(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791541
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】会議記録作成支援装置、会議記録作成支援システム、会議記録作成支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20201116BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-44606(P2019-44606)
(22)【出願日】2019年3月12日
(65)【公開番号】特開2020-149189(P2020-149189A)
(43)【公開日】2020年9月17日
【審査請求日】2019年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】田口 絵梨
【審査官】
加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−150767(JP,A)
【文献】
特開2017−092533(JP,A)
【文献】
特開2012−084026(JP,A)
【文献】
特開2006−171825(JP,A)
【文献】
特開2018−163435(JP,A)
【文献】
特開2013−105374(JP,A)
【文献】
特開2005−341015(JP,A)
【文献】
特開2002−197236(JP,A)
【文献】
特開2004−173058(JP,A)
【文献】
特開2005−190314(JP,A)
【文献】
特開2008−152527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議参加者を特定する固有識別情報を含む識別信号を無線送信する複数の携帯端末を所持する複数の会議参加者の出席を管理し、会議記録作成を支援する会議記録作成支援装置であって、
複数の携帯端末から受信した識別信号の固有識別情報から会議参加者を特定する参加者特定部と、
複数の携帯端末から受信した識別信号に基づいて、携帯端末の位置情報を特定する位置特定部と、
前記固有識別情報及び前記位置情報に基づいて、前記複数の会議参加者の配置を特定する配置特定部と、
会議予約と会議参加予定者を管理する予約管理処理部と、
前記会議参加予定者と、前記参加者特定部により特定された実際の会議参加者とを比較することで、会議欠席者を特定する欠席者特定部と、
前記特定された会議参加者、前記会議参加者の配置、及び前記特定された会議欠席者から、出席者リスト、欠席者リストおよび、出席者の座席表を作成する議事録作成処理部と、
を備え、
前記議事録作成処理部は、
会議参加者の発話を、前記特定された会議参加者の個人情報と紐づけてテキスト化して、議事録を作成する音声認識部と、
作成された議事録を前記会議参加予定者に配信する配信部と、
を備える、会議記録作成支援装置。
【請求項2】
ネットワークを介して接続された端末装置から、会議予約要求を受け付け、会議開始予定時刻に合わせて会議モードに切り替える予約管理処理部を更に備える、請求項1に記載の会議記録作成支援装置。
【請求項3】
前記会議モード中に、前記参加者特定部及び前記位置特定部は、前記携帯端末からの識別情報を受信可能になる、請求項2に記載の会議記録作成支援装置。
【請求項4】
前記配置特定部は、前記固有識別情報及び前記位置情報と、予め登録した所定領域内の配置情報と、に基づいて、前記会議参加者の個人情報を特定するとともに、所定領域内の複数の会議参加者の配置を特定する、請求項1に記載の会議記録作成支援装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の会議記録作成支援装置と、
会議参加者を特定する固有識別情報を含む識別信号を無線送信する複数の携帯端末と、
前記複数の携帯端末から無線送信される識別信号を受信し、前記固有識別情報を特定するための、室内に設けられた受信端末と、
前記複数の携帯端末から無線送信される識別信号を受信し、携帯端末の位置を探知する、前記室内に設けられた位置探知機と、
を含む、会議記録作成支援システム。
【請求項6】
会議加者を特定する固有識別情報を含む識別信号を無線送信する複数の携帯端末を所持する複数の会議参加者の出席を管理し、会議記録作成を支援する会議記録作成支援装置による会議記録作成支援方法であって、
複数の携帯端末から受信した識別信号の前記固有識別情報から会議参加者を特定し、
複数の携帯端末から受信した識別信号に基づいて、携帯端末の位置情報を特定し、
前記固有識別情報及び前記位置情報に基づいて、前記複数の会議参加者の配置を特定し、
会議予約と会議参加予定者を管理し、
前記会議参加予定者と、前記特定された実際の会議参加者とを比較することで、会議欠席者を特定し、
前記特定された会議参加者、前記会議参加者の配置、及び前記特定された会議欠席者から、出席者リスト、欠席者リストおよび、出席者の座席表を作成し、
会議参加者の発話を、前記特定された会議参加者の個人情報と紐づけてテキスト化して、議事録を作成し、
作成された議事録を前記会議参加予定者に配信する、
会議記録作成支援方法。
【請求項7】
会議参加者を特定する固有識別情報を含む識別信号を無線送信する複数の携帯端末を所持する複数の会議参加者の出席を管理し、会議記録作成を支援する会議記録作成支援プログラムであって、
