【文献】
Nokia Networks,Demodulation reference signals for V2V over PC5[online], 3GPP TSG-RAN WG1#83 R1-157158,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_83/Docs/R1-157158.zip>,2015年11月22日
【文献】
Huawei, HiSilicon,Discussion on 5G scenarios and requirements[online], 3GPP TSG RAN adhoc_2016_01_Next_Generation_Access RPa160043,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_AHs/2016_01_Next_Generation_Access/Docs/RPa160043.zip>,2016年 1月29日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物理リソースブロックの番号がそれぞれ独立して割当てられる1以上の部分帯域に関する情報、及び前記部分帯域で利用される所定の通信パラメータに関する情報を受信する受信部と、
前記所定の通信パラメータを利用してUL送信及びDL受信の少なくとも一方を行う制御部と、を有し、
複数の部分帯域が設定される場合、前記複数の部分帯域ごとに新規の前記番号が割り当てられ、前記複数の部分帯域間で前記番号が連続せず、
前記制御部は、前記番号を用いて割り当てられるリソースを用いてUL送信及びDL受信の少なくとも一方を行うことを特徴とする端末。
前記受信部は、前記1以上の部分帯域に関する情報と前記部分帯域に対応するサブキャリア間隔に関する情報を上位レイヤシグナリングで受信し、前記制御部は、前記部分帯域の範囲で下り制御チャネル及び下り共有チャネルの受信を行うことを特徴とする請求項1に記載の端末。
物理リソースブロックの番号がそれぞれ独立して割当てられる1以上の部分帯域に関する情報、及び前記部分帯域で利用される所定の通信パラメータに関する情報を受信する工程と、
前記所定の通信パラメータを利用してUL送信及びDL受信の少なくとも一方を行う工程と、を有し、
複数の部分帯域が設定される場合、前記複数の部分帯域ごとに新規の前記番号が割り当てられ、前記複数の部分帯域間で前記番号が連続せず、
前記番号を用いて割り当てられるリソースを用いてUL送信及びDL受信の少なくとも一方を行うことを特徴とする端末の無線通信方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
将来の新しい通信システムで用いられるアクセス方式(New RAT、5G RATなどと呼ばれてもよい)としては、既存のLTE/LTE−Aシステムで用いられるアクセス方式(LTE RAT、LTE−based RAT、などと呼ばれてもよい)を拡張したものが検討されている。
【0015】
New RATのセルは、LTE RATのセルのカバレッジと重複するように配置されてもよいし、独立して配置されてもよい。
図1は、New RATのセルが、LTE−based RATのセルのカバレッジと重複する場合を示している。
【0016】
ユーザ端末(UE1)は、キャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用してLTEシステムと5Gシステムの両方に接続することが考えられる。また、New RATでは、スタンドアローン(stand−alone)の運用も想定されている。スタンドアローンとは、ユーザ端末がNew RATで単独で動作(Camp)することをいう。この場合、ユーザ端末(UE2)は、New RATに対して初期接続することが可能となる。
【0017】
New RATでは、LTE RATと異なる無線フレーム及び/又は異なるサブフレーム構成が用いることも検討されている。例えば、New RATの無線フレーム構成は、既存のLTE(LTE Rel.8−12)と比較して、サブフレーム長、シンボル長、サブキャリア間隔、帯域幅の少なくとも一つが異なる無線フレーム構成とすることができる。
【0018】
なお、サブフレームは、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよい。例えば、LTE Rel.8−12におけるTTI(サブフレーム)長は、1msであり、2つの時間スロットで構成される。TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)の送信時間単位であり、スケジューリング、リンクアダプテーション(Link Adaptation)などの処理単位となる。サブフレーム長とTTI長は、独立に設定または規定されるものであってもよい。例えば、1つのサブフレームに複数のTTIが含まれる構成であってもよい。
【0019】
より具体的には、New RATでは新しく通信パラメータが規定されるが、例えば、LTE RATのニューメロロジー(numerology)に基づいて、LTEの無線フレームを構成するパラメータ(例えば、サブキャリア間隔、帯域幅、シンボル長など)を定数倍(例えば、N倍や1/N倍)して用いる方法も検討されている。ここで、ニューメロロジーとは、あるRATにおける信号のデザインや、RATのデザインを特徴付ける通信パラメータ(無線パラメータ)のセットのことをいう。なお、1つのRATで複数のニューメロロジーが規定され、用いられてもよい。
【0020】
また、複数のニューメロロジーが異なるとは、例えば、下記(1)−(6)のうち少なくとも1つが異なる場合を表すものとするが、これに限られない:
(1)サブキャリア間隔、
(2)CP(Cyclic Prefix)長、
(3)シンボル長、
(4)TTIあたりのシンボル数、
(5)TTI長、
(6)フィルタリング処理やウィンドウイング処理。
【0021】
前述のように、New RATでは、キャリア周波数として非常に広い周波数(例えば、1GHz−100GHz)をターゲットとしている。また、多様な用途(サービス)の通信に用いることができることや、様々な回路構成・回路規模やソフトウェアを実装するユーザ端末を収容することが望まれている。このため、用途ごとの要求条件に応じて、シンボル長やサブキャリア間隔などが異なる複数のデザイン(ニューメロロジー)がサポートされることが考えられる(
図2参照)。
【0022】
複数のニューメロロジーとして、例えば、MBB(Mobile Broad Band)サービス、IoTサービス、URLLC(Ultra-reliable and low latency communication)サービス等の要求条件を設定し、それらを満たすニューメロロジーがそれぞれ規定されることが考えられる。MBBでは、高い周波数利用効率達成のために、オーバーヘッド削減や高次MIMOをサポートできるニューメロロジーが望ましい(
図2A参照)。IoTでは、高い電力利用効率と広カバレッジを達成するために、狭帯域化や冗長化を考慮したニューメロロジーが望ましい(
図2B参照)。URLLCでは、高い応答性能を達成するために、TTI短縮化や高品質化を考慮したニューメロロジーが望ましい(
図2C参照)。なお、本実施の形態で適用可能なサービス形態はこれらに限られない。
【0023】
また、5G RATに採用されるニューメロロジーの一例としては、LTE RATを基準としてサブキャリア間隔や帯域幅をN(例えば、N>1)倍にし、シンボル長を1/N倍にする構成が考えられる。
図3は、LTE RATのサブフレーム構成及び5G RATのサブフレーム構成の一例を示す図である。
【0024】
