(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的な構成に限定するものではない。
【0009】
〈第1実施形態〉
図1から
図9を参照して、第1実施形態を説明する。
図1は、第1実施形態に係る血圧測定装置1の一例を示す図である。血圧測定装置1は、被測定者の指5に巻き付けられるカフ2と、カフ2を介して指5の動脈の血圧を連続測定する血圧計本体3と、カフ2と血圧計本体3とを接続するケーブル4とを備える。血圧測定装置1は、例えば、容積補償法を用いて指5の動脈の血圧を連続測定してもよいし、他の方法を用いて指5の動脈の血圧を連続測定してもよい。カフ2は、指用血圧計用カフの一例である。カフ2は、被測定対象である指5に装着される。カフ2は、基部21と、可動部22A,22Bと、調節用ネジ23A,23Bと、空気袋24と、回動部33A,33Bとを備える。また、カフ2は、指5の動脈の圧脈波を検出する検出部を基部21の内部に備える。
【0010】
血圧計本体3は、空気袋24に空気を供給する供給装置と、カフ2の駆動を制御する制御装置とを備える。血圧計本体3の制御装置は、各種の演算処理を行うためのCPU(Central Processing Unit)、プログラムや各種データを記憶するメモリ等を備える。メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)である。血圧計本体3の制御装置は、空気袋24に供給される空気の圧力や供給量を制御するとともに、カフ2によって検出された各種のデータを取得する。ケーブル4は、一本であってもよいし、複数本であってもよい。
【0011】
基部21は、指5の周囲の一部に沿う湾曲部31を有する。可動部22Aは、指5の周囲の一部に沿う湾曲部32Aを有する。可動部22Bは、指5の周囲の一部に沿う湾曲部32Bを有する。可動部22Aは、回動部33Aを介して基部21に連結され、可動部22Bは、回動部33Bを介して基部21に連結されている。可動部22Aの湾曲部32Aと可動部22Bの湾曲部32Bとが対向するようにして、可動部22A及び可動部22Bが配置されている。
【0012】
図2は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。調節用ネジ23Aは、可動部22Aの基部21に対する角度(θ)を調節する。調節用ネジ23Aは、調節部の一例である。調節用ネジ23Aは、基部21及び可動部22Aに接続されている。調節用ネジ23Aは、可動部22Aの基端部分を貫通し、且つ、調節用ネジ23Aの先端部分が基部21に埋まっている。調節用ネジ23Aを回すことにより、可動部22Aに対して力が加えられるとともに、回動部33Aが回動して基部21に対する可動部22Aの角度が変化する。例えば、調節用ネジ23Aを締めることにより、可動部22Aに対して基部21から離れる方向に力が加えられるとともに、回動部33Aが回動して基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなる。例えば、調節用ネジ23Aを緩めることにより、可動部22Aに対して基部21に近づく方向に力が加えられるとともに、回動部33Aが回動して基部21に対する可動部22Aの角度が大きくなる。
【0013】
調節用ネジ23Bは、可動部22Bの基部21に対する角度(θ)を調節する。調節用ネジ23Bは、調節部の一例である。調節用ネジ23Bは、基部21及び可動部22Aに接続されている。調節用ネジ23Bは、可動部22Bの基端部分を貫通し、且つ、調節用ネジ23Bの先端部分が基部21に埋まっている。調節用ネジ23Bを回すことにより、可動部22Bに対して力が加えられるとともに、回動部33Bが回動して基部21に対する可動部22Bの角度が変化する。例えば、調節用ネジ23Bを締めることにより、可動部22Bに対して基部21から離れる方向に力が加えられるとともに、回動部33Bが回動して基部21に対する可動部22Bの角度が小さくなる。例えば、調節用ネジ23Bを緩めることにより、可動部22Bに対して基部21に近づく方向に力が加えられるとともに、回動部33Bが回動して基部21に対する可動部22Bの角度が大きくなる。
【0014】
指5にカフ2を装着する際、調節用ネジ23A,23Bを緩めることにより、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が大きくなり、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容し、調節用ネジ23A,23Bを締めることにより、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、調節用ネジ23A,23Bを締めることにより、指5の周囲に基部21及び可動部22A,22Bが装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0015】
図3は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図3は、指5にカフ2を装着し、調節用ネジ23A,23Bを締めて指5にカフ2を固定した状態を示している。可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとは接触しておらず、可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとの間に開口部34が形成されている。したがって、指5の周囲の一部に開口部34が形成された状態で、基部21及び可動部22A,22Bが指5に装着されている。指5にカフ2を固定した場合、可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとの間の距離は、例えば、5mm程度であるが、この値に限定されず他の値であってもよい。
【0016】
図3に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して対称(
図3の紙面では左右対称)である。したがって、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して対称である。そのため、可動部22Aの湾曲部32Aの長さと可動部22Bの湾曲部32Bの長さとが同じである。
【0017】
空気袋24は、ケーブル4を介して、血圧計本体3からの空気の供給を受けて膨張する。空気袋24は、圧迫部の一例である。空気袋24は、基部21、可動部22A,22B及び開口部34によって形成されるカフ2の内周部の少なくとも一部に設けられている。空気袋24が膨張することにより、指5の周囲の一部を圧迫する。空気袋24に対する空気の圧力や供給量が制御されることにより、指5に対する加圧及び減圧が行われる。指5に対して加圧及び減圧を交互に繰り返すことにより、指5の動脈の血圧の連続測定が行われる。調節用ネジ23A,23Bによって指5がカフ2に固定されているため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが抑制される。
