特許第6791713号(P6791713)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791713
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】電子機器、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20201116BHJP
   H04B 1/59 20060101ALI20201116BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20201116BHJP
   H04W 8/20 20090101ALI20201116BHJP
   H04W 76/19 20180101ALI20201116BHJP
【FI】
   H04M1/00 U
   H04B1/59
   H04W92/18
   H04W8/20
   H04W76/19
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-198373(P2016-198373)
(22)【出願日】2016年10月6日
(65)【公開番号】特開2018-61168(P2018-61168A)
(43)【公開日】2018年4月12日
【審査請求日】2019年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上原 恵次
【審査官】 西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−219005(JP,A)
【文献】 特開2015−219566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
H03J9/00−9/06
H04B1/00、1/30、1/59、1/72、
7/24−7/26、
11/00−13/02
H04L12/28、
12/44−12/46
H04M1/00、
1/24−3/00、
3/16−3/20、
3/38−3/58、
7/00−7/16、
11/00−11/10、
99/00
H04Q9/00−9/16
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機と自機に近接した外部の端末装置との間に、無線の通信路を確立させる無線通信部と、
第1端末装置との間に前記通信路が確立した場合、当該第1端末装置と所定の関係を有する1又は複数の第2端末装置を特定する情報を取得する取得部と、
取得した前記情報に基づいて、前記1又は複数の第2端末装置のいずれかが近接してきた場合には、前記通信路を確立することを許可する制御部と
を備え
前記制御部は、第1の条件を満たす前記第2端末装置が近接してきた場合には、前記第1端末装置に前記通信路の確立の可否を問い合わせ、許可する旨の回答を受け付けたときには、前記通信路を確立することを許可し、前記第1の条件を満たさない前記第2端末装置が近接してきた場合には、前記第1端末装置に問い合わせることなく、前記通信路を確立することを許可する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
自機と自機に近接した外部の端末装置との間に、無線の通信路を確立させる無線通信部と、
第1端末装置との間に前記通信路が確立した場合、当該第1端末装置と所定の関係を有する1又は複数の第2端末装置を特定する情報を取得する取得部と、
取得した前記情報に基づいて、前記1又は複数の第2端末装置のいずれかが近接してきた場合には、前記通信路を確立することを許可する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記通信路が確立されている前記第2端末装置の数が上限に達した後、他の前記第2端末装置が近接してきたときには、第2の条件を満たす前記第2端末装置との前記通信路を切断して、当該他の第2端末装置と前記通信路を確立することを許可する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
自機と自機に近接した外部の端末装置との間に、無線の通信路を確立させる無線通信部と、
第1端末装置との間に前記通信路が確立した場合、当該第1端末装置と所定の関係を有する1又は複数の第2端末装置を特定する情報を取得する取得部と、
取得した前記情報に基づいて、前記1又は複数の第2端末装置のいずれかが近接してきた場合には、前記通信路を確立することを許可する制御部と、
前記通信路の確立が許可された前記第2端末装置を特定する情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記記憶部に前記情報が記憶されている前記第2端末装置については、当該情報に基づいて前記通信路を確立することを許可し、当該情報を記憶した前記第2端末装置の数が上限に達した場合は、第3の条件を満たす前記第2端末装置についての当該情報を無効にする
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
前記関係は、前記第1端末装置のユーザの契約情報に基づき特定される関係である
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1の条件は、前記第1端末装置との前記通信路が確立されてから所定期間であることを示す
ことを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1の条件は、自機が配置された場所における前記第2端末装置のユーザの滞在の状況に関する条件である
ことを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、所定回数以上前記通信路の確立を不許可とした第3端末装置については、前記取得部が取得する情報によらないで、前記通信路を確立することを不許可とする
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
自機と自機に近接した外部の端末装置との間に、無線の通信路を確立させる無線通信部
を備える電子機器のコンピュータに、
第1端末装置との間に前記通信路が確立した場合、当該第1端末装置と所定の関係を有する1又は複数の第2端末装置を特定する情報を取得するステップと、
取得した前記情報に基づいて、前記1又は複数の第2端末装置のいずれかが近接してきた場合には、前記通信路を確立することを許可するステップと
を実行させるためのプログラムにおいて、
前記許可するステップにおいては、第1の条件を満たす前記第2端末装置が近接してきた場合には、前記第1端末装置に前記通信路の確立の可否を問い合わせ、許可する旨の回答を受け付けたときには、前記通信路を確立することを許可し、前記第1の条件を満たさない前記第2端末装置が近接してきた場合には、前記第1端末装置に問い合わせることなく、前記通信路を確立することを許可する
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器と端末装置との間に、無線の通信路を確立させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
機器間に無線の通信路を確立させる場合に、そのための操作を減らす技術がある。特許文献1,2には、ペアリングの要求に含まれる識別情報が、予め登録された識別情報と合致した場合に、そのペアリングを許可することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−221890号公報
