特許第6791544号(P6791544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6791544熱電半導体組成物、並びに熱電変換材料及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791544
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】熱電半導体組成物、並びに熱電変換材料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 35/26 20060101AFI20201116BHJP
   H01L 35/34 20060101ALI20201116BHJP
   H01L 35/16 20060101ALI20201116BHJP
   C03C 4/14 20060101ALI20201116BHJP
   C03C 3/12 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   H01L35/26
   H01L35/34
   H01L35/16
   C03C4/14
   C03C3/12
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-126698(P2015-126698)
(22)【出願日】2015年6月24日
(65)【公開番号】特開2017-11166(P2017-11166A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2018年4月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078732
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 保
(74)【代理人】
【識別番号】100089185
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 誠
(72)【発明者】
【氏名】加藤 邦久
(72)【発明者】
【氏名】武藤 豪志
(72)【発明者】
【氏名】勝田 祐馬
(72)【発明者】
【氏名】近藤 健
【審査官】 田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−523614(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/019871(WO,A1)
【文献】 特開2013−093397(JP,A)
【文献】 特開2011−144077(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/033891(WO,A1)
【文献】 特開2008−147625(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/073095(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/039265(WO,A1)
【文献】 特開2012−134409(JP,A)
【文献】 特開2008−116445(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/114317(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 35/26
C03C 3/12
C03C 4/14
H01L 35/16
H01L 35/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及び導電性ガラスを含む熱電半導体組成物であって、前記導電性ガラスの配合量が、前記熱電半導体組成物の全固形分中0.1〜20質量%である、熱電半導体組成物。
【請求項2】
前記導電性ガラスの配合量が、前記熱電半導体組成物の全固形分中0.1〜5質量%である、請求項1に記載の熱電半導体組成物。
【請求項3】
前記導電性ガラスが、バナジン酸塩、バリウム酸塩及び鉄酸塩を含む、請求項1に記載の熱電半導体組成物。
【請求項4】
前記導電性ガラスの軟化点が、350〜550℃である、請求項1に記載の熱電半導体組成物。
【請求項5】
支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及び導電性ガラスを含む熱電半導体組成物からなる薄膜を有し、前記導電性ガラスの配合量が、前記熱電半導体組成物の全固形分中0.1〜20質量%である、熱電変換材料。
【請求項6】
前記導電性ガラスの配合量が、前記熱電半導体組成物の全固形分中0.1〜5質量%である、請求項5に記載の熱電変換材料。
【請求項7】