図4は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図4は、カフ2が開いた状態を示している。カフ2が開いた状態で指5に対するカフ2の取り外しが行われる。
【0018】
図5の(A)及び(B)は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図5の(A)に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して非対称(
図5の(A)の紙面では左右非対称)である。可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して非対称であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さが可動部22Bの湾曲部32Bの長さよりも長い。可動部22Aの湾曲部32Aの長さが可動部22Bの湾曲部32Bの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0019】
図5の(B)に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して非対称(
図5の(B)の紙面では左右非対称)である。可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して非対称であり、可動部22Bの湾曲部32Bの長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長い。可動部22Bの湾曲部32Bの長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0020】
図1から
図5を参照して、一つの基部21、複数の可動部22(22A,22B)、複数の調節用ネジ23(23A,23B)及び複数の回動部33(33A,33B)を備えるカフ2の構成例について説明した。
図6から
図8を参照して、一つの基部21、一つの可動部22(22A)、一つの調節用ネジ23(23A)及び一つの回動部33(33A)を備えるカフ2の構成例について説明する。
図6は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図6に示すように、基部21には、
図3に示す可動部22Bと同様の形状を有する突起部35が設けられている。換言すれば、基部21及び突起部35が一体に形成されている。突起部35は、指5の周囲の一部に沿う湾曲部36を有する。可動部22Aの湾曲部32Aと突起部35の湾曲部36とが対向するようにして、可動部22A及び突起部35が配置されている。
【0021】
図6は、指5にカフ2を装着し、調節用ネジ23Aを締めて指5にカフ2を固定した状態を示している。可動部22Aの先端部分25Aと突起部35の先端部分37とは接触しておらず、可動部22Aの先端部分25Aと突起部35の先端部分37との間に開口部34が形成されている。したがって、指5の周囲の一部に開口部34が形成された状態で、基部21、突起部35及び可動部22Aが指5に装着されている。
図6に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して対称(
図6の紙面では左右対称)であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さと突起部35の湾曲部36の長さとが同じである。
【0022】
空気袋24は、基部21、可動部22A、開口部34及び突起部35によって形成されるカフ2の内周部の少なくとも一部に設けられている。空気袋24が膨張することにより、指5の周囲の一部を圧迫する。調節用ネジ23Aによって指5がカフ2に固定されているため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが抑制される。
図7は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図7は、カフ2が開いた状態を示している。カフ2が開いた状態で指5に対するカフ2の取り外しが行われる。
【0023】
図8の(A)及び(B)は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図8の(A)に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して非対称(
図8の(A)の紙面では左右非対称)であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さが突起部35の湾曲部36の長さよりも長い。可動部22Aの湾曲部32Aの長さが突起部35の湾曲部36の長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0024】
図8の(B)に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して非対称(
図8の(B)の紙面では左右非対称)であり、突起部35の湾曲部36の長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長い。突起部35の湾曲部36の長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0025】
図9の(A)及び(B)は、第1実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図9の(A)及び(B)に示すように、カフ2が指5を3点(例えば、点線11A,11B,11Cで囲まれた領域)で支持してもよい。
図9の(A)は、一つの基部21、複数の可動部22(22A,22B)、複数の調節用ネジ23(23A,23B)及び複数の回動部33(33A,33B)を備えるカフ2の一例である。
図9の(A)に示すカフ2の構成例では、基部21の所定箇所、可動部22Aの所定箇所及び可動部22Bの所定箇所によって指5が支持されている。
図9の(B)は、一つの基部21、一つの可動部22(22A)、一つの調節用ネジ23(23A)及び一つの回動部33(33A)を備えるカフ2の一例である。
図9の(B)に示すカフ2の構成例では、基部21の所定箇所、突起部35の所定箇所及び可動部22Aの所定箇所によって指5が支持されている。なお、