【特許文献2】特開2005−223635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2に記載の技術では、ペアリングの要求元の機器の識別情報が正当であれば、ペアリングは許可される。このため、当該ペアリングの要求元の機器が、どのような機器であるか、例えばどのユーザによって使用される機器であるかは、ペアリングの可否の判断とは直接は関係しない。
これに対し、本発明は、相互に所定の関係を有する2以上の端末装置に対し、電子機器との無線の通信路の確立を許可するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の電子機器は、自機と自機に近接した外部の端末装置との間に、無線の通信路を確立させる無線通信部と、第1端末装置との間に前記通信路が確立した場合、当該第1端末装置と所定の関係を有する1又は複数の第2端末装置を特定する情報を取得する取得部と、取得した前記情報に基づいて、前記1又は複数の第2端末装置のいずれかが近接してきた場合には、前記通信路を確立することを許可する制御部とを備える。
【0006】
本発明の電子機器において、前記関係は、前記第1端末装置のユーザの契約情報に基づき特定される関係であってもよい。
【0007】
本発明の電子機器において、前記制御部は、第1の条件を満たす前記第2端末装置が近接してきた場合には、前記第1端末装置に前記通信路の確立の可否を問い合わせ、許可する旨の回答を受け付けたときには、前記通信路を確立することを許可し、前記第1の条件を満たさない前記第2端末装置が近接してきた場合には、前記第1端末装置に問い合わせることなく、前記通信路を確立することを許可してもよい。
この電子機器において、前記第1の条件は、前記第1端末装置との前記通信路が確立されてから所定期間内であることを示してもよい。
また、前記第1の条件は、自機が配置された場所における前記第2端末装置のユーザの滞在の状況に関する条件であってもよい。
【0008】
本発明の電子機器において、前記制御部は、前記通信路が確立されている前記第2端末装置の数が上限に達した後、他の前記第2端末装置が近接してきたときには、第2の条件を満たす前記第2端末装置との前記通信路を切断して、当該他の第2端末装置と前記通信路を確立することを許可してもよい。
【0009】
本発明の電子機器において、前記通信路の確立が許可された前記第2端末装置を特定する情報を記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記記憶部に前記情報が記憶されている前記第2端末装置については、当該情報に基づいて前記通信路を確立することを許可し、当該情報を記憶した前記第2端末装置の数が上限に達した場合は、第3の条件を満たす前記第2端末装置についての当該情報を無効にしてもよい。
【0010】
本発明の電子機器において、前記制御部は、所定回数以上前記通信路の確立を不許可とした第3端末装置については、前記取得部が取得する情報によらないで、前記通信路を確立することを不許可としてもよい。
【0011】
本発明のプログラムは、自機と自機に近接した外部の端末装置との間に、無線の通信路を確立させる無線通信部を備える電子機器のコンピュータに、第1端末装置との間に前記通信路が確立した場合、当該第1端末装置と所定の関係を有する1又は複数の第2端末装置を特定する情報を取得するステップと、取得した前記情報に基づいて、前記1又は複数の第2端末装置のいずれかが近接してきた場合には、前記通信路を確立することを許可するステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、相互に所定の関係を有する2以上の端末装置に対し、電子機器との無線の通信路の確立を許可するための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図。
図2】同実施形態に係る契約情報DBに蓄積される契約情報の説明図。
図3】同実施形態に係る電子機器、及び端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
図4】同実施形態に係る電子機器のプロセッサの機能構成の一例を示すブロック図。
図5】同実施形態に係る通信システムで実行される処理を示すシーケンス図(ペアリングが許可される場合)。
図6】同実施形態に係る通信システムで実行される処理を示すシーケンス図(ペアリングが不許可とされる場合)。
図7】本発明の第2実施形態の(構成例1)に係る契約情報DBに蓄積される契約情報の説明図。
図8】同実施形態の(構成例1)の通信システムで実行される処理を示すシーケンス図(ペアリング条件が自動の場合)。
図9】同実施形態の(構成例1)の通信システムで実行される処理を示すシーケンス図(ペアリング条件が半自動の場合)。
図10】同実施形態の(構成例2)の処理を示すシーケンス図。
図11】本発明の変形例1に係る通信システムで実行される処理を示すシーケンス図。
図12】本発明の変形例2に係る通信システムで実行される処理を示すシーケンス図。
図13】本発明の変形例3に係る電子機器が記憶する不許可端末リストの説明図。
図14】同変形例に係る通信システムで実行される処理を示すシーケンス図。
図15図14に続く処理を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の電子機器は、相互に所定の関係を有する2以上の端末装置に対して、自機との無線の通信路の確立を許可する。この通信路の確立が許可された端末装置は、当該通信路を介して、当該電子機器の機能を利用できるものとする。以下では、当該機能を、当該端末装置に着信があった場合にその旨を通知する「着信通知機能」とした場合を説明する。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る通信システム1の全体構成を示す図である。
通信システム1は、1台又は複数台の電子機器10と、複数台の端末装置20と、1台のサーバ装置30と、1台の契約情報DB(Data Base)40とを備える。ただし、図1に示す各装置の台数は、一例に過ぎない。図1には、複数の端末装置20として、端末装置20Aと、端末装置20B−1,20B−2,・・・,20B−N(Nは、3以上の自然数)と、端末装置20Cとが示されている。以下では、端末装置20B−1,20B−2,・・・,20B−Nの各々を特に区別する必要のないときは、「端末装置20B」と総称する。
【0016】
電子機器10は、ユーザが自宅等に配置して使用する電子機器である。電子機器10は、ペアリングした端末装置20に、通話又はメッセージ(例えば、電子メール又はSNS(Social Networking Service))の着信があった場合にその旨を通知する、着信通知機能を提供する。着信通知機能による通知は、本実施形態では、発光部161の発光により行われる。ただし、この通知の方法は一例に過ぎず、音声の出力等の通知の方法が採用されてもよい。ペアリングは、本実施形態では、Bluetooth(登録商標)により無線の通信路を確立させる処理である。なお、Bluetooth以外の規格(例えば、Wi−Fi(登録商標))に従って通信路が確立されてもよいが、電子機器10と端末装置20との間の通信路は、電子機器10と端末装置20とが近接した場合に確立されるものとする。
【0017】
