(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも一方に開口を有するランプハウジングと前記ランプハウジングの前記開口を覆うカバーとによって構成された灯具外筐の内部に光源を有するランプユニットが配置された車輌用灯具であって、
前記ランプユニットはベース体と第1の光学体と第2の光学体を備え、
前記第1の光学体と前記第2の光学体には前記ベース体に取付ネジにより固定されるネジ止め部がそれぞれ設けられ、
前記第1の光学体と前記第2の光学体は前記ネジ止め部同士が重ねられた状態で前記取付ネジを用いた共締めにより前記ベース体に取り付けられ、
前記第1の光学体には前記共締め時に前記第2の光学体から付与される押圧力によって押し潰される圧潰突部が設けられ、
前記第1の光学体には前記共締め時に前記ベース体に押し付けられる当接部が設けられ、
前記第2の光学体には前記共締め時に前記圧潰突部が押し潰された状態で前記ベース体に押し付けられる接触部が設けられ、
前記第2の光学体が金属材料によって形成され、
前記第1の光学体が樹脂材料によって形成された
車輌用灯具。
少なくとも一方に開口を有するランプハウジングと前記ランプハウジングの前記開口を覆うカバーとによって構成された灯具外筐の内部に光源を有するランプユニットが配置された車輌用灯具であって、
前記ランプユニットはベース体と第1の光学体と第2の光学体を備え、
前記第1の光学体と前記第2の光学体には前記ベース体に取付ネジにより固定されるネジ止め部がそれぞれ設けられ、
前記第1の光学体と前記第2の光学体は前記ネジ止め部同士が重ねられた状態で前記取付ネジを用いた共締めにより前記ベース体に取り付けられ、
前記第1の光学体には前記共締め時に前記第2の光学体から付与される押圧力によって押し潰される圧潰突部が設けられ、
前記第1の光学体には前記共締め時に前記ベース体に押し付けられる当接部が設けられ、
前記第2の光学体には前記共締め時に前記圧潰突部が押し潰された状態で前記ベース体に押し付けられる接触部が設けられ、
前記当接部は所定の方向に離隔して位置された第1の当接部と第2の当接部を含む少なくとも二つが設けられ、
前記接触部は前記所定の方向と同じ方向に離隔して位置された第1の接触部と第2の接触部を含む少なくとも二つが設けられた
車輌用灯具。
少なくとも一方に開口を有するランプハウジングと前記ランプハウジングの前記開口を覆うカバーとによって構成された灯具外筐の内部に光源を有するランプユニットが配置された車輌用灯具であって、
前記ランプユニットはベース体と第1の光学体と第2の光学体を備え、
前記第1の光学体と前記第2の光学体には前記ベース体に取付ネジにより固定されるネジ止め部がそれぞれ設けられ、
前記第1の光学体と前記第2の光学体は前記ネジ止め部同士が重ねられた状態で前記取付ネジを用いた共締めにより前記ベース体に取り付けられ、
前記第1の光学体には前記共締め時に前記第2の光学体から付与される押圧力によって押し潰される圧潰突部が設けられ、
前記第1の光学体には前記共締め時に前記ベース体に押し付けられる当接部が設けられ、
前記第2の光学体には前記共締め時に前記圧潰突部が押し潰された状態で前記ベース体に押し付けられる接触部が設けられ、
前記第1の光学体と前記第2の光学体にそれぞれ位置決め孔が形成され、
前記ベース体には前記第1の光学体の前記位置決め孔と前記第2の光学体の前記位置決め孔とに挿入される位置決めピンが設けられた
車輌用灯具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のようなヒートシンクにレンズホルダーとリフレクターとがネジ止めによって取り付けられる車輌用灯具において、ヒートシンクに対するレンズホルダーのネジ止めによる取付とヒートシンクに対するリフレクターのネジ止めによる取付とを各別に行うと、ヒートシンクに対する2回の取付作業が必要になり、各部の取付作業に関する作業性の低下を来してしまう。
【0008】
