンク部材14とヘッダ部材15により構成されている。タンク部材14は、断面がほぼU字状に形成されている。タンク部材14は、そのU字状の両端部に嵌合部16を有している。嵌合部16は、ヘッダタンク10の流路の径方向外側にクランク状に折れ曲がるように形成されている。嵌合部16は、ヘッダ部材15の端部の外側に被さり、ヘッダ部材15の端部にろう付けにより接合されている。ヘッダタンク10の内周面において、タンク部材14とヘッダ部材15とは、段差が殆ど無いか、または段差が小さい状態で接合されている。本実施形態では、タンク部材14とヘッダ部材15との接合部を、第1接合部17と称する。なお、タンク部材14とヘッダ部材15との接合部の形状(すなわち、第1接合部17の形状)は、上述したものに限らず、種々の形状を採用することが可能である。
【0021】
ヘッダ部材15は、複数のチューブ20が挿入される穴18を有している。複数のチューブ20は、ヘッダ部材15の穴18に差し込まれた状態でろう付けにより固定されている。ヘッダ部材15の内周面とチューブ20とは、直角または直角に近い状態で接合されている。本実施形態では、ヘッダ部材15とチューブ20との接合部を、第2接合部19と称する。なお、ヘッダ部材15とチューブ20との接合部の形状(すなわち、第2接合部19の形状)も、上述したものに限らず、種々の形状を採用することが可能である。
【0022】
ヘッダタンク10の内周面には、ろう材層50が設けられている。上述したように、タンク部材14、ヘッダ部材15およびチューブ20などの部材は、製造過程において、ブレージングシートにより形成されたものである。熱交換器1の製造過程では、各流路部材が仮組みされ、加熱炉内でろう材の融点より高い温度に加熱された後、ろう材が凝固することにより、流路部材同士がろう付けにより固定される。ろう材層50は、そのブレージングシートのろう材が溶融した後に凝固したものである。ろう材層50は、ヘッダタンク10と第1接合部17と第2接合部19とに亘り設けられている。なお、
図3および
図4では、説明のため、ろう材層50の厚みを実際の厚みよりも大きく図示している。
【0023】
ところで、熱交換器1を加熱炉内でろう付けする際、ブレージングシートのろう材が溶融し、母材表面を流動することがある。その場合、加熱溶融されて液膜状になったろう材は、2つの流路部材のなす角が大きい接合部から、2つの流路部材のなす角が小さい接合部側へ流れる傾向がある。このことは、加熱溶融されて液膜状になったろう材は、ろう材の液面の曲率によりろう材の圧力が変化することにより生じる。本実施形態では、加熱溶融されて液膜状になったろう材は、タンク部材14とヘッダ部材15との第1接合部17のろう材の圧力よりも、チューブ20の内壁とインナーフィン40との第2接合部19のろう材の圧力が低くなる。したがって、タンク部材14とヘッダ部材15との第1接合部17から、チューブ20の内壁とインナーフィン40との第2接合部19へろう材が流れることが考えられる。また、タンク部材14とヘッダ部材15との第1接合部17から、チューブ20の内側に形成されたチューブ20の内壁とインナーフィン40との接合部側へろう材が吸い込まれるように流れることが考えられる。
【0024】
そこで、
図3および
図4に示すように、本実施形態では、ヘッダ部材15に畝部60を設けている。畝部60は、ヘッダ部材15のうち、第1接合部17と第2接合部19との間に位置する部位が湾曲してろう材を設置した側に突出した箇所をいう。畝部60は、タンク部材14とヘッダ部材15とが接合する第1接合部17が延びる方向(すなわち、
図3および
図4の紙面垂直方向)に沿うように延びている。本実施形態では、この畝部60が設けられたヘッダ部材15が、特許請求の範囲に記載の「所定の流路部材」の一例に相当する。また、タンク部材14とチューブ20はそれぞれ、特許請求の範囲に記載の「他の流路部材」の一例に相当する。
【0025】
詳細には、畝部60は、凸部61と第1凹部62と第2凹部63とを有している。凸部61とは、畝部60の頂に形成される部位であり、断面がろう材を設置した側に対し凸(正の曲率)に形成されている。第1凹部62は、畝部60のうち第1接合部17側の裾に形成される部位である。第2凹部63は、畝部60のうち第2接合部19側の裾に形成される部位である。第1凹部62と第2凹部63はいずれも、断面がろう材を設置した側に対し凹(負の曲率)に形成されている。
