(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記撮像画像は、カラー画像である第1撮像画像と、前記第1撮像画像の撮像時刻から所定の時間内に前記第1撮像画像の撮像範囲を撮像した距離画像である第2撮像画像とを含み、
前記検出手段は、前記第1撮像画像と、前記第1撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す背景情報とを比較することによって、前記変化領域を検出し、
前記分類手段は、前記第2撮像画像に含まれる各画素の値と、前記第2撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された前記距離情報の各画素の値との比較結果に基づいて、前記商品棚に関する変化を分類する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施の形態>
本開示の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像処理装置100を含む商品モニタリングシステム1の構成の一例を示す図である。
図2は、商品モニタリングシステム1の利用シーンを説明するための図である。
【0015】
図1に示す通り、商品モニタリングシステム1は、画像処理装置100と撮像装置2とを含む。画像処理装置100は、撮像装置2と通信可能に接続している。なお、本実施の形態において、画像処理装置100は、撮像装置2と別個の構成であるとして説明を行うが、画像処理装置100は撮像装置2に内蔵される構成であってもよい。また、撮像装置2は、複数であってもよい。また、撮像装置2が撮像する映像は、動画像であってもよいし、連続する静止画像であってもよい。
【0016】
商品モニタリングシステム1では、
図2に示す通り、撮像装置2が、店舗の商品棚3を撮像する。そして、撮像装置2は、撮像した撮像画像を示す映像信号を、画像処理装置100に送信する。撮像装置2は、例えば、店舗に設置されている監視カメラである。撮像装置2は、撮像画像を撮像装置2の内部または画像処理装置100とは異なる記憶装置に格納してもよい。
【0017】
本実施の形態では、撮像装置2によって取得された撮像画像は、カラー画像(以下、RGB(Red Green Blue)画像と呼ぶ)であるとして説明を行う。なお、撮像画像は、例えば、RGB画像以外の色空間の画像であってもよい。
【0018】
図3は、本実施の形態に係る画像処理装置100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。画像処理装置100は、
図3に示す通り、第1取得部110と、検出部120と、分類部130と、記憶部140とを備える。なお、
図3に示す画像処理装置100は、本開示に特有な構成について示したものであり、
図3に示す画像処理装置100が
図3に示されていない部材を有してもよいことは言うまでもない。この点は、第2の実施の形態以降についても同様である。
【0019】
第1取得部110は、撮像装置2が商品棚3を撮像することによって得た撮像画像を示す映像信号を取得する。第1取得部110は、撮像装置2から送信された映像信号を受信してもよい。第1取得部110は、撮像装置2の内部または撮像装置2および画像処理装置100とは異なる記憶装置に格納された撮像画像に基づいて変換された映像信号を取得してもよい。
【0020】
なお、画像処理装置100が撮像装置2に内蔵されている場合、第1取得部110は、撮像画像そのものを取得する構成であってもよい。
【0021】
第1取得部110は、取得した映像信号を、該映像信号を構成するRGB画像に変換し、該RGB画像を検出部120および分類部130に供給する。第1取得部110が映像信号を変換することによって得たRGB画像は、撮像装置2が商品棚3を撮像した撮像画像を表すため、単に撮像画像とも呼ぶ。
【0022】
記憶部140は、背景情報141と棚変化モデル142とを格納する。記憶部140は、画像処理装置100とは異なる記憶装置で実現されてもよいし、検出部120または分類部130に内蔵されてもよい。また、背景情報141と棚変化モデル142とは別々の記憶部に格納されてもよい。
【0023】
背景情報141は、検出部120において撮像画像と比較するための基準となる画像であり、背景画像とも呼ぶ。背景情報141は、例えば、撮像画像と同じ種類の画像であることが好ましい。本実施の形態では、上述した通り、撮像画像はRGB画像であるため、背景情報141もRGB画像であることが好ましい。なお、背景情報141は、第1取得部110から検出部120に対し、最初に供給された撮像画像であってもよいし、事前に与えられた画像であってもよい。
【0024】
棚変化モデル142は、事前に学習した、商品棚3の変化をモデル化したものである。棚変化モデル142は、例えば、一般的に広く知られているConvolutional Neural Networkなどの機械学習を用いて学習されることによって得られてもよい。
【0025】
例えば、棚変化モデル142は、商品棚3に商品が含まれる画像と商品棚3に商品が含まれない画像とを用いて学習された「商品棚3に商品が含まれなくなったことによる変化」または「商品棚3に商品が新たに含まれたことによる変化」を表す。また、棚変化モデル142は、複数の商品の画像および各商品の形状が変化した複数の画像を用いて学習された「商品棚3に陳列された商品の見た目が変わったことによる変化」を表す。また、棚変化モデル142は、商品棚3の前に何も対象物が存在しない状態で撮像された撮像画像と、商品棚3の前に人物などの対象物が存在する状態で撮像された撮像画像とを用いて学習された、「商品棚3の前に人物が存在することによる変化」、「商品棚3の前に買い物カートがあることによる変化」等を表す。また、棚変化モデル142は、様々な環境下で画像を用いて学習された、例えば、「照明が変わったことによる変化」を表してもよい。
【0026】
また、棚変化モデル142の学習データは、例えば、変化前後の2つのRGB画像を結合した6チャネル画像でもよいし、変化前後の2つのRGB画像のR成分、G成分、またはB成分のいずれか1つを結合した2チャネル画像でもよい。また、学習データは、例えば、変化前後の2つのRGB画像のR成分、G成分、またはB成分のいずれか2つを結合した4チャネル画像でもよいし、変化前後の2つのRGB画像をグレースケール画像に変換してから結合した2チャネル画像でもよい。また、学習データは、変化前後のRGB画像をHSV(Hue Saturation Value)色空間など他の色空間に変換し、他の色空間への変換後の色空間における1つまたは複数のチャネルを結合した画像でもよい。
【0027】
また、棚変化モデル142の学習データは、RGB画像のようなカラー画像から生成されたものであってもよいし、カラー画像と距離画像との両方を用いて生成されたものであってもよい。
【0028】
検出部120は、商品棚3に関する変化領域を検出する。例えば、
撮像画像に含まれる、商品棚3に陳列された商品が、撮像画像よりも前に取得された画像(例えば背景画像)に含まれない場合、検出部120は、この商品の領域を検出する。また、例えば、背景画像に含まれる、商品棚3に陳列された商品が、撮像画像に含まれない場合、検出部120は、この商品の領域を検出する。また、
撮像画像に含まれる、商品棚3に陳列された商品と背景画像に含まれる商品との見え方が異なる場合、検出部120は、この商品の領域を検出する。また、撮像画像が商品棚3と撮像装置2との間に人物や物体が存在した時に撮像された場合、検出部120は、商品棚3を撮像した撮像画像に含まれる人物や物体の領域を、検出する。このように、検出部120は、商品棚3の内部の変化領域、商品棚3と撮像装置2との間の物体による、撮像画像における変化領域等の、商品棚3に関する変化領域を検出する。
【0029】
図3に示す通り、検出部120は、前景領域検出部121と、背景情報更新部123とを備える。
【0030】
前景領域検出部121は、第1取得部110から供給された撮像画像を受け取る。また、前景領域検出部121は、撮像画像に対応する背景情報141を記憶部140から取得する。上述した通り、背景情報141はRGB画像である。前景領域検出部121は、2つのRGB画像(撮像画像および背景情報141)を比較し、該2つのRGB画像の間で変化した領域を変化領域として検出する。前景領域検出部121は、背景画像である背景情報141と撮像画像であるRGB画像とを比較するため、前景領域を検出するとも言える。
【0031】
なお、前景領域検出部121が変化領域を検出する方法は特に限定されず、既存の技術を採用してもよい。例えば、前景領域検出部121は、非特許文献1に開示されている背景差分法を用いて、変化領域を検出してもよい。前景領域検出部121は、検出した変化領域の画素値を255、それ以外を0で表した2値画像を生成してもよい。これにより、前景領域検出部121は、撮像画像と同じサイズの2値画像を生成する。
【0032】
前景領域検出部121は、変化領域の検出結果として、生成した2値画像を分類部130に供給する。このとき、前景領域検出部121は2値画像に、2値画像の生成に用いた撮像画像を示す情報および背景情報141を示す情報を付与して、該2値画像を分類部130に供給してもよいし、2値画像と共に該撮像画像および背景情報141を分類部130に供給してもよい。
【0033】
なお、検出結果は、検出した変化領域を示す情報を含んでいればよい。例えば、前景領域検出部121は、検出した変化領域(画素値が255の領域)の位置を表す情報とその大きさとを変化領域の検出に用いた撮像画像を示す情報および背景画像を示す情報に関連付け、検出結果として出力してもよい。このように、前景領域検出部121が出力する検出結果は、どのような形式であってもよい。
【0034】
背景情報更新部123は、第1取得部110から供給された撮像画像と、記憶部140に格納されている背景情報141であるRGB画像とに基づいて、背景情報141を更新する。背景情報更新部123が、背景情報141を更新する方法は特に限定されず、例えば、非特許文献1と同様の方法を採用してもよい。
【0035】
検出部120の動作について、
図4を参照してさらに説明する。
図4は、検出部120の動作を説明するための図である。
図4の(a)は撮像画像の一例であり、
図4の(b)は記憶部140に格納された、撮像画像に対応する背景情報141の一例であり、
図4の(c)は、変化領域の検出結果である2値画像の一例を示す図である。
【0036】
撮像画像と背景情報141とが異なる点は、商品G1、商品G2および商品G3の領域である。商品G1は、背景情報141には含まれないが、撮像画像には含まれる。また、商品G3は、背景情報141には含まれるが、撮像画像には含まれない。また、撮像画像に含まれる商品G2の位置には、背景情報141上では他の商品が陳列されている。したがって、前景領域検出部121は、商品G2の領域も変化があった領域として検出する。よって、前景領域検出部121は、
図4の(c)に示すような、商品G1、商品G2および商品G3の領域に相当する部分を白で表現し、その他の部分を黒で表現した2値画像を生成する。
【0037】
以降の説明において、変化領域は、
図4の(c)の白色の部分の夫々を示す。つまり、変化領域とは、例えば、画素値が255の画素であり、且つ、該画素に隣接する画素の何れかの画素値が255の画素の集合である。前景領域検出部121は、
図4の(c)の例では、3つの変化領域を検出する。
【0038】
分類部130は、
図3に示す通り、第1抽出部131と、第2抽出部132と、領域変化分類部134とを備える。
【0039】
分類部130は、変化領域における商品棚3に関する変化を分類する。分類部130は、検出部120から供給された検出結果(2値画像)と、記憶部140に格納された棚変化モデル142とに基づいて、背景画像上の検出された変化領域に対応する領域の画像の状態から撮像画像上の変化領域に対応する領域の画像の状態への変化を分類する。画像の状態とは、例えば、画像に商品が含まれるまたは含まれない状態、画像に顧客が含まれるまたは含まれない状態、画像に買い物かごが含まれるまたは含まれない状態、画像に買い物カートが含まれるまたは含まれない状態等、である。分類部130は、棚変化モデル142に基づいて、変化領域における商品棚3に関する変化を、例えば、「商品棚3に商品が含まれなくなったことによる変化」、「商品棚3に商品が新たに含まれたことによる変化」、「商品棚3に陳列された商品の見た目が変わったことによる変化」、「商品棚3の前に人物が存在することによる変化」、「商品棚3の前に買い物カートがあることによる変化」、「照明が変わったことによる変化」などの、変化の種類に分類する。なお、分類部130が変化領域における状態の変化を分類する種類は、一例であり、これらに限定されない。また、例えば、「商品棚3に陳列された商品の見た目が変わったことによる変化」は、「異なる商品になったためによる見た目の変化」なのか、「商品の姿勢が変わったことによる見た目の変化」なのか等更に詳細に分類されてもよい。
