(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光源は、発光素子と、前記発光素子が実装面に実装された基板と、前記実装面に対向するように設けられたガラス板とを有し、前記基板と前記ガラス板との間に形成された空間内に前記発光素子が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスクロマトグラフ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載のガスクロマトグラフでは、光源がオーブンの外部に設けられている。そのため、オーブンの外部に、光源やその周辺の部材を配置するスペースを確保する必要があり、ガスクロマトグラフが大型化するという不具合があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、作業性を向上でき、かつ、小型化を実現できるガスクロマトグラフを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係るガスクロマトグラフは、カラムオーブンと、試料導入部と、検出器と、光源とを備える。前記カラムオーブンは、内部にカラムが収容される。前記試料導入部は、前記カラムの一端に対する第1接続部を前記カラムオーブン内の上部に有する。前記検出器は、前記カラムの他端に対する第2接続部を前記カラムオーブン内の上部に有する。前記光源は、前記カラムオーブン内に設けられ、前記カラムオーブン内の上面に向けて光を照射する。
【0008】
このような構成によれば、試料導入部における第1接続部、及び、検出器における第2接続部は、カラムオーブン内の上部に設けられる。光源は、カラムオーブン内の上面に向けて光を照射する。
【0009】
そのため、試料導入部における第1接続部、及び、検出器における第2接続部が設けられており、作業者がメンテナンスを行う頻度の高いカラムオーブン内の上面に向けて光源からの光を照射できる。
その結果、ガスクロマトグラフにおける作業性を向上できる。
また、光源は、カラムオーブン内に設けられる。
そのため、カラムオーブンの外部に、光源を設けるためのスペースを確保する必要がなくなり、ガスクロマトグラフの小型化を実現できる。
このように、本発明に係るガスクロマトグラフによれば、作業性を向上でき、かつ、小型化を実現できる。
【0010】
(2)また、前記光源は、前記カラムオーブン内の上面における前記第1接続部と前記第2接続部との間に光を照射してもよい。
【0011】
このような構成によれば、カラムオーブン内において、試料導入部における第1接続部、及び、検出器における第2接続部を光源からの光によって照らすことができる。
そのため、ガスクロマトグラフにおける作業性を一層向上できる。
【0012】
(3)また、前記カラムオーブンは、外装と、断熱材とを有してもよい。前記外装は、その外表面を形成する箱状である。前記断熱材は、前記外装の内側に設けられている。前記光源は、前記外装と前記断熱材との間の空間に設けられていてもよい。
【0013】
このような構成によれば、カラムオーブンにおける外装と断熱材との間の空間を利用して、光源を配置できる。
そのため、カラムオーブンが大型化することを抑制できる。
また、光源は、断熱材の外部に配置される。
そのため、カラムオーブンの内部の熱の影響で光源が高温になることを抑制できる。
【0014】
(4)また、前記断熱材には、前記光源からの光の光路上に開口が形成されていてもよい。前記開口内には、透光部材が設けられていてもよい。前記透光部材は、前記光源からの光を透過させる。
【0015】
このような構成によれば、光源からの光を、透光部材を透過させるようにしてカラムオーブンの内部に向かわせることができるとともに、透光部材によって、カラムオーブンの内部と、断熱材の外部との間での熱交換を抑制できる。
【0016】
(5)また、前記透光部材は、断熱部材と、1対のガラス板とを有してもよい。前記断熱部材は、貫通孔を有する。前記1対のガラス板は、前記貫通孔を塞ぐように前記断熱部材を挟み込む。
【0017】
このような構成によれば、光源からの光を、1対のガラス板を透過させるようにしてカラムオーブンの内部に向かわせることができるとともに、1対のガラス板、及び、断熱部材によって、カラムオーブンの内部と、断熱材の外部との間での熱交換を抑制できる。
【0018】
