(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法について図面を参照して説明する。
【0011】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1にかかる情報処理システムの概略構成を示す図である。情報処理システム1は、PC10A、PC10B、PC10C、スマートフォン10D、および携帯端末10Eなどの複数の情報処理装置と、当該情報処理装置とLANやWAN(Wide Area Network)などのネットワークNを介して接続されたサーバー20から構成される。なお、
図1に示す例では1つのサーバーしか描かれていないが、ネットワークNに2つ以上のサーバーが接続されていてもよい。PC10A、PC10B、PC10C、スマートフォン10D、および携帯端末10Eは、いずれも後述する記憶部や制御ユニットなどを備えた情報処理装置の一例であり、以後特に区別して説明しない場合には、まとめて情報処理装置10として説明する。
【0012】
図2は、情報処理装置10の内部構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、表示部110、操作部120、記憶部130、通信部140、および制御ユニット100などを備えている。
【0013】
表示部110は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイを含んで構成され、後述する表示制御部による表示制御のもと、各種の操作画面などが表示される。
【0014】
操作部120は、マウス、キーボード、および表示部110の前面に設けられたタッチパネルなどの入力装置である。情報処理装置10が実行可能な各種の動作および処理に対するユーザーからの指示は、上記のマウス、キーボード、およびタッチパネルなどの操作部120を用いて入力される。
【0015】
記憶部130は、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置である。記憶部130は、複数の記憶領域を備え、それぞれの記憶領域には各種のデータが記憶されている。本実施形態では、当該複数の記憶領域として、記憶部130がルートディレクトリや当該ルートディレクトリの下層のサブディレクトリなどの複数のディレクトリを備えている。
【0016】
通信部140は、LANチップなどの通信モジュールを備える通信インターフェイスである。当該通信部140により、情報処理装置10は、ネットワークNを介して接続されたサーバー20と通信することができる。
【0017】
制御ユニット100は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、および専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などである。制御ユニット100は、記憶部130に記憶(インストール)されているOS(Operating System)や各種の制御プログラムなどのプログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部101、通信制御部102、受付部103、表示制御部104、および記憶制御部105として機能する。但し、上記の各構成は、制御ユニット100によるプログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成してもよい。
【0018】
受付部103は、操作部120から出力される信号を受信して、操作部120を用いて入力されたユーザーからの指示を受け付ける機能を有する。
【0019】
制御部101は、情報処理装置10の全体的な制御を司る。特に、制御部101は、受付部103が受け付けた指示に応じて、記憶部130に記憶された文書作成ソフトや表計算ソフトなどの各種のプログラムを実行する機能を有する。
【0020】
表示制御部104は、表示部110による表示動作を制御する機能を有し、制御部101による情報処理結果を示した操作画面などを表示部110に表示させる。
【0021】
例えば、表示部110に表示された文書データに関連付けられたアイコンに対する押下操作を受付部103が受け付けた場合、制御部101は、文章作成ソフトのプログラムを実行する。そして、表示制御部104は、文章作成ソフトの実行結果であるアイコンに関連付けられた文書データを示した操作画面を表示部110に表示させる。
【0022】
通信制御部102は、通信部140によるデータの通信動作を制御する機能を有する。特に、通信制御部102は、サーバー20が記憶している複数のデータのうち、受付部103が受け付けた指示で指定されたデータを、通信部140にサーバー20から受信させる。
【0023】
記憶制御部105は、記憶部130によるデータの記憶動作を制御する機能を有する。特に、記憶制御部105は、通信部140がサーバー20から受信したデータを記憶部130に記憶させたり、制御部101が生成または変更したデータの記憶制御を行う。
【0024】
