(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の燃焼装置は、燃料ガスの種類など種々の条件が異なっても判断可能なように、失火時に再点火の開始を判断するための閥値として、余裕を持たせた固定値(例:10mV)を設定している。そのため、特許文献1のように、バーナセンサの出力信号に基づき失火したことが検知できたとしても、当該出力信号のレベルが10mV以下に下がるまで再点火動作が実施されない。また、再点火できたか否かの判断も、この再点火の閥値(例:10mV)で行っている。そのため、仮に、バーナセンサ出力信号のレベルが再点火の閾値よりもかなり低い値まで下がってしまっていた場合は、実際は再点火が完了していても、出力信号レベルが閾値を超えるまで、すなわち再点火したと判断されるまでに、長い時間を要し、通常の燃焼処理の開始が遅れるとともに、その間、点火装置のスパーク音が発生することになる。
【0007】
それゆえに、本開示のある局面の目的は、点火を判断するための閾値を炎の検知レベルに基づき可変に設定することが可能な燃焼装置およびファンヒータを提供することである。
【0008】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のある局面に従う燃焼装置は、燃焼部と、燃焼部への燃料の供給または当該供給の停止を切替るための切替部と、燃焼部に点火するための点火部と、燃焼部の燃焼炎を検知するための炎センサと、燃焼装置を制御するための制御部と、を備える。
【0010】
制御部は、切替部により燃焼部に燃料が供給される状態として、点火部による燃焼部への点火開始後から、炎センサの検知レベルの最大値を更新しながら格納する格納部と、点火開始から予め定められた時間内において、炎センサの検知レベルが格納されている最大値から所定値を減じた値である失火閾値以下となって失火が検出された場合に、点火部による燃焼部への再点火処理を行なう再点火部と、を含む。格納部は、失火が検出されるまで最大値を更新しながら格納する。
【0011】
制御部は、炎センサの検知レベルに基づき再点火完了閾値を決定し、再点火処理後の炎センサの検知レベルが再点火完了閾値以上となったとき、再点火の完了を判断する。
【0012】
好ましくは、制御部は、失火後の格納部の最大値に第1の固定値を加算した値を、再点火完了閾値に決定する。
【0013】
好ましくは、再点火部は、点火開始から予め定められた時間内において、炎センサの検知レベルが失火閾値以下となった場合に、その後、炎センサの検知レベルが、失火後の格納部の最大値に第2の固定値を加算した値である再点火開始閾値以下となったとき、再点火処理を行う。
【0014】
好ましくは、第1の固定値と第2の固定値は異なる値である。
【0015】
好ましくは、再点火完了閾値は、再点火開始閾値以上の値である。
【0016】
上記の燃焼装置は、燃焼部を収容する燃焼室と、燃焼室内へ送風するファンを、さらに備える。再点火処理は、ファンの動作をチェックするために予め定められた回転数となるように駆動するファン駆動処理と、当該ファン駆動処理後に点火部により燃焼部に点火するための点火処理と、を含む。制御部は、ファン駆動処理終了時の炎センサの検知レベルを格納し、格納されている検知レベルに予め定められた第3の固定値を加算した値を、再点火完了閾値に決定する。
【0017】
好ましくは、制御部は、予め定められた複数の値のうち、失火が検出された時の炎センサの検知レベルよりも大きい値であって当該検知レベルに最も近い値を、再点火完了閾値に決定する。
【0018】
他の局面に従う燃焼装置は、当該燃焼装置に対する操作を受付ける操作受付部と、燃焼部と、燃焼部を収容する燃焼室と、燃焼室内へ送風するファンと、燃焼部への燃料の供給または当該供給の停止を切替るための切替部と、燃焼部に点火するための点火部と、燃焼部の燃焼炎を検知するための炎センサと、燃焼装置を制御するための制御部と、を備える。
【0019】
制御部は、燃焼部の燃焼終了後に燃焼室内を冷ますためにファンを駆動する予め定められた時間内に、燃焼開始操作が受付けられたとき、点火部による燃焼部への点火開始処理を行なう点火開始部を含む。燃焼開始操作を受付けてからの炎センサの検知レベルに基づき点火完了閾値を決定し、点火開始処理後の炎センサの検知レベルが点火完了閾値以上となったとき、点火の完了を判断する。
【0020】
好ましくは、制御部は、燃焼開始操作を受付けてから点火開始が検出されるまで、炎センサの検知レベルの最小値を更新しながら格納する格納部を、さらに含み、点火開始処理の終了時に格納部に格納されている最小値に予め定められた固定値を加算した値を、点火完了閾値に決定する。
【0021】
好ましくは、制御部は、予め定められた複数の値のうち、点火開始処理の終了時において出力される炎センサの検知レベルよりも大きい値であって当該検知レベルに最も近い値を、点火完了閾値に決定する。
【0022】