(6)また、前記光源は、発光素子と、基板と、ガラス板とを有してもよい。前記基板には、前記発光素子が実装面に実装される。前記ガラス板は、前記実装面に対向するように設けられる。前記基板と前記ガラス板との間に形成された空間内に前記発光素子が配置されていてもよい。
【0019】
このような構成によれば、基板とガラス板との間に形成された空間を利用して、発光素子を配置できる。
また、発光素子からの光を、ガラス板を透過させるようにしてカラムオーブン内に向かわせることができるとともに、ガラス板によって、発光素子周辺の領域と、外部領域との間での熱交換を抑制できる。
【0020】
(7)また、前記基板と前記ガラス板との間には、板金部材が設けられていてもよい。前記板金部材が前記カラムオーブンに設けられた伝熱部材に接触していてもよい。
【0021】
このような構成によれば、基板周辺の熱を、板金部材を介して伝熱部材に伝達させることができる。
そのため、基板周辺が高温になることを抑制できる。
【0022】
(8)また、前記基板には、貫通孔が形成されていてもよい。前記貫通孔は、前記基板と前記ガラス板との間に形成された空間内に連通する。
【0023】
このような構成によれば、基板に形成された貫通孔を介して、基板周辺の空気を対流させることができる。
そのため、基板周辺が高温になることを一層抑制できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、作業者がメンテナンスを行う頻度の高いカラムオーブン内の上面に向けて光源からの光を照射できる。そのため、ガスクロマトグラフにおける作業性を向上できる。また、光源は、カラムオーブン内に設けられる。そのため、カラムオーブンの外部に、光源を設けるためのスペースを確保する必要がなり、ガスクロマトグラフの小型化を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
1.ガスクロマトグラフの全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ1の構成例を示した概略図である。
【0027】
ガスクロマトグラフ1は、キャリアガスとともに試料ガスをカラム2内に供給することにより分析を行うためのものであり、上記カラム2以外に、カラムオーブン3、試料導入部4、検出器5、透光部材6及び光源7などを備えている。ガスクロマトグラフ1では、これらの部材は、筐体10内に配置されている。
カラム2は、例えば、キャピラリカラムからなる。カラム2は、ヒータ及びファンなど(いずれも図示せず)とともにカラムオーブン3内に収容されている。
【0028】
カラムオーブン3は、カラム2を加熱するためのものであり、分析時にはヒータ及びファンを適宜駆動させる。カラムオーブン3は、外装31と、第1内装32と、第2内装33と、断熱材34とを備えている。
外装31は、箱状に形成されている。外装31は、カラムオーブン3の外表面を形成している。
第1内装32は、外装31よりも小さい箱状に形成されており、外装31内に配置されている。
【0029】
第2内装33は、第1内装32よりも小さい箱状に形成されており、第1内装32内に配置されている。第1内装32及び第2内装33が、カラムオーブン3の内装を構成している。すなわち、カラムオーブン3の内装のうち、第1内装32は、外方側に配置され、第2内装33は、内方側に配置されている。第1内装32と第2内装33とは、間隔を隔てて配置されている。
【0030】
断熱材34は、第1内装32と第2内装33との間に配置されている(介在している)。断熱材34は、箱状に形成されている。断熱材34の側壁には、断熱材34を厚み方向に貫通する開口341が形成されている。開口341は、後述する光源7からの光の光路上に位置している。また、図示しないが、断熱材34、外装31、第1内装32及び第2内装33のそれぞれは、その一端部が開放されている。そして、第2内装(断熱材34)の内部空間は、カラムオーブン3の開口部として形成されている。
【0031】
試料導入部4は、カラムオーブン3の上部に設けられている。試料導入部4の下端部は、カラムオーブン3の第2内装33の上面から下方に突出している。試料導入部4の下端部は、カラム2の一端が接続される第1接続部41を構成している。試料導入部4は、カラム2内にキャリアガス及び試料ガスを導入するためのものであり、その内部に試料気化室(図示せず)が形成されている。この試料気化室には、液体試料が注入され、試料気化室内で気化された試料が、キャリアガスとともにカラム2内に導入される。また、試料気化室には、ガス供給流路8及びスプリット流路9が連通している。
