特許第6791244号(P6791244)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791244
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】指用血圧計用カフ
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
   A61B5/022 300G
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-512680(P2018-512680)
(86)(22)【出願日】2016年4月19日
(86)【国際出願番号】JP2016062350
(87)【国際公開番号】WO2017183106
(87)【国際公開日】20171026
【審査請求日】2019年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100105407
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】戸村 宏行
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 正人
(72)【発明者】
【氏名】藏地 隆介
(72)【発明者】
【氏名】玉村 雅也
(72)【発明者】
【氏名】井上 あまね
(72)【発明者】
【氏名】中川原 実
【審査官】 伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−058987(JP,A)
【文献】 特開2000−166884(JP,A)
【文献】 実開平05−041504(JP,U)
【文献】 特開2008−099890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02 − 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定対象である指の周囲の一部に沿う第1湾曲部を有する基部と、
前記基部に回動部で連結され、前記指の周囲の他の一部に沿う第2湾曲部を有し、前記指の周囲に開口部が形成された状態で前記指に装着可能な少なくとも1つの可動部と、
前記少なくとも1つの可動部の前記開口部が形成される第1の端部とは反対側の第2の端部と前記基部との位置関係を調節することによって前記可動部の前記基部に対する角度を調節可能な調節部と、
前記基部、前記可動部及び前記開口部によって前記指の周囲に沿うように形成される内周部の少なくとも一部に設けられ、前記指の周囲の一部を圧迫する圧迫部と、
を備え、
前記圧迫部により圧迫される指の周囲の被圧迫部分と、前記可動部によって形成される前記指の周囲の開口部とが、前記指の中心軸に対して互いに非対称であることを特徴とする指用血圧計用カフ。
【請求項2】
前記調節部は、調節用のネジを有することを特徴とする請求項1に記載の指用血圧計用カフ。
【請求項3】
前記調節部は、調節用の弾性体を有することを特徴とする請求項1に記載の指用血圧計用カフ。
【請求項4】
複数の前記可動部を備え、
前記複数の前記可動部のうちの第1可動部が有する前記第2湾曲部の形状と、前記複数の前記可動部のうちの第2可動部が有する前記第2湾曲部の形状とが、前記指の中心軸に対して互いに非対称であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の指用血圧計用カフ。
【請求項5】
前記基部は、前記指の周囲の一部に沿う第3湾曲部を更に有し、
前記可動部の前記第2湾曲部の形状と、前記基部の前記第3湾曲部の形状とが、前記指の中心軸に対して互いに非対称であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の指用血圧計用カフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指用血圧計用カフに関する。
【背景技術】
【0002】
血圧計用カフは、血圧計本体に接続されており、血圧測定時に被測定部位に巻き付けられる。血圧計用カフの内部に空気袋が設けられている。空気袋に空気を供給して空気袋を膨張させ、被測定部位の血圧を測定する。非侵襲的に血圧を測定する手法の中で、一心拍毎に連続測定が可能な方法として容積補償法がある。この容積補償法を実現するには、測定部位の動脈血管を体表面より圧迫し、その血管内の容積を一定に保つ制御が必要とされる。この測定方法に適する測定部位として、一般的に手指が用いられる。これまでの容積補償法を用いた血圧計では、指に巻き付ける方式や、筒状のカフに指を挿入する方式の指カフが用いられてきた。なお、本発明と関連する技術としては、以下の特許文献が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−289977号公報
【特許文献2】特表2013−510642号公報
【特許文献3】特開昭61−238227号公報
【特許文献4】実開平2−10805号公報
【特許文献5】特開2005−40498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被測定部位として指を採用する場合、指にカフを巻き付けて指の動脈の血圧の測定が行われる。指にカフを巻き付けて指の動脈の血圧を測定する際、指の周囲の全てをカフで囲った状態で血圧を測定すると、指の静脈が過度に圧迫されて指が鬱血する場合がある。また、指に対して加圧及び減圧を連続で制御する事により、指の動脈の血圧の連続測定が行われる。指の動脈の血圧を連続測定する場合、指が鬱血することで測定結果に悪影響を及ぼすおそれがある。本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、血圧を測定する際における指の鬱血を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によると、被測定対象である指の周囲の一部に沿う第1湾曲部を有する基部と、前記基部に回動部で連結され、前記指の周囲の他の一部に沿う第2湾曲部を有し、前記指の周囲に開口部が形成された状態で前記指に装着可能な少なくとも1つの可動部と、前記可動部の前記基部に対する角度を調節可能な調節部と、前記基部、前記可動部及び前記開口部によって前記指の周囲に沿うように形成される内周部の少なくとも一部に設けられ、前記指の周囲の一部を圧迫する圧迫部と、を備える指用血圧計用カフが提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、血圧を測定する際における被測定部位の鬱血を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る血圧測定装置の一例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図5図5の(A)及び(B)は、第1実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図7図7は、第1実