前記導電性ガラスが、バナジン酸塩、バリウム酸塩及び鉄酸塩を含む、請求項5に記載の熱電変換材料。
【請求項8】
前記導電性ガラスの軟化点が、350〜550℃である、請求項5に記載の熱電変換材料。
【請求項9】
支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及び導電性ガラスを含む熱電半導体組成物からなる薄膜を有する熱電変換材料の製造方法であって、前記導電性ガラスの配合量が、前記熱電半導体組成物の全固形分中0.1〜20質量%であり、支持体上に、溶媒を含む該熱電半導体組成物を塗布し、乾燥し、薄膜を形成する工程、さらに該薄膜をアニール処理する工程を含む、熱電変換材料の製造方法。
【請求項10】
前記アニール処理が、前記導電性ガラスの軟化点以上で行われる、請求項9に記載の熱電変換材料の製造方法。
【請求項11】
前記導電性ガラスの軟化点が350〜550℃である、請求項9又は10に記載の熱電変換材料の製造方法。
【請求項12】
前記導電性ガラスの配合量が、前記熱電半導体組成物の全固形分中0.1〜5質量%である、請求項9に記載の熱電変換材料の製造方法
【請求項13】
前記支持体がプラスチックフィルムである、請求項9に記載の熱電変換材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電半導体組成物、並びに熱電変換材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、システムが単純でしかも小型化が可能な熱電発電技術が、ビル、工場等で使用される化石燃料資源等から発生する未利用の廃熱エネルギーに対する回収発電技術として注目されている。しかしながら、熱電発電は一般に発電効率が悪いこともあり、さまざまな企業、研究機関で発電効率の向上のための研究開発が活発になされている。発電効率の向上には、熱電変換材料の高効率化が必須となるが、これらを実現するために、金属並みの高い電気伝導率とガラス並みの低い熱伝導率を備えた材料の開発が望まれている。
【0003】
熱電変換特性は、熱電性能指数Z(Z=σS/λ)によって評価することができる。ここで、Sはゼーベック係数、σは電気伝導率(抵抗率の逆数)、λは熱伝導率である。上記、熱電性能指数Zの値を大きくすれば、発電効率が向上するため、発電の高効率化にあたっては、ゼーベック係数S及び電気伝導率σが大きく、熱伝導率λが小さい熱電変換材料を見出すことが重要である。
【0004】
上記のように、発電効率を向上させる検討が必要とされる一方、現在製造されている熱電変換素子は量産性に乏しく、発電ユニットが高価であるため、建築物の壁面へ設置する場合など大面積な用途へのさらなる普及には製造コストの削減が必要不可欠であった。また、現在製造されている熱電変換素子は屈曲性が悪く、フレキシブルな熱電変換素子が望まれていた。
このような中で、特許文献1には、高分子物質を溶剤に溶解された溶液に、金属粉末と絶縁性ガラス組成物を分散した導電性ペースト組成物の導電性を向上させるために、絶縁性ガラス組成物の代わりに酸化バナジウム、酸化バリウム、酸化鉄を含む導電性ガラス組成物を用いた高導電性ペースト組成物が開示されている。
また、特許文献2には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、天然ゴム、あるいは合成ゴムの内の1つにグラファイトやカーボンブラック等の導電性粒子を混合することによりなる導電性プラスチック中に、例えば、平均粒子径が500ミクロン以下の粉状物のn型熱電半導体粒子を30重量パーセントから80重量パーセントの範囲内で混練することによって分散させてなる熱電半導体材料が開示されている。
さらに、特許文献3には、支持体上に、熱伝導率の低下に寄与する微粒子化した熱電半導体、耐熱性樹脂及び微粒子間の空隙部での電気伝導率の低下を抑制するイオン液体を含む熱電半導体組成物を用いた熱電変換材料が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−144077号公報
【特許文献2】特許第3919469号公報
【特許文献3】国際公開第2015/019871号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には、前記導電性ガラス組成物を、熱電変換材料を構成する熱電半導体組成物の一成分として適用する技術は開示されていなかった。
また、特許文献2では、前記導電性プラスチックの電気伝導度が、体積固有抵抗値で10−4Ω〜10Ω・cmの範囲の導電性を有するプラスチックを用いるものであった。
さらに、特許文献3では、導電補助剤としてイオン液体を開示しているものの、導電性ガラスについては開示がなく、また、熱電半導体組成物の成膜後のアニール処理を行う場合、イオン液体の耐熱性が十分ではなかった。
【0007】
