(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、散水量が不足すれば、鋳物や鋳型砂の冷却が十分に行われない。また、散水量の過不足により、例えば、回収した鋳型砂の温度や水分量が高すぎ、再利用に支障が出る場合等がある。このように、鋳型ばらしの際の散水量の過不足により、様々な影響が出る。
そこでなされた本発明の目的は、鋳型ばらしの際の散水量の過不足による影響を抑えることができる鋳型ばらしシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の鋳型ばらしシステムは、鋳物が鋳込まれた鋳型を、前記鋳物と鋳型砂とに分離する鋳型ばらしシステムであって、前記鋳物と前記鋳型とを、前記鋳物と鋳型砂とに分離するばらし装置と、前記ばらし装置に散水する散水部と、前記散水部における散水量を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記ばらし装置に投入される前記鋳物が鋳込まれた鋳型の造型データ、前記鋳物を形成する溶融金属の鋳込みデータ、および前記溶融金属の前記鋳型への鋳込みから前記ばらし装置に投入されるまでの時間データを含む造型・鋳込みデータに基づいて、前記散水量を調整する。
【0006】
このような構成によれば、造型データ、鋳込みデータ、造型・鋳込みデータに基づいて散水量を調整する。これにより、ばらし装置に投入する前に、鋳物が鋳込まれた鋳型が有している熱量を求めることができる。したがって、求められた熱量に基づいて散水量を調整することで、散水量の過不足が生じるのを、より高精度に抑えることができる。
【0007】
また、本発明の鋳型ばらしシステムは、前記ばらし装置から排出される前記鋳物の温度を測定する鋳物温度測定部と、前記ばらし装置から排出される前記鋳型砂の温度と水分とを測定する砂温度水分測定部と、をさらに備え、前記制御装置は、前記鋳型の造型データ、前記溶融金属の鋳込みデータ、および前記造型・鋳込みデータと、前記ばらし装置から排出される前記鋳物の温度と、前記鋳型砂の温度および水分と、に基づいて、前記散水量を調整するようにしてもよい。
【0008】
このような構成によれば、鋳型の造型データ、溶融金属の鋳込みデータ、および前記造型・鋳込みデータに加えて、ばらし装置から排出される鋳物の温度と、鋳型砂の温度および水分とに基づいて、散水量を調整することで、散水量の過不足が生じるのを、さらに高精度に抑えることができる。
【0009】
また、本発明の鋳型ばらしシステムは、前記ばらし装置に空気を導入する空気導入部と、
前記ばらし装置に導入される前記空気の温度と湿度とを測定する導入空気温度湿度測定部と、前記空気の風量を測定する風量測定部と、を備え、前記制御装置は、前記導入空気の温度、湿度、および風量に基づいて、前記散水量を調整するようにしてもよい。
【0010】
このような構成によれば、ばらし装置に導入される空気の温度、湿度、および風量に基づいて散水量を調整することで、散水量の過不足が生じるのを、さらに高精度に抑えることができる。
【0011】
また、本発明の鋳型ばらしシステムは、前記ばらし装置から排出される前記空気に含まれる粉塵を除去する集塵装置と、前記集塵装置から排出される排出空気の温度と湿度とを測定する排出空気温度湿度測定部と、をさらに備え、前記制御装置は、前記導入空気温度湿度測定部で測定された前記空気の温度と湿度と、前記風量測定部で測定された前記風量と、前記排出空気温度湿度測定部で測定された前記排出空気の温度と湿度と、に基づいて、前記散水量を調整するようにしてもよい。
【0012】
このような構成によれば、ばらし装置に導入される空気の温度、湿度、および風量と、排出空気の温度および湿度とに基づいて散水量を調整する。これにより、散水された水がばらし装置内で蒸発するときの蒸発潜熱によって鋳物と鋳型砂から奪った熱量を求めることができる。このようにして求めた熱量に基づいて散水量を調整することで、散水量の過不足が生じるのを、さらに高精度に抑えることができる。
【0013】
また、本発明の鋳型ばらしシステムは、前記ばらし装置内の空気を加熱する空気加熱部をさらに備え、前記制御装置は、前記導入空気温度湿度測定部で測定された前記空気の温度と湿度と、前記風量測定部で測定された前記風量と、前記排出空気温度湿度測定部で測定された前記排出空気の温度と湿度と、に基づいて前記空気加熱部を制御し、前記ばらし装置から排出されて前記集塵装置に送り込まれる前記空気の温度と湿度とを調整するようにしてもよい。
【0014】
