特許第6791277号(P6791277)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6791277タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791277
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   C08L 9/06 20060101AFI20201116BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20201116BHJP
   C08L 65/00 20060101ALI20201116BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   C08L9/06
   C08K3/04
   C08L65/00
   B60C1/00 Z
   B60C1/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-15867(P2019-15867)
(22)【出願日】2019年1月31日
(65)【公開番号】特開2020-122109(P2020-122109A)
(43)【公開日】2020年8月13日
【審査請求日】2019年12月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】土方 健介
【審査官】 阪▲崎▼ 裕美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/133268(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第109265843(CN,A)
【文献】 特開平11−050031(JP,A)
【文献】 特開2005−075876(JP,A)
【文献】 特開2016−056236(JP,A)
【文献】 特開2016−037532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 9/、25/、65/
C08K 3/
B60C 1/00〜19/12
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、
窒素吸着比表面積(NSA)が100〜500m/gのカーボンブラックを50〜200質量部、および
酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5〜50質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
(ただし、前記タイヤ用ゴム組成物は、無溶剤型アクリル樹脂を含まない。)
【請求項2】
前記スチレン−ブタジエン共重合体ゴムのスチレン量が30質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項3】
さらにガラス転移温度(Tg)が−40℃以上の液状芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムを配合してなることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項4】
タイヤキャップトレッドに用いられる、請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、ドライグリップ性能を向上させ、破断強度を高めて耐摩耗性に優れ、かつ硬度の温度依存性を抑制し得るタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、競技用の空気入りタイヤに求められる性能は多岐にわたり、特に高速走行時の乾燥路面での操縦安定性(ドライグリップ性能)が優れることに加え、サーキットで高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の変化(摩耗肌や熱ダレ)を抑制することが要求されている。
そこで、例えばドライグリップ性能を向上させるため、高比表面積のフィラーや高軟化点樹脂の多量配合がなされている。
しかし、高比表面積のフィラーを多量配合すると、破断強度が低下し、これにより耐摩耗性が悪化してしまう。一方、高軟化点樹脂を多量配合すると、硬度の温度依存性が生じて熱ダレ性能が悪化し、競技におけるタイム低下の原因となる。
【0003】
ドライグリップ性能を高める試みとして、例えば下記特許文献1には、ジエン系ゴムに高比表面積のシリカ並びに高Tgと低Tgの樹脂成分を配合したゴム組成物が開示されている。
しかしながら、当該技術では、耐摩耗性と硬度の温度依存性とを共に改善することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−186567公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の目的は、ドライグリップ性能を向上させ、破断強度を高めて耐摩耗性に優れ、かつ硬度の温度依存性を抑制し得るタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(NSA)範囲を有するカーボンブラックと、特定の酸価および水酸基価範囲を有するテルペンフェノール樹脂とを特定量でもって配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
【0007】
1.スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、
窒素吸着比表面積(NSA)が100〜500m/gのカーボンブラックを50〜200質量部、および
酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5〜50質量部配合してなる
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
2.前記スチレン−ブタジエン共重合体ゴムのスチレン量が30質量%以上であることを特徴とする前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
