(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の第1及び第2実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
【0026】
(第1実施形態)
まず、シート製造装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。
【0027】
図1に示すように、シート製造装置100は、原料供給装置10と、製造部102と、制御部104と、を備える。製造部102は、シートを製造する。製造部102は、粗砕部12と、解繊部20と、選別部40と、第1ウェブ形成部45と、回転体49と、混合部50と、堆積部60と、第2ウェブ形成部70と、シート形成部80と、切断部90と、を有している。
【0028】
原料供給装置10は、原料を供給するための供給部200を有している。原料供給装置10によって供給される原料は、例えば、古紙やパルプシートなどの繊維構造物を含むものである。本実施形態では、原料供給装置10は粗砕部12に原料を供給するものであり、原料を連続的に投入可能な構成を備えている。原料供給装置10の詳細については後述する。なお、原料供給装置は、粗砕部により粗砕された紙片を原料として供給するものであってもよい。
【0029】
粗砕部12は、原料供給装置10によって供給された原料を、大気中(空気中)等の気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部12は、粗砕刃14を有し、粗砕刃14によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部12としては、例えば、シュレッダーを用いる。粗砕部12によって裁断された原料は、ホッパー1で受けてから管2を介して、解繊部20に移送(搬送)される。
【0030】
解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料(被解繊物)を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能をも有する。
【0031】
解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナーなどの色剤や、にじみ防止材、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。
【0032】
解繊部20は、乾式で解繊を行う。ここで、液体中ではなく、大気中(空気中)等の気中において、解繊等の処理を行うことを乾式と称する。解繊部20として、本実施形態ではインペラーミルを用いる。解繊部20は、原料を吸引し、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有している。これにより、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口22から、原料を気流と共に吸引し、解繊処理して、排出口24へと搬送することができる。解繊部20を通過した解繊物は、管3を介して、選別部40に移送される。
【0033】
選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物を導入口42から導入し、繊維の長さによって選別する。選別部40としては、例えば、篩(ふるい)を用いる。選別部40は、網(フィルター、スクリーン)を有し、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの、第1選別物)と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマ(網を通過しないもの、第2選別物)と、を分けることができる。例えば、第1選別物は、管7を介して、混合部50に移送される。第2選別物は、排出口44から管8を介して、解繊部20に戻される。具体的には、選別部40は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。選別部40の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
【0034】
第1ウェブ形成部45は、選別部40を通過した第1選別物を、混合部50に搬送する。第1ウェブ形成部45は、メッシュベルト46と、張架ローラー47と、吸引部(サクション機構)48と、を含む。
【0035】
吸引部48は、選別部40の開口(網の開口)を通過して大気中(空気中)等の気中に分散された第1選別物をメッシュベルト46上に吸引することができる。第1選別物は、移動するメッシュベルト46上に堆積し、ウェブVを形成する。メッシュベルト46、張架ローラー47および吸引部48の基本的な構成は、後述する第2ウェブ形成部70のメッシュベルト72、張架ローラー74およびサクション機構76と同様である。
【0036】
ウェブVは、選別部40および第1ウェブ形成部45を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態に形成される。メッシュベルト46に堆積されたウェブVは、管7へ投入され、混合部50へと搬送される。
【0037】
回転体49は、ウェブVが混合部50に搬送される前に、ウェブVを切断することができる。図示の例では、回転体49は、基部49aと、基部49aから突出している突部49bを有している。突部49bは、例えば、板状の形状を有している。図示の例では、突部49bは4つ設けられ、4つの突部49bが等間隔に設けられている。基部49aが方向Rに回転することにより、突部49bは、基部49aを軸として回転することができる。回転体49によってウェブVを切断することにより、例えば、堆積部60に供給される単位時間当たりの解繊物の量の変動を小さくすることができる。
【0038】
回転体49は、第1ウェブ形成部45の近傍に設けられている。図示の例では、回転体49は、ウェブVの経路において下流側に位置する張架ローラー47aの近傍に(張架ローラー47aの横に)設けられている。回転体49は、突部49bがウェブVと接触可能な位置であって、ウェブVが堆積されるメッシュベルト46と接触しない位置に設けられている。これにより、メッシュベルト46が突部49bによって磨耗する(破損する)ことを抑制することができる。突部49bとメッシュベルト46との間の最短距離は、例えば、0.05mm以上0.5mm以下である。
【0039】
混合部50は、選別部40を通過した第1選別物(第1ウェブ形成部45により搬送された第1選別物)と、樹脂を含む添加物と、を混合する。混合部50は、添加物を供給する添加物供給部52と、第1選別物と添加物とを搬送する管54と、ブロアー56と、を有している。図示の例では、添加物は、添加物供給部52からホッパー9を介して管54に供給される。管54は、管7と連続している。
【0040】
混合部50では、ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、第1選別物と添加物とを混合させながら、搬送することができる。なお、第1選別物と添加物とを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよい。