続いて、サーバー20の構成について説明する。サーバー20は、制御ユニット200、操作部220、記憶部230、および通信部240などを備えている。操作部220は、マウス、キーボード、および表示部の前面に設けられたタッチパネルなどの入力装置である。記憶部230は、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置である。通信部240は、LANチップなどの通信モジュールを備える通信インターフェイスである。なお、サーバー20は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどから構成される表示部を備えてもよい。
【0025】
制御ユニット200は、プロセッサー、RAM、ROM、および専用のハードウェア回路を含んで構成される。制御ユニット200は、記憶部230に記憶されているプログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部201、通信制御部202、および記憶制御部203として機能する。但し、上記の各構成は、制御ユニット200によるプログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成してもよい。
【0026】
制御部201は、サーバー20の全体的な動作制御を司る。通信制御部202は、通信部240によるデータの通信動作を制御する機能を有する。記憶制御部203は、記憶部230による記憶動作を制御する機能を有する。
【0027】
以上が情報処理システム1の構成についての説明である。続いて、上記の情報処理装置10とサーバー20とから構成される情報処理システム1における処理内容を説明する。
【0028】
図3は、情報処理システム1における処理内容の概要を示す図である。本図の(1)に示すように、情報処理装置10の通信制御部102は、受付部103が受け付けた指示に示されたデータを指定したダウンロード要求を、通信部140にサーバー20へ送信させる。次に
図3の(2)に示すように、サーバー20の通信制御部202は、記憶部230に記憶されたデータのうちダウンロード要求で指定されたデータを、通信部240に情報処理装置10へ送信させる。そして
図3の(3)に示すように、情報処理装置10の記憶制御部105は、通信部140が受信したサーバー20から送信されたデータを記憶部130に記憶させる。この際、記憶制御部105は、記憶部130内の受付部103が受け付けた指示に示された記憶領域(ディレクトリ)内にデータを記憶させる。
【0029】
図4は、表示部110に表示される操作画面の一例を示す図である。
図4は、記憶部130に記憶されたファイルブラウザソフトが制御部101により実行された際に表示部110に表示される操作画面を示している。
図4に示す例では、デスクトップ画面D1中にファイルブラウザソフトの処理結果である操作画面D2が表示されている。操作画面D2には、記憶部130内のディレクトリの位置を示すパス"C:\User\download"、および、当該ディレクトリに含まれる各種のデータ(ファイル)に関連付けられた複数のアイコンが示されている。
【0030】
図4に示すダウンロードフォルダには、サーバー20から受信(ダウンロード)したデータが記憶される。サーバー20からダウンロードしたデータの記憶が完了した時、表示制御部104による制御のもと表示部110に当該ダウンロードしたデータに関連付けられたアイコンが表示される。また、受付部103がデータの削除指示を受け付けて、記憶制御部105による制御のもと記憶部130からデータが削除された場合、表示制御部104による制御のもと操作画面D2から当該削除されたデータに関連付けられたアイコンが削除される。
【0031】
図5に示すフローチャートを用いて、情報処理装置10における処理内容の詳細を更に説明する。受付部103がサーバー20が記憶しているデータのダウンロード指示を受け付けると(ステップS10においてYES)、通信制御部102は、通信部140にダウンロード要求をサーバー20へ送信させる(ステップS11)。次に、通信制御部102は、通信部140にサーバー20から送信されたデータを受信させる(ステップS12)。そして、記憶制御部105は、ステップS12の処理で通信部140が受信したデータを、記憶部130内の受付部103が受け付けた指示に示された記憶領域内にデータを記憶させる(ステップS13)。
【0032】
ステップS13の処理後、記憶制御部105は、ステップS12の処理で通信部140が受信したデータが予め定められたサーバー20から受信したデータであるか否かの判定を行う(ステップS14)。ここで、
図6に示すように、記憶部130には上記の予め定められたサーバー20を示す情報が予め記憶されている。
図6に示す例では、予め定められたサーバー20を示す情報は、サーバー名、および、当該予め定められたサーバー20をネットワークN上において特定するための情報であるIPアドレスから構成されている。記憶制御部105は、記憶部130に記憶されている上記の情報を参照して上記のステップS14の処理を行う。
【0033】
通信部140が受信したデータが予め定められたサーバー20から受信したデータでない場合(ステップS14においてNO)、情報処理装置10は処理を終える。一方、通信部140が受信したデータが予め定められたサーバー20から受信したデータである場合(ステップS14においてYES)、記憶制御部105は、下記のステップS15〜ステップS17の処理を行う。
【0034】