【0026】
なお、本明細書では、畝部60の高さhを、次のように定義する。すなわち、
図3に示すように、畝部60の高さhは、畝部60の断面視において、第1凹部62のろう材層―母材の界面と第2凹部63のろう材層―母材の界面との共通接線CTと、その共通接線CTに平行且つ凸部61のろう材層の外面に接する線LTとの距離をいう。
【0027】
本実施形態では、ヘッダ部材15に畝部60を設けたことにより、熱交換器1を加熱炉内でろう付けする際、加熱溶融されて液膜状になったろう材は、畝部60の凸部61の表面のろう材の圧力が、第1凹部62と第2凹部63のろう材の圧力よりも高くなる。また、畝部60の凸部61の表面のろう材の圧力は、その凸部61の周囲のヘッダ部材15の表面のろう材の圧力よりも高くなる。そのため、畝部60の凸部61のろう材は、その周囲の部位に流れやすくなる。すなわち、ろう付けの際に、ヘッダ部材15の表面を、畝部60を跨いで流れるろう材の流動抵抗が大きくなる。したがって、ろう付けの際、ヘッダ部材15の表面を、第1接合部17から第2接合部19へ畝部60を跨いでろう材が流れることが抑制される。その結果、この熱交換器1は、第1接合部17のフィレットの縮小による接合強度不足を防ぐと共に、第2接合部19のろう材が過多となることを防ぐことができる。また、ろう付けの際、ヘッダタンク10の内側からチューブ20内にろう材が吸い込まれて、チューブ20内の流路が閉塞してしまうことを防ぐことができる。
【0028】
次に、畝部の曲率及び高さに応じたろう材の流動抑制効果ついて、発明者が行った実験結果について説明する。
【0029】
この実験は、
図5および
図6に示したテストピース7により行った。テストピース7は、横30mm奥行き60mmの水平板70と、高さ10mm奥行き50mmの第1垂直板71と、高さ10mm奥行き50mmの第2垂直板72により構成した。水平板70と第1垂直板71は、アルミニウムからなる母材の表面にろう材73が圧接されたブレージングシートを使用した。第2垂直板72は、ろう材が圧接されていないアルミニウムによる所謂ベア材を使用した。水平板70のうち、第1垂直板71と第2垂直板72との間には、板厚方向に湾曲した畝部60を設けた。そして、第1垂直板71と第2垂直板72との間隔を10mmとして、水平板70の上に第1垂直板71と第2垂直板72とを垂直に立てた状態とした。実験に使用したテストピース7は、ヘッダタンク10の内径が例えば5mm〜100mmの熱交換器1を想定したものである。すなわち、水平板70は、第1実施形態の熱交換器1のヘッダタンク10に相当している。水平板70と第1垂直板71との接合部74は、第1実施形態の熱交換器1の第1接合部17に相当している。水平板70と第2垂直板72との接合部75は、第1実施形態の熱交換器1の第2接合部19に相当している。
【0030】
実験に使用したテストピース7は、少なくとも、次の10種類である。すなわち、テストピース7は、少なくとも、畝部60の高さhが1mm、2mm、5mmのものについて、それぞれ、曲率半径が0.2mm、0.5mm、1.5mmのものを使用した。また、比較のため、水平板70に畝部60を設けていないテストピース7も使用した。これらのテストピース7を加熱炉に設置して加熱すると、加熱溶融されたろう材73は、水平板70の表面を第1垂直板71側から第2垂直板72側へ移動することが予想される。
【0031】
図7のグラフは、10種類のテストピース7について実験した結果をプロットしたものである。このグラフは、畝部60の凸部61の曲率を横軸とし、水平板70の表面を第1垂直板71側から第2垂直板72側へ移動したろう材の流動率を縦軸としている。なお、ろう材の流動率とは、水平板70に畝部60を設けていないテストピース7のろう材の流動量に対する、各テストピース7のろう材の流動量の比率をいう。なお、
図7のグラフでは、水平板70に畝部60を設けていないテストピース7のろう材の流動率を1として、グラフに符号Dを付した四角形で示している。
【0032】
畝部60の高さhが1mmのテストピース7の流動率の変化を実線Aに示す。このテストピース7において、曲率1/1.5(1/mm)(すなわち曲率半径が1.5mm)の流動率は、0.4より僅かに小さい。曲率2(1/mm)(すなわち曲率半径が0.5mm)の流動率は、0.2より僅かに大きい。曲率5(1/mm)(すなわち曲率半径が0.2mm)の流動率は、約0.1である。
