(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第1から第2実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す第1から第2実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る第1のフック装置6Aは、
図1〜
図4に示すように、第1シーブ15Aと、第2シーブ15Bと、フック16と、第1のシーブカバー30Aと、第2のシーブカバー30Bとを備えている。更に、フック支持軸を兼ねる第1シーブ軸31と、抜止板32と、フック抜止34と、一対のブラケット36と、一対の取付部材37と、2つのガイドローラ38とを備えている。
この第1のフック装置6Aは、
図1(a)及び(b)に示すように、クレーン1Aの備えるブーム5の先端部から、ワイヤロープ14によって吊り下げられている。
【0016】
ここで、ブーム5の先端部には、ブーム側シーブ軸25によって、ブーム5の先端を正面視して、左側に第1ブーム側シーブ10A、右側に第2ブーム側シーブ10Bが軸支されている。第1ブーム側シーブ10Aと第2ブーム側シーブ10Bとの間には、弧状の案内面を形成したガイド板27が取付けられている。また、第1ブーム側シーブ10Aの左側には、ワイヤロープ14の端末を、その固定部材であるソケット51及びコッタ52に導く案内用シーブ11が取付けられている。
第1のシーブカバー30Aは、ブーム5の先端を正面視して正面(前方)側に設けられ、第2のシーブカバー30Bは、ブーム5の先端を正面視して第1のシーブカバー30Aと対向して背面(後方)側に設けられている。また、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bは、正面視で、上部が台形状で下部が半円状に形成されている。
【0017】
第1シーブ軸31は、トラニオンタイプの軸であり、
図2〜
図4に示すように、直方体形状の中軸部31aと、この中軸部31aの長手方向の両端面の中央から突出する円柱状の凸軸部31bと、中軸部31aの長手方向の中央部を上下に貫通する円形の貫通孔31cとを有している。そして、第1のシーブカバー30Aと第2のシーブカバー30Bとのそれぞれの略中央に設けられた円形の貫通穴30hに凸軸部31bを嵌合させることで、第1及び第2のシーブカバー30A及び30B間に第1シーブ軸31を回動可能に設けている。この第1シーブ軸31の両端の凸軸部31bのそれぞれに抜止板32が抜止ボルト33で固定され、第1のシーブカバー30A及び第2のシーブカバー30Bが第1シーブ軸31から抜け落ちるのを防止している。
【0018】
第1シーブ15Aは、第1シーブ軸31の第1のシーブカバー30A側の凸軸部31bにラジアル軸受35を介して枢着され、第2シーブ15Bは、第1シーブ軸31の第2のシーブカバー30B側の凸軸部31bにラジアル軸受35を介して枢着されている。
フック16は、第1シーブ軸31の中軸部31aに設けられた貫通孔31cにフック軸16aを下側から上側に向かって挿通させて、中軸部31aの上部にてスラスト軸受39を介して第1シーブ軸31の回動軸線と直交する軸を中心として回転自在に取り付けられている。フック抜止34は、フック16の上端側に取り付けられており、フック16の第1シーブ軸31からの抜け落ちを防止している。
【0019】
一対のブラケット36は、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bの上端部間に左右に離隔して前後方向に架け渡され、一対の取付部材37を介して前後方向の一端部及び他端部が第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bにボルトで固定されている。一対のブラケット36間には2本のピンが前後に離隔して設けられており、このピンのそれぞれに、ガイド板27の案内面に接して転動するガイドローラ38が軸受(図示略)を介して枢支されている。
第1のフック装置6Aは、更に、
図1〜
図4に示すように、電動モータ40と、バッテリ41と、遠隔制御装置42と、減速機44と、取付部材45と、バッテリ取付部材46と、第1の自稼発電機47Aと、第2の自稼発電機47Bと、防水カバー48とを備えている。
【0020】
取付部材45は、平板状に形成され、モータ軸40a用の円形の第1の貫通孔45aと、第1の貫通孔45aと所定間隙を空けて長手方向に隣接する位置に設けられたフック軸16a用の円形の第2の貫通孔45bとを備えている。第1の貫通孔45aは、モータ軸40aの径よりも大きな径を有し、第2の貫通孔45bは、フック軸16aの径よりも大きい径を有している。
この取付部材45は、第1シーブ軸31の中軸部31aの上面の、第2の貫通孔45bが第1シーブ軸31の貫通孔31cと同心となる位置に重ねて設けられている。加えて、自身の長手方向が第1シーブ軸31の回転軸線かつフック軸16aの回転軸線と直交する向きに設けられている。取付部材45は、この状態で、第1の貫通孔45aの全体を含む一部分が、第1シーブ軸31の中軸部31aから第1及び第2シーブ15A及び15Bに挟まれた空間内に向かって突出するように構成されている。加えて、この突出部分の長さは、取付部材45の全体が第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bに挟まれた空間内に収まる長さに構成されている。
【0021】
バッテリ取付部材46は、
図2において、下面側にバッテリ41との電気的な接続部を有する上辺部46aと、上辺部46aよりも左右方向の寸法が短い下辺部46bと、これらの左端部を接続する左辺部46cとを備えている。バッテリ取付部材46は、上辺部46aの左端上面部を取付部材45の右端下面部に溶接等によって接合して取り付けられている。左辺部46cには、下側から下辺部46bを通過したバッテリ41を上側にスライドして接続部まで導くための案内溝(図示略)が形成されている。加えて、バッテリ取付部材46の寸法は、バッテリ取付部材46の全体が第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bに挟まれた空間内に収まる寸法に構成されている。
【0022】
