(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドレンパンの内部では、カビや微生物などの菌が繁殖し易い。このため、ドレンパンの内部が汚れてしまうという問題がある。
【0005】
本開示は、ドレンパンの内部の菌の繁殖を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、水を受けるドレンパンであって、前記ドレンパン(41)の少なくとも一部を構成し、光源(80)が発する紫外光が透過する透光性部材(T)を備え、前記透光性部材(T)は、前記ドレンパン(41)の内部に露出するとともに該透光性部材(T)を透過した紫外光が発せられる発光面(61)を有することを特徴とするドレンパンである。
【0007】
第1の態様では、光源(80)から発せられた紫外光が透光性部材(T)を透過する。紫外光は、透光性部材(T)の発光面(61)からドレンパン(41)の内部に照射される。
【0008】
第2の態様は、第1の態様において、前記透光性部材(T)は、前記ドレンパン(41)の底部(42)に設けられ、前記透光性部材(T)の発光面(61)は、前記ドレンパン(41)の底面(42a)を構成していることを特徴とするドレンパンである。
【0009】
第2の態様では、透光性部材(T)を透過した紫外光が、ドレンパン(41)の底面(42a)である発光面(61)からドレンパン(41)の内部に照射される。
【0010】
第3の態様は、第1又は第2の態様のいずれか1つにおいて、前記ドレンパン(41)の内部に露出する光触媒(70)を備えていることを特徴とするドレンパンである。
【0011】
第3の態様では、ドレンパン(41)の内部に照射された紫外光によって、光触媒(70)の酸化分解作用が促進される。
【0012】
第4の態様は、第3の態様において、前記光触媒(70)は、前記発光面(61)に設けられることを特徴とするドレンパンである。
【0013】
第4の態様では、光触媒(70)に紫外光が直接的に当たりやすくなる。
【0014】
第5の態様は、第1乃至4の態様のいずれか1つにおいて、前記透光性部材(T)は、石英、又は透光性を有する樹脂材料で構成されることを特徴とするドレンパンである。
【0015】
第6の態様は、ドレンパンユニットであって、第1乃至第5のいずれか1つの態様のドレンパン(41)と、前記ドレンパン(41)の透光性部材(T)を透過する紫外光を発する光源(80)とを備えたドレンパンユニットである。
【0016】
第7の態様は、第6の態様において、前記光源(80)は、前記透光性部材(T)の側方に配置され、前記透光性部材(T)は、前記ドレンパン(41)の底部(42)に設けられ、前記透光性部材(T)は、該透光性部材(T)の側方から入射した紫外光を前記発光面(61)側に導く導光部材(60)であることを特徴とするドレンパンユニットである。
【0017】
第7の態様では、透光性部材(T)の側方から入射された紫外光が、導光部材(60)によって発光面(61)に導かれる。
【0018】
第8の態様は、第7の態様において、前記導光部材(60)における前記発光面(61)と逆側の面(61a)に重なるように配置され、紫外光を反射する反射板(50)を備えていることを特徴とするドレンパンユニットである。
【0019】
第8の態様は、導光部材(60)の内部を透過する紫外光が、導光部材(60)の逆側の面(61a)から漏れることを反射板(50)によって抑制できる。反射板(50)によって反射された紫外光を発光面(61)側に導くことができる。
【0020】
第9の態様は、第8の態様において、前記反射板(50)は、前記ドレンパン(41)を兼用していることを特徴とするドレンパンユニットである。
【0021】
第10の態様は、第6の態様において、前記透光性部材(T)は、前記ドレンパン(41)の底部(42)に設けられ、前記光源(80)は、前記ドレンパン(41)の底部(42)の内部、又は該底部(42)の裏側に配置されることを特徴とするドレンパンユニットである。
【0022】
第10の態様では、ドレンパン(41)の内部、又はドレンパン(41)の底部(42)の裏側の光源(80)から発せられた紫外光が、透光性部材(T)を透過し、発光面(61)からドレンパン(41)の内部に照射される。
【0023】
第11の態様は、第6乃至第10の態様のいずれか1つにおいて、前記ドレンパン(41)内の水を吸引するポンプ(51)を備え、前記透光性部材(T)の発光面(61)は、前記ポンプ(51)に対向していることを特徴とするドレンパンユニットである。
【0024】
