特許第6791318号(P6791318)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6791318操作パネル及びそれを備えた画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791318
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】操作パネル及びそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20201116BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20201116BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20201116BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   H04N1/00 350
   B41J29/00 T
   G03G21/16 114
   G03G21/16 161
   G03G21/00 376
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-146207(P2019-146207)
(22)【出願日】2019年8月8日
(62)【分割の表示】特願2016-113237(P2016-113237)の分割
【原出願日】2016年6月7日
(65)【公開番号】特開2019-205200(P2019-205200A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2019年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】海沼 嵩
【審査官】 野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−112353(JP,A)
【文献】 特開2006−190597(JP,A)
【文献】 特開2014−107174(JP,A)
【文献】 特開昭63−294062(JP,A)
【文献】 特開2011−258382(JP,A)
【文献】 特開2008−076837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00
G03G 21/00
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に搭載される操作パネルであって、
操作領域を含むパネル面と、
前記パネル面の少なくとも周縁部に沿って上面が略面一となるように設けられる黒系の半透明部材と、
前記パネル面の周縁部において前記半透明部材の下方に配置される光源と、
前記光源の近傍に設けられ、前記光源からの光を所定方向に反射する反射部材と、
を備え、
前記半透明部材は、前記パネル面の前記周縁部から下方に立設する側面に跨って形成され、
前記反射部材は、前記光源の周囲のうち、前記光源の左右方向および前記光源を挟んで前記側面と反対方向を囲み、
前記光源の光は、前記操作パネルの上方及び側面から出射することを特徴とする操作パネル。
【請求項2】
前記光源は、複数設けられており、
前記半透明部材のうちの前記光源が対向配置される対向部分は、互いに異なる形状で且つ前記半透明部材の他の部分よりも小さい厚みに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の操作パネル。
【請求項3】
前記対向部分は、前記半透明部材の内面側が凹形状に形成されることによって、前記半透明部材の他の部分よりも小さい厚みに形成されていることを特徴とする請求項2に記載の操作パネル。
【請求項4】
前記半透明部材の外面には、シボ加工が施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の操作パネル。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の操作パネルを備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作領域を含むパネル面とパネル面の周縁部に配置される光源とを有する操作パネル及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンター及びファクシミリ等の画像形成装置においては、ユーザーが各種設定を行うための操作パネルが搭載されている。ユーザーは、操作パネルのパネル面に設けられた複数の操作キーを操作して、印刷枚数、倍率、印刷開始等を入力する。
【0003】