ステップS15の処理では、記憶制御部105は、サーバー20からダウンロードしたデータを記憶部130に記憶させた時点からの時間をカウントする。そして、当該カウントした時間が予め定められた時間以上となった時に(ステップS16においてYES)、記憶制御部105は、記憶部130から上記のデータを削除させる処理を行う(ステップS17)。
【0035】
図7は、記憶部130に記憶されているデータの変化の一例を示す図である。本図の1段目は、“会議資料2.odt”を記憶部130に記憶した時点における操作画面D2を示している。この“会議資料2.odt”を記憶部130に記憶した時点から2時間前には、“会議資料1.odt”が記憶部130に記憶されている。
【0036】
図7の2段目は、1段目に示した状態から2時間が経過した状態を示している。この状態では、“会議資料1.odt”を記憶部130に記憶した時点から予め定められた時間である4時間が経過している。そして、“会議資料1.odt”を記憶部130に記憶した時点から予め定められた時間である4時間が経過したため、記憶制御部105は、記憶部130から“会議資料1.odt”を削除させている。この結果、操作画面D2からは“会議資料1.odt”に関連付けられたアイコンが削除されている。
【0037】
図7の3段目は、2段目に示した状態から更に2時間が経過した状態を示している。この状態では、“会議資料2.odt”を記憶部130に記憶した時点から予め定められた時間である4時間が経過している。そして、“会議資料2.odt”を記憶部130に記憶した時点から予め定められた時間である4時間が経過したため、記憶制御部105は、記憶部130から“会議資料2.odt”を削除させている。この結果、操作画面D2からは“会議資料2.odt”に関連付けられたアイコンが削除されている。
【0038】
ここで、会議資料などは、会議終了後にその個人にとって不要なデータになることもある。このような個人にとって恒久的に重要でないデータを、予め定められたサーバー20に記憶させておき、ネットワークNに接続された各情報処理装置10からダウンロードさせるようにすれば、予め定められた時間が経過後には当該データが記憶部130から削除されることになる。これにより、個人が意識することなく、サーバー20から個人の情報処理装置10にダウンロードしたデータがそれほど重要でなくなる場合に、情報処理装置10側でデータを削除することが可能になる。個人の情報処理装置10から削除されたデータであっても、当該データは、サーバー20には記憶され続けるため、必要に応じてサーバー20から再度データをダウンロードすることもできる。
【0039】
<実施形態2>
図8は、実施形態2にかかる情報処理装置10による動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図5に示したフローチャートと同内容の処理については同符号を付して説明を略する。
【0040】
実施形態2にかかる情報処理装置10では、ステップS17のデータの削除処理の後に、ステップS18およびステップS19の処理を実行する。
【0041】
ステップS18の処理では、記憶制御部105は、記憶部130から削除したデータと同一のデータであって、サーバー20が記憶しているデータにアクセスすることが可能なリンク情報を生成する。ここで、リンク情報とは、例えば、ショートカットやサーバー20の位置を示したURL(Uniform Resource Locator)を含むハイパーリンクなどのネットワークN上でのサーバー20の位置およびサーバー20内でのデータの記憶位置を特定することができる情報である。そして、ステップS19の処理で、記憶制御部105は、上記のリンク情報を記憶部130内の削除したデータが記憶されていた記憶領域に記憶させる。
【0042】
図9は、記憶部130に記憶されているデータの変化の一例を示す図である。本図の第2段目に示すように、“会議資料1.odt”のデータが記憶部130から削除された場合に、削除されたデータと同じ記憶位置に、サーバー20内の“会議資料1.odt”のデータにアクセス可能なリンク情報(ショートカット)が生成されている。また、本図の第3段目に示すように、“会議資料2.odt”のデータが記憶部130から削除された場合に、削除されたデータと同じ記憶位置に、サーバー20内の“会議資料2.odt”のデータにアクセス可能なリンク情報が生成されている。
【0043】
以上のように、本発明の実施形態2にかかる情報処理装置10によれば、サーバー20からダウンロードしたデータを個人の情報処理装置10から削除した場合であっても、その後に個人がサーバー20上のオリジナルのデータに容易にアクセスすることができる。
【0044】
<実施形態3>
図10は、実施形態3にかかる情報処理装置10による動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図5に示したフローチャートと同内容の処理については同符号を付して説明を略する。
【0045】
実施形態3にかかる情報処理装置10では、ステップS15のデータを記憶部130に記憶させてからの時間をカウントする処理後に、表示制御部104が、データが記憶部130に記憶された時点から時間が経過するにつれて、表示部110に表示された当該データに関連付けられたアイコンの表示形態を変化させる(ステップS20)。
【0046】
