(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像取得部は、ある商品が配置された位置を基準とする所定範囲を撮像した画像を取得すると、所定の期間は同じ位置を基準とした画像を取得しない、ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の商品管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る商品棚割管理装置及び商品棚割管理方法について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施例による商品棚割管理装置(以下、商品管理装置と称する)10の最小構成を示すブロック図である。商品管理装置10は、画像取得部14と配置状況判定部16を具備している。ここで、商品管理装置10としてCPUを備えたコンピュータを適用することができる。画像取得部14は、商品の配置状況に変化が生じると推定される場合に、その変化が生じると推定される商品の位置を含む画像を取得する。尚、画像取得部14は動画又は静止画を取得してもよい。配置状況判定部16は、画像取得部14が取得した画像に写る商品が所定の種別であるか所定の配置状況であるかを判定する。
【0014】
図2は、本発明の一実施例に係る商品管理装置10の詳細な構成を示すブロック図である。商品管理装置10は、商品の種別と配置状況が適切であるか、商品の数や配置方法が適切かどうかを検査する。例えば、配置状況とは商品の個数、商品が商品棚の何列・何行に並べられているかを意味する。以下、商品の種別と配置状況が適切かどうかを調べることを商品配置検査と称する。
【0015】
商品管理装置10は、位置特定部11、撮像装置制御部12、人物検出部13、画像取得部14、商品認識部15、配置状況判定部16、商品購入情報取得部17、実行判定部18、出力部19、通信部20、及び記憶部21を具備する。ここで、画像取得部14及び配置状況判定部16は
図1に示す最小構成に含まれている。
【0016】
位置特定部11は、商品の配置状況に変化が生じると推定される位置を特定する。撮像装置制御部12は、撮像装置(不図示)の移動、撮像の開始・停止を制御する。人物検出部13は、撮像装置が撮像した画像に写った人物によって商品の配置状況に変化が生じるかどうかを検出する。商品認識部15は、予め準備された商品データベース(不図示)に登録されている商品の画像に基づいて撮像装置が撮像した画像に写った物体がどの商品であるかを認識する。商品購入情報取得部17は、顧客により購入された商品の情報を取得する。例えば、商品情報とは顧客がどの商品を何個購入したかを意味する。実行判定部18は、商品配置検査を実行するか判定する。出力部19は、商品管理装置10に接続された表示装置にメッセージを出力する。例えば、出力部19は現在の棚割状況や店員に商品の陳列作業を促すようなメッセージを出力する。通信部20は、外部装置との通信を行う。記憶部21は、商品の画像を登録した商品データベース、どの商品棚が店舗内のどこにあるかを示す地図情報データベース、どの商品をどの棚に少なくとも何個陳列する必要があるかを示す商品棚割データベースなどの種々の情報を記憶している。
【0017】
図3は、本発明の一実施例に係る商品棚割管理システムが適用された店舗のレイアウトを示す。店舗のフロア100には、商品棚101乃至104及び監視用撮像装置105が備えられている。また、移動式撮像装置108がフロア100上に備えられている。
図3では、店員106がフロア100を巡回して商品棚101乃至104を目視で確認し、かつ、顧客107が商品棚103に陳列されている商品を選んでいる。また、別の店員109はレジスタ110を用いて客の購入商品に対する金銭支払や清算を行なっている。
図3に示す商品棚割管理システムは商品管理装置10と移動式撮像装置108を具備する。
【0018】
移動式撮像装置108は、フロア100を移動して商品棚101乃至104に陳列された検査対象となる商品の配置位置を基準とする所定の範囲の画像を撮像する。所定の範囲とは、例えば、ある商品についての説明用札(例えば、POP広告)も写し出されるように、当該商品の配置位置全体を含む。移動式撮像装置108により撮像される画像は商品管理装置10の商品配置検査に供される。
【0019】
例えば、移動式撮像装置108として自動追尾機能と撮像装置を備えた無人飛行体(ドローン)を採用してもよい。無人飛行体は、店員106が身に着けている携帯端末装置と無線通信を行う。また、無人飛行体は携帯端末装置の位置情報を取得し、予め定められた携帯端末装置との相対的な位置関係を保持するように店員106の動きを追尾する。自動追尾方法として、移動式撮像装置108によって撮像された画像から画像認識によって店員106を識別して店員106を追尾するようにしてもよい。
【0020】
無人飛行体の移動方法として、自動追尾機能によって店員106の後方を一定の距離を保って移動してもよい。また、商品管理装置10の撮像装置制御部12からの指示信号によって無人飛行体の位置を制御することも可能である。この場合、例えば、無人飛行体にはGPS装置が備えられており、現在の位置を商品管理装置10に送信する。撮像装置制御部12は、予め定められた目標位置と無人飛行体から取得した位置情報とに基づいて無人飛行体がどの方向に進むかを指示する信号を通信部20を介して無人飛行体に送信する。また、撮像装置制御部12は無人飛行体が目標位置に到着すると停止するよう命令する信号を無人飛行体に送信する。尚、無人飛行体の自動追尾モードと撮像装置制御部12による無人飛行体の位置制御モードとは切り替え可能となっている。
