特許第6791301号(P6791301)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791301
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】後処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 9/16 20060101AFI20201116BHJP
   B65H 5/06 20060101ALI20201116BHJP
   B65H 7/14 20060101ALI20201116BHJP
   B65H 37/00 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   B65H9/16
   B65H5/06 H
   B65H7/14
   B65H37/00
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-89678(P2019-89678)
(22)【出願日】2019年5月10日
(62)【分割の表示】特願2015-65221(P2015-65221)の分割
【原出願日】2015年3月26日
(65)【公開番号】特開2019-123627(P2019-123627A)
(43)【公開日】2019年7月25日
【審査請求日】2019年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 明
(72)【発明者】
【氏名】高石 佳幸
(72)【発明者】
【氏名】石川 大輔
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−183040(JP,A)
【文献】 特開2012−162397(JP,A)
【文献】 特開2014−088263(JP,A)
【文献】 特開2013−237506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 9/00
G03G 15/00
B41J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の側縁を除去する側縁除去手段と、
前記側縁除去手段で除去される前記側縁に、当該側縁の長手方向に、当該側縁が除去される本体に比べ、高い剛性を付与する剛性付与手段と、
搬送される用紙の搬送方向に対する傾きを補正する第1の傾き補正と、
前記第1の傾き補正で傾き補正された前記用紙の搬送方向に対する傾きを、前記第1の傾き補正より精度よく補正する第2の傾き補正とからなる補正手段と、を備え、
前記補正手段は、前記用紙の搬送方向に垂直な方向に対する傾きに対応して、軸が当該搬送方向に垂直な方向から傾く傾斜ロールを有し、前記第1の傾き補正で当該傾斜ロールが傾きを戻す際にニップを解除した状態に移行する、当該傾斜ロールの上流に配置された搬送ロールを有する後処理装置
【請求項2】
前記傾斜ロールよりも搬送方向上流に設けられた検知部材の検出結果から算出し、垂直な方向に対する用紙の傾き量を検知する検知部を更に備え、
前記第1の傾き補正では、前記検知部が検知した傾き量に応じて前記傾斜ロールが傾いた状態で、用紙をニップする請求項1に記載の後処理装置
【請求項3】
前記第2の傾き補正では、前記検知部が検知した傾き量によらず傾き補正を行う請求項2に記載の後処理装置
【請求項4】
前記第2の傾き補正の際は、用紙の端部を当てる請求項3に記載の後処理装置
【請求項5】
前記補正手段より下流にあって、用紙の端位置を検出する端位置検出部を備え、
前記端位置検出部の検出結果で用紙に処理を加える処理部を有する請求項2に記載の後処理装置
【請求項6】
前記搬送ロールは駆動ロールと従動ロールとからなり、どちらか一方を離間してニップを解除した状態にする請求項1に記載の後処理装置
【請求項7】
前記搬送ロールは駆動ロールと従動ロールとからなり、両方を離間してニップを解除した状態にする請求項1に記載の後処理装置
【請求項8】
前記搬送ロールは駆動ロールと従動ロールとからなり、用紙の厚さに応じて、どちらか一方を離間するか両方を離間するかを切り替える請求項1に記載の後処理装置
【請求項9】
前記傾斜ロールは、用紙が到達する直前に傾く請求項2に記載の後処理装置
【請求項10】
前記第1の傾き補正による傾きが補正された後に、前記搬送ロールは再びニップした状態に戻る請求項1に記載の後処理装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、用紙に中折り処理と中綴じ処理を行って作製された冊子の小口を断裁手段により断裁して製本物を作製する後処理装置において、前記断裁手段により断裁された断裁屑を受容する断裁屑受容部と、前記断裁屑受容部に接続し、前記断裁屑受容部内の断裁屑を収容する着脱可能な断裁屑容器と、前記断裁屑受容部と前記断裁屑容器とを連通する開口部を開閉する遮蔽手段と、前記断裁屑容器内に断裁屑が満杯になった事を検知する検知手段と、を有し、前記検知手段が前記断裁屑容器内の断裁屑が満杯になった事を検知したとき、前記遮蔽手段が開口部を閉止し、前記断裁手段から排出される断裁屑を前記断裁屑受容部内に収容する後処理装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、複数枚の用紙からなる用紙束(冊子)を固定刃と上下動する可動刃とで断裁する断裁装置と、断裁装置による断裁位置の下方に位置し、断裁された用紙屑を収容する用紙屑収容ボックスと、可動刃の上下動に連動して動き、可動刃の下降動作によって断裁位置と用紙屑収容ボックスの間に移行し、可動刃の上昇動作によって断裁位置と用紙屑収容ボックスの間から退避する可動部材とを備える用紙処理装置が記載されている。