図3において、LTE RATでは、制御単位が1ms(14OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル/SC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル)及び180kHz(12サブキャリア)から成る既存のLTEのサブフレーム構成が利用されている。
【0025】
図3において、5G RATでは、LTE RATに比べてサブキャリア間隔が大きくシンボル長が短いサブフレーム構成(TTI構成)が利用されている。TTI長を短くすることにより、制御の処理遅延を低減して遅延時間の短縮を図ることが可能となる。なお、LTEで利用されるTTIより短いTTI(例えば、1ms未満のTTI)は、短縮TTIと呼ばれてもよい。
【0026】
図3のような構成によれば、TTI長を短くすることができるため、送受信にかかる時間を短くすることができ、低遅延を実現しやすくなる。また、サブキャリア間隔やシステム帯域幅を既存のLTEと比較して大きくすることで、高周波数帯における位相雑音の影響を低減することができる。これにより、広帯域を確保しやすい高周波数帯(例えば、数十GHz帯)を5G RATに導入し、例えば大量のアンテナ素子を利用する大規模MIMO(Massive MIMO)を利用した高速通信を好適に実現することができる。
【0027】
また、ニューメロロジーの他の例として、サブキャリア間隔や帯域幅を1/N倍にし、シンボル長をN倍にする構成も考えられる。この構成によれば、シンボルの全体長が増加するため、シンボルの全体長に占めるCP長の比率が一定である場合でも、CP長を長くすることができる。これにより、通信路におけるフェージングに対して、より強い(ロバストな)無線通信が可能となる。
【0028】
5G RATでは、制御単位は既存の1リソースブロック(RB:Resource Block)ペア(14シンボル×12サブキャリア)に限られない。例えば、制御単位は、既存の1RBと異なる無線リソース領域として規定される新たな所定の領域単位(例えば、拡張RB(eRB:enhanced RB)などと呼ばれてもよい)であってもよいし、複数のRB単位であってもよい。
【0029】
ところで、5Gの無線通信において、周波数を有効利用するためにニューメロロジーの異なる複数サービスを同一キャリアで運用することも考えられる。例えば、New RATキャリア(周波数、セル、CC等)では、異なるニューメロロジーで通信するユーザ端末(例えば、MBB、IoT、URLLC等を利用するユーザ端末)を同時に収容して運用することも考えられる。
【0030】
例えばキャリア周波数が低いほど電波は減衰しづらくなるため、伝搬路の遅延パスの影響が強くなるが、キャリア周波数が高いと電波の減衰は激しく、観測される遅延パスは少なくなる。また、キャリア周波数が高いほど無線(RF)回路で発生する位相雑音の影響が大きくなる。したがって、例えば5GのRATとしてOFDMまたはOFDMベースのアクセス方式を採用するならば、キャリア周波数が低い場合は遅延パスの影響を軽減するサイクリックプリフィックス(CP)を長くとる必要があるが、位相雑音の影響が小さいためにサブキャリア間隔を狭めることができる。反対に、キャリア周波数が高い場合は遅延パスの影響が小さいためにCPを短くすることができるが、位相雑音の影響が大きいためにサブキャリア間隔は十分広くとらないとならない。CP長とサブキャリア間隔はOFDMまたはOFDMベースのアクセス方式においてはシンボル長を決定づけるパラメータであり、周波数帯に応じて適切なパラメータを採用すると、異なるニューメロロジーを導入する必要があることが分かる。
【0031】
異なるニューメロロジーを利用して通信するユーザ端末を同時に収容・運用する方法として、時間分割多重(TDM)、周波数分割多重(FDM)、符号分割多重(CDM)、空間分割多重(SDM)等のいずれか又は組み合わせを適用することが考えられる(
図4参照)。また、同じキャリアで異なるニューメロロジーを利用するユーザ端末が通信を行う場合、周波数、時間、符号、空間の少なくとも一つのリソースを柔軟に変更して制御できることが周波数利用効率の観点から望ましい。
【0032】
既存のLTEシステムにおいて、下りデータや上りデータは、L1/L2制御チャネルを用いて動的(例えば、TTI毎)にスケジューリングが制御される構成となっている。そのため、既存LTEシステムの仕組みを適用する場合、下りデータや上りデータのリソースについては異なるニューメロロジー毎に柔軟に変更して制御することが可能となる。
【0033】
しかし、既存のLTEシステムでは、報知情報やL1/L2制御チャネル自体の周波数及び/又は時間リソースを動的に変更する仕組みは存在しない。以下に、既存のLTEシステムの送受信方法の一例について説明する。
【0034】
既存のLTEシステムでは、ユーザ端末は、はじめに周波数帯域幅に依存しない報知情報(PBCH)を受信し、当該キャリアの一部のシステム情報を取得する。次に、ユーザ端末は、周波数帯域幅に依存する報知情報(SIB)を下り共有チャネル(PDSCH)で受信する。SIBをスケジューリングするL1/L2制御チャネル(例えば、PDCCH)は、当該周波数帯域幅の関数に基づいて帯域全体にインターリーブされてマッピングされる。
【0035】
PDCCHがいくつのOFDMシンボルにマッピングされるかは、PCFICHで指示される。PCFICHは、周波数帯域幅の関数に基づいて帯域全体に広がるようにマッピングされる。ユーザ端末は、周波数帯域幅に依存するルールでマッピングされるPCFICH及びPDCCHを受信した後、当該PDCCHに基づいて下りデータ(PDSCH)の受信や上りデータ(PUSCH)の送信を制御する。
【0036】
既存システムにおいて、PCFICHは、PDCCHに用いるOFDMシンボル数(又はPDSCHの先頭シンボル)の通知に利用され、サブフレームの先頭OFDMシンボルのみにマッピングされる(
図5参照)。PCFICHは、4REG(Resource Element Group)を用いてシステム帯域に配置される。無線基地局は、各サブフレームでPDCCHを割当てるOFDMシンボル数(CFI:Control Format Indicator)を2ビットの情報としてサブフレーム先頭のOFDMシンボルを用いてユーザ端末に通知する。
【0037】
下り制御チャネル(PDCCH)は、DLやULのスケジューリング等の通知に利用され、サブフレームの先頭1〜3(又は1〜4)シンボルの中でPCFICH/PHICHが割当てられないリソースにマッピングされる(
図6参照)。無線基地局は、ユーザ端末毎にPDCCHに設定されるサーチスペースに基づいて下り制御情報を当該サーチスペースに配置して送信する。
【0038】
このように、既存のLTEシステムでは、PCFICHやPDCCHは周波数帯域幅の関数として一意に定まるマッピングルールで、リソース要素(RE)にマッピングされる仕組みとなっている。つまり、通信する帯域幅を変えない限り、制御チャネル(例えば、L1/L2制御チャネル)マッピング位置を変更することはできない。
【0039】
そこで、本発明者等は、複数のニューメロロジー(通信パラメータ)が複数のユーザ端末にそれぞれ設定される通信システムで通信を行う場合に、各ニューメロロジー(通信パラメータ)が設定されたユーザ端末に対して通信に利用するリソース(部分リソース)に関する情報を通知し、ユーザ端末が当該部分リソースにおいて所定の通信パラメータを利用して通信を行う構成とすることを着想した。
【0040】
また、本発明者等は、部分リソースに関する情報を、上位レイヤシグナリング、複数のニューメロロジーに共通な物理制御チャネル(共通制御チャネル)、又はニューメロロジー毎に個別の物理制御チャネル(固有制御チャネル、個別制御チャネル)を用いてユーザ端末に通知することを着想した。