このような構成によれば、ばらし装置に導入される空気の温度、湿度、および風量と、排出空気の温度および湿度とに基づいて、散水された水がばらし装置内で蒸発するときの蒸発潜熱によって鋳物と鋳型砂から奪った熱量を求めることができる。このようにして求めた熱量に基づいて、ばらし装置内への熱風の送り込み量を調整すると、集塵装置に送り込まれる空気の温度と湿度とを調整することができる。その結果、ばらし装置から空気導入装置までの空気導入経路での結露を抑えることができる。
【0015】
本発明の鋳型ばらしシステムは、鋳物が鋳込まれた鋳型を、前記鋳物と鋳型砂とに分離する鋳型ばらしシステムであって、前記鋳物と前記鋳型とを、前記鋳物と鋳型砂とに分離するばらし装置と、前記ばらし装置に空気を導入する空気導入部と、前記ばらし装置に導入される導入空気の風量を測定する風量測定部と、前記ばらし装置内の空気を加熱する空気加熱部と、前記ばらし装置から排出される前記空気に含まれる粉塵を除去する集塵装置と、前記集塵装置から排出される排出空気の温度と湿度とを測定する排出空気温度湿度測定部と、前記空気加熱部を制御する空気加熱制御装置と、を備え、前記空気加熱制御装置は、前記風量測定部で測定された前記風量と、前記排出空気温度湿度測定部で測定された前記排出空気の温度と湿度と、に基づいて前記空気加熱部を制御し、前記ばらし装置から排出されて前記集塵装置に送り込まれる前記空気の温度と湿度とを調整する。
【0016】
このような構成によれば、ばらし装置に導入される空気の風量と、排出空気の温度および湿度とに基づいて、散水された水がばらし装置内で蒸発するときの蒸発潜熱によって鋳物と鋳型砂から奪った熱量を求めることができる。このようにして求めた熱量に基づいて、ばらし装置内への熱風の送り込み量を調整すると、集塵装置に送り込まれる空気の温度と湿度とを調整することができる。その結果、ばらし装置から空気導入装置までの空気導入経路での結露を抑えることができる。これにより、散水量の過不足による影響が、ばらし装置の下流側の集塵装置に及ぶのを抑えることができる。
【0017】
また、本発明の鋳型ばらしシステムは、前記ばらし装置に導入される前記導入空気の温度と湿度とを測定する導入空気温度湿度測定部をさらに備え、前記空気加熱制御装置は、前記導入空気温度湿度測定部で測定された前記導入空気の温度と湿度と、前記風量と、前記排出空気の温度と湿度と、に基づいて前記空気加熱部を制御し、前記ばらし装置から排出されて前記集塵装置に送り込まれる前記空気の温度と湿度とを調整するようにしてもよい。
【0018】
このような構成によれば、ばらし装置に導入される空気の風量と、排出空気の温度および湿度とに加えて、導入空気の温度と湿度と基づいて、ばらし装置内への熱風の送り込み量を調整することによって、集塵装置に送り込まれる空気の温度と湿度とを調整することができる。その結果、ばらし装置から空気導入装置までの空気導入経路での結露を抑えることができる。これにより、散水量の過不足による影響が、ばらし装置の下流側の集塵装置に及ぶのを抑えることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、鋳型ばらしの際の散水量を、より高精度に調整することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態として示した鋳型ばらしシステム1の概略図である。
図1に示す鋳型ばらしシステム1は、鋳物Pが鋳込まれた鋳型Fを解砕し、鋳物Pと鋳型砂Sとを分離するとともに、鋳物Pと鋳型砂Sを併せて冷却する。ここで、鋳物Pが鋳込まれた鋳型Fとは、生型鋳造において鋳型Fの中に鋳込まれた溶融金属が凝固し、鋳物Pが鋳型Fに内蔵された状態のものを示す。以下において、鋳物Pが鋳込まれた鋳型Fを、投入鋳型Mと称する。
鋳型ばらしシステム1は、回転ドラム式のばらし装置2と、散水部4と、集塵装置5と、空気導入装置(空気導入部)7と、空気加熱部9と、制御装置3(空気加熱制御装置)と、を主に備える。
【0022】
ばらし装置2は、ドラム21と、基台22上に設けられたローラー23と、ドラム21を回転駆動する駆動モータ24と、を備える。
ドラム21は、筒状をなし、その中心軸をほぼ水平方向に向けて配置されている。
ローラー23は、ドラム21の軸方向両側にそれぞれ設けられている。ローラー23は、ドラム21を中心軸回りに回転可能に支持する。
駆動モータ24は、その回転運動を、スプロケットとチェーンとを介してドラム21に伝達する。これにより、ドラム21は、その中心軸回りに回転する。
投入鋳型Mは、ドラム21に投入される。ドラム21内では、投入鋳型Mのばらしが行われ、鋳物Pと鋳型砂Sとに分離される。
【0023】
ばらし装置2の投入側には、鋳型搬送装置25が設けられている。鋳型搬送装置25は、図示しない鋳造ラインから送られた投入鋳型Mを、ばらし装置2のドラム21に投入する。