電動モータ40は、必要なトルクが得られる範囲で、例えば、小型のサーボモータ等から構成されている。この電動モータ40は、第1実施形態において、直方体形状の本体部と、その長手方向の一端から突出するモータ軸40aとを有する。電動モータ40は、モータ軸40aを取付部材45の第1の貫通孔45aに下面側から挿通して軸の一部を上面側に突出した状態で取付部材45の下面にボルト等(図示略)で固定支持されている。また、第1実施形態では、取付部材45に固定支持された状態で、電動モータ40の重心40gが第1シーブ軸31よりも下方に位置するように構成されている。加えて、電動モータ40の全体が、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bに挟まれた空間内に収容されるように構成されている(
図2参照)。
従って、例えば、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bとして既存のものを流用した場合に、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bのサイズや形状、内側の空間の大きさ等に合わせて、上記構成を満足するサイズ及び形状の電動モータを既存のものから選択するか、又は作製する。
【0023】
バッテリ41は、電動モータ40及び遠隔制御装置42に電力を供給する充電式のバッテリ(二次電池)である。バッテリ41は、上面部に正電極及び負電極との電気的な接続部が設けられている。バッテリ41は、バッテリ取付部材46の下側から上側に向かって、案内溝に沿ってスライドしてバッテリ取付部材46の内側に嵌入し、バッテリ41側の接続部とバッテリ取付部材46側の接続部とが接続された状態で取り付けられる。これにより、取り付けられたバッテリ41は、電動モータ40と第1シーブ軸31を中心に平面視で互いに反対側の位置に配置される。また、第1実施形態では、バッテリ取付部材46に固定支持された状態で、バッテリ41の重心41gが第1シーブ軸31よりも下方に位置するように構成されている。また、第1実施形態において、バッテリ41の電力は、バッテリ取付部材46側の接続部を介して、電動モータ40及び遠隔制御装置42に供給される。加えて、バッテリ41の全体が、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bの内側の空間内に収容されるように構成されている(
図2参照)。
従って、例えば、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bとして既存のものを流用した場合に、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bのサイズや形状、内側の空間の大きさ等に合わせて、上記構成を満足するサイズ及び形状のバッテリを既存のものから選択するか、又は作製する。
【0024】
遠隔制御装置42は、フック遠隔操作機100(後述)から無線送信された遠隔操作信号を受信し、受信した遠隔操作信号に基づき電動モータ40を駆動制御するものである。第1実施形態において、遠隔制御装置42は、バッテリ取付部材46の上部に固定支持されている。従って、遠隔制御装置42も、バッテリ41と同様に、第1シーブ軸31を挟んで電動モータ40と平面視で互いに反対側の位置に配置される。また、遠隔制御装置42も、その全体が、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bに挟まれた空間内に収容されるように構成されている(
図2参照)。
従って、遠隔制御装置42についても、例えば、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bとして既存のものを流用した場合に、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bのサイズや形状、内側の空間の大きさ等に合わせて、上記構成を満足するサイズ及び形状に設計する。
【0025】
また、バッテリ41と遠隔制御装置42とは、板金を成型して構成された防水カバー48で覆われている。
また、上記構成によって、電動モータ40、バッテリ41及び遠隔制御装置42は、第1シーブ軸31を中心に、電動モータ40の質量と、バッテリ41及び遠隔制御装置42の合計質量とがバランスする(釣り合う)位置関係に配置される。
【0026】
減速機44は、第1平歯車44aと、第1平歯車44aよりも大きい径を有する第2平歯車44bとを備えている。第1平歯車44aは、モータ軸40aの上部にモータ軸40aと同期回転可能に固定支持され、第2平歯車44bは、フック軸16aの上部にフック軸16aと同期回転可能に固定支持されている。
第1平歯車44aと第2平歯車44bとは、互いの歯の一部が噛み合わされている。そして、電動モータ40の発生する回転駆動力によってモータ軸40aが回転すると、これと同期して第1平歯車44aが回転する。第1平歯車44aが回転すると、第2平歯車44bが予め設計された減速比に応じた回転速度で回転する。第2平歯車44bが回転すると、これと同期してフック軸16aが回転する。
【0027】
また、減速機44は、第1シーブ軸31の上部の空間内に配置されており、その全体が、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bに挟まれた空間内に収容されるように構成されている(
図2参照)。
一方、第1及び第2の自稼発電機47A及び47Bは、同一構成の発電機から構成されており、例えば、振動等の外力を受けて自稼発電するものである。第1及び第2の自稼発電機47A及び47Bによって自稼発電された電力はバッテリ41の充電電力として利用される。また、第1実施形態では、第1及び第2の自稼発電機47A及び47Bとして、リニア発電機を採用している。
第1の自稼発電機47Aは、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bの上部台形状の左側傾斜部に、該傾斜部と直交する姿勢で前後方向に掛け渡されて取り付けられている。また、第2の自稼発電機47Bは、第2のシーブカバー30Bの上部台形部分の表面に第1シーブ軸31と前後方向に直交する姿勢で取り付けられている。
【0028】
また、第1のフック装置6Aは、第1シーブ15A及び第2シーブ15Bに掛回されたワイヤロープ14によってブーム5から吊り下げられており、第1シーブ軸31を介してフック16に作用する負荷を受ける。第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bには吊荷等の負荷は作用しない。第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bは、第1シーブ軸31に対して回動可能であるが、通常(無負荷時)は
図1〜
図4の位置にある。これは、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bの重心が第1シーブ軸31より下方にあるためである。フック16は、第1シーブ軸31が回動することでその軸回りに揺動可能であるが、通常(無負荷時)は