【0041】
これにより、複数のニューメロロジー(通信パラメータ)がサポートされる通信システムにおいて、各ニューメロロジーに対応するDLチャネル(制御チャネル及び/又はデータチャネル)の送信に適用するリソースを柔軟に変更することが可能となる。
【0042】
以下に本実施の形態について詳細に説明する。以下の説明では、所定のニューメロロジーを利用するユーザ端末の通信に利用するリソースを「部分リソース」と呼ぶが、これに限られない。また、各ニューメロロジーに対応する部分リソースは、周波数、時間、符号、空間のうち少なくとも一つが複数のニューメロロジー間で異なるリソースであってもよいし、全部又は一部が異なるリソースとしてもよい。
【0043】
また、以下の説明では、ニューメロロジーを利用する運用形態(サービス形態)として、MBB、IoT、URLLCを例に挙げて説明するが、本実施の形態が適用可能な運用形態はこれに限られない。また、ニューメロロジーをユーザ端末毎に設定する場合、異なるサービスを適用するユーザ端末に同じニューメロロジーを適用することも可能である。すなわち、各ユーザ端末には、当該通信システムで通信する際のニューメロロジー(通信パラメータ)が設定され、当該通信システムでは、ユーザ端末ごとに同じまたは異なるニューメロロジー(通信パラメータ)で通信する構成をとることができる。なお、以下に説明する複数の態様はそれぞれ単独で実施してもよいし、適宜組み合わせて実施することも可能である。
【0044】
(第1の態様)
第1の態様では、上位レイヤシグナリングを利用してユーザ端末が通信に用いることができる部分リソースを指定する場合について説明する。なお、上位レイヤシグナリングは、ユーザ端末が既に他のセル(例えば、既存システム)に接続している場合には、当該他のセルからユーザ端末に送信する構成とすることができる。また、以下の説明では、各ニューメロロジーに対して、周波数リソースを部分リソースとして設定する場合を示すが、本実施の形態はこれに限られない。
【0045】
無線基地局は、上位レイヤシグナリング(RRCシグナリング、報知信号等)を用いて、ユーザ端末に対して当該ユーザ端末が通信に利用できる部分リソースに関する情報を通知する。例えば、無線基地局は、第1のニューメロロジー(第1の通信パラメータ)を利用するユーザ端末に第1の部分リソースを指定し、第2のニューメロロジー(第2の通信パラメータ)を利用するユーザ端末に第2の部分リソースを指定する。部分リソースに関する情報は、時間、周波数、符号、空間リソースのうち少なくとも一つのリソース情報を含む構成とすることができる。
【0046】
ユーザ端末は、上位レイヤシグナリングで指定された部分リソースの範囲内で制御チャネル(制御信号)とデータチャネル(下りデータ)の受信処理(復調、復号等)を行う。部分リソースで送信される制御チャネルとしては、L1/L2制御チャネル(PCFICH、PHICH、PDCCH、EPDCCHの少なくとも一つ)とすることができる。
図7に、所定の周波数帯域に第1の部分リソースと第2の部分リソースを設定する場合の一例を示す。
【0047】
図7A、
図7Bでは、同じ時間区間において、第1のニューメロロジー用に設定される第1の部分リソース(サブバンド)と、第2のニューメロロジー用に設定される第2の部分リソースを周波数分割(FDM)する場合を示している。
図7Aでは、第1のニューメロロジー(第1の部分リソース)をIoT用(又は、IoTを利用するユーザ端末)に設定し、第2のニューメロロジー(第2の部分リソース)をMBB用(又は、MBBを利用するユーザ端末)に設定する場合を示している。
【0048】
第1の部分リソースが指定されたユーザ端末は、当該第1の部分リソースの中で制御チャネルとデータチャネルの受信処理を行うことにより、IoTサービスを利用することができる。また、第2の部分リソースが指定されたユーザ端末は、当該第2の部分リソースの中で制御チャネルとデータチャネルの受信処理を行うことにより、MBBサービスを利用することができる。
【0049】
図7Bでは、第1のニューメロロジー(第1の部分リソース)をURLLC用(又は、URLLCを利用するユーザ端末)に設定し、第2のニューメロロジー(第2の部分リソース)をMBB用(又は、MBBを利用するユーザ端末)に設定する場合を示している。
【0050】
また、部分リソースを周波数分割多重(FDM)する場合、各サービス(各ニューメロロジー)に対して離散した周波数を割り当ててもよい。
図7Bでは、第2のニューメロロジー(例えば、MBB)に離散周波数の割当てを行う場合を示している。
【0051】
離散周波数が割当てられたサービス(ここでは、MBB)では、当該離散周波数をまたがってリソースインデックスが連続したインデックスとなるように割当てを制御してもよい。例えば、離散周波数が割当てられた第2の部分リソースのうち、一方の領域にリソースインデックス0〜15を割振る。また、第1の部分リソースを挟んでマッピングされる第2の部分リソースの他方の領域にリソースインデックス16から割振りを行うことができる。これにより、リソースインデックスを仮想的に連続とみなしてL1/L2制御信号によるスケジューリングを行うことができるから、リソースインデックス指定に要するL1/L2制御信号のシグナリングオーバーヘッドを削減できる。
【0052】
あるいは、離散した周波数毎にリソースインデックスを独立して割当ててもよい。例えば、離散周波数が割当てられた第2の部分リソースのうち一方の領域にリソースインデックス0〜15を割振り、第2の部分リソースの他方の領域に新規インデックス(ここでは、インデックス71)から割振りを行うことができる。この場合、設定される部分リソースの場所や大きさに関らず共通のリソースインデックスに基づいてL1/L2制御信号によるスケジューリングを行うため、前記部分リソースの設定に関らず不変のリソースインデックス指定フィールドを含むL1/L2制御信号でスケジューリングを行うことができる。その結果、L1/L2制御信号を受信するユーザ端末のブラインド復号処理を部分リソースの場所や大きさによらず共通化することができ、ユーザ端末の回路規模削減をすることができる。
【0053】
また、部分リソースは、制御チャネル(例えば、L1/L2制御チャネル)が送受信される時間区間と、データチャネル(DLデータ及び/又はULデータ)が送受信される時間区間において、同一に設定してもよいし、異なるように設定してもよい。異なって設定する場合には、ユーザ端末に対してそれぞれの部分リソース情報を上位レイヤシグナリングで通知する。
【0054】
また、無線基地局は、上位レイヤシグナリングを利用して少なくとも制御チャネル(例えば、L1/L2制御チャネル)用の部分リソースをユーザ端末に通知する。ユーザ端末は、上位レイヤシグナリングで設定された部分リソースの全体又は一部でL1/L2制御チャネルを受信する。
【0055】
一方で、ユーザ端末は、DLデータ及び/又はULデータ受信は、上位レイヤシグナリングの部分リソースに従うのでなく、当該DLデータやULデータのスケジューリングを行うL1/L2制御チャネルに基づいて受信することができる。この場合、L1/L2制御チャネル用の割当て領域(部分リソース)と、データチャネル用の割当て領域(部分リソース)をそれぞれ独立に設定することができる(
図8参照)。
図8は、所定の周波数帯域に複数のニューメロロジー(サービス)を周波数分割多重(FDM)すると共に、同じサービスに対する制御チャネルとデータチャネルの割当てリソースを異なる構成とする場合を示している。
【0056】
図8Aでは、第1のニューメロロジー(第1の部分リソース)をIoT用に設定し、第2のニューメロロジー(第2の部分リソース)をMBB用に設定する場合を示している。ユーザ端末は、上位レイヤシグナリングで指定された制御チャネル用の部分リソースの中からL1/L2制御チャネルを受信し、当該L1/L2制御チャネルに基づいてデータチャネルの送受信を制御する。