本発明は、上記状況を鑑み、微粒子化した熱電半導体間の空隙部での電気伝導率の低下を抑制する導電性補助剤を含有した熱電半導体組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、屈曲性に優れ、かつ簡便に低コストで製造可能である熱電変換材料及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、熱電半導体の微粒子及び耐熱性樹脂とともに、導電補助剤としての導電性ガラスを配合することで、微粒子間の空隙部での電気伝導率の低下が抑制された熱電半導体組成物が得られることを見出した。また、支持体上に、該熱電半導体組成物からなる薄膜を形成することにより、従来の、導電補助剤を有しない熱電変換材料に比べより優れた熱電性能指数が得られ、かつ屈曲性に優れ、しかも簡便に低コストで製造可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(12)を提供するものである。
(1)熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及び導電性ガラスを含む、熱電半導体組成物。
(2)前記導電性ガラスの配合量が、前記熱電半導体組成物の全固形分中0.1〜40質量%である、上記(1)に記載の熱電半導体組成物。
(3)前記導電性ガラスが、バナジン酸塩、バリウム酸塩及び鉄酸塩を含む、上記(1)に記載の熱電半導体組成物。
(4)前記導電性ガラスの軟化点が、350〜550℃である、上記(1)に記載の熱電半導体組成物。
(5)支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及び導電性ガラスを含む熱電半導体組成物からなる薄膜を有する、熱電変換材料。
(6)前記導電性ガラスの配合量が、前記熱電半導体組成物の全固形分中0.1〜40質量%である、上記(5)に記載の熱電変換材料。
(7)前記導電性ガラスが、バナジン酸塩、バリウム酸塩及び鉄酸塩を含む、上記(5)に記載の熱電変換材料。
(8)前記導電性ガラスの軟化点が、350〜550℃である、上記(5)に記載の熱電変換材料。
(9)支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及び導電性ガラスを含む熱電半導体組成物からなる薄膜を有する熱電変換材料の製造方法であって、支持体上に、溶媒を含む該熱電半導体組成物を塗布し、乾燥し、薄膜を形成する工程、さらに該薄膜をアニール処理する工程を含む、熱電変換材料の製造方法
(10)前記アニール処理が、前記導電性ガラスの軟化点以上で行われる、上記(9)に記載の熱電変換材料の製造方法。
(11)前記導電性ガラスの軟化点が350〜550℃である、上記(9)又は(10)に記載の熱電変換材料の製造方法。
(12)前記支持体がプラスチックフィルムである、上記(9)に記載の熱電変換材料の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、微粒子化した熱電半導体間の空隙部での電気伝導率の低下を抑制する導電性補助剤を含有した熱電半導体組成物を提供することができる。また、屈曲性に優れ、かつ簡便に低コストで製造可能である熱電変換材料及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[熱電半導体組成物]
本発明の熱電半導体組成物は、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及び導電性ガラスを含むことを特徴とする。導電性ガラスを用いることで、熱電半導体微粒子本来の導電性を損なうことなく、かつ低熱伝導性が保持された組成物が得られる。
【0011】
(熱電半導体微粒子)
本発明の熱電半導体組成物に用いる熱電半導体微粒子は、熱電半導体材料を、微粉砕装置等により、所定のサイズまで粉砕することにより得られる。
【0012】
前記熱電半導体材料としては、温度差を付与することにより、熱起電力を発生させることができる材料であれば特に制限されず、例えば、p型ビスマステルライド、n型ビスマステルライド、BiTe等のビスマス−テルル系熱電半導体材料;GeTe、PbTe等のテルライド系熱電半導体材料;アンチモン−テルル系熱電半導体材料;ZnSb、ZnSb2、ZnSb等の亜鉛−アンチモン系熱電半導体材料;SiGe等のシリコン−ゲルマニウム系熱電半導体材料;BiSe等のビスマスセレナイド系熱電半導体材料;β―FeSi、CrSi、MnSi1.73、MgSi等のシリサイド系熱電半導体材料;酸化物系熱電半導体材料;FeVAl、FeVAlSi、FeVTiAl等のホイスラー材料、TiS等の硫化物系熱電半導体材料等が用いられる。
【0013】
これらの中でも、本発明に用いる前記熱電半導体材料は、p型ビスマステルライド又はn型ビスマステルライド、BiTe等のビスマス−テルル系熱電半導体材料であることが好ましい。