ガス供給流路8は、試料導入部4の試料気化室内にキャリアガスを供給するための流路である。
【0032】
スプリット流路9は、スプリット導入法によりカラム2内にキャリアガス及び試料ガスを導入する際に、試料気化室内のガス(キャリアガス及び試料ガスの混合ガス)の一部を所定のスプリット比で外部に排出するための流路である。
【0033】
検出器5は、カラムオーブン3の上部に設けられており、かつ、試料導入部4と間隔を隔てて配置されている。検出器5の下端部は、カラムオーブン3の第2内装33の上面から下方に突出している。検出器5の下端部は、カラム2の他端が接続される第2接続部51を構成している。検出器5は、例えば、水素炎イオン化検出器(FID)や、炎光光度検出器(FPD)により構成される。検出器5は、カラム2から導入されるキャリアガスに含まれる各試料成分を順次検出する。
透光部材6は、断熱材34に形成された開口341内に設けられている。透光部材6は、光を透過させるように構成されている。
【0034】
光源7は、カラムオーブン3内に設けられている。具体的には、光源7は、外装31と、第1内装32(断熱材34)との間の空間に設けられており、水平方向において、透光部材6と対向する位置に配置されている。
【0035】
ガスクロマトグラフ1において試料の測定が行われる場合には、まず、分析対象となる試料が試料導入部4に注入される。試料は、試料気化室において気化される。また、試料導入部4の試料気化室には、ガス供給流路8を介してキャリアガスが供給される。
【0036】
試料気化室内で気化された試料は、キャリアガスとともにカラム2内に導入される。試料に含まれる各試料成分は、カラム2内を通過する過程で分離されて、検出器5に順次導入される。
【0037】
そして、検出器5において、カラム2から導入されるキャリアガスに含まれる各試料成分が順次検出される。ガスクロマトグラフ1では、検出器5の検出信号に基づいてクロマトグラムが生成される。ユーザは、得られたクロマトグラムを確認して、各種分析を行う。
【0038】
また、ガスクロマトグラフ1においてカラムオーブン3内のメンテナンスを行う場合など、作業者がカラムオーブン3内の作業を行う場合には、光源7から光が出射される。図示しないが、ガスクロマトグラフ1では、カラムオーブン3の開口部を閉塞する開閉扉が設けられており、例えば、開閉扉を開ける動作に伴って、光源7から光が出射される。光源7からの光は、透光部材6を透過してカラムオーブン3内に導かれ、カラムオーブン3(第2内装33)の上面を照らす。具体的には、光源7は、第2内装33の上面における試料導入部4の第1接続部41と、検出器5の第2接続部51との間の部分に光を照射する。
このようにカラムオーブン3内が照らされることにより、作業者は、カラムオーブン3の内部を容易に視認しながらメンテナンス等の作業を行うことができる。
【0039】
2.透光部材及び光源の詳細構成
図2は、ガスクロマトグラフ1における透光部材6、光源7及びその周辺の部材の詳細を示した断面図である。
【0040】
透光部材6は、上記したように、断熱材34に形成された開口341内に設けられている。開口341は、側面視矩形状に形成されており、断熱材34の側壁を厚み方向に貫通している。透光部材6は、側面視矩形状に形成されている。透光部材6は、断熱部材61と、1対のガラス板62とを備えている。
【0041】
断熱部材61は、側面視形状に形成されており、所定の厚みを有している。断熱部材61の厚みは、開口341の厚み(深さ)よりもやや小さい。断熱部材61は、断熱材34と同一の材料(断熱材料)からなる。断熱部材61には、貫通孔611が形成されている。貫通孔611は、側面視円形状であって、断熱部材61を厚み方向に貫通している。
【0042】
1対のガラス板62は、厚み方向において、断熱部材61の両側に配置されている。換言すれば、1対のガラス板62は、断熱部材61を挟みこんでいる。1対のガラス板62は、貫通孔611を塞いでいる。各ガラス板62は、矩形状の平板状に形成されている。側面視において(厚み方向に見た状態において)、各ガラス板62の外形は、断熱部材61の外形とほぼ同一形状になっている。断熱部材61の貫通孔611は、1対のガラス板62によって閉塞されている。
【0043】