【0057】
図8Aでは、IoTに対して制御チャネル用の部分リソースよりデータチャネル用の部分リソースを周波数方向に広く設定する場合を示している。また、MBBに対して、制御チャネル用の部分リソースをデータチャネル用の部分リソースより周波数方向に広く設定する場合を示している。
【0058】
図8Bでは、第1のニューメロロジー(第1の部分リソース)をURLLC用に設定し、第2のニューメロロジー(第2の部分リソース)をMBB用に設定すると共に、第2のニューメロロジー(例えば、MBB)に離散周波数の割当てを行う場合を示している。また、
図8Bでは、URLLCに対して、制御チャネル用の部分リソースよりデータチャネル用の部分リソースを周波数方向に広く設定し、MBBに対して、制御チャネル用の部分リソースをデータチャネル用の部分リソースより周波数方向に広く設定する場合を示している。
【0059】
このように、制御チャネル用の部分リソースとデータチャネル用の部分リソースを異なる構成で割当て可能とすることにより、複数のニューメロロジー(サービス)を同時に運用する場合であっても、各チャネルの割当てを柔軟に制御することができる。
【0060】
<動作方法>
第1の態様を適用する場合のユーザ端末の動作方法の一例について説明する。
【0061】
ネットワーク(例えば、無線基地局)は、上位レイヤシグナリング(報知情報又はRRCシグナリング)を用いて、ニューメロロジー種別と、当該ニューメロロジーによる通信で利用できる部分リソースに関する情報をユーザ端末に通知する。例えば、無線基地局は、第1のニューメロロジー(第1の通信パラメータ)を適用するユーザ端末に対して、第1の通信パラメータ(第1のニューメロロジー)に関する情報と、第1の通信パラメータを用いて通信を行う部分リソースに関する情報を通知する。
【0062】
ユーザ端末は、通知された部分リソース内でL1/L2制御チャネルの受信処理(例えば、ブラインド復号)を実施する。L1/L2制御チャネルは、設定された部分リソースにおいて当該L1/L2制御チャネルをマッピング可能なリソース領域全体にわたってインターリーブ・分散(distribute)または拡散(Spreading)されていてもよい。
【0063】
ユーザ端末は、当該ユーザ端末(自端末)宛てのスケジューリング情報を検出した場合、当該スケジューリング情報に基づいてDLデータ受信及び/又はULデータ送信を制御する。DLデータ/ULデータを送受信可能なリソースは、設定された部分リソース内に限定してもよいし、L1/L2制御チャネルで指示可能な範囲において設定された部分リソース外に対しても割当て可能としてもよい。
【0064】
また、ユーザ端末は、上位レイヤシグナリングにより、当該ユーザ端末が通信に用いるニューメロロジー種別の部分リソースの変更が指示された場合、変更指示要求に応じて通信に用いる部分リソースを変更する。当該上位レイヤシグナリングは、ハンドオーバコマンドに含まれていてもよい。この場合、隣接するセル毎に異なる部分リソースを当該ニューメロロジー種別に設定することができ、より柔軟な運用が可能となる。
【0065】
このように、上位レイヤシグナリングを用いてニューメロロジー種別(所定の通信パラメータ)と、通信に利用する部分リソースに関する情報をユーザ端末に通知することにより、各ニューメロロジーでそれぞれ利用するリソースを柔軟に変更することができる。その結果、通信環境等に応じて周波数利用効率を向上することができる。
【0066】
(第2の態様)
第2の態様では、複数のニューメロロジー(部分リソース又はサービス)に共通の物理制御チャネル(共通制御チャネル)を利用して、ユーザ端末が通信に用いることができる部分リソースを指定する場合について説明する。
【0067】
無線基地局は、共通制御チャネルを用いてユーザ端末が通信に利用できる部分リソースに関する情報を通知する。例えば、無線基地局は、第1のニューメロロジー(第1の通信パラメータ)を利用するユーザ端末に第1の部分リソースを指定し、第2のニューメロロジー(第2の通信パラメータ)を利用するユーザ端末に第2の部分リソースを指定する。この場合、無線基地局は、各ユーザ端末に対して同じ共通制御チャネルを用いてそれぞれ所定の部分リソースを指定することができる。
【0068】
ユーザ端末は、自身に設定されたニューメロロジーに関らず復調・復号を行う共通制御チャネルを受信し、その共通制御チャネルの値と自身に設定されたニューメロロジーの組み合わせに基づいて、自身が通信に利用できる部分リソースを判断する。
【0069】
共通制御チャネルは、ユーザ端末に設定されたニューメロロジー種別に関わらず、所定のサブキャリア数、サブキャリア間隔及びシンボル長が適用された構成としてもよい。例えば、既存システムと同じ通信パラメータを利用して共通制御チャネルを設定してもよいし、所定のニューメロロジーに対応する通信パラメータを利用して共通制御チャネルを設定してもよい。また、ユーザ端末に設定するニューメロロジー種別は、上位レイヤシグナリングを用いてユーザ端末に設定してもよいし、共通制御チャネルを用いて設定してもよい。
【0070】
無線基地局は、共通制御チャネルを所定周期(所定タイミング)毎にユーザ端末に送信することができる。所定タイミングとしては、通常TTI(サブフレーム)、通常TTIのN倍(N>1)、複数のニューメロロジーのいずれかで適用するTTI(又は、TTIのN倍)、又は無線フレーム等を利用することができる。
図9Aは、通常TTI(サブフレーム)毎に共通制御チャネルを送信する場合を示している。
【0071】
ユーザ端末は、共通制御チャネルで指定された部分リソースの範囲内で、所定のニューメロロジーに対する制御チャネル(制御信号)とデータチャネル(下りデータ)の受信処理を行う。部分リソースで送信される制御チャネルとしては、L1/L2制御チャネルとすることができる。
【0072】
図9B、
図9Cは、同じ時間区間において、第1のニューメロロジー用に設定される第1の部分リソース(サブバンド)と、第2のニューメロロジー用に設定される第2の部分リソースを周波数分割(FDM)する場合を示している。また、第1の部分リソースと第2の部分リソースに関する情報を指定する共通制御チャネルが割当てられている。ここでは、共通制御チャネルを第1の部分リソース及び第2の部分リソースと時間分割多重(TDM)する場合を示しているが、共通制御チャネルの割当て方法はこれに限られない。
【0073】
図9Bでは、第1のニューメロロジー(第1の部分リソース)をIoT用(又は、IoTを利用するユーザ端末)に設定し、第2のニューメロロジー(第2の部分リソース)をMBB用(又は、MBBを利用するユーザ端末)に設定する場合を示している。共通制御チャネルは、IoTとMBBの部分リソース(部分帯域)をユーザ端末に指定する。
【0074】
共通制御チャネルで第1の部分リソースが指定されたユーザ端末は、当該第1の部分リソースの中から制御チャネルとデータチャネルを受信することにより、IoTサービスを利用することができる。また、共通制御チャネルで第2の部分リソースが指定されたユーザ端末は、当該第2の部分リソースの中から制御チャネルとデータチャネルを受信することにより、MBBサービスを利用することができる。
【0075】
図9Cでは、第1のニューメロロジー(第1の部分リソース)をURLLC用(又は、URLLCを利用するあるユーザ端末)に設定し、第2のニューメロロジー(第2の部分リソース)をMBB用(又は、MBBを利用するあるユーザ端末)に設定する場合を示している。部分リソースを周波数分割多重(FDM)する場合、各サービス(各ニューメロロジー)に対して離散した周波数を割り当ててもよい。
図9Cでは、第2のニューメロロジー(例えば、MBB)に離散周波数の割当てを行う場合を示している。