図1〜
図4の位置にある。これは、回転駆動機構を構成する電動モータ40及びバッテリ41が、第1シーブ軸31を中心に平面視で互いに反対側の位置に配置されているためである。加えて、電動モータ40の重心40gと、バッテリ41及び遠隔制御装置42を合わせた質量の重心41g(以下、「バッテリ41類の重心41g」と記載する)とが第1シーブ軸31より下方にあるためである。更に、第1実施形態では、電動モータ40と、バッテリ41及び遠隔制御装置42との配置構成を、電動モータ40の質量とバッテリ41及び遠隔制御装置42を合わせた質量(以下、「バッテリ41類」の質量と記載する)との差異を考慮した配置構成としている。具体的に、平面視にて第1シーブ軸31を境に、電動モータ40側の取付部材45の質量を加味した電動モータ40の質量に重心40gと第1シーブ軸31との間の距離を乗じた値と、バッテリ41側の取付部材45及び46の質量を加味したバッテリ41類の質量に重心41gと第1シーブ軸31との間の距離を乗じた値とが等しくなる配置構成としている。即ち、第1シーブ軸31を中心に、電動モータ40側の取付部材45の質量を加味した電動モータ40の質量と、バッテリ41側の取付部材45及び46の質量を加味したバッテリ41類の質量とが平衡した状態となる配置構成となっている。
【0029】
第1のフック装置6Aは、ブーム5の基端部側にあるウインチ(図示略)の操作により、ワイヤロープ14で巻上げ、巻下げされる。このワイヤロープ14は、ブーム5の下面に取付けたワイヤガイド50を経てブーム5先端部の第1ブーム側シーブ10Aに入る。そして、第1のフック装置6Aの第1シーブ15Aを通って、ブーム5先端部の第2ブーム側シーブ10Bの正面から背面側へ抜ける。更に、第1のフック装置6Aの第2シーブ15Bを通り、ブーム5先端部に設けた案内用シーブ11の背面から正面側へ抜け、ワイヤロープ14の端末を固定するソケット51にコッタ52で止着されている。
以上説明した、電動モータ40、バッテリ41、遠隔制御装置42及び減速機44は、第1のフック装置6Aの回転駆動機構を構成する。
【0030】
次に、フック遠隔操作機100及び遠隔制御装置42の具体的構成並びに回転駆動機構の各構成部の接続構成を説明する。なお、フック遠隔操作機100は、クレーンの遠隔操作機(図示略)と、クレーン本体の操縦部とのいずれか一方又は双方に装備されている。
図5に示すように、フック遠隔操作機100は、フック回転スイッチ101と、送信機102とを備えている。
フック回転スイッチ101は、作業者のスイッチ操作に応じてフック16をその操作内容に応じた方向に同操作内容に応じた回転量だけ回転させるための回転指示情報を生成し、生成した回転指示情報を送信機102に出力する。
【0031】
送信機102は、フック回転スイッチ101から入力された回転指示情報を予め設定された周波数帯域の搬送波に乗せてなる遠隔操作信号を生成する。そして、生成した遠隔操作信号を無線送信する。
一方、遠隔制御装置42は、受信機42aと、制御装置42bとを備えている。
受信機42aは、フック遠隔操作機100から無線送信された遠隔操作信号を受信し、受信した遠隔操作信号を復調して回転指示情報を抽出する。そして、抽出した回転指示情報を制御装置42bに出力する。
制御装置42bは、受信機42aから入力された回転指示情報に基づき、この指示情報に応じた回転方向に同指示情報に応じた回転量だけフック16を回転させるためのモータ駆動信号を生成する。そして、生成したモータ駆動信号を電動モータ40に出力する。
【0032】
また、遠隔制御装置42の制御装置42bは、電気ケーブル(図示略)を介して電動モータ40と電気的に接続されている。加えて、バッテリ41は、受信機42a、制御装置42b及び電動モータ40と、電気ケーブル(図示略)を介して電気的に接続されている。更に、第1の自稼発電機47Aと、第2の自稼発電機47Bとは、電気ケーブル(図示略)を介してバッテリ41と電気的に接続されている。
一方、電動モータ40は、そのモータ軸40aが、減速機44を介してフック軸16aと機械的に接続されている。
【0033】
以上の構成によって、バッテリ41から電動モータ40及び遠隔制御装置42に電力が供給されると、電動モータ40及び遠隔制御装置42が作動可能状態となる。この状態において、作業者がフック遠隔操作機100のフック回転スイッチ101を操作すると、送信機102を介して遠隔操作信号が無線送信される。無線送信された遠隔操作信号は、遠隔制御装置42の受信機42aで受信される。受信機42aは、受信した遠隔操作信号から回転指示情報を抽出し、抽出した回転指示情報を制御装置42bに出力する。制御装置42bは、入力された回転指示情報に基づき、回転指示情報に応じたモータ駆動信号を生成し、生成したモータ駆動信号を、電動モータ40に出力する。
これにより、電動モータ40が回転駆動し、この回転駆動力が減速機44を介してフック軸16aに伝達されフック16がフック軸16aを中心に回転する。
【0034】
次に、第1及び第2の自稼発電機47A及び47Bの具体的構成を説明する。
以下、第1及び第2の自稼発電機47A及び47Bを、区別する必要が無いときに「自稼発電機47」と記載する場合がある。
自稼発電機47は、
図6に示すように、略円筒状のケース47aを備え、このケース47aの内側の空間は、仕切部47bによって、2つの空間S1及びS2に分かれている。ケース47aの空間S1側には、その長手方向の中央位置に、内周面に沿って周方向に巻線が巻かれた構成のコイル47cがケース47aの内壁に形成された窪み部分に固定配置されている。加えて、空間S1内には、その長手方向にS極とN極とが配された円柱状の磁石47dがコイル47cの内側を通って空間S1内を進退自在に設けられている。更に、仕切部47bの空間S1側の面と、この面と対向するケース47aの内側端面とには、これらの面と垂直方向(即ち、磁石47dの進退方向)の弾性力を生じるバネ47eが設けられている。このバネ47eに磁石47dが衝突することで、バネ47eが収縮しその復元力によって衝突時とは逆方向の力を磁石47dに付与する。この構成によって、磁石47dの進退方向の往復動を容易としている。
【0035】
コイル47cの内側を通って磁石47dが空間S1内を往復動することで、電磁誘導による誘導起電力(交流電力)が発生する。
また、バネ47eには、磁石47dが衝突する力を直接ケース47a及び仕切部47bに伝達させない、クッションとしての役目もあり、破損防止としての役目もある。
