(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、図面を参照して本発明の実施形態の詳細について説明する。なお、説明の便宜上、各図面は模式的に示しており、各図面に示される各構成の態様は正確でない場合がある。また、図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
【0019】
1.熱電発電装置100の概略
図1は、本発明の一実施形態に係る熱電発電装置100の斜視図である。熱電発電装置100は、熱電発電モジュール10と、集熱器20と、放熱器30と、を具備する。熱電発電モジュール10は、XY平面に沿って延びる平板状であり、集熱器20と放熱器30とによってZ軸方向に挟まれている。
【0020】
熱電発電モジュール10は、高温側基板11と、低温側基板12と、複数の熱電素子対13とを有する。複数の熱電素子対13は、XY平面に沿って延びる高温側基板11及び低温側基板12によってZ軸方向に挟まれている。Z軸方向上側の高温側基板11よりもZ軸方向下側の低温側基板12の方がX軸及びY軸方向の寸法が大きい。
【0021】
高温側基板11のZ軸方向上面には集熱器20が接続され、低温側基板12のZ軸方向下面には放熱器30が接続されている。つまり、熱電発電モジュール10では、高温側基板11が集熱器20から熱の供給を受け、低温側基板12が放熱器30によって放熱されている。
【0022】
これにより、熱電発電モジュール10の高温側基板11と低温側基板12との間には温度差が生じる。熱電発電モジュール10では、複数の熱電素子対13の作用によって高温側基板11と低温側基板12との間の温度差に応じた電気エネルギが生成される。熱電発電モジュール10の詳細については後述する。
【0023】
集熱器20は、熱電発電モジュール10の高温側基板11に接続された熱拡散板21と、熱拡散板21のZ軸方向上面に配列された集熱フィン22と、を有する。各集熱フィン22は、Z軸方向に延びる棒状である。各集熱フィン22のZ軸に垂直な断面形状は、矩形状である。
【0024】
放熱器30は、熱電発電モジュール10の低温側基板12に接続された熱拡散板31と、熱拡散板31のZ軸方向下面に配列された放熱フィン32と、を有する。各放熱フィン32は、Z軸方向に延びる棒状である。各放熱フィン32のZ軸に垂直な断面形状は、矩形状である。
【0025】
集熱器20及び放熱器30は、熱伝導性の高い金属材料で形成され、例えば耐熱性の高いステンレスで形成される。しかし、集熱器20及び放熱器30を形成する材料は、ステンレス以外であってもよく、例えば、銅やアルミニウムなどであってもよい。更に、集熱器20及び放熱器30には、めっきなどの表面処理が施されていてもよい。
【0026】
なお、集熱器20及び放熱器30では、様々な設計が可能である。例えば、集熱フィン22及び放熱フィン32のZ軸方向の長さやX軸及びY軸方向の間隔は、求められる性能などに応じて設計可能である。また、集熱フィン22及び放熱フィン32のZ軸に垂直な断面形状は、任意に決定可能であり、多角形状、円形状などであってもよい。
【0027】
また、熱電発電装置100は、蓄電部40と、電圧測定部50と、温度検出部60と、を更に具備する(後述の
図3参照)。蓄電部40は、熱電発電モジュール10によって生成された電気エネルギを蓄える機能を有する二次電池として構成される。電圧測定部50及び温度検出部60については後述する。
【0028】
2.熱電発電モジュール10の構成
図2は、熱電発電モジュール10の分解斜視図である。熱電発電モジュール10は、上記の構成以外に、複数の高温側電極14と、複数の低温側電極15と、を更に有する。各熱電素子対13は、X軸又はY軸方向に相互に隣接する一対のP型素子13a及びN型素子13bによって構成されている。
【0029】
P型素子13aはP型の熱電材料によって形成され、N型素子13bはN型の熱電材料によって形成されている。熱電材料としては、例えば、ビスマス−テルル系化合物、シリサイド系化合物、ハーフホイスラー系化合物、鉛−テルル系化合物、シリコン−ゲルマニウム系化合物、スクッテルダイト系化合物、テトラヘドライト系化合物、コルーサイト系化合物などを用いることができる。