光源7は、上記したように、外装31と、第1内装32(断熱材34)との間の空間に設けられている。光源7は、基板71と、第1板金部材72と、スペーサ板73と、複数(4つ)のスペーサ環74と、ガラス板75と、第2板金部材76とを備えている。光源7では、これらの部材が積層されている。
【0044】
図3は、光源7を示した斜視図であって、基板71側から見た状態を示している。
図4は、光源7を示した斜視図であって、第2板金部材76側から見た状態を示している。
図5は、
図4のA−A線に沿う断面図である。
【0045】
基板71は、矩形状の平板状に形成されており、所定の厚みを有している。基板71の中央部には、複数(4つ)の貫通孔711が形成されている。各貫通孔711は、基板71を厚み方向に貫通している。複数(4つ)の貫通孔711は、互いに間隔を隔てて配置されている。
図5に示すように、基板71には、複数の発光素子77が実装されている。
【0046】
複数の発光素子77は、基板71の一方側の面における中央部に配置されている。具体的には、複数の発光素子77は、基板71において、貫通孔711が形成される位置よりも中央側の位置に配置されている。
【0047】
なお、以下の光源7の構成については、基板1に対して発光素子77が配置される側(
図5の上方側)を厚み方向一方側とし、基板1に対して発光素子77が配置される側と反対側(
図5の下方側)を厚み方向他方側として説明する。
【0048】
図2及び
図3に示すように、第1板金部材72は、基板71に対して、厚み方向一方側に配置されている。第1板金部材72は、複数の屈曲部分を有する板状に形成されている。第1板金部材72は、積層部721と、第1端部722と、第2端部723とを備えている。
【0049】
積層部721は、平板状に形成されている。
図5に示すように、積層部721には、開口721aが形成されている。開口721aは、厚み方向に見たときの形状が円形状であって、積層部721の中央部を厚み方向に貫通している。開口721a内には、基板71に実装された複数の発光素子77が配置されている。また、開口721aは、基板71の貫通孔711と連通している。
図2及び
図3に示すように、第1端部722は、平板状に形成されており、積層部721から屈曲するように延びている。
第2端部723は、L字状に屈曲された板状に形成されており、積層部721から、第1端部722が延びる方向と反対側に延びている。
【0050】
図4及び
図5に示すように、スペーサ板73は、第1板金部材72に対して、厚み方向一方側に配置されている。スペーサ板73は、矩形状の平板状に形成されている。スペーサ板73には、開口73aが形成されている。開口73aは、厚み方向に見たときの形状が円形状であって、スペーサ板73の中央部を厚み方向に貫通している。スペーサ板73の開口73aの径は、第1板金部材72の開口721aの径よりもやや小さい。スペーサ板73の開口73aは、第1第1板金部材72の開口721aと連通している。
【0051】
複数のスペーサ環74は、スペーサ板73に対して、厚み方向一方側に配置されている。具体的には、各スペーサ環74は、スペーサ板73の各角部分に対して、厚み方向一方側に配置されている。各スペーサ環74は、環状の部材である。
【0052】
ガラス板75は、スペーサ板73に対して、厚み方向一方側に配置されている。具体的には、ガラス板75は、スペーサ板73の中央部分に対して、厚み方向一方側に配置されている。厚み方向において、ガラス板75は、各スペーサ環74とほぼ同一の位置に配置されている。ガラス板75は、矩形状の平板状に形成されている。ガラス板75の厚みは、各スペーサ環74の厚みとほぼ同一である。
【0053】
ガラス板75と、第1板金部材72との間には、Oリング78が配置されている。換言すれば、Oリング78は、スペーサ板73の開口73aの内方に配置されている。
【0054】
第2板金部材76は、ガラス板75及び各スペーサ環74に対して、厚み方向一方側に配置されている。第2板金部材76は、矩形状の平板状に形成されている。第2板金部材76には、開口76aが形成されている。開口76aは、厚み方向に見たときの形状が円形状であって、第2板金部材76の中央部を厚み方向に貫通している。
【0055】
図示しないが、基板71、第1板金部材72、スペーサ板73、ガラス板75及び第2板金部材76のそれぞれには、各角部分にねじ穴が形成されている。そして、厚み方向に連通するねじ穴にねじ80が挿通されるとともに、このねじ80が締め付けられることで、各部材が固定されて光源7が構成される。このとき、各ねじ80は、各スペーサ環74の内部空間に挿通されている。