図9の(A)及び(B)では、空気袋24の図示を省略しているが、空気袋24を介してカフ2が指5を3点で支持してもよい。
【0026】
〈第2実施形態〉
図10から
図13を参照して、第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る血圧測定装置1が備える血圧計本体3及びケーブル4は、第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。また、第1実施形態と同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10は、第2実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。カフ2は、基部21と、可動部22A,22Bと、空気袋24と、回動部33A,33Bと、調節用バネ41A,42Bとを備える。
図10は、指5にカフ2を装着し、指5にカフ2を固定した状態を示している。
【0027】
調節用バネ41Aは、可動部22Aの基部21に対する角度(θ)を調節する。調節用バネ41Aは、調節部の一例である。調節用バネ41Aは、調節用の弾性体の一例である。調節用バネ41Aは、例えば、スプリングバネや板バネである。
図10に示すように、調節用バネ41Aは、基部21と可動部22Aの基端部分との間に配置され、基部21及び可動部22Aの基端部分に接続されている。調節用バネ41Aが伸びることにより、可動部22Aに対して基部21から離れる方向に力が加えられるとともに、回動部33Aが回動して基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなる。調節用バネ41Aが縮むことにより、可動部22Aに対して基部21に近づく方向に力が加えられるとともに、回動部33Aが回動して基部21に対する可動部22Aの角度が大きくなる。
【0028】
調節用バネ41Bは、可動部22Bの基部21に対する角度(θ)を調節する。調節用バネ41Bは、調節部の一例である。調節用バネ41Bは、調節用の弾性体の一例である。調節用バネ41Bは、例えば、スプリングバネや板バネである。
図10に示すように、調節用バネ41Bは、基部21と可動部22Bの基端部分との間に配置され、基部21及び可動部22Bの基端部分に接続されている。調節用バネ41Bが伸びることにより、可動部22Bに対して基部21から離れる方向に力が加えられるとともに、回動部33Bが回動して基部21に対する可動部22Bの角度が小さくなる。調節用バネ41Bが縮むことにより、可動部22Bに対して基部21に近づく方向に力が加えられるとともに、回動部33Bが回動して基部21に対する可動部22Bの角度が大きくなる。
【0029】
指5にカフ2を装着する際、可動部22A,22Bとの間の隙間に指5を挿し込むことにより、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が大きくなり、カフ2が開いた状態となる。指5がカフ2の内部に収容されると、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21及び可動部22A,22Bが装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0030】
可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとは接触しておらず、可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとの間に開口部34が形成されている。したがって、指5の周囲の一部に開口部34が形成された状態で、基部21及び可動部22A,22Bが指5に装着されている。
図10に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して対称(
図10の紙面では左右対称)である。したがって、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して対称である。そのため、可動部22Aの湾曲部32Aの長さと可動部22Bの湾曲部32Bの長さとが同じである。
【0031】
空気袋24は、基部21、可動部22A,22B及び開口部34によって形成されるカフ2の内周部の少なくとも一部に設けられている。空気袋24が膨張することにより、指5の周囲の一部を圧迫する。調節用バネ41A,41Bによって指5がカフ2に固定されているため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが抑制される。
【0032】
図11の(A)及び(B)は、第2実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図11の(A)に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して非対称(
図11の(A)の紙面では左右非対称)である。可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して非対称であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さが可動部22Bの湾曲部32Bの長さよりも長い。可動部22Aの湾曲部32Aの長さが可動部22Bの湾曲部32Bの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0033】
図11の(B)に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して非対称(
図11の(B)の紙面では左右非対称)である。可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して非対称であり、可動部22Bの湾曲部32Bの長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長い。可動部22Bの湾曲部32Bの長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0034】
図10から
図11を参照して、一つの基部21、複数の可動部22(22A,22B)、複数の回動部33(33A,33B)及び複数の調節用バネ41(41A,41B)を備えるカフ2の構成例について説明した。
図12から
図13を参照して、一つの基部21、一つの可動部22(22A)、一つの回動部33(33A)及び一つの調節用バネ41(41A)を備えるカフ2の構成例について説明する。
図12は、第2実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図12に示すように、基部21には、