【0033】
畝部60の高さhが2mmのテストピース7の流動率の変化を一点鎖線Bに示す。このテストピース7において、曲率1/1.5(1/mm)の流動率は、0.2より僅かに大きい。曲率2(1/mm)の流動率は、0.1と0.2の間にある。曲率5(1/mm)の流動率は、0.1より僅かに大きい。
【0034】
畝部60の高さhが5mmのテストピース7の流動率の変化を破線Cに示す。このテストピース7において、曲率1/1.5(1/mm)の流動率は、0.2より僅かに大きい。曲率2(1/mm)の流動率は、0.1と0.2の間にある。曲率5(1/mm)の流動率は、0.1より僅かに小さい。
【0035】
この実験結果により、畝部60の凸部61の曲率を1/1.5(1/mm)以上(すなわち曲率半径1.5mm以下)とすることで、ろう材の流動を抑制する効果を飛躍的に高めることが可能であることがわかった。この実験では、畝部60の凸部61の曲率を1/1.5(1/mm)以上としたとき、水平板70に畝部60を設けていないものに対して、ろう材の流動率が4割以下となり、実際の熱交換器1に適用した場合にも、十分な抑制効果を発揮するできることがわかった。
【0036】
一方、畝部60の凸部61の曲率を5より大きくしても(すなわち曲率半径を0.2mmより小さくしても)、ろう材の流動の抑制効果は略一定となる。そのため、凸部61の曲率を5以下とすることで、畝部60の加工工数を低減することが可能である。
【0037】
また、この実験結果により、畝部60の高さhを1mm以上とすることで、ろう材の流動を抑制する効果を十分に発揮させることが可能であることがわかった。一方、畝部60の凸部61の曲率半径を5mmより大きくしても、ろう材の流動の抑制効果は略一定となる。そのため、曲率半径を5mm以下とすることで、流路を流れる流体の圧力損失を低減することが可能である。
【0038】
続いて、
図8〜
図10はそれぞれ、テストピース7のうち、畝部60の高さhがいずれも1mmで凸部61の直径dがそれぞれ異なるものについて、加熱炉内でろう付けを行った後の畝部60の表面のろう材の状態を示したものである。
図8のテストピース7の畝部60の直径dは0.4mmである。
図9のテストピース7の畝部60の直径dは1.0mmである。
図10のテストピース7の畝部60の直径dは3.0mmである。すなわち、
図8のテストピース7の畝部60の曲率半径は0.2mmである。
図9のテストピース7の畝部60の曲率半径は0.5mmである。
図10のテストピース7の畝部60の曲率半径は1.5mmである。
【0039】
図8〜
図10に示したように、いずれのテストピース7ついても、畝部60の頂部付近でろう材73が殆ど無いことが観察された。すなわち、畝部60の頂部付近では、加熱溶融したろう材の圧力が、その周囲の部位のろう材の圧力より高くなるので、畝部60によってろう材の流れを抑制することができる。
【0040】
以上説明した第1実施形態の熱交換器1は、次の作用効果を奏することが可能である。
【0041】
(1)第1実施形態では、所定の流路部材としてのヘッダ部材15のうち、第1接合部17と第2接合部19との間に位置する部位に畝部60が設けられている。畝部60は、ヘッダ部材15が湾曲してろう材を設置した側に突出した形状であり、第1接合部17が延びる方向に沿うように延びている。
【0042】
これによれば、熱交換器1の流路部材同士をろう付けする際、各流路部材の表面で溶融して液膜状になったろう材は、畝部60の頂の部位のろう材の圧力が、その周囲の部位のろう材の圧力よりも高くなる。そのため、ヘッダ部材15の表面を、畝部60を跨いで流れるろう材の流動抵抗が大きくなる。したがって、ろう付けの際、ヘッダ部材15とタンク部材14との接合部である第1接合部17側から畝部60を跨いでヘッダ部材15とチューブ20との接合部である第2接合部19側へろう材が流れることが抑制される。その結果、この熱交換器1は、第1接合部17のフィレットの縮小による接合強度不足を防ぐと共に、第2接合部19のろう材が過多となることを防ぐことができる。また、ろう付けの際、ヘッダタンク10の内側からチューブ20内にろう材が吸い込まれて、チューブ20内の流路が閉塞してしまうことを防ぐことができる。
【0043】