複数の携帯端末から受信した識別信号の前記固有識別情報から会議参加者を特定する処理と、
複数の携帯端末から受信した識別信号に基づいて、前記携帯端末の位置情報を特定する処理と、
前記固有識別情報及び前記位置情報に基づいて、前記複数の会議参加者の配置を特定する処理と、
会議予約と会議参加予定者を管理する処理と、
前記会議参加予定者と、前記特定された実際の会議参加者とを比較することで、会議欠席者を特定する処理と、
前記特定された会議参加者、前記会議参加者の配置、及び前記特定された会議欠席者から、出席者リスト、欠席者リストおよび、出席者の座席表を作成する処理と、
会議参加者の発話を、前記特定された会議参加者の個人情報と紐づけてテキスト化して、議事録を作成する処理と、
作成された議事録を前記会議参加予定者に配信する処理と、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は会議記録作成支援装置、会議記録作成支援システム、会議記録作成支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
日常業務におけるコミュニケーションは会社組織を維持していくうえで不可欠な要素である。しかし、その代表的な手段の一つである打ち合わせや会議では、その前後の準備や会議の記録を残す作業にも多くの時間がかかっていた。特に会社では、他の部署のメンバを交えた会議などが行われるが、議事録担当者がその人物の名前を知らないというケースがしばしばあり、その場合正確に出席者全員の所属や名前を記録に残すことが難しかった。
【0003】
特許文献1には、受講者を特定する固有IDを含むビーコン信号を設定された受信期間に受信し、受講者の出席を管理する出席管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−215702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の出席管理システムは、出席管理を目的としたもので、議事録の作成を支援するものではない。そのため、議事録作成者は、会議室における参加者の座席配置を把握することはできない。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、会議における議事録作成の負担を軽減する会議記録作成支援装置、会議記録作成支援システム、会議記録作成支援方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様にかかる会議記録作成支援装置は、
会議参加者を特定する固有識別情報を含む識別信号を無線送信する複数の携帯端末を所持する複数の会議参加者の出席を管理し、会議記録作成を支援する会議記録作成支援装置であって、
複数の携帯端末から受信した識別信号の固有識別情報から会議参加者を特定する参加者特定部と、
複数の携帯端末から受信した識別信号に基づいて、携帯端末の位置情報を特定する位置特定部と、
前記固有識別情報及び前記位置情報に基づいて、前記複数の会議参加者の配置を特定する配置特定部と、を備える。
【0008】
本発明の第2の態様にかかる会議記録作成支援システムは、
上記の会議記録作成支援装置と、
会議参加者を特定する固有識別情報を含む識別信号を無線送信する複数の携帯端末と、
前記複数の携帯端末から無線送信される識別信号を受信し、前記固有識別情報を特定するための、室内に設けられた受信端末と、
前記複数の携帯端末から無線送信される識別信号を受信し、携帯端末の位置を探知する、室内に設けられた位置探知機と、
を含むものである。
【0009】
本発明の第3の態様にかかる会議記録作成支援方法は、会議参加者を特定する固有識別情報を含む識別信号を無線送信する複数の携帯端末を所持する複数の会議参加者の出席を管理し、会議記録作成を支援する会議記録作成支援方法であって、
前記識別信号を受信し、前記固有識別情報から会議参加者の個人情報を特定し、
前記識別信号を受信し、前記携帯端末の位置情報を特定し、
前記固有識別情報及び前記位置情報に基づいて、前記複数の会議参加者の配置を特定するものである。
【0010】
本発明の第4の態様にかかるプログラムは、会議参加者を特定する固有識別情報を含む識別信号を無線送信する複数の携帯端末を所持する複数の会議参加者の出席を管理し、会議記録作成を支援する会議記録作成支援プログラムであって、
前記識別信号を受信し、前記固有識別情報から会議参加者の個人情報を特定する処理と、
前記識別信号を受信し、前記携帯端末の位置情報を特定する処理と、
前記固有識別情報及び前記位置情報に基づいて、前記複数の会議参加者の配置を特定する処理と、
をコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、会議における議事録作成にかかる負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態にかかる会議記録作成支援装置の構成を説明する図である。
【
図2】本発明の実施形態にかかる会議記録作成支援システムの概要を説明する図である。
【
図3】本発明の実施形態にかかる会議記録作成支援システムにおける、会議室内の構成要素を説明する図である。
【