ところで、装置状態を視覚的にユーザーに知らせるために、LED等の複数の光源が設けられた操作パネルが知られている。例えば、操作パネルは、外部への光漏れを防止するために不透明な樹脂カバーにより覆われている。そして、不透明な樹脂カバーのうち、装置状態をユーザーに知らせる光源に対向する部分に開口部を設け、その開口部に白系の半透明部材を配置している。これにより、光源が発光すると、光源の発する光は半透明部材を介して操作パネルの外部に出射し、ユーザーに装置状態を知らせることができる。
【0004】
なお、装置状態を視覚的にユーザーに知らせるために、LED等の複数の光源が設けられた操作パネルを備えた画像形成装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−10137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の操作パネルでは、半透明部材が白系であるため、画像形成装置を事務所等の明るい空間に設置した場合、光源の発する光が見えにくいという問題点がある。また、樹脂カバーのうちの光源に対向する部分に開口部を設け、その開口部に半透明部材を配置するので、樹脂カバーと半透明部材との境界部分に段差や溝が生じる。このため、視覚障碍者が操作パネルを操作する際に、半透明部材を操作キーと誤認してしまうという問題点もある。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、光源が発する光の視認性を向上させるとともに、視覚障碍者にとっての操作性を向上させることが可能な操作パネル及びそれを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の操作パネルは、画像形成装置に搭載される操作パネルであって、操作領域を含むパネル面と、パネル面の少なくとも周縁部に沿って上面が略面一となるように設けられる黒系の半透明部材と、パネル面の周縁部において半透明部材の下方に配置される光源と、光源の近傍に設けられ、光源からの光を所定方向に反射する反射部材と、を備え、半透明部材は、パネル面の周縁部から下方に立設する側面に跨って形成され、反射部材は、光源の周囲のうち、光源の左右方向および光源を挟んで側面と反対方向を囲み、光源の光は、操作パネルの上方及び側面から出射する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の操作パネルによれば、黒系の半透明部材の下方に光源を設ける。これにより、光源から出射した光は黒系の半透明部材を介して操作パネルの外部に出射するので、画像形成装置を例えば事務所等の明るい空間に設置した場合であっても、光源の発する光が見えにくくなるのを抑制することができる。このため、光源が発する光の視認性を向上させることができる。
【0010】
また、半透明部材を、パネル面の少なくとも周縁部に沿って上面が略面一となるように設けているので、視覚障碍者が操作パネルを操作する際に半透明部材の光源に対向する部分を操作キーと誤認してしまうことがなく、視覚障碍者にとっての操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態の操作パネルを備えた画像形成装置の構造を示した斜視図である。
図2】本発明の一実施形態の操作パネルの下カバー部材を除いた構造を示した斜視図である。
図3】本発明の一実施形態の操作パネルの上カバー部材および下カバー部材を除いた状態の操作キー周辺の構造を示した斜視図である。
図4】本発明の一実施形態の操作パネルの光源周辺の構造を示した断面図である。
図5】本発明の一実施形態の操作パネルの上カバー部材および下カバー部材を除いた状態の光源周辺の構造を示した斜視図である。
図6】本発明の一実施形態の上カバー部材の構造を下側から示した斜視図である。
図7】本発明の変形例の上カバー部材の構造を下側から示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1図7を参照して、本発明の一実施形態による操作パネル3を備えた画像形成装置100について説明する。図1に示すように、画像形成装置100(ここでは一例としてデジタル複合機を示す)は、装置本体1と、その上部に配設された画像読取部2と、を備える。
【0014】
画像読取部2内には、コンタクトガラス2a上の原稿の画像情報を読み取る読取部が設けられている。読取部は、スキャナーランプやミラーが搭載された走査光学系、原稿からの反射光を集光して結像する集光レンズ、及び結像された画像光を電気信号に変換するCCDセンサ等(いずれも図示せず)から構成されており、原稿画像を読み取って画像データに変換する。
【0015】
画像読取部2の正面部には、表示部や操作キーを有する操作パネル3が設けられている。なお、画像読取部2の上部には、コンタクトガラス2a上に載置された原稿を押えるプラテン(図示せず)が開閉可能に設けられている。