【0004】
特許文献3には、一方向に曲がる第1の搬送路と、この第1の搬送路に続いて他方向に曲がる第2の搬送路と、を有し、曲がりつつ鉛直下方向に向かう搬送路と、前記第1の搬送路に設けられた第1の処理部と、前記第2の搬送路に設けられた第2の処理部と、前記第2の搬送路に続いて、鉛直上方へ向かう第3の搬送路と、を有する後処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−199428号公報
【特許文献2】特開2009−126690号公報
【特許文献3】特開2015−9970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
冊子等を制作する際、画像形成後に、用紙や冊子の側縁を除去(カット)する側縁除去(天地トリマー)など後処理が行なわれる。このとき、除去された側縁は収容箱に収容される。
本発明の目的は、側縁に剛性を与えない場合に比べ、用紙から除去された側縁が効率よく収容される後処理装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、用紙の側縁を除去する側縁除去手段と、前記側縁除去手段で除去される前記側縁に、当該側縁の長手方向に、当該側縁が除去される本体に比べ、高い剛性を付与する剛性付与手段と、搬送される用紙の搬送方向に対する傾きを補正する第1の傾き補正と、前記第1の傾き補正で傾き補正された前記用紙の搬送方向に対する傾きを、前記第1の傾き補正より精度よく補正する第2の傾き補正とからなる補正手段と、を備え、前記補正手段は、前記用紙の搬送方向に垂直な方向に対する傾きに対応して、軸が当該搬送方向に垂直な方向から傾く傾斜ロールを有し、前記第1の傾き補正で当該傾斜ロールが傾きを戻す際にニップを解除した状態に移行する、当該傾斜ロールの上流に配置された搬送ロールを有する後処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記傾斜ロールよりも搬送方向上流に設けられた検知部材の検出結果から算出し、垂直な方向に対する用紙の傾き量を検知する検知部を更に備え、前記第1の傾き補正では、前記検知部が検知した傾き量に応じて前記傾斜ロールが傾いた状態で、用紙をニップする請求項1に記載の後処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記第2の傾き補正では、前記検知部が検知した傾き量によらず傾き補正を行う請求項2に記載の後処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記第2の傾き補正の際は、用紙の端部を当てる請求項3に記載の後処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記補正手段より下流にあって、用紙の端位置を検出する端位置検出部を備え、前記端位置検出部の検出結果で用紙に処理を加える処理部を有する請求項2に記載の後処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記搬送ロールは駆動ロールと従動ロールとからなり、どちらか一方を離間してニップを解除した状態にする請求項1に記載の後処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記搬送ロールは駆動ロールと従動ロールとからなり、両方を離間してニップを解除した状態にする請求項1に記載の後処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記搬送ロールは駆動ロールと従動ロールとからなり、用紙の厚さに応じて、どちらか一方を離間するか両方を離間するかを切り替える請求項1に記載の後処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記傾斜ロールは、用紙が到達する直前に傾く請求項2に記載の後処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記第1の傾き補正による傾きが補正された後に、前記搬送ロールは再びニップした状態に戻る請求項1に記載の後処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、傾斜ロールが傾きを戻す際に搬送ロールがニップした状態を維持する場合に比べ、搬送方向に垂直な方向に対する用紙の傾きが補正しやすい。
請求項2の発明によれば、検知部を備えない場合に比べ、傾斜ロールの傾き量が設定しやすい。