前記p型ビスマステルライドは、キャリアが正孔で、ゼーベック係数が正値であり、例えば、BiTeSb2−Xで表わされるものが好ましく用いられる。この場合、Xは、好ましくは0<X≦0.8であり、より好ましくは0.4≦X≦0.6である。Xが0より大きく0.8以下であるとゼーベック係数と電気伝導率が大きくなり、p型熱電変換材料としての特性が維持されるので好ましい。
また、前記n型ビスマステルライドは、キャリアが電子で、ゼーベック係数が負値であり、例えば、BiTe3−YSeで表わされるものが好ましく用いられる。この場合、Yは、好ましくは0≦Y≦3であり、より好ましくは0.1<Y≦2.7である。Yが0以上3以下であるとゼーベック係数と電気伝導率が大きくなり、n型熱電変換材料としての特性が維持されるので好ましい。
【0014】
本発明に用いる熱電半導体微粒子の前記熱電半導体組成物の全固形分中の配合量は、好ましくは、30〜99質量%、より好ましくは、50〜96質量%であり、さらに好ましくは、70〜95質量%である。熱電半導体微粒子の配合量が、上記範囲内であれば、ゼーベック係数の絶対値が大きく、また電気伝導率の低下が抑制され、熱伝導率のみが低下するため高い熱電性能を示すとともに、十分な皮膜強度、屈曲性を有する膜が得られ好ましい。
【0015】
本発明に用いる熱電半導体微粒子の平均粒径は、好ましくは、10nm〜200μm、より好ましくは、30nm〜30μm、さらに好ましくは、50nm〜10μm、特に好ましくは、1〜6μmである。上記範囲内であれば、均一分散が容易になり、電気伝導率を高くすることができる。
前記熱電半導体材料を粉砕して熱電半導体微粒子を得る方法は特に限定されず、ジェットミル、ボールミル、ビーズミル、コロイドミル、コニカルミル、ディスクミル、エッジミル、製粉ミル、ハンマーミル、ペレットミル、ウィリーミル、ローラーミル等の公知の微粉砕装置等により、所定のサイズまで粉砕すればよい。
なお、熱電半導体微粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒度分析装置(CILAS社製、1064型)にて測定することにより得られ、粒径分布の中央値とした。
【0016】
また、本発明に用いる熱電半導体微粒子は、アニール処理(以下、「アニール処理A」ということがある。)されたものであることが好ましい。アニール処理Aを行うことにより、熱電半導体微粒子は、結晶性が向上し、さらに、熱電半導体微粒子の表面酸化膜が除去されるため、熱電変換材料のゼーベック係数が増大し、熱電性能指数をさらに向上させることができる。アニール処理Aは、特に限定されないが、熱電半導体組成物を調製する前に、熱電半導体微粒子に悪影響を及ぼすことがないように、ガス流量が制御された、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、同じく水素等の還元ガス雰囲気下、または真空条件下で、微粒子の融点以下の温度で、数分〜数十時間行うことが好ましい。具体的には、用いる熱電半導体微粒子に依存するが、通常、100〜1500℃で、数分〜数十時間行うことが好ましい。
【0017】
(導電性ガラス)
本発明で用いる導電性ガラスは、後述するように、バナジン酸塩を主成分とし、電気伝導率が高く(但し、熱伝導率の増加を抑制できる範囲)かつ軟化点が高いこと等の特徴を有しているため、導電補助剤として、熱電半導体微粒子間の電気伝導率の低減を効果的に抑制することができ、かつ後述する薄膜を成膜した後のアニール処理を、より高温度で行うことができるため、熱電変換材料のゼーベック係数が増大し、熱電性能指数をさらに向上させることができる。さらに、本発明に用いる導電性ガラスは、耐熱性樹脂との相溶性に優れるため、熱電変換材料の電気伝導率を均一にすることができる。
【0018】
導電性ガラスは、公知または市販のものが使用できる。本発明で用いる導電性ガラスとしては、バナジン酸塩、バリウム酸塩、鉄酸塩を含むバナジウム系の導電性ガラス組成物を用いることが好ましい。具体的には、該導電性ガラス組成物を、例えば、白金るつぼ中で1000〜1300℃の範囲で溶融し、急冷してガラス化し、さらに微粒子化したもの(以下、「導電性バナジン酸塩ガラス」ということがある。)を用いることができる。
導電性バナジン酸塩ガラスにおいて、酸化バナジウムが、導電性ガラス全モル量中25モル%以上、好ましくは25〜95モル%、より好ましくは40〜80モル%、酸化バリウムが好ましくは1〜40モル%、酸化鉄が好ましくは1〜20モル%含有する。また、酸化バリウムと酸化バナジウムのモル比は、好ましくは5:90〜35:50であり、酸化鉄と酸化バナジウムのモル比は、好ましくは5:90〜15:50である。さらに、SiO,Al,ZrO、B等の酸化物を含んでいてもよい。これらの酸化物の含有量は導電性ガラス全モル量中、好ましくは0〜30モル%である。
また、本発明に用いる導電性ガラスは、株式会社東海産業より購入(商品名:NTAガラス)することができる。
【0019】