端末装置20は、電子機器10の機能を利用する場合に、電子機器10とペアリングする。また、端末装置20はネットワークNW経由で、サーバ装置30と通信する。端末装置20は、本実施形態ではスマートフォンであるが、タブレット型コンピュータ、又はノート型PC等の端末装置であってもよい。
【0018】
複数の端末装置20のうち、端末装置20Aは、本実施形態では、複数の回線を同一名義で利用するための契約(例えば家族契約)を通信事業者と結んだユーザによって使用される。当該複数の回線を利用する端末装置20は、端末装置20Aのほかには、端末装置20B−1,20B−2,・・・,20B−Nである。一方、端末装置20Cは、当該複数の回線を利用する端末装置とは別の端末装置である。
【0019】
サーバ装置30は、端末装置20からの問い合わせに応じた応答をするサーバ装置である。サーバ装置30は、契約情報DB40にアクセスし、契約情報DB40に蓄積された契約情報に基づいてこの応答を行う。契約情報は、端末装置20(例えば、端末装置20A)のユーザが通信事業者と結んだ契約に係る情報である。契約情報DB40は、このような契約情報を蓄積するデータベースである。
【0020】
図2は、契約情報DB40に蓄積される契約情報の説明図である。
契約情報DB40は、1の主ユーザIDと、当該主ユーザIDに対応付けられた1以上の副ユーザIDとを、複数組蓄積する。主ユーザIDは、同一名義で利用される複数の回線のうちの主回線を使用するユーザを識別するID(識別子)である。副ユーザIDは、当該複数の回線のうちの副回線を使用するユーザを識別するIDである。主ユーザID、及び副ユーザIDは、例えば、加入者認証モジュール(SIM:Subscriber Identity Module)に記録されたIMSI(International Mobile Subscriber Identity)である。ただし、主ユーザID、及び副ユーザIDは、IMSI以外のIDであってもよい。主ユーザID「UID−A」は、端末装置20Aのユーザを識別するIDである。副ユーザID「UID−B1」,「UID−B2」,・・・,「UID−BN」は、順に、端末装置20B−1,20B−2,・・・,20B−Nのユーザを識別するIDである。主ユーザID「UID−C」は、端末装置20Cのユーザを識別するIDである。
なお、端末装置20Aは本発明の第1端末装置の一例、端末装置20B−1,20B−2,・・・,20B−Nの各々は本発明の第2端末装置の一例、端末装置20Cは本発明の第3端末装置の一例である。
【0021】
図3は、電子機器10、及び端末装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。電子機器10は、物理的には、プロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、通信装置14、入力装置15、出力装置16、バス17等を含むコンピュータ装置として構成される。端末装置20は、物理的には、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信装置24、入力装置25、出力装置26、バス27等を含むコンピュータ装置として構成される。図3では、端末装置20のハードウェア要素の符号を括弧書きで表している。
なお、以下の説明では、「機器」又は「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。電子機器10、及び端末装置20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0022】
プロセッサ11は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ11は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。
また、プロセッサ11は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ13及び/又は通信装置14からメモリ12に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。各種処理は、1つのプロセッサ11で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ11により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ11は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介して受信されてもよい。
【0023】
メモリ12は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ12は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。
【0024】
ストレージ13は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ13は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ12及び/又はストレージ13を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0025】
通信装置14は、コンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えば通信モジュール等ともいう。
【0026】
入力装置15は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置16は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカ、LEDランプ等)である。
なお、入力装置15及び出力装置16は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0027】
また、プロセッサ11やメモリ12等の各装置は、情報を通信するためのバス17で接続される。バス17は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0028】
また、電子機器10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ11は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0029】
端末装置20のプロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信装置24、入力装置25、出力装置26、及びバス27の各ハードウェアの説明は、例えば、上述した電子機器10の同名のハードウェアと同じである。
【0030】
図4は、電子機器10のプロセッサ11の機能構成の一例を示すブロック図である。電子機器10のプロセッサ11は、取得部111と、制御部112と、処理部113とを含む。プロセッサ11における各機能は、プロセッサ11、メモリ12等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで実現される。
【0031】
プロセッサ11の機能に関わる構成として、ストレージ13は、ペアリングを許可した端末装置20のIDを登録するための許可端末リスト131を記憶する。また、通信装置14は、近距離無線通信部141を含む。近距離無線通信部141は、Bluetoothによりペアリングした外部機器と近距離無線通信を行う。近距離無線通信部141は、本発明の無線通信部の一例である。また、出力装置16は、発光部161を含むものとする。発光部161は、例えばLEDランプを含むが、それ以外の発光素子を含んでもよい。