そこで、本発明車輌用灯具は、上記した問題点を克服し、ランプユニットにおける各部の取付作業に関する作業性の向上を図った上でベース体に対する第1の光学体と第2の光学体の位置精度の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1に、本発明に係る車輌用灯具は、少なくとも一方に開口を有するランプハウジングと前記ランプハウジングの前記開口を覆うカバーとによって構成された灯具外筐の内部に光源を有するランプユニットが配置された車輌用灯具であって、前記ランプユニットはベース体と第1の光学体と第2の光学体を備え、前記第1の光学体と前記第2の光学体には前記ベース体に取付ネジにより固定されるネジ止め部がそれぞれ設けられ、前記第1の光学体と前記第2の光学体は前記ネジ止め部同士が重ねられた状態で前記取付ネジを用いた共締めにより前記ベース体に取り付けられ、前記第1の光学体には前記共締め時に前記第2の光学体から付与される押圧力によって押し潰される圧潰突部が設けられ、前記第1の光学体には前記共締め時に前記ベース体に押し付けられる当接部が設けられ、前記第2の光学体には前記共締め時に前記圧潰突部が押し潰された状態で前記ベース体に押し付けられる接触部が設けられ
、前記第2の光学体が金属材料によって形成され、前記第1の光学体が樹脂材料によって形成されたものである。
【0010】
これにより、第1の光学体と第2の光学体が共締めによりベース体に取り付けられると共に共締め時に圧潰突部が押し潰され第1の光学体の当接部と第2の光学体の接触部とがベース体に押し付けられる。
また、第2の光学体の剛性が第1の光学体の剛性より高くなり易い。
【0013】
第2に、本発明に係る車輌用灯具は、少なくとも一方に開口を有するランプハウジングと前記ランプハウジングの前記開口を覆うカバーとによって構成された灯具外筐の内部に光源を有するランプユニットが配置された車輌用灯具であって、前記ランプユニットはベース体と第1の光学体と第2の光学体を備え、前記第1の光学体と前記第2の光学体には前記ベース体に取付ネジにより固定されるネジ止め部がそれぞれ設けられ、前記第1の光学体と前記第2の光学体は前記ネジ止め部同士が重ねられた状態で前記取付ネジを用いた共締めにより前記ベース体に取り付けられ、前記第1の光学体には前記共締め時に前記第2の光学体から付与される押圧力によって押し潰される圧潰突部が設けられ、前記第1の光学体には前記共締め時に前記ベース体に押し付けられる当接部が設けられ、前記第2の光学体には前記共締め時に前記圧潰突部が押し潰された状態で前記ベース体に押し付けられる接触部が設けられ、前記当接部は所定の方向に離隔して位置された第1の当接部と第2の当接部を含む少なくとも二つが設けられ、前記接触部は前記所定の方向と同じ方向に離隔して位置された第1の接触部と第2の接触部を含む少なくとも二つが設けられた
ものである。
【0014】
これにより、
第1の光学体と第2の光学体が共締めによりベース体に取り付けられると共に共締め時に圧潰突部が押し潰され第1の光学体の当接部と第2の光学体の接触部とがベース体に押し付けられる。また、第1の光学体と第2の光学体がそれぞれ二つの位置においてベース体に押し付けられる。
【0015】
第3に、本発明に係る車輌用灯具は、少なくとも一方に開口を有するランプハウジングと前記ランプハウジングの前記開口を覆うカバーとによって構成された灯具外筐の内部に光源を有するランプユニットが配置された車輌用灯具であって、前記ランプユニットはベース体と第1の光学体と第2の光学体を備え、前記第1の光学体と前記第2の光学体には前記ベース体に取付ネジにより固定されるネジ止め部がそれぞれ設けられ、前記第1の光学体と前記第2の光学体は前記ネジ止め部同士が重ねられた状態で前記取付ネジを用いた共締めにより前記ベース体に取り付けられ、前記第1の光学体には前記共締め時に前記第2の光学体から付与される押圧力によって押し潰される圧潰突部が設けられ、前記第1の光学体には前記共締め時に前記ベース体に押し付けられる当接部が設けられ、前記第2の光学体には前記共締め時に前記圧潰突部が押し潰された状態で前記ベース体に押し付けられる接触部が設けられ、前記第2の当接部と前記第1の接触部が前後方向における同じ位置に設けられ、前記第1の当接部と前記第2の接触部が前記第2の当接部を挟んで前後方向における反対の位置に設けられ
たものである。
【0016】
これにより、
第1の光学体と第2の光学体が共締めによりベース体に取り付けられると共に共締め時に圧潰突部が押し潰され第1の光学体の当接部と第2の光学体の接触部とがベース体に押し付けられる。また、第1の光学体と第2の光学体のベース体に対する位置決めの基準となる位置の一部が前後方向において同じ位置になる。
【0017】
第4に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記第1の光学体の前記ネジ止め部と前記第2の光学体の前記ネジ止め部とが左右に離隔してそれぞれ一対設けられることが望ましい。