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図8図8の(A)及び(B)は、第1実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図9図9の(A)及び(B)は、第1実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図11図11の(A)及び(B)は、第2実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図12図12は、第2実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図13図13の(A)及び(B)は、第2実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図14図14の(A)及び(B)は、第3実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図15図15の(A)及び(B)は、第3実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図16図16は、第3実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図17図17の(A)及び(B)は、第3実施形態に係るカフの一例を示す図である。
図18図18の(A)及び(B)は、第3実施形態に係るカフの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的な構成に限定するものではない。
【0009】
〈第1実施形態〉
図1から図9を参照して、第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係る血圧測定装置1の一例を示す図である。血圧測定装置1は、被測定者の指5に巻き付けられるカフ2と、カフ2を介して指5の動脈の血圧を連続測定する血圧計本体3と、カフ2と血圧計本体3とを接続するケーブル4とを備える。血圧測定装置1は、例えば、容積補償法を用いて指5の動脈の血圧を連続測定してもよいし、他の方法を用いて指5の動脈の血圧を連続測定してもよい。カフ2は、指用血圧計用カフの一例である。カフ2は、被測定対象である指5に装着される。カフ2は、基部21と、可動部22A,22Bと、調節用ネジ23A,23Bと、空気袋24と、回動部33A,33Bとを備える。また、カフ2は、指5の動脈の圧脈波を検出する検出部を基部21の内部に備える。
【0010】
血圧計本体3は、空気袋24に空気を供給する供給装置と、カフ2の駆動を制御する制御装置とを備える。血圧計本体3の制御装置は、各種の演算処理を行うためのCPU(Central Processing Unit)、プログラムや各種データを記憶するメモリ等を備える。メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)である。血圧計本体3の制御装置は、空気袋24に供給される空気の圧力や供給量を制御するとともに、カフ2によって検出された各種のデータを取得する。ケーブル4は、一本であってもよいし、複数本であってもよい。
【0011】
基部21は、指5の周囲の一部に沿う湾曲部31を有する。可動部22Aは、指5の周囲の一部に沿う湾曲部32Aを有する。可動部22Bは、指5の周囲の一部に沿う湾曲部32Bを有する。可動部22Aは、回動部33Aを介して基部21に連結され、可動部22Bは、回動部33Bを介して基部21に連結されている。可動部22Aの湾曲部32Aと可動部22Bの湾曲部32Bとが対向するようにして、可動部22A及び可動部22Bが配置されている。
【0012】
図2は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。調節用ネジ23Aは、可動部22Aの基部21に対する角度(θ)を調節する。調節用ネジ23Aは、調節部の一例である。調節用ネジ23Aは、基部21及び可動部22Aに接続されている。調節用ネジ23Aは、可動部22Aの基端部分を貫通し、且つ、調節用ネジ23Aの先端部分が基部21に埋まっている。調節用ネジ23Aを回すことにより、可動部22Aに対して力が加えられるとともに、回動部33Aが回動して基部21に対する可動部22Aの角度が変化する。例えば、調節用ネジ23Aを締めることにより、可動部22Aに対して基部21から離れる方向に力が加えられるとともに、回動部33Aが回動して基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなる。例えば、調節用ネジ23Aを緩めることにより、可動部22Aに対して基部21に近づく方向に力が加えられるとともに、回動部33Aが回動して基部21に対する可動部22Aの角度が大きくなる。
【0013】
調節用ネジ23Bは、可動部22Bの基部21に対する角度(θ)を調節する。調節用ネジ23Bは、調節部の一例である。調節用ネジ23Bは、基部21及び可動部22Aに接続されている。調節用ネジ23Bは、可動部22Bの基端部分を貫通し、且つ、調節用ネジ23Bの先端部分が基部21に埋まっている。調節用ネジ23Bを回すことにより、可動部22Bに対して力が加えられるとともに、回動部33Bが回動して基部21に対する可動部22Bの角度が変化する。例えば、調節用ネジ23Bを締めることにより、可動部22Bに対して基部21から離れる方向に力が加えられるとともに、回動部33Bが回動して基部21に対する可動部22Bの角度が小さくなる。例えば、調節用ネジ23Bを緩めることにより、可動部22Bに対して基部21に近づく方向に力が加えられるとともに、回動部33Bが回動して基部21に対する可動部22Bの角度が大きくなる。
【0014】
指5にカフ2を装着する際、調節用ネジ23A,23Bを緩めることにより、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が大きくなり、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容し、調節用ネジ23A,23Bを締めることにより、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、調節用ネジ23A,23Bを締めることにより、指5の周囲に基部21及び可動部22A,22Bが装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0015】
図3は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図3は、指5にカフ2を装着し、調節用ネジ23A,23Bを締めて指5にカフ2を固定した状態を示している。可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとは接触しておらず、可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとの間に開口部34が形成されている。したがって、指5の周囲の一部に開口部34が形成された状態で、基部21及び可動部22A,22Bが指5に装着されている。指5にカフ2を固定した場合、可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとの間の距離は、例えば、5mm程度であるが、この値に限定されず他の値であってもよい。