【0032】
取得部111は、第1端末装置との間に通信路が確立した場合に、当該第1端末装置と所定の関係を有する1又は複数の第2端末装置を特定する情報を取得する。この関係は、本実施形態では、第1端末装置のユーザにより同一名義で回線を利用する契約が結ばれている関係であることを示す。取得部111は、例えば、端末装置20Aと近距離無線通信部141を介してペアリングした場合に、端末装置20B−1,20B−2,・・・,20B−Nの少なくともいずれかを特定する情報を、サーバ装置30から取得する。
【0033】
制御部112は、取得部111が取得した情報に基づいて、前記1又は複数の第2端末装置のうちのいずれかが近接してきた場合には、通信路を確立することを許可する。制御部112は、端末装置20Aとペアリングした場合に、端末装置20B−1,20B−2,・・・,20B−Nのうちのいずれかが近接してきたときは、ペアリングを許可する。一方、制御部112は、端末装置20Cが近接してきたときは、ペアリングを不許可とする。
【0034】
制御部112は、ペアリングを許可した端末装置20のIDを、許可端末リスト131に登録する。制御部112は、許可端末リスト131にIDが登録された端末装置20については、以降、ペアリングを許可するものとする。即ち、ストレージ13は、本発明の記憶部の一例である。
【0035】
処理部113は、ペアリング中の端末装置20に利用させる機能に係る処理を実行する。処理部113は、本実施形態では、着信通知機能に係る処理を行う。即ち、処理部113は、ペアリング中の端末装置20から、その端末装置20に着信があった旨を通知する信号(以下「着信通知信号」という。)を受信すると、発光部161を発光させることにより、その旨を周囲のユーザに通知する。
【0036】
図5、及び図6は、通信システム1で実行される処理の一例を示すシーケンス図である。図5にはペアリングが許可される場合の処理、図6にはペアリングが不許可となる場合の処理が示されている。まず、図5を参照して、ペアリングが許可される場合の処理を説明する。
電子機器10は、その使用が開始されると、近接した端末装置20Aとペアリングする(ステップS1)。本実施形態では、端末装置20がマスターとなり、電子機器10をスレーブとしてペアリングが行われるものとする。即ち、端末装置20は、周辺に存在する電子機器10を探索し、電子機器10の存在を検出すると、ペアリングを要求する。電子機器10では、近距離無線通信部141によりこの要求を受け付けると、ペアリングの可否を制御する。ステップS1では、制御部112は、電子機器10の使用開始後、未だいずれの端末装置20ともペアリングしたことがない場合には、近接してきた端末装置20とのペアリングを許可する。端末装置20Aとのペアリングが完了すると、端末装置20Aは、自端末装置のIDを電子機器10へ送信する(ステップS2)。このIDは、「UID−A」である。
【0037】
電子機器10において、制御部112は、近距離無線通信部141を介してID「UID−A」を受信し、このID「UID−A」を、ストレージ13に記憶させておく(ステップS3)。具体的には、制御部112は、ID「UID−A」を許可端末リスト131に登録する。
電子機器10と端末装置20Aとのペアリング中に、端末装置20Aに着信があると、処理部113は、近距離無線通信部141を介して、端末装置20Aから着信通知信号を受信する。そして、処理部113は、発光部161を発光させることにより、端末装置20Aに着信があった旨を、周囲のユーザに通知する。
【0038】
続いて、端末装置20B−1が、電子機器10の存在を検出したとする(ステップS4)。近距離無線通信部141により端末装置20B−1からのペアリングの要求が受け付けられると、取得部111は、端末装置20B−1経由で、サーバ装置30に対し、端末装置20Aと端末装置20B−1とが、同一名義で回線を利用する契約が結ばれているかどうかを問い合わせる(ステップS5)。この問い合わせは、具体的には、次の手順で行われる。取得部111は、近距離無線通信部141を介して、端末装置20AのID「UID−A」を、端末装置20B−1へ送信する。端末装置20B−1は、このID「UID−A」を受信すると、自端末装置のID「UID−B1」とともに、サーバ装置30へ送信する。電子機器10は、直接ネットワークNWと通信する機能を有しないので、端末装置20B−1経由で、サーバ装置30への問い合わせを行うのである。
【0039】
サーバ装置30は、電子機器10からの問い合わせに応じて、端末装置20Aと端末装置20B−1とが、同一名義で回線を利用する契約が結ばれているかどうかを、契約情報DB40を参照して判断する。サーバ装置30は、ここでは、ID「UID−A」とID「UID−B1」とが、契約情報DB40で対応付けられた主ユーザID「UID−A」と副ユーザID「UID−B1」との対応付けに一致すると判断する。この場合、サーバ装置30は、端末装置20Aと端末装置20B−1とが、同一名義で回線を利用する契約が結ばれていることを示す応答データ(OK応答)を、電子機器10へ送信する(ステップS6)。具体的には、サーバ装置30は、この応答データを端末装置20B−1へ送信する。端末装置20B−1は、この応答データを電子機器10へ転送する。応答データは、少なくとも、ペアリングを許可する旨の応答を含むが、更に副ユーザID等の情報を含んでもよい。
【0040】
電子機器10において取得部111は、近距離無線通信部141を介して、サーバ装置30からの応答データを取得(受信)する(ステップS7)。制御部112は、ID「UID−B1」をストレージ13に記憶させる(ステップS8)。具体的には、制御部112は、ID「UID−B1」を許可端末リスト131に登録することで、以降、電子機器10と端末装置20B−1とのペアリングを許可する。これにより、制御部112は、以降、サーバ装置30への問い合わせなしに、端末装置20B−1とのペアリングを許可する。そして、制御部112は、近距離無線通信部141を制御して、電子機器10と端末装置20B−1とをペアリングする(ステップS9)。
ここでは、電子機器10と端末装置20B−1とがペアリングするときの処理を説明したが、電子機器10と端末装置20B−2,・・・,20B−Nとがペアリングするときも、同様の処理が実行される。
【0041】
電子機器10と端末装置20Bとのペアリング中に、端末装置20Bに着信があると、処理部113は、近距離無線通信部141を介して、端末装置20Bから着信通知信号を受信する。そして、処理部113は、発光部161を発光させることにより、端末装置20Bに着信があった旨を、周囲のユーザに通知する。この通知は、端末装置20毎に異なる方法で行われてよい。処理部113は、例えば、端末装置20毎に発光部161が発する色、明るさ、点滅のパターン(例えば、単位時間当たりの点滅の回数、又は連続点灯時間)を異ならせる。
【0042】
次に、図6を参照して、ペアリングが不許可とされる場合の処理を説明する。
ステップS1〜S3の処理後、端末装置20Cが、電子機器10の存在を検出したとする(ステップS10)。近距離無線通信部141により端末装置20Cからのペアリングの要求が受け付けられると、取得部111は、端末装置20C経由で、サーバ装置30に対し、端末装置20Aと端末装置20Cとが、同一名義で回線を利用する端末装置かどうかを問い合わせる(ステップS11)。即ち、取得部111は、近距離無線通信部141を介して、端末装置20AのID「UID−A」を、端末装置20Cへ送信する。端末装置20Cは、このID「UID−A」を受信すると、自装置のID「UID−C」とともに、サーバ装置30へ送信する。
