特許第6791486号(P6791486)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791486
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】発光素子駆動装置及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/375 20200101AFI20201116BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20201116BHJP
【FI】
   H05B45/375
   H01L33/00 J
【請求項の数】18
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-45222(P2019-45222)
(22)【出願日】2019年3月12日
(65)【公開番号】特開2019-194974(P2019-194974A)
(43)【公開日】2019年11月7日
【審査請求日】2019年3月12日
(31)【優先権主張番号】201810421355.6
(32)【優先日】2018年5月4日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】596039187
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】周清和
(72)【発明者】
【氏名】艾祖華
【審査官】 山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−143018(JP,A)
【文献】 特開2013−005501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00 − 45/58
H05B 47/00 − 47/29
H02M 3/00 − 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵素子と、
発光素子を介して前記エネルギー貯蔵素子の正極端に接続されて、電流を前記発光素子に提供し、且つ前記エネルギー貯蔵素子に対して充電するための電源と、
前記電源及び前記エネルギー貯蔵素子に電気的に接続され、且つインダクタを含む電源変換回路と、
を備え、
前記電源変換回路の第1の操作状態で、前記エネルギー貯蔵素子は前記インダクタに対して充電し、前記電源変換回路の第2の操作状態で、前記インダクタは前記電源に放電する発光素子駆動装置。
【請求項2】
前記電源変換回路は、
前記インダクタ及び前記エネルギー貯蔵素子に電気的に接続されて、オンにされる時に、前記エネルギー貯蔵素子が前記インダクタに対して充電することに用いられる第1のスイッチ素子を更に含む請求項1に記載の発光素子駆動装置。
【請求項3】
前記電源変換回路は、
前記インダクタ及び前記電源に電気的に接続されて、オンにされる時に、前記インダクタは前記電源に放電することに用いられる第2のスイッチ素子を更に含む請求項2に記載の発光素子駆動装置。
【請求項4】
前記電源変換回路は、
検出電流が通過するために前記第1のスイッチ素子、前記第2のスイッチ素子及び前記インダクタの中の少なくとも1つに電気的に接続される少なくとも1つの検出素子を更に含み、
前記第1のスイッチ素子は前記検出電流によって、前記第1の操作状態でオンにするか又は前記第2の操作状態でオフにする請求項3に記載の発光素子駆動装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの検出素子は抵抗又は変流器を含む請求項4に記載の発光素子駆動装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの検出素子は、
前記インダクタと直列接続される第1の検出素子と、
前記第1のスイッチ素子と直列接続される第2の検出素子と、
前記第2のスイッチ素子と直列接続される第3の検出素子と、
を含む請求項4又は5に記載の発光素子駆動装置。
【請求項7】
前記電源は、
交流電圧源と、
前記交流電圧源に電気的に接続されて、前記交流電圧源の交流電圧を受け取り、調整電圧を出力するための調整回路と、