【0016】
図3に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して対称(図3の紙面では左右対称)である。したがって、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して対称である。そのため、可動部22Aの湾曲部32Aの長さと可動部22Bの湾曲部32Bの長さとが同じである。
【0017】
空気袋24は、ケーブル4を介して、血圧計本体3からの空気の供給を受けて膨張する。空気袋24は、圧迫部の一例である。空気袋24は、基部21、可動部22A,22B及び開口部34によって形成されるカフ2の内周部の少なくとも一部に設けられている。空気袋24が膨張することにより、指5の周囲の一部を圧迫する。空気袋24に対する空気の圧力や供給量が制御されることにより、指5に対する加圧及び減圧が行われる。指5に対して加圧及び減圧を交互に繰り返すことにより、指5の動脈の血圧の連続測定が行われる。調節用ネジ23A,23Bによって指5がカフ2に固定されているため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが抑制される。図4は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図4は、カフ2が開いた状態を示している。カフ2が開いた状態で指5に対するカフ2の取り外しが行われる。
【0018】
図5の(A)及び(B)は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図5の(A)に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して非対称(図5の(A)の紙面では左右非対称)である。可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して非対称であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さが可動部22Bの湾曲部32Bの長さよりも長い。可動部22Aの湾曲部32Aの長さが可動部22Bの湾曲部32Bの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0019】
図5の(B)に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して非対称(図5の(B)の紙面では左右非対称)である。可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して非対称であり、可動部22Bの湾曲部32Bの長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長い。可動部22Bの湾曲部32Bの長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0020】
図1から図5を参照して、一つの基部21、複数の可動部22(22A,22B)、複数の調節用ネジ23(23A,23B)及び複数の回動部33(33A,33B)を備えるカフ2の構成例について説明した。図6から図8を参照して、一つの基部21、一つの可動部22(22A)、一つの調節用ネジ23(23A)及び一つの回動部33(33A)を備えるカフ2の構成例について説明する。図6は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図6に示すように、基部21には、図3に示す可動部22Bと同様の形状を有する突起部35が設けられている。換言すれば、基部21及び突起部35が一体に形成されている。突起部35は、指5の周囲の一部に沿う湾曲部36を有する。可動部22Aの湾曲部32Aと突起部35の湾曲部36とが対向するようにして、可動部22A及び突起部35が配置されている。
【0021】
図6は、指5にカフ2を装着し、調節用ネジ23Aを締めて指5にカフ2を固定した状態を示している。可動部22Aの先端部分25Aと突起部35の先端部分37とは接触しておらず、可動部22Aの先端部分25Aと突起部35の先端部分37との間に開口部34が形成されている。したがって、指5の周囲の一部に開口部34が形成された状態で、基部21、突起部35及び可動部22Aが指5に装着されている。図6に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して対称(図6の紙面では左右対称)であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さと突起部35の湾曲部36の長さとが同じである。
【0022】
空気袋24は、基部21、可動部22A、開口部34及び突起部35によって形成されるカフ2の内周部の少なくとも一部に設けられている。空気袋24が膨張することにより、指5の周囲の一部を圧迫する。調節用ネジ23Aによって指5がカフ2に固定されているため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが抑制される。図7は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図7は、カフ2が開いた状態を示している。カフ2が開いた状態で指5に対するカフ2の取り外しが行われる。
【0023】
図8の(A)及び(B)は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図8の(A)に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して非対称(図8の(A)の紙面では左右非対称)であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さが突起部35の湾曲部36の長さよりも長い。可動部22Aの湾曲部32Aの長さが突起部35の湾曲部36の長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0024】
図8の(B)に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して非対称(図8の(B)の紙面では左右非対称)であり、突起部35の湾曲部36の長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長い。突起部35の湾曲部36の長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0025】