【0043】
サーバ装置30は、電子機器10からの問い合わせに応じて、端末装置20Aと端末装置20Cとが、同一名義で回線を利用する契約が結ばれているかどうかを、契約情報DB40を参照して判断する。サーバ装置30は、ここでは、ID「UID−A」とID「UID−C」とが、契約情報DB40における主ユーザIDと副ユーザIDとの対応付けに一致しないと判断する。この場合、サーバ装置30は、端末装置20Aと端末装置20Cとが、同一名義で回線を利用する契約が結ばれていないことを示す応答データ(NG応答)を、電子機器10へ送信する(ステップS12)。具体的には、サーバ装置30は、この応答データを端末装置20Cへ送信する。端末装置20Cは、この応答データを電子機器10へ転送する。応答データは、少なくとも、ペアリングを不許可とする旨の応答を含むが、更に副ユーザID等の情報を含んでもよい。
【0044】
電子機器10において取得部111は、近距離無線通信部141を介して、サーバ装置30からの応答データを取得(受信)する(ステップS13)。制御部112は、この応答データに基づいて、電子機器10と端末装置20Cとのペアリングを不許可とする(ステップS14)。ステップS14は、ペアリングを不許可とした場合に実行される処理(例えば、不許可した旨を通知する処理)を含んでもよい。
【0045】
以上説明した第1実施形態によれば、端末装置20Bのユーザがペアリングの相手となる機器(電子機器10)の設定、及び認証等のための操作をしなくとも、端末装置20Bと電子機器10とをペアリングさせることができる。また、契約情報DB40に蓄積された契約情報によって、端末装置20Aのユーザと、端末装置20Bのユーザとの関係(ここでは、同一名義で複数の回線を利用する関係であること)が保証されている。よって、意図しない第三者の端末装置20Cが電子機器10とペアリングしてしまうのを回避できる。このように、電子機器10によれば、互いに所定の関係を有する2以上の端末装置に対して電子機器10の機能を利用させる場合に、端末装置20Bと電子機器10との間の通信路の確立を容易にすることができる。
【0046】
[第2実施形態]
第2実施形態では、電子機器10が、契約情報に基づいて直ちに端末装置20Bのペアリングを許可するのではなく、所定の条件を満たす端末装置20Bについては、主回線を利用する端末装置20Aに対してペアリングの可否を問い合わせる点で、上述した第1実施形態と異なる。以下、本実施形態の構成例として、(構成例1)〜(構成例3)を説明する。以下の説明において、上述した第1実施形態と同じ要素については、上述した第1実施形態と同じ符号を付して表す。
【0047】
(構成例1)
図7は、構成例1に係る契約情報DB40に蓄積される契約情報の説明図である。
図7に示すように、この契約情報DB40では、主ユーザIDと、副ユーザIDとに加え、更にペアリング条件が対応付けられている。ペアリング条件は、端末装置20Aへの問い合わせなしに自動でペアリングを許可する「自動」と、端末装置20Aへの問い合わせの結果、許可された場合にペアリングを許可する「半自動」とのいずれかを示す。図7の例では、ID「UID−B1」の端末装置20B−1には「自動」が、ID「UID−B2」の端末装置20B−2には「半自動」が設定されている。ペアリング条件「自動」が設定された端末装置20B−1は、本発明の第1の条件を満たさない端末装置の一例である。ペアリング条件「半自動」が設定された端末装置20B−2は、本発明の第1の条件を満たす端末装置の一例である。
なお、ペアリング条件は、例えば、端末装置20Aのユーザにより予め設定される。この設定は、例えば、端末装置20Aがサーバ装置30にアクセスして、ペアリング条件の設定に係る処理を行うことで、行われる。
【0048】
図8、及び図9は、(構成例1)に係る通信システム1で実行される処理の一例を示すシーケンス図である。図8にはペアリング条件が「自動」である場合の処理、図9にはペアリング条件が「半自動」である場合の処理が示されている。まず、図8を参照してペアリング条件が「自動」である場合の処理を説明する。
ステップS1〜S3の処理後、端末装置20B−1が、電子機器10の存在を検出したとする(ステップS21)。近距離無線通信部141により端末装置20B−1からのペアリングの要求が受け付けられると、取得部111は、端末装置20B−1経由で、サーバ装置30に対して問い合わせを行う(ステップS22)。
【0049】
サーバ装置30は、電子機器10からの問い合わせに応じて、端末装置20Aと端末装置20B−1とが、同一名義で回線を利用する契約が結ばれているかどうかを、契約情報DB40を参照して判断する。更に、サーバ装置30は、ペアリング条件が「自動」と、「半自動」とのどちらに設定されているかを判断する。ここでは、サーバ装置30は、端末装置20Aと端末装置20B−1とが、同一名義で回線を利用され、且つペアリング条件が「自動」に設定されていると判断する。そして、サーバ装置30は、その旨を示す応答データ(OK応答/自動)を、電子機器10へ送信する(ステップS23)。
【0050】
電子機器10において取得部111は、近距離無線通信部141を介して、サーバ装置30からの応答データを取得する(ステップS24)。そして、制御部112は、ID「UID−B1」をストレージ13に記憶させる(ステップS25)。具体的には、制御部112は、ID「UID−B1」を許可端末リスト131に登録する。これにより、制御部112は、電子機器10と端末装置20B−1とのペアリングを許可する。そして、制御部112は、近距離無線通信部141を制御して、電子機器10と端末装置20B−1とをペアリングする(ステップS26)。
【0051】
次に、図9を参照して、ペアリング条件が「半自動」である場合の処理を説明する。
ステップS1〜S3の処理後(図示略)、端末装置20B−2が、電子機器10の存在を検出したとする(ステップS27)。近距離無線通信部141により端末装置20B−2からのペアリングの要求が受け付けられると、取得部111は、端末装置20B−2経由で、サーバ装置30に対する問い合わせを行う(ステップS28)。ここでは、サーバ装置30は、端末装置20Aと端末装置20B−2とが同一名義で回線を利用する契約が結ばれていて、且つペアリング条件が「半自動」に設定されていると判断する。そして、サーバ装置30は、その旨を示す応答データ(OK応答/半自動)を、電子機器10へ送信する(ステップS29)。
【0052】
電子機器10において取得部111は、近距離無線通信部141を介して、サーバ装置30からの応答データを取得する(ステップS30)。この場合、制御部112は、近距離無線通信部141を介して、端末装置20Aにペアリングの可否を問い合わせる(ステップS31)。端末装置20Aは、電子機器10からの問い合わせに応じて、ペアリングの可否をユーザに質問し、ユーザからの回答を受け付ける(ステップS32)。端末装置20Aは、例えば、「ペアリングを許可しますか?」というメッセージとともに、許可及び不許可の一方を選択するボタンを表示する。端末装置20Aは、ユーザからの回答をユーザから受け付けると、その回答を、電子機器10へ送信する(ステップS33)。
【0053】