図10に示す可動部22Bと同様の形状を有する突起部35が設けられている。換言すれば、基部21及び突起部35が一体に形成されている。突起部35は、指5の周囲の一部に沿う湾曲部36を有する。可動部22Aの湾曲部32Aと突起部35の湾曲部36とが対向するようにして、可動部22A及び突起部35が配置されている。
【0035】
図12は、指5にカフ2を装着し、指5にカフ2を固定した状態を示している。可動部22Aの先端部分25Aと突起部35の先端部分37とは接触しておらず、可動部22Aの先端部分25Aと突起部35の先端部分37との間に開口部34が形成されている。したがって、指5の周囲の一部に開口部34が形成された状態で、基部21、突起部35及び可動部22Aが指5に装着されている。
図12に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して対称(
図12の紙面では左右対称)であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さと突起部35の湾曲部36の長さとが同じである。
【0036】
空気袋24は、基部21、可動部22A、開口部34及び突起部35によって形成されるカフ2の内周部の少なくとも一部に設けられている。空気袋24が膨張することにより、指5の周囲の一部を圧迫する。調節用バネ41Aによって指5に対してカフ2を固定することにより、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが抑制される。
【0037】
図13の(A)及び(B)は、第2実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図13の(A)に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して非対称(
図13の(A)の紙面では左右非対称)であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さが突起部35の湾曲部36の長さよりも長い。可動部22Aの湾曲部32Aの長さが突起部35の湾曲部36の長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0038】
図13の(B)に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して非対称(
図13の(B)の紙面では左右非対称)であり、突起部35の湾曲部36の長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長い。突起部35の湾曲部36の長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0039】
〈第3実施形態〉
図14から
図18を参照して、第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る血圧測定装置1が備える血圧計本体3及びケーブル4は、第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。また、第1実施形態と同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図14の(A)及び(B)は、第3実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。カフ2は、基部21と、可動部22A,22Bと、空気袋24と、回動部33A,33Bと、調節用帯部材51,52とを備える。
図14の(A)は、指5にカフ2を装着した状態を示している。
図14の(B)は、指5にカフ2を装着し、指5にカフ2を固定した状態を示している。
【0040】
調節用帯部材51は、可動部22Aの基部21に対する角度(θ)を調節する。調節用帯部材52は、可動部22Bの基部21に対する角度(θ)を調節する。調節用帯部材51,52は、調節部の一例である。調節用帯部材51,52は、例えば、調節用のベルト又は面ファスナーである。
図14の(A)及び(B)に示すように、調節用帯部材51の一方の端部が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52が、可動部22Bの外周面に設けられている。調節用帯部材51の長さが、調節用帯部材52の長さよりも長い。調節用帯部材51を引っ張ることにより、可動部22Aに対して基部21から離れる方向に力が加えられるとともに、回動部33Aが回動して基部21に対する可動部22Aの角度が変化する。調節用帯部材52を引っ張ることにより、可動部22Bに対して基部21から離れる方向に力が加えられるとともに、回動部33Bが回動して基部21に対する可動部22Bの角度が変化する。
【0041】
調節用帯部材51の他方の端部は、調節用帯部材52に着脱可能に固定される。調節用帯部材51の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材52に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51,52を引っ張りながら、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52に取り付けることにより、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21及び可動部22A,22Bが装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0042】
可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとは接触しておらず、可動部22Aの先端部分25Aと可動部22Bの先端部分25Bとの間に開口部34が形成されている。したがって、指5の周囲の一部に開口部34が形成された状態で、可動部22A,22Bが指5に装着されている。
図14の(B)に示すように、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52に取り付けた場合、調節用帯部材51の一部が開口部34を覆う。
図14の(A)及び(B)に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して対称(
図14の(A)及び(B)の紙面では左右対称)である。したがって、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して対称である。そのため、可動部22Aの湾曲部32Aの長さと可動部22Bの湾曲部32Bの長さとが同じである。