第11の態様では、ポンプ(51)に紫外光が照射されることで、ポンプ(51)の周囲の殺菌が促進される。
【0025】
第12の態様は、第6の態様において、前記光源(80)は、前記透光性部材(T)の外部に配置されることを特徴とするドレンパンユニットである。
【0026】
第13の態様は、第7の態様において、前記導光部材(60)における前記発光面(61)と逆側の面(61a)には、凹凸が形成されていることを特徴とするドレンパンユニットである。
【0027】
第1
4の態様は、熱交換器(32)と、前記熱交換器(32)で凝縮した水を受けるドレンパンユニット(40)とを備えた空気調和装置であって、前記ドレンパンユニット(40)が、第6乃至第1
3の態様のいずれか1つのドレンパンユニット(40)であることを特徴とする空気調和装置である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0030】
本開示のドレンパン(41)は、ドレンパンユニット(40)に備えられる。ドレンパンユニット(40)は、空気調和装置(1)に適用される。
【0031】
〈空気調和装置の構成〉
図1に模式的に示すように、空気調和装置(1)は、1つの室外ユニット(20)と1つの室内ユニット(30)とを有する、いわゆるペア式である。室外ユニット(20)は、室外に設置される。室内ユニット(30)は、室内に設置される。室内ユニット(30)は、例えば壁面に取り付けられる壁掛け式である。
【0032】
空気調和装置(1)は、冷媒回路(10)を備える。冷媒回路(10)では、充填された冷媒が循環することで冷凍サイクルが行われる。冷媒回路(10)は、室外回路(21)と室内回路(31)とを含む。室外回路(21)と室内回路(31)とは、2本の連絡配管(11,12)を介して互いに接続される。
【0033】
室外回路(21)は、圧縮機(22)と、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、四方切換弁(25)とを有する。圧縮機(22)は、吸入した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を吐出する。室外熱交換器(23)は、冷媒と室外空気とを熱交換させる。室外熱交換器(23)の近傍には、室外ファン(26)が設置される。室外ファン(26)は、室内空気をする。搬送された気は、室外熱交換器(23)を通過する。膨張弁(24)は、開度が可変な制御弁である。膨張弁(24)は、電子膨張弁で構成される。膨張弁(24)は、室内回路(31)の液ラインに接続してもよい。
【0034】
四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)、第2ポート(P2)、第3ポート(P3)、及び第4ポート(P4)を有する。第1ポート(P1)は、圧縮機(22)の吐出部と連通する。第2ポート(P2)は、ガス側の連絡配管(11)と連通する。第3ポート(P3)は、圧縮機(22)の吸入部と連通する。第4ポート(P4)は、室外熱交換器(23)のガス端部と連通する。四方切換弁(25)は、第1状態(
図1の実線で示す状態)と、第2状態(
図1の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とを連通させ且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とを連通させる。第2状態の四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とを連通させ且つ第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とを連通させる。
【0035】
室内回路(31)は、室内熱交換器(32)を有する。室内熱交換器(32)は、冷媒と室内空気とを熱交換させる。室内熱交換器(32)の近傍には、室内ファン(33)が設置される。室内ファン(33)は、室内空気を搬送する。搬送された室内空気は、室内熱交換器(32)を通過する。室内熱交換器(32)の下方には、ドレンパンユニット(40)が設けられる。
【0036】
−運転動作−
空気調和装置(1)は冷房運転と暖房運転とを行う。
【0037】
〈冷房運転〉
冷房運転では、四方切換弁(25)が第1状態となる。圧縮機(22)で圧縮された冷媒は、室外熱交換器(23)で放熱ないし凝縮する。放熱ないし凝縮した冷媒は、膨張弁(24)で減圧された後、室内熱交換器(32)を流れる。室内熱交換器(32)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。室内熱交換器(32)で冷却された室内空気は、室内空間へ供給される。蒸発した冷媒は圧縮機(22)に吸入される。冷房運転では、室内熱交換器(32)付近では、凝縮水が発生する。凝縮水は、ドレンパン(41)の内部に受けられる。