請求項3の発明によれば、第2の傾き補正において検知部が検知した用紙の傾き量により補正を行なう場合に比べ、第1の傾き補正に基づいた補正の精度が上がる。
請求項4の発明によれば、用紙の端部を当てない場合に比べ、重力が利用できる。
請求項5の発明によれば、端位置検出部を備えない場合に比べ、用紙の端の位置の異なりに対応して処理ができる。
請求項6の発明によれば、駆動ロールと従動ロールとが離間しない場合に比べ、用紙の傾きの補正が容易にできる。
請求項7の発明によれば、駆動ロールと従動ロールとの両方が離間しない場合に比べ、厚い用紙であっても傾きの補正が容易にできる。
請求項8の発明によれば、用紙の厚さに応じて切り替えない場合に比べ、用紙の厚さに対応した傾きの補正が容易にできる。
請求項9の発明によれば、用紙が到達してから傾く場合に比べ、用紙の搬送の速度が向上する。
請求項10の発明によれば、傾きが補正される前にニップした状態に戻る場合に比べ、補正された状態で用紙が搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態が適用される画像形成システムの全体構成を示した図である。
図2】後処理装置を説明する図である。
図3】側縁除去部が備えるカッターユニットを説明する図である。(a)は、カッターユニットの構造を示す図、(b)は、用紙の側縁を示す図である。
図4】屑収容部の構成を説明する図である。(a)は、屑収容部の斜視図、(b)は、後処理装置における屑収容部の側面図である。
図5】本実施の形態に係る側縁の屑収容箱中における収容状態と、本実施の形態に係らない側縁の屑収容箱における収容状態とを示す模式図である。(a)は、本実施の形態に係る側縁の屑収容箱における収容状態、(b)は、本実施の形態に係らない側縁の屑収容箱における収容状態である。
図6】屑収容部の他の構成を説明する図である。(a)は、屑収容部の斜視図、(b)は、後処理装置における屑収容部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
<画像形成システム100の説明>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成システム100の全体構成を示した図である。図1に示す画像形成システム100には、例えば電子写真方式によってカラー画像を形成するプリンタや複写機等の画像形成装置1、画像形成された用紙Sを受け入れて搬送するとともに他の用紙Sを挿入する用紙挿入装置2、画像形成装置1によって画像が形成された用紙Sに対して後処理を施す後処理装置3が設けられている。
用紙挿入装置2は、画像形成装置1によって画像が形成された用紙Sを搬送する用紙搬送装置として捉えられるが、別に画像形成などがされた用紙Sを搬送経路に追加挿入する機能も有している。
また、後処理装置3は、用紙Sを搬送する機能を有しており、用紙搬送装置として捉えてもよい。
ここでは、画像形成装置1によって画像が形成された用紙及び用紙挿入装置2から供給される用紙をともに用紙Sと表記する。
【0011】
画像形成装置1には、各色画像データに基づき用紙Sへの画像形成を行う画像形成部10が設けられている。画像形成部10は、インクジェット方式や、電子写真方式などを用いて、用紙Sへの画像形成を行う。
また、画像形成装置1には、原稿から画像を読み取って読取画像データを生成する画像読み取り部11、画像形成部10に用紙Sを供給する用紙供給部12、ユーザからの操作入力を受け付けるとともにユーザへの情報の提示を行う総合ユーザ・インターフェイス13が設けられている。
【0012】
また、画像形成装置1には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)などを含んで構成され、画像形成システム100全体の動作を制御する主制御部14が設けられている。
【0013】
用紙挿入装置2は、例えば冊子(ブックレット)を作製する際の表紙など、別に画像形成などがされた用紙Sを、画像形成装置1によって画像が形成される用紙Sの搬送経路に追加挿入する。すなわち、画像形成装置1が冊子の本文となる用紙Sを形成するとしたとき、用紙挿入装置2は、本文となる用紙Sの流れに対して、表紙となる用紙Sを供給する。
【0014】
後処理装置3には、用紙Sに対して折り筋を形成する折り筋形成部307(後述する図2参照)や、側縁除去(天地トリマー)を行う側縁除去部308(後述する図2参照)など複数の処理部が設けられている。
【0015】
そして、図1では記載していないが、画像形成システム100では、後処理装置3に続いて、後処理装置3から搬出された用紙Sに対して、実際に折り処理を行う装置、折り処理が行われた用紙Sに対して穴あけ(パンチ)や、必要枚数だけ用紙Sを集積させた用紙束の端部に対してステープル綴じ(端綴じ)や、用紙束の中央部分に綴じ処理(中綴じ処理)を施して冊子を生成する(製本作業を行う)フィニッシャ装置などが接続されてもよい。このようにすることで、画像形成システム100は、例えば、冊子を作成する一連の作業(印刷単位)が連続して行えるように構成される。
【0016】