【0030】
高温側基板11及び低温側基板12は、耐熱性及び熱伝導性に優れる窒化アルミニウムで形成されていることが好ましい。しかしながら、高温側基板11及び低温側基板12を形成する材料は、窒化アルミニウムに限定されず、例えば、アルミナなどの他のセラミック材料や、各種樹脂材料や、各種複合材料などであってもよい。
【0031】
複数の高温側電極14は、高温側基板11のZ軸方向下面にパターニングされている。各高温側電極14は、各熱電素子対13を構成する一対のP型素子13a及びN型素子13bを電気的に接続している。
図2に示す例では、12組の熱電素子対13を形成するために12枚の高温側電極14が設けられている。
【0032】
複数の低温側電極15は、低温側基板12のZ軸方向上面にパターニングされている。各低温側電極15は、P型素子13aとN型素子13bとを接続することにより、複数の熱電素子対13を直列接続している。このように、熱電発電モジュール10では、P型素子13aとN型素子13bとが交互に直列に接続されている。
【0033】
高温側電極14及び低温側電極15は、例えば、金やニッケルや錫などの金属材料によって形成することができる。高温側電極14及び低温側電極15は、例えば、高温側基板11及び低温側基板12にめっき処理を施して形成されるめっき膜として構成される。この場合、めっき膜は、単層膜であっても複層膜であってもよい。
【0034】
複数の熱電素子対13を構成するそれぞれのP型素子13a及びN型素子13bは、高温側電極14及び低温側電極15に半田付けされている。なお、高温側電極14及び低温側電極15に対するP型素子13a及びN型素子13bの接合には、半田以外にも、例えば、ろう材や金属ペーストを用いることができる。
【0035】
図3は、熱電発電装置100の概略構成を模式的に示す平面図である。
図3には、上述の蓄電部40、電圧測定部50、及び温度検出部60が示され、低温側電極15の位置が破線で示されている。熱電発電モジュール10は、一対の第1引出電極16と、一対の第1リード線17と、一対の第2引出電極18と、一対の第2リード線19と、を更に有する。
【0036】
一対の第1引出電極16は、複数の熱電素子対13の直列接続の両端部にあたる2つの低温側電極15に設けられ、X軸方向外側に引き出されている。第1引出電極16が設けられた低温側電極15には、第1引出電極16のX軸方向内側において、P型素子13aとN型素子13bとのいずれか一方のみが接続されている。
【0037】
一対の第1リード線17は、一対の第1引出電極16に半田などによって接合されている。第1引出電極16は、低温側基板12における高温側基板11の対向領域よりX軸方向外側に延びている。したがって、第1引出電極16上には高温側基板11が存在しないため、第1リード線17の第1引出電極16への接合が容易になる。
【0038】
熱電発電モジュール10では、一対の第1引出電極16が、高温側基板11ではなく、低温側基板12に設けられている。したがって、第1引出電極16に接続された第1リード線17は、高温側基板11の温度上昇の影響を受けにくい。このため、熱電発電モジュール10では、第1引出電極16と第1リード線17との接続が良好に保たれる。
【0039】
一対の第1リード線17は、熱電発電モジュール10を蓄電部40に接続する。これにより、熱電発電モジュール10では、高温側電極14と低温側電極15との間の温度差に応じた電気エネルギを、第1引出電極16及び第1リード線17を介して蓄電部40に蓄えることが可能となる。
したがって、一対の第1引出電極16に直列接続された熱電素子対13を発電回路と呼ぶことができる。
【0040】
一対の第2引出電極18は、一対の熱電素子対13のP型素子13a及びN型素子13bに接続された各低温側電極15からY軸方向外側に引き出されている。第2引出電極18は、低温側電極15と一体に形成され、典型的には低温側電極15と一連のめっき膜として構成される。
【0041】