【0038】
〈暖房運転〉
暖房運転では、四方切換弁(25)が第2状態となる。圧縮機(22)で圧縮された冷媒は、室内熱交換器(32)を流れる。室内熱交換器(32)では、冷媒が室内空気に放熱して凝縮する。室内熱交換器(32)で加熱された室内空気は、室内空間へ供給される。凝縮した冷媒は、膨張弁(24)で減圧された後、室外熱交換器(23)で蒸発する。蒸発した冷媒は圧縮機(22)に吸入される。
【0039】
〈ドレンパンユニット〉
空気調和装置(1)は、ドレンパンユニット(40)を備えている。本例のドレンパンユニット(40)は、室内熱交換器(32)の下方に配置される。
図2及び
図3に示すように、ドレンパンユニット(40)は、ドレンパン(41)と光源(80)とを備えている。本例の光源(80)は、ドレンパン(41)の側方に配置される。
【0040】
ドレンパン(41)は、水を受けるトレーを構成している。ドレンパン(41)は、底壁(42)と4つの側壁(43A,43B,43C,43D)とを備えている。底壁(42)は、ドレンパン(41)の底部を構成する。底壁(42)は、横長の矩形状に形成される。4つの側壁(43A,43B,43C,43D)は、底壁(42)の周囲を囲むように配置される。各側壁(43A,43B,43C,43D)は、底壁(42)の周縁部から上方に延びている。第1側壁(43A)は、底壁(42)の長手方向の一方の側端に設けられる。第2側壁(43B)は、底壁(42)の長手方向の他端の側端に設けられる。第3側壁(43C)は、底壁(42)の幅方向の一方の側端に設けられる。第4側壁(43D)は、底壁(42)の幅方向の他方の側端に設けられる。これらの4つの側壁(43A,43B,43C,43D)は、平面視において矩形枠状に形成される。ドレンパン(41)の内部には、底壁(42)及び4つの側壁(43A,43B,43C,43D)の間に水受け用の内部空間(45)が形成される。内部空間(45)には、凝縮水が溜められる。
【0041】
本例の底壁(42)は、反射板(50)と導光部材(60)とを含んでいる。反射板(50)と導光部材(60)とは、平面視において互いに等しい矩形状に形成される。反射板(50)は、導光部材(60)の下方に配置される。反射板(50)と導光部材(60)とは厚さ方向に重ねられる。換言すると、反射板(50)は、導光部材(60)における発光面(61)と逆側の面(61a)に重なっている。反射板(50)の厚みは、導光部材(60)の厚みよりも小さい。
【0042】
反射板(50)は、例えばアルミニウムやステンレスなどの金属材料で構成される。反射板(50)は、少なくとも上側に反射面を有する。反射板(50)は、ドレンパン(41)の内部に向かって光を反射する材料であるのが好ましい。
【0043】
導光部材(60)は、紫外光を透過する透光性部材(T)を構成している。本例の透光性部材(T)は、石英で構成される。透光性部材(T)は、透光性を有する樹脂材料であってもよい。透光性を有する樹脂材料としては、例えばアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ樹脂などがある。
【0044】
導光部材(60)の少なくとも一部は、ドレンパン(41)の内部空間(45)に露出している。換言すると、導光部材(60)には、ドレンパンの内部に露出する露出面が形成される。この露出面が、紫外光を発する発光面(61)を構成している。発光面(61)は、ドレンパン(41)の底面(42a)を構成している。
【0045】
光源(80)は、紫外光を発する紫外光発生装置で構成される。本例の光源(80)は、ドレンパン(41)の外部に配置される。光源(80)は、ドレンパン(41)の導光部材(60)の側方であって、該導光部材(60)の近傍に配置される。具体的には、光源(80)は,導光部材(60)のうち第1側壁(43A)の下方に位置する部分に近接している。
【0046】
図3に示すように、本例では、導光部材(60)の近傍に2つの光源(80)が配置される。光源(80)の数は、これに限らず1つ又は3つ以上であってもよい。複数の光源(80)は、等間隔置きに配列するのが好ましい。光源(80)は、導光部材(60)の内部に向かって紫外線を照射する。光源(80)から発する紫外光の照射方向は、導光部材(60)を向いている。
【0047】
