(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
独立気泡を有する樹脂発泡シートであって、前記樹脂発泡シートの少なくとも一方の面の表面粗さが、最大高さRzで12.0μm以下、かつ算術平均粗さRaで2.0μm以下である樹脂発泡シートと支持体とを備え、前記支持体が、前記樹脂発泡シートの少なくとも一方の面に配されたものであり、前記少なくとも一方の面の表面粗さが、最大高さRzで12.0μm以下、かつ算術平均粗さRaで2.0μm以下である、支持体付き樹脂発泡シート。
前記樹脂発泡シートは、気泡の長軸における平均気泡径(DL)が120μm以下であるとともに、長軸における気泡径の標準偏差(σL)が60μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂発泡シート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について実施形態を用いて詳細に説明する。
[樹脂発泡シート]
本発明に係る樹脂発泡シートは、独立気泡を有する樹脂発泡シートであって、前記樹脂発泡シートの少なくとも一方の面の表面粗さが、最大高さRzで12.0μm以下、かつ算術平均粗さRaで2.0μm以下であるものである。
本発明の樹脂発泡シートは、上記したように表面粗さを低く抑えることで、支持体等の他の部材に対する密着性を低減させたものとなる。具体的には、支持体等を貼り合わせる面の表面粗さを、上記したように特定の値以下に調整することにより、本発明の樹脂発泡シートと、該樹脂発泡シートに貼り合わせた支持体等との間に生じるアンカー効果を低減し、これにより支持体等に対する密着性が低減されたものになると推定される。
【0009】
一方で、最大高さRzが12.0μmを超えたり、算術平均粗さRaが2.0μmを超えたりすると、支持体等に対する密着性が高くなり、樹脂発泡シートの性能を保持したまま支持体等を剥離することが困難になる。
樹脂発泡シートの少なくとも一方の表面の最大高さRzは、支持体等を補強材として有効に機能させる程度の密着性を付与する観点から、1.0μm以上であり、支持体等を補強材として有効に機能させつつ、加工後においては容易に剥離できるようにする観点から、2.0〜11.5μmが好ましく、3.0〜11.0μmがより好ましい。
また、前記少なくとも一方の表面の算術平均粗さRaは、支持体等を補強材として有効に機能させる程度の密着性を付与する観点から、0.1μm以上であり、支持体等を補強材として有効に機能させつつ、加工後においては容易に剥離できるようにする観点から、0.5〜1.9μmが好ましい。
なお、本明細書における最大高さRz及び算術平均粗さRaは、JIS B0601(2001)に準拠する値であり、実施例に記載の方法によって求めることができる。
【0010】
本発明に係る樹脂発泡シートは、気泡の長軸における平均気泡径(DL)が120μm以下であるとともに、長軸における気泡径の標準偏差(σL)が60μm以下であることが好ましい。気泡を上記したように微細なものとするとともに、気泡径の標準偏差を小さくすることで、樹脂発泡シート表面の凹凸の発生を抑制し、表面粗さを小さくすることができる。
【0011】
長軸における平均気泡径(DL)は、30μm以上となるが、製造容易性及び上記の観点から、35〜100μmがより好ましく、40〜80μmが更に好ましい。
また、長軸における気泡径の標準偏差(σL)は、耐久性をより良好にする観点から、45μm以下が好ましく、35μm以下がより好ましい。また、長軸における標準偏差(σL)は、低ければ低いほどよいが、通常、5μm以上、実用的には10μm以上である。
【0012】
樹脂発泡シートの気泡は、短軸における平均気泡径(DS)が、上記した長軸における平均気泡径(DL)以下となるものであるとともに、中軸における平均気泡径(DM)が、短軸における平均気泡径(DS)以上、長軸における平均気泡径(DL)以下となるものである。
なお、本明細書において気泡の長軸とは気泡を近接直方体に見立てた時の各辺における最大長、中軸とはその第2最大長、短軸とはその第3最大長を意味する。また、以下では、長軸、短軸、中軸における平均気泡径は、それぞれ単に平均気泡径(DL)、平均気泡径(DM)、平均気泡径(DS)ともいう。
【0013】
また、気泡の短軸の長さに対する長軸の長さの比の平均値(以下、“平均アスペクト比D(L/S)”ともいう)は、好ましくは1.1〜20である。また、気泡の短軸の長さに対する中軸の長さの比の平均値(以下、“平均アスペクト比D(M/S)”ともいう)は、好ましくは1.05〜15である。さらに、平均アスペクト比D(L/S)が1.5〜10であるとともに、平均アスペクト比D(M/S)が1.5〜10であることがより好ましく、平均アスペクト比D(L/S)が2.0〜8.0であるとともに、平均アスペクト比D(M/S)が2.0〜8.0であることがさらに好ましい。