一対の第2リード線19は、一対の第2引出電極18に半田などによって接合されている。第2引出電極18は、低温側基板12における高温側基板11の対向領域よりY軸方向外側に延びている。したがって、第2引出電極18上には高温側基板11が存在しないため、第2リード線19の第2引出電極18への接合が容易になる。
【0042】
熱電発電モジュール10では、一対の第2引出電極18が、高温側基板11ではなく、低温側基板12に設けられている。したがって、第2引出電極18に接続された第2リード線19は、高温側基板11の温度上昇の影響を受けにくい。このため、熱電発電モジュール10では、第2引出電極18と第2リード線19との接続が良好に保たれる。
【0043】
一対の第2リード線19は、熱電発電モジュール10を電圧測定部50に接続する機能を有する。電圧測定部50は、一対の第2リード線19間の電圧を測定可能に構成されている。したがって、電圧測定部50によって、一対の第2引出電極18に接続された熱電素子対13で生成されている熱起電力Vを得ることができる。
【0044】
熱電素子対13で生成されている熱起電力Vを用いると、熱電素子対13における高温側電極14との接続部と低温側電極15との接続部との間の温度差ΔTを、以下の式(1)によって算出可能である。
ΔT=V/(α
P−α
N) …(1)
【0045】
ここで、α
PはP型素子13aのゼーベック係数であり、α
NはN型素子13bのゼーベック係数である。ゼーベック係数α
P,α
Nは、温度差ΔTに対応する温度域における平均値であり、P型素子13a及びN型素子13bにおけるゼーベック係数の温度特性から算出可能である。
【0046】
また、高温側電極14及び低温側電極15を形成する金属材料は高熱伝導率であるため、高温側電極14と高温側基板11との間の温度差、及び低温側電極15と低温側基板12との間の温度差は実質的に無視することができる。つまり、高温側基板11と低温側基板12との間の温度差をΔTとして扱うことが可能である。
【0047】
このように、熱電発電モジュール10では、熱電素子対13が配置された領域における
高温側基板11と低温側基板12との間の温度差ΔTが得られる。したがって、一対の第2引出電極18に接続された熱電素子対13を測温回路と呼ぶことができる。また、温度検出部60は、典型的には、公知の手法によって、熱電発電モジュール10の低温側基板12の温度T
Lを検出可能に構成されている。
【0048】
熱電素子対13が配置された領域における高温側基板11と低温側基板12との間の温度差ΔTと、低温側基板12の温度T
Lと、を用いると、高温側基板11の温度T
Hを、以下の式(2)によって算出可能である。
T
H=T
L+ΔT …(2)
【0049】
このように、熱電発電モジュール10では、一対の第2リード線19間の測温回路の電圧を測定することによって、低温側基板12の温度T
Lを高温側基板11の温度T
Hに換算することができる。つまり、熱電発電モジュール10では、高温側基板11の温度T
Hを、直接測定することなく把握可能である。
【0050】
したがって、熱電発電モジュール10では、高温側基板11の温度T
Hを測定するための測温素子などの構成を高温側基板11に設ける必要がない。また、一対の第2引出電極18に接続された熱電素子対13で構成される測温回路は、一対の第1引出電極16に接続された熱電素子対13で構成される発電回路に含まれる。そのため、基板11および12上に設けられたすべての熱電素子対13を発電に寄与させることができ、高温側基板11における集熱効率が損なわれない。つまり、熱電発電モジュール10では、集熱効率を損なうことなく、高温側基板11の温度T
Hを把握することができる。
【0051】
3.熱電発電装置100の構成例
図4は、熱電発電装置100の構成例を示す
図1のA−A'線に沿った断面図である。つまり、
図4は、熱電発電装置100における第2引出電極18及び第2リード線19を通るYZ平面に平行な断面を示している。熱電発電装置100は、上記の構成以外に、高温側流路70及び低温側流路80を更に具備する。
【0052】
高温側流路70内には、集熱器20の集熱フィン22が配置されている。高温側流路70では、ファンなどの送風機構によって、気体を媒体として熱源が発する熱が集熱器20に送り込まれる。