【0040】
具体的に、分類部130の各部について説明を行う。第1抽出部131は、前景領域検出部121から、検出結果である2値画像を受け取る。また、第1抽出部131は、2値画像の生成に用いた撮像画像を記憶部140から取得する。なお、第1抽出部131は、撮像画像を2値画像と共に前景領域検出部121から受け取ってもよい。
【0041】
第1抽出部131は、撮像画像から変化領域の画像を抽出する。具体的には、第1抽出部131は、撮像画像と、該撮像画像と同じサイズである2値画像とを用いて、2値画像における画素値が255の領域に対応する撮像画像上の領域の画像を第1注目画像として抽出する。2値画像が
図4の(c)の場合、第1抽出部131は、撮像画像から3つの第1注目画像を抽出する。上述した通り、撮像画像はRGB画像であるため、抽出された第1注目画像も、RGB画像である。
【0042】
なお、第1抽出部131は、変化領域毎に、該変化領域と同じ形状の領域の第1注目画像を抽出してもよいし、変化領域に外接する所定の形状の枠と同じ形状の枠で囲まれる領域の画像を第1注目画像として抽出してもよい。なお、変化領域に外接する枠の形状は、例えば、矩形、楕円形などどのような形状であってもよい。また、第1抽出部131は、変化領域に外接する枠よりも所定のサイズ分大きい枠で囲まれる領域の画像を第1注目画像として抽出してもよい。
【0043】
第1抽出部131は、抽出した第1注目画像を領域変化分類部134に供給する。なお、第1抽出部131が抽出した第1注目画像の撮像画像上における領域を第1注目領域とも呼ぶ。
【0044】
第2抽出部132は、前景領域検出部121から、検出結果である2値画像を受け取る。また、第2抽出部132は、2値画像の生成に用いた背景情報141を記憶部140から取得する。なお、第2抽出部132は、背景情報141を2値画像と共に前景領域検出部121から受け取ってもよい。
【0045】
第2抽出部132は、背景情報141から変化領域の画像を抽出する。具体的には、第2抽出部132は、背景画像である背景情報141と2値画像とを用いて、2値画像における画素値が255の領域に対応する背景情報141上の領域の画像を第2注目画像として抽出する。第2注目画像の抽出方法は、第1注目画像の抽出方法と同様である。第2抽出部132は、抽出した第2注目画像を領域変化分類部134に供給する。なお、第2抽出部132が抽出した第2注目画像の背景情報141上における領域を第2注目領域とも呼ぶ。
【0046】
領域変化分類部134は、第1抽出部131から第1注目画像を受け取る。また、領域変化分類部134は、第2抽出部132から第2注目画像を受け取る。領域変化分類部134は、記憶部140に格納された棚変化モデル142に基づいて、第2注目画像の状態から、該第2注目画像に対応する第1注目画像の状態への変化を、例えば上述した種類に分類する。たとえば、領域変化分類部134は、第2注目画像の状態から第1注目画像の状態への変化を、棚変化モデル142と比較した結果に基づいて、該変化を分類する。
【0047】
なお、領域変化分類部134は、例えば、棚変化モデル142を作成した機械学習法(Convolutional Neural Networkなど)を用いて、商品棚3に関する変化を上述した種類の何れかに分類してもよい。
【0048】
領域変化分類部134は、分類結果を、例えば、記憶部140に格納してもよいし、画像処理装置100の外部に出力してもよい。
【0049】
次に、
図5を参照して本実施の形態に係る画像処理装置100の動作の流れについて説明する。
図5は、本実施の形態に係る画像処理装置100の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【0050】
まず、第1取得部110が、商品棚3を撮像した映像信号からRGB画像である撮像画像を取得する(ステップS51)。第1取得部110は取得した撮像画像を検出部120および分類部130に供給する。
【0051】
次に、検出部120の前景領域検出部121が、第1取得部110から供給された、RGB画像である撮像画像と、記憶部140に格納されている、RGB画像である背景情報141とを用いて、2つのRGB画像の間で変化した領域を変化領域として検出する(ステップS52)。そして、前景領域検出部121は、変化領域の検出結果を分類部130に供給する。例えば、分類部130は、検出した変化領域の画素を255とし、その他の領域の画素を0とした2値画像を生成し、該2値画像を、変化領域の検出結果として分類部130に供給する。
【0052】
また、背景情報更新部123は、撮像画像と背景情報141とを用いて背景情報141を更新する(ステップS53)。なお、ステップS53は、ステップS51の後であれば、どのタイミングで行われてもよい。
【0053】
分類部130の第1抽出部131が、第1取得部110から供給された撮像画像と、前景領域検出部121から供給された該
撮像画像に関連する検出結果とに基づいて、撮像画像上における、検出結果によって示される変化領域に対応する領域(第1注目領域)の画像を、第1注目画像として抽出する(ステップS54)。第1抽出部131は、抽出した第1注目画像を領域変化分類部134に供給する。
【0054】
また、分類部130の第2抽出部132が、前景領域検出部121から供給された検出結果と、記憶部140から取得した、該検出結果を得るために用いた背景情報141とに基づいて、第1抽出部131と同様の動作により、背景情報141から第2注目画像を抽出する(ステップS55)。第2抽出部132は、抽出した第2注目画像を領域変化分類部134に供給する。なお、ステップS54とステップS55とは同時に行われてもよいし、逆順で行われてもよい。
【0055】
そして、領域変化分類部134は、第1抽出部131から供給された第1注目画像と、第2抽出部132から供給された第2注目画像と、記憶部140に格納された棚変化モデル142とに基づいて、商品棚3に関する変化(第2注目画像における状態から第1注目画像における状態への変化)を分類する(ステップS56)。
【0056】
そして、画像処理装置100は、第1取得部110が次の映像信号を受信したか否か(次の撮像画像があるか否か)を判定する(ステップS57)。次の撮像画像がある場合(ステップS57にてYES)、処理はステップS51に移行し、次の撮像画像がない場合(ステップS57にてNO)、画像処理装置100は、動作を終了する。
【0057】
図6は、分類部130の領域変化分類部134が出力する分類結果の一例を示す図である。領域変化分類部134は、例えば、
図6に示すような分類結果60を出力する。
【0058】
図6に示す通り、分類結果60は、第2注目画像61と、第1注目画像62と、変化の種類63とを含む。なお、
図6に示す分類結果60は一例であり、分類結果60が
図6に示す情報以外の情報を含んでもよい。例えば、分類結果60は、撮像画像に関する情報(識別子、撮像時刻など)や第1注目画像62の撮像画像における位置を示す情報などを含んでもよい。
【0059】
以上のように、本実施の形態に係る画像処理装置100は、検出部120が商品棚を撮像した撮像画像と、該撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す背景情報とを比較することによって、商品棚3に関する変化領域を検出し、分類部130が、事前に学習した商品棚3に関する変化のモデルである棚変化モデル142に基づいて、変化領域における商品棚3に関する変化を分類する。
【0060】
上述した通り、棚変化モデル142は、商品棚3に関する変化を表すモデルであるため、分類部130は、変化領域として検出された領域における商品棚3に関する変化を、商品が商品棚3から取られたことや商品が補充されたことなどの種類に分類する。
【0061】
したがって、本実施の形態に係る画像処理装置100によれば、商品棚3の商品に変化があったことだけではなく、その変化がどのような種類の変化なのかを特定することができる。したがって、画像処理装置100は、商品が取られた状態であるのか、商品棚3が補充された状態であるのかなどの商品棚3の状態をより正確に判別することができる。
【0062】
このような分類結果から、商品棚3に陳列された商品が、購入される商品なのか、手に取られる商品なのか等がわかるため、画像処理装置100は、マーケティングに有効なデータを出力することができる。また、分類結果から商品棚3の前を、カートを押したまたは買い物かごを持った顧客が通過した等がわかるため画像処理装置100は、例えば、店舗内の顧客の動線の取得に使用可能なデータを出力することができる。
【0063】
<第2の実施の形態>
次に、
図7を参照して、本開示の第2の実施の形態に係る画像処理装置200について説明する。
図7は、本実施の形態に係る画像処理装置200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施の形態に係る画像処理装置200は、前景領域検出部221が検出した変化領域を複数のRGB画像間で追跡する。なお、前述した第1の実施の形態で説明した図面に含まれる要素と同じ機能を有する要素については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
図7に示す通り、本実施の形態に係る画像処理装置200は、第1取得部110と、検出部220と、分類部130と、記憶部240とを備える。画像処理装置200は、画像処理装置100の検出部120に代えて、検出部220を備え、記憶部140に代えて記憶部240を備える。
【0065】
なお、画像処理装置200は、
図1に示す画像処理装置100と同様に、撮像装置2と通信可能に接続している。
【0066】
記憶部240は、記憶部140と同様に、背景情報141および棚変化モデル142を格納する。また、記憶部240は、前景領域検出部221による検出結果を前景領域情報243として格納する。前景領域情報243については、後述する。
【0067】
検出部220は、前景領域検出部221と、背景情報更新部223と、前景領域追跡部224とを備える。
【0068】
前景領域検出部221は、前景領域検出部121と同様の動作により変化領域を検出する。そして、前景領域検出部221は、前景領域検出部121と同様に、例えば、検出した変化領域の画素値を255、それ以外を0で表した2値画像を検出結果として生成する。そして、前景領域検出部221は、検出結果である2値画像に、該2値画像の生成に用いた撮像画像の撮像時刻を関連付ける。前景領域検出部221は、撮像画像の撮像時刻が関連付けられた検出結果を背景情報更新部223と、前景領域追跡部224とに供給する。また、前景領域検出部221は、この検出結果を前景領域情報243として記憶部240に格納する。つまり、前景領域情報243は、撮像画像の撮像時刻が関連付けられた2値画像である。
【0069】
前景領域追跡部224は、前景領域検出部221が検出した変化領域を複数の撮像画像の間で追跡する。前景領域追跡部224は、前景領域検出部221から供給された検出結果(2値画像)を受け取る。また、前景領域追跡部224は、検出結果である2値画像に関連付けられた、該2値画像に関連する撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された撮像画像から生成された2値画像である前景領域情報243を記憶部140から取得する。そして、前景領域追跡部224は、各2値画像によって表される各変化領域を対応付ける処理を行うことにより、該変化領域を追跡する。ここで、前景領域追跡部224は、例えば、前景領域検出部221から供給された2値画像と、記憶部240から取得した前景領域情報243とによって表される変化領域の面積、形状および外接矩形のアスペクト比の少なくとも1つに基づいて、類似度を算出し、算出した類似度が最も高くなる変化領域同士を対応付けてもよい。また、前景領域検出部221が、検出した変化領域に含まれる色情報を撮像画像から抽出し、取得した色情報を検出結果に関連付ける構成の場合、前景領域追跡部224は該色情報を用いて、追跡を行ってもよい。なお、前景領域検出部221は、変化領域の色情報の代わりに変化領域の画像を検出結果に関連付けてもよい。