【0056】
このように光源7が構成されている状態においては、スペーサ板73と第2板金部材76との間には、スペーサ環74が配置されているため、ガラス板75に対して、スペーサ板73及び第2板金部材76から一定以上の押圧力がかかることが抑制される。また、第1板金部材72とガラス板75との間には、スペーサ板73が配置されているため、第1板金部材72とガラス板75との間に空間がある状態が保たれる。
【0057】
また、基板71とガラス板75との間には、スペーサ板73の開口73a、及び、第1第1板金部材72の開口721aで構成される空間が形成されている。そして、この空間に、複数の発光素子77が配置されている。また、この空間(スペーサ板73の開口73a、及び、第1第1板金部材72の開口721a)は、基板71の貫通孔711を介して、基板71の厚み方向他方側(基板71の下方側)の空間と連通している。
【0058】
3.光源の固定、及び、光源からの光の出射
図2に示すように、ガスクロマトグラフ1において、外装31と第1内装32との間には、第1伝熱部材91と、第2伝熱部材92とが設けられている。第1伝熱部材91及び第2伝熱部材92のそれぞれは、平板状に形成されている。第1伝熱部材91と第2伝熱部材92とは、上下方向に間隔を隔てて配置されており、第1伝熱部材91が上方側に配置され、第2伝熱部材92が下方側に配置されている。第1伝熱部材91及び第2伝熱部材92のそれぞれは、外装31と間隔を隔てて平行に配置されている。第1伝熱部材91と第2伝熱部材92との間の領域は、透光部材6と対向する位置に配置されている。
【0059】
光源7は、第1板金部材72の第1端部722が、第1伝熱部材91に対してねじ93で固定され、第1板金部材72の第2端部723が、第2伝熱部材92に対してねじ94で固定されることで、外装31と第1内装32との間の空間に固定配置される。
この状態において、光源7は、水平方向において、透光部材6と間隔を隔てて配置されている。また、光源7の基板71は、上下方向に対してやや傾いている。
【0060】
基板71に実装された発光素子77から光が出射されると、その光は、スペーサ板73の開口73aを通過した後、ガラス板75を透過し、さらに、第2板金部材76の開口76aを通過して、透光部材6に向かう。そして、光源7(発光素子77)からの光は、透光部材6の一方のガラス板62を透過した後、貫通孔611を通過し、さらに、他方のガラス板62を透過してカラムオーブン3の内部に向かう。このとき、光源7(発光素子77)からの光は、上下方向に対してやや傾く角度で出射される。そして、
図1に示すように、光源7からの光は、第2内装33の上面における、試料導入部4の第1接続部41と検出器5の第2接続部51との間の部分を照らす。
【0061】
4.光源周辺の熱
ガスクロマトグラフ1において分析動作が行われる際には、カラムオーブン3内は、例えば、450°の高温状態となる。
【0062】
一方、カラムオーブン3の内部と、基板71周辺の領域とは、1対のガラス板62、及び、ガラス板75によって遮断されている。そのため、カラムオーブン3の内部の空気と、基板71周辺の空気との間で対流が起こることが防止される。また、ガラス板62及びガラス板75は、伝熱性が低い。そのため、カラムオーブン3の内部の熱が、基板71に伝わることが抑制される。
また、基板71周辺の熱は、第1板金部材72を介して、第1伝熱部材91及び第2伝熱部材92に伝達される。
【0063】
さらに、基板71とガラス板75との間の空気は、基板71の貫通孔711を介して、外装31側の空気と入れ替わるように対流する。そのため、基板71とガラス板75との間の空気が高温になった場合でも、その空気を外装31側の低温の空気と入れ替えることができる。
このようにして、基板71周辺の領域を低温に保つことができる。
【0064】
5.作用効果
(1)本実施形態によれば、
図1に示すように、ガスクロマトグラフ1では、試料導入部4における第1接続部41、及び、検出器5における第2接続部51は、カラムオーブン3内の上部に設けられる。光源7は、カラムオーブン3(第2内装33)内の上面に向けて光を出射する。
【0065】
すなわち、試料導入部4における第1接続部41、及び、検出器5における第2接続部51が設けられており、作業者がメンテナンスを行う頻度の高いカラムオーブン3(第2内装33)内の上面に向けて光源からの光を照射できる。