図4に示す例では、集熱器20よりも左側の領域で高温側流路70が熱源に接続され、高温側流路70には左から右への気流が生成されている。
【0053】
これにより、熱源が発する熱を集熱器20の集熱フィン22によって収集することができる。集熱器20で収集された熱は、熱拡散板21を介して熱電発電モジュール10の高温側基板11に供給される。このように、熱電発電装置100では、熱電発電モジュール10の高温側基板11を昇温させることができる。
【0054】
熱電発電装置100は任意の熱源に適用可能であり、高温側流路70に接続される熱源は特定のものに限定されない。このような熱源としては、例えば、自動車や自動二輪車などの廃熱(排気ガスなど)、工場(化学、鉄鋼、機械など)の廃熱、他の発電(火力発電、原子力発電など)の廃熱が挙げられる。
【0055】
低温側流路80内には、放熱器30の放熱フィン32が配置されている。低温側流路80内では、冷却器などによって冷却された冷却水が、ポンプなどによって循環させられている。これにより、放熱器30の放熱フィン32が冷却水によって冷却され、放熱器30及び低温側基板12が実質的に冷却水の温度に保持される。
【0056】
この構成の熱電発電装置100では、温度検出部60を、低温側流路80内を循環している冷却水の温度を検出可能な水温計として構成することができる。つまり、この構成では、温度検出部60によって検出された冷却水の温度を、低温側基板12の温度T
Lとすることができる。
【0057】
なお、温度検出部60は、低温側基板12の温度T
Lを検出可能であればよく、上記の構成に限定されない。例えば、温度検出部60は、低温側基板12や放熱器30の温度を直接検出可能に構成されていてもよい。低温側基板12や放熱器30の温度を検出には、熱電対やサーミスタなどの温度センサを用いることができる。
【0058】
更に、温度検出部60によって検出する温度は、低温側基板12の温度T
Lに限定されない。例えば、温度検出部60は、熱電素子対13の平均の温度T
AVEを検出可能に構成されていてもよい。この場合、例えば、温度検出部60は、第2リード線19の間の電気抵抗率ρを測定可能に構成することができる。
【0059】
電気抵抗率ρは、温度差ΔTに対応する温度域の第2リード線19間の電気抵抗率の平均値として得られる。このため、P型素子13a及びN型素子13bの電気抵抗率の温度特性を用いると、電気抵抗率ρから第2リード線19に接続された熱電素子対13の平均の温度T
AVEを算出可能である。
【0060】
上記のとおり、高温側電極14と高温側基板11との間の温度差、及び低温側電極15と低温側基板12との間の温度差は実質的に無視することができる。このため、熱電素子対13の平均の温度T
AVEを高温側基板14と低温側基板15との間の平均の温度として扱うことが可能である。
【0061】
したがって、P型素子13a及びN型素子13bのZ軸方向の熱伝導率が均一であるものとすると、温度差ΔTと、熱電素子対13の平均の温度T
AVEと、を用いると、高温側基板11の温度T
Hを、以下の式(3)によって算出可能である。
T
H=T
AVE+ΔT/2 …(3)
【0062】
このように、温度検出部60によって熱電素子対13の平均の温度T
AVEを検出することによって、低温側基板12の温度T
Lを用いることなく、高温側基板11の温度T
Hを算出可能である。なお、温度検出部60は、第2リード線19間の電気抵抗率ρではなく、第1リード線17間の電気抵抗率ρを測定してもよい。
【0063】
熱電発電装置100では、集熱器20の熱源に近い部分、つまり高温側流路70内の上流側に配置された部分ほど温度上昇しやすい。したがって、熱電発電モジュール10の高温側基板11では熱源側の領域ほど温度上昇しやすい。このため、熱電発電モジュール10では、熱源側の領域において故障の原因となる熱電素子対13の損傷が発生しやすい。
【0064】
したがって、熱電発電装置100では、高温側基板11における熱源側の領域の温度T
Hが高くなりすぎないように管理することにより、熱電発電モジュール10の故障を効果的に防止することができる。このため、熱電発電モジュール10では、第2引出電極18が熱源側に配置された低温側電極15から引き出されていることが好ましい。