【0070】
そして、前景領域追跡部224は、追跡した結果が、所定の時間以上の場合、前景領域検出部221から供給された検出結果である2値画像を分類部130に供給する。なお、このとき前景領域追跡部224は2値画像に、2値画像の生成に用いた撮像画像を示す情報および背景情報141を示す情報を付与して、該2値画像を分類部130に供給してもよいし、2値画像と共に該撮像画像および背景情報141を分類部130に供給してもよい。また、2値画像に複数の変化領域が含まれ、変化領域の何れかが所定の時間以上追跡されていない場合、前景領域追跡部224は、所定の時間以上追跡された変化領域を示す情報と共に、2値画像を分類部130に供給してもよい。
【0071】
また、2値画像に複数の変化領域が含まれる場合、前景領域追跡部224は、1つの2値画像に1つの変化領域が含まれるように複数の2値画像を生成してもよい。例えば、所定の時間以上追跡された変化領域のみが含まれる2値画像を分類部130に供給し、所定の時間以上追跡されていない変化領域が含まれる2値画像を破棄してもよい。なお、前景領域追跡部224は、前景領域検出部221から変化領域毎の2値画像を検出結果として受け取ってもよい。前景領域検出部221が変化領域毎に2値画像を生成する方法については、後述する。
【0072】
また、前景領域追跡部224は、背景情報141の更新を示す更新信号を背景情報更新部223に供給する。
【0073】
また、前景領域追跡部224は、例えば、変化領域の移動量が所定の閾値以上である場合、変化領域に含まれる物体が動体であると判定し、該変化領域を分類部130に供給せずに破棄してもよい。これにより、画像処理装置200は「商品棚3の前に人物が存在することによる変化」など、商品の増減に無関係な商品棚3に関する変化を削除できるため、商品の陳列状態をより正確に監視できる。なお、前景領域追跡部224は、変化領域に含まれる物体が動体であると判定した判定結果を、該変化領域に関連付けて分類部130に供給してもよい。そして、分類部130は、変化領域に判定結果が関連付けられている場合、この変化領域における商品棚3に関する変化を、商品棚3に陳列された商品以外の変化に関連する種類に分類してもよい。例えば、分類部130は、変化領域における商品棚3に関する変化を、「商品棚3の前に人物が存在することによる変化」、「商品棚3の前に買い物カートがあることによる変化」等、商品以外の変化に関する種類に分類してもよい。
【0074】
また、前景領域追跡部224は、変化領域の追跡後、例えば、分類部130に変化領域を示す検出結果を供給する場合に値が1の更新信号を、該変化領域を示す情報と共に背景情報更新部223に供給してもよい。また、前景領域追跡部224は、分類部130に検出結果を供給しない場合に値が0の更新信号を、該変化領域を示す情報と共に背景情報更新部223に供給してもよい。値が1の更新信号とは、背景情報141における変化領域に対応する部分の画像を更新することを示す指示であり、値が0の更新信号とは、背景情報141における変化領域に対応する部分の画像を更新しないことを示す指示である。例えば、前景領域追跡部224は、追跡の結果に含まれる追跡の時間や、例えば、画像処理装置200の外部装置から送信される商品の購入情報や仕入情報、店員の作業情報等に基づいて、変化領域に含まれる商品が購入されたまたは補充された可能性が高い場合、商品棚3の背景を更新するように、値が1の更新信号を出力してもよい。
【0075】
背景情報更新部223は、第1取得部110から供給された撮像画像と、前景領域検出部221から供給された検出結果と、背景情報141と、前景領域追跡部224から供給された更新信号とに基づいて、背景情報更新部123と同様の動作により背景情報141を更新する。
【0076】
なお、背景情報更新部223は、背景情報141によって示されるRGB画像のうち、例えば、前景領域検出部221から供給された検出結果によって示される変化領域に該当する部分の画像を更新しなくてもよい。例えば、背景情報更新部223は、上述した値が0の更新信号を前景領域追跡部224から受け取った場合、変化領域に対応する領域の背景情報を更新しない。
【0077】
前景領域追跡部224は、分類部130に検出結果を出力しない場合、値が0の更新信号を背景情報更新部223に供給する。分類部130に検出結果を出力しない場合とは、例えば、追跡結果が所定の時間未満である場合、または、変化領域の移動量が所定の閾値以上である場合である。背景情報更新部223は、このように、追跡結果が第1の所定の条件を満たす場合に、値が0の更新信号を受け取り、変化領域に対応する領域の背景情報を更新しない。言い換えると、背景情報更新部223は、背景情報141のうち、変化領域に対応する領域以外を更新する。これにより、第1取得部110が次に取得した撮像画像の、更新を行なわなかった領域に対応する領域が前景領域検出部221によって変化領域として検出されやすくなる。
【0078】
また、背景情報更新部223は、例えば、前景領域追跡部224から供給された更新信号の値が1の場合に、背景情報141によって示されるRGB画像のうち、前景領域検出部221から供給された検出結果によって示される変化領域に該当する部分の画像を更新してもよい。前景領域追跡部224は、追跡結果が所定の時間以上である場合、追跡した変化領域を表す検出結果を分類部130に供給すると、値が1の更新信号を背景情報更新部223に供給する。つまり、追跡結果が所定の時間以上追跡された結果であるという第2の所定の条件を満たす場合、背景情報更新部223は、前景領域追跡部224から値が1の更新信号を受け取り、背景情報141における該変化領域に該当する部分の画像を更新してもよい。これにより、背景情報更新部223は、記憶部140に格納された背景情報141をその時点において第1取得部110が取得した撮像画像に近づけることができる。したがって、画像処理装置200は、上記変化領域に対応する次に第1取得部110が取得する撮像画像上の領域を、前景領域検出部221が変化領域として検出することを防ぐことができる。
【0079】
分類部130は、第1の実施の形態において説明した動作によって、商品棚3に関する変化を分類する。このとき、第1抽出部131および第2抽出部132は、前景領域検出部221から供給された検出結果である2値画像と、所定の時間以上追跡された変化領域を示す情報とを共に受け取った場合、所定の時間以上追跡された変化領域に対して、夫々第1注目画像および第2注目画像の抽出処理を行ってもよい。
【0080】
次に、
図8を参照して本実施の形態に係る画像処理装置200の動作の流れについて説明する。
図8は、本実施の形態に係る画像処理装置200の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図8に示すステップS81〜S82は、夫々、
図5に示すS51〜S52と同様である。
【0081】
ステップS82終了後、前景領域検出部221は、記憶部240に前景領域情報243を格納する(ステップS83)。上述した通り、前景領域情報243は、撮像時刻が関連付けられた検出結果である。
【0082】
次に、前景領域追跡部224が、前景領域検出部221から供給された検出結果と、前景領域情報243とに基づいて、変化領域を追跡する(ステップS84)。前景領域追跡部224は、所定の時間以上追跡した変化領域を示す2値画像を、分類部130に供給する。前景領域追跡部224は、背景情報141の更新を示す更新信号を背景情報更新部223に供給する。
【0083】
背景情報更新部223は、第1取得部110から供給された撮像画像と、前景領域検出部221から供給された変化領域の検出結果と、背景情報141と、前景領域追跡部224から供給された更新信号とに基づいて、背景情報141を更新する(ステップS85)。
【0084】
なお、ステップS85は、ステップS84以降の任意のタイミングで行われてもよい。
【0085】
そして、画像処理装置200は、
図5に示すステップS54〜S57と同様の処理であるステップS86〜S89を実行する。
【0086】
以上のように、本実施の形態に係る画像処理装置200の検出部220が検出した変化領域を複数の撮像画像の間で追跡し、分類部130が該追跡結果に基づいて、商品棚3に関する変化を分類する。例えば、検出部220は、追跡した結果が所定の時間以上の場合、検出結果を分類部130に供給し、所定の時間未満の場合、検出結果を分類部130に供給しない。したがって、分類部130は、所定の時間以上追跡が行われた変化領域に対して、商品棚3に関する変化を分類する。したがって、変化領域が連続して検出されていない領域を分類しないため、実際に変化が生じている領域を精度よく分類することができる。
【0087】
また、例えば、検出部220は、更に、変化領域の移動量が所定の閾値未満の場合、検出結果を分類部130に供給し、所定の閾値以上の場合、検出結果を分類部130に供給しない。変化領域の移動量が所定の閾値以上の物体は、商品以外の物体である。よって、分類部130が行う分類処理の対象を、商品棚3の商品に絞ることができるため、商品棚3の商品に対する分類精度をより高めることができる。また、画像処理装置200は、分類部130が人物などの動体を商品棚3の変化として分類することを防ぐことができる。
【0088】
<第3の実施の形態>
図9を参照して、本開示の第3の実施の形態に係る画像処理装置300について説明する。本実施の形態に係る商品モニタリングシステム1は、画像処理装置100に変えて、画像処理装置300を含む。つまり、商品モニタリングシステム1は、撮像装置2と、画像処理装置300とを含む。なお、本実施の形態では商品モニタリングシステム1が備える撮像装置2は夫々異なる種類の画像を取得する複数の撮像装置であってもよい。例えば、撮像装置2は、RGB画像を取得するRGBカメラと、距離画像を取得するデプスカメラであってもよい。この場合、RGBカメラとデプスカメラとは近接する位置に設けられ同じ対象(商品棚3)を撮像する。また、RGBカメラとデプスカメラとは時刻同期がとられており、ほぼ同時刻に商品棚3を撮像することが好ましい。つまり、デプスカメラは、RGBカメラによって撮像されたRGB画像の
撮像時刻から所定の時間内に、且つ、RGB画像の撮像範囲を撮像した距離画像を出力するカメラであることが好ましい。また、撮像装置2は、複数の種類の画像(例えば、RGB画像および距離画像)を取得可能なセンサであってもよい。例えば、撮像装置2は、RGBDカメラであってもよい。
【0089】
図9は、本実施の形態に係る画像処理装置300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施の形態に係る画像処理装置300は、第2取得部350が取得した距離画像である第2撮像画像に基づいて、変化領域における商品棚3に関する変化を分類する。なお、前述した各実施の形態で説明した図面に含まれる要素と同じ機能を有する要素については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0090】
図9に示す通り、画像処理装置300は、第1取得部110と、検出部120と、分類部330と、記憶部340と、第2取得部350とを備える。
【0091】
第1取得部110は、上述した第1の実施の形態における第1取得部110と同様に、RGB画像である撮像画像を取得する。以降、第1取得部110が取得するRGB画像である撮像画像を第1撮像画像と呼ぶ。
【0092】
第2取得部350は、第1取得部110と同様に撮像装置2が商品棚3を撮像することによって得た撮像画像を示す映像信号を受け取り、該映像信号から距離画像を取得する。第2取得部350は、第1取得部110が取得する映像信号とは異なる種類の映像信号を受け取る。例えば、第1取得部110が取得する映像信号がRGB画像を構成する映像信号の場合、第2取得部350は、距離画像を構成する映像信号を取得する。ここで、距離画像は、例えば、撮像装置2から対象物までの距離の値を持った画像を意味してもよい。また、距離画像の各画素は、例えば、0から255の値で構成されていてもよい。このとき、各画素の値すなわち距離値は、例えば、
撮像装置2に対象物が近ければ0に近づき、対象物が遠ければ255に近づくようにしてもよい。なお、距離画像の各画素の値はこれに限定されない。本実施の形態では第2取得部350が取得する第2撮像画像が、グレースケールの距離画像であるとして説明を行う。
【0093】