さらに、後処理装置3には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)などを含んで構成され、後処理装置3の各機能部を制御する後処理制御部31が設けられている。また、後処理に関するユーザからの操作入力を受け付けるユーザ・インターフェイス(UI)32が設けられている。
【0017】
なお、本実施形態では、後処理制御部31が後処理装置3内に設けられた構成例を示したが、後処理制御部31は、画像形成装置1内に設けてもよい。また、主制御部14が、後処理制御部31の制御機能を兼ね備えた構成としてもよい。
また、本実施形態では、ユーザ・インターフェイス32が後処理装置3に設けられた構成例を示したが、ユーザ・インターフェイス32は、画像形成装置1に設けてもよい。また、総合ユーザ・インターフェイス13が、ユーザ・インターフェイス32の機能を兼ね備えた構成としてもよい。
【0018】
<後処理装置3の説明>
図2は、後処理装置3を説明する図である。
後処理装置3には、画像形成装置1から搬送されてきた用紙Sを受け入れる受け入れ口301、用紙Sを排出する排出口302が設けられている。
また、後処理装置3は、受け入れた用紙Sに対して、用紙Sの流れる方向に対する傾き(スキュー)を検知する傾き検知部303、傾きを補正するスイングロール42を備えた第1傾き補正部304、傾き補正ロール43に用紙Sの先端を突き当てることにより傾きを補正する第2傾き補正部305、用紙Sの両端の位置を検出する端位置検出部306、用紙Sに折り筋を形成する折り筋形成部307、用紙Sの側縁CSを除去する側縁除去部(天地トリマー)308及び除去された用紙Sの側縁CSを屑として収容する側縁収容部の一例としての屑収容部309を備えている。
【0019】
さらに、後処理装置3には、用紙Sが通る第1用紙搬送経路R1が設けられている。この第1用紙搬送経路R1は、受け入れ口301を始点として排出口302に向かう。
また、第1用紙搬送経路R1は、傾き検知部303、第1傾き補正部304、第2傾き補正部305、端位置検出部306、折り筋形成部307、側縁除去部(天地トリマー)308を経由するように設けられている。この経路により、受け入れ口301にて受け入れられた用紙Sが、傾き検知部303、第1傾き補正部304、第2傾き補正部305、端位置検出部306、折り筋形成部307、側縁除去部308へ向かう。
なお、第1用紙搬送経路R1は、側縁除去部308の下流側(βとして示す部分、以下β部分と称す)にて、第1分岐経路R11と第2分岐経路R12とに枝分かれしている。そして、第1分岐経路R11と第2分岐経路R12は、排出口302の手前(γとして示す部分、以下γ部分と称す)で合流する。
【0020】
さらに、後処理装置3には、第2用紙搬送経路R2が設けられている。
第2用紙搬送経路R2は、第1用紙搬送経路R1から分岐するように設けられている。具体的には、第2用紙搬送経路R2は、第1傾き補正部304の下流側で、折り筋形成部307の上流側(αとして示す部分、以下α部分と称す)にて、第1用紙搬送経路R1から分岐している。さらに、第2用紙搬送経路R2は、第1用紙搬送経路R1に接続している箇所を始点として、排出口302に向かう。
折り筋形成部307における折り筋の形成及び側縁除去部308による側縁の除去を行わない用紙Sは、第2用紙搬送経路R2を通って排出口302に向かうように構成されている。
【0021】
なお、第1用紙搬送経路R1、第2用紙搬送経路R2は、例えば、2枚の金属板で挟まれた通路(シュート)とし構成されている。そして、用紙Sは、2枚の金属板の間を搬送される。
また、第1用紙搬送経路R1から第2用紙搬送経路R2に分岐するα部分、第1用紙搬送経路R1が第1分岐経路R11と第2分岐経路R12とに分岐するβ部分、第1分岐経路R11、第2分岐経路R12及び第2用紙搬送経路R2が合流するγ部分には、金属板で構成され、金属板が用紙Sをガイドすることで、用紙Sの経路を切り替えるゲートが設けられている。
【0022】
さらに、第1用紙搬送経路R1、第2用紙搬送経路R2には、これらの用紙搬送経路上に位置する用紙Sを下流側へ搬送する搬送ロール41が複数設けられている。
搬送ロール41は、モータより回転駆動する駆動ロール41Aと、駆動ロール41Aと対向する位置に設けられ、駆動ロール41Aから駆動力を受けて回転する従動ロール41Bとから構成されている。
【0023】
これらの駆動ロール41A及び従動ロール41Bは、例えば、金属等で構成された軸に、ゴム等で構成された円筒状の弾性体が複数取り付けられて構成されている。
そして、搬送ロール41では、駆動ロール41Aの弾性体と、従動ロール41Bの弾性体とを接触させた状態(接触状態)とし、駆動ロール41Aを回転させる。すると、駆動ロール41Aに接触された従動ロール41Bが従動する。
用紙Sが駆動ロール41Aと従動ロール41Bとの間に挟み込まれる(ニップされると)と、用紙Sは、駆動ロール41A及び従動ロール41Bの回転する方向に移動する。
【0024】
これらの搬送ロール41における駆動ロール41A及び従動ロール41Bそれぞれの弾性体は、2枚の金属板で挟まれた通路の金属板の一部がくり抜かれた部分で、接触するように設けられている。
なお、後処理制御部31(図1参照)の制御により、駆動ロール41Aと従動ロール41Bのいずれか一方又は両方が、接触状態が解除されて、他方に対して離れた位置に移動する(離間する)ようになっている。