図11は、記憶部130に記憶されているデータの変化の一例を示す図である。本図の1段目は、“会議資料1.odt”を記憶部130に記憶した時点における操作画面D2を示している。本図の2段目は、1段目に示した状態から2時間が経過した状態を示している。この状態では、図中で点線で示すように、表示制御部104は、“会議資料1.odt”に関連付けられたアイコンを構成する色の明度を本図の1段目に示した状態から高くしている。本図の3段目は、2段目に示した状態から更に2時間が経過して、“会議資料1.odt”を記憶部130に記憶した時点から予め定められた時間である4時間が経過した状態であり、記憶部130から“会議資料1.odt”が削除され、“会議資料1.odt”に関連付けられたアイコンも操作画面D2上から削除されている。
【0047】
上記のように、上記の例では、データが記憶部130に記憶された時点から時間が経過するにつれて、アイコンを構成する色の明度を高くすることにより、アイコンの表示形態を変化させている。これにより、ユーザーにデータが削除されるまでのおおよその時間を報知することができる。なお、表示制御部104は、データが記憶部130に記憶された時点から時間が経過するにつれて、アイコンのサイズを小さくすることにより、アイコンの表示形態を変化させてもよい。
【0048】
また、表示制御部104は、受付部103がアイコンに対する予め定められた操作(例えばダブルクリック)を受け付けた場合に、アイコンの表示形態をデータが記憶部130に記憶された時点における表示形態に戻す処理を行ってもよい。この場合、記憶制御部105は、ステップS15でカウントしていた時間を0に戻す。これにより、データが記憶部130に記憶された時点から予め定められた時間が経過した時ではなく、上記の予め定められた操作が行われてから予め定められた時間が経過した時に、データが記憶部130から削除されることになる。このため、ユーザーが上記の予め定められた操作を行うことにより、データが削除されるまでの時間を延長させることができる。
【0049】
<実施形態4>
図12(A)〜
図12(C)は、実施形態4にかかるサーバー20の記憶部230に記憶されているデータの一例を示す図である。実施形態4では、サーバー20の記憶部230に、データの削除時間を決定するための情報がデータに関連付けて記憶されている。
図12(A)に示す例では、データ毎に、データの名称および当該データの削除時間が記憶部230に記憶されている。また、
図12(B)に示す例では、データ毎に、データの名称および当該データについて会議で発表される順序が記憶部230に記憶されている。また、
図12(C)示す例では、データ毎に、データの名称および当該データの重要度を示す情報が記憶部230に記憶されている。上記の情報がデータとともにサーバー20から情報処理装置10へ送信され、情報処理装置10において送信された上記情報に基づいてデータの削除時間を決定される。
【0050】
図13は、実施形態4にかかる情報処理装置10およびサーバー20による動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図5に示したフローチャートと同内容の処理については同符号を付して説明を略する。
【0051】
サーバー20の通信部240が情報処理装置10から送信されたダウンロード要求を受信すると(ステップS30)、サーバー20の通信制御部202は、ダウンロード要求に示された送信対象のデータを特定する(ステップS31)。そして、サーバー20の通信制御部202は、上記の特定したデータに関連付けられた情報が存在する場合には(ステップS32においてYES)、データとともに当該データに関連付けられた情報を通信部240に送信させる(ステップS33、S34)。一方、上記の特定したデータに関連付けられた情報が存在しない場合には(ステップS32においてNO)、サーバー20の通信制御部202は、特定したデータのみを通信部240に送信させる(ステップS34)。
【0052】
情報処理装置10の記憶制御部105は、送信されたデータに情報が関連付けられている場合、すなわち、サーバー20からデータとともに上記の情報が送信された場合、通信部140が受信した上記の情報に基づきデータの削除時間を決定する処理を行う(ステップS35)。
【0053】
例えば、
図12(C)に示すようなデータの重要度を示す情報がサーバー20から送信された場合、情報処理装置10の記憶制御部105は、当該情報に示される重要度が高くなるにつれて長い時間をデータの削除時間に決定する。また、
図12(A)に示すようなデータの削除時間を示す情報がサーバー20から送信された場合、情報処理装置10の記憶制御部105は、当該情報に示された時間をデータの削除時間に決定する。また、
図12(B)に示すようなデータについて会議で発表される順序を示す情報がサーバー20から送信された場合、情報処理装置10の記憶制御部105は、当該情報に示される順序が遅くなるにつれて長い時間をデータの削除時間に決定する。
【0054】
以上のように、本発明の実施形態4にかかる情報処理装置10およびサーバー20によれば、サーバー20に記憶されたデータ毎に削除時間を異ならせることができ、そのデータに適した削除時間で記憶部130からデータを削除することができる。
【0055】
また、情報処理装置10は、表示制御部104による制御のもと、表示部110に