【0065】
この構成により、熱電発電装置100では、電圧測定部50によって、熱源側に配置された熱電素子対13で生成されている熱起電力Vが得られる。このため、熱電発電装置100では、高温側基板11における温度上昇しやすい熱源側の領域の温度T
Hを的確に把握可能となる。
【0066】
例えば、熱電発電装置100では、高温側基板11の熱源側の領域の温度T
Hをモニタリングし、温度T
Hが所定の閾値を超えた場合に高温側流路70における送風を停止することができる。これにより、高温側基板11の熱源側の領域の更なる温度上昇を抑制できるため、熱電発電モジュール10の故障を効果的に防止することができる。
【0067】
4.熱電発電モジュール10の変形例
熱電発電モジュール10における第2引出電極18の位置は、熱源の位置などに応じて決定可能である。例えば、
図5に示すように、第2引出電極18は、第1引出電極16が配置された低温側電極15とは反対のX軸方向端部に配置された低温側電極15からX軸方向に引き出されていてもよい。
【0068】
また、
図6に示すように、第2引出電極18は、複数の熱電素子対13で生成されている熱起電力Vを測定可能なように構成されていてもよい。n組の熱電素子対13で生成されている熱起電力Vを用いると、温度差ΔTを、以下の式(4)によって算出可能である。
ΔT=V/n(α
P−α
N) …(4)
【0069】
更に、
図7に示すように、熱電発電モジュール10には、複数対の第2引出電極18が設けられていてもよい。これにより、電圧測定部50によって複数の熱電素子対13で生成されている熱起電力Vを個別に測定できるため、高温側基板11における複数の領域の温度T
Hを把握することができる。
【0070】
加えて、
図8に示すように、高温側基板11が複数に分割されていてもよい。これにより、高温側基板11におけるXY平面に沿った熱伝達の影響による、高温側基板11の温度T
Hの測定誤差を抑制することができる。なお、高温側基板11の分割態様は、
図8に破線で示される高温側電極14のパターンに応じて様々に変更可能である。
図8に示すように、高温側基板11を複数に分割した場合には、分割された高温側基板において、測温回路が配置された部分の高温側基板の熱拡散や熱流入が抑えられるため、測温回路が配置された部分の高温側基板の温度がより正確に測定できる。
【0071】
さらに、
図9に示すように、一対の第2引出電極18に接続された熱電素子対13で構成される測温回路55と、一対の第1引出電極16に直列接続された熱電素子対13で構成される発電回路45とを独立させて設けてもよい。すなわち、測温回路55を、一対の第1引出電極16に直列接続された熱電素子対13で構成される発電回路45と電気的に並列に配置してもよい。このように独立した測温回路55を設けることによって、測温回路が発電回路に含まれる場合に比べて、測温回路が配置された部分の測温精度をより向上させることができる。
さらに、測温回路55を発電回路45から独立させるとともに、高温側基板11を
図8に示すように分割するようにしてもよい。この場合には、分割された高温側基板のうち、特に高い測温精度が求められる基板部分に、測温回路55を配置することによって、分割された高温側基板ごとの温度を個別に精度よく測定することができる。
【0072】
5.その他の実施形態
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0073】
例えば、熱電発電装置100は、複数の熱電発電モジュール10を備えていても構わない。また、熱電発電装置100は、集熱器20、放熱器30、蓄電部40、電圧測定部50、温度検出部60、高温側流路70、及び低温側流路80の少なくとも1つが外部構成として接続可能な構成であってもよい。
【0074】
上述した本発明の実施形態によれば、熱電発電モジュールの集熱効率を損なうことなく、高温側基板の過熱による故障を未然に防ぐことが可能となる。したがって、過熱による故障を防止可能な熱電発電モジュール及びこれを用いた熱電発電装置、並びに温度測定方法を提供することができる。