【0025】
そして、図2に示すように、後処理装置3を省スペース化するため、第1用紙搬送経路R1は、S字形状に曲げられて構成されている。
また、後処理装置3の受け入れ口301と排出口302とは、同じ高さに設けられている。これにより、後処理装置3を設けない場合に、折り処理を行う装置、フィニッシャ装置などが画像形成装置1に接続されるようになっている。
【0026】
ここで、後処理装置3が備える各機能部を説明する。
傾き検知部303は、例えば、発光素子と受光素子のペアで構成された検知部材が、用紙Sの流れと垂直な方向に2組設けられて構成される。用紙Sが通過しない場合、受光素子は、発光素子から出た光を受光している。そして、2個の検知部材における用紙Sの通過によって遮光された時間(タイミング)差から、搬送されてきた用紙Sの、流れに垂直な方向に対する傾きを算出する。
【0027】
第1傾き補正部304は、スイングロール42を備えている。スイングロール42も搬送ロール41と同様に、モータより回転駆動する駆動ロール42Aと、駆動ロール42Aと対向する位置に設けられ、駆動ロール42Aから駆動力を受けて回転する従動ロール42Bとから構成されている。
そして、スイングロール42における駆動ロール42A及び従動ロール42Bは、軸の一端部は固定されているが、他端部は用紙Sの流れに対して垂直な方向に対して、傾けられる(スイングする)ようになっている。用紙Sが到達する直前に、傾き検知部303によって検知された用紙Sの傾き量に合わせて、スイングロール42の傾き量が設定されている。
【0028】
スイングロール42における駆動ロール42A及び従動ロール42Bが傾いた状態で、用紙Sを挟み込むと、傾いた状態から傾かない元の状態に戻される。これにより、用紙Sの傾きが補正される。
このとき、スイングロール42が用紙Sをニップした後、スイングロール42の傾きを戻す際に、スイングロール42の上流側にあって、用紙Sをニップしている搬送ロール41(図2では3個)の駆動ロール41Aと従動ロール41Bとのいずれか一方又は両方がニップを解除された状態に移行する。つまり、用紙Sをニップしている弾性体間の距離が広げられる。これにより、スイングロール42による用紙Sの傾きの補正が、容易に行われやすくなる。
なお、駆動ロール41Aと従動ロール41Bとのいずれか一方を用紙Sから離間させれば、用紙Sの動きが容易になる。しかし、用紙Sが厚い場合(厚い用紙S)には、駆動ロール41A又は従動ロール41Bの弾性体との接触が、用紙Sの動きを妨げるおそれがある。このような場合には、駆動ロール41A及び従動ロール41Bをともに、用紙Sから離間させてもよい。
【0029】
そして、スイングロール42が傾いた状態から傾かない元の状態に戻って、用紙Sの傾きの補正が終了した後には、搬送ロール41における駆動ロール41Aと従動ロール41Bとは、接触状態に戻る。これにより、スイングロール42により傾きが補正された状態で、用紙Sが搬送される。
【0030】
第2傾き補正部305は、第1傾き補正部304で傾きが補正された用紙Sの傾きをさらに精度を上げて補正する。第2傾き補正部305は、用紙Sを突き当てることで傾きを補正する補正ロール43を備えている。補正ロール43は、搬送ロール41と同様に、モータより回転駆動する駆動ロール43Aと、駆動ロール43Aと対向する位置に設けられ、駆動ロール43Aから駆動力を受けて回転する従動ロール43Bとから構成されている。
【0031】
補正ロール43は、用紙Sが突き当たる直前に、回転が停止した状態に保持される。用紙Sは補正ロール43に突き当たるとともに、上流側から押されているため、重力により下方にたわむ。このたわみが発生したタイミングで、補正ロール43の回転を再開させる。これにより、用紙Sの傾きが補正される。なお、補正ロール43の上流側に、用紙Sのたわみを収容するたわみ収容部44が設けられている。たわみ収容部44は、第1用紙搬送経路R1が下側に膨れるように設けられている。
なお、第1傾き補正部304で、用紙Sの大きな傾きは補正されている。よって、第2傾き補正部305は、傾きの補正の精度をさらに上げるように働く。
【0032】
端位置検出部306は、用紙Sの流れに対して垂直な方向の端を検知する。すなわち、用紙Sの幅は定まっていない。例えば、ラインセンサなどにより、用紙Sの端の位置が検出される。ここでは、用紙Sの流れに対して垂直な方向については、用紙Sの位置を揃えていない。よって、用紙Sごとに端の位置が異なっている。
【0033】
折り筋形成部307は、第1用紙搬送経路R1の脇から第1用紙搬送経路R1に向かって進出する進出部材を有しており、この進出部材を用紙Sに押し当てることで、用紙Sに、折り筋を形成する。この折り筋を基に、後処理装置3に続いて設けられる折り処理を行う装置において、用紙Sが折られる。
折り筋を設けることで、折り処理がより円滑に行われる。
なお、折り筋形成部307は、用紙Sに対して、折り筋を形成しないようにも設定される。すなわち、用紙Sが折り筋形成部307を経由しても、折り筋形成部307が機能しないように設定しうる。この場合、用紙Sは、折り筋が形成されない状態で、側縁除去部308に向かう。