【0018】
これにより、第1の光学体と第2の光学体が左右に離隔して位置されたネジ止め部とネジ止め部において取付ネジによって固定される。
【0019】
第5に、本発明に係る車輌用灯具は、少なくとも一方に開口を有するランプハウジングと前記ランプハウジングの前記開口を覆うカバーとによって構成された灯具外筐の内部に光源を有するランプユニットが配置された車輌用灯具であって、前記ランプユニットはベース体と第1の光学体と第2の光学体を備え、前記第1の光学体と前記第2の光学体には前記ベース体に取付ネジにより固定されるネジ止め部がそれぞれ設けられ、前記第1の光学体と前記第2の光学体は前記ネジ止め部同士が重ねられた状態で前記取付ネジを用いた共締めにより前記ベース体に取り付けられ、前記第1の光学体には前記共締め時に前記第2の光学体から付与される押圧力によって押し潰される圧潰突部が設けられ、前記第1の光学体には前記共締め時に前記ベース体に押し付けられる当接部が設けられ、前記第2の光学体には前記共締め時に前記圧潰突部が押し潰された状態で前記ベース体に押し付けられる接触部が設けられ、前記第1の光学体と前記第2の光学体にそれぞれ位置決め孔が形成され、前記ベース体には前記第1の光学体の前記位置決め孔と前記第2の光学体の前記位置決め孔とに挿入される位置決めピンが設けられ
たものである。
【0020】
これにより、
第1の光学体と第2の光学体が共締めによりベース体に取り付けられると共に共締め時に圧潰突部が押し潰され第1の光学体の当接部と第2の光学体の接触部とがベース体に押し付けられる。また、第1の光学体の位置決め孔と第2の光学体の位置決め孔に挿入される共通の位置決めピンがベース体に設けられる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1の光学体と第2の光学体が共締めによりベース体に取り付けられると共に共締め時に圧潰突部が押し潰され第1の光学体の当接部と第2の光学体の接触部とがベース体に押し付けられるため、ランプユニットにおける各部の取付作業に関する作業性の向上を図った上でベース体に対する第1の光学体と第2の光学体の位置精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明車輌用灯具を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0024】
以下に示した実施の形態は、本発明車輌用灯具を車輌用前照灯(ヘッドランプ)に適用したものである。尚、本発明の適用範囲はヘッドランプに限られることはなく、クリアランスランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、ストップランプ、デイタイムランニングランプ、コーナーリングランプ、ハザードランプ、ポジションランプ、バックランプ、フォグランプ等又はこれらの組み合わせであるコンビネーションランプ等の各種の車輌用灯具に広く適用することができる。
【0025】
車輌用灯具1は、それぞれ車体の前端部における左右両端部に取り付けられて配置されている。
【0026】
車輌用灯具1は前端に開口を有するランプハウジング2とランプハウジング2の開口を閉塞するカバー3とを備えている(
図1参照)。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成され、灯具外筐4の内部空間が灯室5として形成されている。
【0027】
ランプハウジング2の後端部には挿入孔2aが形成され、挿入孔2aがバックカバー6によって閉塞されている。
【0028】
灯室5にはランプユニット7が配置されている。ランプユニット7はヒートシンク8とレンズホルダー9とリフレクター10を有している(
図1乃至
図3参照)。ヒートシンク8はベース体として機能し、レンズホルダー9は第1の光学体として機能し、リフレクター10は第2の光学体として機能する。
【0029】
ヒートシンク8とリフレクター10は、例えば、アルミニウム等の金属材料によって形成され、レンズホルダー9は、例えば、ポリカーボネイト等の樹脂材料によって形成されている。従って、ヒートシンク8とリフレクター10の剛性はレンズホルダー9の剛性より高くされている。
【0030】