なお、樹脂発泡シートにおいて、短軸は、通常、シートの厚さ方向に平行であるか、又は厚さ方向から小さい角度で傾いて存在する軸である。したがって、各気泡は、平均アスペクト比D(L/S)、平均アスペクト比D(M/S)が上記範囲内となることで、シートの面方向に沿って広がる円盤状を呈することとなる。ここで、円盤状とは、平面視で円形のものに限定されず、楕円形、又は円形ないし楕円形からさらに変形した形状であってもよい。
【0014】
中軸における気泡径の標準偏差(σM)は、特に限定されないが、長軸における気泡径の標準偏差(σL)よりも小さくなることが好ましい。また、短軸における気泡径の標準偏差(σS)は、特に限定されないが、長軸、中軸それぞれにおける気泡径の標準偏差(σL)及び標準偏差(σM)のいずれよりも小さくなることが好ましい。
なお、平均気泡径(DL)、平均気泡径(DM)、平均気泡径(DS)、標準偏差(σL)、標準偏差(σM)、及び標準偏差(σS)は、後述する実施例に示すように、X線CTにより撮影した3次元画像において測定した気泡径により算出するものである。平均アスペクトも同様である。
さらに、標準偏差(σL)を平均気泡径(DL)で割った長軸における変動係数(VL)は、1未満であることが好ましい。変動係数(VL)が1未満となることで、長軸における気泡径のばらつきをより低減することが可能になる。変動係数(VL)は、長軸における気泡径のばらつきを低減する観点から、0.7以下が好ましく、0.55以下がより好ましい。
また、標準偏差(σM)を平均気泡径(DM)で割った中軸における変動係数(VM)、及び標準偏差(σS)を平均気泡径(DS)で割った短軸における変動係数(VS)それぞれも、1未満が好ましく、0.7以下がより好ましく、0.55以下が更に好ましい。
なお、変動係数(VL)は、低ければ低いほど、気泡径のばらつきが抑えられるが、通常は0.1以上、実用的には0.2以上である。変動係数(VM)及び(VS)も同様である。
【0015】
(独立気泡率)
樹脂発泡シートは、上記したように気泡が独立気泡であるものである。気泡が独立気泡であるとは、全気泡に対する独立気泡の割合(独立気泡率という)が70%以上となることを意味する。独立気泡率は、75%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
独立気泡率は、ASTM D2856(1998)に準拠して求めることができる。市販の測定器では、乾式自動密度計アキュピック1330等が挙げられる。
【0016】
独立気泡率は、より具体的には下記の要領で測定される。樹脂発泡シートから一辺が5cmの平面正方形状で、且つ一定厚みの試験片を切り出す。試験片の厚みを測定し、試験片の見掛け体積V
1を算出するとともに試験片の重量W
1を測定する。次に、気泡の占める見掛け体積V
2を下記式に基づいて算出する。なお、試験片を構成している樹脂の密度は、1g/cm
3とする。
気泡の占める見掛け体積V
2=V
1−W
1
続いて、試験片を23℃の蒸留水中に水面から100mmの深さに沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加える。水中で圧力を解放後、試験片を水中から取り出して試験片の表面に付着した水分を除去し、試験片の重量W
2を測定し、下記式に基づいて連続気泡率F
1及び独立気泡率F
2を算出する。
連続気泡率F
1(%)=100×(W
2−W
1)/V
2
独立気泡率F
2(%)=100−F
1
【0017】
(架橋度)
樹脂発泡シートは、架橋されたものであることが好ましく、その架橋度は、30質量%以上が好ましい。架橋度を30質量%以上とすることで樹脂発泡シートの平均気泡径及び気泡の標準偏差を小さくし、表面粗さを小さくしやすくなる。これら観点から、架橋度は、35〜70質量%がより好ましく、38〜60質量%が更に好ましい。架橋度をこれら上限値以下とすることで発泡体を適切に発泡させやすくなる。架橋度は実施例に記載の方法により測定することができる。
【0018】
(樹脂発泡シートの寸法)
樹脂発泡シートの厚さは、0.05〜0.5mmが好ましい。厚さを0.05mm以上とすると、樹脂発泡シートの機械強度の確保が容易になる。また、厚さを0.5mm以下とすると、シートを薄くすることが可能になり、小型化した電子機器に好適に使用できる。これらの観点から、樹脂発泡シートの厚さは、0.06〜0.4mmがより好ましく、0.08〜0.35mmが更に好ましい。
【0019】
(発泡倍率)
樹脂発泡シートの発泡倍率は、1.2〜10.0cm
