【実施例】
【0028】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
【0029】
[実施例1]
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、第2のポリエチレン樹脂層の上に、下記の組成からなる断熱層塗布液を、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、断熱層を形成した。
【0030】
「断熱層塗布液の組成」
断熱層塗布液の組成は、次の通りである。
・中空粒子(スチレンアクリル、粒径0.3μm、固形分30質量%):90.0質量部
・ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製):10.0質量部
その後、断熱層の上に、下記の組成のインク受容層塗布液−1を、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、インク受容層を形成し、実施例1の昇華転写用受像シートを得た。
ここで、インク受容層塗布液−1には、下記組成のシリコーンオイル担持無機微粒子−1が配合されている。
【0031】
「シリコーンオイル担持無機微粒子−1の組成」
シリコーンオイル担持無機微粒子−1の組成は、次の通りである。
・シリコーンオイル(商品名:KF−8004、信越化学工業社製):60.0質量部
・シランカップリング剤(商品名:KBM−9659、信越化学工業社製):10.0質量部
・疎水性乾式シリカ:30質量部
上記の材料を室温で2時間攪拌し、シリコーンオイル担持無機微粒子−1を得た
【0032】
「インク受容層塗布液−1の組成」
インク受容層塗布液−1の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製):55.6質量部
・ポリイソシアネート(商品名:DNW−6000、DIC社製):1.65質量部
・シリコーンオイル担持無機微粒子−1:1.05質量部
・純水:41.75質量部
【0033】
[実施例2]
インク受容層を、下記の組成のインク受容層塗布液−2を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の昇華転写用受像シートを得た。
【0034】
「インク受容層塗布液−2の組成」
インク受容層塗布液−2の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製):55.6質量部
・シリコーンオイル担持無機微粒子−1:2.22質量部
・純水:42.22質量部
【0035】
[実施例3]
インク受容層を、下記の組成のインク受容層塗布液−3を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の昇華転写用受像シートを得た。
ここで、インク受容層塗布液−3には、下記組成のシリコーンオイル担持無機微粒子−2が配合されている。
【0036】
「シリコーンオイル担持無機微粒子−2の組成」
シリコーンオイル担持無機微粒子−2の組成は、次の通りである。
・シリコーンオイル(商品名:KF−8002、信越化学工業社製):60.0質量部
・シランカップリング剤(商品名:KBM−9659、信越化学工業社製):10.0質量部
・疎水性乾式シリカ:30質量部
上記の材料を室温で2時間攪拌し、シリコーンオイル担持無機微粒子−2を得た。
【0037】
「インク受容層塗布液−3の組成」
インク受容層塗布液−3の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製):55.6質量部
・ポリイソシアネート(商品名:DNW−6000、DIC社製):1.65質量部
・シリコーンオイル担持無機微粒子−2:1.05質量部
・純水:41.75質量部
【0038】
[実施例4]
インク受容層を、下記の組成のインク受容層塗布液−4を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の昇華転写用受像シートを得た。
ここで、インク受容層塗布液−4には、下記組成のシリコーンオイル担持無機微粒子−3が配合されている。
【0039】
「シリコーンオイル担持無機微粒子−3の組成」
シリコーンオイル担持無機微粒子−3の組成は次の通りである。
・シリコーンオイル(商品名:KF−861、信越化学工業社製):60.0質量部
・シランカップリング剤(商品名:KBM−9659、信越化学工業社製):10.0質量部
・疎水性乾式シリカ:30質量部
上記の材料を室温で2時間攪拌し、シリコーンオイル担持無機微粒子−3を得た。
【0040】
「インク受容層塗布液−4」
インク受容層塗布液−4の組成は次に通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製):55.6質量部
・ポリイソシアネート(商品名:DNW−6000、DIC社製):1.65質量部
・シリコーンオイル担持無機微粒子−3:1.05質量部
・純水:41.75質量部
【0041】
[実施例5]
インク受容層を、下記の組成のインク受容層塗布液−5を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の昇華転写用受像シートを得た。
ここで、インク受容層塗布液−5には、下記組成のシリコーンオイル担持無機微粒子−4が配合されている。
【0042】
「シリコーンオイル担持無機微粒子−4の組成」
シリコーンオイル担持無機微粒子−4の組成は次の通りである。
・シリコーンオイル(商品名:X−22−3939A、信越化学工業社製):60.0質量部
・シランカップリング剤(商品名:KBM−9659、信越化学工業社製):10.0質量部
・疎水性乾式シリカ:30質量部
上記の材料を室温で2時間攪拌し、シリコーンオイル担持無機微粒子−4を得た。
【0043】
「インク受容層塗布液−5の組成」
インク受容層塗布液−5の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製):55.6質量部
・ポリイソシアネート(商品名:DNW−6000、DIC社製):1.65質量部
・シリコーンオイル担持無機微粒子−4:1.05質量部
・純水:41.75質量部
【0044】
[比較例1]
インク受容層を、下記の組成のインク受容層塗布液−6を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の昇華転写用受像シートを得た。
【0045】
「インク受容層塗布液−6の組成」