(2)第1実施形態では、畝部60は、畝部60の頂に形成される凸部61と、畝部60の裾に形成される第1凹部62および第2凹部63を有する。
【0044】
これによれば、ろう付けの際、加熱溶融されたろう材は、凸部61のろう材の圧力が、第1凹部62および第2凹部63のろう材の圧力よりも高くなる。そのため、凸部61のろう材は、第1凹部62および第2凹部63に流れやすくなる。したがって、ろう付けの際に、ヘッダ部材15の表面を畝部60を跨いでろう材が流れることを抑制することができる。
【0045】
(3)第1実施形態では、畝部60の凸部61は、畝部60が延びる方向に対し垂直な断面の曲率半径が0.2mm以上、1.5mm以下とすることが好ましい。
【0046】
これによれば、畝部60の凸部61の曲率半径を1.5mm以下とすることで、その曲率半径が1.5mmより大きい場合に比べて、ろう材の流動を抑制する効果を飛躍的に高めることが可能である。一方、畝部60の凸部61の曲率半径を0.2mmより小さくしても、ろう材の流動の抑制効果は略一定となる。そのため、曲率半径を0.2mm以上とすることで、加工工数を低減することが可能である。
【0047】
(4)第1実施形態では、畝部60の裾から頂までの高さは、1mm以上、5mm以下とすることが好ましい。
【0048】
これによれば、畝部60の高さを1mm以上とすることで、ろう材の流動を抑制する効果を十分に発揮させることが可能である。一方、畝部60の凸部61の曲率半径を5mmより大きくしても、ろう材の流動の抑制効果は略一定となる。そのため、曲率半径を5mm以下とすることで、ヘッダタンク10内の流路を流れる冷媒の圧力損失を低減することが可能である。
【0049】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して畝部60の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0050】
図11に示すように、第2実施形態では、熱交換器1のうち流体が流れる流路を構成する所定の流路部材に、複数の畝部60が設けられている。なお、図示していないが、この所定の流路部材の面方向の一方の側(すなわち紙面右側または左側の一方)には、その所定の流路部材と他の流路部材とがろう付けにより接合される第1接合部17が配置されている。また、所定の流路部材の面方向の他方の側(すなわち紙面右側または左側の他方)には、その所定の流路部材と他の流路部材とがろう付けにより接合される第2接合部19が配置されている。したがって、第2実施形態では、所定の流路部材のうち、第1接合部17と第2接合部19との間に複数の畝部60が設けられている。複数の畝部60は、その第1接合部17または第2接合部19が延びる方向に沿って延びている。
【0051】
複数の畝部60はいずれも、畝部60が延びる方向に対し垂直な断面における凸部61の曲率半径が0.2mm以上、1.5mm以下とすることが好ましい。また、複数の畝部60はいずれも、畝部60の裾から頂までの高さが、1mm以上、5mm以下とすることが好ましい。なお、複数の畝部60のうち少なくとも1つの畝部60の曲率半径を0.2mm以上、1.5mm以下とし、少なくとも1つの畝部60の裾から頂までの高さを1mm以上、5mm以下としてもよい。
【0052】
以上説明した第2実施形態では、所定の流路部材に複数の畝部60を設けたことで、ろう付けの際に、流路部材の表面を、複数の畝部60を跨いで流れるろう材の流動抵抗をより大きくすることが可能である。したがって、流路部材の表面を、複数の畝部60を跨いでろう材が流れることを確実に抑制することができる。
【0053】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態も、第1実施形態に対して畝部60の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0054】
図12に示すように、第3実施形態でも、熱交換器1のうち流体が流れる流路を構成する所定の流路部材に、畝部60が設けられている。なお、図示していないが、この所定の流路部材の面方向の一方の側には、第1接合部17が配置されている。また、所定の流路部材の面方向の他方の側には、第2接合部19が配置されている。畝部60は、その第1接合部17または第2接合部19が延びる方向に沿って延びている。
【0055】