3/gが好ましい。発泡倍率を1.2cm
3/g以上とすることで、圧縮強度、柔軟性が良好となり、樹脂発泡シートの衝撃吸収性、シール性が良好となりやすい。一方で、10.0cm
3/g以下とすることで、機械強度が高くなり、耐久性をより向上させやすくなる。また、平均気泡径及び気泡径の標準偏差を小さくし、表面粗さを小さくしやすくなる。以上の観点から、発泡倍率は、1.3〜9.0cm
3/gがより好ましく、1.5〜8.5cm
3/gが更に好ましい。なお、本発明では、JIS K7222に従い発泡シートの密度を求め、その逆数を発泡倍率とする。
【0020】
(圧縮強度)
樹脂発泡シートの25%圧縮強度は、10〜2000kPaが好ましく、40〜1500kPaがより好ましい。25%圧縮強度を2000kPa以下とすることで、樹脂発泡シートに衝撃吸収性、シール性を付与し、緩衝吸収材及びシール材として好適に使用可能になる。また、10kPa以上とすることで機械強度を良好にしやすくなる。なお、25%圧縮強度は、樹脂発泡シートをJIS K6767に準拠して測定したものをいう。
【0021】
[ポリオレフィン樹脂]
樹脂発泡シートに使用される樹脂としては、各種の樹脂を使用すればよいが、中でもポリオレフィン樹脂を使用することが好ましい。ポリオレフィン樹脂を使用することで、樹脂発泡シートの柔軟性を確保しつつ、表面粗さを小さくすることが可能である。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらの中ではポリエチレン樹脂が好ましい。
ポリエチレン樹脂としては、チーグラー・ナッタ化合物、メタロセン化合物、酸化クロム化合物等の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂が挙げられ、好ましくは、メタロセン化合物の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂が用いられる。
【0022】
また、ポリエチレン樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンを用いることにより、得られる樹脂発泡シートに高い柔軟性が得られるとともに、樹脂発泡シートの薄肉化が可能になる。この直鎖状低密度ポリエチレンは、メタロセン化合物等の重合触媒を用いて得たものがより好ましい。また、直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレン(例えば、全モノマー量に対して75質量%以上、好ましくは90質量%以上)と必要に応じて少量のα−オレフィンとを共重合することにより得られる直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。
α−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましい。
ポリエチレン樹脂、例えば上記した直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.870〜0.910g/cm
3が好ましく、0.875〜0.907g/cm
3がより好ましく、0.880〜0.905g/cm
3が更に好ましい。ポリエチレン樹脂としては、複数のポリエチレン樹脂を用いることもでき、また、上記した密度範囲以外のポリエチレン樹脂を加えてもよい。
【0023】
(メタロセン化合物)
メタロセン化合物としては、遷移金属をπ電子系の不飽和化合物で挟んだ構造を有するビス(シクロペンタジエニル)金属錯体等の化合物を挙げることができる。より具体的には、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、白金等の四価の遷移金属に、1又は2以上のシクロペンタジエニル環又はその類縁体がリガンド(配位子)として存在する化合物を挙げることができる。
このようなメタロセン化合物は、活性点の性質が均一であり各活性点が同じ活性度を備えている。メタロセン化合物を用いて合成した重合体は、分子量、分子量分布、組成、組成分布等の均一性が高いため、メタロセン化合物を用いて合成した重合体を含むシートを架橋した場合には、架橋が均一に進行する。均一に架橋されたシートは、均一に発泡されるため、上記したように、標準偏差を小さくしやすい。また、均一に延伸できるため、樹脂発泡シートの厚さを均一にできる。
【0024】
リガンドとしては、例えば、シクロペンタジエニル環、インデニル環等を挙げることができる。これらの環式化合物は、炭化水素基、置換炭化水素基又は炭化水素−置換メタロイド基により置換されていてもよい。炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種アミル基、各種ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種セチル基、フェニル基等が挙げられる。なお、「各種」とは、n−、sec−、tert−、iso−を含む各種異性体を意味する。