前記調整回路に電気的に接続されて、前記調整電圧を受け取るための入力コンデンサと、
を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光素子駆動装置。
【請求項8】
前記第1のスイッチ素子、前記第2のスイッチ素子及び前記インダクタの中の少なくとも1つに流れる電流によって前記第1のスイッチ素子をオン制御又はオフ制御するための制御回路を更に含む請求項3〜6のいずれか一項に記載の発光素子駆動装置。
【請求項9】
前記エネルギー貯蔵素子はコンデンサを含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の発光素子駆動装置。
【請求項10】
前記第2のスイッチ素子はダイオードを含む請求項3〜6のいずれか一項に記載の発光素子駆動装置。
【請求項11】
電源によって、電流を発光素子に提供し、且つエネルギー貯蔵素子に対して充電して、前記電源が前記発光素子の第1端に電気的に接続され、且つ前記エネルギー貯蔵素子の正極端が前記発光素子の第2端に直接接続されることと、
前記電源が前記電流を前記発光素子に連続的に提供する場合には、第1のスイッチ素子をオンにして、前記エネルギー貯蔵素子をインダクタに対して充電させることと、
前記第1のスイッチ素子をオフにして、前記インダクタを前記電源に放電させることと、を含む発光素子の駆動方法。
【請求項12】
前記第1のスイッチ素子をオフにした後、前記インダクタは第2のスイッチ素子によって前記電源に放電する請求項11に記載の発光素子の駆動方法。
【請求項13】
前記第1のスイッチ素子、前記第2のスイッチ素子及び前記インダクタの中の少なくとも1つに流れる検出電流を検出することと、
前記検出電流によって、前記第1のスイッチ素子をオン制御又はオフ制御することと、
を更に含む請求項12に記載の発光素子の駆動方法。
【請求項14】
前記検出電流が所定電流値に達する時に、前記検出電流によって前記第1のスイッチ素子をオフ制御することを更に含む請求項13に記載の発光素子の駆動方法。
【請求項15】
エネルギー貯蔵素子と、
発光素子を介して前記エネルギー貯蔵素子の正極端に接続されて、電流を前記発光素子に提供し、且つ前記エネルギー貯蔵素子に対して充電するための電源と、
前記エネルギー貯蔵素子に電気的に接続されるインダクタと、
前記エネルギー貯蔵素子及びインダクタに電気的に接続されて、オンにされる時に、前記エネルギー貯蔵素子が前記インダクタに対して充電することに用いられる第1のスイッチ素子と、
前記インダクタ及び前記電源に電気的に接続される第2のスイッチ素子と、
を備え、
前記第1のスイッチ素子がオフにされる時に、前記インダクタは前記第2のスイッチ素子によって前記電源に放電する発光素子駆動装置。
【請求項16】
前記エネルギー貯蔵素子はコンデンサを含む請求項15に記載の発光素子駆動装置。
【請求項17】
前記電源は、前記発光素子及び前記エネルギー貯蔵素子に放電するための入力コンデンサを含む請求項15又は16に記載の発光素子駆動装置。
【請求項18】
検出電流が通過するために、前記第1のスイッチ素子、前記第2のスイッチ素子及び前記インダクタの中の少なくとも1つに電気的に接続される少なくとも1つの検出素子をさらに含み、
前記第1のスイッチ素子は前記検出電流によってオフにされる請求項15から17のいずれか1項に記載の発光素子駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は駆動装置に関し、特に発光素子を駆動するように、一部の負荷エネルギーを処理するための高効率変換装置である発光素子駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light−emitting diode、LED)は電流で駆動される発光デバイスであり、主にLEDに流れる電流を制御することによって発光の輝度を調整する。従来技術において、LEDは直流電圧源に接続されて作動する時に、LEDの作動電流は抵抗を直列接続することによって調整され、この回路の利点は回路が簡単であることであり、欠点が低い効率である。他種の従来技術において、電源変換器によってLED電流を調整し、前記抵抗を直列接続することに比べて高い効率を有することは利点であるが、LEDの負荷が完全に電源変換器を通過し、且つ交流電流の商用電源に接続される応用をするように、別の1段式力率補正回路を加えて、2段回路アーキテクチャになるため、システムの全体効率を更に向上させることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