好ましくは、点火開始処理は、ファンの動作をチェックするために予め定められた回転数となるように駆動するファン駆動処理と、当該ファン駆動処理後に点火部により燃焼部に点火するための点火処理と、を含む。制御部は、ファン駆動処理終了時の炎センサの検知レベルを格納し、格納されている検知レベルに予め定められた固定値を加算した値を、点火完了閾値に決定する。
【0023】
さらに他の局面に従う燃焼装置は、燃焼装置に対する操作を受付ける操作受付部と、燃焼部と、燃焼部を収容する燃焼室と、燃焼室内へ送風するファンと、燃焼部への燃料の供給または当該供給の停止を切替るための切替部と、燃焼部に点火するための点火部と、燃焼部の燃焼炎を検知するための炎センサと、燃焼装置を制御するための制御部と、を備える。
【0024】
制御部は、切替部により燃焼部に燃料が供給される状態として、点火部による燃焼部への点火開始から予め定められた時間内において、炎センサの検知レベルが失火を判断するための閾値以下となった場合に、点火部による燃焼部への再点火処理を行なう再点火部と、燃焼部の燃焼終了後に燃焼室内を冷ますためにファンを駆動する予め定められた時間内に、燃焼開始操作が受付けられたとき、点火部による燃焼部への点火開始処理を行なう点火開始部と、を含む。
【0025】
制御部は、再点火処理後の炎センサの検知レベルが、予め定められた再点火完了閾値以上となったとき、再点火の完了を判断し、再点火完了閾値以下である複数の固定値のうち、失火時の炎センサの検知レベルよりも大きい値であって当該検知レベルに最も近い値を点火完了閾値に決定し、点火開始処理後の炎センサの検知レベルが、点火完了閾値以上となったとき、点火開始処理による点火の完了を判断する。
【0026】
好ましくは、上記の燃焼装置を備えるファンヒータが提供される。
【発明の効果】
【0027】
本開示によれば、点火を判断するための閾値を、炎の検知レベルに基づき可変に設定する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0030】
[実施の形態1]
本実施の形態1に係るガスファンヒータでは、失火時の再点火時に、炎センサによる検知レベルの値と、当該ガスファンヒータに固有の固定値とを加算した算出値を、再点火を判断するための閾値として決定し、決定された閾値に基づき再点火の開始または完了の時期が判断される。
【0031】
(ハードウェア構成)
図1は、各実施の形態に係る燃焼装置の構成を概略的に示す図である。本実施の形態では燃焼装置の一例として、ガスファンヒータを説明する。公知のように、ガスファンヒータは、燃料であるガスの燃焼熱によって得られた温風を出力することにより温風暖房を行うものである。なお、燃料はガスに限定されず、例えば、オイルファンヒータであっても以下の実施の形態を適用することができる。
【0032】
図1を参照して、ガスファンヒータ50は、外装ケース66、天板74および底板75で機器の外装を構成する。外装ケース66は、温風吹出口65および空気吸入口67を有する。空気吸入口67にはエアーフィルタ68が設けられている。空気吸入口67の近傍には、室温検出器69が設けられる。電源プラグ86が図示しないコンセントに挿入されると、ガスファンヒータ50の各部に電力が供給される。
【0033】
外装ケース66の内部には、燃焼室62、燃焼室62の内部に送風するための送風ファン63およびファンモータ64が設けられる。送風ファン63に関連して、駆動用のファンモータ64およびファンモータ64の回転数検出器80が設けられている。燃焼室62の内部には、燃焼部を構成するガスバーナ61、ガスバーナ61に点火するための点火部77、およびガスバーナ61の燃焼炎を検知するための炎センサ70が設けられる。炎センサ70は、燃焼炎の温度に応じた大きさの電圧を検知するための熱電対等からなる。炎センサ70の検知レベルは電圧信号の値として示される。検知レベルの電圧は、燃焼炎の温度が高いほど高くなり、燃焼炎の温度が低いほど低くなる。
【0034】
ガスバーナ61においてガスと送風ファン63により吸い込まれた空気とが混合された混合ガスに点火部77からのスパーク(電気火花)により着火する。これにより、点火部77によるガスバーナ61への着火が実現する。混合ガスの燃焼により燃焼室62内で生じた燃焼熱は、送風ファン63の送風により燃焼室内を対流する。燃焼室62の上面および前面には、蓋板78が設けられている。ファンケース79は、送風ファン63により対流する温風を、温風吹出口65に導くように構成される。
【0035】
点火部77は、点火プラグ(図示せず)とイグナイタ(図示せず)を含む。点火部77は、イグナイタを介して点火プラグに電圧を印加する。点火プラグに電圧が印加されると、点火プラグの電極間のギャップを中心とした領域において生じる放電現象によってスパーク(電気火花)が発生する。この火花が、ガスバーナ61の混合ガスに着火し、ガスバーナ61は点火(着火)する。
【0036】