【0024】
ばらし装置2の排出側には、フード26が設けられている。フード26内には、コンベア27が設けられている。コンベア27は、鋳型Fから分離された鋳物Pを鋳型ばらしシステム1の外部に搬出する。
また、ばらし装置2の末端には篩が設けられている。篩は、鋳物Pと分離され、ドラム21の回転動作によって粉砕された鋳型砂Sを篩う。篩われた鋳型砂Sはシュート28で集められ、ベルトコンベア29上に排出される。排出された鋳型砂Sはベルトコンベア29で搬出される。
【0025】
コンベア27で搬出される鋳物Pは、鋳物温度測定器(鋳物温度測定部)12でその温度が測定される。鋳物温度測定器12は制御装置3に電気的に接続されており、測定した鋳物Pの温度のデータが制御装置3に送られる。
また、ベルトコンベア29上には、砂温度水分測定器(砂温度水分測定部)13が設けられており、搬出される鋳型砂Sの温度と水分とが測定される。砂温度水分測定器13は、制御装置3に電気的に接続されており、測定した鋳型砂Sの温度と水分とのデータが、制御装置3に送られる。
【0026】
散水部4は、ばらし装置2のドラム21内に散水する。散水部4は、水供給源41と、散水配管42と、水量調整弁43と、を備える。
水供給源41は、散水配管42に水を供給する。
散水配管42は、その先端部がドラム21内に延びている。散水配管42は、水供給源41から供給された水を、ドラム21内に散布する。
水量調整弁43は、散水配管42を通る水の流量を調整する。水量調整弁43は制御装置3に電気的に接続されており、制御装置3によって算出された水量に応じて、その開度を調整する。
【0027】
集塵装置5は、その空気入口側がフード26に接続されている。集塵装置5の空気出口側は、空気導入装置7に接続されている。集塵装置5は、フィルタ5fを内部に備え、フィルタ5fにより、ばらし装置2から排出される空気に含まれる粉塵を除去する。
【0028】
空気導入装置7は、ばらし装置2に空気を導入する。空気導入装置7により生成される空気の流れによって、外部の空気がばらし装置2の投入側からドラム21内に流入する。流入した空気は、ドラム21内を通過し、フード26を経て、集塵装置5に至る。集塵装置5のフィルタを通過した空気は、空気導入装置7を経て外部に排出される。
【0029】
このような空気の流れの過程で、ばらし装置2のドラム21に流入する外部の空気(導入空気)の温度と湿度とが、導入空気温度湿度測定器(導入空気温度湿度測定部)11により測定される。また、集塵装置5のフィルタを通過した空気(排出空気)の温度と湿度とが、排出空気温度湿度測定器(排出空気温度湿度測定部)14で測定される。さらに、集塵装置と空気導入装置7との間に設けられた風量測定器(風量測定部)16により、空気導入装置7への空気の風量が測定される。
導入空気温度湿度測定器11は、制御装置3に電気的に接続されており、導入空気の温度と湿度とのデータが、制御装置3に送られる。また、排出空気温度湿度測定器14も制御装置3に電気的に接続されており、排出空気の温度と湿度とのデータが、制御装置3に送られる。さらに、風量測定器16も制御装置3に電気的に接続されており、空気導入装置7への風量のデータが、制御装置3に送られる。
【0030】
空気加熱部9は、バーナー91と、燃料供給源92と、を備える。バーナー91は、フード26の一側面に設けられている。燃料供給源92は、バーナー91に燃料を供給する。本実施形態では、燃料供給源92は、燃料として、化石燃料を用いる。
空気加熱部9は、燃料供給源92から供給される燃料をバーナー91で燃焼させることで、燃焼ガスをばらし装置2内に噴出し、ばらし装置2内の空気を加熱する。空気加熱部9は、このバーナー91の燃焼状態により、集塵装置5に送られる空気の温度を調整する。
バーナー91は、制御装置3に電気的に接続されており、制御装置3の指令によりバーナー91の燃焼状態が制御される。
【0031】
制御装置3は、ばらし装置2のドラム21内への散水量と、ドラム21を通過する空気の状態とを適正に調整することで、鋳型ばらしシステム1の動作を制御する。
制御装置3には、鋳造ライン制御部100が電気的に接続されており、ばらし装置2へ投入される鋳型Fの造型・鋳込みデータを、制御装置3が取得する。
【0032】
図2は、制御装置3の機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御装置3は、データ取得部31と、算出部32と、散水量決定部34と、燃料量決定部36と、制御部37と、を備えている。
【0033】
データ取得部31は、鋳造ライン制御部100から得た鋳型Fの砂重量、温度、水分、および造型時刻と、鋳込み時の溶融金属の材質、温度、鋳込み重量、および鋳込み時刻とから、ばらし装置2に投入される投入鋳型Mが持つ熱量を算出する。