【0076】
無線基地局は、共通制御チャネルを用いて、L1/L2制御チャネルの部分リソースと当該L1/L2制御チャネルでスケジューリングするデータチャネル(DLデータ及び/又はULデータ)の部分リソースとを同時に指定することができる(
図9B、9C参照)。あるいは、L1/L2制御チャネルの部分リソースだけを通知し、データチャネルの割当てリソース(部分リソース)は当該L1/L2制御チャネルを用いて指定する構成としてもよい。
【0077】
<動作方法>
ユーザ端末は、はじめに共通制御チャネルを受信し、当該ユーザ端末(自端末)の通信に用いることができる部分リソースを識別する。ユーザ端末は、当該共通制御チャネルが受信できない場合(又は、復号に失敗した場合)、それ以降の処理、例えば部分リソースにおけるL1/L2制御チャネルの復調・復号処理を行わないように制御してもよい。なお、ユーザ端末は、ニューメロロジー種別(利用する通信パラメータ)に関する情報を共通制御チャネルで受信してもよいし、上位レイヤシグナリングで受信してもよい。
【0078】
ユーザ端末は、共通制御チャネルを受信した後、当該共通制御チャネルが指定する部分リソース内でL1/L2制御チャネルの受信処理(例えば、ブラインド復号)を実施する。具体的には、部分リソース内でユーザ個別のDLデータ受信又はULデータ送信を行うためのスケジューリング情報(例えば、DCI)を復号する。L1/L2制御チャネル(L1/L2制御信号)は、設定された部分リソースにおいて当該L1/L2制御信号をマッピング可能なリソース領域全体にわたってインターリーブ・分散(distribute)・拡散(Spreading)されていてもよい。
【0079】
次に、ユーザ端末は、受信したL1/L2制御チャネル(例えば、DCI)に含まれるスケジューリング情報に基づいて、DLデータ及び/又はULデータの送受信を制御する(
図10参照)。
図10では、あるサブフレーム#nにおいて、共通制御チャネルでL1/L2制御チャネルの部分リソースが指定され、ユーザ端末は、指定された部分リソースでL1/L2制御チャネルを受信する場合を示している。
【0080】
また、ユーザ端末は、受信したL1/L2制御チャネルがDL割当てを指示している場合、同じサブフレーム#nでDLデータを受信することができる。また、ユーザ端末は、受信したL1/L2制御チャネルがULデータの送信(ULグラント)を指示する場合、所定タイミング後のサブフレームまたはTTI(ここでは、サブフレーム#m)でULデータを送信することができる。
【0081】
この場合、ユーザ端末は、サブフレーム#m(例えば、m=n+4)において、共通制御チャネルにより指定されるULデータ(ここでは、MBB用のULデータ)の部分リソース情報に基づいてUL送信を制御することができる。なお、サブフレーム#nにおいて、ユーザ端末に対してMBB用のULデータの部分リソースも指定する場合、サブフレーム#mにおいて共通制御チャネルを設けない構成としてもよい。
【0082】
<変形例>
共通制御チャネルは、所定タイミング(例えば、所定TTI、所定サブフレーム等)におけるデータチャネルがUL送信であるかDL送信であるかを示す情報(データ伝送種別)を含む構成とすることができる。つまり、無線基地局は、共通制御チャネルを用いて所定タイミングのデータチャネルがUL伝送であるかDL伝送であるかをユーザ端末に通知することができる。
【0083】
ユーザ端末は、共通制御チャネルから所定タイミング(例えば、同じサブフレーム)がDLデータ通信向けであるか、あるいはULデータ通信向けであるかを判断すると共に、各ニューメロロジー(サービス)の部分リソース領域がどこであるかを判断することができる。
【0084】
この場合、ユーザ端末は、サブフレーム#nでULデータ送信が指示されていても、当該ULデータの送信タイミング(例えば、サブフレーム#m)において、共通制御チャネルの指示によりUL送信を制御してもよい。例えば、サブフレーム#nでULデータ送信が指示された場合であっても、サブフレーム#mにおいて共通制御チャネルでULデータ送信が指示(許可)されない限り、サブフレーム#mにおけるUL送信を行わない構成とすることができる(
図11参照)。
【0085】
図11において、サブフレーム#mの共通制御チャネルがUL送信を示す場合、ユーザ端末は、サブフレーム#nで受信したスケジューリング情報に基づいてULデータの送信を行う。一方で、サブフレーム#mの共通制御チャネルがDL送信を示す場合、ユーザ端末は、UL送信を行わない(ドロップする)ように制御することができる。
【0086】
また、ユーザ端末は、共通制御チャネルでULデータ送信が指示された所定タイミング(例えば、サブフレーム#m)では、他のDL制御チャネル及び/又はDLデータの受信処理を行わないように制御してもよい。これにより、ユーザ端末の処理負担を低減することができる。
【0087】
(第3の態様)
第3の態様では、ニューメロロジー(部分リソース又はサービス)毎に個別の物理制御チャネル(固有制御チャネル)を利用して、ユーザ端末が通信に用いることができる部分リソースを指定する場合について説明する。なお、固有制御チャネルは、同じニューメロロジー内では共通とすることができる。
【0088】
無線基地局は、固有制御チャネルを用いて、ユーザ端末が通信に利用できる部分リソースに関する情報を通知する。例えば、無線基地局は、第1のニューメロロジー(第1の通信パラメータ)を利用するユーザ端末に対して、当該第1のニューメロロジー用の固有制御チャネルを用いて第1の部分リソースを指定する。また、第2のニューメロロジー(第2の通信パラメータ)を利用するユーザ端末に対して、当該第2のニューメロロジー用の固有制御チャネルを用いて第2の部分リソースを指定する。
【0089】
また、無線基地局は、固有制御チャネルが割当てられる(ユーザ端末がモニターする)リソースに関する情報をあらかじめユーザ端末に通知することができる。例えば、無線基地局は、ニューメロロジー毎の固有制御チャネルのリソース情報を上位レイヤシグナリング(例えば、報知情報、RRCシグナリング等)でユーザ端末に設定する。この際、ユーザ端末に対して複数のニューメロロジーにそれぞれ対応する固有制御チャネルのリソース情報を通知してもよいし、所定のニューメロロジー(例えば、各ユーザ端末が利用するニューメロロジー)に対応する固有制御チャネルのリソース情報を選択的に通知してもよい。
【0090】
無線基地局は、各ニューメロロジー(各サービス)の固有制御チャネルを、上位レイヤシグナリングで設定した部分リソース(例えば、部分周波数)にマッピングする。また、無線基地局は、固有制御チャネルに基づいて、L1/L2制御チャネルの部分リソースを指定する。無線基地局は、L1/L2制御チャネルの部分リソースに加えて、データチャネルの部分リソースを固有制御チャネルで指定してもよい。あるいは、データチャネルの割当て領域は、L1/L2制御チャネルに基づいて決定する構成としてもよい。この場合、無線基地局は、固有物理制御チャネルのリソースは準静的に変更し、L1/L2制御チャネルやデータチャネルは動的に変更することができる。
【0091】
図12A、
図12Bは、同じ時間区間において、第1のニューメロロジー用に設定される第1の部分リソース(サブバンド)と、第2のニューメロロジー用に設定される第2の部分リソースを周波数分割(FDM)する場合を示している。また、第1の部分リソースを指定する第1の固有制御チャネルと、第2の部分リソースを指定する第2の固有制御チャネルが割当てられている。ここでは、各ニューメロロジーに対応する固有制御チャネルを周波数分割多重(FDM)する場合を示しているが、固有制御チャネルの割当て方法はこれに限られない。
【0092】