第3実施形態では、畝部60は、凸部61の中央に平面部64を有している。平面部64の大きさは実験などにより適宜設定可能である。以上説明した第3実施形態も、上述した第1および第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0056】
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第1実施形態に対して熱交換器1の構成を変更したものである。
【0057】
図13〜
図15に示すように、第4実施形態の熱交換器1は、図示していない過給機を備えた車両に搭載されるインタークーラである。この熱交換器1は、過給機により圧縮された吸気と、冷却水との熱交換を行うものである。
【0058】
熱交換器1は、2個のヘッダタンク10、その2個のヘッダタンク10を連通する複数のチューブ20、複数のチューブ20の外側に設けられるアウターフィン30、および、複数のチューブ20の外側を覆うダクトプレート80などを備えている。これらの部材はいずれも、流体が流れる流路を構成するための流路部材である。なお、これらの部材は、製造過程において、例えば、アルミニウムからなる母材の表面にろう材が圧接されたブレージングシートにより形成される。
【0059】
2個のヘッダタンク10は、互いに離れた位置に平行に配置されている。ヘッダタンク10は、角型の皿状に形成されたコアプレート101と、角型の皿状に形成されたタンク本体部102の開口部同士が組み合わされることで、扁平の角筒状に構成されている。
【0060】
一方のヘッダタンク10を構成するタンク本体部102には、冷却水が供給される流入管103と、冷却水が流出する流出管104が設けられている。なお、一方のヘッダタンク10の内側には、内部の空間を流入室と流出室とに仕切るための図示していないセパレータが設けられている。
【0061】
図13の破線矢印WF1に示したように、流入管103から一方のヘッダタンク10の流入室に流入した冷却水は、複数のチューブ20と他方のヘッダタンク10を流れた後、一方のヘッダタンク10の流出室から流出管104を通り流出する。
【0062】
図14は、一方のヘッダタンク10を構成するタンク本体部102を取り外した状態で、そのヘッダタンク10を構成するコアプレート101側から熱交換器1を見たものである。また、
図15は、
図14のXV−XV線の断面図である。
図15に示すように、複数のチューブ20は、ヘッダタンク10のコアプレート101に設けられた穴105に差し込まれた状態で、コアプレート101にろう付けにより接合されている。
【0063】
ダクトプレート80は、各筒状に形成され、複数のチューブ20の外側を覆うように設けられている。
図13および
図14に示すように、ダクトプレート80のうち2個のヘッダタンク10が対向する方向に対して交差する方向の一方の側に、吸気が流入する吸気流入口81が形成され、他方の側に吸気が流出する吸気流出口82が形成されている。
図13および
図14の矢印AF2に示したように、吸気流入口81からダクトの内側に流入した吸気は、ダクト内でチューブ20の内側を流れる冷却水と熱交換した後、吸気流出口82から流出し、図示していないエンジンに向かって流れる。
【0064】
図15に示すように、ダクトプレート80の端部は、コアプレート101の外縁に設けられたフランジ部106にろう付けにより接合されている。第4実施形態では、コアプレート101のフランジ部106とダクトプレート80との接合部を、第1接合部17と称する。
【0065】
上述したように、複数のチューブ20は、ヘッダタンク10のコアプレート101に設けられた穴105に差し込まれた状態で、コアプレート101にろう付けにより接合されている。第4実施形態では、コアプレート101とチューブ20との接合部を、第2接合部19と称する。
【0066】
また、複数のチューブ20同士の間には、アウターフィン30が設けられている。なお、ダクトプレート80とアウターフィン30との間には、補強プレート81が設けられている。アウターフィン30は、チューブ20の外壁と補強プレート81にろう付けにより固定されている。
【0067】
熱交換器1を構成する流路部材同士は、ろう付けにより固定される。そのため、図示していないが、第4実施形態においても第1実施形態と同様に、各流路部材の表面にはろう材層が設けられる。