【0034】
算出部32は、ばらし装置2へ投入される鋳物Pと鋳型Mの熱量からばらし装置2から排出される鋳物Pと鋳型砂Sの目標熱量で散水量調整(蒸発潜熱)を行う。これには、算出部32は、ばらし装置2から排出される鋳物Pの温度と、回収された鋳型砂Sの温度および水分とが、予め定めた目標値になったときの鋳物Pと鋳型砂Sの持つ熱量を求める。算出部32は、データ取得部31で算出された投入鋳型Mが持つ熱量から、排出される鋳物Pと鋳型砂Sの持つ目標熱量を減じ、ばらし装置2で冷却されることによる冷却熱量を算出する。また、ばらし装置2内では、冷却を水の蒸発による潜熱(蒸発潜熱)によって行うものとして、算出された冷却熱量に相当する散水量を算出する。
【0035】
散水量決定部34では、算出部32で算出された散水量に基づいて、適正散水量を決定する。ばらし装置2に投入される投入鋳型Mが持つ熱量の一部は、鋳型ばらしシステム1の系外に放散する。散水量決定部34では、その放散する熱量(放散熱量)を見込んで、算出部32で算出された散水量に予め定めた係数を乗じ、適正散水量を決定する。ここで用いられる係数は1未満である。
決定された適正散水量に基づき、制御部37から水量調整弁43を制御し、散水部4で散水が行われる。
【0036】
燃料量決定部36は、燃料供給源92からバーナー91に供給する燃料燃焼量を決定する。燃料量決定部36では、導入空気温度湿度測定器11の測定データ(導入空気の温度、湿度)と、風量測定器16の測定データ(風量)とに基づき、ばらし装置2のドラム21内に導入される空気が持ち得る水蒸気量を算出する。燃料量決定部36は、算出された水蒸気量と、水量調整弁43を制御することによって散水部4で散水された水量とに基づいて、バーナー91に供給する燃料量を算出し、燃焼燃料量を決定する。具体的には、空気の持ち得る水蒸気量が、鋳物Pと鋳型砂Sを冷却する蒸気潜熱分の蒸気量より不足する場合は、空気を加熱して空気が含むことができる水蒸気量を増す。このため、ばらし装置2から排出される空気が、散水部4で散水した水量の水蒸気を内包できる空気温度となるよう、バーナー91に供給する燃料量を決定する。決定された燃焼燃料量に基づき、制御部37によってバーナー91を制御することにより、空気加熱部9で空気を加熱し、ばらし装置2から排出される空気温度を調整する。
【0037】
次に、制御装置3において、鋳型ばらしシステム1の運転状態の評価および補正を行うための構成について説明する。鋳型ばらしシステム1では、鋳物Pの冷却により、後工程での鋳物Pのハンドリング、後処理工程等への温度による影響を抑える必要がある。また、鋳型ばらしシステム1では、回収された鋳型砂Sを安定化させる必要がある。したがって、制御装置3は、鋳型ばらしシステム1の安定した装置運転を行うことを前提として、鋳物Pの冷却、回収された鋳型砂Sの温度と水分の安定化が確実に行えるように、鋳型ばらしシステム1の運転状態評価と補正を行う制御を実行する。
【0038】
このため、制御装置3は、運転状態評価補正部33と、燃料量補正部35と、をさらに備える。
運転状態評価補正部33は、鋳物温度測定器12の測定値(鋳物Pの温度)と、砂温度水分測定器13の測定値(鋳型砂Sの温度と水分)に基づいて、散水量決定部34で決定した散水量を補正する。これらにより補正された適正散水量は、制御部37から水量調整弁43を制御して散水が行われる。
【0039】
運転状態評価補正部33は、集塵装置5から排出される排出空気の温度と湿度から空気加熱部を制御して、結露対策を行う。このため、運転状態評価補正部33は、排出空気温度湿度測定器14で測定した、ばらし装置2から排出された排出空気の温度と湿度とに基づいて、集塵装置5への結露等、機器への悪影響を評価する。その評価の結果、集塵装置5に導入する空気を補正すると判断した場合に、その結果を、燃料量補正部35に送信する。燃料量補正部35では、ばらし装置2から排出された空気の風量、温度、湿度から、空気の温度を適正にするための燃焼燃料量の補正量を決定する。決定された補正燃焼燃料量のデータは、制御部37からバーナー91に送信され、バーナー91の燃焼状態が調整される。これにより、ばらし装置2から排出される空気の温度と湿度とが制御され、集塵装置5への結露等、機器への悪影響を抑える。
【0040】
以下、上記のような構成の鋳型ばらしシステム1を作動させる際の、制御装置3における制御の流れについて説明する。
図3は本実施形態における制御装置で実行される制御の流れを示すフローチャートである。