図14に示すような操作画面D4を表示してもよい。記憶制御部105は、当該操作画面において受付部103が受け付けた操作に基づき、データの削除時間を決定するための情報を生成する。そして、通信制御部102が、当該生成した上記情報をサーバー20へ送信して、サーバー20の記憶部230に記憶させる。これにより、情報処理装置10側においてサーバー20に記憶されたデータを削除する時間を決定することができる。
【0056】
<実施形態5>
図15は、実施形態5にかかる情報処理装置10による動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図5に示したフローチャートと同内容の処理については同符号を付して説明を略する。
【0057】
ステップS13の処理後、受付部103がステップS13の処理で記憶部130に記憶したデータに対するデータの表示指示を受け付けた場合(ステップS40においてYES)、表示制御部104は、当該データを示す表示画面を表示部110に表示させる(ステップS41)。
図16に示す例では、“会議資料1.odt”に関連付けられたアイコンに対する選択操作により、“会議資料1.odt”のデータを示す表示画面D3が表示部110に表示されている。
【0058】
そして、ステップS41の処理で表示させたデータが、予め定められたサーバー20から受信したデータである場合(ステップS42においてYES)、記憶制御部105は、データを示す表示画面を表示部110が表示した時点からの時間をカウントする(ステップS43)。そして、当該カウントした時間が予め定められた時間以上となった時に(ステップS44においてYES)、記憶制御部105は、記憶部130から上記のデータを削除させる処理を行う(ステップS45)。
【0059】
以上のように、本発明の実施形態5にかかる情報処理装置10によれば、ユーザーがデータを閲覧した時点から予め定められた時間が経過したタイミングでデータを削除するため、データをダウンロードしたものの一度も閲覧される事なくデータが削除される事態を回避することができる。
【0060】
<補足1>
表示部110のサイズには限りがあるためデータの全ての内容を一度に表示することができない場合があり、この場合は、
図16に示すようにデータの一部の内容を示す表示画面が表示部110に表示されることになる。上記のステップS43の処理のように、単にデータを示す表示画面が表示部110に表示した時点からの時間をカウントするのではなく、記憶制御部105は、当該データの予め定められた一部の内容を示す表示画面が表示部110に表示した時点からの時間をカウントしてもよい。
【0061】
すなわち、記憶制御部105は、表示画面に示されたデータが予め定められた一部のデータを含むか否かを特定する処理を行う。具体的には、記憶制御部105は、表示画面に示されたデータ中に予め定められた文字(例えば、「まとめ」、「結論」など)が含まれている否かを判定し、当該予め定められた文字が含まれている場合に、表示画面に示されたデータが予め定められた一部のデータを含むことを特定する。また、記憶制御部105は、表示画面に示されたデータ中に画像データが含まれている否かを判定し、画像データが含まれている場合に、表示画面に示されたデータが予め定められた一部のデータを含むことを特定してもよい。
【0062】
上記の処理により、単にユーザーがデータを閲覧した時点ではなく、データ中の重要な箇所をユーザーが閲覧した時点から予め定められた時間が経過したタイミングでデータを削除することができる。
【0063】
<補足2>
図17に示すように、サーバー20に記憶されているデータが複数のページから構成されている場合がある。本図に示す例では、“会議資料1.odt”のデータがa1〜a6の6ページから構成されている。
【0064】
この場合、記憶制御部105は、データを構成する複数のページのうちの予め定められた文字を含むページを予め定められた一部のデータとして特定する処理を行う。例えば、「まとめ」、「結論」などの予め定められた文字が図中のa5のページに含まれている場合、記憶制御部105は、a5のページは表示部110に表示された時点から予め定められた時間が経過したタイミングでデータを記憶部130から削除する。
【0065】
また、記憶制御部105は、データを構成する複数のページのうちの予め定められた文字数以上の文字を含むページを予め定められた一部のデータとして特定してもよい。文字数が多いページは重要な内容が記載されているページである可能性が高いため、上記の処理により、データ中の重要な箇所をユーザーが閲覧した時点から予め定められた時間が経過したタイミングでデータを削除することができる。
【0066】
また、記憶制御部105は、上記の予め定められた一部のデータとして特定した予め定められた文字を含むページや予め定められた文字数以上の文字を含むページが表示部110に表示された時点から予め定められた時間が経過したタイミングでデータを記憶部130から削除するのではなく、当該ページが表示部110に表示された状態が予め定められた時間以上継続された時に、データを記憶部130から削除させてもよい。これにより、データ中の重要な箇所をユーザーが一定時間以上閲覧した場合にデータを削除することができる。
【0067】
また、記憶制御部105は、データを構成する全てのページが表示部110に表示された時点から予め定められた時間が経過した時に、データを記憶部130から削除させてもよい。これにより、データを構成する一部のページしかユーザーが閲覧していない状態でデータが記憶部130から削除される事態を回避することができる。