【0043】
空気袋24は、基部21、可動部22A,22B及び開口部34によって形成されるカフ2の内周部の少なくとも一部に設けられている。空気袋24が膨張することにより、指5の周囲の一部を圧迫する。調節用帯部材51,52によって指5がカフ2に固定されているため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが抑制される。
【0044】
図15の(A)及び(B)は、第3実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図15の(A)及び(B)に示すカフ2は、可動部22A,22Bの形状が、指5の軸に対して非対称(
図15の(A)及び(B)の紙面では左右非対称)である。可動部22Aの湾曲部32Aの形状と可動部22Bの湾曲部32Bの形状とが、指5の軸に対して非対称であり、可動部22Bの湾曲部32Bの長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長い。可動部22Bの湾曲部32Bの長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0045】
図15の(A)に示すように、調節用帯部材51が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52の一方の端部が、可動部22Bの外周面に設けられている。調節用帯部材52の長さが、調節用帯部材51の長さよりも長い。調節用帯部材52の他方の端部は、調節用帯部材51に着脱可能に固定される。調節用帯部材52の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材51に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材52の他方の端部を調節用帯部材51から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51,52を引っ張りながら、調節用帯部材52の他方の端部を調節用帯部材51に取り付けることにより、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21及び可動部22A,22Bが装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0046】
図15の(B)に示すように、調節用帯部材51の一方の端部が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52が、可動部22Bの外周面に設けられている。調節用帯部材51の長さが、調節用帯部材52の長さよりも長い。調節用帯部材51の他方の端部は、調節用帯部材52に着脱可能に固定される。調節用帯部材51の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材52に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51,52を引っ張りながら、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52に取り付けることにより、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21及び可動部22A,22Bが装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0047】
図14から
図15を参照して、一つの基部21、複数の可動部22(22A,22B)、複数の回動部33(33A,33B)及び一対の調節用帯部材51,52を備えるカフ2の構成例について説明した。
図16から
図18を参照して、一つの基部21、一つの可動部22(22A)、一つの回動部33(33A)及び一対の調節用帯部材51,52を備えるカフ2の構成例について説明する。
図16は、第3実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図16に示すように、基部21には、
図14に示す可動部22Bと同様の形状を有する突起部35が設けられている。換言すれば、基部21及び突起部35が一体に形成されている。突起部35は、指5の周囲の一部に沿う湾曲部36を有する。可動部22Aの湾曲部32Aと突起部35の湾曲部36とが対向するようにして、可動部22A及び突起部35が配置されている。
【0048】
図16は、指5にカフ2を装着した状態を示している。可動部22Aの先端部分25Aと突起部35の先端部分37とは接触しておらず、可動部22Aの先端部分25Aと突起部35の先端部分37との間に開口部34が形成されている。したがって、指5の周囲の一部に開口部34が形成された状態で、基部21、突起部35及び可動部22Aが指5に装着されている。
図16に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して対称(
図16の紙面では左右対称)であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さと突起部35の湾曲部36の長さとが同じである。
【0049】
空気袋24は、基部21、可動部22A,開口部34及び突起部35によって形成されるカフ2の内周部の少なくとも一部に設けられている。空気袋24が膨張することにより、指5の周囲の一部を圧迫する。調節用帯部材51,52によって指5に対してカフ2を固定することにより、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが抑制される。
【0050】
図17の(A)及び(B)は、第3実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図17の(A)及び(B)に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して非対称(
図17の(A)及び(B)の紙面では左右非対称)であり、突起部35の湾曲部36の長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長い。突起部35の湾曲部36の長さが可動部22Aの湾曲部32Aの長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0051】