まず、駆動モータ24を起動して、ドラム型のばらし装置20のドラム21の回転を開始する。空気導入装置7を起動し、ばらし装置2のドラム21内に投入側から空気を導入し、ばらし装置2からフード26、集塵装置5を経て空気導入装置7から排気する空気の流れを生成する。続いて、測定器等の各機器の運転準備を完了して、鋳型ばらしシステム1の運転を開始する。(ステップS1)
【0041】
次に、鋳型搬送装置25によるばらし装置2への投入鋳型Mの投入が開始される。投入される投入鋳型Mの造型・鋳込みデータは、鋳造ライン制御部100から制御装置3のデータ取得部31に取り込まれる(ステップS2)
【0042】
データ取得部31に取り込まれた造型・鋳込みデータには、鋳型Fの砂重量、温度、水分、および造型時刻と、鋳込み時の溶融金属の材質、温度、鋳込み重量、および鋳込み時刻の情報が含まれる。データ取得部31は、取得した造型・鋳込みデータに基づいて、ばらし装置2に投入される投入鋳型Mが持つ熱量を算出する。
算出部32は、ばらし装置2から排出される鋳物Pの温度と、回収された鋳型砂Sの温度および水分とが、予め定めた目標値になったときの鋳物Pと鋳型砂Sの持つ熱量を求める。次いで、算出部32は、データ取得部31で算出された投入鋳型Mが持つ熱量から、鋳物Pと鋳型砂Sの持つ目標熱量を減じ、ばらし装置2で冷却されることによる冷却熱量を算出する。さらに、算出部32は、算出された冷却熱量に相当する散水量を算出する。
散水量決定部34では、ばらし装置2に投入される投入鋳型Mが持つ熱量の一部が、鋳型ばらしシステム1の系外に放散するのを見込んで、算出散水量に係数を乗じ、適正散水量を決定する(ステップS3)。
【0043】
決定された適正散水量のデータは、制御部37から水量調整弁43に送信され、散水部4における散水量を制御して散水が行われる。水量調整弁43では、内蔵する積算流量カウンタで所定量の散水を行う。このとき、散水は、投入鋳型Mごとに、バッチ注水が行われる。水供給源41から散水配管42を流れる単位時間当たりの流量は、ばらしが行われる一つの鋳型Fに想定される最大散水量を、鋳造ラインの最小動作サイクル(ばらし装置2に鋳型Fが投入される間隔)時間で除したもの(瞬時流量)とする(ステップS4)。
【0044】
次に、ばらし装置2に導入される空気の温度と湿度が、導入空気温度湿度測定器11で測定され、測定値が制御装置3に送信される(ステップS5)。
続いて、集塵装置5を通過した空気の風量が、風量測定器16で測定され、測定値が制御装置3に送信される(ステップS6)。
【0045】
続いて、制御装置3は、燃料供給源92からバーナー91に供給する燃料燃焼量を燃料量決定部36で決定する(ステップS7)。燃料量決定部36では、測定されたばらし装置2に導入される空気の温度と湿度と、集塵装置5を通過した空気の風量とに基づいて、ばらし装置2に導入される空気が持ち得る水蒸気量を求める。燃料量決定部36は、算出された水蒸気量と、水量調整弁43を制御することによって散水部4で散水された水量とに基づいて、バーナー91に供給する燃料量を算出し、燃焼燃料量を決定する。決定された燃焼燃料量に基づき、制御部37によってバーナー91を制御し、ばらし装置2から排出される空気温度を調整する。ここで、空気の温度が高くなれば飽和蒸気圧が高くなり、より多くの水蒸気を内包することができる。
【0046】
次に、鋳物温度測定器12によって、ばらし装置2から排出された鋳物Pの温度が測定され、測定値が制御装置3に送信される(ステップS8)。続いて、ばらし装置2から排出される回収された鋳型砂Sの温度と水分が、砂温度水分測定器13で測定され、その測定値が制御装置3に送信される(ステップS9)。
さらに、集塵装置5のフィルタを通過した空気の温度と湿度が、排出空気温度湿度測定器14で測定され、その測定値が制御装置3に送信される(ステップS10)。
【0047】
次に、制御装置3は、ステップS6と、ステップS8からステップS10とで得られた、排出空気の風量と、ばらし装置2から排出された鋳物Pの温度と、回収された鋳型砂Sの温度および水分、排出空気の温度および湿度とに基づき、鋳型ばらしシステム1の運転状態の評価と補正を行う(ステップS11)。なお、ステップS11の運転状態の評価と補正の詳細については後述する。
【0048】
次に、制御装置3は、型ばらし動作の継続の「Y:する」「N:しない」を判断する(ステップS12)。「Y:する」の場合は、ステップS2に戻りステップS2以降の動作を繰り返す。「N:しない」の場合は、ステップS1で起動した各機器を順次停止して鋳型ばらしシステム1の一連の動作を終了する。
【0049】
次に、ステップS11の運転状態の評価と補正の内容について詳述する。