電子機器10において制御部112は、近距離無線通信部141を介して取得した回答に基づいて、ペアリングを許可するかどうかを判断する(ステップS34)。ペアリングを許可すると判断した場合(ステップS34;YES)、制御部112は、ID「UID−B2」をストレージ13に記憶させる(ステップS35)。具体的には、制御部112は、ID「UID−B2」を許可端末リスト131に登録する。これにより、制御部112は、電子機器10と端末装置20B−2とのペアリングを許可する。そして、制御部112は、近距離無線通信部141を制御して、電子機器10と端末装置20B−1とをペアリングする(ステップS36)。
【0054】
一方、ステップS34でペアリングを許可しないと判断した場合(ステップS34;NO)、制御部112は、ペアリングを不許可とする(ステップS37)。ステップS37の処理は、ステップS14と同じでよい。
【0055】
以上説明した(構成例1)によれば、複数の端末装置20Bに一律にペアリングが許可されるのではなく、必要に応じて、その可否を端末装置20Aのユーザに判断させることができる。例えば、主回線を使用するユーザは、同居している家族については、ペアリング条件として「自動」を、別居している家族については、ペアリング条件として「半自動」を設定する。この場合、電子機器10は、日常的に利用する可能性のある端末装置20Bのユーザについてのみ、端末装置20Aのユーザへの問い合わせなしに、着信通知機能を利用させることができる。
【0056】
(構成例2)
構成例2では、契約情報DB40の構成は、上述した第1実施形態と同じであるものとする。即ち、ペアリング条件の事前の設定は行われていないものとする。
図10は、(構成例2)に係る通信システム1で実行される処理の一例を示すシーケンス図である。
ステップS1〜S3の処理により、電子機器10が、近接した端末装置20Aとペアリングしたとする。この場合、制御部112は、このペアリングをした日時を、ストレージに記憶しておく(ステップS41)。
【0057】
続いて、端末装置20B−1が、電子機器10の存在を検出したとする(ステップS42)。近距離無線通信部141により端末装置20B−1からのペアリングの要求が受け付けられると、取得部111は、端末装置20B−1経由で、サーバ装置30に対する問い合わせを行う(ステップS43)。この場合、サーバ装置30は、端末装置20Aと端末装置20B−1とが同一名義で回線を利用する契約が結ばれていると判断する。そして、サーバ装置30は、応答データ(OK応答)を、電子機器10へ送信する(ステップS44)。
【0058】
取得部111は、近距離無線通信部141を介して、サーバ装置30からの応答データを取得する(ステップS45)。次に、制御部112は、ステップS41で記憶した日時から所定期間内かどうかを判断する(ステップS46)。この「所定期間」は、例えば1週間であるが、それ以外の長さであってもよい。また、この長さは、電子機器10の製造段階で決められていてもよいし、ユーザにより設定されてもよい。
【0059】
ステップS46で「YES」と判断した場合、つまり、端末装置20Aとのペアリングから所定期間内である場合、制御部112は、ID「UID−B1」をストレージ13に記憶させる(ステップS47)。具体的には、制御部112は、ID「UID−B1」を許可端末リスト131に登録する。これにより、制御部112は、電子機器10と端末装置20B−1とのペアリングを許可する。そして、制御部112は、近距離無線通信部141を制御して、電子機器10と端末装置20B−1とをペアリングする(ステップS48)。
【0060】
ステップS46で「NO」と判断した場合、つまり、端末装置20Aとのペアリングから所定期間外である場合、制御部112は、(構成例1)で説明したステップS31の処理に進んで、ペアリング条件が「半自動」である場合と同じ処理を行う。即ち、制御部112は、ペアリングの可否を端末装置20Aに質問し、許可する旨の回答が受け付けられた場合に、そのペアリングを許可する。
このように(構成例2)では、端末装置20Aとのペアリングから所定期間内に、電子機器10の存在を検出した端末装置20が、本発明の第1の条件を満たす端末装置に相当する。
【0061】
ここで、端末装置20Aのユーザと同居している家族については電子機器10の機能を利用させ、別居している家族等のユーザにはその機能を利用させない場合を考える。この場合、同居している家族については、電子機器10の使用開始時点から間もない期間内に、電子機器10の機能を利用しようとする可能性が高いと考えられる。即ち、同居している家族が使用する端末装置20Bは、端末装置20Aがペアリングした日時からさほど時間が経過していない時点で、電子機器10とのペアリングを試みる可能性が高い。よって、電子機器10は、端末装置20Aとのペアリングから所定期間内の場合は、端末装置20Aへの問い合わせなしに、ペアリングを許可する。一方、別居している家族の場合、電子機器10の使用開始時点から或る程度時間が経過した時点で、電子機器10とのペアリングを試みる可能性がある。よって、電子機器10は、端末装置20Aとのペアリングから所定期間外の場合は、端末装置20Aへ問い合わせて許可された場合に、そのペアリングを許可する。(構成例2)によれば、(構成例1)と同様の効果を、事前のペアリング条件の設定なしに奏することができる。
【0062】
(構成例3)
電子機器10の制御部112は、近接してきた端末装置20Bのユーザの自機の配置された場所への滞在の状況を特定し、その特定した滞在の状況に応じて、端末装置20Aにペアリングの可否を問い合わせてもよい。滞在の状況は、例えば、電子機器10、及び端末装置20Bが使用される位置を示す位置情報により特定される。滞在の状況の特定のため、電子機器10は、普段から、自機の位置の測定を逐次行う。端末装置20Bも、普段から、自機の位置の測定を逐次行うものとする。
【0063】
取得部111が、近距離無線通信部141を介して、サーバ装置30からの応答データ(OK応答)を取得すると、制御部112は、自機が配置された場所における、端末装置20Bの滞在の状況を特定する。そして、制御部112は、電子機器10が配置された場所で、端末装置20Bが日常的に使用されている場合には、端末装置20Aへの問い合わせなしに、ペアリングを許可する。これにより、同居している家族が使用する端末装置20Bについては、端末装置20Aへの問い合わせなしに、ペアリングが許可される。一方、制御部112は、電子機器10が配置された場所で、端末装置20Bが日常的に使用されていない場合には、端末装置20Aへ問い合わせて、許可された場合にペアリングを許可する。
このように(構成例3)では、本発明の第1の条件は、電子機器10が配置された場所における端末装置20Bのユーザの滞在の状況に関する条件である。
(構成例3)によれば、(構成例1)と同様の効果を、事前のペアリング条件の設定なしに奏することができる。
【0064】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施してもよい。また、以下に示す変形例は、各々を組み合わせてもよい。
(変形例1)
電子機器10は、同時にペアリングすることのできる端末装置20Bの数(端末数)に上限がある場合に、以下で説明する制御を行ってもよい。
図11は、通信システム1で実行される処理の一例を示すシーケンス図である。図11には、ペアリングが許可される場合の処理が示されている。
ステップS1〜S6の処理の実行により、取得部111が応答データ(OK応答)を取得すると(ステップS7)、制御部112は、ペアリング中の端末数が上限に達したかどうかを判断する(ステップS51)。この上限は、電子機器10の仕様等に応じて予め決まっているが、例えば3台である。