図9の(A)及び(B)は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図9の(A)及び(B)に示すように、カフ2が指5を3点(例えば、点線11A,11B,11Cで囲まれた領域)で支持してもよい。図9の(A)は、一つの基部21、複数の可動部22(22A,22B)、複数の調節用ネジ23(23A,23B)及び複数の回動部33(33A,33B)を備えるカフ2の一例である。図9の(A)に示すカフ2の構成例では、基部21の所定箇所、可動部22Aの所定箇所及び可動部22Bの所定箇所によって指5が支持されている。図9の(B)は、一つの基部21、一つの可動部22(22A)、一つの調節用ネジ23(23A)及び一つの回動部33(33A)を備えるカフ2の一例である。図9の(B)に示すカフ2の構成例では、基部21の所定箇所、突起部35の所定箇所及び可動部22Aの所定箇所によって指5が支持されている。なお、図9の(A)及び(B)では、空気袋24の図示を省略しているが、空気袋24を介してカフ2が指5を3点で支持してもよい。
【0026】
〈第2実施形態〉
図10から図13を参照して、第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る血圧測定装置1が備える血圧計本体3及びケーブル4は、第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。また、第1実施形態と同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。図10は、第2実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。カフ2は、基部21と、可動部22A,22Bと、空気袋24と、回動部33A,33Bと、調節用バネ41A,42Bとを備える。図10は、指5にカフ2を装着し、指5にカフ2を固定した状態を示している。
【0027】
調節用バネ41Aは、可動部22Aの基部21に対する角度(θ)を調節する。調節用バネ41Aは、調節部の一例である。調節用バネ41Aは、調節用の弾性体の一例である。調節用バネ41Aは、例えば、スプリングバネや板バネである。図10に示すように、調節用バネ41Aは、基部21と可動部22Aの基端部分との間に配置され、基部21及び可動部22Aの基端部分に接続されている。調節用バネ41Aが伸びることにより、可動部22Aに対して基部21から離れる方向に力が加えられるとともに、回動部33Aが回動して基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなる。調節用バネ41Aが縮むことにより、可動部22Aに対して基部21に近づく方向に力が加えられるとともに、回動部33Aが回動して基部21に対する可動部22Aの角度が大きくなる。
【0028】
調節用バネ41Bは、可動部22Bの基部21に対する角度(θ)を調節する。調節用バネ41Bは、調節部の一例である。調節用バネ41Bは、調節用の弾性体の一例である。調節用バネ41Bは、例えば、スプリングバネや板バネである。図10に示すように、調節用バネ41Bは、基部21と可動部22Bの基端部分との間に配置され、基部21及び可動部22Bの基端部分に接続されている。調節用バネ41Bが伸びることにより、可動部22Bに対して基部21から離れる方向に力が加えられるとともに、回動部33Bが回動して基部21に対する可動部22Bの角度が小さくなる。調節用バネ41Bが縮むことにより、可動部22Bに対して基部21に近づく方向に力が加えられるとともに、回動部33Bが回動して基部21に対する可動部22Bの角度が大きくなる。
【0029】
指5にカフ2を装着する際、可動部22A,22Bとの間の隙間に指5を挿し込むことにより、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が大きくなり、カフ2が開いた状態となる。指5がカフ2の内部に収容されると、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21及び可動部22A,22Bが装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0030】
可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとは接触しておらず、可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとの間に開口部34が形成されている。したがって、指5の周囲の一部に開口部34が形成された状態で、基部21及び可動部22A,22Bが指5に装着されている。図10に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して対称(図10の紙面では左右対称)である。したがって、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して対称である。そのため、可動部22Aの湾曲部32Aの長さと可動部22Bの湾曲部32Bの長さとが同じである。
【0031】
空気袋24は、基部21、可動部22A,22B及び開口部34によって形成されるカフ2の内周部の少なくとも一部に設けられている。空気袋24が膨張することにより、指5の周囲の一部を圧迫する。調節用バネ41A,41Bによって指5がカフ2に固定されているため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが抑制される。
【0032】
図11の(A)及び(B)は、第2実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図11の(A)に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して非対称(図11の(A)の紙面では左右非対称)である。可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して非対称であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さが可動部22Bの湾曲部32Bの長さよりも長い。可動部22Aの湾曲部32Aの長さが可動部22Bの湾曲部32Bの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0033】
図11の(B)に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して非対称(図11の(B)の紙面では左右非対称)である。可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して非対称であり、可動部22Bの湾曲部32Bの長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長い。可動部22Bの湾曲部32Bの長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0034】