【0021】
無人飛行体に設けられた撮像装置は、例えば、進行方向の画像を撮像できるものであってもよい。また、無人飛行体の周囲360度の範囲の画像を撮像できるものであってもよい。撮像装置制御部12が撮像の開始を指示すると、移動式撮像装置108は撮像を開始する。また、撮像装置制御部12が撮像の停止を指示すると移動式撮像装置108は撮像を停止する。移動式撮像装置108は、撮像した画像を商品管理装置10に送信する。
【0022】
商品管理装置10では、画像取得部14が移動式撮像装置108の撮像した画像を取得して商品認識部15へ送出する。商品認識部15は画像を分析して、当該画像に写った物体がどの商品であるかを公知の画像認識技術により認識する。例えば、商品認識部15は記憶部21に格納された商品データベースに登録された種々の商品の画像における複数の特徴点と撮像された物体の画像における複数の特徴点とを比較して、一致する特徴点の数が最も多い商品を画像取得部14が取得した画像に写し出された商品であると特定する。また、商品認識部15は画像に写し出された商品を特定するとともに、画像にどの商品が何個写し出されているかを算定する。例えば、商品認識部15は商品データベースに登録された商品の画像の輪郭や包装の絵柄の特徴点と、画像取得部14から取得した画像に写った物体の輪郭や特徴点とを比較して、特定した商品が何個画像に写っているかを算定する。更に、商品認識部15は特定した商品の画像に対する位置情報から互いの位置関係を算定して、当該商品が商品棚において何行・何列で配置されているかを算定してもよい。
【0023】
商品認識部15が商品棚に陳列された商品の種別及び数を特定すると、配置状況判定部16は当該商品について適切な商品配置が行なわれているかを判定する。例えば、配置状況判定部16は記憶部21に格納された商品棚割データベースに登録された各商品についての配置位置とその最低個数に基づいて、その商品が商品棚の正しい位置に配置されているか、適切な数の商品が商品棚に配置されているかを検査する。商品棚に配置されている商品の数が不足している場合、例えば、配置状況判定部16は出力部19を介して「商品AがX個足りない」というメッセージを表示装置に出力する。
【0024】
図3に示す商品棚割管理システムにおいて、監視用撮像装置105はフロア100全体の様子を撮像した画像を商品管理装置10に送信する。監視用撮像装置105の撮像した画像には店員106や顧客107の様子が映し出されている。尚、監視用撮像装置105は1台だけ設けてもよいが、商品棚101乃至104付近の全体の様子が写るように複数台設けてもよい。
【0025】
商品管理装置10において、画像取得部14が監視用撮像装置105の撮像した画像を取得して人物検出部13へ送出する。人物検出部13は、公知の画像認識技術によって画像を分析して当該画像に写った人物が店員であるか顧客であるかを識別することや、画像に写った人物の行動を認識することができる。例えば、店員であれば予め顔画像が記憶部21に記憶されており、人物検出部13は画像に写った人物の顔画像と記憶部21に記憶された店員の顔画像とを照合して、その人物が店員であるかどうかを識別する。また、人物検出部13は画像に写った人物の服装が店員用の制服であれば、その人物を店員であると識別してもよい。人物検出部13は、画像に写る人物が店員と識別できない場合、その人物を顧客として識別する。また、人物検出部13は画像に写る人物の行動(例えば、「人物が商品棚に手を伸ばして商品を手に取った」、「人物が商品棚の前で周りを見回した」といった行動)を複数の時系列の画像から人物の腕の動きや顔の向きの変化を検出するなどの公知の画像認技術によって認識することができる。
【0026】
図3に示す商品棚割管理システムにおいて、レジスタ110は商品管理装置10と接続されている。レジスタ110は、バーコード読み取り装置を備えている。店員109がバーコード読み取り装置を用いて顧客107の購入した商品に付されたバーコードを読み取ると、その商品の識別情報を取得してレジスタ110の記憶部に記憶する。ここで、店員109が商品のバーコード読み取りを完了し、かつ、顧客107が商品代金の支払を完了すると、店員109による完了操作により、レジスタ110は顧客107が購入した商品の識別情報を商品管理装置10に送信する。
【0027】
本実施例に係る商品管理装置10は、移動式撮像装置108や監視用撮像装置105によって撮像された画像に写った店員106や顧客107の動作や、レジスタ110から送信された購入商品の識別情報をトリガにして、商品棚に陳列された商品の配置状況に変化が生じると推定された場合に商品配置検査を行う。
【0028】
図4A乃至
図4Cは、本実施例に係る商品管理装置10の記憶部21に記憶されたデータテーブルの一例を示す。具体的には、
図4Aは記憶部21に格納された商品データベースに登録された商品テーブルの一例を示す。