なお、第2取得部350は、第1取得部110と同様に、撮像装置2の内部または撮像装置2および画像処理装置300とは異なる記憶装置に格納された撮像画像に基づいて変換された映像信号を取得してもよい。また、画像処理装置300が撮像装置2に内蔵されている場合、第2取得部350は、撮像画像そのものを取得する構成であってもよい。
【0094】
第2取得部350は、取得した映像信号を、該映像信号を構成する距離画像に変換し、該距離画像を分類部330に供給する。第2取得部350が映像信号を変換することによって得た距離画像、または、撮像装置2から取得した撮像画像を以下では第2撮像画像と呼ぶ。
【0095】
なお、第1取得部110と、第2取得部350とは一体となって形成されてもよい。また、第1撮像画像と第2撮像画像とは、撮像された位置を示す情報および撮像時刻に基づいて、互いに関連付けられている。
【0096】
記憶部340は、記憶部140および記憶部240と同様に背景情報141を格納する。また、記憶部340は、距離情報344を格納する。距離情報344については後述する。
【0097】
分類部330は、第1抽出部331と、第2抽出部332と、領域変化分類部334と、距離情報更新部335とを備える。
【0098】
第1抽出部331は、第2撮像画像から変化領域の画像を抽出する。具体的には、第1抽出部331は、第2取得部350から供給された距離画像である第2撮像画像と、前景領域検出部121から供給された検出結果である2値画像とを用いて、2値画像における画素値が255の領域に対応する第2撮像画像上の領域の画像を第1注目画像として抽出する。第1抽出部331は、上述した第1抽出部131と同様の方法で第1注目画像を抽出すればよい。そして、第1抽出部331は、抽出した第1注目画像を領域変化分類部334に供給する。
【0099】
第2抽出部332は、前景領域検出部121が2値画像を生成する際に用いた第1撮像画像に関連付けられた第2撮像画像である距離画像が、撮像された時刻より前の距離画像から、変化領域の画像を抽出する。具体的には、第2抽出部332は、前景領域検出部121から、検出結果である2値画像を受け取る。また、第2抽出部332は、2値画像の生成に用いた第1撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された第2撮像画像である、距離情報344を記憶部340から取得する。距離情報344は、後述する第2取得部350によって更新される第2撮像画像であり、第2取得部350が取得した距離画像である。距離情報344には、撮像時刻が関連付けられている。上述した通り、第1撮像画像と第2撮像画像とは時刻同期がとられているため、第1撮像画像の撮像時刻と、該第1撮像画像に関連付けられた第2撮像画像の撮像時刻とは略同じとなる。したがって、第2抽出部332は、第1抽出部331が抽出処理を行う対象の第2撮像画像よりも前に撮像された(過去の)第2撮像画像から、変化領域の画像を第2注目画像として抽出すると言える。
【0100】
なお、第2抽出部332は、第1抽出部331が第1注目画像を抽出する方法と同様の方法で第2注目画像を抽出する。第2抽出部332は、抽出した第2注目画像を領域変化分類部334に供給する。
【0101】
距離情報更新部335は、第2取得部350から供給された距離画像と、記憶部340に格納されている距離情報344とに基づいて、距離情報344を更新する。距離情報更新部335は、例えば、背景情報更新部123と同様の動作により、距離情報344を更新してもよい。
【0102】
領域変化分類部334は、変化領域における距離情報に基づいて、変化領域における商品棚3に関する変化を分類する。まず、第1抽出部331から第1注目画像を受け取る。また、領域変化分類部334は、第2抽出部332から第2注目画像を受け取る。領域変化分類部334は、第1注目画像と第2注目画像とに基づいて、変化領域における商品棚3に関する変化を分類する。
【0103】
領域変化分類部334は、例えば、第1注目画像における各画素の値(距離値)から第2注目画像における各画素の値(距離値)を減算することにより得られた演算結果に基づいて、変化を分類してもよい。例えば、演算結果が第1の所定の閾値以上の値の場合、すなわち、第1注目画像に含まれる対象物の方が第2注目画像に含まれる対象物より奥にある場合、領域変化分類部334は、変化領域における商品棚3に関する変化を「商品棚3に商品が含まれなくなったことによる変化」と分類してもよい。また、例えば、演算結果が第2の所定の閾値以下の値の場合、すなわち、第1注目画像に含まれる対象物の方が第2の注目画像に含まれる対象物よりも撮像装置2側にある場合、領域変化分類部334は、変化領域における商品棚3に関する変化を「商品棚3に商品が新たに含まれたことによる変化」と分類してもよい。また、それ以外の場合、領域変化分類部334は、変化領域における商品棚3に関する変化を「商品棚3に陳列された商品の見た目が変わったことによる変化」または「照明が変わったことによる変化」等に分類してもよい。
【0104】
また、領域変化分類部334は、例えば、第1注目画像における各画素の距離値と第2注目画像における各画素の距離値とをクラスタリングし、最も要素数の多いクラスの距離値を、各注目画像を代表する距離値とし、さらに各注目画像の該クラスのクラスタの座標を求めてもよい。そして、領域変化分類部334は、例えば、各注目画像を代表する距離値の差分の絶対値が第3の所定の閾値以内であり、かつ、各注目画像のクラスのクラスタの座標が第4の所定の閾値以上離れている場合に、変化領域における商品棚3に関する変化を「商品棚3に陳列された商品の見た目が変わったことによる変化」に分類してもよい。
【0105】
また、領域変化分類部334は、例えば、事前に設定した、撮像装置2から商品棚3までの距離値から第1注目画像を代表する距離値を減算した結果を用いて、変化領域における商品棚3に関する変化を、商品棚3に陳列された商品の変化に関連する種類または商品棚3に陳列された商品以外の物体による変化に関する種類に分類してもよい。例えば、上記結果が正の値ならば、すなわち、撮像画像のうちの変化領域の部分の画像に含まれる対象物が撮像装置2と商品棚3との間に存在するならば、領域変化分類部334は、該変化領域における商品棚3に関する変化を商品棚3に陳列された商品以外の物体による変化に関する種類に分類してもよい。商品棚3に陳列された商品以外の物体による変化に関する種類とは、例えば、「商品棚3の前に人物が存在することによる変化」、「商品棚3の前に買い物カートがあることによる変化」および「商品棚3の前に人物と買い物かごとがあることによる変化」の少なくとも1つである。また、上記結果が正の値以外ならば、領域変化分類部334は、該変化領域における商品棚3に関する変化を商品棚3に陳列された商品の変化に関連する種類に分類してもよい。このように、領域変化分類部334は、第1注目画像と事前に設定された距離値とを用いて分類処理を行うことにより、分類処理にかかる処理コストを低減させることができる。
【0106】
次に、
図10を参照して本実施の形態に係る画像処理装置300の動作の流れについて説明する。
図10は、本実施の形態に係る画像処理装置300の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【0107】
図10に示すステップS101は、
図5に示すS51と同様に、商品棚3を撮像した映像信号からRGB画像である第1撮像画像を取得する(ステップS101)。また、第2取得部350は、商品棚3を撮像した映像信号から距離画像である第2撮像画像を取得する(ステップS102)。なお、第2撮像画像の撮像時刻が第1撮像画像の
撮像時刻から所定の時間内であり、第2撮像画像の撮像範囲が第1撮像画像の撮像範囲であればよく、第2取得部350が第2撮像画像を取得するタイミングは、ステップS105の前までであればよい。
【0108】
そして、
図5に示すステップS52およびステップS53と同様に、前景領域検出部121が変化領域を検出し(ステップS103)、背景情報更新部123が背景情報141を更新する(ステップS104)。
【0109】
そして、分類部330の第1抽出部331が、第2取得部350から供給された第2撮像画像と、前景領域検出部121から供給された検出結果とに基づいて、第2撮像画像上における、検出結果によって示される変化領域に対応する領域(第1注目領域)の画像を、第1注目画像として抽出する(ステップS105)。第1抽出部331は、抽出した第1注目画像を領域変化分類部334に供給する。
【0110】
また、分類部330の第2抽出部332が、前景領域検出部121から供給された検出結果と、記憶部340から取得した、第1抽出部331に供給された第2撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された第2撮像画像を示す距離情報344とに基づいて、第1抽出部331と同様の動作により、距離情報344から第2注目画像を抽出する(ステップS106)。第2抽出部332は、抽出した第2注目画像を領域変化分類部334に供給する。なお、ステップS105とステップS106とは同時に行われてもよいし、逆順で行われてもよい。
【0111】
そして、領域変化分類部334が第1注目画像の各画素の値と、第2注目画像の各画素の値との比較結果に基づいて、変化領域における商品棚3に関する変化を分類する(ステップS107)。
【0112】
次に、距離情報更新部335は、第2取得部350から供給された第2撮像画像と、距離情報344とに基づいて、距離情報344を更新する(ステップS108)。
【0113】
そして、画像処理装置300は、第1取得部110が次の映像信号を受信し、且つ、第2取得部350が次の映像信号を受信したか否か(次の第1撮像画像および第2撮像画像があるか否か)を判定する(ステップS109)。次の第1撮像画像および第2撮像画像がある場合(ステップS109にてYES)、処理はステップS101に移行し、次の第1撮像画像および第2撮像画像の少なくとも何れかがない場合(ステップS109にてNO)、画像処理装置300は、動作を終了する。
【0114】
以上のように、本実施の形態に係る画像処理装置300の検出部120は、第1の実施の形態と同様に、RGB画像である第1撮像画像と、第1撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す背景情報141とを比較することによって、変化領域を検出する。また、画像処理装置300の分類部330は、距離画像である第2撮像画像に含まれる各画素の値と、該第2撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された距離情報344の各画素の値との比較結果に基づいて、商品棚3に関する変化を分類する。
【0115】
このような構成であっても、本実施の形態に係る画像処理装置300は、画像処理装置100と同様に、商品棚3の状態をより正確に判別することができる。
【0116】
<第4の実施の形態>
図11を参照して、本開示の第4の実施の形態に係る画像処理装置400について説明する。
図11は、本実施の形態に係る画像処理装置400の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施の形態に係る画像処理装置400は、画像処理装置300の検出部120に更に前景領域追跡部224を備え、前景領域検出部221が検出した変化領域を複数のRGB画像間で追跡する。
【0117】
なお、画像処理装置400は、
図1に示す画像処理装置100と同様に、撮像装置2と通信可能に接続している。なお、前述した各実施の形態で説明した図面に含まれる要素と同じ機能を有する要素については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0118】
図11に示す通り、本実施の形態に係る画像処理装置400は、第1取得部110と、検出部220と、分類部430と、記憶部440と、第2取得部350とを備える。本実施の形態に係る画像処理装置400は、画像処理装置300の検出部120に代えて、画像処理装置200の検出部220を備え、画像処理装置300の分類部330および記憶部340に代えて、分類部430および記憶部440を備える。なお、本実施の形態において、前景領域追跡部224は、更新信号を距離情報更新部435に出力してもよい。
【0119】
記憶部440は、第3の実施の形態における記憶部340と同様に、背景情報141および距離情報344を格納し、更に、第2の実施の形態で説明した前景領域情報243を格納する。
【0120】
分類部430は、第1抽出部331と、第2抽出部332と、領域変化分類部334と、距離情報更新部435とを備える。距離情報更新部435は、距離情報更新部335と同様の動作により、距離情報を更新する。