3.さらにガラス転移温度(Tg)が−40℃以上の液状芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムを配合してなることを特徴とする前記1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
4.タイヤキャップトレッドに用いられる、前記1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
5.前記1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
【発明の効果】
【0008】
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(NSA)が100〜500m/gのカーボンブラックを50〜200質量部、および酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5〜50質量部配合してなることを特徴としているので、ドライグリップ性能を向上させ、破断強度を高めて耐摩耗性に優れ、かつ硬度の温度依存性を抑制し得るタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を必須成分とする。本発明で使用されるジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、SBRの配合量は、60〜100質量部が好ましく、80〜100質量部がさらに好ましい。なお本発明では、SBR以外にも、通常のゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
【0011】
本発明で使用されるSBRは、スチレン量が30質量%以上であるものが好ましい。このようなスチレン量を満たすことにより、SBRのガラス転移温度(Tg)が高くなり、ドライグリップ性能を高めることができる。さらに好ましい該スチレン量は、35〜50質量%である。
【0012】
(カーボンブラック)
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(NSA)が100〜500m/gであることが必要である。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)が100m/g未満であると、ドライグリップ性能が低下し、また破断強度が低下するため耐摩耗性が悪化する。
またカーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)が500m/gを超えると、カーボン分散の悪化に伴い、破断強度が低下するため耐摩耗性が悪化する。
本発明で使用するカーボンブラックのさらに好ましい窒素吸着比表面積(NSA)は、130〜400m/gである。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、JIS K6217−2に準拠して求めた値である。
【0013】
(テルペンフェノール樹脂)
本発明で使用するテルペンフェノール樹脂は、酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上であることが必要である。酸価が30mgKOH/g未満では、ドライグリップ性能並びに硬度の温度依存性を共に改善することができない。また水酸基価が5mgKOH/g未満では、フェノール量が少なくなり、本発明の効果を奏することができない。
さらに好ましい酸価は、40〜150mgKOH/gである。
またさらに好ましい水酸基価は、45〜120mgKOH/gである。
テルペンフェノール樹脂は、テルペン化合物とフェノール類とを反応させて得られ、公知であり、本発明では前記酸価および水酸基価の条件を満たす限り、任意のテルペンフェノール樹脂を使用することができる。
また、本発明で使用するテルペンフェノール樹脂の軟化点は85〜180℃が好ましい。
なお、酸価および水酸基価は、JIS K 0070:1992に準拠して測定することができる。また軟化点は、JIS K 6220−1:2001に準拠して測定することができる。
【0014】
本発明で使用するテルペンフェノール樹脂は、商業的に入手可能である。例えば荒川化学工業株式会社製タマノル803L(酸価=50mgKOH/g、水酸基価=15mgKOH/g)、タマノル901(酸価=50mgKOH/g、水酸基価=45mgKOH/g)等が挙げられる。
【0015】
(液状芳香族ビニル−共役ジエン系ゴム)
本発明では、ガラス転移温度(Tg)が−40℃以上の液状芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムを配合するのが好ましい。このような液状芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムを配合することにより、ゴム組成物のガラス転移温度(Tg)が上昇し、ドライグリップ性能を高めることができる。また該液状芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムは、ジエン系ゴムとなじみやすく、その効果を発揮し易い。
液状芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムとしては、ドライグリップ性能が向上するという観点から、液状スチレン−ブタジエン共重合体(液状SBR)が好ましい。液状SBRは、重量平均分子量が1000〜100000、好ましくは2000〜80000のものを使用することができる。なお、本発明で言う重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析されるポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。またTgは、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。
なお、本発明で使用される液状ゴムは、23℃で液体である。したがって、この温度では固体である前記ジエン系ゴムとは区別される。
【0016】
液状芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、20〜80質量部が好ましく、30〜70質量部がさらに好ましい。
【0017】
