(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記列車特定部により特定された上記乗車予定列車の中に、上記車いすスペースまたはフリースペースが設置された車両が複数ある場合、上記車両特定部は、降車後に通過する駅設備に対して最も近い車いすスペースまたはフリースペースがある車両を特定することを特徴とする請求項1に記載の経路探索システム。
上記到着時刻予測部により予測された上記到着時刻と、上記列車特定部により特定された上記乗車予定列車の発車時刻とから、乗車駅の駅構内を移動可能な移動可能時間を算出する移動可能時間算出部と、
上記降車後に通過する駅設備に対して最も近い車いすスペースまたはフリースペースがある車両の位置まで上記乗車駅の駅構内を移動するのに要する移動所要時間を算出する移動所要時間算出部とを更に備え、
上記列車特定部は、上記到着時刻予測部により予測された上記到着時刻から直近の発車時刻となる列車を上記乗車予定列車として特定し、
上記車両特定部は、上記列車特定部により特定された上記乗車予定列車の中に、上記車いすスペースまたはフリースペースが設置された車両が複数ある場合において、上記移動所要時間が上記移動可能時間以内であるときに限り、上記降車後に通過する駅設備に対して最も近い車いすスペースまたはフリースペースがある車両を特定することを特徴とする請求項2に記載の経路探索システム。
上記誘導経路の設定後、現在地が上記乗車駅から所定距離以内の地点に到達したと判定されたとき、上記到着時刻予測部、上記列車特定部、上記車両特定部および上記経路設定部の処理を再実行することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の経路探索システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の経路探索システムを実施した第1の実施形態によるナビゲーション装置の機能構成例を示すブロック図である。本実施形態のナビゲーション装置は、車いすで鉄道を利用して目的地まで移動する場合の誘導経路を探索する機能を備えている。
【0015】
図1に示すように、第1の実施形態によるナビゲーション装置は、その機能構成として、経路探索部100、現在位置検出部101および目的地設定部102を備えている。また、第1の実施形態によるナビゲーション装置は、記憶媒体として、地図データ記憶部201、施設データ記憶部202、鉄道運行情報記憶部203および車両情報記憶部204を備えている。また、経路探索部100は、その具体的な機能構成として、到着時刻予測部11、列車特定部12、車両特定部13および経路設定部14を備えている。
【0016】
上記各機能ブロック11〜14は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11〜14は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0017】
地図データ記憶部201は、地図表示や経路探索などに必要な地図データを記憶するものであり、例えばハードディスクにより構成される。本実施形態では、車いすで鉄道を利用して目的地まで移動する場合の経路を探索できるような地図データが地図データ記憶部201に記憶されている。すなわち、道路上にノードデータやリンクデータが設定されているのみならず、鉄道の線路上および駅構内の所要地点にもノードデータやリンクデータが設定されている。
【0018】
施設データ記憶部202は、各種施設に関するデータを記憶するものであり、例えばハードディスクにより構成される。各種施設の中には、鉄道駅も含まれる。鉄道駅に関する施設データは、出入口の場所、改札口の場所、プラットホームの場所、エレベータの場所、スロープの場所などの情報を含んでいる。
【0019】
鉄道運行情報記憶部203は、各列車の各鉄道駅での発着時刻を表した運行情報を記憶するものであり、例えばハードディスクにより構成される。すなわち、鉄道運行情報記憶部203は、鉄道のいわゆる時刻表のデータを記憶している。この運行情報は、複数の路線が相互に乗り入れている鉄道駅に関しては、発着時刻ごとに、発着する列車の路線情報が紐付けて記憶されている。
【0020】
車両情報記憶部204は、各路線で使用されている列車の車両情報を記憶するものであり、例えばハードディスクにより構成される。車両情報は、鉄道の路線ごとに車いすスペースがある車両の位置(車両番号など)を表した情報である。