【0016】
画像読取部2と装置本体1との間には、左側面及び正面に向けて大きく開放された胴内排紙空間4が設けられている。
【0017】
装置本体1の正面部には、用紙(記録媒体)を収納する複数(ここでは2つ)の給紙カセット5が装置本体1に対して着脱可能に設けられている。
【0018】
装置本体1の内部には、図示しない画像形成部、定着部、用紙搬送部などが設けられている。画像形成部は、画像読取部2により読み込んだ画像データに基づいて、供給される用紙にトナー像を転写して画像を形成するものである。画像形成部は、静電潜像を担持する感光体ドラム、感光体ドラムの表面を帯電させる帯電ユニット、原稿画像に対応する静電潜像を感光体ドラムの表面にレーザービーム等によって形成する露光ユニット、形成された静電潜像に現像剤を付着させてトナー像を形成する現像ユニット、トナー像を用紙に転写する転写ローラー、感光体ドラム表面の残留トナーを除去するクリーニングブレード等を含んでいる。また、定着部は、トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧することにより、用紙上にトナー像を定着させる。用紙搬送部(図示せず)は装置本体1の右側面に沿って上方に向かって延びており、給紙カセット5から画像形成部に用紙を搬送する。
【0019】
次に、操作パネル3の構造について説明する。
【0020】
操作パネル3は図2に示すように、複数の操作キー10および表示パネル11が配置されるパネル面3a(操作パネル3の上面)と、パネル面11の周縁部から下方に立設する側面3bと、パネル面3aに対向配置される底面と、を有する。
【0021】
パネル面3aの操作領域R1(図2の右側の領域)には、ユーザーにより押下(操作)される複数の操作キー10がパネル面3aから上方に突出するように設けられている。操作キー10は、ユーザーによる数値入力等を受け付けるためのテンキー、電源キー、リセットキー、ストップキー、スタートキー等を含んでいる。
【0022】
パネル面3aの表示領域R2(図2の左側の領域)には、液晶表示パネルからなる表示パネル11が配置されている。表示パネル11は、表示面側(上側)にユーザーがタッチして入力操作を行うタッチパネルを有していてもよい。表示パネル11は、画像形成動作に関する情報や、タッチパネル操作用のアイコン画像(操作キー)等を表示する。
【0023】
また、操作パネル3は、複数の操作キー10に対応する位置に挿通孔が形成されるとともに、表示パネル11の画像表示領域に対応する位置に開口部が形成された半透明樹脂からなる上カバー部材(半透明部材)21と、操作キー10が押下されることにより押圧されるスイッチ(図示せず)が設けられた回路基板22(図3参照)と、操作パネル3の下側部分を覆う不透明樹脂からなる下カバー部材23(図4参照)と、を含んでいる。上カバー部材21は、パネル面3aおよび側面3bの一部(上側)を構成し、下カバー部材23は、側面3bの一部(下側)および底面を構成している。
【0024】
図2および図4に示すように、上カバー部材21の上面の所定領域(操作領域R1に対応する領域)には、凹部21aが形成されている。この凹部21aには、複数の操作キー10に対応する位置に挿通孔が形成された不透明樹脂からなる操作部カバー25が配置されている。操作部カバー25の操作キー10に対応する位置には、「電源」「リセット」「ストップ」「スタート」等の文字や記号が印字されており、操作部カバー25の周縁部には、例えば「処理中」「メモリー」「アテンション」等の文字およびそれに対応する記号が印字されている。
【0025】
また、上カバー部材21の周縁部の下方には、複数(ここでは3つ)の光源26a〜26c(図3および図4参照)が配置されている。光源26a〜26cは図5に示すように、回路基板22の周縁部の所定位置(操作部カバー25に印字された「処理中」「メモリー」「アテンション」の近傍)に取り付けられている。光源26a〜26cは、点灯することによってユーザーに装置状態を知らせるためのものである。例えば、「処理中」に対応する光源26aは印字動作処理中であることをユーザーに知らせ、「メモリー」に対応する光源26bはメモリー不足で印字処理できないことをユーザーに知らせ、「アテンション」に対応する光源26cは紙詰まりや通信エラー等の装置エラーが生じていることをユーザーに知らせる。なお、図5では、光源26bに対応する後述の反射部材27を省略している。
【0026】
また、回路基板22には、光源26a〜26cのそれぞれの近傍に反射部材27が取り付けられている。反射部材27は、光源26a〜26cの図3の左右方向、図4の左方向(操作パネル3の内側に向かう方向)、及び図4の左斜め上方向(操作部カバー25に向かう方向)を囲うように配置されている。これにより、光源26a〜26cから出射した光は、そのまま又は反射部材27で反射されて、操作パネル3の上方および正面に向かって出射する。