【0041】
添加物供給部52としては、
図1に示すようなスクリューフィーダーや、図示せぬディスクフィーダーなどを用いる。添加物供給部52から供給される添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む。樹脂が供給された時点では、複数の繊維は結着されていない。樹脂は、シート形成部80を通過する際に溶融して、複数の繊維を結着させる。
【0042】
添加物供給部52から供給される樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などである。これらの樹脂は、単独または適宜混合して用いてもよい。添加物供給部52から供給される添加物は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
【0043】
なお、添加物供給部52から供給される添加物には、繊維を結着させる樹脂の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集を防止するための凝集防止剤、繊維等が燃えにくくするための難燃剤が含まれていてもよい。混合部50を通過した混合物(第1選別物と添加物との混合物)は、管54を介して、堆積部60に移送される。
【0044】
堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合った解繊物(繊維)をほぐして、大気中(空気中)等の気中で分散させながら降らせる。さらに、堆積部60は、添加物供給部52から供給される添加物の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。これにより、堆積部60は、第2ウェブ形成部70に、混合物を均一性よく堆積させることができる。
【0045】
堆積部60としては、回転する円筒の篩を用いる。堆積部60は、網を有し、混合部50を通過した混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの)を降らせる。堆積部60の構成は、例えば、選別部40の構成と同じである。
【0046】
なお、堆積部60の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、堆積部60として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、堆積部60は、堆積部60に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
【0047】
第2ウェブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、ウェブWを形成する。第2ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、サクション機構76と、を有している。
【0048】
メッシュベルト72は、移動しながら、堆積部60の開口(網の開口)を通過した通過物を堆積する。メッシュベルト72は、張架ローラー74によって張架され、通過物を通しにくく空気を通す構成となっている。メッシュベルト72は、張架ローラー74が自転することによって移動する。メッシュベルト72が連続的に移動しながら、堆積部60を通過した通過物が連続的に降り積もることにより、メッシュベルト72上にウェブWが形成される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。
【0049】
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方(堆積部60側とは反対側)に設けられている。サクション機構76は、下方に向く気流(堆積部60からメッシュベルト72に向く気流)を発生させることができる。サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引することができる。これにより、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加物が絡み合うことを防ぐことができる。
【0050】
以上のように、堆積部60および第2ウェブ形成部70を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。メッシュベルト72に堆積されたウェブWは、シート形成部80へと搬送される。
【0051】
なお、図示の例では、ウェブWを調湿する調湿部78が設けられている。調湿部78は、ウェブWに対して水や水蒸気を添加して、ウェブWと水との量比を調節することができる。
【0052】
シート形成部80は、メッシュベルト72に堆積したウェブWを加圧加熱してシートSを成形する。シート形成部80では、ウェブWにおいて混ぜ合された解繊物および添加物の混合物に、熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を、互いに添加物(樹脂)を介して結着することができる。
【0053】
シート形成部80は、ウェブWを加圧する加圧部82と、加圧部82により加圧されたウェブWを加熱する加熱部84と、を備えている。加圧部82は、一対のカレンダーローラー85で構成され、ウェブWに対して圧力を加える。ウェブWは、加圧されることによりその厚さが小さくなり、ウェブWの密度が高められる。加熱部84としては、例えば、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器を用いる。図示の例では、加熱部84は、一対の加熱ローラー86を備えている。加熱部84を加熱ローラー86として構成することにより、加熱部84を板状のプレス装置(平板プレス装置)として構成する場合に比べて、ウェブWを連続的に搬送しながらシートSを成形することができる。ここで、カレンダーローラー85(加圧部82)は、加熱ローラー86(加熱部84)によってウェブWに印加される圧力よりも高い圧力をウェブWに印加することができる。なお、カレンダーローラー85や加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
【0054】
切断部90は、シート形成部80によって成形されたシートSを切断する。図示の例では、切断部90は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過したシートSを切断する。
【0055】
以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、排出部96へと排出される。
【0056】
次に、原料供給装置の構成について説明する。
図2は、原料供給装置の構成を示す概略図である。
図2に示すように、原料供給装置10は、供給部200と、検出部300と、制御部104(
図1参照)と、を備えている。本例の制御部104は、原料供給装置10とシート製造装置100とに共通に設けられ、全体の制御を司る。原料供給装置10とシート製造装置100とに個別に制御部を設けて連携させてもよい。原料供給装置10は筐体190を有し、供給部200及び検出部300は、筐体190内に収容されている。なお、本実施形態では、原料はシート状の原料であり、例えば、オフィス等で主に使用されるA4サイズの古紙Puを供給する場合について説明する。