また、環式化合物をオリゴマーとして重合したものをリガンドとして用いてもよい。
更に、π電子系の不飽和化合物以外にも、塩素、臭素等の一価のアニオンリガンド又は二価のアニオンキレートリガンド、炭化水素、アルコキシド、アリールアミド、アリールオキシド、アミド、アリールアミド、ホスフィド、アリールホスフィド等を用いてもよい。
【0025】
四価の遷移金属、リガンド等を含むメタロセン化合物としては、例えば、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
メタロセン化合物は、特定の共触媒(助触媒)と組み合わせることにより、各種オレフィンの重合の際に触媒としての作用を発揮する。具体的な共触媒としては、メチルアルミノキサン(MAO)、ホウ素系化合物等が挙げられる。なお、メタロセン化合物に対する共触媒の使用割合は、10〜100万モル倍が好ましく、50〜5,000モル倍がより好ましい。
樹脂発泡シートに含まれるポリオレフィン樹脂は、上記した直鎖状低密度ポリエチレンを使用する場合、上記の直鎖状低密度ポリエチレンを単独で使用してもよいが、他のポリオレフィン樹脂と併用してもよく、例えば、以下に述べる他のポリオレフィン樹脂と併用してもよい。他のポリオレフィン樹脂を含有する場合、直鎖状低密度ポリエチレン(100質量%)に対する他のポリオレフィン樹脂の割合は、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
【0026】
ポリオレフィン樹脂として使用するエチレン−酢酸ビニル共重合体は、例えば、エチレンを50質量%以上含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。
また、ポリプロピレン樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレンを50質量%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。これらの中では、炭素数6〜12のα−オレフィンが好ましい。
【0027】
樹脂としてポリオレフィン樹脂を使用する場合、ポリオレフィン樹脂を単独で使用してもよいが、ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を含んでもよい。樹脂発泡シートにおいて、ポリオレフィン樹脂の樹脂全量に対する割合は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。
また、樹脂発泡シートに使用するポリオレフィン樹脂以外の樹脂としては、スチレン系熱可塑性エラストマー、EPDMなどの各種のエラストマーが挙げられる。
【0028】
(熱分解型発泡剤)
本発明の樹脂発泡シートは、上記樹脂と熱分解型発泡剤とを含む発泡性組成物を発泡してなることが好ましい。また、熱分解型発泡剤としては、粒径が15μm未満のものを使用することが好ましい。粒径が15μm未満のものを使用することで、上記したように架橋度を高くすることも相俟って、樹脂発泡シートの気泡径及び標準偏差を小さくし、表面粗さを小さくしやすくなる。また、熱分解型発泡剤の粒径は、2〜14μmが好ましく、5〜13μmがより好ましい。
なお、熱分解型発泡剤の粒径は、レーザー回折法により測定した値であって、累積頻度50%に相当する粒径(D50)を意味する。
【0029】
熱分解型発泡剤としては、有機発泡剤、無機発泡剤が使用可能である。有機発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
無機発泡剤としては、酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ等が挙げられる。
これらの中では、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、アゾ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミドがより好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡性組成物における熱分解型発泡剤の配合量は、樹脂100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、1〜8質量部がより好ましく、1.5〜7質量部が更に好ましい。
【0030】