そのため、ガスクロマトグラフ1における作業性を向上できる。
【0066】
また、光源7は、カラムオーブン3内に設けられる。
そのため、カラムオーブン3の外部に、光源7を設けるためのスペースを確保する必要がなくなり、ガスクロマトグラフ1の小型化を実現できる。
このように、ガスクロマトグラフ1によれば、作業性を向上でき、かつ、小型化を実現できる。
【0067】
(2)また、本実施形態によれば、
図1に示すように、ガスクロマトグラフ1において、光源7は、カラムオーブン3(第2内装33)内の上面における、試料導入部4の第1接続部41と、検出器5の第2接続部51との間の部分に光を照射する。
【0068】
すなわち、カラムオーブン3内において、試料導入部4における第1接続部41、及び、検出器5における第2接続部51を光源7からの光によって照らすことができる。
そのため、ガスクロマトグラフ1における作業性を一層向上できる。
【0069】
(3)また、本実施形態によれば、
図1に示すように、ガスクロマトグラフ1において、光源7は、外装31と、断熱材34(第1内装32)との間の空間に設けられる。
【0070】
すなわち、ガスクロマトグラフ1では、カラムオーブン3における外装31と断熱材34(第1内装32)との間の空間を利用して、光源7を配置できる。
そのため、カラムオーブン3が大型化することを抑制できる。
また、光源7は、断熱材34の外部に配置される。
そのため、カラムオーブン3の内部の熱の影響で光源7が高温になることを抑制できる。
【0071】
(4)また、本実施形態によれば、
図2に示すように、ガスクロマトグラフ1において、断熱材34の開口341内には、透光部材6が設けられている。透光部材6は、光源7からの光を透過させる。
【0072】
そのため、光源7からの光を、透光部材6を透過させるようにしてカラムオーブン3の内部に向かわせることができるとともに、透光部材6によって、カラムオーブン3の内部と、断熱材34の外部との間での熱交換を抑制できる。
【0073】
(5)また、本実施形態によれば、
図2に示すように、ガスクロマトグラフ1において、透光部材6は、断熱部材61と、1対のガラス板62とを備えている。断熱部材61には、貫通孔611が形成されている。1対のガラス板62は、貫通孔611を塞ぐようにして断熱部材61を挟み込む。
【0074】
そのため、光源7からの光を、1対のガラス板62を透過させるようにしてカラムオーブン3の内部に向かわせることができるとともに、1対のガラス板62、及び、断熱部材61によって、カラムオーブン3の内部と、断熱材34の外部との間での熱交換を抑制できる。
【0075】
(6)また、本実施形態によれば、
図5に示すように、ガスクロマトグラフ1において、発光素子77は、基板71とガラス板75との間に形成された空間内に配置される。
【0076】
そのため、基板71とガラス板75との間に形成された空間を利用して、発光素子77を配置できる。
また、発光素子77からの光を、ガラス板75を透過させるようにしてカラムオーブン3の内部に向かわせることができるとともに、ガラス板75によって、発光素子77周辺の領域と、外部領域(ガラス板75の厚み方向一方側の領域)との間での熱交換を抑制できる。
【0077】
(7)また、本実施形態によれば、
図5に示すように、ガスクロマトグラフ1において、基板71とガラス板75との間には、第1板金部材72が設けられている。第1板金部材72は、カラムオーブン3内に設けられた第1伝熱部材91及び第2伝熱部材92に接触している。
【0078】
そのため、基板71周辺の熱を、基板71を介して第1伝熱部材91及び第2伝熱部材92に伝達させることができる。
その結果、基板71周辺が高温になることを抑制できる。
【0079】
(8)また、本実施形態によれば、
図3に示すように、基板71には、複数の貫通孔711が形成されている。基板71の貫通孔711は、基板71とガラス板75との間に形成された空間内に連通する。
【0080】
そのため、基板71とガラス板75との間の空気を、基板71の貫通孔711を介して、外装31側の空気と入れ替わるように対流させることができる。
その結果、基板71とガラス板75との間の空気が高温になった場合でも、その空気を外装31側の低温の空気と入れ替えることができる。
よって、基板71周辺が高温になることを一層抑制できる。