また、点火を停止するとき、点火部77は、イグナイタを介して点火プラグへの電圧の印加を禁止する。したがって、点火の停止時には、上記の放電現象およびスパーク音の発生がない。
【0037】
外装ケース66は、背面下部に、燃料であるガスを内部に供給するためのガス接続口81を有する。ガス接続口81へ供給されたガスは、ガスを供給/遮断するために開閉制御される電磁弁45、ガス圧(すなわち、単位時間あたりのガス量)を調整するための比例弁25、およびガス配管84を経由してガスバーナ61へ供給される。電磁弁45はいわゆるガスの元栓に相当し、比例弁25は、開度が可変に制御されて、電磁弁45からガスバーナ61へのガス供給量を調整する調整弁に相当する。このように、電磁弁45および比例弁25は、燃焼部(ガスバーナ61)への燃料の供給および当該供給の停止を切替るための「切替部」の一実施例に相当する。
【0038】
天板74の前方部には、操作表示部16が設けられる。操作表示部16は、操作部14(後述する)、各種情報を出力するための液晶等の表示部15(後述する)およびLED(Light Emitting Diode)のランプ等を含む。操作部14は、運転(燃焼)の開始/停止の指示入力するために操作される運転スイッチ、温度および燃焼量に関する設定指示を入力するために操作される各種スイッチを含む。操作部14は、ガスファンヒータ50に対するユーザの操作を受付けるための「操作受付部」の一実施例に相当する。
【0039】
ガスファンヒータ50は、上述の各部を制御するためにマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す)10を備える。マイコン10は、ガスファンヒータ50を集中的に制御および監視するための制御部の一実施例である。
図2は、
図1のマイコン10の構成を概略的に示す図である。
図2を参照して、マイコン10は、CPU(Central Processing Unit)11、プログラムおよびデータを記憶するための揮発性および不揮発性の記憶デバイスからなるメモリ部12、ガスファンヒータ50内の他の各部と信号を入出力するためのインターフェイス部13、操作表示部16およびタイマ17を備える。CPU11からの表示用データは操作表示部16に出力されて、当該表示用データに基づき表示部15が駆動されて、情報が表示される。またCPU11は、操作部14におけるガスファンヒータ50に対するユーザの操作内容を受付ける。
【0040】
(機能構成)
図3は、本実施の形態に係るガスファンヒータ50の機能の構成を概略的に示す図である。
図3の各部は、CPU11が実行するプログラムとして提供される。これらプログラムは、メモリ部12に記憶されて、CPU11により読出されて実行される。
図4は、本実施の形態1に係る再点火のタイミングチャートである。
図5は、本実施の形態1に係る失火時の再点火処理のフローチャートである。本実施の形態では、失火時に、ガスバーナ61に点火することを「再点火」といい、運転スイッチのON操作に応じて点火するケースとは区別している。
【0041】
図3を参照して、CPU11は、最大値格納部21と、再点火部22を含む。最大値格納部21は、比例弁25によりガスバーナ61に燃料が供給される状態において、点火部77によるガスバーナ61への点火の開始後から予め定められた時間内(例えば、20秒〜30秒内)は、炎センサ70の検知レベルの最大値MAXを検出し、メモリ部12の領域E1に格納する。最大値格納部21は、この予め定められた時間内で失火が検出されたときは、最大値MAXの更新を停止する。具体的には、最大値格納部21は、炎センサ70の検知レベルを例えば、0.1秒毎に入力し、検知レベルの値が前回の入力値よりも大きいとき、当該値を最大値MAXとして領域E1に格納する。検知レベルの値が最大値MAXよりも小さい時には、領域E1の最大値MAXの更新を行わない。このように、領域E1には、最終的に、失火が検出されたときの直近の最大値MAXが格納される。
【0042】
本実施の形態では、運転スイッチのON操作により点火部77によるガスバーナ61への点火が開始されてから予め定められた時間内において、炎センサ70の検知レベルが領域E1に格納されている直近の最大値MAXから所定値ΔmV(たとえば、2mV)を減じた値である失火閾値以下となったとき失火が検出される。失火が検出された場合に、再点火部22は、点火部77によるガスバーナ61への再点火処理を行なう。CPU11は、再点火後の炎センサ70の検知レベルが、領域E1の最大値MAXに第1の固定値EmVを加算した値である点火完了閾値以上になったと判断したとき、ガスバーナ61への再点火の完了を判断する。なお、第1の固定値は、ガスファンヒータ50に固有の値であって、工場出荷時に、メモリ部12の不揮発性領域に格納されている。本実施の形態では、EmVは、例えば−5mV〜5mVのいずれかの値であるが、点火完了閾値は、炎センサ70の検知レベルのノイズ成分等を考慮すると、より好ましくは3mV以上である。
【0043】