本発明に用いる導電性ガラスの微粒子の平均粒径は、好ましくは、10nm〜200μm、より好ましくは、20nm〜50μm、さらに好ましくは、50nm〜10μmである。上記範囲内であれば、均一分散が容易になり、耐熱性樹脂との相溶性に優れるため、熱電変換材料の電気伝導率を均一にすることができる。
なお、導電性ガラスの平均粒径は、レーザー回折式粒度分析装置(CILAS社製、1064型)にて測定することにより得られ、粒径分布の中央値とした。
【0020】
導電性ガラスの電気伝導率は、好ましくは1.0×10−6〜1.0×10S/cmであり、より好ましくは1.0×10−4〜1.0×10−1S/cmであり、さらに好ましくは1.0×10−3〜1.0×10−1S/cmである。電気伝導率が上記範囲であれば、導電補助剤として、熱電半導体微粒子間の電気伝導率の低減を効果的に抑制しかつ熱伝導率の増加を抑制することができる。
【0021】
導電性ガラスの軟化点は、好ましくは350〜550℃であり、より好ましくは400〜550℃であり、さらに好ましくは500〜550℃である。軟化点が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、導電補助剤としての効果を維持することができ、かつゼーベック係数がさらに増加する。
【0022】
導電性ガラスは、熱重量測定(TG)による400℃における質量減少率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。質量減少率が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、導電補助剤としての効果を維持することができる。
【0023】
熱電半導体微粒子を除く導電性ガラスと耐熱性樹脂とからなる組成物から形成される薄膜の電気伝導率は、上限値が1.0×10−3S/cm未満(体積固有抵抗値では1.0×10Ω・cm超)であり、下限値が、好ましくは1.0×10−8S/cm以上、より好ましくは1.0×10−6S/cm以上、さらに好ましくは1.0×10−5S/cm以上、特に好ましくは1.0×10−4S/cm以上である。電気伝導率が上記範囲であれば、熱電半導体微粒子を分散させた時に、熱電半導体微粒子間の電気伝導率の低減を効果的に抑制することができる。
【0024】
導電性ガラスの前記熱電半導体組成物の全固形分中の配合量は、好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、さらに好ましくは1.0〜20質量%である。前記導電性ガラスの配合量が、上記範囲内であれば、熱電半導体微粒子間の電気伝導率の低下が効果的に抑制され、高い熱電性能を有する膜が得られる。
【0025】
(耐熱性樹脂)
本発明に用いる耐熱性樹脂は、熱電半導体微粒子間のバインダーとして働き、後述する熱電変換材料の屈曲性を高めるためのものである。該耐熱性樹脂は、特に制限されるものではないが、後述する熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理等により熱電半導体微粒子を結晶成長させる際に、樹脂としての機械的強度及び熱伝導率等の諸物性が損なわれず維持される耐熱性樹脂を用いる。
前記耐熱性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、エポキシ樹脂、及びこれらの樹脂の化学構造を有する共重合体等が挙げられる。前記耐熱性樹脂は、単独でも又は2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、耐熱性がより高く、且つ薄膜中の熱電半導体微粒子の結晶成長に悪影響を及ぼさないという点から、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂が好ましく、屈曲性に優れるという点からポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂がより好ましい。前述の支持体として、ポリイミドフィルムを用いた場合、該ポリイミドフィルムとの密着性などの点から、耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂がより好ましい。なお、本発明においてポリイミド樹脂とは、ポリイミド及びその前駆体を総称する。
【0026】
前記耐熱性樹脂は、分解温度が、好ましくは300℃以上、より好ましくは350℃以上、さらに好ましくは400℃以上である。分解温度が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、バインダーとして機能が失われることなく、熱電変換材料の屈曲性を維持することができる。
【0027】