【0057】
供給部200は、第1供給部(第1供給機構)201と第2供給部(第2供給機構)202とを備えている。第1供給部201は、複数枚の古紙Puを重ねて貯めておくトレー部211と、トレー部211を鉛直方向に移動させる移動機構221等を備えている。移動機構221は、例えば、ボールねじ等で構成される。トレー部211に載置された最上位の古紙Puに対応する位置には、ピックアップローラー230が配置され、古紙Puが1枚ずつ繰り出される。ピックアップローラー230に対して古紙Puの搬送方向下流側には、ピックアップローラー230により繰り出された古紙Puを搬送する搬送ローラー対231が配置されている。古紙Puは搬送ローラー対231により搬送され、筐体190の外側に配置されたガイド部233に沿って、原料供給装置10から排出(供給)される。なお、第2供給部202の構成は、上記第1供給部201の構成と同様なので説明を省略する。また、第1供給部201及び第2供給部202の配置については特に限定されず、上下方向(重力方向)に並べて配置してもよいし、横方向(水平方向)に並べて配置してもよい。
【0058】
供給部200は、上記の構成に限定されず、例えば、積載された古紙を、最上位の古紙Puからではなく最下位の古紙Puから供給するよう構成してもよい。また、古紙Puを粗砕した紙片を、例えば解繊部20に供給する供給部である場合には、ホッパーにより構成することができる。
【0059】
本実施形態にかかる第1供給部201と第2供給部202は、制御部104により、交互に古紙Puを供給するよう制御される。
【0060】
検出部300は、供給部200の状態を検出するものであり、本実施形態の検出部300は、第1検出部301と第2検出部302とを有し、第1供給部201及び第2供給部202のそれぞれに対応して配置されている。これにより、第1供給部201及び第2供給部202における状態(正常状態、異常状態)を検出することができる。第1検出部301は、古紙Puの搬送経路におけるピックアップローラー230と搬送ローラー対231との間に配置されている。第1検出部301は、例えば、フォトインターラプターであり、光を発する発光部310aと、発光部310aから発せられた光を受ける受光部310bとを備えている。発光部310aの発光素子としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)発光素子やレーザー発光素子等が適用される。また、受光部310bは、フォトトランジスターやフォトIC等で構成される。これにより、発光部310aと受光部310bとの間における(第1検出部301の光路上における)古紙Puの有無を検出することができる。
【0061】
第1検出部301は、制御部104に接続され、所定のプログラムに基づき、駆動制御される。制御部104は、第1検出部301を駆動し、受光部310bにおける光の受光量と予め定められた閾値とを比較して、古紙Puの有無を検出する。ピックアップローラー230や搬送ローラー対231の駆動に同期して、古紙Puの有と無とが繰り返し検出された場合は、第1供給部201から古紙Puが正常に搬送されている状態(正常動作状態)であると判断される。一方、所定のタイミングあるいは所定の時間内に、受光部310bにおける受光量に変化がない状態が継続する場合は、第1供給部201は異常状態にあると判断される。例えば、古紙Puのジャム等による搬送不具合の発生により、第1供給部201から古紙Puが正常に搬送されていない場合に、異常状態であると判断される。なお、第2検出部302の構成は、上記第1検出部301の構成と同様なので説明を省略する。
【0062】
また、検出部300は、上記構成に限定されず、例えば、CCDセンサー、CMOSセンサー等を用いて、古紙Puの画像情報を取得する構成であってもよい。この場合、例えば、古紙Puの画像データの各画像の濃度を利用した特徴量解析により、古紙Puの皺や折れ等の検出や古紙Puに付着されたステープラーの針やクリップ等の付着物の検出が可能となり、これらを検出した場合に制御部104は、供給部200から古紙Puが正常に搬送されていない状態(異常状態)であると判断することができる。
また、近赤外の光源から古紙Puに照射した光の反射光または透過光を光センサーで受光して、高速フーリエ変換によるスペクトル分析に基づいて紙の種類を判別し、望ましくない種類の紙が混入していた場合は異常状態であると判断しても良い。紙の種類の判別方法として、超音波など他の手法を利用しても良い。
また、原料の量を光学的にあるいは超音波などにより検出し、原料が無くなったとき、あるいは閾値よりも原料が少なくなったときに異常状態であると判断しても良い。
また、例えば超音波によって、古紙Puが複数枚重なった状態で搬送されたこと(重送)が検出されたときに、制御部104は供給部200が異常状態であると判断しても良い。
なお、上記検出部300の構成を適宜組み合わせて適用してもよい。
【0063】
原料供給装置10は、供給部200のステータスを通知する通知部400を有している。本実施形態では、第1供給部201のステータスを通知する第1通知部401と、第2供給部202のステータスを通知する第2通知部402と、を有している。第1供給部201及び第2供給部202におけるステータスとして、古紙Puを供給している動作状態と、異常状態にあり古紙Puを供給することのできない休止状態と、古紙Puを供給可能ではあるが供給せずに待機している待機状態とがあり、第1通知部401及び第2通知部402はこのステータス情報を通知する。なお、各供給部が、古紙Puを供給可能な状態を正常状態、古紙Puを供給不能な状態を異常状態ともいう。動作状態と待機状態は正常状態に含まれ、休止状態は異常状態に含まれる。
【0064】
本実施形態の第1通知部401及び第2通知部402は、
図2に示すように、赤色の表示部411と、黄色の表示部412と、緑色の表示部413と、を積層させた積層型表示灯であり、筐体190の頂部に配置されている。赤色の表示部411は休止状態に対応し、黄色の表示部412は待機状態に対応し、緑色の表示部413は動作状態に対応している。また、各通知部401,402がいずれの供給部201,202に対応しているかを識別するための識別表示420a,420bを、各通知部401,402に設けてもよい。これにより、ユーザーは第1通知部401及び第2通知部402を見ることにより各第1供給部201及び第2供給部202のステータスを容易に把握することができる。なお、通知部400の構成は、上記構成に限定されず、例えば、通知部400は2色表示で動作状態及び休止状態のみを通知する形態であってもよいし、発光素子等による点滅表示、文字や記号等による表示、あるいは音声やビープ音等により、供給部200のステータスを通知する構成であってもよい。このように、通知部400は、供給部200のステータスを、視覚情報または聴覚情報を出力することにより、ユーザーに通知する。
【0065】
次に、原料供給装置の制御部の構成について説明する。
図3は、原料供給装置の制御部の構成を示す制御ブロック図である。