図4は、鋳型ばらしシステム1の運転状態の評価と補正処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、制御装置3の運転状態評価補正部33は、まず、ステップS8で測定したばらし装置2から排出された鋳物Pの温度が設定値の上限以上か否かを判断する(ステップS21)。「Y:上限以上」の場合は、ステップS25に進む。この場合、鋳物Pの冷却が十分になされていないので、散水量の増量補正を検討する。増量補正の検討は、後述のステップS25で説明する。「N:上限以下」と判断された場合、ばらし装置2から排出された鋳物Pの温度は規定値上限未満であり、ばらし装置2から排出された鋳物Pは十分に冷却されている。この場合、散水量の増量補正の必要はなく、ステップS22に進む。
【0050】
ステップS22では、ステップS9で測定した回収された鋳型砂Sの温度が、設定値の上限以上か否かを判断する。「Y;上限以上」の場合は、ステップS25に進む。この状態では回収された鋳型砂Sの冷却が十分になされていないので、後述のステップS25で散水量の増量補正を検討する。「N:上限未満」と判断された場合は、回収された鋳型砂Sの温度は規定値上限未満であり、ばらし装置2から排出された鋳型砂Sは十分冷却されており、散水量の増量補正の必要はなく、ステップS23に進む。
【0051】
ステップS23では、ステップS9で測定した鋳型砂Sの水分が設定範囲内に「Y:ある」か「N:ない」か、を判断する。「Y:ある」場合は、ばらし装置2から排出された鋳物Pと回収された鋳型砂Sは良好な状態にあり、散水量変更の検討の必要はないため、ステップS27に進む。「N:ない」場合は、ステップS24に進む。
【0052】
ステップS24では、さらに。回収された鋳型砂Sの水分が設定値の下限以下か否かを判断する。「Y:下限以下」の場合は、ステップS25に進む。この状態では、回収された鋳型砂Sの水分が十分に確保されていないので、ステップS25で散水量の増量補正を検討する。「N:下限以上」と判断された場合は、回収された鋳型砂Sの水分は過多の状態にあるため、散水量の減量補正を行うべく、ステップS26に進む。
【0053】
ステップS25では、鋳物Pの温度を設定範囲内にするための散水量を算出する。これには、鋳物Pの重量と、鋳物Pの比熱および冷却温度とから冷却熱量を求める。求めた冷却熱量を、水の蒸発潜熱で奪うとして必要散水量を求め、これを散水量増量補正値とする。この補正値は、散水量決定部34に送信され、ばらし装置2に次回投入される投入鋳型Mへの散水に適用される。
【0054】
ステップS26では、ステップS23とステップS24で判断した、過多分の水分と鋳型重量を乗じた水量を、散水量減量補正値とする。この補正値は、散水量決定部34に送信され、ばらし装置2に次回投入される投入鋳型Mへの散水に適用される。
【0055】
次に、制御装置3の運転状態評価補正部33は、ステップS25とステップS26の補正値を行った場合の、排出空気湿度の増、減量演算と、排出空気の湿度補正を行う(ステップS27)。より詳細には、散水量の補正により散水した水が蒸発したときの水蒸気量による排出空気の湿度を演算し、ステップS10で測定した排出空気の湿度を補正する。
【0056】
次に、ステップS27で補正した排出空気の補正湿度が、設定範囲内に「Y:ある」か「N:ない」か、を判断する(ステップS28)。「Y:ある」場合は、運転状態の評価と補正を行うステップS11の一連の処理を終了する。「N:ない」場合は、ステップS29に進む。
【0057】
ステップS29では、さらに、排出空気の補正湿度が、設定値の上限以上か否かを判断する。「Y:上限以上」の場合は、ステップS31に進む。この状態は、ばらし装置2から排出される空気の湿度が高く、空気の流路で結露の恐れのあることを示している。この場合、排出空気の温度を上昇させて湿度の低下を図るべく、燃料供給源92からバーナー91に供給する燃焼燃料の増量を検討する。増量補正の検討は、後述のステップS31で説明する。「N:上限未満」と判断された場合は、ステップS28の判断と合わせて設定範囲以下となり結露の恐れはなく、燃焼燃料の増量を検訂する必要はないので、ステップS30に進む。
【0058】
ステップS30では、空気加熱部9が運転状態にあるか否かを判断する。空気加熱部9が「N:停止中」の場合は、運転状態の評価と補正を行うステップS11の一連の処理を終了する。「Y:運転中」の場合は、ステップS32に進む。
【0059】
ステップS31では、ステップS29における排出空気の湿度が高く、空気の流路で結露の恐れのある判断を受けて、制御装置3の燃料量補正部35で、燃焼燃料量の補正を行う。より具体的には、排出空気の湿度の設定値からのオーバ一分の湿度を設定範囲内にするためには、空気の温度を上昇させて空気が含み得る水蒸気量を増加させ、湿度を下げればよい。そのために、空気の温度を所定の温度に上昇させる熱量を算出し、その熱量分の燃料を増量して燃料供給源92からバーナー91へ供給するよう補正値を設定する。設定した補正値は、燃料量決定部36に送信する。