図2は、この車両情報の一例を示す図である。
図2に示す車両情報は、東横線を乗り入れる各路線の列車において、車いすスペースがどの車両に設置されているかを示している。
【0021】
上述した運行情報および車両情報を用いることにより、各鉄道駅の各発着時刻において、発着する列車のどの車両に車いすスペースがあるのかを特定することが可能である。なお、本実施形態では、車いすスペースがある車両を特定できればよいので、運行情報の発着時刻ごとに、車両情報を紐付けて記憶するようにしてもよい。
【0022】
なお、地図データ記憶部201、施設データ記憶部202、鉄道運行情報記憶部203および車両情報記憶部204を構成する記憶媒体としては、ハードディスクの他に、DVD(Digital Versatile Disk)、CD(Compact Disc)、半導体メモリなどを用いても良い。
【0023】
現在位置検出部101は、車両の現在位置を検出するものであり、自立航法センサ、GPS受信機、位置計算用CPU等で構成されている。自立航法センサは、所定走行距離毎に1個のパルスを出力して車両の移動距離を検出する車速センサ(距離センサ)と、車両の回転角度(移動方位)を検出する振動ジャイロ等の角速度センサ(相対方位センサ)とを含む。自立航法センサは、これらの車速センサおよび角速度センサによって車両の相対位置および方位を検出する。
【0024】
位置計算用CPUは、自立航法センサから出力される自車の相対的な位置および方位のデータに基づいて、絶対的な自車位置(推定車両位置)および車両方位を計算する。また、GPS受信機は、複数のGPS衛星から送られてくる電波をGPSアンテナで受信して、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置および方位を計算する(車両方位は、現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)。
【0025】
目的地設定部102は、図示しない操作部に対するユーザ操作に応じて、誘導経路の目的地を設定する。経路探索部100は、地図データ記憶部201、施設データ記憶部202、鉄道運行情報記憶部203および車両情報記憶部204に記憶されている各データを用いて、現在位置検出部101により検出された現在位置から、目的地設定部102により設定された目的地までを結ぶ最もコストが小さな誘導経路を探索する処理を行う。
【0026】
本実施形態では、自動車で目的地まで移動する場合の誘導経路を探索する通常モードと、車いすで目的地まで移動する場合の誘導経路を探索する車いすモードとを有し、ユーザ操作により何れかのモードを選択可能となっている。通常モードが選択された場合、経路探索部100は、地図データ記憶部201に記憶されている地図データに基づいて、道路を通って目的地まで移動する誘導経路を探索する。
【0027】
一方、車いすモードが選択された場合において、目的地までの誘導経路の中に鉄道での移動経路が含まれるとき、経路探索部100は、地図データ記憶部201に記憶されている地図データに加え、施設データ記憶部202、鉄道運行情報記憶部203および車両情報記憶部204に記憶されている各データも用いて、道路および鉄道を使って目的地まで移動する誘導経路を探索する。
【0028】
以下、車いすモードが選択された場合に動作する経路探索部100の機能を詳細に説明する。
【0029】
到着時刻予測部11は、目的地までの誘導経路の中に鉄道での移動経路が含まれる場合、乗車駅への到着時刻を予測する。
図3は、現在位置から目的地までの間に鉄道での移動経路が含まれる誘導経路を示す図である。
図3に示す誘導経路は、現在位置301から最寄りの乗車駅302まで車いすで移動し、降車駅302まで鉄道で移動した後、降車駅303から目的地304まで車いすで移動する経路である。
【0030】
乗車駅302への到着時刻の予測には、公知の技術を適用することが可能である。例えば、地図データに基づいて、現在位置301から乗車駅302までの距離を求め、当該移動距離と車いすスの平均移動速度とから移動所要時間を算出する。そして、この移動所要時間を現在時刻に加算することにより、乗車駅302への到着時刻を予測する。なお、現在位置301から乗車駅302までの経路中に信号がある場合は、1つの信号で所定時間ずつ停止すると仮定して到着時刻を予測するようにしてもよい。