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(NSA)が100〜500m/gのカーボンブラックを50〜200質量部、および酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5〜50質量部配合してなることを特徴とする。
前記カーボンブラックの配合量が50質量部未満であると、発熱が低下し、ドライグリップ性能が悪化し、逆に200質量部を超えると、破断強度が低下し、耐摩耗性が悪化する。
前記テルペンフェノール樹脂の配合量が5質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に50質量部を超えると、硬度の温度依存性が悪化するとともに、破断強度が低下し、耐摩耗性が悪化する。
【0018】
また、本発明のゴム組成物において、前記カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、70〜180質量部であることが好ましい。
テルペンフェノール樹脂の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、10〜40質量部であることが好ましい。
【0019】
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。なお、本発明では、シリカを配合しなくてもよい。
【0020】
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、キャップトレッド、とくに競技用空気入りタイヤのキャップトレッドに適用するのがよい。
【実施例】
【0021】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
【0022】
標準例、実施例1〜5および比較例1〜5
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
【0023】
ドライグリップ性能:JIS K6394に基づき、(株)東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(100℃)を測定し、この値をもってドライグリップ性能を評価した。結果は、標準例を100として指数表示した。指数が大きいほど、ドライグリップ性能が良好であることを示す。
【0024】
硬度:JIS K6253に準拠して20℃および100℃にて測定した。結果は、標準例を100として指数表示した。指数が大きいほど、硬度が高いことを示す。20℃および100℃にて測定した硬度の差が小さいほど、熱ダレ性能に優れることを示す。
【0025】
破断強度:JIS K6251に準拠し、引張試験にて破断伸びを100℃で評価した。結果は標準例の値を100として指数表示した。この指数が大きいほど破断強度に優れ、耐摩耗性にも優れることを示す。
【0026】
【表1】
【0027】
*1:SBR1(ZSエラストマー株式会社製Nipol NS460、スチレン量=25質量%、SBR100質量部にオイル成分37.5質量部を添加した油展品)
*2:SBR2(ZSエラストマー株式会社製Nipol NS522、スチレン量=39質量%、SBR100質量部にオイル成分37.5質量部を添加した油展品)
*3:カーボンブラック1(東海カーボン株式会社製シースト9、窒素吸着比表面積(NSA)=142m/g)
*4:カーボンブラック2(キャボットジャパン株式会社製ショウブラックN339、窒素吸着比表面積(NSA)=94m/g)
*5:カーボンブラック3(Columbian Chemicals社製CD2019、窒素吸着比表面積(NSA)=340m/g)
*6:樹脂1(JXエナジー社製ネオポリマー140S、C9樹脂)
*7:樹脂2(ヤスハラケミカル株式会社製YSポリスターT130、フェノール変性テルペン樹脂、酸価=0mgKOH/g、水酸基価=60mgKOH/g)
*8:樹脂3(ヤスハラケミカル株式会社製YSポリスターS145、フェノール変性テルペン樹脂、酸価=0mgKOH/g、水酸基価=100mgKOH/g)
*9:樹脂4(荒川化学工業株式会社製タマノル803L、テルペンフェノール樹脂、酸価=50mgKOH/g、水酸基価=15mgKOH/g)
*10:樹脂5(荒川化学工業株式会社製タマノル901、テルペンフェノール樹脂、酸価=50mgKOH/g、水酸基価=45mgKOH/g)
*11:液状SBR(Cray Valley社製 RICON 100、重量平均分子量=6,400、スチレン量=25重量%、ビニル量=70質量%)
*12:オイル(昭和シェル石油株式会社製エキストラクト4号S)
*13:ステアリン酸(日油株式会社製ビーズステアリン酸YR)
*14:酸化亜鉛(正同化学工業株式会社製酸化亜鉛3種)
*15:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PP)
*16:加硫促進剤1(大内新興化学工業株式会社製ノクセラーCZ−G)
*17:加硫促進剤2(大内新興化学工業株式会社製ノクセラーTOT−N)
*18:硫黄(鶴見化学工業株式会社製金華印油入微粉硫黄)
【0028】
表1の結果から、実施例1〜5のゴム組成物は、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(NSA)範囲を有するカーボンブラックと、特定の酸価および水酸基価範囲を有するテルペンフェノール樹脂とを特定量でもって配合したので、標準例に比べて、ドライグリップ性能が向上し、破断強度が高まり耐摩耗性に優れ、かつ硬度の温度依存性も抑制されていることが分かる。
これに対し、比較例1はカーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)が本発明で規定する下限未満であるので、標準例に比べてドライグリップ性能および破断強度が悪化している。
比較例2はカーボンブラックの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、標準例に比べて破断強度が悪化している。
比較例3および4は、テルペンフェノール樹脂の酸価が本発明で規定する下限未満であるので、標準例に比べて破断強度が悪化している。
比較例5はテルペンフェノール樹脂の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、標準例に比べて硬度の温度依存性および破断強度が悪化している。