【0060】
ステップS30からステップS32に進んだ場合は、空気加熱部9(バーナー91)が運転中で排出空気の湿度が設定範囲より低い状態であるから、湿度が高い場合とは逆に、湿度が設定範囲内になるよう排出空気の温度を下げればよい。そのために、空気の温度を所定の温度に降下させる熱量を算出し、その熱量分の燃料を減量して補正値を設定する。設定した補正値は、燃料量決定部36に送信する。
【0061】
なお、上記一連の処理において、散水量の補正は、ばらし装置2に次回投入される投入鋳型Mへの散水に適用したが、燃料量決定部36で補正値から決定された燃焼燃料量は、直ちに空気加熱部9(バーナー91)に送信されて適用される。これらの処理を経て、運転状態の評価と補正を行うステップS11の一連の処理を終了する。
【0062】
上述したように、鋳型ばらしシステム1は、鋳物Pと鋳型Fとを、鋳物Pと鋳型砂Sとに分離するばらし装置2と、ばらし装置2に散水する散水部4と、散水部4における散水量を制御する制御装置3と、を備える。制御装置3は、ばらし装置2に投入される鋳物が鋳込まれた投入鋳型Mの造型データ、鋳物Pを形成する溶融金属の鋳込みデータ、および溶融金属の鋳型Fへの鋳込みからばらし装置2に投入されるまでの時間データを含む造型・鋳込みデータに基づいて、散水量を調整する。
このような構成によれば、造型データ、鋳込みデータ、造型・鋳込みデータ、鋳物Pの温度、鋳型砂Sの温度および水分の目標値に基づいて散水量を調整する。これにより、ばらし装置2に投入する前に、鋳物Pが鋳込まれた鋳型Fが有している熱量を求めることができる。したがって、求められた熱量に基づいて散水量を調整することで、鋳物Pと鋳型砂Sの冷却のための散水量を的確に決定できる。したがって、散水量の過不足が生じるのを、より高精度に抑えることができ、鋳型ばらしの際の散水量を、より高精度に調整することが可能となる。
【0063】
また、鋳型ばらしシステム1は、ばらし装置2から排出される鋳物Pの温度を測定する鋳物温度測定器12と、ばらし装置2から排出される鋳型砂Sの温度と水分とを測定する砂温度水分測定器13と、をさらに備える。制御装置3は、投入鋳型Mの造型データ、溶融金属の鋳込みデータ、および造型・鋳込みデータに加えて、ばらし装置2から排出される鋳物Pの温度と、鋳型砂Sの温度および水分と、に基づいて、散水量を調整する。
このような構成によれば、造型データ、鋳込みデータ、造型・鋳込みデータに加えて、鋳物Pの温度、鋳型砂Sの温度および水分の目標値に基づいて散水量を調整することで、散水量の過不足が生じるのを、さらに高精度に抑えることができ、鋳型ばらしの際の散水量を、より高精度に調整することが可能となる。
【0064】
また、鋳型ばらしシステム1は、ばらし装置2に空気を導入する空気導入装置7と、ばらし装置2に導入される空気の温度と湿度とを測定する導入空気温度湿度測定器11と、空気の風量を測定する風量測定器16と、を備え、制御装置3は、導入空気の温度、湿度、および風量に基づいて、散水量を調整する。
このような構成によれば、ばらし装置2に導入される空気の温度、湿度、および風量に基づいて散水量を調整することで、散水量の過不足が生じるのを、さらに高精度に抑えることができる。
【0065】
また、鋳型ばらしシステム1は、ばらし装置2から排出される空気に含まれる粉塵を除去する集塵装置5と、集塵装置5から排出される排出空気の温度と湿度とを測定する排出空気温度湿度測定器14と、をさらに備え、制御装置3は、導入空気温度湿度測定器11で測定された空気の温度と湿度と、風量測定器16で測定された風量と、排出空気温度湿度測定器14で測定された排出空気の温度と湿度と、に基づいて、散水量を調整する。
このような構成によれば、ばらし装置2に導入される空気の温度、湿度、および風量と、排出空気の温度および湿度とに基づいて散水量を調整する。これにより、散水された水がばらし装置2内で蒸発するときの蒸発潜熱によって鋳物Pと鋳型砂Sから奪った熱量を求めることができる。このようにして求めた熱量に基づいて散水量を調整することで、散水量の過不足が生じるのを、さらに高精度に抑えることができる。
【0066】
また、鋳型ばらしシステム1は、ばらし装置2内の空気を加熱する空気加熱部9をさらに備え、制御装置3は、導入空気温度湿度測定器11で測定された空気の温度と湿度と、風量測定器16で測定された風量と、排出空気温度湿度測定器14で測定された排出空気の温度と湿度と、に基づいて空気加熱部9を制御し、ばらし装置2から排出されて集塵装置5に送り込まれる空気の温度と湿度とを調整する。