【0121】
また、距離情報更新部435は、距離情報344によって示される距離画像のうち、例えば、前景領域検出部221から供給された2値画像によって示される変化領域に該当する部分を更新しなくてもよい。つまり、距離情報更新部435は、距離情報344によって示される距離画像のうち、変化領域に該当する部分以外の部分を更新してもよい。距離情報更新部435は、変化領域に該当する部分の距離情報を更新しないことにより、第2取得部350が取得する第2撮像画像と、該第2撮像画像の撮像時刻より前(過去の時刻)に撮像された距離画像とにおいて、該変化領域に該当する部分の差分が明確になる。
【0122】
また、距離情報更新部435は、例えば、前景領域追跡部224から供給された更新信号の値が1の場合に、距離情報344によって示される距離画像のうち、前景領域検出部221から供給された検出結果によって示される変化領域に該当する部分を更新してもよい。すなわち、距離情報更新部435は、前景領域追跡部224が追跡した変化領域を表す検出結果(2値画像)が分類部430に供給された後に、距離情報344における該変化領域に該当する部分の距離情報を更新してもよい。これにより、距離情報更新部435は、記憶部440に格納された距離情報344をその時点において第2取得部350が取得した第2撮像画像に近づけることができる。したがって、画像処理装置400は、変化領域に対応する次に第2取得部350が取得する第2撮像画像上の領域を用いた、領域変化分類部334による距離値の比較の結果の精度をより高めることができる。
【0123】
次に、
図12を参照して本実施の形態に係る画像処理装置400の動作の流れについて説明する。
図12は、本実施の形態に係る画像処理装置400の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【0124】
図12に示すステップS121〜ステップS123は、夫々
図10に示すS101〜S103と同様の処理である。
【0125】
ステップS123終了後、前景領域検出部221は、上述したステップS83と同様に、記憶部440に前景領域情報243を格納する(ステップS124)。そして、上述したステップS84と同様に、前景領域追跡部224が、前景領域検出部
221から供給された検出結果と、前景領域情報243とに基づいて、変化領域を追跡する(ステップS125)。前景領域追跡部224は、所定の時間以上追跡した変化領域を示す2値画像を、分類部430に供給する。前景領域追跡部224は、背景情報141の更新を示す更新信号および距離情報344の更新を示す更新信号を夫々背景情報更新部223および距離情報更新部435に供給する。
【0126】
背景情報更新部223は、上述したステップS85と同様に、第1取得部110から供給された第1撮像画像と、前景領域検出部221から供給された変化領域の検出結果と、背景情報141と、前景領域追跡部224から供給された更新信号とに基づいて、背景情報141を更新する(ステップ126)。
【0127】
その後、画像処理装置400は、
図10に示すステップS105〜ステップS107と同様の処理を行う(ステップS127〜ステップS129)。そして、距離情報更新部435は、第2取得部350から供給された第2撮像画像と、距離情報344と、前景領域追跡部224から供給された更新信号とに基づいて、距離情報344を更新する(ステップS130)。
【0128】
その後、画像処理装置400は、
図10に示すステップS109と同様に、次の第1撮像画像および第2撮像画像があるか否かを判定する(ステップS131)。次の第1撮像画像および第2撮像画像がある場合(ステップS131にてYES)、処理はステップS121に移行し、次の第1撮像画像および第2撮像画像の少なくとも何れかがない場合(ステップS131にてNO)、画像処理装置400は、動作を終了する。
【0129】
以上のように、本実施の形態に係る画像処理装置400は、第3の実施の形態に係る画像処理装置300に、更に、第2の実施の形態における前景領域追跡部224を含む。このような構成であっても、本実施の形態に係る画像処理装置400は、上述した第2の実施の形態に係る画像処理装置200と同様に、実際に変化が生じている領域を精度よく分類することができる。
【0130】
<第5の実施の形態>
図13を参照して、本開示の第5の実施の形態に係る画像処理装置500について説明する。
図13は、本実施の形態に係る画像処理装置500の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。上述した第1から第4の実施の形態では、検出部120または検出部220に入力される撮像画像がRGB画像であることを例に説明を行ったが、検出部に入力される画像は距離画像であってもよい。本実施の形態に係る画像処理装置500は、検出部に距離画像が入力されることについて説明を行う。なお、画像処理装置500は、
図1に示す画像処理装置100と同様に、撮像装置2と通信可能に接続している。また、前述した各実施の形態で説明した図面に含まれる要素と同じ機能を有する要素については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0131】
図13に示す通り、本実施の形態に係る画像処理装置500は、第1取得部510と、検出部520と、分類部530と、記憶部540とを備える。
【0132】
第1取得部510は、上述した第2取得部350と同様に、距離画像である撮像画像を取得する。第1取得部510は、取得した撮像画像を検出部520と分類部530とに供給する。
【0133】
記憶部540は、背景情報541を格納する。背景情報541は、検出部520において撮像画像と比較するための基準となる画像であり、背景画像とも呼ぶ。上述した通り、本実施の形態において撮像画像は距離画像である。したがって、背景情報541は、撮像画像と同じ種類の画像である距離画像であることが好ましい。なお、背景情報541は、第1取得部510から検出部520に対し、最初に供給された撮像画像であってもよいし、事前に与えられた画像であってもよい。背景情報541は、上述した距離情報344と同様である。
【0134】
検出部520は、前景領域検出部521と、背景情報更新部523とを備える。前景領域検出部521は、第1取得部510から供給された撮像画像を受け取る。また、前景領域検出部521は、撮像画像に対応する背景情報541を記憶部540から取得する。前景領域検出部521は、2つの距離画像の間で変化した領域を変化領域(前景領域)として検出する。前景領域検出部521は、例えば、前景領域検出部121と同様の動作により、変化領域を検出してもよい。前景領域検出部521は、変化領域の検出結果として、前景領域検出部121と同様に、検出した変化領域の画素値を255、それ以外を0で表した2値画像を生成し、生成した2値画像を分類部530に供給する。
【0135】
背景情報更新部523は、第1取得部510から供給された撮像画像と、記憶部540に格納されている背景情報541である距離画像とに基づいて、背景情報541を更新する。ここで、背景情報更新部523は、例えば、背景情報更新部123と同様の動作により背景情報541を更新してもよい。
【0136】
分類部530は、第1抽出部531と、第2抽出部532と、領域変化分類部334とを備える。
【0137】
第1抽出部531は、第1抽出部331と同様に、第1注目画像を、撮像画像から抽出する。そして、第1抽出部531は、抽出した第1注目領域を領域変化分類部334に供給する。
【0138】
第2抽出部532は、背景情報541から変化領域の画像を第2注目画像として抽出する。第2抽出部532による第2注目画像の抽出方法は、第2抽出部332と同様である。
【0139】
領域変化分類部334は、第3の実施の形態において説明した領域変化分類部334と同様に、変化領域における距離情報に基づいて、変化領域における商品棚3に関する変化を分類する。
【0140】
次に、
図14を参照して本実施の形態に係る画像処理装置500の動作の流れについて説明する。
図14は、本実施の形態に係る画像処理装置500の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【0141】
まず、第1取得部510が、商品棚3を撮像した映像信号から距離画像である撮像画像を取得する(ステップS141)。第1取得部510は取得した撮像画像を検出部520および分類部530に供給する。
【0142】
次に、検出部520の前景領域検出部521が、第1取得部510から供給された、距離画像である撮像画像と、記憶部540に格納されている、距離画像である背景情報541とを用いて、2つの距離画像の間で変化した領域を変化領域として検出する(ステップS142)。そして、前景領域検出部521は、変化領域の検出結果を分類部530に供給する。
【0143】
また、背景情報更新部523は、撮像画像と背景情報541とを用いて背景情報541を更新する(ステップS143)。なお、ステップS143は、ステップS141の後であれば、どのタイミングで行われてもよい。
【0144】
分類部530の第1抽出部531が、第1取得部510から供給された撮像画像と、前景領域検出部521から供給された該
撮像画像に関連する検出結果とに基づいて、撮像画像上における、検出結果によって示される変化領域に対応する領域(第1注目領域)の画像を、第1注目画像として抽出する(ステップS144)。第1抽出部531は、抽出した第1注目画像を領域変化分類部334に供給する。
【0145】
また、分類部530の第2抽出部532が、前景領域検出部521から供給された検出結果と、記憶部540から取得した、該検出結果を得るために用いた背景情報541とに基づいて、第1抽出部531と同様の動作により、背景情報541から第2注目画像を抽出する(ステップS145)。第2抽出部532は、抽出した第2注目画像を領域変化分類部334に供給する。なお、ステップS144とステップS145とは同時に行われてもよいし、逆順で行われてもよい。
【0146】
そして、領域変化分類部334は、第1抽出部531から供給された第1注目画像と、第2抽出部532から供給された第2注目画像とに基づいて、商品棚3に関する変化(第2注目画像における状態から第1注目画像における状態への変化)を分類する(ステップS146)。
【0147】
そして、画像処理装置500は、第1取得部510が次の映像信号を受信したか否か(次の撮像画像があるか否か)を判定する(ステップS147)。次の撮像画像がある場合(ステップS147にてYES)、処理はステップS141に移行し、次の撮像画像がない場合(ステップS147にてNO)、画像処理装置500は、動作を終了する。
【0148】
以上のように、本実施の形態に係る画像処理装置500の検出部520は、距離画像である撮像画像と、撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す背景情報541とを比較することによって、変化領域を検出する。そして、分類部530は、撮像画像に含まれる各画素の値と、背景情報541の各画素の値との比較結果に基づいて、商品棚3に関する変化を分類する。
【0149】
このような構成であっても、本実施の形態に係る画像処理装置500は、画像処理装置100と同様に、商品棚3の状態をより正確に判別することができる。
【0150】
<第6の実施の形態>
図15を参照して、本開示の第6の実施の形態に係る画像処理装置600について説明する。
図15は、本実施の形態に係る画像処理装置600の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施の形態に係る画像処理装置600は、前景領域検出部621が検出した変化領域を複数の距離画像間で追跡する。
【0151】
なお、画像処理装置600は、
図1に示す画像処理装置100と同様に、撮像装置2と通信可能に接続している。また、前述した各実施の形態で説明した図面に含まれる要素と同じ機能を有する要素については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0152】
図15に示す通り、本実施の形態に係る画像処理装置600は、第1取得部510と、検出部620と、分類部530と、記憶部640とを備える。画像処理装置600は、画像処理装置500の検出部520に代えて、検出部620を備え、記憶部540に代えて記憶部640を備える。
【0153】
記憶部640は、記憶部540と同様に背景情報541を格納する。更に記憶部640は、前景領域情報243を格納する。