また、前記耐熱性樹脂は、熱重量測定(TG)による350℃における質量減少率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。質量減少率が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、バインダーとして機能が失われることなく、熱電変換材料の屈曲性を維持することができる。
【0028】
前記耐熱性樹脂の前記熱電半導体組成物の全固形分中の配合量は、好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜20質量%である。前記耐熱性樹脂の配合量が、上記範囲内であれば、高い熱電性能と皮膜強度が両立した膜が得られる。
【0029】
本発明の熱電半導体組成物には、前記熱半導体微粒子、前記耐熱性樹脂及び前記導電性ガラス以外に、必要に応じて、さらに分散剤、造膜助剤、光安定剤、酸化防止剤、粘着付与剤、可塑剤、着色剤、樹脂安定剤、充てん剤、顔料、導電性フィラー、導電性高分子、硬化剤等の他の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
本発明の熱電半導体組成物の調製方法は、特に制限はなく、超音波ホモジナイザー、スパイラルミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパーサー、ハイブリッドミキサー等の公知の方法により、前記熱電半導体微粒子と前記導電性ガラス及び前記耐熱性樹脂、必要に応じて前記その他の添加剤、さらに溶媒を加えて、混合分散させ、当該熱電半導体組成物を調製すればよい。
前記溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アルコール、テトラヒドロフラン、メチルピロリドン、エチルセロソルブ等の溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。熱電半導体組成物の固形分濃度としては、該組成物が塗工に適した粘度であればよく、特に制限はない。
【0031】
[熱電変換材料]
本発明の熱電変換材料は、支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及び導電性ガラスを含む熱電半導体組成物からなる薄膜を有することを特徴とする。該薄膜は、上述した本発明の熱電半導体組成物を用いてなる。
【0032】
(支持体)
本発明の熱電変換材料に用いる支持体は、熱電変換材料の電気伝導率の低下、熱伝導率の増加に影響を及ぼさないものであれば、特に制限されない。支持体としては、例えば、ガラス、シリコン、プラスチックフィルム等が挙げられる。なかでも、屈曲性に優れるという点から、プラスチックフィルムが好ましい。
プラスチックフィルムとしては、具体的には、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテル・エーテルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム等が挙げられる。また、これらフィルムの積層体であってもよい。
これらの中でも、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、支持体が熱変形することなく、熱電変換材料の性能を維持することができ、耐熱性及び寸法安定性が高いという点から、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリアミドイミドフィルムが好ましく、さらに、汎用性が高いという点から、ポリイミドフィルムが特に好ましい。
【0033】
前記支持体の厚さは、屈曲性、耐熱性及び寸法安定性の観点から、1〜1000μmが好ましく、10〜500μmがより好ましく、20〜100μmがさらに好ましい。
また、上記プラスチックフィルムの分解温度が、好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上、さらに好ましくは300℃以上である。
【0034】
(熱電半導体組成物)
本発明の熱電変換材料に用いる熱電半導体組成物は、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及び導電性ガラスを含む。該熱電半導体組成物は、前述した本発明の熱電半導体組成物にかかる記載をすべて含む。
【0035】
前記熱電半導体組成物からなる薄膜の厚みは、特に制限はないが、熱電性能と皮膜強度の点から、好ましくは100nm〜200μm、より好ましくは300nm〜150μm、さらに好ましくは5〜150μmである。
【0036】
前記熱電半導体組成物からなる薄膜は、後述する本発明の熱電変換材料の製造方法で説明するように、支持体上に、前記熱電半導体組成物を塗布し、乾燥することで形成することができる。このように、形成することで、簡便に低コストで大面積の熱電変換材料を得ることができる。
【0037】