(再点火時のタイミングチャート)
図4のタイミングチャートの横軸は経過時間を示し、縦軸は信号A0〜A5の各信号レベルを示す。図中、信号A0は、ファンモータ64の目標回転数を示し、信号A1は、ファンモータ64の回転数検出器80により検出される実回転数を示し、信号A2は、比例弁25への供給電流を示す。また、信号A3は、炎センサ70からの検知レベルを示す。信号A4は、電磁弁45への供給電流を示し、信号A5は、イグナイタの電圧を示す。
【0044】
図4を参照して、CPU11は、操作部14の運転スイッチ(図示せず)がON操作されると(時刻T1)、燃焼を開始するために(i)ファンモータ64を予め定めた回転数となるように駆動することにより、当該回転数で回転可能であるかを判断するためのイニシャルチェックを実施する。(ii)CPU11は、イニシャルチェック時の回転数検出器80の出力に基づき、ファンモータ64の回転が正常であると判断すると、点火部77によるガスバーナ61への点火が実施される。点火では、CPU11は、比例弁25を強制的に開けるために、比例弁25に比較的大きな電流を流す(時刻T2)。これにより、比例弁25が固着した場合であっても、弁を開けることができる。なお、イニシャルチェックは、ファンモータ64が正常動作可能であるかをチェックするために点火時に実施される「ファン駆動処理」の一実施例である。
【0045】
CPU11は、その後、比例弁25への電流を遮断して比例弁25を一旦閉じるように制御する。また、点火開始するために比例弁25を開き、点火プラグに放電電圧を印加するように点火部77を制御する。ガスに着火し、燃焼を始めると炎センサの出力が初期点火完了閾値を越えた時点で点火したと判断する(時刻T3)。このような点火開始後から、最大値格納部21は、炎センサ70の検知レベルによる最大値MAXを検出し領域E1に格納する処理を開始する。
【0046】
また、点火開始から予め定められた時間内において、再点火部22は、炎センサ70の検知レベルと上記の失火閾値とを比較し、比較結果に基づき、検知レベルが失火閾値以下となったと判断したとき失火を検出する(時刻T5)。失火が検出されると、再点火部22は再点火処理を行なう。再点火処理は、上記のイニシャルチェックと、イニシャルチェック終了(時刻T6)後の点火処理(イグナイタ動作(時刻T7)および比例弁25でのガス量制御による点火開始(時刻T8))とを含む。
【0047】
CPU11は、上記の点火完了閾値を、領域E1の最大値MAXを用いて算出することにより決定する。CPU11は、再点火後の炎センサ70の検知レベルと点火完了閾値とを比較する。比較の結果に基づき、検知レベルが点火完了閾値以上となったとき、点火の完了を判断する(時刻T9)。その後、CPU11は燃焼処理を開始する。燃焼処理では、イグナイタを停止するとともに、目標回転数を最大に設定してファンモータ64を最大目標回転数で駆動開始する。
【0048】
(失火時の再点火処理のフローチャート)
図5のフローチャートに従い、適宜、
図4のタイミングチャートを参照しながら、失火した場合の再点火処理について説明する。
【0049】
図5を参照して、運転スイッチがON操作されると、CPU11は、燃焼を開始させるための処理PAを実施する。これにより、炎センサ70により点火が検知される(
図4の時刻T1〜T3)。処理PAでは、イニシャルチェック(ステップS1)を実施し、その後に点火処理を実施する。点火処理は、比例弁25を強制的に最大の開度に設定した後に閉じて(ステップS3)、電磁弁45の開とともに点火部77の動作開始(ステップS5)、および比例弁25を開く(ステップS7)処理を含む。
【0050】
その後、CPU11は炎センサ70の検知レベルが(検知レベル>初期点火完了閾値)の条件を満たすか否かを判断する(ステップS8)。当該条件が成立したと判断されたときは(ステップS8でYES)、後述するステップS11に移行する。
【0051】
一方、CPU11は、上記の(検知レベル>初期点火完了閾値)の条件が成立すると判断しないときは(ステップS8でNO)、点火開始から予め定められた時間が経過したか否かを判断する(ステップS9)。予め定められた時間が経過していないと判断されたときは(ステップS9でNO)、ステップS7に戻り、以降の処理が同様に繰返される。一方、CPU11は、点火開始から予め定められた時間内に炎センサ70の検知レベルについて上記の条件が成立しなかったと判断したときは(ステップS8でNO、ステップS9でYES)、エラー処理(ステップS10)後に、一連の処理を終了する。
【0052】
CPU11の最大値格納部21は、点火開始後から上述した最大値MAXを検出し、領域E1へ格納する(ステップS11)。再点火部22は、点火開始から予め定められた時間内に、炎センサ70の検知レベルが、領域E1の最大値MAXから失火閾値ΔmVだけ減少した値である失火閾値以下となったか否かを判断する(ステップS13、ステップS15でNO)。予め定められた時間内に検知レベルが失火閾値以下となっていないことが判断されると(ステップS15でYES)、燃焼処理(ステップS29)が実施される。