また、発泡性組成物は、上記樹脂と熱分解型発泡剤に加えて、気泡核調整剤を含有することが好ましい。気泡核調整剤としては、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の亜鉛化合物、クエン酸、尿素の有機化合物等が挙げられるが、これらの中では、酸化亜鉛が好ましい。上記した小粒径の発泡剤に加えて気泡核調整剤を使用することで、気泡径及び標準偏差をより小さくしやすくなる。気泡核調整剤の配合量は、樹脂100質量部に対して、0.4〜8質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましく、0.8〜2.5質量部が更に好ましい。
発泡性組成物は、必要に応じて、上記以外にも、酸化防止剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、充填材等の発泡体に一般的に使用する添加剤を含有していてもよい。
【0031】
[樹脂発泡シートの製造方法]
樹脂発泡シートの製造方法は、特に制限はないが、例えば、樹脂及び熱分解型発泡剤を含む発泡性組成物を加熱し、熱分解型発泡剤を発泡させることで製造する。その製造方法は、より具体的には、以下の工程(1)〜(4)を含む。
工程(1):樹脂、及び熱分解型発泡剤を含む添加剤を混合して、シート状の発泡性組成物(樹脂シート)に成形する工程
工程(2):シート状の発泡性組成物に電離性放射線を照射して発泡性組成物を架橋させる工程
工程(3):架橋させた発泡性組成物を加熱し、熱分解型発泡剤を発泡させて、微細気泡を形成する工程
工程(4):微細気泡を形成後に、MD方向又はTD方向のいずれか一方又は双方の方向に延伸して、微細気泡を延伸し、樹脂発泡シートを得る工程
【0032】
工程(1)において、樹脂シートを成形する方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂及び添加剤を押出機に供給して溶融混練し、押出機から発泡性組成物をシート状に押出すことによって樹脂シートを成形すればよい。
工程(2)において発泡性組成物を架橋する方法としては、樹脂シートに電子線、α線、β線、γ線等の電離性放射線を照射する方法を用いる。上記電離放射線の照射量は、得られる発泡シートの架橋度が上記した所望の範囲となるように調整すればよいが、5〜15Mradが好ましく、6〜13Mradがより好ましい。
工程(3)において、発泡性組成物を加熱し熱分解型発泡剤を発泡させるときの加熱温度は、熱分解型発泡剤の発泡温度以上であればよいが、200〜300℃が好ましく、220〜280℃がより好ましい。
【0033】
工程(4)における樹脂発泡シートの延伸は、樹脂シートを発泡させて樹脂発泡シートを得た後に行ってもよいし、樹脂シートを発泡させつつ行ってもよい。なお、樹脂シートを発泡させて樹脂発泡シートを得た後、樹脂発泡シートを延伸する場合には、樹脂発泡シートを冷却することなく発泡時の溶融状態を維持したまま続けて樹脂発泡シートを延伸してもよく、樹脂発泡シートを冷却した後、再度、樹脂発泡シートを加熱して溶融又は軟化状態とした上で樹脂発泡シートを延伸してもよい。
工程(4)において、樹脂発泡シートのMD方向及びTD方向の一方又は両方への延伸倍率は、1.1〜5.0倍が好ましく、1.5〜4.0倍がより好ましい。
延伸倍率を上記下限値以上とすると、樹脂発泡シートの柔軟性及び引張強度が良好になりやすくなる。一方、上限値以下とすると、発泡シートが延伸中に破断したり、発泡中の発泡シートから発泡ガスが抜けて発泡倍率が著しく低下したりすることが防止され、樹脂発泡シートの柔軟性及び引張強度が良好になり、品質も均一なものとしやすくなる。
また、延伸時に樹脂発泡シートは、例えば、100〜280℃、好ましくは150〜260℃に加熱すればよい。
【0034】
ただし、本製造方法は、上記に限定されずに、上記以外の方法により、樹脂発泡シートを得てもよい。例えば、電離性放射線を照射する代わりに、発泡性組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、発泡性組成物を加熱して有機過酸化物を分解させる方法等により架橋を行ってもよい。
【0035】
樹脂発泡シートは、機械強度を補強する観点から、支持体を貼り合わせて、少なくとも一方の面に支持体を配した支持体付き樹脂発泡シートとすることが好ましい。このとき、支持体を貼り合わせる面は、表面粗さが、最大高さRzで12.0μm以下、かつ算術平均粗さRaで2.0μm以下である面とする。
支持体としては、例えば、繊維基材、有機フィルム、金属フィルム等が挙げられ、これらの中でも、取り扱い性及び汎用性の観点から、有機フィルムが好ましい。