【0154】
検出部620は、前景領域検出部621と、背景情報更新部623と、前景領域追跡部224とを備える。
【0155】
前景領域検出部621は、前景領域検出部521と同様の動作により変化領域を検出する。そして、前景領域検出部621は、前景領域検出部521と同様に、例えば、検出した変化領域の画素値を255、それ以外を0で表した2値画像を検出結果として生成する。そして、前景領域検出部621は、検出結果である2値画像に、該2値画像の生成に用いた撮像画像の撮像時刻を関連付ける。前景領域検出部621は、撮像画像の撮像時刻が関連付けられた検出結果を背景情報更新部623と、前景領域追跡部224とに供給する。また、前景領域検出部621は、この検出結果を前景領域情報243として記憶部640に格納する。
【0156】
背景情報更新部623は、第1取得部510から供給された撮像画像と、前景領域検出部621から供給された検出結果と、背景情報541と、前景領域追跡部224から供給された更新信号とに基づいて、背景情報更新部523と同様の動作により背景情報541を更新する。なお、背景情報更新部623は、背景情報更新部223と同様に、変化領域に該当する部分の画像を更新しなくてもよいし、更新してもよい。
【0157】
また、前景領域追跡部224は、距離画像から生成した2値画像を用いて、上述した第2の実施の形態における画像処理装置200の前景領域追跡部224と同様に、変化領域の追跡を行う。
【0158】
次に、
図16を参照して本実施の形態に係る画像処理装置600の動作の流れについて説明する。
図16は、本実施の形態に係る画像処理装置600の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図16に示すステップS161〜S162は、夫々、
図14に示すS141〜S142と同様である。
【0159】
ステップS162終了後、前景領域検出部621は、記憶部640に前景領域情報243を格納する(ステップS163)。上述した通り、前景領域情報243は、撮像時刻が関連付けられた検出結果である。
【0160】
次に、前景領域追跡部224が、前景領域検出部621から供給された検出結果と、前景領域情報243とに基づいて、変化領域を追跡する(ステップS164)。前景領域追跡部224は、所定の時間以上追跡した変化領域を示す2値画像を、分類部530に供給する。前景領域追跡部224は、背景情報541の更新を示す更新信号を背景情報更新部623に供給する。
【0161】
背景情報更新部623は、第1取得部510から供給された撮像画像と、前景領域検出部621から供給された変化領域の検出結果と、背景情報541と、前景領域追跡部224から供給された更新信号とに基づいて、背景情報541を更新する(ステップS165)。
【0162】
なお、ステップS165は、ステップS164以降の任意のタイミングで行われてもよい。
【0163】
そして、画像処理装置600は、
図14に示すステップS144〜S147と同様の処理であるステップS166〜S169を実行する。
【0164】
以上のように、本実施の形態に係る画像処理装置600は、第5の実施の形態に係る画像処理装置500に、更に、第2の実施の形態における前景領域追跡部224を含む。このような構成であっても、本実施の形態に係る画像処理装置600は、上述した第2の実施の形態に係る画像処理装置200と同様に、実際に変化が生じている領域を精度よく分類することができる。
【0165】
(前景領域検出部の変形例)
上述した各実施の形態の画像処理装置(100、200、300、400、500、600)に含まれる前景領域検出部(121、221、521、621)は、更に、予め登録された棚領域情報を用いて、変化領域に含まれる対象物が商品棚3内の商品以外であることを特定してもよい。
【0166】
本変形例では、画像処理装置100の前景領域検出部121の変形例について説明を行うが、本変形例は、画像処理装置200、画像処理装置300、画像処理装置400、画像処理装置500および画像処理装置600の前景領域検出部にも適用可能である。
【0167】
図17〜
図19は、本変形例における前景領域検出部121の動作を説明するための図である。
【0168】
前景領域検出部121が、第1取得部110から供給された撮像画像と、背景情報141とを比較することにより変化領域を検出し、例えば、
図17に示すような、変化領域を表す2値画像である検出結果71を生成したとする。この検出結果には、変化領域72、変化領域73、変化領域74の3つの変化領域が含まれるとする。前景領域検出部121は、検出結果71に対して、一般的なラベリング方法で変化領域毎に別々の2値画像である検出結果71A、検出結果71Bおよび検出結果71Cを生成する。
【0169】
つまり、前景領域検出部121は、検出結果に複数の変化領域が含まれる場合、各変化領域が別々の2値画像に含まれるような複数の2値画像を生成する。
【0170】
そして、前景領域検出部121は、予め登録された棚領域情報と、複数の2値画像の夫々とに基づいて、変化領域が商品の変化に関する変化を検出した領域か否かを判定する。
【0171】
棚領域情報は、商品棚3における商品が陳列される領域を示す。商品モニタリングシステム1は、商品棚3の商品を監視しているため、棚領域情報によって示される、商品が陳列される領域を監視対象領域とも呼び、棚領域情報を、監視領域情報とも呼ぶ。棚領域情報は、例えば、第1取得部110が取得する撮像画像と同じ大きさの画像であって、監視対象の商品棚3の監視対象領域の画素値を255、それ以外を0で表した2値画像であってもよい。また、棚領域情報に含まれる監視対象領域は、例えば、1つでもよいし複数でもよい。棚領域情報は、例えば、事前に記憶部140に格納されてもよい。なお、棚領域情報は、第1取得部110が取得する撮像画像に含まれる商品棚3を特定する情報を含む。
【0172】
前景領域検出部121は、第1取得部110が取得した撮像画像に含まれる商品棚3に関連する、例えば、
図18に示すような棚領域情報75を用いて、検出結果71A、検出結果71Bまたは検出結果71Cと、対応する画素ごとに論理積の演算を行う。
図18に示す通り、棚領域情報75において、監視対象領域は、白で表現されているため、棚領域情報75は、6つの監視対象領域を含む。
【0173】
図19に示す演算結果76Aは、棚領域情報75と検出結果71Aとの論理積演算の結果であり、演算結果76Bは、棚領域情報75と検出結果71Bとの論理積の演算の結果であり、演算結果76Cは、棚領域情報75と検出結果71Cとの論理積の演算の結果である。
【0174】
人物やカートのような商品以外の物体は、複数の棚の領域にまたがっているため、検出結果71Aと棚領域情報75との論理積の演算を行った結果、
図19の左側に示す演算結果76Aのように、変化領域を表す、画素値が255の部分(白色の部分)は、複数の領域に分割される。一方、演算結果76Bおよび演算結果76Cの変化領域を表す部分(白色の部分)は、夫々、検出結果71Bおよび検出結果71Cと変化が無く、一続きの領域(画素値が255の画素であり、且つ、該画素に隣接する画素の何れかの画素値が255の画素の集合)である。商品棚3の陳列領域(監視対象領域)に陳列される商品は、複数の監視対象領域にまたがらない。したがって、演算結果76Aのように、変化領域が複数の領域に分割される場合、前景領域検出部121は、この変化領域に対する変化を、商品以外による変化であるとし、分類部130に供給する検出結果に含めない。言い換えると、前景領域検出部121は、検出結果71Bと検出結果71Cとを、分類部130に供給する。
【0175】
これにより、分類部130は、商品棚3に陳列された商品に対する変化の分類処理を行うことができるため、商品以外の物体の影響によって、商品に対する変化の分類精度の低下を防ぐことができる。また、前景領域検出部121が、変化領域における変化が、商品以外の物体による変化であると、分類部130の分類処理を行うよりも前に分類することができるため、分類部130の処理量を低減させることができる。
【0176】
<第7の実施の形態>
本開示の第7の実施の形態について以下に説明する。上述した第1から第6の実施の形態における画像処理装置は、更に、分類結果を評価する評価部を備えてもよい。なお、前述した各実施の形態で説明した図面に含まれる要素と同じ機能を有する要素については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0177】
図20は、本実施の形態に係る画像処理装置700を含む商品モニタリングシステム4の構成の一例を示す図である。
図20に示す通り、商品モニタリングシステム4は、画像処理装置700と撮像装置2と、出力装置5とを含む。画像処理装置700は、撮像装置2および出力装置5と通信可能に接続している。なお、本実施の形態において、画像処理装置700は、撮像装置2および出力装置5と別個の構成であるとして説明を行うが、画像処理装置700は撮像装置2に内蔵される構成であってもよいし、出力装置5に内蔵される構成であってもよい。
【0178】
出力装置5は、例えば、ディスプレイなどの表示装置であってもよいし、POS(point of sales system)端末であってもよい。また、出力装置5はこれに限定されず、スピーカや携帯端末であってもよい。
【0179】
図21は、本実施の形態に係る画像処理装置700の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施の形態では、第1の実施の形態に係る画像処理装置100に更に評価部150および出力制御部160を備える構成について説明を行うが、第2〜第6の各実施の形態に係る画像処理装置(200、300、400、500、600)が評価部を備える構成であってもよい。
【0180】
画像処理装置700は、第1取得部110、検出部120、分類部130、記憶部740、評価部150および出力制御部160を備える。記憶部740は、記憶部140と同様に、背景情報141と棚変化モデル142とを格納する。また、記憶部740は、陳列状態情報745と、監視領域情報746とを格納する。なお、陳列状態情報745および監視領域情報746を格納する記憶部は、背景情報141および棚変化モデル142を格納する記憶部とは異なる記憶部であってもよい。また、陳列状態情報745および監視領域情報746は別々の記憶部に格納されてもよい。
【0181】
本実施の形態において、分類部130は、上述した第1の実施の形態と同様に、分類結果を出力する。このとき、分類部130は、例えば、
図6に示す分類結果60に、変化領域の変化の種類を示す情報と、第1取得部110が取得した撮像画像上における、変化領域に外接する矩形を表す情報(変化領域情報と呼ぶ)と、検出部120が出力した、変化領域の検出結果である2値画像と、撮像画像に含まれる商品棚3に関する情報とを含めた分類結果を出力することが好ましい。
【0182】
ここで、変化領域情報は、例えば、注目領域に外接する矩形の4隅のx座標値とy座標値で構成されていてもよいし、該外接矩形の4隅のうち、少なくとも1つの隅を表すx座標およびy座標、並びに該外接矩形の幅および高さで構成されてもよい。なお、変化領域情報は、矩形を表す情報に限定されず、その他の形状を表す情報であってもよいし、変化領域を囲む枠を表す情報であってもよい。
【0183】
撮像画像に含まれる商品棚3に関する情報は、撮像画像を撮像した位置を示す情報であってもよいし、商品棚3の位置を示す情報であってもよいし、商品棚3を特定可能な識別子であってもよい。
【0184】
陳列状態情報745は、商品棚3における商品の陳列状態を示す。陳列状態情報745は、例えば、第1取得部110が取得する撮像画像と同じ大きさの画像であって、商品が存在する領域の画素値を255、それ以外を0で表した2値画像であってもよい。また、陳列状態情報745の初期値は、例えば、事前に与えられてもよい。陳列状態情報745は、商品棚3を特定する情報を含む。商品棚3を特定する情報とは、商品棚3を
撮像する撮像装置2の位置を示す情報であってもよいし、商品棚3の位置を示す情報であってもよいし、商品棚3を特定可能な識別子であってもよい。
【0185】
監視領域情報746は、監視対象の商品棚3の領域を示す。監視領域情報746は、例えば、第1取得部110が取得する撮像画像と同じ大きさの画像であって、監視対象の商品棚3の監視対象領域の画素値を255、それ以外を0で表した2値画像であってもよい。監視領域情報746は、例えば、上述した棚領域情報75と同様の情報である。また、監視領域情報746に含まれる監視対象領域は、例えば、1つでもよいし複数でもよい。また、監視領域情報746は、例えば、事前に与えられてもよい。なお、監視領域情報746は、陳列状態情報745と同様に、商品棚3を特定する情報を含む。