一方、仕切部47bには、コイル47cの巻線開始端と巻線終了端とからそれぞれ伸びる2本の配線47fを空間S2側に通すための貫通穴47gが設けられている。加えて、空間S2内には、整流回路47hと、充電回路47iとが配設されている。
【0036】
2本の配線47fは、貫通穴47gを通って整流回路47hのプラス端子とマイナス端子とに接続されている。
整流回路47hは、全波整流回路(図示略)を備えており、配線47fを介して入力される交流電力を、全波整流回路において全波整流して、直流電力に変換する。そして、この直流電力を、充電回路47iに出力する。
充電回路47iは、平滑コンデンサ(図示略)を備えており、入力された直流電力を平滑化する。そして、平滑化後の直流電力を、電気ケーブル47jを介してバッテリ41に供給する。
なお、充電回路47i、整流回路47hは、第1の自稼発電機47Aおよび第2の自稼発電機47B内に共に組み込まれた構造として示しているが、この構造に限らず、制御装置42b内に組み込む構造としても良い。
また、第1実施形態に係るクレーン1Aは、非作業時や移動時に第1のフック装置6Aを格納する機能を有している。更に、クレーン1Aは、車両搭載型のクレーンである。
【0037】
具体的に、
図1の状態から第1のフック装置6Aを格納する場合には、ウインチを操作して第1のフック装置6Aを巻上げる。巻上げられた第1のフック装置6Aは、上昇して
図7(a)に示す状態になり上端のガイドローラ38がガイド板27の案内面に当接する。第1のフック装置6Aを更に巻上げると、ガイドローラ38が案内面に沿って転動し、ブーム先端部の第1及び第2ブーム側シーブ10A及び10Bと第1のフック装置6Aの第1及び第2シーブ15A及び15Bとの間の距離が小さくなる方向へ第1のフック装置6Aが移動して行く。そして、
図7(b)に示すようにブーム先端部の第1及び第2ブーム側シーブ10A及び10Bと第1のフック装置6Aの第1及び第2シーブ15A及び15Bとの間の距離が最小となる位置まで移動しガイドローラ38が凹状部24に嵌入して格納される。ブーム5先端部のブーム側シーブ軸25と第1のフック装置6Aの第1シーブ軸31とは直交しているため、格納時の高さは第1のフック装置6Aの第1及び第2シーブ15A及び15Bの径には影響されず、第1シーブ15Aと第2シーブ15Bとの離間距離によって決まる。
【0038】
なお、上記のようにガイドローラ38がガイド板27の案内面に当接している状態では、ワイヤロープ14から第1のフック装置6Aの第1及び第2シーブ15A及び15Bを介して第1シーブ軸31に巻上力が働く。加えて、ガイドローラ38を介して第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bに巻上力に対する反力が働く。これによって、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bと第1シーブ軸31との嵌合面が圧接されて第1シーブ軸31の回動が阻止され、フック16は揺動(回動)せず固定される。
この固定状態では、
図7(b)に示すように、第1の自稼発電機47Aの長手方向(磁石の進退方向)が鉛直方向(クレーンの上下方向)を向いた姿勢となる。一方、第2の自稼発電機47Bは、
図8に示すように、その長手方向がブーム5の長手方向と直交する方向(クレーンの左右方向)を向いた姿勢となる。
【0039】
第1実施形態に係るクレーン1Aは、
図9に示すように、荷台を有するトラック13に搭載されている。このクレーン1Aのブーム5は、最縮小状態でトラック13の運転席上部を通過して前方に真っ直ぐ伸びており、この状態のブーム5先端部にて、第1のフック装置6Aが固定状態(以下、ブーム5先端部にフック装置が固定された状態を「フック格納状態」と記載する)となっている。そして、トラック13は、このフック格納状態で作業現場に向けて走行することになる。
フック格納状態では、例えば、走行中にトラック13が上下方向の振動を受けることで、第1の自稼発電機47Aの磁石47dがコイル47cとの相対移動方向の力を受けてケース47aの空間S1内をコイル47cの内側を通過しつつ上下方向に進退移動する。これにより、第1の自稼発電機47Aでは、電磁誘導による誘導起電力が発生し発電する。一方、トラック13が左右方向の振動を受けることで、第2の自稼発電機47Bの磁石47dがコイル47cとの相対移動方向の力を受けてケース47aの空間S1内をコイル47cの内側を通過しつつ左右方向に進退移動する。これにより、第2の自稼発電機47Bでは、電磁誘導による誘導起電力が発生し発電する。これら発電した電力は、バッテリ41に充電される。
【0040】
このように、トラック13が作業現場に到着するまでの間、第1及び第2の自稼発電機47A及び47Bにおいて振動エネルギーが電気エネルギーに変換されバッテリ41が充電される。そして、作業現場では、移動時に充電されたバッテリ41によって回転駆動機構の電気系統部品に電力が供給される。この状態で、作業者がフック遠隔操作機100を操作して、電動モータ40を遠隔操作することで、フック16が回転駆動する。これにより、遠隔操作にて吊荷の姿勢を変更することが可能となる。
ここで、第1シーブ軸31がシーブ軸に対応し、第1及び第2シーブ15A及び15Bが複数のシーブに対応し、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bが2つのシーブカバーに対応する。
また、減速機44が伝達部材に対応し、取付部材45が取付部材に対応し、第1の貫通孔45aが挿通部に対応し、モータ軸40aがモータ回転軸に対応する。
【0041】
(第1実施形態の効果)
(1)第1実施形態に係る第1のフック装置6Aは、第1シーブ軸31の軸方向の一端側及び他端側に回転自在に取り付けられた、ワイヤロープ14が掛回される第1及び第2シーブ15A及び15Bを備える。加えて、第1シーブ軸31の軸方向の一端及び他端に回転自在に嵌合された第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bと、第1シーブ軸31の回転軸線と直交する軸回りに回転自在に設けられたフック16とを備える。更に、遠隔操作信号の受信に応じてフック16がフック軸16aの軸回りに回転駆動する回転駆動機構とを備える。回転駆動機構は、電動モータ40と、遠隔操作信号の受信機42aと、受信機42aで受信した遠隔操作信号に基づき電動モータ40を駆動制御する制御装置42bと、電動モータ40、受信機42a及び制御装置42bに電力を供給するバッテリ41と、電動モータ40の回転駆動力をフック16に伝達する減速機44とを備える。そして、上記回転駆動機構は、その全体が、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bに挟まれた空間内に収容されている。