インク受容層塗布液−6の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製):55.6質量部
・ポリイソシアネート(商品名:DNW−6000、DIC社製):1.65質量部
・シリコーンオイル(商品名:KF−8004、信越化学工業社製):1.05質量部
・純水:41.75質量部
【0046】
[比較例2]
インク受容層を、下記の組成のインク受容層塗布液−7を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の昇華転写用受像シートを得た。
【0047】
「インク受容層塗布液−7の組成」
インク受容層塗布液−7の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製):55.6質量部
・ポリイソシアネート(商品名:DNW−6000、DIC社製):1.65質量部
・シリコーンオイル(商品名:KF−8004、信越化学工業社製):0.75質量部
・疎水性乾式シリカ:0.30質量部
・純水:41.75質量部
【0048】
[比較例3]
インク受容層を、下記の組成のインク受容層塗布液−8を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の昇華転写用受像シートを得た。
【0049】
「インク受容層塗布液−8の組成」
インク受容層塗布液−8の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製):55.6質量部
・ポリイソシアネート(商品名:DNW−6000、DIC社製):1.65質量部
・シリコーンオイル(商品名:KF−8002、信越化学工業社製):0.75質量部
・疎水性乾式シリカ:0.30質量部
・純水:41.75質量部
【0050】
[比較例4]
インク受容層を、下記の組成のインク受容層塗布液−9を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の昇華転写用受像シートを得た。
【0051】
「インク受容層塗布液−9の組成」
インク受容層塗布液−9の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製):55.6質量部
・ポリイソシアネート(商品名:DNW−6000、DIC社製):1.65質量部
・シリコーンオイル(商品名:KF−861、信越化学工業社製):0.75質量部
・疎水性乾式シリカ:0.30質量部
・純水:41.75質量部
【0052】
[比較例5]
インク受容層を、下記の組成のインク受容層塗布液−10を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5の昇華転写用受像シートを得た。
【0053】
「インク受容層塗布液−10の組成」
インク受容層塗布液−10の組成は、次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製):55.6質量部
・ポリイソシアネート(商品名:DNW−6000、DIC社製):1.65質量部
・シリコーンオイル(商品名:X−22−3939A、信越化学工業社製):0.75質量部
・疎水性乾式シリカ:0.30質量部
・純水:41.75質量部
【0054】
[熱転写記録媒体の作製]
熱転写記録媒体の基材として、厚さ4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その非易接着処理面に下記の組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m
2となるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。
次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記の組成の熱転写層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m
2となるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
【0055】
「耐熱滑性層塗布液の組成」
耐熱滑性層塗布液の組成は次の通りである。
・シリコーン系アクリルグラフトポリマー(商品名:US−350、東亜合成社製):50.0質量部
・メチルエチルケトン:50.0質量部
【0056】
「熱転写層塗布液の組成」
熱転写層塗布液の組成は次の通りである。
・C.I.ソルベントブルー36:2.5質量部
・C.I.ソルベントブルー63:2.5質量部
・ポリビニルアセタール樹脂:5.0質量部
・トルエン:45.0質量部
・メチルエチルケトン:45.0質量部
【0057】
「印画評価」
(1)離型性評価
上記の熱転写記録媒体を用い、40℃、湿度80%の環境下にて、印画速度が1.5msec/line、解像度が300×300DPIの評価用サーマルプリンタにより、実施例1〜5および比較例1〜5の昇華転写用受像シートのそれぞれに、黒ベタ画像の印画を10枚連続で行い、離型性を評価した。
離型性の評価を、以下の基準にて行った。結果を表1に示す。
評価基準
◎:貼り付きがなく、剥離音が一切見られない
○:貼り付きがなく、ごくわずかに剥離音がある
△:貼りつきはないが剥離音が確認される
×:貼りつきがある
【0058】
(2)発色性評価
上記の熱転写記録媒体を用い、25℃、湿度50%の環境下にて、印画速度が1.5msec/line、解像度が300×300DPIの評価用サーマルプリンタにより、実施例1〜5および比較例1〜5の昇華転写用受像シートのそれぞれに、ハーフベタ画像の印画を行った。
発色性の評価を、以下の基準にて行った。結果を表1に示す。
評価基準
◎:発色ムラが無く均一に発色している
○:わずかに発色ムラはあるが、画質として問題が無い
×:発色ムラがある
【0059】
【表1】
【0060】
表1の結果から、実施例1〜5のインク受容層にシリコーンオイルを無機微粒子に担持した形状で添加した昇華転写用受像シートは離型性に優れ、発色ムラも発生しないことがわかった。
実施例1と実施例2から、インク受容層に硬化剤を添加したほうが離型性が優れていることがわかった。
これに対して、比較例1〜4では、シリコーンオイルが水系塗液中でなじまず、海島状に点在しているため、安定した離型性が得られず、発色特性においてもムラとなってしまうことがわかった。
比較例5では、極性の高いシリコーンオイルのため、水溶液中への分散が改善したが、無機微粒子へ担持させたものと比較すると離型性、発色特性共に劣るものであった。