LEDの駆動装置を設計する時に、考慮すべき要因は回路構造の複雑さ、変換効率及び電流の安定性を含み、どのように上記のさまざまな要因を兼ねるかは、現在の1つの重要な課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示内容の一態様は、発光素子駆動装置に関し、前記発光素子駆動装置は正極端が発光素子に直接接続されるエネルギー貯蔵素子と、発光素子を介してエネルギー貯蔵素子の正極端に電気的に接続されて、電流を発光素子に提供し、且つエネルギー貯蔵素子に対して充電するための電源と、電源とエネルギー貯蔵素子を電気的に接続する電源変換回路と、を含む。電源変換回路はインダクタを含み、電源変換回路の第1の操作状態で前記エネルギー貯蔵素子はインダクタに対して充電し、電源変換回路の第2の操作状態で、インダクタは電源に放電する。
【0005】
本開示内容の他の態樣は、発光素子の駆動方法に関し、前記方法は、電源によって電流を発光素子に提供し、且つエネルギー貯蔵素子に対して充電し、電源が発光素子の第1端に電気的に接続され、且つエネルギー貯蔵素子の正極端が発光素子の第2端に直接接続される工程と、電源が前記電流を発光素子に連続的に提供する場合には、第1のスイッチ素子をオンにして、エネルギー貯蔵素子をインダクタに対して充電させ、第1のスイッチ素子をオフにして、インダクタを電源に放電させる工程と、を含む。
【0006】
本開示内容の更に1つの態樣は、発光素子駆動装置に関し、前記発光素子駆動装置はエネルギー貯蔵素子、電源、インダクタ、第1のスイッチ素子及び第2のスイッチ素子を含む。電源は発光素子を介してエネルギー貯蔵素子の正極端に接続されて、電源は電流を発光素子に提供し、エネルギー貯蔵素子に対して充電することに用いられる。インダクタは前記エネルギー貯蔵素子に電気的に接続される。第1のスイッチ素子はエネルギー貯蔵素子とインダクタを電気的に接続され、第1のスイッチ素子がオンにされる時に、エネルギー貯蔵素子は前記インダクタに対して充電することに用いられる。第2のスイッチ素子は前記インダクタ及び前記電源に電気的に接続され、第1のスイッチ素子がオフにされる時に、インダクタは第2のスイッチ素子によって電源に放電することに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示内容の一部の実施例に基づいて描かれた発光素子駆動装置の模式図である。
図2A】本開示内容の一部の実施例に基づいて描かれた発光素子駆動装置の第1の操作状態の模式図である。
図2B】本開示内容の一部の実施例に基づいて描かれた発光素子駆動装置の第2の操作状態の模式図である。
図3】本開示内容の一部の実施例に基づいて描かれた発光素子駆動装置の電流波形図である。
図4】本開示内容の一部の実施例に基づいて描かれた発光素子駆動装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面で本開示内容の複数の実施形態を開示し、明らかに説明するために、多くの実際の細部を下記の叙述で合わせて説明する。しかしながら、理解すべきなのは、これらの実際の細部が、本発明を制限するためのものではない。つまり、本発明の一部の実施形態においては、これらの実際の細部は、必要ないものである。また、図面を簡略化するために、ある従来慣用の構造及び素子は、図面において簡単で模式的に示される。
【0009】
本文において、ある素子が「接続」又は「結合」と呼ばれる時に、「電気的接続」又は「電気的結合」を指すことができる。「接続」又は「結合」も2つ又は複数の素子の間に互いに合わせて操作又は交互することを指すことに用いられることができる。なお、本文において、「第1の」、「第2の」、…などの用語で異なる素子を説明するが、前記用語は同じ技術用語で説明した素子又は操作のみを区別することに用いられる。文脈が明確に示されない限り、前記用語は順序又は順位を特に指し又は暗示しなく、本発明を制限するためのものでもない。