【0053】
一方、炎センサ70の検知レベルが上記の失火閾値以下になったと判断されると(ステップS13でYES、
図4の時刻T4とT5参照)、失火が検出されて、CPU11は比例弁25および電磁弁45を閉じる(ステップS17)。このとき、CPU11は、領域E1の最大値MAXを用いて、上記の点火完了閾値(点火完了閾値=最大値MAX+EmV)を算出する。これにより、点火完了閾値が決定される。
【0054】
失火が検出されたとき、再点火部22は、再点火するために、上記に述べた処理PAを実施する(ステップS21)。これにより、再点火処理が実施される(
図4の時刻T6〜T8参照)。
【0055】
再点火処理が実施された後、CPU11は、上記の予め定められた時間内において(ステップS25でNO)、炎センサ70から入力する検知レベルについて(検知レベル≧点火完了閾値)の条件が成立するか否かを判断する(ステップS23)。この条件が成立していないと判断される間(ステップS23でNO)は、当該予め定められた時間内(ステップS25でNO)において、ステップS23の処理が繰返される。
【0056】
一方、当該予め定められた時間内で、上記の条件が成立したと判断されると(ステップS23でYES、ステップS25でNO)、CPU11は再点火が完了したと判断し(
図4の時刻T9参照)、燃焼処理を開始する(ステップS29)。
【0057】
なお、予め定められた時間内で、再点火の完了が判断されないときは(ステップS25でYES)、CPU11はエラー処理を実施し(ステップS27)、一連の処理を終了する。上記のステップS10およびステップS27のエラー処理は、例えば、表示部15へのメッセージ表示、ガスバーナ61へのガスの供給停止、および点火部77による点火の停止を含む。
【0058】
図4と
図5の再点火処理によれば、再点火の完了を判断するための点火完了閾値を、炎センサ70の検知レベルに基づき可変に設定することができる。したがって、従来のように再点火完了の閾値を固定値とした場合に比較して、失火または再点火してから燃焼処理が開始されるまでの所要時間を短くし、速やかに燃焼処理を開始することが可能となる。
【0059】
[実施の形態2]
本実施の形態2では、実施の形態1の変形例を説明する。実施の形態2では、再点火を開始するための点火開始閾値を決定し、点火開始閾値に基づき再点火を開始する。
【0060】
本実施の形態2では、点火開始(
図5のステップS5)から予め定められた時間内において、失火を検出された場合に、再点火部22は、炎センサ70の検知レベルが点火開始閾値以下となったとき、再点火処理(
図5のステップS21)を行う。点火開始閾値は、領域E1の最大値MAX(すなわち失火が検出されたときの最大値MAX)に第2の固定値を加算した値である。
【0061】
上記の第2の固定値は、ガスファンヒータ50の工場出荷時にメモリ部12の不揮発性領域に格納される。第2の固定値は、点火完了閾値のための第1の固定値と同様に−5mV〜5mVのいずれかの値である。
【0062】
好ましくは、第1の固定値および第2の固定値は、点火完了閾値が、点火開始閾値以上となるような値に設定されている。つまり、再点火処理(ステップS21の処理PA)を開始後も、イニシャルチェックの間は炎センサ70の検知レベルは低下し続けるため、再点火(処理PA中の点火処理)を実施したとしても、当該検知レベルが上昇を開始するまでに時間を要する。したがって、点火完了閾値を点火開始閾値と同じ値に設定することで、再点火開始から点火完了を判断するまでの所要時間を短くすることができる。
【0063】
また、第1の固定値および第2の固定値が、点火完了閾値が点火開始閾値よりも大きくなるような値に設定された場合には、炎センサ70の検知レベルに含まれ得るノイズにかかわらず、点火完了閾値を、点火完了を確実に判断するための値に決定することができる。
【0064】
より望ましくは、点火完了閾値を算出するための第1の固定値は正の値であり、点火開始閾値を算出するための第2の固定値は負の値であるように設定する。これにより、失火から早い時期に再点火の開始を実施し、その後、炎が安定したときに再点火の完了を判断することができる。
【0065】
[実施の形態3]
本実施の形態3では、実施の形態1,2とは異なり、点火完了閾値を、再点火時に実施されるイニシャルチェック終了時における炎センサ70の検知レベルを用いて決定する。
【0066】
図6は、実施の形態3に係るガスファンヒータ50の機能の構成を概略的に示す図である。
図6の各部は、CPU11が実行するプログラムとして提供される。これらプログラムは、メモリ部12に記憶されて、CPU11により読出されて実行される。
【0067】
図6を参照して、CPU11は、最大値MAXを更新しながら格納するための最大値格納部21、再点火処理を行なう再点火部22、およびレベル格納部24を含む。最大値格納部21および再点火部22は、