図4Bは、記憶部21に格納された地図情報データベースに登録された地図情報テーブルの一例を示す。
図4Cは、記憶部21に格納された商品棚割データベースに登録された商品棚割テーブルの一例を示す。
【0029】
図4Aの商品テーブルは、「商品ID」、「商品画像1」〜「商品画像N」の項目を有している。「商品ID」には商品の識別情報が記録されている。「商品画像1」乃至「商品画像N」には商品を種々の角度から撮像した画像が記録されている。同じ商品でも正面から撮像した画像と背面から撮像した画像では異なることがある。例えば、顧客が商品を手に取って、商品を誤って背面が手前になるようにして商品棚に戻した場合に、商品テーブルに商品の正面から撮像した画像しか記録されていないと、商品管理装置10は正しく商品を認識することができない。従って、商品テーブルには1つの商品について複数の画像を記録することができる。尚、必ずしも一つの商品についてN個の画像を記録する必要はない。
【0030】
図4Bの地図情報テーブルは、「棚ID」及び「位置情報」の項目を有している。「棚ID」には、商品棚の識別情報が記録されている。「位置情報」には、各商品棚の位置情報が記録されている。位置情報とは、例えば、フロア100のある隅を原点とするその棚の位置の3次元座標である。
図4Bにおいて、棚ID「001」の位置情報は(x、y、z)であり、これは
図3のフロア100においてx方向にxメートル、y方向にyメートル、z方向(即ち、高さ方向)にzメートルの位置を示している。つまり、棚ID「001」の商品棚はフロア100内の位置情報(x、y、z)が示す位置に配置されている。
【0031】
図4Cの商品棚割テーブルは、「棚ID」、「商品ID」、「最低個数」、「現在個数」、「最終チェック時刻」の項目を有している。「棚ID」には商品棚の識別情報が記録され、「商品ID」には商品の識別情報が記録されている。「最低個数」には、「商品ID」の商品を「棚ID」の商品棚に配置する最低限の個数が記録されている。「現在個数」には「棚ID」の商品棚に現在配置されている「商品ID」の商品の個数が記録されている。「最終チェック時刻」には「棚ID」の商品棚に配置されている「商品ID」の商品に対して最後に商品配置検査を行った時刻が記録されている。尚、各商品が商品棚の何行・何列で配置されるべきかを示す情報を商品棚割テーブルに記録してもよい。
【0032】
図5は、本実施例に係る商品管理装置10の第1の処理手順を示すフローチャートである。具体的には、商品検品作業における商品管理装置10は処理手順を示す。
先ず、実行判定部18が商品配置検査すべき商品棚が存在するか否かを判定する(ステップS11)。この判定処理の具体例については後述する。ここでは、商品管理装置10が毎日の所定時刻になったら商品配置検査を実行するようにスケジュールされている場合について説明する。実行判定部18は、記憶部21に予め記録された商品配置検査の開始時刻と現在時刻を比較し、両者が一致すれば商品配置検査すべき商品棚が存在すると判定する。商品配置検査すべき商品棚が存在しない場合(ステップS11:NO)、
図5の処理フローは終了する。一方、商品配置検査すべき商品棚が存在する場合(ステップS11:YES)、実行判定部18は商品配置検査の開始を位置特定部11に指示する。
【0033】
位置特定部11は、商品配置検査すべき商品棚の位置情報を取得する(ステップS12)。全ての商品棚について商品配置検査を行なう場合、位置特定部11は商品棚の検査順序に従って商品配置検査すべき商品棚の識別情報(棚ID)を記憶部21から読み出して、地図情報テーブルから棚IDに対応する位置情報を読み出す。位置特定部11は、棚IDに対応する位置情報を撮像装置制御部12と配置状況判定部16に送出する。
【0034】
撮像装置制御部12は、移動式撮像装置108を商品配置検査すべき商品棚へ移動させる(ステップS13)。撮像装置制御部12は通信部20を介して移動式撮像装置108と通信することで移動式撮像装置108の現在の位置情報を取得する。撮像装置制御部12は、移動式撮像装置108の現在の位置情報と位置特定部11が取得した商品棚の位置情報に基づいて、移動式撮像装置108が移動すべき方向を算定する。次に、撮像装置制御部12は移動式撮像装置108を上記の移動方向に移動させる指示信号を生成して通信部20を介して移動式撮像装置108に送信する。撮像装置制御部12は、移動式撮像装置108が商品配置検査すべき商品棚の撮像位置へ到達するまで上記の処理を繰り返す。
【0035】
次に、移動式撮像装置108が撮像位置に到達したと判定すると、撮像装置制御部12は移動式撮像装置108の向きを調整する。例えば、撮像対象となる商品棚を正面から撮像すると予め定められている。移動式撮像装置108の位置と撮像対象の商品棚のy方向及びz方向の位置が一致する場合、撮像装置制御部12は移動式撮像装置108の向きを90度変更する制御を行なう。次に、撮像装置制御部12は移動式撮像装置108に商品棚の撮像を指示する(ステップS14)。移動式撮像装置108は、商品棚の画像を商品管理装置10へ送信する。商品管理装置10では、画像取得部14が通信部20を介して移動式撮像装置108が撮像した画像を取得する。次に、商品認識部15が商品配置情報を算出する(ステップS15)。商品配置情報はどの商品が商品棚に何個配置されているかを示す。例えば、商品認識部15は商品テーブルに記録された種々の商品の画像と画像取得部14が取得した撮像画像とを比較して、撮像画像に最も近い特徴点を有する商品画像を当該撮像画像に写った商品として特定する。また、商品認識部15は特定した商品が撮像画像に何個写っているかを画像認識によって検知する。更に、商品認識部15は特定した商品が商品棚に何行・何列で配置されているかを画像認識によって検知してもよい。