【0027】
上カバー部材21は、黒系(黒、濃いグレー、濃い青等)の半透明樹脂により形成されており、光源26a〜26cから出射した光を透過する。なお、上カバー部材21は、操作部カバー25および下カバー部材23よりも光透過率が高く、白色の半透明樹脂よりも光透過率が低い。
【0028】
上カバー部材21は、図2に示すようにパネル面3aの少なくとも周縁部に沿って上面が略面一となるように形成されている。言い換えると、上カバー部材21は、パネル面3aの少なくとも周縁部に沿って上面が平坦な面で連続して段差や溝の無いように形成されている。また、上カバー部材21は、図4に示すようにパネル面3aから側面3bに跨って形成されている。
【0029】
また、上カバー部材21のうちの光源26a〜26cがそれぞれ対向配置される対向部分21b(図6参照)は、上カバー部材21の他の部分よりも小さい厚みに形成されている。この対向部分21bは、上カバー部材21の内面側が凹形状に形成されることによって、上カバー部材21の他の部分よりも小さい厚みに形成されている。なお、対向部分21bは図7に示すように、四角、円(又は△)等の互いに異なる形状に形成されてもよい。
【0030】
また、上カバー部材21の少なくとも周縁部の外面には、シボ加工によって微細凹凸が形成されている。
【0031】
本実施形態では、上記のように、黒系の半透明樹脂からなる上カバー部材21の下方に光源26a〜26cを設ける。これにより、光源26a〜26cから出射した光は黒系の上カバー部材21を介して操作パネル3の外部に出射するので、画像形成装置100を例えば事務所等の明るい空間に設置した場合であっても、光源26a〜26cの発する光が見えにくくなるのを抑制することができる。このため、光源26a〜26cが発する光の視認性を向上させることができる。
【0032】
また、上カバー部材21を、パネル面3aの少なくとも周縁部に沿って上面が略面一となるように設けているので、視覚障碍者が操作パネル3を操作する際に上カバー部材21の光源26a〜26cに対向する部分を操作キー10と誤認してしまうことがなく、視覚障碍者にとっての操作性を向上させることができる。
【0033】
また、上記のように、上カバー部材21は、パネル面3aから側面3bに跨って形成されている。これにより、操作パネル3の側面3bからも光を出射することができるので、低い位置にいるユーザーや画像形成装置100から離れた位置にいるユーザーも、光源26a〜26cが発する光を容易に視認することができる。
【0034】
また、上記のように、上カバー部材21のうちの光源26a〜26cが対向配置される対向部分21bは、互いに異なる形状で且つ上カバー部材21の他の部分よりも小さい厚みに形成されていてもよい。このように構成すれば、上カバー部材21の光っている領域(対向部分21b)の形状によって、装置状態を容易に確認することができる。
【0035】
また、上記のように、対向部分21bは、上カバー部材21の内面側が凹形状に形成されることによって、上カバー部材21の他の部分よりも小さい厚みに形成されている。これにより、上カバー部材21の外面側を凹形状に形成する場合と異なり、視覚障碍者が操作パネル3を操作する際に上カバー部材21を操作キー10と誤認してしまうことがない。
【0036】
また、上記のように、上カバー部材21の外面には、シボ加工が施されている。これにより、上カバー部材21の外面で光を散乱させることができるので、光を均一化した状態で上カバー部材21から出射することができる。
【0037】
また、上記のように、光源26a〜26cの近傍には、光源26a〜26cからの光を所定方向に反射する反射部材27が設けられている。これにより、操作パネル3の内側に向かう光を画像形成装置100の正面に向かって出射することができるので、光のロスを抑制することができるとともに、画像形成装置100の正面にいるユーザーの視認性を向上させることができる。
【0038】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0039】
例えば、上記実施形態では、電子写真方式を用いた画像形成装置を例示したが、これに限らず、本発明はインクジェット方式や熱転写方式等他の画像形成方式を適用した画像形成装置にも適用可能である。
【0040】
また、上記実施形態では、上カバー部材21の対向部分21bを四角、円(又は△)等に形成する例について説明したが、対向部分21bを文字や記号等に形成してもよい。
【符号の説明】
【0041】
3 操作パネル
3a パネル面
3b 側面
21 上カバー部材(半透明部材)
21b 対向部分
26a〜26c 光源
27 反射部材
100 画像形成装置
R1 操作領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7