ヒートシンク8は上下方向を向く板状のベース面部11とベース面部11から下方に突出されたフィン部12、12、・・・とを有している。
【0031】
ベース面部11の前端部には上面における左右両端部にそれぞれ上方に突出された受け突部13、13が設けられている。受け突部13の上面は第1の受け面13aとして形成されている。
【0032】
ベース面部11の上面における左右両端部にはそれぞれ上方に突出されたネジ止めボス14、14が設けられている。ネジ止めボス14、14はそれぞれ受け突部13、13の後方に位置され、上方に開口された締結穴14a、14aを有している。
【0033】
ネジ止めボス14は下側に位置された円環状の大径部15と上側に位置され大径部15より径が小さい円筒状の小径部16とを有し、大径部15の中心軸と小径部16の中心軸とが一致されている。大径部15の上面は第2の受け面15aとして形成されている。小径部16の上面は第1の支持面16aとして形成されている。
【0034】
ベース面部11には受け突部13、13とネジ止めボス14、14の間の位置にそれぞれ上方に突出された位置決めピン17、17が設けられている。
【0035】
ベース面部11の上面には上方に突出された支持台部18が設けられている。支持台部18はベース面部11の後端部に設けられ、左右方向における中央部に位置されている。支持台部18の上面は第2の支持面18aとして形成されている。
【0036】
ベース面部11の上面には基板19が配置されている。基板19は支持台部18の前側に位置され、基板19には光源20が搭載されている。光源20としては、例えば、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)等の半導体光源が用いられている。
【0037】
レンズホルダー9は上下方向を向く板状の被取付面部21と被取付面部21の前端部に連続された保持部22とを有している。
【0038】
被取付面部21には上下に貫通された光通過孔21aが形成されている。被取付面部21には上下に貫通された突部挿通孔21bが形成されている。突部挿通孔21bは被取付面部21の後端部に形成され、左右方向における中央部に位置されている。
【0039】
被取付面部21の左右両端部にはそれぞれ下方に突出された第1の当接部23、23が設けられている。第1の当接部23の下面は第1の当接面23aとして形成されている。第1の当接部23、23の上側にはそれぞれ上方に突出された第1の圧潰突部24、24が設けられている。第1の圧潰突部24は、例えば、上方へ行くに従って左右の幅が小さくなる三角柱状に形成されている。
【0040】
被取付面部21の左右両端部にはそれぞれネジ止め部25、25が設けられている。ネジ止め部25、25はそれぞれ第1の当接部23、23の後方に位置され、上下に貫通された挿通孔25a、25aを有している。
【0041】
ネジ止め部25は側方に突出された基面部26と基面部26から上方に突出された第2の圧潰突部27、27、・・・と基面部26から下方に突出された第2の当接部28とを有している。
【0042】
第2の圧潰突部27、27、・・・は、例えば、上方へ行くに従って幅が小さくなる三角柱状に形成され、周方向に並んで設けられている。
【0043】
第2の当接部28は円環状に形成され、下面が第2の当接面28aとして形成されている。
【0044】
被取付面部21には第1の当接部23、23とネジ止め部25、25の間の位置にそれぞれ上下に貫通された位置決め孔29、29が形成されている。
【0045】
保持部22は前後に貫通された略円環状に形成されている。保持部22には投影レンズ30が取り付けられて保持されている。
【0046】
リフレクター10は下方及び前方に開口された曲面状の反射部31と反射部31の左右両端部から側方において互いに反対方向に突出された突面部32、32とを有している。
【0047】
反射部31は、例えば、放物面状に形成され、内面が反射面31aとして形成されている。
【0048】
突面部32は反射部31の前端部から側方に突出されている。突面部32、32の前端寄りの位置にはそれぞれ下方に突出された押圧部33、33が設けられている。
【0049】
突面部32、32の後端部はそれぞれネジ止め部34、34として設けられている。ネジ止め部34は上下に貫通されたネジ挿通孔34aを有している。ネジ止め部34の下端部は円環状に形成された第1の接触部35として設けられている。第1の接触部35の下面は第1の接触面35aとして形成されている。