このような構成によれば、ばらし装置2に導入される空気の温度、湿度、および風量と、排出空気の温度および湿度とに基づいて、散水された水がばらし装置2内で蒸発するときの蒸発潜熱によって鋳物Pと鋳型砂Sから奪った熱量を求めることができる。このようにして求めた熱量に基づいて、バーナー91に供給する燃焼燃料量を調整することによって、ばらし装置2内への熱風の送り込み量を調整し、集塵装置5に送り込まれる空気の温度と湿度とを調整することができる。その結果、ばらし装置2から空気導入装置までの空気導入経路での結露を抑えることができる。
【0067】
上述した鋳型ばらしシステム1は、鋳物Pが鋳込まれた鋳型Fを、鋳物Pと鋳型砂Sとに分離する鋳型ばらしシステム1であって、鋳物Pと鋳型Fとを、鋳物Pと鋳型砂Sとに分離するばらし装置2と、ばらし装置2に空気を導入する空気導入装置7と、空気の風量を測定する風量測定器16と、ばらし装置2内の空気を加熱する空気加熱部9と、ばらし装置2から排出される空気に含まれる粉塵を除去する集塵装置5と、集塵装置5から排出される排出空気の温度と湿度とを測定する排出空気温度湿度測定器14と、空気加熱部9を制御する制御装置3と、をさらに備え、制御装置3は、風量測定器16で測定された風量と、排出空気温度湿度測定器14で測定された排出空気の温度と湿度と、に基づいて空気加熱部9を制御し、ばらし装置2から排出されて集塵装置5に送り込まれる空気の温度と湿度とを調整する。
このような構成によれば、ばらし装置2に導入される空気の温度、湿度、および風量と、排出空気の温度および湿度とに基づいて、散水された水がばらし装置2内で蒸発するときの蒸発潜熱によって鋳物Pと鋳型砂Sから奪った熱量を求めることができる。このようにして求めた熱量に基づいて、バーナー91に供給する燃焼燃料量を調整することによって、ばらし装置2内への熱風の送り込み量を調整し、集塵装置5に送り込まれる空気の温度と湿度とを調整することができる。その結果、ばらし装置2から空気導入装置までの空気導入経路での結露を抑えることができる。これにより、散水量の過不足による影響が、ばらし装置2の下流側の集塵装置5に及ぶのを抑えることができる。
【0068】
また、鋳型ばらしシステム1は、ばらし装置2に導入される空気の温度と湿度とを測定する導入空気温度湿度測定器11をさらに備える。制御装置3は、導入空気温度湿度測定器11で測定された空気の温度と湿度と、風量測定器16で測定された風量と、排出空気温度湿度測定器14で測定された排出空気の温度と湿度と、に基づいて空気加熱部9を制御し、ばらし装置2から排出されて集塵装置5に送り込まれる空気の温度と湿度とを調整する。
このような構成によれば、ばらし装置2に導入される風量、排出空気の温度および湿度に加えて、ばらし装置2に導入される空気の温度、湿度に基づいて、バーナー91に供給する燃焼燃料量を調整することによって、ばらし装置2内への熱風の送り込み量を調整し、集塵装置5に送り込まれる空気の温度と湿度とを調整することができる。その結果、ばらし装置2から空気導入装置までの空気導入経路での結露を抑えることができる。これにより、散水量の過不足による影響が、ばらし装置2の下流側の集塵装置5に及ぶのを、より確実に抑えることができる。
【0069】
また、鋳型ばらしシステム1は、空気加熱部9の熱源が化石燃料である。
このような構成によれば、鋳型Fばらしの際の散水量の過不足による影響を抑えることができる。
【0070】
(その他の実施形態)
なお、本発明の鋳型ばらしシステムは、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、鋳型ばらしシステム1は、回転ドラム式のばらし装置2を備えるようにしたが、これに限らない。
例えば、
図5に示すように、トラフ振動式のばらし装置2Bを備えるようにしてもよい。トラフ振動式のばらし装置2Bは、振動トラフ201と、振動トラフ201を振動させるための発振機202と、を備える。投入鋳型Mは、振動トラフ201上に投入される。振動トラフ201は、発振機202によって振動されることで、振動トラフ201上の投入鋳型Mは、排出側に移動しながら解砕され、鋳物Pと鋳型砂Sとに分離される。
【0071】
これ以外に、ばらし装置として、投入鋳型Mを投入するドラムを、回転させることなく振動させる、ドラム振動式のものを用いることも可能である。
また、鋳型ばらしシステムにおいて、鋳型Fをばらす装置に鋳物P及び鋳型砂Sを冷却する機構を合わせた場合についても適用可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。