【0065】
ステップS51で「YES」と判断した場合、制御部112は、ペアリング中の端末装置20Bのうち、解除条件を満たす端末装置20Bとのペアリングを解除する(ステップS52)。つまり、制御部112は、解除条件を満たす端末装置20Bとの間に確立された通信路を切断する。解除条件は、本発明の第2の条件の一例で、例えば最後にペアリングした端末装置20B、又は端末装置20Aへの問い合わせの結果、ペアリングが許可された端末装置20Bである。解除条件は、比較的電子機器10を利用させる優先度が低い端末装置20Bが満たすように決められている。ペアリングの解除後、制御部112は、端末装置20B−1のIDを記憶するとともに、ペアリングを許可する(ステップS8,S9)。
ステップS51で「NO」と判断した場合は、制御部112は、ペアリングの解除を行うことなく、端末装置20B−1のIDを記憶するとともに、ペアリングを許可する(ステップS8,S9)。
この変形例1によれば、ペアリング中の端末装置20のユーザへの不便を軽減しつつ、それ以外の端末装置20のユーザによる電子機器10の利用を可能にすることができる。
【0066】
(変形例2)
電子機器10は、ペアリングを許可することのできる端末装置20Bの数(端末数)に上限がある場合に、以下で説明する制御を行ってもよい。
図12は、この変形例の通信システム1で実行される処理の一例を示すシーケンス図である。図12には、ペアリングが許可される場合の処理が示されている。
ステップS1〜S6の処理の実行により、取得部111が応答データ(OK応答)を取得すると(ステップS7)、制御部112は、ペアリングを許可した端末数が上限に達したかどうかを判断する(ステップS61)。この上限は、電子機器10の仕様等に応じて予め決まっているが、例えば10台である。
【0067】
ステップS61で「YES」と判断した場合、制御部112は、ペアリング中の端末装置20Bのうち、許可端末リスト131に登録された不許可条件を満たす端末装置20Bの情報を無効化する(ステップS62)。不許可条件は、本発明の第3の条件の一例で、例えば最後にペアリングした端末装置20B、端末装置20Aへの問い合わせの結果、ペアリングが許可された端末装置20B、又は最後にペアリングしてから最も長い時間が経過した端末装置20Bである。不許可条件は、電子機器10を利用させる優先度が比較的低い端末装置20Bが満たすように決められている。ここでの情報の無効化は、許可端末リスト131に基づいてペアリングが許可されないようにする処理で、例えば該当のレコードの情報を削除する処理である。この無効化の後、制御部112は、端末装置20B−1のIDを記憶するとともに、ペアリングを許可する(ステップS8,S9)。
ステップS61で「NO」と判断した場合は、制御部112は、ペアリングを不許可にすることなく、端末装置20B−1のIDを記憶するとともに、ペアリングを許可する(ステップS8,S9)。
この変形例2によれば、ペアリング中の端末装置20のユーザへの不便を軽減しつつ、それ以外の端末装置20のユーザによる電子機器10の利用を可能にすることができる。
【0068】
(変形例3)
例えば、或る部屋内に電子機器10が配置されている場合に、電子機器10が、隣室を使用するユーザの端末装置20Cの存在を頻繁に検出する可能性がある。このような場合、電子機器10が、ペアリングを不許可とするための通信を繰り返す可能性がある。そこで、電子機器10は、ペアリングを不許可にする場合のネットワークNWとの通信を減らすために、以下で説明する制御を行ってもよい。
この変形例では、ストレージ13は、図13に示すような、ペアリングを不許可とした端末装置20のIDを登録するための不許可端末リスト132を記憶する。不許可端末リスト132では、端末装置20のIDと、この端末装置20についてペアリングを不許可とした回数とが対応付けられている。図13の例では、端末装置20Cについて「9」回にわたってペアリングが不許可とされている。
【0069】
図14、及び図15は、通信システム1で実行される処理の一例を示すシーケンス図である。図14には、ペアリングが不許可とされる場合の処理が示されている。
制御部112は、端末装置20Cとのペアリングを不許可とすると(ステップS14)、ID「UID−C」と対応付けられた不許可回数に「1」を加算するように、不許可端末リスト132を更新する(ステップS71)。
【0070】
そして、端末装置20Cが、電子機器10の存在を検出したとする(ステップS72)。近距離無線通信部141により端末装置20Cからのペアリングの要求が受け付けられると、制御部112は、不許可端末リスト132を参照して、存在を検出した端末装置20Cについてのペアリングの不許可回数を特定する(ステップS73)。制御部112は、特定した不許可回数が閾値に達したかどうかを判断する(ステップS74)。この閾値は、例えば「10」であるが、それ以外の値であってもよい。また、この閾値は、電子機器10の製造段階で決められていてもよいし、ユーザにより設定されてもよい。
【0071】
ここでは、制御部112は、不許可回数が閾値に達していないと判断する(ステップS74;NO)。この場合、取得部111、及び制御部112は、上述した第1実施形態と同様、端末装置20C経由でサーバ装置30に対する問い合わせを行い、サーバ装置30からの応答データ(NG応答)に応じて、ペアリングを不許可とする(ステップS75〜S78)。そして、制御部112は、ID「UID−C」と対応付けられた不許可回数に「1」を加算するように、不許可端末リスト132を更新する(ステップS79)。
【0072】
一方、ステップS74で、不許可端末リスト132の不許可回数が閾値に達したと判断した場合(ステップS74;YES)、制御部112は、取得部111がサーバ装置30から取得する情報によらないで、ペアリングを不許可とする(ステップS80)。この場合、取得部111によるサーバ装置30への問い合わせが不要であるから、ペアリングの不許可とするための通信の発生の増大を抑えることができる。
【0073】
ところで、不許可回数が閾値に達した後に、端末装置20Aと端末装置20Cとが、同一名義で複数の回線を利用する関係となる契約が結ばれる可能性がある。この契約が結ばれたとすると、端末装置20Cは本来電子機器10の機能を利用できるべきであるにも関わらず、その利用が不可能になってしまう。そこで、通信システム1では、更に以下で説明する制御が行われる。
【0074】
サーバ装置30は、契約情報DB40において、主ユーザIDと副ユーザIDとの組み合わせに変化があった場合、その主ユーザIDが示すユーザの端末装置20Aに宛てて、更新通知を送信する(ステップS81)。端末装置20Aは、この更新通知を、電子機器10へ転送する(ステップS82)。更新通知には、例えば、新たに主ユーザIDに対応付けられた副ユーザIDを特定する情報が含まれる。ここには、ID「UID−C」を特定する情報が含まれているものとする。
なお、更新通知の送信は、ここでは端末装置20A経由で行われるが、電子機器10が通信できる他の端末装置20(つまり端末装置20B)経由で行われてもよい。
【0075】
電子機器10の制御部112は、更新通知を受信すると、不許可端末リスト132から、新たに主ユーザIDに対応付けられた副ユーザIDのユーザが使用する端末装置20の情報を無効化する(ステップS83)。ここでは、制御部112は、ID「UID−C」を含むレコードの情報を無効化する。ここでの情報の無効化は、不許可端末リスト132に基づいてペアリングが不許可とされないようにする処理で、例えば該当のレコードの情報を削除する処理である。