【0034】
側縁除去部308は、トリミングを行う装置であり、用紙Sの側縁CS(第1用紙搬送経路R1に沿った側縁)の部分を除去する。側縁除去部308は、例えば、用紙Sの流れに対して垂直に設けられた軸に固定された円板状の刃を備えるカッターユニット(ロータリーカッターユニット)50(後述する図3参照)で構成されている。そして、カッターユニット50は、用紙Sの流れに対して垂直な方向に2個設けられている。これにより、用紙Sの両端部の側縁CSが並行して除去される。
用紙Sの幅は、作製する冊子などにより異なるため、端位置検出部306で検出された用紙Sの端の位置と、用紙Sのトリミングする側縁CSのサイズに合わせて、2個のカッターユニット50が軸に沿って移動して、用紙Sの側縁CSを切り落す。
屑収容部309は、側縁除去部308で切り落とされた用紙Sの側縁CSを屑として収容する。
なお、側縁除去部308は、用紙Sの側縁CSを除去しないようにも設定される。すなわち、用紙Sが側縁除去部308を経由しても、側縁除去部308が機能しないように設定しうる。この場合、用紙Sは、側縁CSが除去されない状態で、排出口302に向かう。
【0035】
ここで、後処理装置3における用紙Sの流れを説明する。まず、第1用紙搬送経路R1に沿って、用紙Sが搬送される場合を説明する。
【0036】
画像形成装置1で画像が形成された用紙Sは、用紙挿入装置2を経由して、受け入れ口301から、後処理装置3に搬入される。
後処理装置3では、まず、傾き検知部303により、用紙Sの流れに対して垂直な方向の傾きが検知される。
次に、第1傾き補正部304及び第2傾き補正部305で傾きが補正される。
そして、端位置検出部306により、用紙Sの両端の位置が検知される。
【0037】
その後、折り筋形成部307により、折り筋が形成される。
さらに、側縁除去部308により、用紙Sの側縁CSが除去される。
そして、先行して搬送されてきた用紙S(以下、「先行用紙S」と称する)は、第1分岐経路R11に送り込まれる。そして、この第1分岐経路R11上に、先行用紙Sが一時的に滞留(待機)される。
次いで、後続して搬送されてきた用紙S(以下、「後続用紙S」と称する)は、第2分岐経路R12に送り込まれる。
そして、先行用紙Sと後続用紙Sとが重なった状態の用紙S(以下、「重なり用紙S」と称する)が、排出口302に向けて送り出される。
【0038】
第1分岐経路R11及び第2分岐経路R12は、用紙束の折り処理など、時間を要する処理が後続する場合、画像形成装置1などの処理能力を低下させないための緩衝(バッファー)機能を有している。言い換えれば、第1分岐経路R11及び第2分岐経路R12は、緩衝部310を構成する。
例えば、緩衝部310を備えていない場合、用紙束の折り処理などの時間を要する処理が後続する場合、この折り処理よりも処理効率が高い、画像形成装置1における画像形成動作を停止等させる必要が生じて、全体の処理効率が低下する。
【0039】
一方、緩衝部310を備える場合、時間を要する処理が後続する場合でも、画像形成装置1における画像形成動作が継続して行える。
具体的には、後続用紙Sを送り込む第2分岐経路R12が設けられており、時間を要する処理が後続する場合でも、この第2分岐経路R12に後続用紙Sを送り込むことで、画像形成装置1における画像形成動作が継続して行える。これより、処理効率の低下が抑制される。
【0040】
なお、後処理装置3に後続する処理が時間を要しない場合には、第1分岐経路R11及び第2分岐経路R12のいずれか一方のみを用いればよい。
【0041】
次に、用紙Sが、第1用紙搬送経路R1から分岐した第2用紙搬送経路R2に沿って搬送される場合を説明する。
後処理装置3が備える処理部、ここでは、用紙Sに折り筋を形成する折り筋形成部307、用紙Sの側縁CSを除去する側縁除去部308、第1分岐経路R11及び第2分岐経路R12が構成する緩衝部310を使用しない場合には、第1用紙搬送経路R1から分岐した第2用紙搬送経路R2を使用して、用紙Sが搬送される。
【0042】
画像形成装置1で画像が形成された用紙Sは、用紙挿入装置2を経由して、受け入れ口301から、後処理装置3に搬入される。
後処理装置3では、まず、傾き検知部303により、用紙Sの傾きが検知される。
次に、第1傾き補正部304で傾きが補正される。そして、傾きが補正された用紙Sは、第2用紙搬送経路R2を経由して、排出口302に向けて送り出される。
【0043】
言い換えれば、第2用紙搬送経路R2は、後処理装置3が備える各処理部を経由しないで通過するバイパスとして機能する。
後処理装置3が備える各処理部を経由しない場合、用紙Sの搬送時間が短縮される。また、用紙Sが経由する経路長が、各処理部を経由する場合に比べて短いため、用紙Sに与える負荷が小さく、用紙Sに汚れや傷などがつきにくい。
【0044】
よって、用紙S毎に、後処理装置3が備える各処理部のいずれかを使用する用紙Sの場合には、各処理部を経由する第1用紙搬送経路R1を経由するように制御され、後処理装置3が備える各処理部を使用しない用紙Sの場合には、各処理部を迂回する第2用紙搬送経路R2を経由するように制御される。
【0045】
次に、用紙Sの側縁CSについて説明する。