導光部材(60)は、入射した紫外光を所定方向に導く導光板を構成している。導光部材(60)は、入射した紫外光の方向を発光面(61)側に導く特性を有する。導光部材(60)の下面には、複数の凹部(62)及び複数の凸部(63)が配列されている。導光部材(60)の内部を側方に透過する紫外光は、凹部(62)及び凸部(63)において反射する。紫外光の反射により、ドレンパン(41)の内部へ向かう紫外光が生成される。加えて、導光部材(60)の下側に向かう紫外光は、反射板(50)によってドレンパン(41)の内部へ向かうように反射する。このようなドレンパン(41)の構成により、導光部材(60)の発光面(61)からドレンパン(41)の内部に向かって紫外光が発せられる。
【0048】
−紫外光による浄化作用−
光源(80)がON状態になると、光源(80)から発生される紫外光は、導光部材(60)の内部を側方に透過する。この紫外光は、上述したように、凹部(62)、凸部(63)、及び反射板(50)によって向きが変えられ、ドレンパン(41)の底面(42a)に向かう。この紫外光は、導光部材(60)の発光面(61)からドレンパン(41)の内部へ照射される。換言すると、紫外光は、ドレンパン(41)の底面(42a)からドレンパン(41)の内部へ照射される。この結果、紫外光による殺菌作用により、ドレンパン(41)の内部での菌の繁殖が抑制される。
【0049】
−実施形態の効果−
実施形態は、水を受けるドレンパン(41)であって、前記ドレンパン(41)の少なくとも一部を構成し、光源(80)が発する紫外光が透過する透光性部材(T)を備え、前記透光性部材(T)は、前記ドレンパン(41)の内部に露出するとともに該透光性部材(T)を透過した紫外光が発せられる発光面(61)を有する。
【0050】
この形態により、光源(80)から発生される紫外光をドレンパン(41)の内部の発光面(61)から発することができる。ドレンパン(41)の内部に紫外光の発光面(61)を形成することで、発光面(61)における殺菌効果が高まり、発光面(61)におけるカビや微生物膜の発生を抑制できる。このため、例えばポンプや排水口などの詰まりを回避できるとともに、悪臭の発生も抑制できる。
【0051】
実施形態は、透光性部材(T)は、前記ドレンパン(41)の底壁(42)に設けられ、前記透光性部材(T)の発光面(61)は、前記ドレンパン(41)の底面(42a)を構成している。
【0052】
この形態により、ドレンパン(41)の底面(42a)から紫外線を発光させることができるため、ドレンパン(41)の底面(42a)における殺菌効果を向上できる。加えて、透光性部材(T)は、ドレンパン(41)の底壁(42)を兼用するため部品点数を削減できる。
【0053】
実施形態は、前記光源(80)が前記透光性部材(T)の側方に配置され、前記透光性部材(T)は、該透光性部材(T)の側方から入射した紫外光を前記発光面(61)側に導く導光部材(60)である。
【0054】
この形態により、光源(80)を導光部材(60)の側方に配置しながら、ドレンパン(41)の底面(42a)である発光面(61)から紫外光を照射できる。この光源(80)の配置により、光源(80)に凝縮水がかかることを回避できる。加えて、光源(80)の高さ方向の設置スペースを低減できる。
【0055】
実施形態では、前記導光部材(60)における前記発光面(61)と逆側の面(61a)に重なるように配置され、紫外光を反射する反射板(50)を備えている。
【0056】
この形態により、側方から導光部材(60)の内部を透過する紫外光が、導光部材(60)の下方に漏れてしまうことを抑制できる。加えて、導光部材(60)の下方に向かう紫外光を上方に反射させ、発光面(61)側に導くことができる。
【0057】
−実施形態の変形例−
上記実施形態については、次のような変形例の構成としてもよい。
【0058】
〈変形例1〉
図5に示すように、変形例1のドレンパン(41)は、ドレンパン本体(46)と、ドレンパン本体(46)の底に設置される導光部材(60)とを備えている。
【0059】
ドレンパン本体(46)は、ステンレスやアルミニウムなどの金属材料で構成される。ドレンパン本体(46)は、上側に開放面が形成される皿状ないし扁平な箱状に形成される。ドレンパン本体(46)は、上記実施形態と同様、4つの側壁(43A,43B,43C,43D)を有している。
【0060】
ドレンパン本体(46)には、反射板(50)を兼用する底板(47)が形成される。底板(47)の上面には導光部材(60)が重ねられる。底板(47)及び導光部材(60)は、ドレンパン(41)の底壁(42)(底部)を構成している。導光部材(60)の上面には、ドレンパン(41)の内部に露出する発光面(61)が形成される。