図3に示されたものと同様であるから、説明は繰返さない。
【0068】
レベル格納部24は、再点火のためのイニシャルチェック終了時の炎センサ70の検知レベルCVを検出し、メモリ部12の領域E2に格納する。CPU11は、領域E2の検知レベルCVに予め定められた固定値(例えば、EmV=−5mV〜+5mVのいずれかの値)を加算して得られる算出値を、点火完了閾値に決定する。CPU11は、失火時の処理PAによる再点火後の炎センサ70の検知レベルと、当該点火完了閾値とを比較し、比較の結果に基づき、検知レベルが点火完了閾値以上であると判断したとき、再点火の完了を判断する。再点火完了が判断されたとき、CPU11は燃焼処理を開始する。
【0069】
実施の形態3では、再点火部22は、失火が検出されたときに再点火処理を開始するが、実施の形態1,2と同様に、点火開始閾値に基づき再点火開始の時期を判断するとしてもよい。つまり、再点火部22は、点火開始から予め定められた時間内(例えば、20秒〜30秒)において、炎センサ70の検知レベルが失火閾値以下となって失火が検出されたとき、最大値MAXに固定値EmVを加算した値を点火開始閾値として決定する。再点火部22は、失火が検出された後において、炎センサ70の検知レベルが点火開始閾値以上になったと判断したとき、再点火処理を開始する。
【0070】
このように、実施の形態3では、点火完了閾値を決定するための炎センサ70の検知レベルの取得は、イニシャルチェック終了時の検知レベルCVのみの取得でよいから、点火完了閾値決定の処理を簡単化することができる。
【0071】
[実施の形態4]
本実施の形態4では、実施の形態1〜3とは異なり、再点火の点火完了閾値を、炎センサ70の検知レベルに基づき、予め定められた複数の値のうちから選択することにより決定する。点火完了閾値の決定方法を除く他の処理は、上記の実施の形態に示されたものと同様であるので、説明は繰返さない。
【0072】
本実施の形態では、上記の複数の値は、ガスファンヒータ50の工場出荷時等にメモリ部12の不揮発性領域に予め格納される。例えば、これら複数の値は、ガスファンヒータ50の特性(ガスの種類、炎センサ70が出力し得る検知レベルの最小値〜最大値等)に基づき実験により決定される。
【0073】
具体的には、CPU11は、失火が検出された時に、炎センサ70の検知レベルをメモリ部12に格納する。また、CPU11は、メモリ部12の上記の複数の値のうちから、失火時の検知レベルよりも大きい値であって当該検知レベルに最も近い値を選択し、選択された値を点火完了閾値に決定する。
【0074】
上記の各実施の形態では、点火完了閾値と点火開始閾値は、3mV以上に設定される。したがって、失火時は、炎センサ70の検知レベルが点火開始閥値(3mV以上)以下に低下するのを待たず、すぐに再点火動作を開始することができる。また、EmVの値に応じて、点火開始閾値および点火完了閾値を接近した値に設定することができる。その結果、再点火開始後の再点火完了の判断を速やかに実施することができる。
【0075】
[実施の形態5]
本実施の形態5では、ポストパージ中に運転スイッチがON操作(OFF→ON)された場合に点火するとき、当該点火の完了を判断するための点火完了閾値の決定方法について説明する。
【0076】
ポストパージとは、燃焼中に運転スイッチがOFF操作されて、ガスバーナ61へのガスの供給が停止(燃焼終了)する場合に、燃焼室62の内部を冷却するためにファンモータ64を駆動して送風する運転状態をいう。本実施の形態では、ポストパージは、運転スイッチOFF操作による燃焼終了から予め定められた時間(例えば、150秒間)実施される。
【0077】
本実施の形態5では、実施の形態1の最大値MAXに代えて、ポストパージ中の炎センサ70の検知レベルの最小値を検出し、検出された最小値を用いて点火完了閾値を決定する。具体的には、CPU11は、ポストパージ中の運転スイッチON操作(燃焼開始操作)を受付けてからの炎センサ70の検知レベルに基づき点火完了閾値を決定する。そして、燃焼開始操作に応じて実施される点火開始処理後の炎センサ70の検知レベルが点火完了閾値以上となったとき、点火が完了したと判断する。
【0078】
(機能構成)
図7は、本実施の形態5に係るガスファンヒータ50の機能の構成を概略的に示す図である。
図7の各部は、CPU11が実行するプログラムとして提供される。これらプログラムは、メモリ部12に記憶されて、CPU11により読出されて実行される。
図8は、本実施の形態5に係るポストパージ中の点火のタイミングチャートである。
図9は、本実施の形態5に係るポストパージ中の点火処理のフローチャートである。
【0079】