図17の(A)に示すように、調節用帯部材51が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52の一方の端部が、突起部35の外周面に設けられている。調節用帯部材52の長さが、調節用帯部材51の長さよりも長い。調節用帯部材52の他方の端部は、調節用帯部材51に着脱可能に固定される。調節用帯部材52の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材51に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材52の他方の端部を調節用帯部材51から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51を引っ張りながら、調節用帯部材52の他方の端部を調節用帯部材51に取り付けることにより、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21、可動部22A及び突起部35が装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0052】
図17の(B)に示すように、調節用帯部材51の一方の端部が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52が、突起部35の外周面に設けられている。調節用帯部材51の長さが、調節用帯部材52の長さよりも長い。調節用帯部材51の他方の端部は、調節用帯部材52に着脱可能に固定される。調節用帯部材51の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材52に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51を引っ張りながら、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52に取り付けることにより、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21、可動部22A及び突起部35が装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0053】
図18の(A)及び(B)は、第3実施形態に係るカフ2の一例を示す図である。
図18の(A)及び(B)に示すカフ2は、可動部22Aの湾曲部32Aの形状と突起部35の湾曲部36の形状とが、指5の軸に対して非対称(
図18の(A)及び(B)の紙面では左右非対称)であり、可動部22Aの湾曲部32Aの長さが突起部35の湾曲部36の長さよりも長い。可動部22Aの湾曲部32Aの長さが突起部35の湾曲部36の長さよりも長いため、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫する際、カフ2が指5から外れることが更に抑制される。したがって、指5に対してカフ2をより確実に固定することができる。
【0054】
図18の(A)に示すように、調節用帯部材51の一方の端部が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52が、突起部35の外周面に設けられている。調節用帯部材51の長さが、調節用帯部材52の長さよりも長い。調節用帯部材51の他方の端部は、調節用帯部材52に着脱可能に固定される。調節用帯部材51の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材52に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51を引っ張りながら、調節用帯部材51の他方の端部を調節用帯部材52に取り付けることにより、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21、可動部22A及び突起部35が装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0055】
図18の(B)に示すように、調節用帯部材51が、可動部22Aの外周面に設けられ、調節用帯部材52の一方の端部が、突起部35の外周面に設けられている。調節用帯部材52の長さが、調節用帯部材51の長さよりも長い。調節用帯部材52の他方の端部は、調節用帯部材51に着脱可能に固定される。調節用帯部材52の他方の端部における任意の位置を、調節用帯部材51に取り付けることが可能である。指5にカフ2を装着する際、調節用帯部材52の他方の端部を調節用帯部材51から取り外すことにより、カフ2が開いた状態となる。カフ2が開いた状態で指5をカフ2の内部に収容する。調節用帯部材51を引っ張りながら、調節用帯部材52の他方の端部を調節用帯部材51に取り付けることにより、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなる。指5がカフ2の内部に収容され、基部21に対する可動部22Aの角度が小さくなることにより、指5にカフ2が固定される。したがって、指5の周囲に基部21、可動部22A及び突起部35が装着された状態で、指5にカフ2が固定される。
【0056】
《各実施形態の効果》
各実施形態に係るカフ2によれば、指5にカフ2を固定した際、指5の周囲の一部に開口部34が形成される。したがって、カフ2の一部が開口した状態で、空気袋24が膨張して指5の周囲の一部を圧迫することで、指5の静脈が部分的に圧迫される。カフ2の一部が開口した状態で指5の動脈の血圧を測定するため、指5の動脈の血圧を測定する際における指5の鬱血を抑制することができる。バンド状カフで指5の全周を囲った状態で指5の動脈の血圧を連続測定すると、指5の静脈が過度に圧迫されることで指5が鬱血し、測定結果に影響を及ぼす場合がある。各実施形態に係るカフ2によれば、指5の動脈の血圧を連続測定する際における指5の鬱血を抑制することができ、測定結果の精度を向上することができる。
【0057】
第1実施形態に係るカフ2によれば、調節用ネジ23A,23Bを用いて、基部21に対する可動部22A,22Bの角度を調節することができる。第2実施形態に係るカフ2によれば、調節用バネ41A,41Bを用いて、基部21に対する可動部22A,22Bの角度を調節することができる。第3実施形態に係るカフ2によれば、調節用帯部材51,52を用いて、基部21に対する可動部22A,22Bの角度を調節することができる。したがって、各実施形態に係るカフ2によれば、指5の太さに応じてカフ2の締め具合を調節することができるので、個人毎に指5の太さが異なっていても、指5の動脈の血圧を測定することができる。また、第2実施形態に係るカフ2によれば、指5をカフ2の内部に収容する際、基部21に対する可動部22A,22Bの角度が変化するため、第1,第3実施形態に係るカフ2と比べて、基部21に対する可動部22A,22Bの角度の調節が容易となる。