図12Aでは、第1のニューメロロジー(第1の部分リソース)をIoT用(又は、IoTを利用するユーザ端末)に設定し、第2のニューメロロジー(第2の部分リソース)をMBB用(又は、MBBを利用するユーザ端末)に設定する場合を示している。第1の固有制御情報は、IoT用の部分リソース(第1の部分リソース)をユーザ端末に指定し、第2の固有制御情報は、MBB用の部分リソース(第2の部分リソース)をユーザ端末に指定する。なお、
図12Aでは、データチャネルが割当てられないURLLC用の固有チャネルをブランクとする場合を示している。
【0093】
第1の固有制御チャネルで第1の部分リソースが指定されたユーザ端末は、当該第1の部分リソースの中から制御チャネルとデータチャネルを受信することにより、IoTサービスを利用することができる。また、第2の固有制御チャネルで第2の部分リソースが指定されたユーザ端末は、当該第2の部分リソースの中から制御チャネルとデータチャネルを受信することにより、MBBサービスを利用することができる。
【0094】
図12Bでは、第1のニューメロロジー(第1の部分リソース)をURLLC用(又は、URLLCを利用するあるユーザ端末)に設定し、第2のニューメロロジー(第2の部分リソース)をMBB用(又は、MBBを利用するあるユーザ端末)に設定する場合を示している。部分リソースを周波数分割多重(FDM)する場合、各サービス(各ニューメロロジー)に対して離散した周波数を割り当ててもよい。なお、
図12Bでは、データチャネルが割当てられないIoT用の固有チャネルをブランクとする場合を示している。
【0095】
無線基地局は、固有制御チャネルを用いて、各ニューメロロジー用のL1/L2制御チャネルの部分リソースと当該L1/L2制御チャネルでスケジューリングするデータチャネル(DLデータ及び/又はULデータ)の部分リソースとを同時に指定することができる。あるいは、L1/L2制御チャネルの部分リソースだけを通知し、データチャネルの割当てリソース(部分リソース)は当該L1/L2制御チャネルを用いて指定する構成としてもよい。
【0096】
<変形例>
部分リソースを指定するための固有制御チャネルは、ユーザグループ(例えば、同じニューメロロジーを適用するユーザグループ)毎に部分リソースを指定する制御チャネルとすることができる。ユーザグループ毎に設定されるニューメロロジーが異なる場合、固有制御チャネルを、ユーザグループ毎に異なるフレーム構成(例えば、異なるサブキャリア間隔、シンボル長、TTI長)としてもよい(
図13参照)。
【0097】
各固有制御チャネルに適用する構成(サブキャリア間隔、シンボル長、TTI長等)は、スケジューリング情報を送信する制御チャネル(例えば、L1/L2制御チャネル)やデータチャネルと同じ構成とすることができる。この場合、サブキャリア間隔やシンボル長が異なる各ニューメロロジー(サービス)の固有制御チャネルの間にガードバンド(Guard band)を設けた構成としてもよい。これにより、複数の固有制御チャネル間でシンボル長等が異なる場合であっても、固有制御チャネル間で生じる干渉を抑制することができる。
【0098】
(無線通信システム)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記各態様に係る無線通信方法が適用される。なお、上記各態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
【0099】
図14は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。なお、無線通信システム1は、SUPER 3G、LTE−A(LTE−Advanced)、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)などと呼ばれても良い。
【0100】
図14に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a〜12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。セル間で異なるニューメロロジーが適用される構成としてもよい。なお、ニューメロロジーとは、あるRATにおける信号のデザインや、RATのデザインを特徴付ける通信パラメータのセットのことをいう。
【0101】
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用することができる。また、ユーザ端末は、複数のセルとしてライセンスバンドCCとアンライセンスバンドCCを利用することができる。なお、複数のセルのいずれかに短縮TTIを適用するTDDキャリアが含まれる構成とすることができる。
【0102】
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
【0103】
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
【0104】
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0105】
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
【0106】
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでもよい。
【0107】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクにOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクにSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られず、上りリンクでOFDMAが用いられてもよい。
【0108】
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
【0109】
下りL1/L2制御チャネルは、下り制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel))、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認情報(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
【0110】
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報が伝送される。送達確認情報(ACK/NACK)や無線品質情報(CQI)などの少なくとも一つを含む上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)は、PUSCH又はPUCCHにより、伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
【0111】
<無線基地局>
図15は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信部103は、送信部及び受信部で構成される。
【0112】
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0113】
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
【0114】
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。
【0115】