【0036】
次に、商品認識部15は特定した商品の識別情報(商品ID)、撮像画像に写った商品の商品配置情報(商品個数等)を配置状況判定部16へ送出する。ここで、商品テーブルに商品を種々の姿勢で置いたときの画像を予め記録しておき、その商品画像の特徴点と撮像画像の特徴点とをパターンマッチングしてもよい。この場合、商品認識部15は特定した商品の配置姿勢(例えば、商品の縦置き・横置きや、商品を後ろ向きに置くこと)を推定して、商品ID、商品個数、商品の配列数とともに商品の配置姿勢に係る情報を配置状況判定部16へ送出してもよい。
【0037】
配置状況判定部16は、商品棚における商品の配置状況が正しいか否かを判定する(ステップS16)。例えば、配置状況判定部16は商品認識部15から取得した商品IDおよび位置特定部11から取得した棚IDに基づいて商品棚割テーブルを参照して、棚IDと商品IDの組合せに対して定められた商品の最低個数を読み出す。そして、配置状況判定部16は商品の最低個数と商品認識部15が画像認識により取得した商品の個数を比較する。商品の個数が最低個数以上であれば商品配置状況は正しいと判定する。一方、商品の個数が最低個数未満であれば商品配置状況は不正であると判定する。また、商品認識部15が画像認識により取得した商品の種類が複数存在する場合(即ち、複数の商品IDが検出された場合)がある。ここで、複数の商品ID内のある商品IDと棚IDに基づいて商品棚割テーブルを参照しても該当するレコードが存在しない場合、当該商品IDが示す商品は棚IDが示す商品棚に配置すべきではないと考えられる。この場合も、配置状況判定部16はその商品の配置状況が不正であると判定する。
【0038】
上記の商品棚割テーブルに各商品を商品棚に配置する際の行数や列数の数値を規定することがある。ここで、商品認識部15が画像認識により取得した商品棚に配置された商品の行数や列数が商品棚割テーブルに記録された数値と異なる場合も、配置状況判定部16はその商品の配置状況が不正であると判定してもよい。また、商品認識部15が商品の配置姿勢を取得した場合、例えば、配置状況判定部16はその商品の配置姿勢が後ろ向きであれば配置状況が不正であると判定してもよい。また、配置状況判定部16は商品の配置状況に加えて商品札の設置についても適切であるかどうかを判定してもよい。例えば、商品認識部15が画像認識により商品札の設置位置や傾きを算定し、配置状況判定部16が予め定められた商品札の設置位置情報と比較して商品札の設置が正しいかどうかを判定してもよい。
【0039】
配置状況判定部16は、商品配置状況が不正であると判定すると(ステップS16:NO)、その不正判定の原因に係る情報を出力部19へ送出する。不正判定の原因に係る情報とは、例えば、「棚ID:001、商品ID:A、不足個数:2個」などである。出力部19は、商品配置状況の不正判定の原因に係る情報に基づいて、商品配置状況に問題がある商品棚が記載されたエラーリストを出力する。店員106は、エラーリストに記載された商品棚に行って商品を補充したり、商品を適切に並べ替えたりする。
【0040】
配置状況判定部16が商品配置状況が正しいと判定した場合(ステップS16:YES)、或いは、出力部19がエラーリストを出力すると、配置状況判定部16は商品棚割テーブル中の商品IDや棚IDに対応するレコードの「現在個数」項目の数値を商品認識部15から取得した商品の個数で更新する。また、配置状況判定部16は商品棚割テーブルの当該レコードの「最終チェック時刻」項目の数値を現在時刻で更新する(ステップS18)。その後、ステップS11に戻り、商品配置検査すべき商品棚が存在する間は上述の処理を繰り返す。
【0041】
本実施例に係る商品棚割管理システムにより、店舗の店員が手作業で商品棚に陳列された商品を撮像することや、商品にRFIDタグを付けるような手間をかけることなく、自動的に商品配置検査を行なうことができる。また、本実施例は市販されている撮像装置付きの無人ヘリコプタを利用することにより実現することができる。尚、ステップS15において商品配置の認識対象となる商品の種別を複数設けてもよい。
【0042】
図5の処理手順では、予め定められた時刻に予め定められた順番で商品棚の商品配置検査を行なうものとして説明した。しかし、本実施例の商品棚割管理システムでは、商品配置状況に変化が生じると推定された場合に、その変化が生じると推定された位置を特定し、その特定した位置に存在する商品棚について商品配置検査を行うことが可能である。次に、この機能を具現化する処理について
図6乃至
図11を参照して詳細に説明する。
【0043】
図6は、商品管理装置10の第2の処理手順を示すフローチャートである。第2の処理手順では、顧客が商品を購入することによって商品棚の商品の配置状況に変化が生じるときに実行判定部18が商品配置検査を実行するかどうかを決定する。