図15では、ろう材層のうち、第1接合部17と第2接合部19のろう材のフィレット51、52のみを図示している。
【0068】
ここで、第4実施形態では、ヘッダタンク10のコアプレート101に畝部60を設けている。畝部60は、コアプレート101のうち、第1接合部17と第2接合部19との間に位置する部位が湾曲してろう材を設置した側に突出した箇所をいう。この畝部60は、第1接合部17と第2接合部19が延びる方向(すなわち
図15の紙面垂直方向)に沿うように延びている。第4実施形態では、この畝部60が設けられたコアプレート101が、特許請求の範囲に記載の「所定の流路部材」の一例に相当する。また、ダクトプレート80とチューブ20はそれぞれ、特許請求の範囲に記載の「他の流路部材」の一例に相当する。
【0069】
第4実施形態では、コアプレート101に畝部60を設けたことにより、熱交換器1を加熱炉内でろう付けする際、加熱溶融されて液膜状になったろう材は、コアプレート101の表面を第1接合部17から第2接合部19へ流れることが抑制される。したがって、この熱交換器1は、第1接合部17のフィレットの縮小による接合強度不足を防ぐと共に、第2接合部19のろう材が過多となることを防ぐことができる。
【0070】
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。第5実施形態も、第1実施形態に対して熱交換器1の構成を変更したものである。
【0071】
図16および
図17に示すように、第5実施形態の熱交換器1は、エンジン冷却水と外気との熱交換を行うラジエータである。
【0072】
熱交換器1は、2個のヘッダタンク10、その2個のヘッダタンク10を連通する複数のチューブ20、複数のチューブ20の外側に設けられるアウターフィン30、および、アウターフィン30の外側に設けられるサイドプレート90などを備えている。これらの部材はいずれも、流体が流れる流路を構成するための流路部材である。なお、これらの部材は、製造過程において、例えば、アルミニウムからなる母材の表面にろう材が圧接されたブレージングシートにより形成される。
【0073】
2個のヘッダタンク10は、互いに離れた位置に平行に配置されている。ヘッダタンク10は、皿状に形成されたコアプレート101と、椀状に形成されたタンク本体部102の開口部同士が組み合わされることで構成されている。
【0074】
一方のヘッダタンク10には冷却水が供給される流入口12が設けられ、他方のヘッダタンク10には冷却水が流出する流出口13が設けられている。流入口12から一方のヘッダタンク10に流入した冷却水は、複数のチューブ20と他方のヘッダタンク10を流れた後、他方のヘッダタンク10の流出口13から流出する。
【0075】
図17は、
図16のXVII部分において、タンク本体部102を取り外した状態の断面図である。
図17に示すように、複数のチューブ20は、ヘッダタンク10のコアプレート101に設けられた穴105に差し込まれた状態で、コアプレート101にろう付けにより接合されている。
【0076】
複数のチューブ20同士の間には、アウターフィン30が設けられている。複数のアウターフィン30のうち、外側に位置するアウターフィン30は、サイドプレート90にろう付けにより固定されている。第5実施形態では、サイドプレート90とアウターフィン30との接合部を、第1接合部17と称する。
【0077】
サイドプレート90は、コアプレート101の外縁に設けられたフランジ部106にろう付けにより固定されている。第5実施形態では、コアプレート101のフランジ部106とサイドプレート90との接合部を、第2接合部19と称する。
【0078】
熱交換器1を構成する各部材は、ろう付けにより固定される。そのため、図示していないが、第5実施形態においても第1実施形態と同様に、各部材の表面にはろう材層が設けられる。
【0079】
ここで、第5実施形態では、サイドプレート90に畝部60を設けている。畝部60は、サイドプレート90のうち、第1接合部17と第2接合部19との間に位置する部位が湾曲してろう材を設置した外気流路側に突出した箇所をいう。この畝部60は、第1接合部17と第2接合部19が延びる方向(すなわち
図17の紙面垂直方向)に沿うように延びている。第5実施形態では、この畝部60が設けられたサイドプレート90が、特許請求の範囲に記載の「所定の流路部材」の一例に相当する。また、アウターフィン30とコアプレート101はそれぞれ、特許請求の範囲に記載の「他の流路部材」の一例に相当する。