図4】本発明の実施形態にかかる会議記録作成支援装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態にかかる会議記録作成支援装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施形態にかかる会議記録作成支援システムの処理動作を示すフローチャートである。
【
図7】本発明のその他の実施形態にかかる会議記録作成支援装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる会議記録作成支援装置の構成を説明する図である。
会議記録作成支援装置1は、会議参加者を特定する固有識別情報を含む識別信号を無線送信する複数の携帯端末を所持する複数の会議参加者の出席を管理し、会議記録作成を支援するものである。会議記録作成支援装置1は、複数の携帯端末から受信した識別信号の固有識別情報から会議参加者を特定する参加者特定部101と、複数の携帯端末から受信した識別信号に基づいて、携帯端末の位置情報を特定する位置特定部102と、固有識別情報及び前記位置情報に基づいて、前記複数の会議参加者の配置を特定する配置特定部103と、を備える。
【0014】
本実施の形態により、会議において、参加者の個人情報(例えば、氏名や所属、役職など)を特定した上で会議室内の参加者の配置を特定することで、議事録作成にかかる負担を軽減することができる。
【0015】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。
【0016】
実施の形態2
図2は、本発明の実施形態にかかる会議記録作成支援システムの概要を説明する図である。この会議記録作成支援システム100では、会議開催者から受けた会議室予約の管理、会議参加者の出席の自動登録と、会議記録の自動生成および配信による議事録作成の支援を実現する。
【0017】
本発明にかかる会議記録作成支援システム100は、
図2に示すように、会議予約管理機能と、出席者管理機能と、会議記録作成機能を有するものである。会議予約管理機能は、会議主催者が自身のPC(Personal Computer)上のスケジューラを利用して、開催予定の会議を記録すると、ネットワーク経由で連動した、各会議室に配置された会議記録作成支援システムにも、開催予定の会議が更新される。出席者管理機能は、会議参加者が携帯する小型端末により、会議の出席登録を行い出席者リストと座席表の自動生成を行うものである。会議記録作成機能は、議事録担当者が、会議後に議事録を作成し、各参加者へ配信するものである。
【0018】
出席者管理機能は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)ビーコンタグ搭載の小型携帯端末と、各会議室に設置されるビーコン受信端末および位置演算装置により実現される。これにより、小型携帯端末を参加者自身が携行し、会議室へ入ると同時に自動で出席登録が行われる。
【0019】
ここで、小型携帯端末の例としては、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末、及び、ICチップ等で構成されたビーコン信号送信器を内蔵した、参加者が携帯する身分証や名札が挙げられる。以下では、会社内で社員が携帯する、ビーコン信号送信器を内蔵した社員証を例に説明する。
【0020】
図3は、本発明の実施形態にかかる、会議室内の構成要素を説明する図である。
図3に示すように、会議室10には、携帯端末から無線送信される識別信号を受信し、携帯端末の位置を特定する、天井に配置された位置探知機4と、携帯端末から無線送信される識別信号を受信する受信端末3と、位置探知機4及び受信端末3とネットワークを介して接続された位置演算装置2(本明細書では配置特定部とも呼ばれる)とが配置されている。また、位置演算装置2とネットワーク(例えば、イントラネット又はインターネット)を介して接続された会議記録作成支援装置1が設けられる。
【0021】
ここでいうネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、及びワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、例えば、インターネットを挙げることができる。また、通信ネットワークは、例えば、イーサネット(登録商標)、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)、FIREWIRE(登録商標)、移動通信用のグローバルシステム(Global System for Mobile Communications、GSM(登録商標))、拡張データGSM(登録商標)環境(Enhanced Data GSM(登録商標) Environment、EDGE)、符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)、時分割多元接続(time division multiple access、TDMA)、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、ボイスオーバーインターネットプロトコル(voice over Internet Protocol、VoIP)、Wi−MAX(登録商標)、又は任意の他の好適な通信プロトコル等の、様々な有線又は無線プロトコルを含む、任意の周知のネットワークプロトコルを用いて実施することができる。