【0186】
評価部150は、分類結果と、該分類結果に含まれる撮像画像に含まれる商品棚3に関する情報に対応する、商品棚3を特定する情報を含む陳列状態情報745とから、商品棚3における商品の陳列状態を評価する。具体的には、評価部150は、
図21に示す通り、陳列状態更新部151と、算出部153とを備える。
【0187】
陳列状態更新部151は、分類部130から分類結果を受け取る。分類結果は、上述した通り、変化領域の変化の種類を示す情報と、変化領域情報と、検出結果と、撮像画像に含まれる商品棚3に関する情報とを含む。陳列状態更新部151は、記憶部740に格納された陳列状態情報745のうち、撮像画像に含まれる商品棚3に関する情報に対応する商品棚3を特定する情報を含む陳列状態情報745を特定する。例えば、撮像画像に含まれる商品棚3に関する情報が撮像画像を撮像した位置を示す情報の場合、陳列状態更新部151は、同じ位置を示す情報を含む陳列状態情報745を特定する。また、例えば、撮像画像に含まれる商品棚3に関する情報が商品棚3の位置を示す情報の場合、陳列状態更新部151は、同じ位置を示す情報を含む陳列状態情報745を特定する。また、例えば、撮像画像に含まれる商品棚3に関する情報が商品棚3を特定可能な識別子の場合、陳列状態更新部151は、同じ識別子を含む陳列状態情報745を特定する。
【0188】
陳列状態更新部151は、陳列状態情報745から、分類結果に含まれる、変化領域情報によって示される矩形領域に該当する部分の画像を抽出する。そして、陳列状態更新部151は、抽出した画像から、分類結果に含まれる検出結果によって表される変化領域に該当する画素を特定する。陳列状態更新部151は、分類結果に含まれる変化領域の変化の種類を示す情報に基づいて、陳列状態情報745のうち、特定した画素の値を更新する。陳列状態更新部151は、変化の種類が、例えば、「商品棚3に商品が含まれなくなったことによる変化」である場合、該画素の値を0にし、「商品棚3に商品が新たに含まれたことによる変化」である場合、該画素の値を255にし、それ以外の場合、画素の値を変更しない。
【0189】
陳列状態更新部151は、更新した陳列状態情報745を、算出部153に供給する。また、陳列状態更新部151は、更新した陳列状態情報745を記憶部740に格納する。
【0190】
算出部153は、陳列状態更新部151から更新された陳列状態情報745を受け取る。また、算出部153は、更新された陳列状態情報745に関する商品棚3に関連する、監視領域情報746を記憶部740から取得する。そして、算出部153は、商品棚3の陳列状態を示す評価指標である商品の陳列量を算出することにより、商品棚3の陳列状態を評価する。
【0191】
算出部153は、監視領域情報746に含まれる監視対象領域ごとに、該監視対象領域に該当する、更新された陳列状態情報745の領域の画像を抽出する。そして、算出部153は、抽出した画像のうち画素値が255の画素を数える。算出部153は、各監視対象領域の面積を算出し、監視対象領域ごとに、画素値が255の画素の数を分子、該監視対象領域の面積を分母として、陳列量を算出する。そして、算出部153は、算出した陳列量を、監視対象領域を示す情報と共に、出力制御部160に供給する。監視対象領域を示す情報とは、監視対象の商品棚3を示す情報、監視領域情報746における監視対象領域の位置を示す情報等を含む情報である。
【0192】
出力制御部160は、評価部150による評価結果に基づいて、商品の陳列状態に関する情報を出力装置に出力する。具体的には、出力制御部160は、算出部153から陳列量および監視対象領域を示す情報を受け取る。出力制御部160は、監視対象領域が所定の閾値以下の陳列量である場合、すなわち、商品の陳列状態に不備がある場合、不備があることを示す情報を出力装置5が出力するように制御する制御信号を送信する。出力装置5が例えば、店員が保有する携帯端末の場合、出力制御部160は、陳列状態に不備があることを店員が把握可能な様態で出力させる制御信号を携帯端末に送信する。この制御信号を受けた携帯端末は、不備があることを示す情報を店員が把握可能な様態で出力することができる。また、出力装置5が例えば、店舗のバックヤードにある表示装置である場合、出力制御部160は、陳列状態に不備があることを店員が把握可能な様態で出力させる制御信号を該表示装置に送信する。
【0193】
これにより、例えば、店舗の店員は、陳列状態を容易に把握することができる。
【0194】
図22は、本実施の形態に係る画像処理装置700の動作の流れの一例を示すフローチャートである。画像処理装置700は、
図5に示すステップS51〜S56と夫々同様の処理であるステップS221〜S226を実行する。
【0195】
ステップS226終了後、陳列状態更新部151は、分類結果に基づいて、商品の陳列状態を示す陳列状態情報745を更新する(ステップS227)。ここで、
図23を参照して、陳列状態更新部151による陳列状態情報745の更新の処理についてさらに説明する。
図23は、記憶部740に格納された陳列状態情報745の一例と、更新された陳列状態情報745の一例を示す図である。
【0196】
図23の(b)に示す検出結果は、
図4に示す検出結果と同じ画像である。本例では、
図4に示す商品G3に関する画像について説明する。陳列状態更新部151は、
図23の(a)に示すような、陳列状態情報745から、分類結果に含まれる、変化領域情報によって示される矩形領域に該当する部分の画像を抽出する。ここでは、変化領域情報は、
図23の(a)に示す商品G3に外接する破線の矩形231を示すとする。
【0197】
陳列状態更新部151は、抽出した画像から、分類結果に含まれる検出結果によって表される変化領域に該当する画素を特定する。変化領域は、画素値が255であるため、陳列状態更新部151は、矩形231に対応する矩形232の検出結果の部分の画像から白色の部分の画素を特定する。
【0198】
そして、陳列状態更新部151は、分類結果に含まれる変化領域の変化の種類を示す情報に基づいて、陳列状態情報745のうち、特定した画素の値を更新する。陳列状態更新部151は、変化の種類が、例えば、「商品棚3に商品が含まれなくなったことによる変化」である場合、該画素の値を0にし、「商品棚3に商品が新たに含まれたことによる変化」である場合、該画素の値を255にし、それ以外の場合、画素の値を変更しない。変化領域における商品G3の変化は、「商品棚3に商品が含まれなくなったことによる変化」であるため、陳列状態更新部151は、陳列状態情報745の矩形231内の各画素のうち、特定された変化領域の部分の画素の値を0にする。そして、陳列状態更新部151は、
図23の(c)に示すような更新された陳列状態情報745を出力する。
【0199】
陳列状態更新部151は、更新した陳列状態情報745を記憶部740に格納する。また、陳列状態更新部151は、更新した陳列状態情報745を算出部153に供給する。
【0200】
算出部153は、陳列状態更新部151から供給された、更新された陳列状態情報745と、記憶部740に格納された監視領域情報746とに基づいて、商品の陳列量を算出する(ステップS228)。
図24を参照して、算出部153の動作についてさらに説明する。
図24は、算出部153の動作を説明するための図である。
図24の(a)は、記憶部740に格納された監視領域情報746の一例を示す図である。
図24の(a)に示す通り、監視領域情報746は、2つの監視対象領域(241、242)を含む。また、
図24の(b)は、
図23に示した、更新された陳列状態情報745に、監視対象領域を示す破線の枠を重ね合わせたものである。算出部153は、監視対象領域241に含まれる、更新された陳列状態情報745のうち、画素値が255の画素を数える。そして、算出部153は、商品G3が含まれる監視対象領域241の面積を分母とし、数えた画素の数を分子とした陳列量を算出する。
【0201】
そして、出力制御部160は、算出結果に基づいた制御信号を出力装置5に送信する(ステップS229)。そして、画像処理装置100は、
図5に示すステップS57と同様の処理を行う(ステップS230)。
【0202】
図25および
図26は、出力装置5が表示する出力画面の一例を示す図である。出力装置5が表示装置の場合、出力装置5は、出力制御部160から出力された制御信号に基づいて、
図25に示すような、算出した陳列量を含んだ出力画面251を出力してもよい。
【0203】
また、出力装置5は、出力制御部160から出力された制御信号に基づいて、
図26に示すような出力画面261を出力してもよい。
図26に示す出力画面は、
図4に示す撮像画像に、算出部153が算出した陳列量が重畳された画面である。
【0204】
また、算出部153は、算出した陳列量を、所定期間、例えば、記憶部740に格納してもよい。このとき、算出部153は、監視対象領域毎の陳列量に、分類結果を関連付けて格納してもよい。例えば、顧客が商品を一旦手に取り、別の場所に移動した後、手に取った商品を購入せずに、同じ棚に戻したとする。このように商品の購入が行われていない場合、この商品に対して顧客が興味を示したことをPOSでは管理できない。しかしながら、顧客が商品を一旦手に取って、別の場所に移動した場合、検出部120が、商品が商品棚3から無くなったことを検知できるため、算出部153は、顧客が商品を商品棚3から取り出す前までの陳列量よりも低い陳列量を算出する。その後、商品が商品棚3に戻されると、算出部153は、商品棚3に商品が戻される前の陳列量に比べ高い値の陳列量を算出する。算出部153は、このような陳列量の変化を所定期間格納し、POSから送信された販売データと比較することにより、顧客が興味を示した商品の場所を、出力制御部160に供給してもよい。
【0205】
また、例えば、顧客が商品を一旦手に取り、手に取った商品をすぐに同じ棚に戻したとする。この場合、商品の見た目が変わる可能性が高い。しかしながら、商品棚3の陳列量は変化しない。しかしながら、算出部153が監視対象領域毎の陳列量に分類結果を関連付けて格納し、所定期間の陳列量を出力制御部160に供給してもよい。
【0206】
これにより、出力制御部160は、例えば、POSでは把握できない、商品に対する顧客の興味の度合いなどを、出力装置5に出力することができる。したがって、本実施の形態に係る画像処理装置700はマーケティングに有効なデータを提供することができる。
【0207】
また、例えば、顧客がある商品棚3で手に取った商品を、異なる商品棚3に置いたとする。この場合、算出部153は、商品が置かれる前の陳列量よりも大きい値の陳列量を算出する。このような場合、出力制御部160は、蓄積した陳列量と、算出した陳列量とから、異なる商品が置かれた可能性を示す情報を出力装置5が出力する制御信号を生成してもよい。
【0208】
また、評価部150は、所定のタイミングで、陳列状態情報745を、初期状態に更新してもよい。陳列状態情報745の初期状態とは、例えば、予め作成された棚割りから生成された状態や背景情報141と同じ状態である。所定のタイミングとは、例えば、店員による商品の補充作業が行われた時である。陳列状態情報745を更新し続けることにより、実際の陳列状態からの誤差が大きくなってしまう可能性がある。しかしながら、評価部150が所定のタイミングで陳列状態情報745を初期状態に更新することにより、誤差が大きくなることを防ぐことができる。これにより、評価部150は、算出される陳列量の誤差の発生を防ぐことができる。
【0209】
以上のように、本実施の形態に係る画像処理装置700は、画像処理装置100の機能に加え、更に、陳列状態を評価する陳列量を算出することにより、陳列状態を評価する。これにより、画像処理装置700は、上述した画像処理装置100の効果に加え、更に、陳列状態に基づいて、例えば、店舗の店員は、陳列状態を容易に把握することができるという効果を有する。
【0210】
<第8の実施の形態>
本開示の第8の実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施の形態は、本開示の課題を解決する最小の構成について説明する。
【0211】
図27は、本実施の形態に係る画像処理装置800の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図27に示す通り、画像処理装置800は、検出部820と、分類部830とを備える。
【0212】