図3に示すように、制御部104は、指令部1300、駆動部1400、計時機能部1410等を備えている。指令部1300は、CPU1301、記憶手段としてのROM1302、RAM1303及び入出力インターフェイス1304からなり、CPU1301が入出力インターフェイス1304を介して入力される各種信号を、ROM1302、RAM1303のデータに基づき処理し、入出力インターフェイス1304を介して駆動部1400へ制御信号を出力する。CPU1301は、例えば、ROM1302に記憶された制御プログラムに基づいて、各種制御を行う。計時機能部1410は、時間を計測可能なストップウォッチ機能や日時を計測可能なカレンダー機能等を備えている。
【0066】
駆動部1400は、第1検出駆動部1401、第2検出駆動部1402、第1供給駆動部1403、第2供給駆動部1404、第1通知駆動部1405、第2通知駆動部1406、入出力駆動部1407で構成されている。そして、指令部1300の制御信号に基づいて、第1検出駆動部1401は第1検出部301を駆動制御し、第2検出駆動部1402は第2検出部302を駆動制御し、第1供給駆動部1403は第1供給部201を駆動制御し、第2供給駆動部1404は第2供給部202を駆動制御し、第1通知駆動部1405は第1通知部401を駆動制御し、第2通知駆動部1406は第2通知部402を駆動制御する。また、入出力駆動部1407は入出力部104a(
図1参照)を駆動制御する。なお、入出力部104aは、原料供給装置10の各種条件を設定する設定部を含み、例えば、ユーザーが操作可能な入力部と、原料供給装置10のステータス等を表示する表示部とが一体に構成されたタッチパネルで構成されている。
【0067】
制御部104は、複数の供給部200が正常状態にあるとき、所定のタイミングで切り替えてそれぞれの供給部から交互に古紙Puを供給させる。すなわち、本実施形態では、検出部300(第1検出部301、第2検出部302)による検出結果に基づいて、第1供給部201及び第2供給部202が正常状態にあると判断した場合に、所定のタイミングで、第1供給部201と第2供給部202とを交互に動作させ、古紙Puを供給させる。所定のタイミングは、原料供給装置10またはシート製造装置100に予め設定されていてもよいし、ユーザーが適宜設定するようにしてもよい。所定のタイミングとしては、例えば、第1供給部201及び第2供給部202から供給される古紙Puの供給量(給紙枚数)でもよいし、第1供給部201及び第2供給部202による古紙Puの供給動作時間(時分割制御)でもよい。
【0068】
また、制御部104は、何れかの供給部(第1供給部201または第2供給部202)が異常状態にあるとき、他の正常状態にある供給部(第1供給部201または第2供給部202)から古紙Puを供給させる。これにより、一方の供給部が異常状態であっても、他方の供給部から古紙Puが供給されるので、古紙Puの供給が中断されること無く継続して行うことができる。なお、異常状態とは、古紙Puの供給が不能となった状態であり、例えば、検出部300(第1検出部301、第2検出部302)による検出結果に基づいて判断される。
【0069】
また、制御部104は、複数の供給部(第1供給部201及び第2供給部202)が正常状態にあるときの、単位時間当たりの原料供給量と、供給部200のいずれか(第1供給部201または第2供給部202)が異常状態にあるときの、単位時間当たりの原料供給量とが、同じになるように供給部200を制御する。すなわち、第1供給部201と第2供給部202とから交互に古紙Puを供給している状態において、例えば、第1供給部201が異常状態となった場合に、第2供給部202は、第1供給部201が供給していた原料供給量分を加えて供給する。
【0070】
また、本実施形態では、制御部104は、第1供給部201を第1稼働率で動作させ、第2供給部202を第2稼働率で動作させる。稼働率とは、供給部200からの古紙Puの単位時間(例えば1分)当たりの供給量に対する、第1供給部201と第2供給部202の各供給量の比である。例えば、供給部200の単位時間当たりの供給量が10枚で、第1供給部201から8枚、第2供給部202から2枚の古紙Puを供給する場合、第1供給部201の稼働率は80%、第2供給部202の稼働率20%となる。本実施形態では、第1供給部201の稼働率を50%(第1稼働率)とし第2供給部202の稼働率を50%(第2稼働率)に設定する。この場合、第1供給部201と第2供給部202とは同じ構成であるため、供給速度や供給間隔等の駆動条件が同じであれば、第1供給部201と第2供給部202とによる古紙Puの供給量(給紙枚数)は同じとなる。これにより、第1供給部201と第2供給部202とを平均して稼働させ古紙Puを供給させることができる。
【0071】
第1供給部201が異常状態となった場合には、第2供給部202を稼働率100%で動作させる。これにより、一方の供給部(例えば第1供給部201)が異常状態であっても、当該異常状態にある供給部が供給するはずの古紙Puを他の供給部(例えば第2供給部202)が補完して供給するので、古紙Puの供給量を一定に維持することができる。
【0072】
次に、原料供給装置の原料供給方法について説明する。なお、本実施形態では、上記原料供給装置10における原料供給方法について説明する。
図4は原料供給装置の状態遷移図である。
図5から
図8は入出力部における表示例を示す説明図である。
【0073】
原料供給装置10(シート製造装置100)が起動すると、原料供給装置10の初期設定が行われる。例えば、ユーザーは、入出力部104aのメニューから原料供給装置10の設定画面を選択し、原料供給装置10の稼働条件を入力する。稼働条件の1つとして、第1供給部201の稼働率と第2供給部202の稼働率とを入力する。本実施形態では、
図5に示すように、第1供給部201の稼働率を50%と設定し、第2供給部202の稼働率を50%と設定する。
また、稼働条件の1つとして、第1供給部201と第2供給部202との間で動作を切り替えるタイミングを設定する。この切り替えタイミングは、稼働率に対応した供給量(給紙枚数)で設定される。例えば、第1供給部201の稼働率が80%、第2供給部202の稼働率が20%の場合、第1供給部201から古紙Puを4枚供給した後、第2供給部202に切り替えて第2供給部202から古紙Puを1枚供給するよう、切り替えタイミングを設定する。このように、稼働率と切り替えタイミングとに矛盾がないよう設定される。本実施形態では、第1供給部201と第2供給部202の稼働率は50%であるので、例えば、古紙Puを1枚供給する度に切り替えるように設定する。
なお、第1供給部201と第2供給部202との間で動作を切り替えるタイミングは、古紙Puの供給動作時間で切り替えるように設定してもよい。例えば、第1供給部201の稼働率が80%、第2供給部202の稼働率が20%の場合、第1供給部201から古紙Puを8秒間供給した後、第2供給部202に切り替えて第2供給部202から古紙Puを2秒間供給するよう、切り替えタイミングを設定する。また、第1、第2供給部201,202の稼働率が50%の場合、古紙Puを10秒間供給する度に切り替えるよう、切り替えタイミングを設定する。
稼働条件の設定後、スタートスイッチを操作し、原料供給装置10(シート製造装置100)を動作させる。原料供給装置10の状態はステータスS1となる。