【0050】
突面部32、32にはそれぞれ押圧部33、33とネジ止め部34、34の間の位置にそれぞれ上下に貫通された位置決め孔36、36が形成されている。
【0051】
リフレクター10には反射部31の後端部から突出された突状部37が設けられている。突状部37は反射部31の後端部から後方に突出された連結部38と連結部38の後端部から下方に突出された第2の接触部39とから成る。第2の接触部39の先端面は第2の接触面39aとして形成されている。第2の接触面39aは、例えば、下方に凸の曲面状に形成されている。尚、第2の接触面39aは下方を向く平面状に形成されていてもよい。
【0052】
上記のように構成された車輌用灯具1において、光源20から出射された光はレンズホルダー9の光通過孔21aを通過されてリフレクター10の反射面31aで反射され投影レンズ30によって平行光とされてカバー3を介して前方へ向けて照射される。
【0053】
以下に、ランプユニット7におけるヒートシンク8に対するレンズホルダー9とリフレクター10の取付作業について説明する(
図4乃至
図7参照)。
【0054】
ヒートシンク8に対するレンズホルダー9とリフレクター10の取付は、取付ネジ100、100を用いた共締めによって行われ、取付ネジ100、100がそれぞれヒートシンク8のネジ止めボス14、14に形成された締結穴14a、14aに螺合されることにより行われる。従って、ヒートシンク8に対するレンズホルダー9とリフレクター10の共締めによる取付作業はランプユニット7における左右両側において同一の作業として行われるが、以下に示す共締めによる取付作業については、左右の一方についてのみ説明する。尚、取付ネジ100は、例えば、タッピングネジである。
【0055】
先ず、ヒートシンク8の上方にレンズホルダー9を位置させ、レンズホルダー9の上方にリフレクター10を位置させる(
図4参照)。
【0056】
次に、レンズホルダー9をヒートシンク8に上方から組み付け、リフレクター10をヒートシンク8とレンズホルダー9に上方から組み付ける(
図5参照)。
【0057】
レンズホルダー9がヒートシンク8に組み付けられるときには、ヒートシンク8の位置決めピン17、17がそれぞれレンズホルダー9の位置決め孔29、29に挿入され、レンズホルダー9のヒートシンク8に対する前後方向及び左右方向における位置決めが行われる。
【0058】
レンズホルダー9がヒートシンク8に組み付けられた状態においては、ヒートシンク8の小径部16、16がそれぞれレンズホルダー9のネジ止め部25、25に形成された挿通孔25a、25aに挿通され、ヒートシンク8の受け突部13、13の真上にそれぞれレンズホルダー9の第1の当接部23、23が位置され、ヒートシンク8の大径部15、15の真上にそれぞれレンズホルダー9の第2の当接部28、28が位置される。
【0059】
また、リフレクター10がヒートシンク8とレンズホルダー9に組み付けられるときには、ヒートシンク8の位置決めピン17、17がそれぞれリフレクター10の位置決め孔36、36に挿入され、リフレクター10のヒートシンク8に対する前後方向及び左右方向における位置決めが行われる。
【0060】
リフレクター10がヒートシンク8とレンズホルダー9に組み付けられた状態においては、リフレクター10の第2の接触部39がレンズホルダー9の突部挿通孔21bに上方から挿通され、レンズホルダー9の第1の圧潰突部24、24の真上にそれぞれリフレクター10の押圧部33、33が位置され、レンズホルダー9の第2の圧潰突部27、27、・・・の真上にそれぞれリフレクター10の第1の接触部35、35が位置され、ヒートシンク8の支持台部18の真上にリフレクター10の第2の接触部39が位置される。このときレンズホルダー9のネジ止め部25、25とリフレクター10のネジ止め部34、34とが上下で重ねられる。
【0061】
このようにリフレクター10がレンズホルダー9に組み付けられた状態において、レンズホルダー9のネジ止め部25、25とリフレクター10のネジ止め部34、34とが上下で重ねられることにより、取付ネジ100、100による共締めが可能な状態にされる。
【0062】
上記したように、車輌用灯具1にあっては、レンズホルダー9とリフレクター10にそれぞれ位置決め孔29、36が形成され、ヒートシンク8には位置決め孔29、36に挿入される位置決めピン17が設けられている。
【0063】