【0061】
本例の光源(80)は、ドレンパン(41)の内部に設けられる。具体的には、光源(80)は、第1側壁(43A)の内部に埋設している。光源(80)は、導光部材(60)の側方に配置される。光源(80)は、導光部材(60)の側端に対向している。光源(80)は、導光部材(60)に向かって紫外光を照射する。導光部材(60)には、上記実施形態と同様、複数の凹部(62)及び複数の凸部(63)が形成される。
【0062】
光源(80)から照射された紫外光は、導光部材(60)の内部を透過する。導光部材(60)の内部では、凹部(62)及び凸部(63)によって紫外光が反射される。加えて、紫外光は、底板(47)を兼用する反射板(50)によって反射される。反射された紫外光は、上方に向きを変え、発光面(61)からドレンパン(41)の内部に発せられる。この結果、ドレンパン(41)の内部が殺菌される。
【0063】
変形例1では、ドレンパン(41)の一部である底板(47)が反射板(50)を兼用しているため、部品点数を削減できる。
【0064】
〈変形例2〉
図6に示すように、変形例2のドレンパン(41)の底壁(42)には、下方に凹んだドレンパン凹部(48)が形成される。ドレンパン凹部(48)は、第1側壁(43A)の下部と、第5側壁(43E)と、凹部側底部(48)とを含んでいる。第5側壁(43E)は、第1壁(43A)に対向している。凹部側底部(48)は、ドレンパン凹部(62)の底部を構成している。第1側壁(43A)、第5側壁(43E)、及び凹部側底部(48)の間には、ポンプ(51)が収容される。ポンプ(51)は、ドレンパン(41)の内部の水を汲み上げる。
【0065】
変形例2では、凹部側底部(48)に導光部材(60)及び反射板(50)が設けられる。反射板(50)は、導光部材(60)の下面に積層される。導光部材(60)は、ドレンパン(41)の内部に露出する発光面(61)を有する。発光面(61)は、ドレンパン(41)のドレンパン凹部(48)における底面(42a)を構成している。発光面(61)は、上方を向いている。発光面(61)は、ポンプ(51)に対向している。光源(80)は、ドレンパン(41)の外部であって、凹部側底部(48)の側方に配置される。光源(80)は、第1側壁(43A)に近接している。
【0066】
変形例2では、光源(80)から照射された紫外光が、凹部側底部(48)の導光部材(60)の内部を透過する。この紫外光は、凹部(62)、凸部(63)、及び反射板(50)によって反射され、ドレンパン(41)の内部に向かう。この結果、凹部側底部(48)の底面(42a)(即ち、発光面(61))から紫外光が発せられる。発光面(61)から発せられた紫外光は、ドレンパン(41)の内部の殺菌などに利用される。
【0067】
変形例2は、ドレンパン(41)内の水を吸引するポンプ(51)を備え、透光性部材(T)の発光面(61)は、前記ポンプ(51)に対向している。
【0068】
この形態では、発光面(61)から発せられる紫外光をポンプ(51)に照射できるので、ポンプ(51)の周囲でのカビや微生物膜の繁殖を抑制できる。特に本形態では、発光面(61)がポンプ(51)の吸込口(51a)に対向しているため、吸込口(51a)の周囲でのカビや微生物膜の繁殖を抑制できる。これにより、ポンプ(51)の吸込口(51a)が詰まることを抑制できる。
【0069】
〈変形例3〉
図7に示すように、変形例3のドレンパン(41)の底壁(42)には、ドレンパン凹部(48)が形成される。変形例3では、ドレンパン凹部(48)の第5側壁(43E)が透光性部材(T)で構成される。透光性部材(T)は、実施形態1や2のように、紫外光の方向を変更できなくてもよい。第5側壁(43E)の内側側面には、ドレンパン(41)の内部に露出する露出面が形成される。この露出面が発光面(61)を構成している。発光面(61)は、ポンプ(51)に対向している。
【0070】
光源(80)は、ドレンパン(41)の外部であって、第5側壁(43E)の側方に配置される。光源(80)は、第5側壁(43E)に近接している。
【0071】
変形例3では、光源(80)から照射された紫外光が、透光性部材(T)を厚さ方向に透過する。この結果、第5側壁(43E)の発光面(61)から紫外光が発せられる。発光面(61)から発せられた紫外光は、ドレンパン(41)の内部の殺菌等に利用される。加えて、紫外光は、ドレンパン(41)の周囲の殺菌等に利用される。
【0072】