図7を参照して、CPU11は、最小値格納部26および点火開始部27を含む。最小値格納部26は、ポストパージ中の運転開始操作を受付けてから点火処理が開始されるまでの間、炎センサ70の検知レベルの最小値MINを検出し、検出した最小値MINをメモリ部12の領域E3に格納する。具体的には、最小値格納部26は、炎センサ70の検知レベルを例えば、0.1秒毎に入力し、検知レベルの値が、前回の入力値よりも小さいとき、当該入力値を最小値MINとして領域E3に格納する。このように、領域E3には、検知レベルの最小値が更新されながら格納されて、点火開始後は、領域E2の最小値MINは点火開始が検出されたときの最小値を示すことになる。
【0080】
点火開始部27は、ポストパージ中に、ユーザの運転スイッチON操作(燃焼開始操作)が受付けられたとき、ファンモータ64の駆動を停止し、その後、点火部77によるガスバーナ61への点火開始処理を行なう。CPU11は、点火開始処理の終了時に、領域E3の最小値MINに予め定められた正の固定値(例えば、0mV<固定値≦+5mV)を加算して得られる値を点火完了閾値として決定する。そして、点火開始部27による点火開始処理後に炎センサ70の検知レベルが、点火完了閾値以上となったとき、点火完了を判断し、上述した燃焼処理を開始する。
【0081】
(ポストパージ中の点火時のタイミングチャート)
図8のタイミングチャートの横軸は経過時間を示し、縦軸は信号A0〜A5の各信号レベルを示す。図中、信号A0〜A5は、
図4に示されたものと同じであるので説明は繰返さない。
【0082】
図8では、燃焼中に、操作部14の運転スイッチ(図示せず)がOFF操作されて、ポストパージが開始されて引き続き運転スイッチがON操作されると(時刻t1)、CPU11はファンモータ64を停止した後に、点火開始部27による点火開始処理を実施する。点火開始処理は、具体的には(i)イニシャルチェック(時刻t2)と、イニシャルチェック時の回転数検出器80の出力に基づき、ファンモータ64の回転が正常であると判断された場合に、(ii)点火処理(時刻t3,t4)とを含む。点火処理は、ガスバーナ61へガスを供給するように比例弁25および電磁弁45を制御するとともに、点火部77によりガスバーナ61に点火する。
【0083】
最小値格納部26は、ポストパージ中に運転スイッチがON操作されてから、最小値MINを領域E3に格納する処理を開始する。
【0084】
CPU11は、上記の点火開始処理の終了時に点火完了閾値を決定し、その後、炎センサ70の検知レベルが当該点火完了閾値以上となったとき、点火の完了を判断する(時刻t5)。点火完了が判断されると、CPU11は燃焼処理を開始する。
【0085】
ここでは、CPU11は、点火開始処理の終了時に領域E3の最小値MINに予め定められた正の固定値を加算した値を、上記の点火完了閾値として決定する。
【0086】
(ポストパージにおける処理のフローチャート)
図9のフローチャートに従い、適宜、
図8のタイミングチャートを参照しながら、ポストパージ中の処理を説明する。
【0087】
ポストパージを実施する予め定められた時間(たとえば、150秒)において、CPU11は操作部14からの入力に基づき運転スイッチがON操作(OFF→ON操作)されたか否かを判断する(ステップS31,ステップS33でNO)。
【0088】
ポストパージ中に、運転スイッチのON操作がされないと判断されると(ステップS31でNO,ステップS33でYES)、一連の処理は終了する。一方、運転スイッチのON操作がされたと判断されると(ステップS33でNO,ステップS31でYES)、最小値格納部26は、領域E3への最小値MINの格納を開始し(ステップS35)、CPU11は点火処理を含む処理PAを実施するように各部を制御する(時刻t1〜t5)。
【0089】
処理PAが実施されることにより、点火部77によりガスバーナ61に点火され、燃焼が開始する。
【0090】
CPU11は、処理PA(より特定的には点火開始処理)の終了時に、上述のように点火完了閾値を算出して決定する(ステップS37)。CPU11は炎センサ70の検知レベルを入力し、入力する検知レベルについて(検知レベル≧点火完了閾値)の条件が成立するか否かを判断する(ステップS39)。当該条件が成立しない間は(ステップS39でNO)、ステップS37の処理を繰返す。
【0091】
上記の条件が成立したと判断されると(ステップS39でYES、
図8の時刻t5参照)、CPU11は点火完了と判断し、上記に述べた燃焼処理を開始する(ステップS41)。
【0092】
このように、本実施の形態では、点火開始処理の終了時に領域E2に格納されている最小値MINに予め定められた固定値を加算した値を、点火完了閾値に決定する。
【0093】
[実施の形態6]
本実施の形態6では、実施の形態5とは異なり、ポストパージ中の点火完了を判断するための点火完了閾値を、炎センサ70の検知レベルに基づき、予め定められた複数の値のうちから選択することにより決定する。この点火完了閾値の決定方法を除く他の処理は、上記の実施の形態5に示されたものと同様であるので、説明は繰返さない。
【0094】