【0010】
LEDの駆動装置について、従来の方法はLEDに抵抗を直列接続して、電源変換器とし、LEDに定電流を持たせることである。このような方法の利点は回路が簡単であることであり、欠点が低効率であり、且つLED仕様により抵抗の調整を行う必要がある。効率問題を改善するために、数多くの改良された電源変換器は設計された。一般的な電源変換器のタイプは降圧コンバータ(Buck Converter)、昇圧コンバータ(Boost Converter)及び昇圧降圧コンバータ(Buck−Boost Converter)を含むが、効率ではすべてまだ改善の余地がある。
【0011】
図1を参照されたい。図1は、本開示内容における発光素子駆動装置100の一部の実施例である。発光素子駆動装置100はエネルギー貯蔵素子C1、電源110及び電源変換回路130を含む。エネルギー貯蔵素子C1の正極端は少なくとも1つの発光素子120の負極端に直接接続される。電源110は発光素子120を介してエネルギー貯蔵素子C1に接続されて、これによって第1の電流I1を発光素子120に提供し、且つエネルギー貯蔵素子C1に対して充電する。一部の実施例において、発光素子120及びエネルギー貯蔵素子C1は互いに直列接続され、且つ発光素子120及びエネルギー貯蔵素子C1の直列接続ブランチが電源110に並列接続される。特に説明すべきなのは、図1の電源110は単に模式図であり、当業者は任意の電力を発光素子に提供することができるものが電源110と呼ばれてよいと理解することができる。一部の実施例において、エネルギー貯蔵素子C1は、例として、アルミコンデンサ、メタライズドフィルムコンデンサ、積層セラミックコンデンサ又は他のタイプのコンデンサなどのコンデンサを含み、発光素子120はLEDを含むが、これに限定されない。
【0012】
電源変換回路130は電源110及びエネルギー貯蔵素子C1に電気的に接続される。電源変換回路130にはインダクタL1を少なくとも含む。電源変換回路130が第1の操作状態にある時に、エネルギー貯蔵素子C1はインダクタL1に対して充電する。電源変換回路130が第2の操作状態にある時に、インダクタL1が前記電源110に放電して、放電エネルギーリサイクル(energy−recycling)の機能を実現する。
【0013】
本開示内容の原理はインダクタL1を制御することによって繰り返して充放電を行い、これによって、エネルギー貯蔵素子C1のエネルギーがインダクタL1によって、電源110にエネルギーリサイクルする。これによって、エネルギー貯蔵素子C1でのクロス電圧を制御して、発光素子120でのクロス電圧及び第1の電流I1の大きさを安定化させる。
【0014】
本開示内容に使用される回路アーキテクチャは、電源110の出力を発光素子120及びエネルギー貯蔵素子C1の直列接続ブランチに並列接続する。この回路アーキテクチャで、駆動装置100に「V110=V120+VC1」の現象を形成する。電源110両端のクロス電圧(V110)は、発光素子120及びエネルギー貯蔵素子C1のクロス電圧の総和に等しい。本開示内容において、電源変換回路130が一部の負荷エネルギーだけを処理すればよい、且つ放電エネルギーリサイクルを有するので、従来の電源変換器に比べて、駆動装置100はより良い変換効率を有する。特に、電源110は別の1段式変換回路の出力として発光素子120に供電する時に、本開示内容の改善できる全体の変換効率はより明らかである。
【0015】
一部の実施例において、電源110は交流電圧源111、調整回路112及び入力コンデンサC2を含む。調整回路112は交流電圧源111に電気的に接続されて、交流電圧源111に発生した交流電圧を受け取って、調整電圧を出力する。一部の実施例において、調整回路112は力率補正回路(Power Factor Correction、PFC)、高電圧直流伝送回路(High Voltage Direct Current、HVDC)又はブリッジ整流器である。一部の実施例において、電源110は電池であってもよい。入力コンデンサC2は調整回路112の出力に電気的に接続され、調整電圧を受け取って、且つ発光素子120及びエネルギー貯蔵素子C1に給電することに用いられ、これによって第1の電流I1を発光素子120に提供する。一部の実施例において、入力コンデンサC2と発光素子120及びエネルギー貯蔵素子C1の直列接続ブランチが並列接続され、且つインダクタL1の放電エネルギーリサイクルのエネルギーを受け取ることに用いられる。