【0031】
列車特定部12は、到着時刻予測部11により予測された乗車駅への到着時刻をもとに、鉄道運行情報記憶部203に記憶されている運行情報を参照し、乗車予定列車を特定する。例えば、列車特定部12は、到着時刻予測部11により予測された乗車駅への到着時刻から直近の発車時刻となる列車を乗車予定列車として特定する。なお、複数の路線が乗り入れている駅の場合は、降車駅方面に向かう路線の列車で、乗車駅への予測到着時刻から直近の発車時刻となる列車を乗車予定列車として特定する。
【0032】
車両特定部13は、列車特定部12により特定された乗車予定列車の路線をもとに、車両情報記憶部204に記憶されている車両情報を参照し、乗車予定列車の中で車いすスペースが設置されている車両を特定する。
【0033】
経路設定部14は、現在位置から目的地までの誘導経路を探索して設定する。ここで、誘導経路の中に鉄道での移動経路が含まれる場合、経路設定部14は、駅構内の経路に関して、車両特定部13により特定された車両の位置まで誘導する経路を設定する。乗車駅の駅構内を誘導する経路は、駅の出入口、改札口、エレベータまたはスロープを経由して、プラットホーム上の特定車両の乗車位置に至る経路である。
【0034】
図4は、経路設定部14により乗車駅の駅構内に設定されるプラットホーム上の誘導経路401の一例を示す図である。
図4には、エレベータを降りた後、特定車両の乗車位置まで誘導する経路401が示されている。この乗車位置は、車両特定部13により特定された車両の乗車位置である。
【0035】
なお、列車特定部12により特定された乗車予定列車の中に、車いすスペースの設置された車両が1つしかない場合、車両特定部13は、その唯一の車いすスペース設置車両を特定すればよい。この場合、経路設定部14は、
図4に示すように、車両特定部13により特定された唯一の車いすスペース設置車両の乗車位置まで駅構内を誘導する経路401を設定する。
【0036】
一方、列車特定部12により特定された乗車予定列車の中に、車いすスペースが設置された車両が複数ある場合、車両特定部13は、施設データ記憶部202に記憶されている施設データを参照して、乗換駅または降車駅において降車後に通過する駅設備に対して最も近い車いすスペースがある車両を特定する。降車後に通過する駅設備とは、プラットホーム上にエレベータやスロープがある場合は、当該エレベータまたはスロープである。プラットホーム上にエレベータやスロープがなく、列車から降車した後、エレベータやスロープを使わずに改札口まで移動できる場合は、当該改札口である。
【0037】
図5は、乗車予定列車の中に車いすスペース設置車両が複数ある場合における車両の特定例を示す図である。
図5の例は、列車特定部12により特定された乗車予定列車が、進行方向前寄りの2両目と後寄り9両目との2箇所に車いすスペースを有している場合を示している。また、
図5の例は、降車駅303のプラットホーム上にはエレベータやスロープがなく、進行方向前寄り側に改札口が存在する場合を示している。
【0038】
この場合、車両特定部13は、降車駅303において通過する改札口に対して最も近い車いすスペースがある前寄り2両目の車両を特定する。そして、経路設定部14は、乗車駅302の駅構内の誘導経路に関して、車両特定部13により特定された前寄り2両目の車両の乗車位置まで駅構内を誘導する経路501を設定する。これにより、降車駅303で列車から降りた後の移動に都合のよい車いすスペース設置車両に誘導することができる。
【0039】
図6は、上記のように構成した第1の実施形態によるナビゲーション装置の動作例を示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートは、目的地設定部102により目的地を設定した後、ユーザが探索開始ボタンを押下したときに開始する。
【0040】
まず、経路探索部100は、現在位置から目的地に向けて探索枝を伸ばしながら、経路を探索する(ステップS1)。ここで、経路探索部100は、目的地までの誘導経路の中に鉄道での移動経路が含まれるか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、経路探索部100は、伸ばした先の探索枝が、乗車駅のリンクを含むか否かを判定する。
【0041】