なお、上記の複数の値は、ガスファンヒータ50の工場出荷時等に、メモリ部12の不揮発性領域に予め格納される値である。例えば、これら複数の値は、上記に述べたガスファンヒータ50の特性に基づき実験により決定される値である。
【0095】
本実施の形態では、CPU11は、メモリ部12の予め定められた複数の値のうち、点火開始処理の終了時において出力される炎センサの検知レベルよりも大きい値であって当該検知レベルに最も近い値を選択し、選択された当該値を点火完了閾値に決定する。
【0096】
[実施の形態7]
本実施の形態7では、実施の形態5,6とは異なる方法により点火完了閾値を決定する。具体的には、点火完了閾値を、点火開始部27により実施される点火開始処理におけるイニシャルチェック終了時の炎センサ70の検知レベルを用いて決定する。
【0097】
点火開始部27が実施する点火開始処理は、処理PAであって、上記に述べたようにイニシャルチェックと、イニシャルチェックの終了後の点火部77によりガスバーナ61に点火するための点火処理と、を含む。
【0098】
CPU11は、イニシャルチェック終了時の炎センサ70の検知レベルを入力し、メモリ部12に格納する。CPU11は、メモリ部12に格納されている当該検知レベルに予め定められた固定値(EmV=−5mV〜+5mVのいずれかの値)を加算した値を、点火完了閾値に決定する。CPU11は、点火開始処理後の炎センサ70の検知レベルを入力し、入力する検知レベルが、点火完了閾値以上であると判断したとき点火完了を判断する。CPU11は、点火完了を判断したとき、燃焼処理を開始する。
【0099】
このように、実施の形態7では、点火完了閾値を算出するための炎センサ70の検知レベルの取得は、イニシャルチェック終了時の1回でよいから、実施の形態5,6のように最小値MINを更新しながら取得する場合に比較して、点火完了閾値を決定するための処理を簡単化することができる。
【0100】
[実施の形態8]
図1と
図2に示す燃焼装置は、上記の失火時の再点火のための再点火完了閾値を決定する機能と(実施の形態1〜4)、ポストパージ中の運転スイッチ操作により点火開始する場合の点火完了閾値を決定する機能(実施の形態5〜7)の両方を備えるように構成されてもよい。
【0101】
上記の両方の機能を備える燃焼装置の一例として、ポストパージ中の点火の完了を判断するための点火完了閾値(以下、値Bとする)を、予め定められた複数の値のうちから選択することにより決定する場合に、失火時の再点火完了閾値を用いて決める方法を説明する。なお、この予め定められた複数の値は、上記に述べたようにガスファンヒータ50の特性に基づき実験により取得されて、工場出荷時等にメモリ部12に格納される。
【0102】
まず、CPU11は、失火を検出したときの炎センサ70の検知レベル(以下、レベルBSとする)と、実施の形態1〜4のいずれかの方法で決定した再点火完了閾値(以下、値A(≦レベルBSの値)とする)とをメモリ部12に格納する。その後、CPU11がポストパージ中に運転スイッチON操作を受付けたとき、点火開始部27は点火開始処理を実施する。CPU11は、この点火開始処理による点火の完了を判断するための点火完了閾値を、上記の再点火完了閾値(値A)を用いて次のように決定する。
【0103】
まず、CPU11は、メモリ部12に予め格納された複数の値のうち、値A以下である1つ以上の値を選択する。そして、選択された値のうち、レベルBSの値よりも大きい値であってレベルBSの値に最も近い値を抽出し、抽出された値を点火完了閾値(値B)に決定する(ただし、再点火完了閾値(値A)>点火完了閾値(値B))。
【0104】
より具体的に説明すると、メモリ部12に予め格納された複数の値のうちから、値A以下である値B1,B2,B3が選択されたとする。ただし、3mV<B1<B2<B3≦Aの関係を有する。失火時のレベルBSの値が、BS<B1の時には値B1を、B1≦BS<B2の時には値B2を、B2≦BE<B3の時には値B3を、B3≦BSのときは値Aを、それぞれ抽出し、抽出された値を点火完了閾値として決定する。CPU11は、炎センサ70の検出レベルが、当該決定された点火完了閾値以上であると判断したとき、点火が完了したと判断する。
【0105】
[実施の形態の効果]
各実施の形態によれば、失火時の再点火またはポストパージ中の点火において、点火の開始または完了を判断するための閾値を、炎センサ70の検知レベルに応じた値に設定することができる。したがって、ガスの種類など燃焼条件の違いに応じて、閾値を可変に設定することができる。その結果、炎センサ70の検知レベルが、従来のような固定の閥値を下回るのを待つための時間を無くして早期の燃焼処理を開始することが可能となり、また、点火時に長時間イグナイタが動作することも防止(それに伴う点火音の発生を防止)できて、燃焼装置の使い勝手が良くなる。
【0106】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。