【0016】
一部の実施例において、発光素子駆動装置100の電源変換回路130には第1のスイッチ素子W1及び第2のスイッチ素子W2を更に含む。第1のスイッチ素子W1はインダクタL1及びエネルギー貯蔵素子C1に電気的に接続される。第2のスイッチ素子W2はインダクタL1及び電源110に電気的に接続される。第1のスイッチ素子W1がオンにされる時に、エネルギー貯蔵素子C1は前記インダクタL1に対して充電することに用いられ、ここで充電とは、インダクタL1に流れる第2の電流I2を次第に上昇してエネルギーを貯蔵することを示す。第2のスイッチ素子W2がオンにされるか又は第1のスイッチ素子W1がオフにされる時に、インダクタL1は電源110に放電されることに用いられる。従来の電源変換器に比べて、本開示内容に使用される回路アーキテクチャは電源110に発光素子120とエネルギー貯蔵素子C1を通過した1つの電流経路を提供して、このため変換効率を向上させることができる。
【0017】
当業者が理解しやすいために、以下、発光素子駆動装置の動作モードを次第に説明する。図1〜3を参照されたい。図2A及び2Bはそれぞれ電源変換回路130が第1の操作状態及び第2の操作状態にある模式図である。図3は発光素子駆動装置100での各電流の波形図である。
【0018】
まず、図1に示すように、電源110が放電し始める時に、電源110は第1の電流I1を発光素子120に提供し、且つ電源110は更に発光素子120によってエネルギー貯蔵素子C1に対して充電する。
【0019】
エネルギー貯蔵素子C1に貯蔵された電圧が上昇することに伴って、発光素子120に提供された第1の電流I1は次第に減少し(図3に示すように、第1の電流I1の電流変動幅が極めて小さく、全体の電流が約0.90ミリアンペル〜1.05ミリアンペルの間にあり、安定した直流と見なすことができる)、電源変換回路130は第1の操作状態に入る。図2Aに示すように、第1の操作状態において、電源110はまだ第1の電流I1を発光素子120に連続的に提供する。この時に、第1のスイッチ素子W1はオンにされて、これによって第1のスイッチ素子W1、エネルギー貯蔵素子C1がインダクタL1とともに充電経路P1を形成し、且つエネルギー貯蔵素子C1はインダクタL1に対して充電する。図2A及び図3に示すように、電源変換回路130が第1の操作状態にある時に、インダクタL1に第2の電流I2を形成し、且つ充電段階T1において、第2の電流I2は次第に上昇する。同時に、第1のスイッチ素子W1にも第3の電流I3が流れる。
【0020】
図2B及び図3を参照されたい。第1のスイッチ素子W1がオフにされる時に、電源変換回路130は第2の操作状態に入る。第2の操作状態にある時に、電源110は依然として第1の電流I1を発光素子120に提供し、インダクタL1に貯蔵された電力が順調に第2のスイッチ素子W2を通過して、放電経路を形成する。一部の実施例において、第1のスイッチW1は制御可能なスイッチであり、第2のスイッチ素子W2はダイオード又は制御可能なスイッチである。制御可能なスイッチは金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(metal−oxide−semiconductor field effect transistor、MOSFET)、窒化ガリウム(gallium nitride、 GaN)又はバイポーラトランジスタ(bipolar transistor、BJT)であってよいが、これに限定されない。前記第2のスイッチW2はダイオードであると、ダイオードの正極端が前記インダクタL1に電気的に接続され、第1のスイッチ素子W1がオフにされる時に、インダクタL1の電気的特性は前記第2の電流I2を維持するので、前記第2の電流I2は前記第2のスイッチ素子W2の方向へ流動する。この時に、第2のスイッチ素子W2がオンにされ、且つ第2のスイッチ素子W2に第4の電流I4が流れる。第2のスイッチ素子W2は制御可能なスイッチ、即ち当業者の公知の同期整流(synchronous rectification)を使用してもよく、これによって消耗を更に低減させ、ここで繰り返して説明しない。インダクタL1、第2のスイッチ素子W2、電源110及びエネルギー貯蔵素子C1は放電経路P2を形成する。インダクタL1はエネルギーリサイクル段階T2において、その貯蔵された電力を電源110に放電(又はエネルギーリサイクル)する。