図3において、顧客107が商品を購入して料金支払いを行なうとき、店員109がバーコード・リーダで商品情報を読み取って入力処理を行なうと、レジスタ110は当該商品の商品IDと購入した個数を商品管理装置10へ送信する。商品管理装置10では、商品購入情報取得部17が通信部20を介して商品IDを取得する(ステップS21)。商品購入情報取得部17は、商品IDに基づいて商品棚割テーブルを参照して、商品IDに係るレコードの「現在個数」の数値を顧客107が購入した商品の個数分減じた値で更新する(ステップS22)。尚、同一の商品が複数の商品棚に分散して陳列されている場合、商品購入情報取得部17は商品棚割テーブル内の同一の「商品ID」に係る全てのレコードに対して「現在個数」の数値から商品の購入個数を減ずるような更新処理を行なう。
【0044】
商品購入情報取得部17が商品棚割テーブル内の購入商品の「商品ID」に対応する「現在個数」項目の数値を更新すると、配置状況判定部16は商品配置状況が正しいかどうかを判定する(ステップS23)。具体的には、配置状況判定部16は商品棚割テーブル内の「最低個数」の数値と「現在個数」の数値を比較して、「現在個数」の数値が「最低個数」の数値未満であれば商品配置状況が正しくないと判定する。尚、同じ商品が複数の商品棚に分散して陳列されている場合、配置状況判定部16は商品棚割テーブル内の同一の「商品ID」に係る全てのレコードについて商品配置状況が正しいかどうかを判定する。配置状況判定部16は、同一の「商品ID」に係る全てのレコードで購入商品の個数分減算した後の「現在個数」の数値が「最低個数」の数値以上であれば、商品配置状況が正しいと判定する。また、同一の「商品ID」に係る全てのレコードのうち1つのレコードについて商品配置状況が正しくない場合、配置状況判定部16はその商品の配置状況が正しくないと判定する。配置状況判定部16は、商品配置状況の判定結果を実行判定部18に通知する。
【0045】
商品配置状況が正しい場合(ステップS23:YES)、実行判定部18は商品配置検査を行わずに
図6の処理手順を終了する。商品配置状況が正しくない場合(ステップS23:NO)、実行判定部18は商品配置検査を実行する(ステップS24)。ステップS24以降、
図5のステップS12以降の処理が行われる。具体的には、実行判定部18は商品配置検査の開始を位置特定部11に指示する。配置状況判定部16は、顧客が購入した商品が陳列された商品棚の棚IDを商品棚割テーブルから読み出して位置特定部11に通知する。位置特定部11は、地図情報テーブルから棚IDに係る商品棚の位置情報を読み出して撮像装置制御部12と配置状況判定部16に送出する。次に、撮像装置制御部12は移動式撮像装置108が棚IDに係る商品棚に移動して撮像するよう指示する。尚、顧客が購入した商品が複数の商品棚に分散して陳列されている場合、複数の商品棚の全てについて撮像を行なう。次に、商品認識部15は画像認識により商品を特定し、商品棚に配置された商品の個数を算定する。また、配置状況判定部16は商品の配置状況を判定して商品棚割テーブルの更新を行なう。
【0046】
図6の処理手順では、顧客が商品を購入することにより商品の配置状況に変化が生じたと推定されるときに、その商品が配置された商品棚だけを対象として商品配置検査を行う。これにより、効率的かつリアルタイムで商品配置検査を行うことができる。
【0047】
図7は、商品管理装置10の第3の処理手順を示すフローチャートである。
図7では、店員106が商品棚に商品の陳列作業を行なうことにより、商品の配置状況に変化が生じる場合に、実行判定部18が商品配置検査の実行を決定する。
図7の処理手順の前提として、移動式撮像装置108が自動追尾モードであり、商品棚への商品の陳列作業を行なう店員106の後方を移動しているものとする。また、商品管理装置10の撮像装置制御部12の撮像指示によって、移動式撮像装置108は進行方向の画像を撮像し続けているものとする。更に、撮像装置制御部12は移動式撮像装置108の位置情報を所定の時間間隔で取得しているものとする。
【0048】
まず、商品管理装置10の画像取得部14が移動式撮像装置108により撮像された画像を取得する(ステップS31)。画像取得部14は画像を人物検出部13へ送出する。人物検出部13は、画像取得部14が時系列に取得した複数の画像について、当該画像に写った店員106の行動を検出する。例えば、人物検出部13は店員106が店舗内の商品棚間の通路を移動しているか、商品棚に陳列されている商品を目視で確認しているか、商品棚の商品に手を伸ばしているかを検出する。尚、店員106の特徴(例えば、顔画像や制服の特徴)は予め記憶部21に記憶されているため、人物検出部13では顧客107と店員106との識別が可能である。人物検出部13は、店員106の行動を実行判定部18に送出する。
【0049】
実行判定部18は、店員106が商品棚への商品の陳列作業を行なったかどうかを判定する(ステップS32)。例えば、人物検出部13は画像取得部14が時系列に取得した複数の画像に基づいて、店員106が商品棚の商品に手を伸ばす動作を所定時間内に所定回数以上行なったことを検出した場合、実行判定部18は店員106が商品の陳列作業を行なったと判定する。実行判定部18は、店員106が商品の陳列作業を行なわなかったと判定した場合(ステップS32:NO)、