【0022】
会議参加者6が、BLEビーコンタグが搭載された小型携帯端末5を持って会議室10へ入室すると、ビーコンタグより発信されているビーコンIDを受信端末3が受信する。その後、会議記録作成支援装置1は、ネットワークを介してビーコンIDを受信する。これにより、会議記録作成支援装置1では、出席者登録を行うことができる。
【0023】
会議室天井に設置された位置探知機4および、位置探知機4にネットワークを介して接続された位置演算装置2は、ビーコンタグから発信される電波到達の角度から測位を行い、会議室内での各参加者の位置情報を提供することができる。会議記録作成支援装置1は、このように提供された会議出席者の位置情報をネットワーク経由で受信する。これにより、会議記録作成支援装置1では、会議出席者の位置情報に基づき、座席表を作成することができる。
【0024】
図4は、会議記録作成支援装置の構成を示すブロック図である。会議記録作成支援装置1は、出欠情報処理部11と、予約管理処理部12と、要求処理部13と、議事録作成処理部14と、を含む。要求処理部13は、ネットワークN経由での情報の送受信及び各種処理要求を処理する。
【0025】
予約管理処理部12は、予約情報を保存し、会議開始予定時刻および終了予定時刻に合わせて会議モードへの切替え及び会議モードの終了を行う。また、予約管理処理部12は、事前に会議開催者により登録された会議参加予定者をリストとして管理し、この会議参加予定者全員に対して、会議開始時刻の所定時間前に、リマインダーを送信することもできる。
【0026】
出欠情報処理部11は、参加者の会議室入室情報および位置情報を受け取って保存する。また、前述の予約管理処理部12により管理されている会議参加予定者リストと、小型携帯端末による実際の会議参加者の出席情報と、を比較することで、出欠情報処理部11は、会議欠席者も管理することができる。
【0027】
議事録作成処理部14は、保存された出席情報に基づいて出席者リスト、欠席者リストおよび座席表を作成する。作成されたリスト及び座席表は、所定の議事録の文書の一部として、所定の形式(MicrosoftのWord(登録商標))で議事録作成者や関係者に配信してもよい。あるいは、作成されたリスト及び座席表を、PCのディスプレイに表示するようにしてもよい。また、議事録は、会議欠席者にも配信することが望ましい。本実施の形態によれば、欠席者リストも作成されるので、議事録作成者は、欠席者にも議事録を配信することができる。
【0028】
図5は、本実施形態における会議記録作成支援装置1のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、本実施形態の会議記録作成支援装置1は、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random access memory)202、ROM(Read Only Memory)203などを有するコンピュータである。CPU201は、RAM202、ROM203、または、ハードディスク204に格納されたソフトウェアに従い演算および制御を行う。RAM202は、CPU201が各種処理を実行する際の一時記憶領域として使用される。ハードディスク204には、オペレーティングシステム(OS)や、後述の登録プログラムなどが記憶される。ディスプレイ205は、液晶ディスプレイとグラフィックコントローラとから構成され、ディスプレイ205には、画像やアイコンなどのオブジェクト、および、GUIなどが表示される。入力部206は、ユーザが会議記録作成支援装置1に各種指示を与えるための装置であり、例えばマウスやキーボードによって構成される。I/F(インターフェース)部207は、IEEE 802.11aなどの規格に対応した無線LAN通信や有線LAN通信を制御することができ、TCP/IPなどのプロトコルに基づき同一通信ネットワークおよびインターネットを介して外部機器と通信する。システムバス208は、CPU201、RAM202、ROM203、および、ハードディスク204などとのデータのやり取りを制御する。なお、
図5に示すように、本実施形態の会議記録作成支援装置1は、CPU201、RAM202、ディスプレイ205、入力部206などが一体として構成される、所謂ノート型PCである実施例を示している。しかしながら、会議記録作成支援装置1の形態はノート型PCに限られず、この会議記録作成支援装置1は、所謂デスクトップ型PCや、所謂タブレット端末であってもよい。
【0029】
CPU201がプログラムを実行することにより、会議記録作成支援装置1は、参加者特定部101、位置特定部102、及び配置特定部103として機能する。なお、これらの参加者特定部101、位置特定部102、及び配置特定部103は別々のハードウェアによって実現されてもよい。
【0030】
図6は、会議記録作成支援システムの処理フローを示すフローチャートである。