【0074】
ステータスS1は、第1供給部201及び第2供給部202が動作状態である。そして、第1供給部201と第2供給部202とが所定のタイミングで切り替わって交互に古紙Puを供給する。このとき、第1通知部401および第2通知部402は、動作状態に対応する緑色の表示部413を点灯させる。入出力部104aのステータス画面には、
図6に示すように、第1供給部201と第2供給部202とが動作状態にあることが表示される。
【0075】
また、ステータスS1において、制御部104は、第1供給部201に対応する第1検出部301と、第2供給部202に対応する第2検出部302を駆動し、第1及び第2検出部301,302による検出結果に基づいて、第1及び第2供給部201,202が異常状態であるか否かを判断する。第2供給部202に異常があると判断した場合は、ステータスS2に移行し、第2供給部202を休止(停止)させ、正常である第1供給部201のみから古紙Puを供給させる。一方、第1供給部201に異常があると判断した場合は、ステータスS3に移行し、第1供給部201を休止(停止)させ、正常である第2供給部202のみから古紙Puを供給させる。
【0076】
ステータスS2は、原料供給装置10のステータスが、第1供給部201が動作状態であり、第2供給部202が休止状態である。制御部104は、ステータスS1における単位時間当たりの供給量と同じ供給量となるように、第1供給部201の稼働率を50%から100%(第2供給部202の稼働率は0%)に上げて動作させる。これにより、第2供給部202が古紙Puを供給不能な状態であっても、古紙Puの供給量を低減させることなく維持することができる。ステータスS2は、第1通知部401は、緑色の表示部413を継続して点灯させる。第2通知部402は、緑色の表示部413を消灯させ、休止状態に対応する赤色の表示部411を点灯させる。入出力部104aのステータス画面には、
図7に示すように、第1供給部201は稼働率100%で動作状態にあり、第2供給部202は休止状態にあることが表示される。
【0077】
また、ステータスS2において、制御部104は、休止状態にある第2供給部202が正常状態に復帰したか(異常状態が解消されたか)否かを判断する処理を行う。例えば、古紙Puのジャムによる搬送不具合が第2検出部302により検出され、第2供給部202が休止状態となった場合に、ユーザーによってジャムの原因となった古紙Puが搬送経路から取り除かれると、制御部104は、第2検出部302による検出結果に基づいて、第2供給部202のジャム(異常状態)が解消されたことを知ることができる。第2供給部202が正常状態に復帰したと判断した場合は、ステータスS1に移行し、第1稼働率50%で第1供給部201を動作させ、第2稼働率50%で第2供給部202を動作させて、第1供給部201と第2供給部202とから古紙Puを供給させる。
【0078】
なお、ステータスS2からステータスS1に移行させる前に、一旦第2供給部202を待機状態に移行させてもよい。すなわち、第2供給部202を、休止状態から待機状態に移行させた後に、動作状態に移行させてもよい。このようにすれば、例えば、第2検出部302の異常に起因して起こる、第2供給部202の動作状態と休止状態との間の状態遷移の頻発を抑えることができる。
【0079】
ステータスS3は、原料供給装置10のステータスが、第1供給部201が休止状態であり、第2供給部202が動作状態である。制御部104は、ステータスS1における供給量と同じ供給量となるように、第2供給部202の稼働率を50%から100%(第1供給部201の稼働率は0%)に上げて動作させる。これにより、第1供給部201が古紙Puを供給不能な状態であっても、古紙Puの供給量を低減させることなく維持することができる。ステータスS3では、第1通知部401は、緑色の表示部413を消灯させ、休止状態に対応する赤色の表示部411を点灯させる。第2通知部402は、緑色の表示部413を継続して点灯させる。入出力部104aのステータス画面には、
図8に示すように、第1供給部201は休止状態にあり、第2供給部202は稼働率100%で動作状態にあることが表示される。
【0080】
また、ステータスS3において、制御部104は、第1検出部301による検出結果に基づいて、休止状態にある第1供給部201が正常状態に復帰したか(異常状態が解消されたか)否かを判断し、第1供給部201が正常状態に復帰したと判断した場合は、ステータスS1に移行し、第1稼働率50%で第1供給部201を動作させ、第2稼働率50%で第2供給部202を動作させて、第1供給部201と第2供給部202とから古紙Puを供給させる。
【0081】
なお、ステータスS3からステータスS1に移行させる前に、一旦第1供給部201を待機状態に移行させてもよい。すなわち、第1供給部201を、休止状態から待機状態に移行させた後に、動作状態に移行させてもよい。このようにすれば、第1検出部301の異常に起因して起こる、第1供給部201の動作状態と休止状態との間での状態遷移の頻発を抑えることができる。
【0082】
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0083】
第1供給部201と第2供給部202とを切り替えながら古紙Puを供給するため、何れかの供給部に貯留された古紙Puが長時間放置されるようなことがなく、機密漏洩防止に役立てることができる。また、稼働の偏りが低減され、各供給部の状態を良好に保つことができる。
また、原料供給装置10から古紙Puが安定して供給されるため、効率良くシートSを製造することができる。
【0084】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、本実施形態にかかるシート製造装置の構成及び原料供給装置の基本的な構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0085】
本実施形態の原料供給装置10は、少なくとも3以上の供給部を有し、制御部104は、予め設定された優先度に応じて、少なくとも2以上の供給部を選択し、それぞれの供給部から原料を供給させる。具体的には、原料供給装置10の供給部200は、第1供給部201と第2供給部202と第3供給部(図示せず)とを備えている。第3供給部の構成は第1供給部201と同様である。また、原料供給装置10の検出部300は、第1供給部201の状態を検出する第1検出部301と、第2供給部202の状態を検出する第2検出部302と、第3供給部の状態を検出する第3検出部(図示せず)を備えている。第3検出部の構成は第1検出部301と同様である。また、原料供給装置10の通知部400は、第1供給部201に対応する第1通知部401と、第2供給部202に対応する第2通知部402と、第3供給部に対応する第3通知部(図示せず)とを備える。第3通知部の構成は第1通知部401と同様である。
【0086】
次に、本実施形態にかかる原料供給装置の原料供給方法について説明する。
図9は原料供給装置の状態遷移図である。また、
図10から
図20は入出力部における表示例を示す説明図である。
【0087】
本実施形態では、3つの供給部(第1供給部201と第2供給部202と第3供給部)のうち、優先度順に2つの供給部を選択し、切り替えながら動作させる方法について説明する。