図10から図11を参照して、一つの基部21、複数の可動部22(22A,22B)、複数の回動部33(33A,33B)及び複数の調節用バネ41(41A,41B)を備えるカフ2の構成例について説明した。図12から図13を参照して、一つの基部21、一つの可動部22(22A)、一つの回動部33(33A)及び一つの調節用バネ41(41A)を備えるカフ2の構成例について説明する。図12は、第2実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図12に示すように、基部21には、図10に示す可動部22Bと同様の形状を有する突起部35が設けられている。換言すれば、基部21及び突起部35が一体に形成されている。突起部35は、指5の周囲の一部に沿う湾曲部36を有する。可動部22Aの湾曲部32Aと突起部35の湾曲部36とが対向するようにして、可動部22A及び突起部35が配置されている。
【0035】
図12は、指5にカフ2を装着し、指5にカフ2を固定した状態を示している。可動部22Aの先端部分25Aと突起部35の先端部分37とは接触しておらず、可動部22Aの先端部分25Aと突起部35の先端部分37との間に開口部34が形成されている。したがって、指5の周囲の一部に開口部34が形成された状態で、基部21、突起部35及び可動部22Aが指5に装着されている。図12に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して対称(図12の紙面では左右対称)であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さと突起部35の湾曲部36の長さとが同じである。
【0036】
空気袋24は、基部21、可動部22A、開口部34及び突起部35によって形成されるカフ2の内周部の少なくとも一部に設けられている。空気袋24が膨張することにより、指5の周囲の一部を圧迫する。調節用バネ41Aによって指5に対してカフ2を固定することにより、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが抑制される。
【0037】
図13の(A)及び(B)は、第2実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図13の(A)に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して非対称(図13の(A)の紙面では左右非対称)であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さが突起部35の湾曲部36の長さよりも長い。可動部22Aの湾曲部32Aの長さが突起部35の湾曲部36の長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0038】
図13の(B)に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して非対称(図13の(B)の紙面では左右非対称)であり、突起部35の湾曲部36の長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長い。突起部35の湾曲部36の長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0039】
〈第3実施形態〉
図14から図18を参照して、第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る血圧測定装置1が備える血圧計本体3及びケーブル4は、第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。また、第1実施形態と同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。図14の(A)及び(B)は、第3実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。カフ2は、基部21と、可動部22A,22Bと、空気袋24と、回動部33A,33Bと、調節用帯部材51,52とを備える。図14の(A)は、指5にカフ2を装着した状態を示している。図14の(B)は、指5にカフ2を装着し、指5にカフ2を固定した状態を示している。
【0040】
調節用帯部材51は、可動部22Aの基部21に対する角度(θ)を調節する。調節用帯部材52は、可動部22Bの基部21に対する角度(θ)を調節する。調節用帯部材51,52は、調節部の一例である。調節用帯部材51,52は、例えば、調節用のベルト又は面ファスナーである。図14の(A)及び(B)に示すように、調節用帯部材51の一方の端部が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52が、可動部22Bの外周面に設けられている。調節用帯部材51の長さが、調節用帯部材52の長さよりも長い。調節用帯部材51を引っ張ることにより、可動部22Aに対して基部21から離れる方向に力が加えられるとともに、回動部33Aが回動して基部21に対する可動部22Aの角度が変化する。調節用帯部材52を引っ張ることにより、可動部22Bに対して基部21から離れる方向に力が加えられるとともに、回動部33Bが回動して基部21に対する可動部22Bの角度が変化する。
【0041】
調節用帯部材51の他方の端部は、調節用帯部材52に着脱可能に固定される。調節用帯部材51の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材52に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51,52を引っ張りながら、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52に取り付けることにより、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21及び可動部22A,22Bが装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0042】
可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとは接触しておらず、可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとの間に開口部34が形成されている。したがって、指5の周囲の一部に開口部34が形成された状態で、可動部22A,22Bが指5に装着されている。図14の(B)に示すように、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52に取り付けた場合、調節用帯部材51の一部が開口部34を覆う。図14の(A)及び(B)に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して対称(図14の(A)及び(B)の紙面では左右対称)である。したがって、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して対称である。そのため、可動部22Aの湾曲部32Aの長さと可動部22Bの湾曲部32Bの長さとが同じである。