図3は、側縁除去部308が備えるカッターユニット50を説明する図である。図3(a)は、カッターユニット50の構造を示す図、図3(b)は、用紙Sの側縁CSを示す図である。
側縁除去部308には、カッターユニット50が、用紙Sの流れに垂直な方向に2個設けられている。これらにより、用紙Sの流れの方向の両端の側縁CSが除去(天地トリマー)される。なお、図3(a)では、用紙Sの流れに対して左側に置かれたカッターユニットを示している。
【0046】
カッターユニット50は、側縁除去手段の一例としてのカッター部311と剛性付与手段の一例としての筋入れ部312とを備えている。
カッター部311は、円盤状の刃であるロータリーカッター52とロータリーカッター52が押さえつけられる円筒状の押さえ部材53とを備えている。
筋入れ部312は、円板54と円板54の先端を受け入れる溝57とを備えている。
【0047】
そして、用紙Sの流れに直交する方向に平行に設けられた二本の金属棒で構成された軸51A、51Bに、上記ロータリーカッター52、押さえ部材53、円板54、溝57が配置されている。
すなわち、軸51Aの軸上には、ロータリーカッター52と、溝57が形成されたゴムなどで構成された円筒状の弾性体55とが予め定められた間隙を介して設けられている。
一方、軸51Bの軸上には、ロータリーカッター52が押さえつけられる押さえ部材53と、押さえ部材53に隣接する円板54と、円板54に隣接するゴムなどで構成された円筒状の弾性体56とが設けられている。円板54の外径は、押さえ部材53より大きく設定されているので、円板54の外周は、押さえ部材53の外側にはみ出している。なお、弾性体56の外径は、押さえ部材53の外径に設定されている。
【0048】
そして、円板54の外周が弾性体55に設けられた溝57に入り込むように配置されている。
さらに、弾性体55と弾性体56とが接触して、駆動力が伝わるようになっている。
【0049】
よって、軸51Aがモータなどによって回転すると、軸51Aの弾性体55が回転し、軸51Bの弾性体56に駆動力が伝わることで、軸51Bが回転する。これにより、ロータリーカッター52と押さえ部材53との間に挟まれた用紙Sが側縁CSと本体MSとに切断される。なお、ロータリーカッター52と押さえ部材53とは、ばね(不図示)などにより、噛み合うように圧力が加えられている。
【0050】
ここでは、図3(a)に示すように、用紙Sは、円板54が設けられた側が、用紙Sの側縁CS、円板54が設けられていない側が用紙Sの本体MSになるように切断される。
よって、用紙Sの側縁CSに、軸51Bに設けられた円板54が、軸51Aに設けられた弾性体55の溝57に押し付けられることにより、筋58が形成される。
【0051】
図3(b)に示すように、筋58は、用紙Sの側縁CSに沿って、用紙Sが流れる方向に形成される。
例えば、用紙Sの側縁CSの幅は7〜25mmとした場合、最も狭い7mmでも、筋58が形成されるように、ロータリーカッター52から5mmの位置に設けている。よって、筋58は、細長い側縁CSに沿って形成される。
筋58が形成された側縁CSは、筋58が形成されていない場合に比べて、筋58に直交する方向に折れ曲がりにくくなる。すなわち、筋58が形成されることで、剛性が増している。
【0052】
すると、用紙Sの側縁CSは、図2に示したように、β部分から、設けられたガイドに沿って、斜め方向(図2では右下方向)に進んで、屑収容部309に収容される。
なお、用紙Sの本体MSは、β部分から、設けられたガイドに沿って、第1分岐経路R11又は第2分岐経路R12に搬送される。
【0053】
すなわち、筋58が形成された側縁CSは、折れ曲がりにくくなり、棒状を維持しやすい。
【0054】
図4は、屑収容部309の構成を説明する図である。図4(a)は、屑収容部309の斜視図、図4(b)は、後処理装置3における屑収容部309の側面図である。なお、図4(b)は、図2に示す後処理装置3の側面に垂直な側面を示している。
図4(a)に示すように、屑収容部309は、屑収容箱61と、誘導板の一例としての側縁ガイド62(62A、62B)とを備えている。
屑収容箱61は、切り取られた側縁CSを収容する。側縁ガイド62は、斜めに設けられた板状の部材で構成されている。図4(a)に示すように、それぞれ左右に側縁ガイド62A、62Bとして設けられている。ここでは、側縁ガイド62A、62Bは逆ハの字になるように配置されている。
【0055】
図4(b)に示すように、カッターユニット50は左右のカッターユニット50A、50Bとして2個設けられている。そして、カッターユニット50Aに対応するように側縁ガイド62Aが設けられ、カッターユニット50Bに対応するように側縁ガイド62Bが設けられている。
【0056】
そして、カッターユニット50Aから筋58が形成された側縁CSが落下すると、側縁CSの先端が側縁ガイド62Aの傾斜面によって誘導されて、傾斜面を横方向(図4(a)の矢印方向)に滑るように移動し、屑収容箱61に入る。すなわち、側縁CSの向きは、側縁ガイド62Aの傾斜方向に垂直な方向に揃う。そして、側縁ガイド62Aの傾斜面を転がって、側縁ガイド62A、62Bの間の隙間から屑収容箱61に収容される。