【0088】
原料供給装置10(シート製造装置100)が起動すると、原料供給装置10の初期設定が行われる。例えば、ユーザーは、入出力部104aのメニューから原料供給装置10の設定画面を選択し、原料供給装置10の稼働条件を入力する。稼働条件の1つとして、供給部200の優先順位を設定する。例えば、
図10に示すように、第1供給部201に対して優先順位「第1位」のキーを押し、第2供給部202に対して優先順位「第2位」のキーを押し、第3供給部に対して優先順位「第3位」のキーを押す。これにより、供給部200の優先順位が設定される。この場合、原料供給装置10は、最初に第1組として、第1供給部201と第2供給部202とが選択されこの組み合わせで動作し、次いで第2組として、第2供給部202と第3供給部203とが選択されこの組み合わせで動作し、次いで第3組として、第3供給部203と第1供給部201とが選択されこの組み合わせで動作することになる。
【0089】
次に、稼働条件の1つとして、供給部200の稼働率を入力する。稼働率は、同時に動作状態となる2つの供給部(上記の各組み合わせ)に対して、それぞれ設定される。稼働率の定義は第1実施形態と同様である。本実施形態では、2つの供給部のうち優先度の高い方の供給部の稼働率(X%)を設定すると、優先度の低い方の供給部の稼働率は自動的に設定される((100−X)%)。例えば、
図11に示すように、第1組では第1供給部201の稼働率を50%と設定し、第2組では第2供給部202の稼働率を50%と設定し、第3組では第3供給部の稼働率を50%と設定する。なお、第3組では、優先度は第1供給部201の方が第3供給部203よりも高いが、このような最高位と最低位の組み合わせの場合には、例外的に優先度の低い供給部の稼働率を設定するようにしてもよい。
また、稼働条件の1つとして、選択された2つの供給部間で、動作を切り替えるタイミンを設定する。例えば、第1組の場合、第1供給部201と第2供給部202とを古紙1枚の供給の度に切り替えるように設定する。他の供給部200の組み合わせにおいても同様に設定される。
また、稼働条件の1つとして、動作状態とする供給部の組みを切り替えるタイミングを設定する。例えば、第1組(第1供給部201と第2供給部202の組み合わせ)による供給から第2組(第2供給部202と第3供給部の組み合わせ)による供給へと切り替えるタイミングを設定する。この切り替えタイミングは、各組みの古紙Puの供給量(給紙枚数)または供給動作時間で設定される。供給量で設定する場合は、供給動作中の組みの給紙枚数が所定枚数(例えば100枚)に達したときに、他の組みに切り替えるように設定する。供給動作時間で設定する場合は、供給動作中の組みの供給動作時間が所定時間(例えば1時間)に達したときに、他の組みに切り替えるように設定する。
その後、スタートスイッチを操作し、原料供給装置10(シート製造装置100)を動作させる。
原料供給装置10の状態はステータスS1となる。
【0090】
ステータスS1では、原料供給装置10のステータスは、第1供給部201及び第2供給部202が動作状態であり、第3供給部は待機状態である。第1供給部201と第2供給部202とが所定のタイミングで(本例では古紙Puを1枚供給する度に)切り替わって古紙Puを交互に供給する。このとき、第1通知部401及び第2通知部402は、動作状態に対応する緑色の表示部413を点灯させ、第3通知部は、待機状態に対応する黄色の表示部を点灯させる。入出力部104aのステータス画面には、
図12に示すように、第1供給部201と第2供給部202とは動作状態にあり、第3供給部は待機状態にあることが表示される。
【0091】
また、ステータスS1において、制御部104は、動作状態である第1及び第2供給部201,202に対応する第1及び第2検出部301,302を駆動し、第1及び第2検出部301,302による検出結果に基づいて、第1及び第2供給部201,202が異常状態であるか否かを判断する。第2供給部202に異常があると判断した場合は、ステータスS2に移行し、第2供給部202を休止(停止)させ、正常である第1供給部201のみから古紙Puを供給させる。一方、第1供給部201に異常があると判断した場合は、ステータスS3に移行し、第1供給部201を休止(停止)させ、正常である第2供給部202のみから古紙Puを供給させる。
【0092】
ステータスS2は、
原料供給装置10のステータスが、第1供給部201が動作状態であり、第2供給部202が休止状態であり、第3供給部が待機状態である。制御部104は、ステータスS1における古紙Puの単位時間当たりの供給量と同じ供給量となるように、第1供給部201の稼働率を50%から100%(第2供給部202の稼働率は0%)に上げて動作させる。これにより、第2供給部202が古紙Puを供給不能な状態であっても、古紙Puの供給量を低減させることなく維持することができる。ステータスS2では、第1通知部401は、緑色の表示部413を継続して点灯させる。第2通知部402は、緑色の表示部413を消灯させ、休止状態に対応する赤色の表示部411を点灯させる。第3通知部は、黄色の表示部412を継続して点灯させる。入出力部104aのステータス画面には、
図13に示すように、第1供給部201は稼働率100%で動作状態にあり、第2供給部202は休止状態にあり、第3供給部は待機状態にあることが表示される。
【0093】
また、ステータスS2において、制御部104は、第2検出部302による検出結果に基づいて、休止状態にある第2供給部202が正常状態に復帰したか(異常状態が解消されたか)否かを判断し、第2供給部202が正常状態に復帰したと判断した場合は、ステータスS1に移行し、第1稼働率50%で第1供給部201を動作させ、第2稼働率50%で第2供給部202を動作させて、第1供給部201と第2供給部202とから古紙Puを供給させる。
【0094】
ステータスS3は、
原料供給装置10のステータスが、第1供給部201が休止状態であり、第2供給部202が動作状態であり、第3供給部が待機状態である。制御部104は、ステータスS1における古紙Puの単位時間当たりの供給量と同じ供給量となるように、第2供給部202の稼働率を50%から100%(第1供給部201の稼働率は0%)に上げて動作させる。これにより、第1供給部201が古紙Puを供給不能な状態であっても、古紙Puの供給量を低減させることなく維持することができる。ステータスS3では、第1通知部401は、緑色の表示部413を消灯させ、休止状態に対応する赤色の表示部411を点灯させる。第2通知部402は、緑色の表示部413を継続して点灯させる。第3通知部は、黄色の表示部412を継続して点灯させる。入出力部104aのステータス画面には、
図14に示すように、第1供給部201は休止状態にあり、第2供給部202は稼働率100%で動作状態にあり、第3供給部は待機状態にあることが表示される。
【0095】
また、ステータスS3において、制御部104は、第1検出部301による検出結果に基づいて、休止状態にある第1供給部201が正常状態に復帰したか(異常状態が解消されたか)否かを判断するし、第1供給部201が正常状態に復帰したと判断した場合は、ステータスS1に移行し、第1稼働率50%で第1供給部201を動作させ、第2稼働率50%で第2供給部202を操作させて、第1供給部201と第2供給部202とから古紙Puを供給させる。