【0043】
空気袋24は、基部21、可動部22A,22B及び開口部34によって形成されるカフ2の内周部の少なくとも一部に設けられている。空気袋24が膨張することにより、指5の周囲の一部を圧迫する。調節用帯部材51,52によって指5がカフ2に固定されているため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが抑制される。
【0044】
図15の(A)及び(B)は、第3実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図15の(A)及び(B)に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して非対称(図15の(A)及び(B)の紙面では左右非対称)である。可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して非対称であり、可動部22Bの湾曲部32Bの長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長い。可動部22Bの湾曲部32Bの長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0045】
図15の(A)に示すように、調節用帯部材51が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52の一方の端部が、可動部22Bの外周面に設けられている。調節用帯部材52の長さが、調節用帯部材51の長さよりも長い。調節用帯部材52の他方の端部は、調節用帯部材51に着脱可能に固定される。調節用帯部材52の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材51に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材52の他方の端部を調節用帯部材51から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51,52を引っ張りながら、調節用帯部材52の他方の端部を調節用帯部材51に取り付けることにより、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21及び可動部22A,22Bが装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0046】
図15の(B)に示すように、調節用帯部材51の一方の端部が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52が、可動部22Bの外周面に設けられている。調節用帯部材51の長さが、調節用帯部材52の長さよりも長い。調節用帯部材51の他方の端部は、調節用帯部材52に着脱可能に固定される。調節用帯部材51の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材52に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51,52を引っ張りながら、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52に取り付けることにより、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21及び可動部22A,22Bが装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0047】
図14から図15を参照して、一つの基部21、複数の可動部22(22A,22B)、複数の回動部33(33A,33B)及び一対の調節用帯部材51,52を備えるカフ2の構成例について説明した。図16から図18を参照して、一つの基部21、一つの可動部22(22A)、一つの回動部33(33A)及び一対の調節用帯部材51,52を備えるカフ2の構成例について説明する。図16は、第3実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図16に示すように、基部21には、図14に示す可動部22Bと同様の形状を有する突起部35が設けられている。換言すれば、基部21及び突起部35が一体に形成されている。突起部35は、指5の周囲の一部に沿う湾曲部36を有する。可動部22Aの湾曲部32Aと突起部35の湾曲部36とが対向するようにして、可動部22A及び突起部35が配置されている。
【0048】
図16は、指5にカフ2を装着した状態を示している。可動部22Aの先端部分25Aと突起部35の先端部分37とは接触しておらず、可動部22Aの先端部分25Aと突起部35の先端部分37との間に開口部34が形成されている。したがって、指5の周囲の一部に開口部34が形成された状態で、基部21、突起部35及び可動部22Aが指5に装着されている。図16に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して対称(図16の紙面では左右対称)であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さと突起部35の湾曲部36の長さとが同じである。
【0049】
空気袋24は、基部21、可動部22A,開口部34及び突起部35によって形成されるカフ2の内周部の少なくとも一部に設けられている。空気袋24が膨張することにより、指5の周囲の一部を圧迫する。調節用帯部材51,52によって指5に対してカフ2を固定することにより、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが抑制される。
【0050】
図17の(A)及び(B)は、第3実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図17の(A)及び(B)に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して非対称(図17の(A)及び(B)の紙面では左右非対称)であり、突起部35の湾曲部36の長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長い。突起部35の湾曲部36の長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0051】
図17の(A)に示すように、調節用帯部材51が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52の一方の端部が、突起部35の外周面に設けられている。調節用帯部材52の長さが、調節用帯部材51の長さよりも長い。調節用帯部材52の他方の端部は、調節用帯部材51に着脱可能に固定される。調節用帯部材52の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材51に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材52の他方の端部を調節用帯部材51から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51を引っ張りながら、調節用帯部材52の他方の端部を調節用帯部材51に取り付けることにより、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21、可動部22A及び突起部35が装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0052】