【0042】
この構成であれば、回転駆動機構の全体が第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bで挟まれた内側の空間内に収容され、回転駆動機構が第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bから外側に突出しない。これによって、第1のフック装置6Aが吊荷や地面と衝突時に、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bによって回転駆動機構を衝突から護ることが可能となり、回転駆動機構の耐衝突性を向上することが可能となる。また、保護ガードを不要とすることが可能となるので、従来と比較して、その分のコストを低減することが可能となる。
【0043】
(2)第1実施形態に係る第1のフック装置6Aは、更に、フック16が、第1シーブ軸31の長手方向の中央に該第1シーブ軸31の回転軸線と直交する軸回りに回転自在に取り付けられている。加えて、第1シーブ軸31の中軸部31aの上部に固定支持されかつ第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bに挟まれた空間内における第1シーブ軸31の回転軸線及びフック16の回転軸線と直交する方向(第1実施形態では左右方向)に延在する取付部材45を備える。更に、電動モータ40が、取付部材45の延在部分(第1実施形態では左側の部分)の下側に該電動モータ40の本体部分が位置するように取付部材45に固定支持されている。
この構成であれば、第1シーブ軸31の横側にブラケット等の取付部材を介して電動モータを取り付ける従来の構成と比較して、電動モータ40が第1シーブ軸31の中軸部31aに極めて近接するよう配置されるため、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bに挟まれた空間内への電動モータの左右方向の収容性を向上することが可能となる。即ち、取付部材の左右方向への出っ張り分が無くなるので、その分だけ左右方向のスペースを確保することが可能となる。
【0044】
(3)第1実施形態に係る第1のフック装置6Aは、更に、取付部材45が、その延在部分に電動モータ40のモータ回転軸40aが挿通可能な第1の貫通孔45aを有する。そして、電動モータ40が、モータ回転軸40aの一部を第1の貫通孔45aを介して取付部材45の上側に突出するように固定支持されている。更に、フック16が、第1シーブ軸31の中軸部31aを貫通してその一部が第1シーブ軸31の中軸部31aの上側に突出するように設けられている。そして、減速機44が、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bの内側でかつ中軸部31aの上側の空間内に設けられると共に、取付部材45の上側のモータ回転軸40aから中軸部31aの上側のフック軸16a部分へと回転駆動力を伝達するように構成されている。
この構成であれば、第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bに挟まれた空間内でかつ中軸部31aの上側の空間を利用して、回転駆動力の伝達部材である減速機44を設けることが可能となる。これによって、空きスペースを有効利用することが可能となり、フック装置の小型化や既存部品の流用等が可能となる。
【0045】
(4)第1実施形態に係る第1のフック装置6Aは、更に、電動モータ40とバッテリ41及び遠隔制御装置42とが、第1シーブ軸31を中心にして平面視で互いに反対側となる位置関係に配置されている。加えて、電動モータ40の重心40gとバッテリ41類の重心41gとが第1シーブ軸31よりも下方に位置するように配置されている。更に、電動モータ40の質量とバッテリ41類の質量との差異を考慮し、第1シーブ軸31を中心に平面視で、電動モータ40側の取付部材45の質量を加味した電動モータ40の質量に第1シーブ軸31と重心40gとの間の距離を乗じた値と、バッテリ41側の取付部材45及び46の質量を加味したバッテリ41類の質量に第1シーブ軸31と重心41gとの間の距離を乗じた値とが等しくなるように配置されている。
この構成であれば、フック16の第1シーブ軸31回りの回動において質量バランスを取ることが可能となり、吊荷が無い状態(無負荷状態)でフック16の傾きが無いようにすることが可能となる。
【0046】
(5)第1実施形態に係る第1のフック装置6Aは、更に、バッテリ41が充電式のバッテリから構成されている。更に、振動エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する第1の自稼発電機47A及び第2の自稼発電機47Bを備える。そして、第1の自稼発電機47A及び第2の自稼発電機47Bで発電した電力を用いてバッテリ41を充電するように構成されている。
この構成であれば、例えば、第1のフック装置6Aを搭載したクレーンの移動中に発生する振動によって発電することが可能となり、作業現場へ移動中にバッテリ41を充電することが可能となる。これによって、作業中にバッテリを交換するなどの煩わしい作業が発生するのを低減することが可能となる。
【0047】
(6)第1実施形態に係る第1のフック装置6Aは、更に、フック装置を格納する機能を備えたクレーン1Aに搭載されている。第1の自稼発電機47A及び第2の自稼発電機47Bが、コイル47cと磁石47dとの相対移動による電磁誘導によって発電するリニア発電機を含んで構成されている。第1の自稼発電機47Aが、当該第1のフック装置6Aがフック格納状態のときに、コイル47cと磁石47dとの相対移動方向が鉛直方向(第1実施形態では上下方向)となる姿勢に設けられている。第2の自稼発電機47Bが、当該第1のフック装置6Aがフック格納状態のときに、コイル47cと磁石47dとの相対移動方向が水平方向(第1実施形態では左右方向)となる姿勢に設けられている。
この構成であれば、第1のフック装置6Aを、例えば車両搭載型のクレーンに搭載することで、クレーンの移動時に発生する上下方向の振動と、左右方向の振動とによって、効率良く発電を行うことが可能となる。その結果、クレーンの移動中にバッテリ41を効率良く充電することが可能となる。
【0048】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る第2のフック装置6Bは、上記第1実施形態の第1のフック装置6Aと比較して、シーブを支持するシーブ軸とフックを支持するフック支持軸との二軸構成となっている点と、シーブ軸とフックとの間に回転駆動機構が設けられている点とが異なる。