従って、レンズホルダー9の位置決め孔29とリフレクター10の位置決め孔36に挿入される共通の位置決めピン17がヒートシンク8に設けられているため、ランプユニット7の構造の簡素化を図ることができる。
【0064】
次に、取付ネジ100をリフレクター10のネジ挿通孔34aに挿通し、取付ネジ100をヒートシンク8のネジ止めボス14に形成された締結穴14aに螺合していく(
図6参照)。
【0065】
取付ネジ100を締結穴14aに螺合していくと、リフレクター10がレンズホルダー9より剛性が高いため、レンズホルダー9の第1の圧潰突部24がリフレクター10の押圧部33によって押圧されて押し潰されていき、レンズホルダー9の第2の圧潰突部27、27、・・・がリフレクター10の第1の接触部35によって押圧されて押し潰されていく。リフレクター10からの押圧力によって第1の圧潰突部24と第2の圧潰突部27、27、・・・が押圧されて押し潰されていくと、レンズホルダー9に下方への力が付与され、第1の当接部23の第1の当接面23aがヒートシンク8における受け突部13の第1の受け面13aに押し付けられると共に第2の当接部28の第2の当接面28aがヒートシンク8における大径部15の第2の受け面15aに押し付けられる。
【0066】
このように第1の当接面23aが第1の受け面13aに押し付けられると共に第2の当接面28aが第2の受け面15aに押し付けられることにより、レンズホルダー9のヒートシンク8に対する上下方向における位置決めが行われる。従って、レンズホルダー9はヒートシンク8に対して傾斜せずヒートシンク8に対して水平な状態が保持される。
【0067】
また、取付ネジ100を締結穴14aに螺合していくときには、リフレクター10にも下方への力が付与されており、第2の接触部39の第2の接触面39aが支持台部18の第2の支持面18aに押し付けられる。
【0068】
取付ネジ100をさらに締結穴14aに螺合していくと、レンズホルダー9の第1の圧潰突部24がリフレクター10の押圧部33によってさらに押圧されて押し潰されていき、レンズホルダー9の第2の圧潰突部27、27、・・・がリフレクター10の第1の接触部35によってさらに押圧されて押し潰されていく。第1の圧潰突部24と第2の圧潰突部27、27、・・・がさらに押圧されて押し潰されていくと、第2の接触面39aと第2の支持面18aの接触点を基準としてリフレクター10が下方側に変位され、リフレクター10における第1の接触部35の第1の接触面35aがヒートシンク8における小径部16の第1の支持面16aに押し付けられる。
【0069】
上記のように第1の接触面35aが第1の支持面16aに押し付けられると共に第2の接触面39aが第2の支持面18aに押し付けられることにより、リフレクター10のヒートシンク8に対する上下方向における位置決めが行われる。従って、リフレクター10はヒートシンク8に対して傾斜せずヒートシンク8に対して水平な状態が保持される。
【0070】
以上に記載した通り、車輌用灯具1にあっては、レンズホルダー9とリフレクター10はネジ止め部25とネジ止め部34が重ねられた状態で取付ネジ100を用いた共締めによりヒートシンク8に取り付けられ、共締め時に第1の圧潰突部24と第2の圧潰突部27、27、・・・が押し潰されレンズホルダー9とリフレクター10がヒートシンク8に押し付けられる。
【0071】
従って、レンズホルダー9とリフレクター10が共締めによりヒートシンク8に取り付けられると共に共締め時に第1の圧潰突部24と第2の圧潰突部27、27、・・・が押し潰されレンズホルダー9とリフレクター10がヒートシンク8に押し付けられるため、ランプユニット7における各部の取付に関する作業性の向上を図った上でヒートシンク8に対するレンズホルダー9とリフレクター10の位置精度の向上を図ることができる。
【0072】
また、第2の光学体として機能するリフレクター10が金属材料によって形成され、第1の光学体9として機能するレンズホルダー9が樹脂材料によって形成されている。
【0073】
従って、リフレクター10の剛性をレンズホルダー9の剛性より高くし易いため、レンズホルダー9に設けられた第1の圧潰突部24と第2の圧潰突部27がリフレクター10によって押し潰され易くなり、ランプユニット7における各部の取付に関する作業性の一層の向上を図ることができる。
【0074】