図17の(B)に示すように、調節用帯部材51の一方の端部が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52が、突起部35の外周面に設けられている。調節用帯部材51の長さが、調節用帯部材52の長さよりも長い。調節用帯部材51の他方の端部は、調節用帯部材52に着脱可能に固定される。調節用帯部材51の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材52に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51を引っ張りながら、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52に取り付けることにより、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21、可動部22A及び突起部35が装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0053】
図18の(A)及び(B)は、第3実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。図18の(A)及び(B)に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して非対称(図18の(A)及び(B)の紙面では左右非対称)であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さが突起部35の湾曲部36の長さよりも長い。可動部22Aの湾曲部32Aの長さが突起部35の湾曲部36の長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0054】
図18の(A)に示すように、調節用帯部材51の一方の端部が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52が、突起部35の外周面に設けられている。調節用帯部材51の長さが、調節用帯部材52の長さよりも長い。調節用帯部材51の他方の端部は、調節用帯部材52に着脱可能に固定される。調節用帯部材51の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材52に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51を引っ張りながら、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52に取り付けることにより、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21、可動部22A及び突起部35が装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0055】
図18の(B)に示すように、調節用帯部材51が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52の一方の端部が、突起部35の外周面に設けられている。調節用帯部材52の長さが、調節用帯部材51の長さよりも長い。調節用帯部材52の他方の端部は、調節用帯部材51に着脱可能に固定される。調節用帯部材52の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材51に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材52の他方の端部を調節用帯部材51から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51を引っ張りながら、調節用帯部材52の他方の端部を調節用帯部材51に取り付けることにより、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21、可動部22A及び突起部35が装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0056】
《各実施形態の効果》
各実施形態に係るカフ2によれば、指5にカフ2を固定した際、指5の周囲の一部に開口部34が形成される。したがって、カフ2の一部が開口した状態で、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫することで、指5の静脈が部分的に圧迫される。カフ2の一部が開口した状態で指5の動脈の血圧を測定するため、指5の動脈の血圧を測定する際における指5の鬱血を抑制することができる。バンド状カフで指5の全周を囲った状態で指5の動脈の血圧を連続測定すると、指5の静脈が過度に圧迫されることで指5が鬱血し、測定結果に影響を及ぼす場合がある。各実施形態に係るカフ2によれば、指5の動脈の血圧を連続測定する際における指5の鬱血を抑制することができ、測定結果の精度を向上することができる。
【0057】
第1実施形態に係るカフ2によれば、調節用ネジ23A,23Bを用いて、基部21に対する可動部22A,22Bの角度を調節することができる。第2実施形態に係るカフ2によれば、調節用バネ41A,41Bを用いて、基部21に対する可動部22A,22Bの角度を調節することができる。第3実施形態に係るカフ2によれば、調節用帯部材51,52を用いて、基部21に対する可動部22A,22Bの角度を調節することができる。したがって、各実施形態に係るカフ2によれば、指5の太さに応じてカフ2の締め具合を調節することができるので、個人毎に指5の太さが異なっていても、指5の動脈の血圧を測定することができる。また、第2実施形態に係るカフ2によれば、指5をカフ2の内部に収容する際、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が変化するため、第1,第3実施形態に係るカフ2と比べて、基部21に対する可動部22A,22Bの角度の調節が容易となる。
【符号の説明】
【0058】
1 血圧測定装置
2 カフ
3 血圧計本体
4 ケーブル
5 指
21 基部
22A,22B 可動部
23A,23B 調節用ネジ
24 空気袋
25A,25B,37 先端部分
31,32A,32B,36 湾曲部
33A,33B 回動部
34 開口部
35 突起部
41A,41B 調節用バネ
51,52 調節用帯部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18