検出部820は、上述した各実施の形態における検出部の機能を有する。検出部820は、商品棚を撮像した撮像画像から、商品棚に関する変化領域を検出する。検出部820は、例えば、撮像画像と、撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す背景情報とを比較することによって、変化領域を検出する。検出部820は検出した変化領域を示す情報を、分類部830に供給する。
【0213】
分類部830は、上述した各実施の形態における分類部の機能を有する。分類部830は、事前に学習した商品棚に関する変化のモデル、または、撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す距離情報に基づいて、変化領域における商品棚に関する変化を分類する。分類部830は、例えば、事前に学習した商品棚に関する変化のモデルと、検出された変化領域における変化とを比較することによって、該変化領域における変化を、複数の変化の種類の何れかに分類する。変化の種類とは、例えば、「商品棚に商品が含まれなくなったことによる変化」、「商品棚に商品が新たに含まれたことによる変化」、「商品棚に陳列された商品の見た目が変わったことによる変化」、「商品棚の前に人物が存在することによる変化」、「商品棚の前に買い物カートがあることによる変化」、「照明が変わったことによる変化」などである。
【0214】
図28は、本実施の形態に係る画像処理装置800の動作の一例を示すフローチャートである。検出部820は、商品棚を撮像した撮像画像から、商品棚に関する変化領域を検出する(ステップS281)。
【0215】
そして、分類部830は、事前に学習した前記商品棚に関する変化のモデル、または、撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す距離情報に基づいて、変化領域における商品棚に関する変化を分類する(ステップS282)。
【0216】
以上のように、本実施の形態に係る画像処理装置800によれば、商品棚の商品に変化があったことだけではなく、その変化がどのような種類の変化なのかを特定することができる。したがって、画像処理装置800は、商品が取られた状態であるのか、商品棚が補充された状態であるのかなどの商品棚の状態をより正確に判別することができる。
【0217】
また、上述した各実施の形態において、撮像装置2が撮像する撮像画像は、例えば、ワゴンに積層された商品を撮像した撮像画像であってもよい。画像処理装置は、ワゴンに積層された商品を撮像した撮像画像と、背景画像とを比較して、変化領域を検出することができる。したがって、本開示の各実施の形態に係る画像処理装置は、商品のフェイスが全て見えるように陳列された商品棚に限定されず、様々な陳列方法で陳列された商品を撮像した撮像画像を用いることができる。
【0218】
(ハードウェア構成について)
本開示の各実施の形態において、各装置の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。各装置の各構成要素の一部又は全部は、例えば
図29に示すような情報処理装置900とプログラムとの任意の組み合わせにより実現される。
図29は、各装置の各構成要素を実現する情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置900は、一例として、以下のような構成を含む。
【0219】
・CPU(Central Processing Unit)901
・ROM(Read Only Memory)902
・RAM(Random Access Memory)903
・RAM903にロードされるプログラム904
・プログラム904を格納する記憶装置905
・記録媒体906の読み書きを行うドライブ装置907
・通信ネットワーク909と接続する通信インタフェース908
・データの入出力を行う入出力インタフェース910
・各構成要素を接続するバス911
各実施の形態における各装置の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム904をCPU901が取得して実行することで実現される。各装置の各構成要素の機能を実現するプログラム904は、例えば、予め記憶装置905やROM902に格納されており、必要に応じてCPU901がRAM903にロードして実行される。なお、プログラム904は、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記録媒体906に格納されており、ドライブ装置907が該プログラムを読み出してCPU901に供給してもよい。
【0220】
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ別個の情報処理装置900とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つの情報処理装置900とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0221】
また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、その他の汎用または専用の回路、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現される。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。
【0222】
各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0223】
各装置の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0224】
なお、上述した各実施の形態は、本開示の好適な実施の形態であり、上記各実施の形態にのみ本開示の範囲を限定するものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において当業者が上記各実施の形態の修正や代用を行い、種々の変更を施した形態を構築することが可能である。
【0225】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0226】
(付記1)
商品棚を撮像した撮像画像から、前記商品棚に関する変化領域を検出する検出手段と、
事前に学習した前記商品棚に関する変化のモデル、または、前記撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す距離情報に基づいて、前記変化領域における前記商品棚に関する変化を分類する分類手段と、
を備える画像処理装置。
【0227】
(付記2)
前記撮像画像はカラー画像であり、
前記検出手段は、前記撮像画像と、前記撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す背景情報とを比較することによって、前記変化領域を検出し、
前記分類手段は、前記モデルに基づいて、前記変化領域における商品棚に関する変化を分類する、
付記1に記載の画像処理装置。
【0228】
(付記3)
前記撮像画像は、カラー画像である第1撮像画像と、前記第1撮像画像の
撮像時刻から所定の時間内に前記第1撮像画像の撮像範囲を撮像した距離画像である第2撮像画像とを含み、
前記検出手段は、前記第1撮像画像と、前記第1撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す背景情報とを比較することによって、前記変化領域を検出し、
前記分類手段は、前記第2撮像画像に含まれる各画素の値と、前記第2撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された前記距離情報の各画素の値との比較結果に基づいて、前記商品棚に関する変化を分類する、
付記1に記載の画像処理装置。
【0229】
(付記4)
前記撮像画像は距離画像であり、
前記検出手段は、前記撮像画像と、前記撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す背景情報とを比較することによって、前記変化領域を検出し、
前記分類手段は、前記撮像画像に含まれる各画素の値と、前記距離情報の各画素の値との比較結果に基づいて、前記商品棚に関する変化を分類する、
付記1に記載の画像処理装置。
【0230】
(付記5)
前記分類手段は、前記距離画像である前記撮像画像に含まれる各画素の値と、前記撮像装置と前記商品棚との間の距離と、の比較結果に基づいて、前記変化領域における前記商品棚に関する変化を、前記商品棚に陳列された商品の変化に関連する種類または前記商品棚に陳列された商品以外の物体による変化に関する種類に分類する、
付記3または4に記載の画像処理装置。
【0231】
(付記6)
前記検出手段は、検出した変化領域を複数の前記撮像画像の間で追跡し、
前記分類手段は、追跡結果に基づいて、前記商品棚に関する変化を分類する、
付記2から5の何れか1つに記載の画像処理装置。
【0232】
(付記7)
前記検出手段は、前記背景情報を、前記変化領域を検出する際に用いた撮像画像と前記背景情報とに基づいて更新する背景情報更新手段を備え、
前記背景情報更新手段は、前記変化領域の追跡結果が第1の所定の条件を満たす場合に、前記背景情報のうち、前記変化領域に該当する領域以外を更新する、
付記6に記載の画像処理装置。
【0233】
(付記8)
前記背景情報更新手段は、前記変化領域の追跡結果が第2の所定の条件を満たす場合に、前記背景情報のうち、前記変化領域に該当する領域を更新する、
付記7に記載の画像処理装置。
【0234】
(付記9)
前記検出手段は、検出した変化領域と、前記商品棚における商品が陳列される棚領域を示す棚領域情報とに基づいて、前記変化領域が複数の前記棚領域に含まれるか否かを判定し、
前記分類手段は、前記変化領域が1つの前記棚領域に含まれる場合、該変化領域における前記商品棚に関する変化を、前記商品棚に陳列された商品の変化に関連する種類に分類する、
付記1から8の何れか1つに記載の画像処理装置。
【0235】
(付記10)
前記分類手段による分類の結果に基づいて、商品の陳列状態を評価する評価手段と、
を更に備える付記1から9の何れか1つに記載の画像処理装置。
【0236】
(付記11)
前記評価手段は、前記分類結果と、前記変化領域に関する情報と、前記撮像画像において、商品の陳列状態を監視する対象領域を示す監視領域情報とに基づいて、商品の陳列量を算出する、
付記10に記載の画像処理装置。
【0237】
(付記12)
前記評価手段は、算出した陳列量の推移に基づいて、前記商品の陳列状態を評価する、
付記11に記載の画像処理装置。
【0238】
(付記13)
前記評価手段による評価結果に基づいて、商品の陳列状態に関する情報を出力装置に出力する出力制御手段、
を更に備える付記10から12の何れか1つに記載の画像処理装置。
【0239】
(付記14)
商品棚を撮像した撮像画像から、前記商品棚に関する変化領域を検出し、
事前に学習した前記商品棚に関する変化のモデル、または、前記撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す距離情報に基づいて、前記変化領域における前記商品棚に関する変化を分類する、
画像処理方法。
【0240】
(付記15)
前記撮像画像はカラー画像であり、
前記撮像画像と、前記撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す背景情報とを比較することによって、前記変化領域を検出し、
前記モデルに基づいて、前記変化領域における商品棚に関する変化を分類する、
付記14に記載の画像処理方法。
【0241】
(付記16)
商品棚を撮像した撮像画像から、前記商品棚に関する変化領域を検出する検出処理と、
事前に学習した前記商品棚に関する変化のモデル、または、前記撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す距離情報に基づいて、前記変化領域における前記商品棚に関する変化を分類する分類処理と、
をコンピュータに実行させるプログラ
ム。
【0242】
(付記17)
前記撮像画像はカラー画像であり、
前記検出処理において、前記撮像画像と、前記撮像画像の撮像時刻よりも前に撮像された画像を示す背景情報とを比較することによって、前記変化領域を検出し、
前記分類処理において、前記モデルに基づいて、前記変化領域における商品棚に関する変化を分類する、
付記16に記載の
プログラム。