目的地までの誘導経路の中に鉄道での移動経路が含まれていないと判定された場合、処理はステップS10に進む。一方、目的地までの誘導経路の中に鉄道での移動経路が含まれると判定された場合、到着時刻予測部11は、乗車駅への到着時刻を予測する(ステップS3)。次いで、列車特定部12は、乗車駅への予測到着時刻をもとに、鉄道運行情報記憶部203に記憶されている運行情報を参照し、乗車予定列車を特定する(ステップS4)。
【0042】
さらに、車両特定部13は、列車特定部12により特定された乗車予定列車の路線をもとに、車両情報記憶部204に記憶されている車両情報を参照し、乗車予定列車の中で車いすスペースが設置されている車両を確認し、車いすスペース設置車両が1つのみか否かを判定する(ステップS5)。車いすスペース設置車両が乗車予定列車の中で1つのみの場合、車両特定部13は、当該車いすスペース設置車両を特定する(ステップS6)。
【0043】
一方、乗車予定列車の中に車いすスペース設置車両が複数ある場合、車両特定部13は、施設データ記憶部202に記憶されている施設データを参照し、乗換駅または降車駅において降車後に通過する駅設備が駅構内のどこにあるかを確認する(ステップS7)。そして、車両特定部13は、複数の車いすスペース設置車両のうち、降車後に通過する駅設備に対して最も近い車いすスペース設置車両を特定する(ステップS8)。
【0044】
ステップS6またはステップS8で車いすスペース設置車両を特定した後、経路設定部14は、車両特定部13により特定された車いすスペース設置車両の位置まで乗車駅の駅構内を誘導する経路を探索する(ステップS9)。その後、経路探索部100は、乗車駅から目的地までの経路の探索を続行し(ステップS10)、目的地まで経路の探索が終了したか否かを判定する(ステップS11)。
【0045】
ここで、目的地まで経路の探索がまだ終了していない場合、処理はステップS10に戻り、経路の探索を続行する。一方、目的地まで経路の探索が終了した場合、
図6に示すフローチャートの処理は終了する。
【0046】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、目的地までの誘導経路の中に鉄道での移動経路が含まれる場合、乗車駅への予測到着時刻をもとに乗車予定列車を特定するとともに、当該特定した乗車予定列車の路線をもとに、車いすスペースがある車両を特定し、当該特定した車両の位置まで誘導する経路を設定するようにしている。
【0047】
このように構成した第1の実施形態によれば、車いすで鉄道を利用して目的地まで移動する場合の誘導経路を探索する際に、乗車駅への予測到着時刻をもとに乗車予定列車を特定するだけでなく、当該特定した乗車予定列車の路線をもとに、乗車予定列車の中で車いすスペースがある車両を特定しているので、複数路線が相互に乗り入れしている鉄道駅においても、乗車予定列車の中で車いすスペースがある車両に確実に誘導することができる。
【0048】
また、第1の実施形態では、運行情報を参照して特定された乗車予定列車の中に、車いすスペースが設置された車両が複数ある場合は、降車後に通過する駅設備に対して最も近い車いすスペースがある車両を特定するようにしている。これにより、降車後の利便性を考慮した最適な車いすスペースの車両に誘導することができる。
【0049】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。
図7は、本発明の経路探索システムを実施した第2の実施形態による単にナビゲーション装置の機能構成例を示すブロック図である。なお、この
図7において、
図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0050】
図7に示すように、第2の実施形態による経路探索部100’は、移動可能時間算出部15および移動所要時間算出部16を更に備えている。また、第2の実施形態による経路探索部100’は、車両特定部13に代えて車両特定部13’を備えている。
【0051】
移動可能時間算出部15は、列車特定部12により特定された乗車予定列車の中に、車いすスペースの設置された車両が複数ある場合、到着時刻予測部11により予測された乗車駅への到着時刻と、列車特定部12により特定された乗車予定列車の発車時刻とから、乗車駅の駅構内を移動可能な移動可能時間を算出する。すなわち、移動可能時間算出部15は、乗車予定列車の発車時刻から乗車駅への予測到着時刻を減算することにより、駅構内を移動可能な移動可能時間を算出する。