図7の処理手順は終了する。一方、店員106が商品の陳列作業を行なったと判定した場合(ステップS32:YES)、実行判定部18は商品配置検査を実行する(ステップS33)。具体的には、実行判定部18が商品配置検査の開始を位置特定部11に指示する。位置特定部11は、撮像装置制御部12から移動式撮像装置108の位置情報を取得する。位置特定部11は、位置情報を配置状況判定部16へ送出する。
図7の処理手順の前提として、移動式撮像装置108は店員106の後方を追尾しているため、既に該当する商品棚の付近に移動している。従って、撮像装置制御部12は移動式撮像装置108を自動追尾モードから位置制御モードに切り替えて、商品配置状況を検査すべき商品棚を適切に撮像できるよう移動式撮像装置108の位置や撮像方向を制御する。ステップS33以降、
図5のステップS12以降と同様の処理を行なう。
【0050】
第3の処理手順の場合、店舗内で店員が商品の陳列作業を行なったことにより、商品棚の商品の配置状況に変化が生じると推定されたときに、実行判定部18はその商品が配置された商品棚だけを対象として商品配置検査を行う。これにより、店員が商品の陳列作業を行なった後に、その陳列作業が適切であったかどうかを確認することができる。
【0051】
図8は、商品管理装置10の第4の処理手順を示すフローチャートである。
図8では、店員や顧客が商品棚の商品を移動させることによりその商品の配置状況に変化が生じる場合に、実行判定部18が商品配置検査の実行を決定する。
図7の第3の処理手順は、移動式撮像装置108が後方を追尾する店員106が商品棚の商品の陳列作業を行なうことを前提としている。一方、
図8の第4の処理手順は移動式撮像装置108が撮像した画像ではなく監視用撮像装置105が撮像した画像に基づいて店員106や顧客107により商品の配置状況に変化が生じることを検出したときに実行される。
【0052】
まず、商品管理装置10の画像取得部14は監視用撮像装置105が撮像した画像を取得する(ステップS41)。画像取得部14は画像を人物検出部13へ送出する。次に、人物検出部13は画像取得部14が取得した画像に写る人物を認識し、その人物が店員106か顧客107かを識別する(ステップS42)。例えば、店員106が着用する制服の画像が予め記憶部21に記憶されており、人物検出部13はパターンマッチングにより画像に写る人物の衣服が店員106の制服かどうかを判定する。画像に写る人物の衣服が制服と一致する場合、その人物を店員106と識別する。一方、画像に移る人物の衣服が制服と一致しない場合、その人物を顧客107と識別する。また、店員106の顔画像が予め記憶部21に記憶されている場合、人物検出部13は顔認識技術により画像に写る人物が店員106であるかどうかを識別してもよい。画像に写る人物を店員106と識別した場合(ステップS42:YES)、人物検出部13は画像取得部14から時系列に取得した複数の画像から店員106の行動を検出して実行判定部18に通知する。実行判定部18は、
図7のステップS32と同様に、店員106が商品の陳列作業を行なったか否かを判定する(ステップS43)。店員106や顧客107が商品の陳列作業を行なったと判定した場合(ステップS43:YES)、実行判定部18は商品配置検査を実行する(ステップS44)。また、店員106が商品の陳列作業を行なっていないと判定した場合(ステップS43:NO)、
図8の処理手順は終了する。
【0053】
ステップS42において画像に写った人物を顧客107と識別した場合(ステップS42:NO)、人物検出部13は画像認識により顧客107の行動を検出する。例えば、人物検出部13は画像取得部14から時系列に取得した複数の画像に写った顧客107の動作や姿勢の変化を検出する。即ち、顧客107が商品棚間の通路を移動しているか、商品棚の方向を向いているか、商品を手にしているか、商品棚の前で周りを見回しているかを検出する。人物検出部13は、顧客107の動作を検出して実行判定部18へ通知する。また、人物検出部13は画像に写った店員106や顧客107の位置を検出する。例えば、人物検出部13は顧客107の位置情報として「顧客107、棚ID=001の前」を検出する。
【0054】
次に、実行判定部18は顧客107が商品を手に取ったかどうかを判定する(ステップS45)。例えば、人物検出部13から顧客107が商品を手に取る動作が通知された場合、実行判定部18は顧客107が商品を手にしたと判定する。顧客107が商品を手にしたと判定した場合(ステップS45:YES)、実行判定部18は商品配置検査を実行する(ステップS44)。一方、顧客107が商品を手にしていないと判定した場合(ステップS45:NO)、実行判定部18は顧客107が商品棚の前で所定回数以上繰返して周囲を見回す動作を行なったかどうかを判定する(ステップS46)。例えば、人物検出部13から顧客107が商品棚の前で周囲を見回す動作が通知されており、かつ、その動作が所定回数以上繰返して行なわれた場合、実行判定部18は顧客107が商品棚の前で所定回数以上繰返して周囲を見回したと判定する。実行判定部18は、顧客107が周囲を見回す動作を行なっていないと判定した場合(ステップS46:NO)、