具体的に、第2のフック装置6Bは、
図10〜
図12に示すように、フック18と、第3シーブ17Aと、第4シーブ17Bと、第3のシーブカバー60Aと、第4のシーブカバー60Bと、フック支持軸61と、第2シーブ軸63とを備えている。
【0049】
この第2のフック装置6Bは、上記第1実施形態の第1のフック装置6Aとは垂直な軸回りに90度異なる向きで、クレーン1Bの備えるブーム8の先端部から、ワイヤロープ82によって吊り下げられている。即ち、第2のフック装置6Bは、ブーム側シーブ81の回転軸であるブーム側シーブ軸83と、第2シーブ軸63とが並行となる姿勢で吊り下げられている。
第3のシーブカバー60Aは、
図10において、正面(前方)側に設けられ、第4のシーブカバー60Bは、
図10において、第3のシーブカバー60Aと対向して背面(後方)側に設けられている。また、第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bは、正面視で、上部が台形状で中間部が台形の底辺を上辺とした矩形状で下部がこの矩形の下辺を底辺として頂点が下端となる上下反転した二等辺三角形状に形成されている。
【0050】
フック支持軸61は、トラニオンタイプの軸から構成されており、上記第1実施形態の第1シーブ軸31と同様に、直方体形状の中軸部61aと、この中軸部61aの長手方向の両端面の中央から突出する円柱状の凸軸部61bと、中軸部61aの中央部を上下に貫通する円形の貫通孔61cとを有している。そして、第3のシーブカバー60Aと第4のシーブカバー60Bとのそれぞれの下端に設けられた円形の貫通穴60h2に凸軸部61bを嵌合させることでフック支持軸61を揺動自在に取り付けている。
第2シーブ軸63は、第3のシーブカバー60Aと第4のシーブカバー60Bとのそれぞれの略中央に設けられた円形の貫通穴60h1に、第2シーブ軸63の両端部を嵌合させることで、第3及び第4のシーブカバー60A及び60B間に回動可能に設けられている。
【0051】
第3シーブ17Aは、フック支持軸61の第3のシーブカバー60A側にラジアル軸受35を介して枢着され、第4シーブ17Bは、第2シーブ軸63の第4のシーブカバー60B側にラジアル軸受35を介して枢着されている。
フック18は、フック支持軸61の中軸部61aに設けられた貫通孔61cにフック軸18aを下側から上側に向かって挿通させて、中軸部61aの上部にてスラスト軸受39を介してフック支持軸61の回動軸線と直交する軸を中心として回転自在に取り付けられている。
第2のフック装置6Bは、更に、電動モータ70と、バッテリ71と、遠隔制御装置72と、減速機74と、取付部材75と、第3の自稼発電機47Cと、第4の自稼発電機47Dと、第5の自稼発電機47Eとを備えている。
【0052】
取付部材75は、平板状に形成され、長手方向の中央より背面(後方)側にモータ軸70a用の円形の第3の貫通孔75aを備えている。第3の貫通孔75aは、モータ軸70aの径よりも大きな径を有している。
この取付部材75は、フック軸18aの上方でかつ第2シーブ軸63の下方の空間内に設けられており、自身の長手方向がフック支持軸61の揺動軸線かつフック軸18aの回転軸線と直交する向きに設けられている。取付部材75は、第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bに挟まれた空間内に収まる長さに構成されている。
【0053】
電動モータ70は、例えば小型のサーボモータ等から構成され、上記第1実施形態の電動モータ40と同様の形状を有している。この電動モータ70は、モータ軸70aを取付部材75の第3の貫通孔75aに上面側から挿通して軸の一部を下面側に突出した状態で取付部材75の上面に固定支持されている。これにより、電動モータ70は、平面視でフック支持軸61の中心よりも左側に配置される。加えて、電動モータ70の全体が、第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bに挟まれた空間内に収容されるように構成されている。
【0054】
従って、上記第1実施形態と同様に、使用する第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bのサイズや形状、内側の空間の大きさ等に合わせて、上記構成を満足するサイズ及び形状の電動モータを既存のものから選択するか、又は作製する。
バッテリ71は、上記第1実施形態のバッテリ41と同様の構成を有する充電式のバッテリであり、電動モータ70及び遠隔制御装置72に電力を供給するものである。
遠隔制御装置72は、上記第1の実施形態の遠隔制御装置42と同様の構成を有し、受信機(図示略)及び制御装置(図示略)を備えている。
【0055】
第2実施形態において、バッテリ71及び遠隔制御装置72は、取付部材75の上部における、平面視でフック支持軸61の中心よりも右側の位置に固定支持される。具体的に、上記第1実施形態のバッテリ取付部材46と同様の構成を有するバッテリ取付部材(但し、上下逆向きの姿勢)が取付部材75の上部のバッテリ取付位置に溶接等によって接合して取り付けられている(図示略)。バッテリ71は、このバッテリ取付部材に上側から下側に向かってスライドさせて両者の接続部を接続させて固定支持され、遠隔制御装置72は、バッテリ71のブーム先端側に隣接して固定支持されている。また、図示省略するが、バッテリ71及び遠隔制御装置72は、防水カバーによって覆われている。加えて、バッテリ71及び遠隔制御装置72の全体が、第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bに挟まれた空間内に収容されるように構成されている。
【0056】
従って、上記第1実施形態と同様に、使用する第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bのサイズや形状、内側の空間の大きさ等に合わせて、上記構成を満足するサイズ及び形状のバッテリ71を既存のものから選択するか、又は作製する。また、遠隔制御装置72についても、上記構成を満足するサイズ及び形状に設計する。
なお、フック18はその質量から、常に鉛直下向きの方向になる。これは、フック18が鋼製であり、その質量が電動モータ70、バッテリ71、遠隔制御装置72、及び減速機74からなる回転駆動機構に取付部材75及びバッテリ取付部材を加えた、フック支持軸61より上部の構成体よりもはるかに重いためである。
【0057】