【0080】
第5実施形態では、サイドプレート90に畝部60を設けたことにより、熱交換器1を加熱炉内でろう付けする際、加熱溶融されたろう材は、サイドプレート90の表面を第1接合部17から第2接合部19へ流れることが抑制される。したがって、この熱交換器1は、第1接合部17のフィレットの縮小による接合強度不足を防ぐと共に、第2接合部19のろう材が過多となることを防ぐことができる。
【0081】
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0082】
(1)上述した実施形態では、熱交換器1を構成するヘッダ部材15、コアプレート101またはサイドプレート90に畝部60を設けた。これに対し、他の実施形態では、熱交換器1を構成する種々の流路部材に畝部60を設けることが可能である。
【0083】
(2)上述した実施形態では、畝部60は、曲率半径を0.2mm以上、1.5mm以下とすることが好まく、高さを1mm以上、5mm以下とすることが好ましいものとした。これに対し、他の実施形態では、畝部60の曲率半径および高さは、熱交換器1の体格またはろう材の性質および量に応じて適宜設定することが可能である。
【0084】
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、熱交換器は、流路部材、第1接合部、第2接合部、ろう材層および畝部を備える。流路部材は、流体が流れる流路を形成しているものである。第1接合部は、所定の流路部材の面方向の一方の側に設けられ、所定の流路部材と他の流路部材とがろう付けにより接合される部位である。第2接合部は、所定の流路部材の面方向の他方の側に設けられ、所定の流路部材と他の流路部材とがろう付けにより接合される部位である。ろう材層は、所定の流路部材と第1接合部と第2接合部とに亘り設けられる。畝部は、所定の流路部材のうち第1接合部と第2接合部との間に位置する部位が湾曲してろう材を設置した側に突出し、第1接合部または第2接合部が延びる方向に沿うように延びている。
【0085】
第2の観点によれば、畝部は、凸部、第1凹部および第2凹部を有する。凸部は、畝部の頂に形成される。第1凹部は、畝部のうち第1接合部側の裾に形成される。第2凹部は、畝部のうち第2接合部側の裾に形成される。
【0086】
これによれば、ろう付けの際、加熱溶融されたろう材は、凸部のろう材の圧力が、第1凹部および第2凹部のろう材の圧力よりも高くなる。そのため、凸部のろう材は、第1凹部および第2凹部に流れやすくなる。したがって、ろう付けの際に、流路部材の表面を、畝部を跨いでろう材が流れることを抑制することができる。
【0087】
第3の観点によれば、畝部の凸部は、畝部が延びる方向に対し垂直な断面の曲率半径が0.2mm以上、1.5mm以下である。
【0088】
これによれば、畝部の凸部の曲率半径を1.5mm以下とすることで、その曲率半径が1.5mmより大きい場合に比べて、ろう材の流動を抑制する効果を飛躍的に高めることが可能である。一方、畝部の凸部の曲率半径を0.2mmより小さくしても、ろう材の流動の抑制効果は略一定となる。そのため、曲率半径を0.2mm以上とすることで、加工工数を低減することが可能である。
【0089】
第4の観点によれば、畝部の裾から頂までの高さは、1mm以上、5mm以下である。
【0090】
これによれば、畝部の高さを1mm以上とすることで、ろう材の流動を抑制する効果を十分に発揮させることが可能である。一方、畝部の凸部の高さを5mmより大きくしても、ろう材の流動の抑制効果は略一定となる。そのため、高さを5mm以下とすることで、流路を流れる流体の圧力損失を低減することが可能である。
【0091】
なお、畝部の裾から頂までの高さとは、畝部の断面視において、第1凹部のろう材層―母材の界面と第2凹部のろう材層―母材の界面との共通接線と、その共通接線に平行且つ凸部のろう材層の外面に接する線との距離をいう。
【0092】
第5の観点によれば、畝部は、第1接合部と第2接合部との間に複数設けられる。
【0093】
これによれば、ろう付けの際に、流路部材の表面を、複数の畝部を跨いで流れるろう材の流動抵抗をより大きくすることが可能である。
【0094】