有機フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステルフィルム;ポリエチレン(PE)フィルム、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム等のポリオレフィンフィルム;ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ酢酸ビニルフィルム等が挙げられる。これらの中でも、取り扱い性及び汎用性の観点から、ポリオレフィンフィルムが好ましく、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムがより好ましい。
【0036】
支持体の厚さは、特に限定されないが、取り扱い性の観点から、10〜500μmが好ましく、12〜200μmがより好ましく、15〜100μmが更に好ましい。
【0037】
樹脂発泡シートと支持体との密着強度は、加工時においては支持体を補強材として有効に機能させつつ、加工後においては支持体を容易に剥離できるようにする観点から、0〜0.2N/mmが好ましく、0.01〜0.15N/mmがより好ましく、0.01〜0.12N/mmが更に好ましい。
なお、上記の密着強度は実施例に記載の方法により測定することができる。
【0038】
支持体は、上記した工程(1)〜(4)によって得られた樹脂発泡シートに貼り合わせればよい。樹脂発泡シートと支持体との貼り合わせは、加圧して行うことが好ましい。加圧は、例えば、ロールプレス、平板プレス等を用いて行うことができる。加圧する際の、圧着圧力は、支持体の材質等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、0.4〜0.6MPaの範囲とすることができる。
【0039】
本発明の樹脂発泡シートが支持体を有する場合、通常、加工等を行った後、該支持体は剥離される。
樹脂発泡シートの用途は、特に限定されないが、例えば、電子機器内部で使用することが好ましい。本発明の樹脂発泡シートは、薄くても取り扱い性に優れるため、特に、樹脂発泡シートを配置するスペースが小さい各種の携帯電子機器内部で好適に使用できる。携帯電子機器としては、携帯電話、カメラ、ゲーム機器、電子手帳、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。樹脂発泡シートは、電子機器内部において、衝撃吸収材、シール材として使用可能である。また、樹脂発泡シートを基材とする粘着テープに使用してもよい。
【0040】
粘着テープは、例えば、樹脂発泡シートと、樹脂発泡シートの少なくともいずれか一方の面に設けた粘着剤層とを備えるものであるが、両面に粘着剤層を設けた両面粘着テープが好ましい。
粘着テープを構成する粘着剤層の厚さは、5〜200μmが好ましく、7〜150μmがより好ましく、10〜100μmが更に好ましい。粘着剤層の厚さが5〜200μmの範囲であると、粘着テープを用いて固定した構成体の厚さを薄くできる。
粘着剤層に使用する粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることができる。
また、粘着剤層の上には、さらに離型紙等の剥離シートが貼り合わされてもよい。
樹脂発泡シートの少なくとも一面に粘着剤層を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂発泡シートの少なくとも一面にコーター等の塗工機を用いて粘着剤を塗布する方法、樹脂発泡シートの少なくとも一面にスプレーを用いて粘着剤を噴霧、塗布する方法、樹脂発泡シートの少なくとも一面に刷毛を用いて粘着剤を塗布する方法、剥離シート上に形成した粘着剤層を樹脂発泡シートの少なくとも一面に転写する方法等が挙げられる。
【実施例】
【0041】
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0042】
[測定方法]
各物性の測定方法及び評価方法は、次の通りである。
<最大高さRz、算術平均粗さRa>
株式会社キーエンス製のレーザマイクロスコープ「VK−X100」を使用して、樹脂発泡シートの表面を倍率10倍で撮影した後、付属の解析アプリケーションを使用して解析を行った。撮影した画面に対し、任意の位置に長さ1mmの計測ラインを設定し、その部分の線粗さ曲線を計測した。次に、得られた曲線を下記に示す条件で解析して、前記任意の位置の最大高さRz及び算術平均粗さRaを算出した。さらに、同様の測定を樹脂発泡シートの任意の3箇所で行い、その平均値を樹脂発泡シートの最大高さRz及び算術平均粗さRaとした。
<解析条件>
・光量スムージング:無し
・高さスムージング:±12単純平均
・傾き補正:無し
・位相補償形低減フィルターによるカットオフ:λs25μm、λc無し