【0052】
移動所要時間算出部16は、列車特定部12により特定された乗車予定列車の中に、車いすスペースの設置された車両が複数ある場合、降車後に通過する駅設備に対して最も近い車いすスペースがある車両の乗車位置まで、乗車駅の駅構内を移動するのに要する移動所要時間を算出する。すなわち、移動所要時間算出部16は、乗車駅の出入口から、改札口、エレベータまたはスロープを経由してプラットホームに移動し、降車後の移動に便が良い車いすスペース設置車両の位置までプラットホーム上を更に移動するのに要する時間を算出する。この移動所要時間は、例えば、車いすの駅構内での移動速度と移動距離(何れもあらかじめ設定されているものとする)とから算出することが可能である。
【0053】
車両特定部13’は、移動所要時間算出部16により算出された移動所要時間が、移動可能時間算出部15により算出された移動可能時間以内である場合に限り、降車後に通過する駅設備に対して最も近い車いすスペースがある車両を特定する。そうでない場合は、車両特定部13’は、乗車駅の駅構内での乗車位置までの移動所要時間が最も短くなる車いすスペース設置車両を特定する。なお、乗車駅への予測到着時刻から特定した発車時刻が直近の列車について、移動所要時間が最も短くなる車いすスペース設置車両の位置までの移動であっても、発車時刻に間に合わない場合は、列車特定部12は、乗車駅への予測到着時刻から直近の発車時刻ではなく、次の発車時刻の列車を特定する。
【0054】
このように構成した第2の実施形態によれば、乗車駅への予測到着時刻と乗車予定列車の発車時刻との差を考慮した誘導経路の設定を行うことができるので、より実用的な誘導を行うことができる。
【0055】
なお、上記第1および第2の実施形態では、到着時刻予測部11は、乗車駅への到着時刻を予測する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、乗車駅のプラットホームへの到着時刻を予測するようにしてもよい。このようにすれば、予測到着時刻から直近の発車時刻の列車を列車特定部12が特定した場合に、車いすスペース設置車両の位置まで移動するために発車時刻に間に合わなくなるということをほぼなくすことができる。
【0056】
また、上記第1および第2の実施形態では、経路探索を行った現在位置において、乗車駅への到着時刻を予測する例について説明したが、予測した時刻の通りに乗車駅に到着するとは限らない。この場合、誘導経路の一部として設定されていた乗車予定列車の発車時刻を過ぎてしまったり、乗車予定列車の発車時刻よりもだいぶ早く乗車駅に到着してしまったりすることがあり得る。そこで、最初に誘導経路を設定した後、現在地が乗車駅から所定距離以内の地点に到達したと判定されたとき、到着時刻予測部11、列車特定部12、車両特定部13および経路設定部14の処理を再実行するようにしてもよい。
【0057】
また、上記第1および第2の実施形態では、ナビゲーション装置が経路探索部100,100’および各記憶部201〜204を備える例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、経路探索部100,100’および各記憶部201〜204をサーバが備え、ナビゲーション装置からネットワーク経由でサーバに対して行われる要求に応じてサーバのコンピュータで経路探索処理を行い、その結果をナビゲーション装置に提供するようにしてもよい。このようにすれば、天候や事故などによるダイヤ乱れが生じた場合に、ダイヤ乱れに応じて鉄道運行情報記憶部203に記憶される運行情報に基づいて経路探索を行うことができる。
【0058】
また、上記第1および第2の実施形態では、車いすで鉄道を利用して目的地まで移動する際の誘導経路を探索する例について説明したが、ベビーカーや大型荷物(キャリーケース)などを所持する歩行者が鉄道を利用して目的地まで移動する際の誘導経路を探索する場合にも同様に適用することが可能である。なお、この場合、特定する車両はフリースペースがある車両であり、フリースペースがない車両の場合に限っては、は車いすスペースが設置されている車両を特定する。
【0059】
その他、上記第1および第2の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。