【0068】
<補足3>
また、記憶制御部105は、上記の補足1や補足2に記載した処理で特定したページを示す表示画面が表示部110に表示された時間の総和を計数し、当該計数した時間の総和が予め定められた時間以上となった時に、データを記憶部130から削除させてもよい。ユーザーは、表示画面に示されたページをスクロールする(切り替える)ことで様々なページを閲覧する。この点、上記の処理を行うことで、ユーザーが様々なページを閲覧している間にデータ中の重要なページのトータルの閲覧時間が予め定められた時間以上となったタイミングでデータを削除することができる。
【0069】
<補足4>
また、記憶制御部105は、上記の補足1や補足2に記載した処理で特定した一つまたは複数のページを示す表示画面が表示部110に表示された時点から予め定められた時間が経過した時に、データ自体を記憶部130から削除させるのではなく、記憶部130に記憶された複数のページから構成されたデータの中から当該特定した1つまたは複数のページを削除させてもよい。すなわち、記憶制御部105は、記憶部130に記憶された複数のページから構成されたデータを、当該複数のページから上記特定した1つまたは複数のページを除いたデータに変更する処理を行う。
【0070】
<実施形態6>
図18(A)および
図18(B)は、実施形態6にかかる情報処理装置10およびサーバー20による動作の概要を示す図である。これらの図に示すように、記憶制御部105は、サーバー20と通信して、または、他の前記情報処理装置10と通信して、記憶部130が記憶したサーバー20から受信したデータと同じデータを記憶した他の情報処理装置10を特定する処理を行う。
【0071】
図18(A)は、サーバー20と通信して記憶部130が記憶したサーバー20から受信したデータと同じデータを記憶した他の情報処理装置10を特定する場合を示している。具体的には、情報処理装置10がサーバー20に対して、同じデータを記憶した他の情報処理装置10の情報を要求して、サーバー20側で当該情報を生成して当該情報を情報処理装置10に送信している。
【0072】
一方、
図18(B)は、他の前記情報処理装置10と通信して、記憶部130が記憶したサーバー20から受信したデータと同じデータを記憶した他の情報処理装置10を特定する処理を行う場合を説明している。具体的には、情報処理装置10は、ネットワークNと接続されている複数の他の情報処理装置10のそれぞれと通信を行って、同じデータを記憶しているか否かを問い合わせる処理を行う。
【0073】
実施形態6にかかる情報処理装置10は、上記の
図18(A)または
図18(B)に示す方法により、同じデータを記憶した他の情報処理装置10を特定する処理を行い、当該特定した他の情報処理装置10においてデータが削除された場合に、当該データを記憶部130から削除させる処理を行う。
【0074】
図19は、
図18(A)に示す方法により同じデータを記憶した他の情報処理装置10を特定する場合の詳細な動作の流れを示すフローチャートである。受付部103がサーバー20が記憶しているデータのダウンロード指示を受け付けると(ステップS50においてYES)、通信制御部102は、通信部140にダウンロード要求をサーバー20へ送信させる(ステップS51)。
【0075】
サーバー20の通信部240が情報処理装置10から送信されたダウンロード要求を受信すると(ステップS60)、サーバー20の通信制御部202は、ダウンロード要求に示された送信対象のデータを特定し(ステップS61)、当該特定したデータを通信部240に送信させる(ステップS62)。
【0076】
次に、情報処理装置10の通信制御部102は、通信部140にサーバー20から送信されたデータを受信させる(ステップS52)。そして、記憶制御部105は、ステップS52の処理で通信部140が受信したデータを、記憶部130内の受付部103が受け付けた指示に示された記憶領域内にデータを記憶させる(ステップS53)。
【0077】
ステップS53の処理後、通信制御部102は、同じデータを記憶した他の情報処理装置10の情報を要求する信号を通信部140に送信させる(ステップS54)。サーバー20が当該要求を示す信号を受信すると(ステップS63)、サーバー20の通信制御部202は、サーバー20と接続されている複数の情報処理装置10との間で通信を行い、同じデータを記憶している他の情報処理装置10を特定する(ステップS64)。そして、サーバー20の通信制御部202は、当該特定した情報処理装置を示す情報を通信部240に送信させる(ステップS65)。
【0078】
ステップS65の処理後、同じデータを記憶した他の情報処理装置10において当該データが削除されたことを示す情報が、他の情報処理装置10から送信され、当該情報をサーバー20が受信した場合(ステップS66においてYES)、サーバー20の通信制御部202は、データの削除報告を通信部240に送信させる(ステップS67)。
【0079】
一方、情報処理装置10がステップS65の処理で送信された情報、および、ステップS66の処理で送信された情報を受信すると(ステップS55、S56)、情報処理装置10の記憶制御部105は、記憶部130から上記のデータを削除させる処理を行う(ステップS57)。