【0043】
<平均気泡径及び標準偏差>
平均気泡径及び標準偏差は、以下の方法に従って測定した。
(3次元画像の撮影)
樹脂発泡シートを約5mm角にカットし、X線CT装置(ヤマト科学社製TDM1000H-II(2K))を用いて撮像し(管電圧40kV、管電流0.087mA)、連続断層画像を得た。
(3次元画像の解析)
得られた断層像に対しAvizo9(FEI社製)を使用して画像処理を行った。まず画像の中央部において、約1000個の気泡が内包される大きさの領域を測定領域とし、外側の画像は消去した。なお、領域の大きさは、実施例1では0.4mm×約0.45mm、比較例1では約3mm×約4.5mmであった。厚さ方向についてはサンプル厚さをそのまま測定領域とした。その上でメディアンフィルターによりノイズを除去した上で二値化を実行し、樹脂部と気泡部を区別した。気泡部のみを取り出した画像データに対し、サーフィスレンダリングを行うことで3次元画像を得た。測定領域と外側との境界上にある気泡は削除した。残った測定領域内の気泡に対しラベリングを行い、各気泡の近接直方体各辺における最大長、第2最大長、第3最大長をそれぞれ気泡の長軸、中軸、短軸の長さとして算出した。測定した気泡のうち、長軸の長さが30μm以上の気泡における長軸、中軸、短軸の平均値をそれぞれ平均気泡径(DL)、平均気泡径(DM)、平均気泡径(DS)とした。ただし、各平均気泡径の算出に使用する測定データの数が100個に満たない場合には、測定対象となる気泡が十分にないとして測定データなしとする。
【0044】
また、平均気泡径(DL)、平均気泡径(DM)、平均気泡径(DS)の算出に用いた個々の測定データから標準偏差(σL、σM、σS)を計算した。標準偏差の計算には、以下の一般計算式を使用した。なお、σは標準偏差、χは測定データ、nは測定数である。
【数1】
さらに、平均気泡径を測定した個々の気泡における(長軸の長さ/短軸の長さ)の比を算出し、その平均値を平均アスペクト比D(L/S)とした。同様に、(中軸の長さ/短軸の長さ)の比の平均値を平均アスペクト比D(M/S)とした。
【0045】
<見かけ密度及び発泡倍率>
樹脂発泡シートについてJIS K7222に準拠して見かけ密度を測定し、その逆数を発泡倍率とした。
【0046】
<架橋度>
樹脂発泡シートから約100mgの試験片を採取し、試験片の重量A(mg)を精秤する。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm
3中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過して金網上の不溶解分を採取、真空乾燥し、不溶解分の重量B(mg)を精秤する。得られた値から、下記式により架橋度(質量%)を算出した。
架橋度(質量%)=100×(B/A)
【0047】
<独立気泡率>
明細書記載の方法に従って測定した。
【0048】
<25%圧縮強度>
樹脂発泡シートについてJIS K6767に準拠して25%圧縮強度を測定した。
【0049】
<支持体に対する密着力>
樹脂発泡シートの一方の面に厚み20μmのOPPフィルムを0.5MPaの力で貼り合わせて、支持体付き樹脂発泡シートとした。この際、OPPフィルムを貼り合わせた面は、前記最大高さRz及び算術平均粗さRaを測定した面とした。該支持体付き樹脂発泡シートを25mm×250mmの長さにカットした後、両面テープを用いて発泡体面をSUS板と貼り合わせて測定サンプルとした。
樹脂発泡シートの長さ方向が鉛直方向に一致するようにSUS板を固定して、測定サンプルを引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製「テンシロン万能材料試験機」)にセットした。その後、OPPフィルムを剥離角度180°、速度300mm/分で鉛直上向き方向に引張り、樹脂発泡シートとOPPフィルムが剥離するときの荷重を測定し、その測定値を支持体に対する密着力とした。
【0050】
[実施例1]
メタロセン化合物の重合触媒によって得られた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(ダウケミカル社製、商品名「アフィニティーPL1850」、密度:0.902g/cm
3)100質量部と、熱分解型発泡剤として粒径13μmのアゾジカルボンアミド2.1質量部と、気泡核調整剤として酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製、商品名「OW−212F」)1.0質量部と、酸化防止剤0.5質量部とを押出機に供給して130℃で溶融混練し、厚さが290μmの長尺状の樹脂シートに押出した。