さらに、レンズホルダー9には所定の方向(前後方向)に離隔して位置された第1の当接部23と第2の当接部28が設けられ、リフレクター10には同じ所定の方向に離隔して位置された第1の接触部35と第2の接触部39が設けられている。
【0075】
従って、レンズホルダー9とリフレクター10がそれぞれ二つの位置においてヒートシンク8に押し付けられ、レンズホルダー9とリフレクター10のヒートシンク8に対する高い位置精度を確保することができる。
【0076】
尚、レンズホルダー9とリフレクター10にはそれぞれ三つ以上の当接部と接触部が設けられていてもよい。
【0077】
さらにまた、レンズホルダー9の第2の当接部28とリフレクター10の第1の接触部35とが前後方向における同じ位置に設けられ、レンズホルダー9の第1の当接部23とリフレクター10の第2の接触部39とが第2の当接部28を挟んで前後方向における反対の位置に設けられている。
【0078】
従って、レンズホルダー9とリフレクター10のヒートシンク8に対する位置決めの基準となる位置の一部が前後方向において同じ位置になるため、前後方向における小型化を確保した上でレンズホルダー9とリフレクター10のヒートシンク8に対する高い位置精度を確保することができる。
【0079】
また、レンズホルダー9のネジ止め部25、25とリフレクター10のネジ止め部34、34とが左右に離隔してそれぞれ一対設けられている。
【0080】
従って、レンズホルダー9とリフレクター10が左右に離隔して位置されたネジ止め部25、25とネジ止め部34、34において取付ネジ100、100によって固定され、リフレクター10はヒートシンク8に対して左右に傾斜せずヒートシンク8に対して水平な状態が保持され、レンズホルダー9とリフレクター10のヒートシンク8に対する左右方向における位置精度の向上を図ることができる。
【0081】
尚、上記には、第1の圧潰突部24と第2の圧潰突部27が何れもベース面部11の上面側において上方に突出された形状である例を示したが、第1の圧潰突部24と第2の圧潰突部27はベース面部11の下面側において下方に突出された形状に形成されていてもよい。この場合には共締め時にリフレクター10から付与される押圧力によって第1の圧潰突部24と第2の圧潰突部27がヒートシンク8の各一部に押し付けられて押し潰される。
【0082】
また、第1の圧潰突部24と第2の圧潰突部27は一方が上方に突出され他方が下方に突出された形状に形成されていてもよい。
【0083】
さらに、上記には、第1の圧潰突部24と第2の圧潰突部27の二つの圧潰突部が設けられた例を示したが、第1の圧潰突部24又は第2の圧潰突部27の一方のみが設けられていてもよく、また、三つ以上の圧潰突部が設けられていてもよい。
【0084】
尚、レンズホルダー9のヒートシンク8に対する傾きを防止するために、レンズホルダー9の保持部22に押し当て突部22aが設けられていてもよい(
図8参照)。押し当て突部22aは保持部22の下端部において後方に突出された形状に形成され、後面がヒートシンク8の前面に押し当てられる。
【0085】
このように押し当て突部22aがヒートシンク8に押し当てられることにより、保持部22が前下がりに傾斜されず、レンズホルダー9のヒートシンク8に対する傾きを防止することができる。特に、保持部22に保持される投影レンズ30は重量の大きな部材であり保持部22が前下がりに傾斜され易いため、保持部22に押し当て突部22aを設けることは投影レンズ30の傾きを防止して光軸の倒れを防止する観点において特に有効である。
【0086】
尚、上記には、ベース体としてヒートシンク8が適用され第1の光学体としてレンズホルダー9が適用され第2の光学体としてリフレクター10が適用された例を示したが、ベース体と第1の光学体と第2の光学体はそれぞれヒートシンク8とレンズホルダー9とリフレクター10に限られることはなく、ベース体と第1の光学体と第2の光学体はランプユニットにおいて用いられる他の構成部分であってもよい。例えば、ベース体と第1の光学体と第2の光学体としては、ブラケット、各部を配置するための配置ベース、光源ユニット、シェード、エクステンション、導光体、インナーレンズ等の各種の構成部分に適用することが可能である。
【0087】
また、上記には、レンズホルダー9に第1の当接部23と第2の当接部28の二つの当接部が設けられリフレクター10に第1の接触部35と第2の接触部39の二つの接触部が設けられた例を示したが、当接部と接触部は何れも三つ以上が設けられていてもよい。