【0080】
以上のように、本発明の実施形態6にかかる情報処理装置10およびサーバー20によれば、ネットワークNに接続された他の情報処理装置10において同じデータが削除された場合に、個人が意識することなく当該データを情報処理装置10から削除することが可能になる。
【0081】
<補足1>
記憶制御部105は、記憶部130が記憶したサーバー20から受信したデータと同じデータを記憶した他の情報処理装置10が複数存在する場合、当該複数の他の情報処理装置10のうちの予め定められた割合以上の他の情報処理装置10においてデータが削除された時に、当該データを記憶部130から削除させるようにしてもよい。例えば、同じデータを記憶した他の情報処理装置10が5つ存在する場合、予め定められた割合である50%以上の情報処理装置10(例えば3つ)においてデータが削除された時に、記憶制御部105は、当該データを記憶部130から削除させる。
【0082】
また、情報処理装置10の記憶部130、またはサーバー20の記憶部230に、サーバー20との間でデータの送受信が可能な複数の情報処理装置10のそれぞれについて、当該情報処理装置10の重要度を示すスコアを予め記憶しておいてもよい。
図20は、情報処理装置10の記憶部130に記憶されている情報の一例を示す図である。本図に示す例では、サーバー20と接続された複数の情報処理装置10のそれぞれについて、情報処理装置10の名称と、情報処理装置10の重要度を示すスコアとが記憶されている。
【0083】
そして記憶制御部105は、データが削除された他の情報処理装置10の上記のスコアを合算して、当該合算した値が予め定められた値以上となった時に、データを記憶部130から削除させる処理を行う。これにより、ネットワークNに接続された他の情報処理装置10のうちの重要度が高い情報処理装置10において同じデータが削除された場合に、データを情報処理装置10から削除することが可能になる。
【0084】
<補足2>
記憶制御部105は、記憶部130から削除したデータと同一のデータであって、サーバー20が記憶しているデータにアクセスすることが可能なリンク情報を生成して、当該生成したリンク情報を記憶部130内の削除したデータが記憶されていた記憶領域に記憶させてもよい。これにより、サーバー20からダウンロードしたデータを個人の情報処理装置10から削除した場合であっても、その後に個人がサーバー20上のオリジナルのデータに容易にアクセスすることができる。
【0085】
<実施形態7>
図21は、実施形態7にかかる情報処理装置10およびサーバー20による動作の流れを示すフローチャートである。受付部103がサーバー20が記憶しているデータのダウンロード指示を受け付けると(ステップS70においてYES)、通信制御部102は、通信部140にダウンロード要求をサーバー20へ送信させる(ステップS71)。当該ダウンロード要求には、ダウンロード対象のデータを特定する情報に加えて、サーバー20に記憶されている関連付け情報をデータとともに送信すべき命令が含まれている。
【0086】
図22は、サーバー20の記憶部230に予め記憶されている関連付け情報の一例を示す図である。関連付け情報とは、サーバー20に記憶された複数のデータの間で互いに関連付けられたデータを示す情報である。本図では、例えば、サーバー20内の“会議資料1.odt”のデータと“会議資料2.odt”のデータとが関連付けられている。
【0087】
サーバー20の通信部240が情報処理装置10から送信されたダウンロード要求を受信すると(ステップS80)、サーバー20の通信制御部202は、ダウンロード要求に示された送信対象のデータを特定する(ステップS81)。そしてサーバー20の通信制御部202は、当該特定したデータとともに記憶部230に記憶された関連付け情報を通信部240に送信させる(ステップS82)。
【0088】
情報処理装置10の通信制御部102は、通信部140にサーバー20から送信されたデータおよび関連付け情報を受信させる(ステップS72)。そして、記憶制御部105は、ステップS72の処理で通信部140が受信したデータを、記憶部130内の受付部103が受け付けた指示に示された記憶領域内にデータを記憶させる(ステップS73)。
【0089】
ステップS73の処理後に受付部103がサーバー20からダウンロードしたデータの削除指示を受け付けた場合(ステップS74においてYES)、情報処理装置10の記憶制御部105は、ステップS72の処理で受信した関連付け情報に基づいて、削除対象のデータに関連付けられているデータが記憶部130に記憶されているか否かを判定する処理を行う(ステップS75)。削除対象のデータに関連付けられているデータが記憶されている場合(ステップS75においてYES)、記憶制御部105は、削除指示を受け付けたデータとともに、削除指示を受け付けたデータに関連付けられたデータを記憶部130から削除させる(ステップS76、S77)。一方、削除対象のデータに関連付けられているデータが記憶されていない場合(ステップS75においてNO)、記憶制御部105は、削除指示を受け付けたデータのみを記憶部130から削除させる(ステップS77)。
【0090】