本発明の熱電変換材料は、単独で用いることもできるが、例えば、複数を、電気的には電極を介して直列に、熱的にはセラミックス又は絶縁性を有するフレキシブルなシート等を介して並列に接続して、熱電変換素子として、発電用及び冷却用として使用することができる。
【0038】
[熱電変換材料の製造方法]
本発明の熱電変換材料の製造方法は、支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及び導電性ガラスを含む熱電半導体組成物からなる薄膜を有する熱電変換材料の製造方法であって、支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及び導電性ガラスを含む熱電半導体組成物を塗布し、乾燥し、薄膜を形成する工程(以下、「薄膜形成工程」ということがある。)、さらに該薄膜をアニール処理する工程(以下、「アニール処理工程」ということがある。)を含む、ことを特徴とする。以下、本発明に含まれる工程について、順次説明する。
【0039】
(薄膜形成工程)
本発明の溶媒を含む熱電半導体組成物を、支持体上に塗布する方法としては、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スピンコート、ディップコート、ダイコート、スプレーコート、バーコート、ドクターブレード等の公知の方法が挙げられ、特に制限されない。塗膜をパターン状に形成する場合は、所望のパターンを有するスクリーン版を用いて簡便にパターン形成が可能なスクリーン印刷、スロットダイコート等が好ましく用いられる。
次いで、得られた塗膜を乾燥することにより、薄膜が形成されるが、乾燥方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等、従来公知の乾燥方法が採用できる。加熱温度は、通常、80〜150℃であり、加熱時間は、加熱方法により異なるが、通常、数秒〜数十分である。
【0040】
(アニール処理工程)
得られた熱電変換材料は、薄膜形成後、さらにアニール処理(以下、「アニール処理B」ということがある。)を行うことが好ましい。該アニール処理Bを行うことで、熱電性能を安定化させるとともに、薄膜中の熱電半導体微粒子を結晶成長させることができ、熱電性能をさらに向上させることができる。アニール処理Bは、特に限定されないが、通常、ガス流量が制御された、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、還元ガス雰囲気下、または真空条件下で行われ、用いる耐熱性樹脂及び導電性ガラスの耐熱温度等に依存するが、導電性ガラスの軟化点以上で行うことが好ましく、通常、数分〜数十時間行われる。
【0041】
本発明の製造方法によれば、簡便な方法で熱電性能が高く、低コストの熱電変換材料を得ることができる。
【実施例】
【0042】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0043】
実施例、比較例で作製した熱電変換材料の熱電性能評価、屈曲性評価は、以下の方法で行った。
<熱電性能評価>
(a)電気伝導率
実施例及び比較例で作製した熱電変換材料を、表面抵抗測定装置(三菱化学社製、商品名:ロレスタGP MCP−T600)により、四端子法で試料の表面抵抗値を測定し、電気伝導率(σ)を算出した。
(b)ゼーベック係数
JIS C 2527:1994に準拠して実施例及び比較例で作製した熱電変換材料の熱起電力を測定し、ゼーベック係数(S)を算出した。作製した熱変換材料の一端を加熱して、熱変換材料の両端に生じる温度差をクロメル−アルメル熱電対を使用し測定し、熱電対設置位置に隣接した電極から熱起電力を測定した。
具体的には、温度差と起電力を測定する試料の両端間距離を25mmとし、一端を20℃に保ち、他端を25℃から50℃まで1℃刻みで加熱し、その際の熱起電力を測定して、傾きからゼーベック係数(S)を算出した。なお、熱電対及び電極の設置位置は、薄膜の中心線に対し、互いに対称の位置にあり、熱電対と電極の距離は1mmである。
(c)熱伝導率
熱伝導率の測定には3ω法を用いて熱伝導率(λ)を算出した。
得られた、電気伝導率、ゼーベック係数及び熱伝導率から、熱電性能指数Z(Z=σS/λ)を求め、無次元熱電性能指数ZT(T=300K)を算出した。
<屈曲性評価>
実施例及び比較例で作製した熱電変換材料について、円筒形マンドレル法によりマンドレル径φ10mmの時の薄膜の屈曲性を評価した。円筒形マンドレル試験前後で、熱電変換材料の外観評価及び熱電性能評価を行い、以下の基準で屈曲性を評価した。
◎:試験前後で熱電変換材料の外観に異常が見られず無次元熱電性能指数ZTが変化しない場合
○:試験前後で熱電変換材料の外観に異常が見られずZTの減少が30%未満であった場合
×:試験後に熱電変換材料にクラック等の割れが発生したり、ZTが30%以上減少した場合
【0044】
(熱電半導体微粒子の作製方法)