減速機74は、第3平歯車74aと、第3平歯車74aよりも大きい径を有する第4平歯車74bとを備えている。第3平歯車74aは、モータ軸70aの下部にモータ軸70aと同期回転可能に固定支持され、第4平歯車74bは、フック軸18aの上部にフック軸18aと同期回転可能に固定支持されている。
第3平歯車74aと第4平歯車74bとは、互いの歯の一部が噛み合わされている。そして、電動モータ70の発生する回転駆動力によってモータ軸70aが回転すると、これと同期して第3平歯車74aが回転する。第3平歯車74aが回転すると、第4平歯車74bが予め設計された減速比に応じた回転速度で回転する。第4平歯車74bが回転すると、これと同期してフック軸18aが回転しフック18の全体が回転する。
【0058】
また、減速機74は、取付部材75の下方の空間内に配置されており、その全体が、第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bに挟まれた空間内に収容されるように構成されている。
第3の自稼発電機47Cは、第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bの上部台形状の背面側傾斜部に、該傾斜部と直交する姿勢で左右方向に掛け渡されて取り付けられている。また、第4の自稼発電機47Dは、第3のシーブカバー60Aの上部表面に第2シーブ軸63と前後方向に直交する姿勢で取り付けられている。また、第5の自稼発電機47Eは、第4のシーブカバー60Aの中間部の上部側表面に第2シーブ軸63と上下方向に直交する姿勢で取り付けられている。
【0059】
以上説明した、電動モータ70、バッテリ71、遠隔制御装置72及び減速機74は、第2のフック装置6Bの回転駆動機構を構成する。
また、第2実施形態に係るクレーン1Bは、非作業時や移動時に第2のフック装置6Bを格納する機能を有している。更に、クレーン1Bは、車両搭載型のクレーンである。
具体的に、
図10Aの状態から第2のフック装置6Bを格納する場合には、ウインチを操作して第2のフック装置6Bを巻上げる。巻上げられた第2のフック装置6Bは、上昇して
図10(b)に示す状態になり上端部がブーム8先端の下端部に当接する。これにより格納状態となる。
【0060】
上記のように上端部が下端部に当接している状態では、ワイヤロープ82から第2のフック装置6Bの第3及び第4シーブ17A及び17Bを介して第2シーブ軸63に巻上力が働く。加えて、上端部を介して第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bに巻上力に対する反力が働く。これによって、第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bと第2シーブ軸63との嵌合面が圧接されて第2シーブ軸63の回動が阻止される。
以上の構成によって、バッテリ71から電動モータ70及び遠隔制御装置72に電力が供給されると、電動モータ70及び遠隔制御装置72が作動可能状態となる。この状態において、作業者がフック遠隔操作機100のフック回転スイッチ101を操作すると、送信機102を介して遠隔操作信号が無線送信される。無線送信された遠隔操作信号は、遠隔制御装置72の受信機で受信される。この受信機は、受信した遠隔操作信号から回転指示情報を抽出し、抽出した回転指示情報を制御装置に出力する。この制御装置は、入力された回転指示情報に基づき、回転指示情報に応じたモータ駆動信号を生成し、生成したモータ駆動信号を、電動モータ70に出力する。
【0061】
また、第2のフック装置6Bがフック格納状態のときに、第3の自稼発電機47Cの長手方向(磁石の進退方向)がクレーン1Bの左右方向を向いた姿勢となる。一方、第4の自稼発電機47Dは、その長手方向がクレーン1Bの前後方向を向いた姿勢となる。また、第5の自稼発電機47Eは、その長手方向がクレーン1Bの上下方向を向いた姿勢となる。
第2実施形態に係るクレーン1Bは、超大型のクレーンであり、
図13に示すように、荷台を有する大型のトラック19(例えば20[t]トラック)に搭載されている。このクレーン1Bのブーム8は、最縮小状態でトラック19の荷台上部に亘って後方に真っ直ぐ伸びており、この状態のブーム8先端部にて、第2のフック装置6Bが格納状態となっている。そして、トラック19は、このフック格納状態で作業現場に向けて走行することになる。
【0062】
従って、走行中にトラック19が左右方向の振動を受けることで、第3の自稼発電機47Cが発電し、前後方向の振動を受けることで、第4の自稼発電機47Dが発電し、上下方向の振動を受けることで第5の自稼発電機47Eが発電する。これら発電した電力は、バッテリ71に充電される。
ここで、第2シーブ軸63がシーブ軸に対応し、第3及び第4シーブ17A及び17Bが複数のシーブに対応し、第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bが2つのシーブカバーに対応し、減速機74が伝達部材に対応する。
【0063】
(第2実施形態の効果)
(1)第2実施形態に係る第2のフック装置6Bは、第2シーブ軸63の軸方向の一端側及び他端側に回転自在に取り付けられた、ワイヤロープ82が掛回される第3及び第4シーブ17A及び17Bを備える。加えて、第2シーブ軸63の軸方向の一端及び他端に回動可能に嵌合された第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bを備える。更に、第2シーブ軸63の下方において、軸方向の一端及び他端が第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bの下端に回転自在に嵌合されたフック支持軸61と、フック支持軸61の揺動軸線と直交する軸回りに回転自在に設けられたフック18とを備える。更に、遠隔操作信号の受信に応じてフック18をフック軸18aの軸回りに回転駆動する回転駆動機構とを備える。回転駆動機構は、電動モータ70と、遠隔操作信号の受信機及び受信機で受信した遠隔操作信号に基づき電動モータ70を駆動制御する制御装置とを有する遠隔制御装置72と、電動モータ70及び遠隔制御装置72に電力を供給するバッテリ71と、電動モータ70の回転駆動力をフック18に伝達する減速機74とを備える。そして、上記回転駆動機構は、その全体が、第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bに挟まれた空間内に収容されている。
【0064】