各会議室に設置された会議記録作成支援装置1は、Microsoft(登録商標)が提供するOutlook(登録商標)などのようにPC上で編集することができるスケジューラとネットワーク経由で連動している。そのため、会議記録作成支援装置1は、会議主催者のスケジューラから、ネットワークを介して会議予約情報を受信することができる。会議室の予約は同スケジューラの予定表上で管理される(S1)。会議主催者はあらかじめ、PCから会議室の予定表に開催予定の会議を記入しておく。また、会議主催者は参加者予定者全員を開催予定の会議と関連付けて登録することで、スケジューラは、会議開始時刻の所定時間前にリマインダーを送付してもよい。スケジューラは、予定表が更新されると、会議記録作成支援装置1に更新された情報を送信する。
【0031】
会議記録作成支援装置1は、この予約情報に基づいて、会議開始予定時間の所定時間前、例えば、10分前になると、自動的に会議モードに入る(S2)。会議モードでは、会議記録作成支援システムが参加者の出席情報を受け付け可能な状態になっている。つまり、会議モードでは、携帯端末5から無線送信される所有者固有の識別信号を、受信端末3や位置探知機4は受信可能な状態になる。会議開始予定時刻に会議参加者6が会議室10へ入場すると、社員証などの携行品に取り付けられたBLEビーコンタグ(携帯端末5)から発信されているビーコンID(所有者の名前と所属が紐づけられている)を会議室内に設置されたビーコン受信端末3で検出する。ビーコン受信端末3は、発信されるビーコンIDに紐づけられた基本データを取得し、さらに入場した会議室内での位置情報を検出する。
【0032】
これらの情報はネットワーク経由で会議記録作成支援装置1に送信される(S3)。会議終了予定時刻になると、会議記録作成支援装置1は会議モードを終了し、ビーコン受信端末3から会議出席情報を受け付けない状態になる(S4)。
【0033】
会議モード中に受信した会議出席者の情報に基づき、会議記録作成支援装置1は、議事録作成処理部14で出席登録者名のリスト及び欠席者のリストを作成し、また会議室内の座席表を作成する(S5)。この出席登録者名のリストと、スケジューラで登録された会議参加予定者と、を比較することが、欠席者を管理することもできる(欠席者特定部として機能する)。なお、会議室内に設置されている椅子や卓の位置は、あらかじめ会議記録作成支援装置1およびビーコン受信端末3に登録されており、こうした会議室の登録情報(配置情報)に基づいて参加者の位置情報が会議記録作成支援装置1のディスプレイ205に表示される。議事録作成者は、会議記録作成支援装置1上のディスプレイ205に表示された座席表を見て、各席に座っている参加者を把握することができ、会議中に、発言者の個人情報(例えば、氏名や所属、役職など)を認識した上で、議事録を作成することができる。
【0034】
また、作成された出席者リストおよび座席表はネットワークを経由してメーラーに送られ、メーラーを通じて関係者へと配信される(S6)。配信先は、議事録作成担当者のみであってもよいし、あるいは会議主催者が会議開催通知を送信したすべてのメンバであってもよい。配信する形式としては、前述の出席登録者名のリスト又は、会議室内の座席表を付与した議事録の雛形であってもよい。あるいは、出席登録者名のリストのみを付与した議事録の雛形を配信し、座席表は、会議記録作成支援装置1のディスプレイ205に表示されるようにしてもよい。こうして、議事録作成者は、この議事録の雛形を受け取り、座席表を見ながら、発言者を思い出しながら、容易に議事録を作成することができる。
【0035】
以上、本発明の本実施の形態によれば、会議参加者は会議室に入室すると自動的に会議参加登録が行われるため、わざわざ名簿に記入したりする必要がなくなる。また、議事録作成担当者は会議終了後に、参加者の名前の確認を行ったり、座席位置を確認したりする必要がなくなる。会議における議事録作成にかかる負担を軽減することができる。
【0036】
(その他の実施形態)
図7は、本発明のその他の実施形態にかかる会議記録作成支援装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる会議記録作成支援装置1は、会議参加者の発話を録音する録音部141と、録音された発話を、特定された会議参加者と紐づけて、音声認識などによってテキスト化する音声認識部142と、を備えてもよい。これにより、会議における出席者の個人情報を表示するだけでなく、会議内容も録音し、音声認識やテキスト化などの機能が追加することにより、発言者と紐づけて議事録そのものを自動で作成することができる。
【0037】
さらに、このように自動作成された議事録をスケジューラで登録された会議参加予定者(会議欠席者を含む)又は、携帯端末5により特定された会議参加者に配信する配信部143を設けてもよい。あるいは、配信部143は、このように自動作成された議事録を会議欠席者のみに配信してもよい。
【0038】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0039】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。
【符号の説明】
【0040】
1 会議記録作成支援装置
2 位置演算装置
3 受信端末
4 位置探知機
5 携帯端末
6 会議参加者
10 会議室
11 出欠情報処理部
12 予約管理処理部
13 要求処理部
14 議事録作成処理部
100 会議記録作成支援システム
101 参加者特定部
102 位置特定部
103 配置特定部
141 録音部
142 音声認識部
143 配信部