カッターユニット50Bから筋58が形成された側縁CSが落下する場合は、側縁ガイド62Bの傾斜面によって誘導されて、側縁CSの向きは、側縁ガイド62Bの傾斜方向に垂直な方向に揃う。そして、側縁ガイド62Bの傾斜面を転がって、屑収容箱61に収容される。
すなわち、側縁ガイド62A、62Bの傾斜面は、側縁CSの長手方向に対して交差する方向に傾いている。なお、側縁ガイド62A、62Bの傾斜面は、必ずしも平らであることを要せず、上側又は下側にカーブしている面であってもよい。
【0057】
ここでは、屑収容箱61の中央部に側縁CSが集中するが、側縁CSは剛性が高くなっているので、相互に絡み合うことがすくない。よって、屑収容箱61の中央部に集中した側縁CSが崩落して、屑収容箱61内で均一化される。
【0058】
図5は、本実施の形態に係る側縁CSの屑収容箱61における収容状態と、本実施の形態に係らない側縁CSの屑収容箱61における収容状態とを示す模式図である。図5(a)は、本実施の形態に係る側縁CSの屑収容箱61における収容状態、図5(b)は、本実施の形態に係らない側縁CSの屑収容箱61における収容状態である。
本実施の形態に係らない側縁CSとは、筋58を設けない場合の側縁CSである。
【0059】
図5(a)に示すように、本実施の形態に係る側縁CSは、側縁CSに沿う方向、つまり長手方向に沿って剛性が高くなっているため、屑収容箱61に一方方向に揃って、整然と収容され、収容効率が、図5(b)に示す筋58を設けない場合に比べて、高くなっている。
これに対して、図5(b)に示すように、本実施の形態に係らない筋58を設けない場合には、側縁CSに剛性が低いため、屈曲して収容されて、収容効率が悪くなっている。
【0060】
図6は、屑収容部309の他の構成を説明する図である。図6(a)は、屑収容部309の斜視図、図6(b)は、後処理装置3における屑収容部309の側面図である。
図6(a)、(b)では、側縁ガイド62の傾斜面の向きを、図4(a)、(b)で示した場合と逆にハ字状にしている。他の構成は、図4(a)、(b)と同様であるので、異なる部分を説明し、同様な部分の説明を省略する。
【0061】
側縁ガイド62の傾斜面の向きを逆にすると、側縁除去部308のカッターユニット50から落下した側縁CSは、屑収容箱61の両端部に落ちる。そして、屑収容箱61の両端部に集中するが、前述したように、側縁CSは剛性が高くなっているので、屑収容箱61の両端部に集中した側縁CSが崩落して、屑収容箱61内で均一化される。
よって、側縁CSの収容効率が、筋58を入れない場合に比べて高い。
【0062】
なお、側縁CSに筋58を入れる際、用紙Sが外側に引っ張られるが、両側の側縁CSに並行して筋58を入れるので、両側から引っ張られることになり、用紙Sにゆがみなどを生じにくい。
【0063】
さらに、カッター部311のロータリーカッター52による用紙Sの側縁CSの切断と並行して、筋入れ部312によって側縁CSに筋58が形成されるので、新たな駆動機構を設けることを要しない。なお、側縁CSに筋58を形成するために別の駆動機構を設けてもよい。
【0064】
上記においては、側縁CSの長手方向に筋58を入れて、側縁CSの剛性を高めたが、他の方法で剛性を高めてもよい。例えば、長手方向にジグザグに筋58を形成してもよい。
また、ここでは、円板54の端部を溝57に突き当てて筋を設けた。この際、円板54の端部は、角がとれたカーブ状であってもよい。また、円板54の厚さは、側縁CSがコの字状にくぼむようであってもよい。
【0065】
また、屑収容部309における側縁CSの収容効率を増すために、側縁CSを長手方向に切断して短冊状に切断することが考えられるが、短冊状に加工するための機構が要するとともに、雑音が発生するおそれがある。
【0066】
本実施の形態では、後処理装置3は、折り筋形成部307及び側縁除去部308を備えたが、これらのいずれか又は両方に加えて、他の処理を施す処理部を備えてもよい。また、これらとは別に、他の処理を施す処理部を備えてもよい。
さらに、本発明は、上記の実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0067】
1…画像形成装置、2…用紙挿入装置、2…後処理装置、10…画像形成部、11…画像読み取り部、12…用紙供給部、13…総合ユーザ・インターフェイス、14…主制御部、31…後処理制御部、32…ユーザ・インターフェイス、41…搬送ロール、42…スイングロール、43…補正ロール、44…たわみ収容部、50、50A、50B…カッターユニット、52…ロータリーカッター、53…押さえ部材、54…円板、55、56…弾性体、57…溝、58…筋、61…屑収容箱、62、62A、62B…側縁ガイド、100…画像形成システム、301…受け入れ口、302…排出口、303…傾き検知部、304…第1傾き補正部、305…第2傾き補正部、306…端位置検出部、307…折り筋形成部、308…側縁除去部、309…屑収容部、310…緩衝部、311…カッター部、筋入れ部312、S…用紙、CS…側縁、MS…本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6