送受信部(送信部)103は、ユーザ端末が通信に利用する部分リソースに関する情報を送信する。例えば、送受信部(送信部)103は、上位レイヤシグナリング(報知情報又はRRCシグナリング)を用いて、ニューメロロジー種別と、当該ニューメロロジーによる通信で利用できる部分リソースに関する情報をユーザ端末に通知することができる。当該上位レイヤシグナリングは、ハンドオーバコマンドに含めてもよい。また、送受信部(送信部)103は、部分リソースに関する情報を、複数の通信パラメータに共通の共通制御チャネル、又は通信パラメータ個別の固有制御チャネルで送信してもよい。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0116】
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
【0117】
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0118】
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
【0119】
図16は、本実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、
図16では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
図16に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部(生成部)302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、を備えている。
【0120】
制御部(スケジューラ)301は、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御信号のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、システム情報、同期信号、ページング情報、CRS(Cell-specific Reference Signal)、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)等のスケジューリングの制御も行う。また、上り参照信号、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号等のスケジューリングを制御する。
【0121】
制御部301は、送受信部(送信部)103の送受信を制御することができる。例えば、制御部301は、部分リソースに対して制御チャネル及び/又はデータチャネルの割当てを制御することができる。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
【0122】
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号(下りデータ信号、下り制御信号を含む)を生成して、マッピング部303に出力する。具体的には、送信信号生成部302は、ユーザデータを含む下りデータ信号(PDSCH)を生成して、マッピング部303に出力する。また、送信信号生成部302は、DCI(ULグラント)を含む下り制御信号(PDCCH/EPDCCH)を生成して、マッピング部303に出力する。また、送信信号生成部302は、CRS、CSI−RSなどの下り参照信号を生成して、マッピング部303に出力する。
【0123】
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成されたDL信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
【0124】
受信信号処理部304は、ユーザ端末20から送信されるUL信号(HARQ−ACK、PUSCH等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。処理結果は、制御部301に出力される。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0125】
<ユーザ端末>
図17は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信部203は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0126】
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。
【0127】
送受信部(受信部)203は、無線基地局から送信されるDL信号(例えば、L1/L2制御チャネル等)を受信する。例えば、送受信部(受信部)203は、通信に利用する部分リソースに関する情報を送信する。また、送受信部(受信部)203は、上位レイヤシグナリング(報知情報又はRRCシグナリング)を用いて、ニューメロロジー種別と、当該ニューメロロジーによる通信で利用できる部分リソースに関する情報を受信することができる(
図7、
図8参照)。
【0128】
また、送受信部(受信部)203は、部分リソースに関する情報を、複数の通信パラメータに共通の共通制御チャネル、又は通信パラメータ個別の固有制御チャネルで受信してもよい(
図9、
図12参照)。共通制御チャネルは、所定の通信パラメータにおいてL1/L2制御チャネルの受信に利用する部分リソースに関する情報、又はL1/L2制御チャネルとデータチャネルの受信に利用する部分リソースに関する情報を含む(
図10参照)。また、共通制御チャネルは、所定タイミングにおける通信がDLデータ通信であるかULデータ通信であるかの情報を含む構成としてもよい(
図11参照)。また、固有制御チャネルは、通信パラメータ毎に異なる無線フレーム構成が適用されてもよい(
図13参照)。
【0129】
送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
【0130】
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
【0131】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
【0132】
図18は、本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、
図18においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
図18に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、判定部405と、を備えている。
【0133】
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号や、下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号(例えば、送達確認信号(HARQ−ACK)など)や上りデータ信号の生成を制御する。具体的には、制御部401は、送信信号生成部402、マッピング部403及び受信信号処理部404の制御を行うことができる。
【0134】
制御部401は、無線基地局から設定される部分リソースに関する情報に基づいて、所定の通信パラメータを利用してUL送信及び/又はDL受信を制御する。例えば、制御部401は、部分リソースの範囲でL1/L2制御チャネル及び下りデータチャネルの受信を制御する(
図7参照)。あるいは、制御部401は、部分リソースの範囲でL1/L2制御チャネルの受信を制御すると共に、受信したL1/L2制御チャネルに基づいて下りデータチャネルの受信を制御する(
図8参照)。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