【0021】
一部の実施例において、第1のスイッチ素子W1は基準信号によって、オン又はオフの間で変換し、インダクタL1が繰り返して充放電過程(即ち、図3に示す充電段階T1及びエネルギーリサイクル段階T2)を行い、これによって、エネルギー貯蔵素子C1のクロス電圧を所定値に保持させることができ、これによって発光素子120を定電流(以上のように、第1の電流I1の変動幅が第1の電流I1の電流量よりはるかに小さく、このため定電流と見なすことができる)に動作させ、且つ発光強度の一致性を維持する。
【0022】
一部の実施例において、電源変換回路130は連続導通モード(Continuous Conduction Mode;CCM)で操作されることができる。電源変換回路130がCCMで操作される時に、電源変換回路130における電流平均値(例えば第2の電流I2の平均値)を第1の電流I1的平均値に等しいように制御する。
【0023】
前記目的を達成するために、電源変換回路130は対応する制御方法を使用することができ、一部の実施例において、電源変換回路130はCCMとDCMの境界条件(Boundary Conduction Mode;BCM)に更に制御される時に、駆動装置100での電気的特性は式「I=(I2−peak)/2」に符合し、即ち、発光素子120での第1の電流I1は、電源変換回路130におけるピーク電流(例えばインダクタL1に流れる第2の電流I2)の半分に等しい。
【0024】
例として、電源110で提供された入力電圧が48ボルトであると、インダクタL1のインダクタ値が40uHであり、発光素子120の予想作動状態が36ボルト及び1050ミリアンペルであり、第1のスイッチ素子W1が100kHz及び周期78%に作動される。この時に、エネルギー貯蔵素子C1のクロス電圧が12ボルトであるべき、且つ電源変換回路130におけるピーク電流が2100ミリアンペルである。
【0025】
電源変換回路130がBCMで操作される時の特性(即ち、前記式)によって、駆動装置100は電源変換回路130の電流値を検出することによって、電源変換回路130が第1の操作状態又は第2の操作状態に入るように制御する。一部の実施例において、発光素子駆動装置100の電源変換回路130には制御回路131を更に含む。制御回路131は基準信号によって、制御信号を第1のスイッチ素子W1に出力することに用いられ、これによって第1のスイッチ素子W1をオン制御又はオフ制御する。制御回路131は更に第1のスイッチ素子W1、第2のスイッチ素子W2及びインダクタL1の中の少なくとも1つに流れる検出電流によって、第1のスイッチ素子W1のオン又はオフの時間点を改変する。
【0026】
例として、検出電流が所定電流値(例えば2100ミリアンペル)に達する時に、制御回路131は第1のスイッチ素子W1をオフにして、電源変換回路130が第2の操作状態に入る。一部の実施例において、制御回路131は第1のスイッチ素子W1をオンにするように制御する時に、第1のスイッチ素子W1、エネルギー貯蔵素子C1及びインダクタL1は充電経路P1を形成する。一方、制御回路131は第1のスイッチ素子W1をオフにするように制御する時に、オンにされた第2のスイッチ素子W2、インダクタL1及び前記電源110は放電経路P2を形成する。
【0027】