図8の処理手順を終了する。一方、顧客107が周囲を見回す動作を行なったと判定した場合(ステップS46:YES)、実行判定部18は商品配置検査を実行する。具体的には、実行判定部18は商品配置検査の開始を位置特定部11に指示する。位置特定部11は、人物検出部13が検出した情報を取得する。位置特定部11は、人物検出部13の検出情報に基づいて商品配置検査を行うべき商品棚を示す棚IDを特定して、地図情報テーブルから当該棚IDの位置情報を読み出す。次に、位置特定部11は位置情報を撮像装置制御部12と配置状況判定部16へ送出する。ステップS44以降、
図5のステップS12以降の処理が行われる。
【0055】
監視用撮像装置105が撮像した画像に顧客107が商品を手に取る動作が写っていれば、顧客107がその商品を購入する可能性があると考えられる。
図8の処理手順によれば、レジスタ110と商品管理装置10が連携しておらず、商品購入情報取得部17がレジスタ110から商品の購入情報が取得できない場合でも、顧客107による商品の購入を契機として商品配置検査を実行することができる。
【0056】
監視用撮像装置105が撮像した画像に店員が何度も商品棚に手を伸ばす動作をしたことが写っていれば、その店員が商品の陳列動作を行なっている可能性があると考えられる。移動式撮像装置108が後方を追尾している店員106以外の店員が別の場所で商品の陳列作業を行なっている場合、その陳列作業の検出を契機にして商品配置検査を実行することができる。
【0057】
監視用撮像装置105の店舗内の設置位置によって、監視用撮像装置105が撮像した画像に顧客が商品を手にする動作が写っていなくても、顧客が商品棚の前で盛んに周りを見回すような動作をしていれば、万引きの可能性が考えられる。
図8の処理手順では、顧客の不審な行動を検出して商品配置検査を行うことで、実際に商品棚から商品の持ち出しがあったかどうかを確認することができる。
【0058】
尚、ステップS46の「顧客が所定回数以上周囲を見回したか」の判定の後に、「顧客が商品棚に手を伸ばしたか」の判定を加えてもよい。即ち、顧客が周囲を見回した後に商品棚の商品に手を伸ばした場合のみに万引きの可能性があると推定して、ステップS44の商品配置検査を行うようにしてもよい。また、過去に万引きを行なった人物の顔画像が予めデータベースに登録されている場合、顔認識技術によって監視用撮像装置105により撮像された人物の照合を行なうようにしてもよい。この場合、人物の顔画像がデータベースに登録された人物の顔画像と照合できた場合のみにステップS46の処理を実行するようにしてもよい。
【0059】
次に、
図9A、9B及び
図10を参照して商品棚の商品の配置状況に変化が生じると推定する他の方法について説明する。
図9A及び
図9Bは商品管理装置10により参照される記憶部21に格納されたデータテーブルの一例を示す。詳細には、
図9Aは商品検査頻度テーブルを示し、
図9Bは商品棚検査頻度テーブルを示す。
【0060】
図9Aの商品検査頻度テーブルは「商品ID」及び「頻度」の項目を有している。「商品ID」には商品の識別情報が記録されている。「頻度」には各商品について商品配置検査を行う期間が記録されている。例えば、商品検査頻度テーブルではよく売れる商品Aについては1時間毎の頻度で商品配置検査が行われることが記載されている。また、商品B、商品Cについても販売状況(売れ行き)に応じて24時間毎や72時間毎の頻度で商品配置検査が行われることが記載されている。
【0061】
図9Bの商品棚検査頻度テーブルは、「棚ID」及び「頻度」の項目を有している。「棚ID」には商品棚の識別情報が記録されている。「頻度」には各商品棚について商品配置検査を行う期間が記録されている。例えば、商品棚検査頻度テーブルではよく売れる商品を配置した棚ID「001」の商品棚については1時間毎の頻度で商品配置検査が行われることが記載されている。また、棚ID「002」、棚ID「003」の商品棚についても当該商品棚に配置する商品の販売状況に応じて24時間毎や72時間毎の頻度で商品配置検査が行われることが記載されている。
【0062】
図10は、商品管理装置10の第5の処理手順を示すフローチャートである。
図10では、商品の販売状況や商品棚の商品の売行き状況に応じて定められた商品又は商品棚の検査頻度に基づいて商品配置検査を実行する。
まず、実行判定部18は所定の時間間隔で記憶部21の商品検査頻度テーブルから1つのレコードを読み出す(ステップS51)。実行判定部18は、読み込んだレコードに係る商品IDについての最終検査時刻を商品棚割テーブルから読み出す。実行判定部18は、商品IDに係る最終検査時刻に対して商品検査頻度テーブルから読み出した「頻度」項目の数値を加算する。例えば、商品検査頻度テーブルの「頻度」が「1時間ごと」であれば、最終検査時刻に1時間を加算する。
【0063】
次に、実行判定部18は現在の時刻が商品配置検査を行う時刻かどうか判定する(ステップS52)。具体的には、実行判定部18は最終検査時刻に「頻度」を加算した数値(加算時刻)と現在時刻とを比較する。現在時刻が加算時刻を過ぎていれば、実行判定部18は商品配置検査を行う時刻であると判定する。商品配置検査を行なう時刻であると判定した場合(ステップS52:YES)、実行判定部18は商品配置検査を実行する(ステップS53)。位置特定部11は、商品IDに基づいて商品棚割テーブルを参照して商品配置検査を実行すべき棚IDを求めて、更に、地図情報テーブルから棚IDの位置情報を読み出す。ステップS53以降、