ビスマス−テルル系熱電半導体材料であるp型ビスマステルライドBi0.4TeSb1.6(高純度化学研究所製、粒径:180μm)を、遊星型ボールミル(フリッチュジャパン社製、Premium line P−7)を使用し、窒素ガス雰囲気下で粉砕することで、平均粒径1.2μmの熱電半導体微粒子T1を作製した。粉砕して得られた熱電半導体微粒子に関して、レーザー回折式粒度分析装置(CILAS社製、1064型)により粒度分布測定を行った。
また、ビスマス−テルル系熱電半導体材料であるn型ビスマステルライドBiTe(高純度化学研究所製、粒径:180μm)を上記と同様に粉砕し、平均粒径1.4μmの熱電半導体微粒子T2を作製した。
【0045】
(実施例1)
(1)熱電半導体組成物の作製
表1に示す実施例1に記載した配合量(熱電半導体組成物の全固形分中の質量%)になるように、得られたビスマス−テルル系熱電半導体材料の微粒子T1、耐熱性樹脂としてポリイミド前駆体であるポリアミック酸(シグマアルドリッチ社製、ポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4´−オキシジアニリン)溶液、溶媒:N−メチルピロリドン、固形分濃度:15質量%、分解温度:490℃、熱重量測定による300℃における質量減少率:0.5%)、及び導電性ガラスとしてNTAガラスパウダー(株式会社東海産業製、平均粒子径:2.6μm)を混合分散した熱電半導体組成物からなる塗工液を調製した。
【0046】
(2)熱電変換材料の製造
(1)で調製した塗工液を、スピンコート法により支持体であるポリイミドフィルム(東レデュポン社製、商品名「カプトン」、厚さ50μm)上に塗布し、温度150℃で、10分間アルゴン雰囲気下で乾燥し、厚さが20μmの薄膜を形成した。次いで、得られた薄膜に対し、水素とアルゴンの混合ガス(水素:アルゴン=5体積%:95体積%)雰囲気下で、加温速度5K/minで昇温し、450℃で1時間保持し、薄膜形成後のアニール処理Bを行うことにより、熱電半導体材料の微粒子を結晶成長させ、熱電変換材料を作製した。
【0047】
(実施例2)
アニール処理Bの温度を500℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
【0048】
(実施例3)
熱電半導体微粒子をT1からT2に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
【0049】
(実施例4)
アニール処理Bの温度を500℃に変更した以外は、実施例3と同様にして、熱電変換材料を作製した。
【0050】
(実施例5)
導電性ガラスの添加量を5質量%から1質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
【0051】
(実施例6)
導電性ガラスの添加量を5質量%から20質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
【0052】
(実施例7)
耐熱性樹脂をエポキシ樹脂(Hexion Specialty Chemicals社製、EPON 862)に変更し、硬化剤(Dixie Chemicals社製、 methylhexahydrophthalic anhydride)をエポキシ樹脂に対して、4.25質量%添加したこと以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
【0053】
(実施例8)
アニール処理Bの温度を480℃にした以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
【0054】
(比較例1)
導電性ガラスを添加しない以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
【0055】
【表1】
【0056】
実施例1〜8及び比較例1で得られた熱電変換材料の熱電性能評価及び屈曲性評価結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
実施例1〜8の熱電変換材料は、導電補助剤として導電性ガラスを加えない比較例1に比べて、無次元熱電性能指数ZTが2〜4オーダー高く、また、円筒形マンドレル試験前後で、熱電変換材料にクラック等の割れが発生することもなく、無次元熱電性能指数ZTがほとんど低下せず、屈曲性が優れていることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の熱電半導体組成物は、熱と電気の相互エネルギー変換性能を有し、熱電変換材料として利用される。また、本発明の熱電変換材料は、熱と電気の相互エネルギー変換を行う熱電変換素子にして、モジュールに組み込み、利用される。具体的には、簡便に低コストで製造可能な屈曲性を有する熱電変換材料が得られ、例えば、建築物の壁面へ設置する場合など、壁面部の表面の形状によらずかつ大面積な用途等に、低コストの熱電変換材料として用いることができる。