第6の観点によれば、複数の畝部はいずれも、畝部が延びる方向に対し垂直な断面における凸部の曲率半径が0.2mm以上、1.5mm以下であり、畝部の裾から頂までの高さが、1mm以上、5mm以下である。
【0095】
これによれば、ろう付けの際、流路部材の表面を、複数の畝部を跨いでろう材が流れることを確実に抑制することができる。
【0096】
第7の観点によれば、熱交換器は、複数のヘッダタンクおよび複数のチューブを備えるものである。複数のヘッダタンクは、ヘッダ部材およびタンク部材により形成され、流体が供給または排出される。複数のチューブは、ヘッダ部材に設けられた穴に差し込まれた状態で固定され、複数のヘッダタンクのうち一方のヘッダタンクと他方のヘッダタンクとを連通する。この熱交換器において、畝部が設けられる所定の流路部材は、ヘッダ部材である。第1接合部は、タンク部材とヘッダ部材との接合部である。第2接合部は、ヘッダ部材の穴とチューブとの接合部である。
【0097】
これによれば、畝部は、ヘッダ部材の一部が湾曲してろう材を設置した側に突出し、タンク部材とヘッダ部材との接合部が延びる方向に沿うように設けられる。そのため、ろう付けの際、その畝部により、タンク部材とヘッダ部材との接合部から、ヘッダ部材の穴とチューブとの接合部へろう材が流れることが抑制される。したがって、この熱交換器は、タンク部材とヘッダ部材との接合部が接合強度不足になることを防ぐと共に、ヘッダ部材の穴とチューブとの接合部のろう材が過多となることを防ぐことができる。
【0098】
第8の観点によれば、熱交換器は、複数のヘッダタンク、複数のチューブおよびダクトプレートを備えるものである。複数のヘッダタンクは、コアプレートおよびタンク本体部により形成され、流体が供給または排出される。複数のチューブは、コアプレートに設けられた穴に差し込まれた状態でろう付けにより接合され、複数のヘッダタンクのうち一方のヘッダタンクと他方のヘッダタンクとを連通する。ダクトプレートは、複数のチューブの外側を覆うように設けられ、コアプレートにろう付けにより接合される。この熱交換器において、畝部が設けられる所定の流路部材は、コアプレートである。第1接合部は、コアプレートとダクトプレートとの接合部である。第2接合部は、コアプレートの穴とチューブとの接合部である。
【0099】
これによれば、畝部は、コアプレートの一部が湾曲してろう材を設置した側に突出し、コアプレートとダクトプレートとの接合部が延びる方向に沿うように設けられる。そのため、ろう付けの際、その畝部により、コアプレートとダクトプレートとの接合部から、コアプレートの穴とチューブとの接合部へろう材が流れることが抑制される。したがって、この熱交換器は、コアプレートとダクトプレートとの接合部が接合強度不足になることを防ぐと共に、コアプレートの穴とチューブとの接合部のろう材が過多となることを防ぐことができる。
【0100】
第9の観点によれば、熱交換器は、複数のヘッダタンク、複数のチューブ、フィンおよびサイドプレートを備えるものである。複数のヘッダタンクは、コアプレートおよびタンク本体部により形成され、流体が供給または排出される。複数のチューブは、コアプレートに設けられた穴に差し込まれた状態でろう付けにより接合され、複数のヘッダタンクのうち一方のヘッダタンクと他方のヘッダタンクとを連通する。アウターフィンは、複数のチューブの外側に設けられる。サイドプレートは、複数のチューブと複数のアウターフィンとが交互に並ぶ方向の外側に設けられ、その並ぶ方向の外側に位置するアウターフィンとコアプレートにろう付けにより接合される。この熱交換器において、畝部が設けられる所定の流路部材は、サイドプレートである。第1接合部は、サイドプレートとアウターフィンとの接合部である。第2接合部は、サイドプレートとコアプレートとの接合部である。
【0101】
これによれば、畝部は、サイドプレートの一部が湾曲してろう材を設置した側に突出し、サイドプレートとアウターフィンとの接合部が延びる方向、または、サイドプレートとコアプレートとの接合部が延びる方向に沿うように設けられる。そのため、ろう付けの際、その畝部により、サイドプレートとアウターフィンとの接合部から、サイドプレートとコアプレートとの接合部へろう材が流れることが抑制される。したがって、この熱交換器は、サイドプレートとアウターフィンとの接合部が接合強度不足になることを防ぐと共に、サイドプレートとコアプレートとの接合部のろう材が過多となることを防ぐことができる。