変形例3では、透光性部材(T)の厚さ方向の一方の面に発光面(61)を形成している。光源(80)は、透光性部材(T)の厚さ方向の他方の面に近接している。このため、透光性部材(T)を通過する紫外光の距離を最小限に抑えることができ、発光面(61)から発せられる紫外光の強度を増大できる。
【0073】
〈変形例4〉
図8に示すように、変形例4では、ドレンパン(41)の底壁(42)が透光性部材(T)で構成される。透光性部材(T)は、紫外光の方向を変更できる導光部材でなくてもよい。透光性部材(T)の上面には、ドレンパン(41)の内部に露出する発光面(61)が形成される。
【0074】
変形例4の光源(80)は、ドレンパン(41)の底壁(42)の裏側に配置される。具体的には、ドレンパン(41)は、ドレンパン(41)の外部であって、底壁(42)の下方に配置される。光源(80)は、底壁(42)に近接している。本例では、複数の光源(80)がドレンパン(41)の裏面に沿うように配列される。
【0075】
光源(80)は、透光性部材(T)に向かって上方に紫外光を照射する。紫外光は、透光性部材(T)を厚さ方向に通過し、発光面(61)から上方に発せられる。この結果、ドレンパン(41)の内部が殺菌される。
【0076】
変形例4では、透光性部材(T)がドレンパン(41)の底壁(42)を兼用している。このため、部品点数を削減できる。
【0077】
変形例4では、透光性部材(T)の厚さ方向の一方の面(上面)に発光面(61)を形成している。光源(80)は、透光性部材(T)の厚さ方向の他方の面(下面)に近接している。このため、透光性部材(T)を通過する紫外光の距離を最小限に抑えることができ、発光面(61)から発せられる紫外光の強度を増大できる。
【0078】
〈変形例5〉
図9に示すように、変形例5では、ドレンパン(41)の底壁(42)が透光性部材(T)で構成される。透光性部材(T)は、紫外光の方向を変更できる導光部材でなくてもよい。透光性部材(T)の上面には、ドレンパン(41)の内部に露出する発光面(61)が形成される。
【0079】
変形例5の光源(80)は、ドレンパン(41)の底壁(42)の内部に配置される。換言すると、光源(80)は底壁(42)に埋設される。光源(80)は上方に裏側に配置される。光源(80)の照射方向は上方を向いている。
【0080】
光源(80)は、透光性部材(T)に向かって上方に紫外光を照射する。紫外光は、透光性部材(T)を厚さ方向に通過し、発光面(61)から上方に発せられる。この結果、ドレンパン(41)の内部が殺菌される。本例では、複数の光源(80)がドレンパン(41)の裏面に沿うように配列される。
【0081】
変形例5では、透光性部材(T)がドレンパン(41)の底壁(42)を兼用している。このため、部品点数を削減できる。
【0082】
変形例5では、光源(80)から発光面(61)までの距離が比較的短いため、発光面(61)から発せられる紫外光の強度を増大できる。
【0083】
《その他の実施形態》
上述した全ての形態においては、以下のような構成としてもよい。
【0084】
図10に示すように、ドレンパン(41)は、ドレンパン(41)の内部に露出する光触媒(70)を備えていてもよい。光触媒(70)は、発光面(61)に設けるのが好ましい。
図10の例では、発光面(61)の表面に薄膜(71)を介して光触媒(70)が担持される。光触媒(70)は、例えば二酸化チタンで構成される。光触媒(70)に紫外光が照射されると、光触媒(70)の酸化分解能力が促進され、殺菌効果を向上できる。
【0085】
透光性部材(T)は、ドレンパン(41)の内部に露出する発光面(61)を有していれば、ドレンパン(41)のどの部分に設けてもよい。反射板(50)は、透光性部材(T)の発光面(61)と逆側の面(61a)に重ねられるのであれば、ドレンパン(41)のどの部分に設けてもよい。
【0086】
上記形態のドレンパンユニット(40)は、壁掛け式の室内ユニット(30)に採用されている。ドレンパンユニット(40)は、天井設置式の室内ユニットに採用されてもよい。天井設置式の室内ユニットは、天井吊り下げ式の室内ユニット、及び天井埋め込み式の室内ユニットを含む。
【0087】
ドレンパンユニット(40)は、室外ユニット(20)に採用されてもよい。
【0088】
ドレンパンユニット(40)は、空気の加湿機能を有する空気調和装置に採用されてもよい。この場合、ドレンパンユニット(40)は、加湿エレメントなどの加湿器から排出された水を受ける。
【0089】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。