【0096】
次に、所定のタイミングになると(本例では供給量が設定値に達したとき)、ステータスS1〜S3からステータスS4に移行する。ステータスS4では、原料供給装置10のステータスは、第2供給部202及び第3供給部が動作状態であり、第1供給部201は待機状態である。第2供給部202と第3供給部とが所定のタイミングで(本例では古紙Puを1枚供給する度に)切り替わって古紙Puを交互に供給する。このとき、第2通知部402及び第3通知部は、動作状態に対応する緑色の表示部413を点灯させ、第1通知部401は、待機状態に対応する黄色の表示部412を点灯させる。入出力部104aのステータス画面には、
図15に示すように、第2供給部202と第3供給部のとは動作状態にあり、第1供給部201は待機状態にあることが表示される。
【0097】
また、ステータスS4において、制御部104は、第2供給部202に対応する第2検出部302と、第3供給部に対応する第3検出部を駆動し、第2及び第3検出部による検出結果に基づいて、第2及び第3供給部が異常状態であるか否かを判断する。第3供給部に異常があると判断した場合は、ステータスS5に移行し、第3供給部を休止(停止)させ、正常である第2供給部202のみから古紙Puを供給させる。一方、第2供給部202に異常があると判断した場合は、ステータスS6に移行し、第2供給部202を休止(停止)させ、正常である第3供給部のみから古紙Puを供給させる。
【0098】
ステータスS5は、原料供給装置10のステータスが、第2供給部202が動作状態であり、第3供給部が休止状態であり、第1供給部201が待機状態である。制御部104は、ステータスS4における古紙Puの単位時間当たりの供給量と同じ供給量となるように、第2供給部202の稼働率を50%から100%(第3供給部の稼働率は0%)に上げて動作させる。これにより、第3供給部が古紙Puを供給不能な状態であっても、古紙Puの供給量を低減させることなく維持することができる。ステータスS5では、第2通知部402は、緑色の表示部413を継続して点灯させる。第3通知部は、緑色の表示部413を消灯させ、休止状態に対応する赤色の表示部411を点灯させる。第1通知部401は、黄色の表示部412を継続して点灯させる。入出力部104aのステータス画面には、
図16に示すように、第2供給部202は稼働率100%で動作状態にあり、第3供給部は休止状態にあり、第1供給部201は待機状態にあることが表示される。
【0099】
また、ステータスS5において、制御部104は、第3検出部による検出結果に基づいて、休止状態にある第3供給部が正常状態に復帰したか(異常状態が解消されたか)否かを判断し、第3供給部が正常状態に復帰したと判断した場合は、ステータスS4に移行し、第2供給部202と第3供給部とから古紙Puを供給させる。
【0100】
ステータスS6は、原料供給装置10のステータスが、第2供給部202が休止状態であり、第3供給部が動作状態であり、第1供給部201が待機状態である。制御部104は、ステータスS4における古紙Puの単位時間当たりの供給量と同じ供給量となるように、第3供給部の稼働率を50%から100%(第2供給部202の稼働率は0%)に上げて動作させる。これにより、第2供給部202が古紙Puを供給不能な状態であっても、古紙Puの供給量を低減させることなく維持することができる。ステータスS6では、第2通知部402は、緑色の表示部413を消灯させ、休止状態に対応する赤色の表示部411を点灯させる。第3通知部は、緑色の表示部413を継続して点灯させる。第1通知部401は、黄色の表示部412を継続して点灯させる。入出力部104aのステータス画面には、
図17に示すように、第2供給部202は休止状態にあり、第3供給部は稼働率100%で動作状態にあり、第1供給部201は待機状態にあることが表示される。
【0101】
また、ステータスS6において、制御部104は、第2検出部302による検出結果に基づいて、休止状態にある第2供給部202が正常状態に復帰したか(異常状態が解消されたか)否かを判断し、第2供給部202が正常状態に復帰したと判断した場合は、ステータスS4に移行し、第2供給部202と第3供給部とから古紙Puを供給させる。
【0102】
次に、所定のタイミングになると(本例では供給量が設定値に達したとき)、ステータスS4〜6からステータスS7に移行する。ステータスS7では、原料供給装置10のステータスは、第1供給部201及び第3供給部が動作状態であり、第2供給部202は待機状態である。第1供給部201と第3供給部とが所定のタイミングで(本例では古紙Puを1枚供給する度に)切り替わって古紙Puを交互に供給する。このとき、第1通知部401及び第3通知部は、動作状態に対応する緑色の表示部413を点灯させる。第2通知部402は、待機状態に対応する黄色の表示部412を点灯させる。入出力部104aのステータス画面には、
図18に示すように、第1供給部201と第3供給部とは動作状態にあり、第2供給部202は待機状態にあることが表示される。
【0103】
また、ステータスS7において、制御部104は、第1供給部201に対応する第1検出部301と、第3供給部に対応する第3検出部を駆動し、第1及び第3検出部による検出結果に基づいて、第1及び第3供給部が異常状態であるか否かを判断する。第1供給部201に異常があると判断した場合は、ステータスS8に移行し、第1供給部201を休止(停止)させ、正常である第3供給部のみから古紙Puを供給させる。一方、第3供給部に異常があると判断した場合は、ステータスS9に移行し、第3供給部を休止(停止)させ、正常である第1供給部201のみから古紙Puを供給させる。
【0104】
ステータスS8は、原料供給装置10のステータスが、第3供給部が動作状態であり、第1供給部201が休止状態であり、第2供給部202が待機状態である。制御部104は、ステータスS7における古紙Puの単位時間当たりの供給量と同じ供給量となるように、第3供給部の稼働率を50%から100%(第1供給部201の稼働率は0%)に上げて動作させる。これにより、第1供給部201が古紙Puを供給不能な状態であっても、古紙Puの供給量を低減させることなく維持することができる。ステータスS8では、第1通知部401は、緑色の表示部413を消灯させ、休止状態に対応する赤色の表示部411を点灯させる。第3通知部は、緑色の表示部413を継続して点灯させる。第2通知部402は、黄色の表示部412を継続して点灯させる。入出力部104aのステータス画面には、
図19に示すように、第1供給部201は休止状態にあり、第3供給部は稼働率100%で動作状態にあり、第2供給部202は待機状態にあることが表示される。
【0105】
また、ステータスS8において、制御部104は、第1検出部301による検出結果に基づいて、休止状態にある第1供給部201が正常状態に復帰したか(異常状態が解消されたか)否かを判断し、第1供給部201が正常状態に復帰したと判断した場合は、ステータスS7に移行し、第1供給部201と第3供給部とから古紙Puを供給させる。
【0106】