【0135】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号を生成して、マッピング部403に出力する。例えば、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、送達確認信号(HARQ−ACK)やチャネル状態情報(CSI)等の上り制御信号を生成する。
【0136】
また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
【0137】
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号(上り制御信号及び/又は上りデータ)を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
【0138】
受信信号処理部404は、DL信号(例えば、無線基地局から送信された下り制御信号、PDSCHで送信された下りデータ信号等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401、判定部405に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。
【0139】
受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
【0140】
判定部405は、受信信号処理部404の復号結果に基づいて、再送制御判定(ACK/NACK)を行うと共に、判定結果を制御部401に出力する。複数CC(例えば、6個以上のCC)から下り信号(PDSCH)が送信される場合には、各CCについてそれぞれ再送制御判定(ACK/NACK)を行い制御部401に出力することができる。判定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される判定回路又は判定装置から構成することができる。
【0141】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0142】
例えば、本発明の一実施形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図19は、本発明の一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0143】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0144】
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0145】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0146】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0147】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0148】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0149】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0150】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウスなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカーなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0151】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0152】
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0153】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0154】
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)で構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットで構成されてもよい。さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDMシンボル、SC−FDMAシンボルなど)で構成されてもよい。
【0155】
無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームが送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレームやTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1−13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。
【0156】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0157】
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、RBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0158】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)で構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0159】
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプリフィクス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0160】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスで指示されるものであってもよい。
【0161】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0162】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0163】
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」や「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
【0164】
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
【0165】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
【0166】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))で通知されてもよい。
【0167】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0168】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0169】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。例えば、上述の各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0170】
本出願は、2016年1月29日出願の特願2016−016195に基づく。この内容は、全てここに含めておく。