以上のように、本発明の実施形態7にかかる情報処理装置10およびサーバー20によれば、サーバー20から複数のデータをダウンロードした場合に、関連付けられたデータの一方のみを削除する指示を入力するだけで、関連する他方のデータも記憶部130から削除することができる。またこれにより、関連する一方のデータのみを削除したが、他方のデータを削除し忘れるという事態を回避することができる。
【0091】
<補足1>
サーバー20の記憶制御部203は、記憶している複数のデータを解析することで同じ文字列が予め定められた量以上存在する2つ以上のデータを特定し、当該特定した2つ以上のデータを互いに関連付けられたデータとする関連付け情報を生成するとともに、当該生成した関連付け情報を記憶部230に記憶させてもよい。同じ文字列が予め定められた量以上存在するデータは互いに関連する内容を示すデータである可能性が高いため、上記の処理を行うことでサーバー20側でデータの関連付けを行うことができる。
【0092】
また、情報処理装置10は、表示制御部104による制御のもと、表示部110に
図23に示すような操作画面D6を表示してもよい。記憶制御部105は、当該操作画面D6において受付部103が受け付けた操作に基づき、サーバー20が記憶している複数のデータの中から互いに関連付けられた2つ以上のデータを特定する。そして、通信制御部102は、記憶制御部105が特定した関連付けられた2つ以上のデータを示す情報を通信部140にサーバー20へ送信させる。サーバー20は、情報処理装置10から送信された上記の情報に基づいて関連付け情報を生成する。これにより、情報処理装置10において所望のデータを関連付けることができる。
【0093】
<補足2>
情報処理装置10の記憶制御部105は、
図21のステップS76、S77のデータを記憶部130から削除させる処理を行う前に、削除させるデータがサーバー20に記憶されているか否かを特定する処理を行ってもよい。具体的には、情報処理装置10の通信制御部102による制御のもと、通信部140を介してサーバー20と通信を行うことで、削除させるデータがサーバー20に記憶されているか否かを特定する。
【0094】
そして記憶制御部105は、削除させるデータがサーバー20から削除されている場合に、データを記憶部130から削除させる処理を行わない。一方、削除させるデータがサーバー20に記憶されている場合に、データを記憶部130から削除させる処理(ステップS76、S77)を行う。上記の処理により、サーバー20からデータが削除された状態で、情報処理装置10においてもデータを削除してしまい、そのデータにアクセスできなくなる事態を回避することができる。
【0095】
<補足3>
通信部140がサーバー20から受信して記憶部130に記憶させたデータがサーバー20に記憶されたディレクトリ内のデータである場合がある。この場合、情報処理装置10の通信制御部102は、予め定められた時間毎にディレクトリ内のデータがサーバ20内において更新または追加されたか否かを判定する処理を行ってもよい。具体的には、通信部140を介してサーバー20と通信を行うことで上記の判定処理を行う。そしてサーバー20に記憶されたディレクトリ内のデータが更新または追加された時に、通信制御部102は、当該更新または追加されたデータを通信部140にサーバー20から受信させる。その後、記憶制御部105は、通信部140がサーバー20から受信した更新または追加されたデータを記憶部130に記憶させる。
【0096】
上記の処理により、データのダウンロード後にサーバー20において更新または追加されたデータを、個人が意識することなく情報処理装置10内に反映させることが可能となる。
【0097】
<補足4>
図24は、補足4に示す例において、サーバー20の記憶部230に予め記憶されている関連付け情報の一例を示す図である。本図に示す例では、“会議資料1.odt”および“会議資料3.odt”のデータについては、“会議資料2.odt”のデータのみに関連付けられている。一方、“会議資料2.odt”のデータについては、“会議資料1.odt”および“会議資料3.odt”の両方のデータに関連付けられている。
【0098】
記憶制御部105は、受付部103が削除指示を受け付けた1つのデータに関連付けられているデータが記憶部130に複数存在する時に、当該1つのデータとともに関連付けられている複数のデータを記憶部130から削除させる処理を行う。例えば、受付部103が“会議資料2.odt”のデータについての削除指示を受け付けた場合、記憶制御部105は、“会議資料2.odt”のデータとともに、“会議資料1.odt”および“会議資料3.odt”のデータを記憶部130から削除させる。一方、受付部103が1つのデータのみに関連付けられている“会議資料1.odt”または“会議資料3.odt”のデータについての削除指示を受け付けた場合、記憶制御部105は、“会議資料1.odt”または“会議資料3.odt”のデータとともに、“会議資料2.odt”のデータを記憶部130から削除させる。
【0099】
なお、本発明は、上記の実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。
【0100】
上記の実施の形態および変形例で説明したプログラムをコンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリーなどに記録したものとしてもよい。
【0101】
また、上記の実施の形態および変形例で示した構成を、部分的に組み合せてもよい。