次に、上記長尺状の樹脂シートの両面に加速電圧500kVの電子線を7.4Mrad照射して樹脂シートを架橋した後、架橋した樹脂シートを熱風及び赤外線ヒーターにより250℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで加熱して発泡させて、厚さ300μmの発泡シートを得た。
次いで、得られた発泡シートを発泡炉から連続的に送り出した後、この発泡シートをその両面の温度が200〜250℃となるように維持した状態で、発泡シートをそのTD方向に2.0倍の延伸倍率で延伸させると共に、樹脂シートの発泡炉への送り込み速度(供給速度)よりも速い巻取速度でもって発泡シートを巻き取ることによって発泡シートをMD方向に延伸させて、発泡シートの気泡をTD方向及びMD方向に延伸して変形させ樹脂発泡シートを得た。なお、上記樹脂発泡シートの巻取速度は、樹脂シート自身の発泡によるMD方向への膨張分を考慮しつつ調整した。得られた樹脂発泡シートを上記評価方法に従って評価し、その結果を表1に示す。
【0051】
[実施例2]
発泡性組成物における、架橋度を44質量%として、TD方向の延伸倍率を2.5倍とした点を除いて実施例1と同様に実施した。得られた樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0052】
[実施例3]
発泡性組成物における発泡剤(アゾジカルボンアミド)の配合量を3.6質量部とするとともに、架橋度を46質量%として、TD方向の延伸倍率を2.5倍とした点を除いて実施例1と同様に実施した。得られた樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0053】
[実施例4]
発泡性組成物における発泡剤(アゾジカルボンアミド)の配合量を6.0質量部とするとともに、架橋度を52質量%とした点を除いて実施例1と同様に実施した。得られた樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0054】
[実施例5]
発泡性組成物における発泡剤(アゾジカルボンアミド)の配合量を6.4質量部とするとともに、架橋度を51質量%とした点を除いて実施例1と同様に実施した。得られた樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0055】
[比較例1]
発泡性組成物における発泡剤(アゾジカルボンアミド)の配合量を1.3質量部とするとともに、電子線照射量を4.7Mradとして、架橋度を26質量%とした点、TD方向への延伸倍率を1.8倍とした点を除いて実施例1と同様に実施した。得られた樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0056】
[比較例2]
発泡性組成物における発泡剤(アゾジカルボンアミド)の配合量を6.0質量部とするとともに、架橋度を24質量%として、TD方向の延伸倍率を1.5倍とした点を除いて比較例1と同様に実施した。得られた樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0057】
[比較例3]
発泡性組成物における発泡剤(アゾジカルボンアミド)の配合量を5.8質量部とするとともに、架橋度を26質量%として、TD方向にの延伸倍率を2.5倍とした点を除いて比較例1と同様に実施した。得られた樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0058】
[比較例4]
発泡性組成物における発泡剤(アゾジカルボンアミド)の配合量を2.5質量部とするとともに、架橋度を29質量%として、TD方向にの延伸倍率を1.5倍とした点を除いて比較例1と同様に実施した。得られた樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
以上のように、実施例1〜5では、最大高さRzを12.0μm以下、かつ算術平均粗さRaを2.0μm以下とすることにより、支持体に対する密着性を低減させた樹脂発泡シートが得られた。それに対して、比較例1〜4では、使用した樹脂を実施例1と同一にしたが、最大高さRz及び算術平均粗さRaが大きかったため、支持体に対する密着性の低減が不十分であった。
【0061】
次に、表2には、実施例1及び比較例1で得られた樹脂発泡シートの気泡形状を表す物性値等を示した。
【0062】
【表2】
【0063】
表2により、最大高さRz及び算術平均粗さRaが小さい実施例1の樹脂発泡シートは、平均気泡径及び標準偏差が、比較例1の樹脂発泡シートより小さいことが分かる。すなわち、本発明の樹脂発泡シートは、均一且つ十分に微細化された気泡を有しており、これにより表面粗さを小さくできていることが示唆される。