ステータスS9は、原料供給装置10のステータスが、第1供給部201が動作状態であり、第3供給部が休止状態であり、第2供給部202が待機状態である。制御部104は、ステータスS7における古紙Puの単位時間当たりの供給量と同じ供給量となるように、第1供給部201の稼働率を50%から100%(第3供給部の稼働率は0%)に上げて動作させる。これにより、第3供給部が古紙Puを供給不能な状態であっても、古紙Puの供給量を低減させることなく維持することができる。ステータスS9では、第1通知部401は、緑色の表示部413を継続して点灯させる。第3通知部は、緑色の表示部413を消灯させ、休止状態に対応する赤色の表示部411を点灯させる。第2通知部402は、黄色の表示部412を継続して点灯させる。入出力部104aのステータス画面には、
図20に示すように、第1供給部201は稼働率100%で動作状態にあり、第3供給部は休止状態にあり、第2供給部202は待機状態にあることが表示される。
【0107】
また、ステータスS9において、制御部104は、第3検出部による検出結果に基づいて、休止状態にある第3供給部が正常状態に復帰したか(異常状態が解消されたか)否かを判断し、第3供給部が正常状態に復帰したと判断した場合は、ステータスS7に移行し、第1供給部201と第3供給部とから古紙Puを供給させる。
【0108】
なお、第1実施形態と同様に、休止状態にある供給部を動作状態に移行させる場合、待機状態を経由させてもよい。すなわち、休止状態から待機状態に移行させ、その後、動作状態に移行させてもよい。このようにすれば、各検出部の異常に起因して起こる、各供給部の動作状態と休止状態との状態遷移の頻発が低減される。
【0109】
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0110】
この構成によれば、3つの供給部(第1供給部201、第2供給部202、第3供給部)を備えるため、より安定して古紙Puを供給することができる。また、第1供給部201と第2供給部202、第2供給部202と第3供給部、第1供給部201と第3供給部、をそれぞれ組みとして切り替えながら古紙Puを供給させるため、各供給部間における稼働の偏りが低減され、各供給部の状態を良好に保つことができる。
【0111】
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。また、技術的に矛盾のない範囲で、複数の実施形態を組み合わせてもよいし、実施形態の一部を他の実施形態の一部と組み合わせてもよい。変形例を以下に述べる。
【0112】
(変形例1)第1及び第2実施形態では、第1供給部201の第1稼働率と第2供給部202の第2稼働率とを同じ稼働率にして動作させたが、この構成に限定されない。例えば、第1稼働率と第2稼働率とを異ならせて動作させてもよい。例えば、第1供給部201が第2供給部202よりも古紙Puの貯留量が多い場合、第1供給部201の稼働率を第2供給部202の稼働率よりも高くすることにより、古紙Pu無しによるエラーの発生を低く抑えることができる。また、例えば、機密度の高い古紙Pu等を第1供給部201に貯留し、機密度の低い古紙Pu等を第2供給部202に貯留しておき、第1供給部201の稼働率を高くすることで、機密度の高い文書をより速く処理することが可能となる。
【0113】
(変形例2)第1及び第2実施形態において、各供給部200において異なる原料を貯留するとともに供給してもよい。異なる原料とは、例えば、色が異なる古紙Puや材質が異なる古紙Pu等である。また、異なる原料とは、植物性繊維の繊維長が異なる原料または当該原料を含む構造物、植物性繊維の繊維径の異なる原料または当該原料を含む構造物、樹脂含有量の異なる繊維構造物等である。
この場合に、上記変形例2と同様に、各供給部における稼働率を異ならせてもよい。各供給部に異なる種類の原料を貯留して、適宜の稼働率で動作させることにより、異なる種類の原料を所定の混合比率で供給することができる。このようにすれば、例えば、1台のシート製造装置100において、質感や外観の異なる種シートSを製造することができる。
【0114】
(変形例3)第1及び第2実施形態における通知部400は、供給部200に配置したが、この構成に限定されない。例えば、ユーザーが携帯するスマートフォンやタブレット端末、ポータブル型パーソナルコンピュー
タなどの携帯型コンピューター機器に、供給部200のステータスを通知する構成であってもよい。この場合、制御部104は各種携帯端末機と通信可能な通信部を備え、当該通信部により有線LAN(ローカルエリアネットワーク)や、無線LAN、携帯電話通信網、インターネットを介して、ユーザーの端末装置に供給部200のステータスを通知すればよい。このようにすれば、原料供給装置10(シート製造装置100)を直接見ることができない所にいるユーザーでも、供給部200のステータスを把握することができる。
【0115】
(変形例4)第1及び第2実施形態では、原料供給装置10の稼働条件(供給部200の優先順位や稼働率、切り替えタイミング等)の設定をソフトウエアにより実現したが、この構成に限定されない。例えば、ディップスイッチ等のハードウエアを用いて設定するよう構成してもよい。また、管理者(特定ユーザー)のみが設定できるように構成してもよいし、一般ユーザーが設定できるように構成してもよい。また、稼働条件を変更する必要がない場合には、原料供給装置10またはシート製造装置100に稼働条件を予め設定しておいてもよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
【0116】
(変形例5)第2実施形態では、3つの供給部のうち、2つの供給部を組みとして切り替え動作をさせたが、この構成に限定されない。3つの供給部(第1供給部201、第2供給部202、第3供給部)を同時に稼働させてもよい。この場合、例えば、各供給部の稼働率を33%として設定し動作させる。そして、古紙Puを1枚供給する度に、第1供給部201から第2供給部202へ、第2供給部202から第3供給部へ、第3供給部から第1供給部201へと切り替えて供給させる。なお、第1供給部201が休止状態となった場合には、第2供給部202と第3供給部のみを動作させる。このとき、第2供給部202と第3供給部の稼働率をそれぞれ50%として古紙Puを供給させる。また、例えば、第1及び第2供給部201,202が休止状態となった場合には、第3供給部のみを動作させる。このとき、第3供給部の稼働率を100%として古紙Puを供給させる。これにより、古紙Puの供給量を低下させることなく、一定量の古紙Puを供給することができる。
【0117】
(変形例6)第2実施形態では、1つの供給部が複数の組みに属していた、例えば、第1供給部201は第1組と第3組の2つの組みに属していたが、この構成に限定されない。例えば、4つの供給部A〜Dがある場合に、供給部Aと供給部Bの組みと、供給部Cと供給部Dの組みとに組み分けしてもよい。すなわち、1つの供給部は1つの組みにのみ属するように組み分けしてもよい。
また、供給部の優先度に応じて組み分けすると共に、優先度に応じて組み間の切り替えを行ったが、この構成に限定されない。優先度によらず任意に組み分けをし、優先度によらず任意に設定した順番で組み間の切り替えを行うようにしてもよい。