これにより、契約情報DB40の契約情報に変化があった場合でも、本来電子機器10の機能を利用できる端末装置20がその利用をできないという事態の発生を防止することができる。
【0076】
(変形例4)
上述した実施形態では、取得部111は、端末装置20B又は20Cからのペアリングの要求が受け付けられたことを契機に、サーバ装置30へ契約情報に関する問い合わせを行っていた。これに代えて、取得部111は、端末装置20Aとペアリングしたことを契機に、端末装置20Aのユーザの主ユーザIDに対応付けられた1以上の副ユーザIDを、サーバ装置30から取得してもよい。そして、端末装置20B,20Cからのペアリングの要求が受け付けられた場合は、制御部112は、端末装置20B,20CのIDと、予め取得しておいた副ユーザIDとが一致するか否かに応じて、ペアリングの可否を判断する。
この変形例によれば、電子機器10は、端末装置20からのペアリングの要求が受け付けられるたびに、サーバ装置30への問い合わせのための通信が発生するのを防ぐことができる。
【0077】
(変形例5)
上述した実施形態では、複数の回線を同一名義で利用するための契約を結んだ関係にある2以上の端末装置20について、電子機器10とのペアリングが許可されていた。端末装置20Aのユーザの契約情報に基づいて特定される関係は、これ以外の関係であってもよい。2以上の端末装置20の各々を使用するユーザ間の関係が、契約情報によって保証されていれば、意図しない第三者の端末装置20が電子機器10とペアリングしてしまうのを回避し得るからである。
例えば、ネットワークNWを介した通信に係る費用が割引又は無料となる関係にある2以上の端末装置20について、電子機器10とのペアリングが許可されてもよい。この具体例として、端末装置20Aから、端末装置20B−1,・・・,20B−Nに通話の発信をした場合に、通信費用が割引又は無料となるような関係がある。また、或る法人契約の下で利用される2以上の端末装置20について、電子機器10とのペアリングが許可されてもよい。
【0078】
電子機器10とのペアリングが許可される2以上の端末装置20の各々を使用するユーザ間の関係が、契約情報によって特定されなくてもよい。契約情報でなくとも、当該ユーザ間の関係を特定する情報が存在し、且つこの情報に基づいてペアリングの可否が判断されれば、意図しない第三者の端末装置20が電子機器10とペアリングしてしまうのを回避し得るからである。当該情報によって特定される関係は、例えばユーザの申告に基づき特定される。
また、上述したIDは、端末装置20のユーザの識別子ではなく、端末装置20を識別する識別子(例えば、IMEI:International Mobile Equipment Identity)であってもよい。
【0079】
(変形例6)
本発明の電子機器の機能であって、2以上の端末装置により利用される機能は、着信通知機能に限られない。例えば、本発明の電子機器は、Wi―Fi(登録商標)ルータのような中継装置であってもよい。この場合、電子機器が有する無線通信の中継機能が、2以上の端末装置により利用される。この種の中継装置は、例えばセキュリティ上の観点から、中継機能を利用できる端末装置を制限することが望ましい場合があるからである。即ち、処理部113が実行する処理は、電子機器10の利用される機能に応じて変化する。
【0080】
(変形例7)
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンスチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0081】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0082】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0083】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0084】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0085】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。また、ソフトウェア、命令等は、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)等の有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波等の無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0086】
本明細書で説明した情報、信号等は、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップ等は、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0087】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0088】
明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0089】
また、本明細書で説明した情報、パラメータ等は、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
【0090】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)したことを「判断」「決定」したとみなすこと等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)したことを「判断」「決定」したとみなすこと等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)等したことを「判断」「決定」したとみなすことを含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなすことを含み得る。
【0091】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0092】
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」等の呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0093】
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0094】
(変形例8)
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0095】
10…電子機器、11,21…プロセッサ、111…取得部、112…制御部、113…処理部、12,22…メモリ、13,23…ストレージ、131…許可端末リスト、132…不許可端末リスト、14,24…通信装置、15,25…入力装置、16,26…出力装置、17,27…バス、20,20A,20B,20B−1,・・・,20B−N,20C…端末装置、30…サーバ装置、40…契約情報DB。
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