図4を参照されたい。図4は、本開示内容の発光素子駆動装置100の他の実施例である。発光素子駆動装置100はエネルギー貯蔵素子C1、電源110及び電源変換回路130を含む。エネルギー貯蔵素子C1、インダクタL1、電源110、発光素子120、電源変換回路130、第1のスイッチ素子W1、第2のスイッチ素子W2及び制御回路131の機能はすべて図1に示す実施例の素子と類似しているので、ここで繰り返して説明しない。図1に示す実施例に比べて、電源変換回路130は少なくとも1つの検出素子(例えば図4に示すR1、R2又はR3)を更に含み、検出電流が通過するために、検出素子は第1のスイッチ素子W1、第2のスイッチ素子W2及びインダクタL1の中の少なくとも1つに電気的に接続される。第1のスイッチ素子W1は検出電流の大きさによって、第1の操作状態でオンにされるか、又は前記第2の操作状態でオフにされる。一部の実施例において、検出素子は抵抗又は変流器(current transformer)を含むが、これらに限定されない。
【0028】
一部の実施例において、図4に示すように、電源変換回路130には第1の検出素子R1、第2の検出素子R2及び第3の検出素子R3を含む。第1の検出素子R1は第2の電流I2が流れるために前記インダクタL1と直列接続される。第2の検出素子R2は第3の電流I3が流れるために第1のスイッチ素子W1と直列接続される。第3の検出素子R3は第4の電流I4が流れるための第2のスイッチ素子W2と直列接続される。
【0029】
以上のように、電源変換回路130の全体操作がBCMに属すると、発光素子120での第1の電流I1は、電源変換回路130におけるピーク電流(例えばインダクタL1に流れる第2の電流I2ピーク)の半分に等しい。このため、一部の実施例において、電源変換回路130は第1のスイッチ素子W1、第2のスイッチ素子W2及びインダクタL1の中の少なくとも1つに流れる検出電流(例えば第2の電流I2、第3の電流I3又は第4の電流I4)を検出して、更に検出電流によって第1のスイッチ素子W1をオン制御又はオフ制御する。例として、発光素子120は理想的な光強度が発生する時に、必要な第1の電流I1が1050ミリアンペルであると、発光素子駆動装置100は第1の電流I1の2倍(即ち、2100ミリアンペル)を所定電流値とすることができる。電源変換回路130は検出電流が所定電流値に達すると検出した時に、制御回路131は第1のスイッチ素子W1をオフにするように制御して、これによって、電源変換回路130を第2の操作状態に入らせる。他の一部の実施例において、発光素子120に電流検出素子(例えば抵抗)を直列接続してよく、これによって、電源変換回路130も発光素子120での第1の電流を検出してよく、且つ第1の電流が所定電流値に達する時に、制御回路131は第1のスイッチ素子W1をオフにするように制御する。
【0030】
本開示内容の一目的は、発光素子120に流れる第1の電流I1を安定的に維持することにある。他の実施例において、発光素子120の発光強度を調整しようとすると、所定電流値の値を改変することによって、発光素子120での第1の電流I1に対応する変化が発生する。図3を参照されたい。所定電流値が変わる時に、電源変換回路130が第2の操作モードに入る時間もそれに伴って変化する。例として、所定ピーク電流(例えば2300ミリアンペルまで増加する)を増加することによって、充電段階T1の時間を延長させ、発光素子120での第1の電流I1もそれに伴って増加(即ち、2300ミリアンペルの半分の1150ミリアンペル)し、このように、発光素子120からの光強度を高精度に改変し、調光機能を実現することができる。
【0031】
本発明の実施形態を前述の通りに開示したが、これは、本発明を限定するものではなく、当業者なら誰でも、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修正を加えることができ、したがって、本発明の保護範囲は、後に付いた特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0032】
100 発光素子駆動装置
110 電源
111 交流電圧源
112 調整回路
120 発光素子
130 電源変換回路
131 制御回路
C1 エネルギー貯蔵素子
C2 入力コンデンサ
L1 インダクタ
R1 第1の検出素子
R2 第2の検出素子
R3 第3の検出素子
W1 第1のスイッチ素子
W2 第2のスイッチ素子
P1 充電経路
P2 放電経路
I1 第1の電流
I2 第2の電流
I3 第3の電流
I4 第4の電流
T1 充電段階
T2 エネルギーリサイクル段階
図1
図2A
図2B
図3
図4