図5のステップS12以降の処理が行われる。
【0064】
次に、実行判定部18は商品検査頻度テーブル内に未読のレコードが存在するかどうかを判定する(ステップS54)。商品検査頻度テーブルに未読のレコードが存在する場合(ステップS54:YES)、ステップS51に戻って新たなレコードを読み出す。その後、ステップS52以降の処理を繰り返す。商品検査頻度テーブルに未読のレコードが存在しない場合(ステップS54:NO)、実行判定部18は
図10の処理手順を終了する。
【0065】
図10の処理手順によれば、商品配置状況に変化が生じると推定されるタイミングを商品の販売実績に応じて予め定めておき、そのタイミングで商品配置検査を行うことができる。これにより、効率的に商品配置を確認することができる。尚、
図10では実行判定部18が商品検査頻度テーブルを用いて商品配置検査を実行するか否かを判定したが、これに限定されるものではない。商品の販売実績に応じて商品の棚割処理を行なう場合、商品検査頻度テーブルに代えて商品棚検査頻度テーブルを参照して
図10と同様の処理手順を実行して商品配置検査を行うようにしてもよい。
【0066】
図11は、商品管理装置10の第6の処理手順を示すフローチャートである。
図11では、実行判定部18が商品配置検査を実行するかどうかを決定する前に付随的に考慮される条件を判定している。
図11の説明の前提として、実行判定部18はある商品棚について商品配置検査を行うことを決定したものとする。
【0067】
まず、画像取得部14は監視用撮像装置105の撮像した画像を取得する(ステップS61)。画像取得部14は画像を人物検出部13へ送出する。人物検出部13は、画像認識により画像内で顧客が存在する位置を全て検出する。人物検出部13は、位置情報を実行判定部18へ送出する。
【0068】
実行判定部18は、位置特定部11が特定した商品棚の棚IDに係る位置情報と人物検出部13から取得した位置情報とを比較して、商品配置検査の対象となっている商品棚の付近に顧客が存在するかどうかを判定する(ステップS62)。商品棚の付近に顧客が存在する場合(ステップS62:YES)、実行判定部18はステップS65へ進む。商品棚の付近に顧客が存在しない場合(ステップS62:NO)、実行判定部18は商品配置検査の対象となっている商品棚について前回の商品配置検査時刻から所定時間以上経過したかどうか判定する(ステップS63)。具体的には、実行判定部18は商品棚割テーブル内の当該棚IDに係るレコードの最終検査時刻に所定時間を加えた時刻(加算時刻)と現在時刻とを比較して、現在時刻が加算時刻以上であれば前回の商品配置検査時刻から所定時間以上経過したと判定する(ステップS63:YES)。その後、実行判定部18は商品配置検査を実行する(ステップS64)。一方、現在時刻が加算時刻より小さく前回の商品配置検査時刻から所定時間以上経過していないと判定した場合(ステップS63:NO)、実行判定部18は商品配置検査の実行を中止する(ステップS65)。
【0069】
図11の処理手順により、顧客が商品棚付近に存在するときは、商品配置検査の実行を中止できるので、移動式撮像装置108が顧客の付近を移動することにより顧客の商品選択を妨げることや、誤って顧客を撮像することによりプライバシーを侵害することを防止することができる。また、本実施例ではある商品棚に対して1回商品配置検査を行ったら、その後、当該商品棚に対して所定時間は商品配置検査を行わないようにすることができる。このため、必要以上頻繁に同じ商品棚に対して繰返して商品配置検査が実行されることを防止することができる。尚、
図11においてステップS11の判定処理とステップS63の判定処理の両方を実行する必要はなく、どちらか一方だけを行なうようにしてもよい。
【0070】
上述の実施例では、移動式撮像装置108として無人飛行体を用いて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、店舗のフロア100や天井にレールを配置して、移動式撮像装置108はそのレールに沿って移動するようにしてもよい。即ち、移動式撮像装置108が店舗内で移動可能とするような移動手段を商品棚割管理システムに設けてもよい。
【0071】
上述の商品管理装置10は内部にコンピュータシステムを有している。また、商品管理装置10の処理はプログラム形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている。即ち、コンピュータシステムがプログラムを読み込んで実行することにより前述の処理が行なわれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリなどを意味する。また、プログラムを通信回線を経由してコンピュータに配信し、当該コンピュータがプログラムを実行するようにしてもよい。
【0072】
上記のプログラムは、前述の機能の一部を実現するものであってもよい。また、上記のプログラムは前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。尚、
図3に示すフロア100は店舗内に商品棚を配置した領域の一例であり、監視用撮像装置105の画像も店舗内を監視する画像の一例である。