この構成であれば、回転駆動機構が第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bの内側の空間内に収容され、回転駆動機構が第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bから外側に突出しない。これによって、第2のフック装置6Bが吊荷や地面と衝突時に、第3及び第4のシーブカバー60A及び60Bによって回転駆動機構を衝突から護ることが可能となり、回転駆動機構の耐衝突性を向上することが可能となる。また、保護ガードを不要とすることが可能となるので、その分のコストを低減することが可能となる。
即ち、第2シーブ軸63とフック支持軸61とを備える二軸タイプのフック装置についても、上記第1実施形態のシーブ軸とフック支持軸とを共通化した一軸タイプのフック装置と同様の作用及び効果を得ることが可能である。
加えて、二軸タイプとすることで、第2シーブ軸63とフック支持軸61との間に比較的大きいスペースを確保することが可能となり、一軸タイプと比較して回転駆動機構の各構成部の配置位置、サイズ、形状等の自由度を高くすることが可能となる。
【0065】
(2)第2実施形態に係る第2のフック装置6Bは、更に、電動モータ70とバッテリ71及び遠隔制御装置72とが、第2シーブ軸63を中心にして反対側となる位置関係に配置されている。
この構成であれば、フック18のフック支持軸61回りの揺動において質量バランスを取ることが可能となり、吊荷が無い状態(無負荷状態)でフック18の傾きが無いようにすることが可能となる。
【0066】
(3)第2実施形態に係る第2のフック装置6Bは、更に、第5の自稼発電機47Eが、当該第2のフック装置6Bがフック格納状態のときに、コイル47cと磁石47dの相対移動方向が鉛直方向(第2実施形態では上下方向)となる姿勢に設けられている。第3及び第4の自稼発電機47C及び47Dが、当該第2のフック装置6Bがフック格納状態のときに、コイル47cと磁石47dの相対移動方向が水平方向(第2実施形態では左右方向及び前後方向)となる姿勢に設けられている。
この構成であれば、第2のフック装置6Bを、例えば車両搭載型のクレーンに搭載することで、クレーンの移動時に発生する上下方向の振動と、左右方向及び前後方向の振動とによって、効率良く発電を行うことが可能となる。その結果、クレーンの移動中にバッテリ71を効率良く充電することが可能となる。
【0067】
(変形例)
上記第1実施形態において、第1のフック装置6Aを車両搭載型のクレーン1Aに適用する構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らない。例えば、
図14に示すように、第1のフック装置6Aを、フック格納機能を有する自走式のクローラクレーン1Cに搭載する構成としてもよい。このクローラクレーン1Cは、機体(車体)上に、ブーム5及びウインチ10を有するクレーン装置、アウトリガ装置及び運転席4が設けられている。そして、機体の下部には、クローラ装置7が装備されており、このクローラ装置7で走行可能になっている。この構成とした場合も、トラック13に搭載されたクレーン1Aと同様の作用及び効果が得られる。また、クローラ型ではなく車輪型の自走式クレーンに適用する構成としてもよい。
【0068】
また、上記各実施形態において、第1〜第5の自稼発電機47A〜47Eを、コイルの内側を通って磁石が進退する構成のリニア発電機としたが、この構成に限らない。例えば、巻線コイルを円筒状の磁石の内側に通して磁石とコイルとが相対移動する構成のリニア発電機とするなど他の構成としてもよい。
また、上記各実施形態において、自稼発電機を、クレーン搭載車両の上下方向の揺れ、前後方向の揺れ及び左右方向の揺れに対応する姿勢に設ける構成としたが、この構成に限らない。例えば、これらの方向のうちいずれか一方向の揺れに対してのみ自稼発電機を設ける構成としてもよい。また、上記第1実施形態では3つ以上の自稼発電機を、上記第2実施形態では4つ以上の自稼発電機を設けて、車両の他の揺れ方向にも対応する構成としてもよい。例えば、走行時のローリング、ヨーイング及びピッチングによって受ける車両の各方向の揺れに対応する自稼発電機を設ける構成としてもよい。
【0069】
また、上記各実施形態において、モータの回転駆動力をフックに伝達する伝達部材を、2つの平歯車を組み合わせた減速機から構成したが、この構成に限らない。例えば、ウオームギヤ、遊星型歯車、べベルギヤ、チェーン(スプロケット)、流体継手を利用した減速機や、ベルトドライブ型の減速機など他の構成の減速機から構成してもよい。
また、上記各実施形態では、既存のシーブカバーに合わせて、既存のモータや既存のバッテリから適切なサイズや形状のものを選択するか、適切なサイズや形状のものを作製する構成を例に挙げたが、この構成に限らない。例えば、大型のモータや、大型のバッテリを搭載する必要があり、かつ既存のシーブカバーでは対応できない場合は、シーブカバー側で対応する構成としてもよい。
【0070】
例えば、
図15(a)に示すように、第1のフック装置6Aの第1及び第2のシーブカバー30A及び30Bで挟まれた空間内から外側にはみ出す程の大型モータ40Lや大型バッテリ41Lを搭載したとする。なお、
図15(a)中の破線部分が第2のシーブカバー30Bの下側の外周部となる。この場合に、少なくとも吊り荷がある状態で、はみ出した部分を含む回転駆動機構の全体が2つのシーブカバーで挟まれた空間内に収容されるように構成された大型のシーブカバー90Bを新規に作製して採用する構成としてもよい。なお、
図15(a)に示すシーブカバー90Bの形状は一例であって、他の形状としてもよい。また、
図15(a)に示すシーブカバー90Bは背面側のシーブカバーとなるが、正面側のシーブカバー(図示略)についても同様の構成となる。
【0071】
一方、例えば
図15(b)に示すように、既存の第2のシーブカバー30Bに、拡張オプション91Bを取り付ける構成としてもよい。即ち、はみ出した部分を覆うように既存のシーブカバーを拡張する形状に形成された拡張オプション91Bを第2のシーブカバー30Bに取り付ける。なお、
図15(b)に示す拡張オプション91Bの形状は一例であって、他の形状としてもよい。また、
図15(b)に示す拡張オプション91Bは背面側の第2のシーブカバーに取り付けるものとなるが、正面側のシーブカバー(図示略)に取り付けるものについても同様の構成となる。このようにして、はみ出した部分を含む回転駆動機構の全体をオプションパーツで拡張された2つのシーブカバーで挟まれた空間内に収容する。
【0072】
また、上記各実施形態では、自稼発電機を、シーブカバーの外側に設ける構成としたが、この構成に限らず、シーブカバーの内側のスペースに余裕がある場合は、自稼発電機をシーブカバーの内側に設ける構成としてもよい。