(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の表示システムを、マラソン競技中にランナー宛てのメッセージを表示するシステムに適用した場合を説明する。即ち、ランナーが本発明の「ユーザ」に相当する。また、メッセージを表示する表示体は、応援者が持つ表示装置の表示体であるものとする。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る表示システム1の全体構成を示す図である。表示システム1は、サーバ装置10と、複数の表示装置20(20A,20B)と、複数の操作装置30(30A,30B)と、複数のメッセージ登録装置40とを備える。これらの各装置は、ネットワークNW経由の通信を行う。ネットワークNWは、例えば、インターネット、無線通信網、及びゲートウェイ装置を含む通信回線である。複数の表示装置20、及び複数の操作装置30は、ネットワークNWとの間に、無線の通信路を確立する。サーバ装置10、及びメッセージ登録装置40は、ネットワークNWとの間に、有線又は無線の通信路を確立する。
なお、
図1に示す各装置の台数は一例であり、それぞれ何台存在してもよい。
【0014】
メッセージ登録装置40は、ランナー宛てのメッセージをサーバ装置10に登録する。メッセージ登録装置40は、例えばパーソナルコンピュータであるが、これ以外の装置であってもよい。メッセージ登録装置40のユーザは、登録者ID、表示体ID、ランナーIDを指定して、メッセージを登録するための操作を行う。登録者IDは、メッセージ登録装置40のユーザの識別子である。表示体IDは、表示装置20(換言すると、表示体)の識別子である。ランナーIDは、ランナーの識別子である。ランナーIDは、本実施形態ではランナーに割り当てられたゼッケンの番号で、3桁の数字で表されるものとする。メッセージは、複数の文字からなるが、アイコン、写真、及びその他の文字以外の要素を含んでもよい。メッセージ登録装置40のユーザは一度に複数の表示体ID、及びランナーIDを指定して、メッセージを登録するための操作を行ってもよい。
【0015】
サーバ装置10は、表示装置20にメッセージを表示させるための制御を行う。サーバ装置10は、表示装置20、及びランナー30から収集した情報に基づいて、どのメッセージを、どのタイミングで、どの表示装置20に表示させるかを決定する。
【0016】
表示装置20は、表示体261にメッセージを表示する。表示装置20は、応援者210が容易に持ち運びできる程度の、軽量且つ小型の装置である。表示装置20は、例えばタブレット型コンピュータ等の携帯型の表示装置であるが、これ以外の表示装置であってもよい。表示体261は、例えば電子ペーパであるが、液晶ディスプレイ又はその他の表示体であってもよい。応援者210Aが持つ表示装置20を「表示装置20A」、応援者210Bが持つ表示装置20を「表示装置20B」とする。
【0017】
操作装置30は、表示装置20を遠隔操作するための装置である。操作装置30は、ランナー310の身体の部位に装着される装置である。操作装置30は、本実施形態では、ランナー310の頭部に装着される帽子型のウェアラブル型端末である。操作装置30は、ランナー310の操作負担を軽減するため、頭部の動き(ジェスチャ)に基づいて遠隔操作を行う。ランナー310Aが持つ操作装置30を「操作装置30A」、ランナー310Bが持つ操作装置30を「操作装置30B」とする。
【0018】
図2は、サーバ装置10、表示装置20、及び操作装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ装置10は、物理的には、プロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、通信装置14、入力装置15、出力装置16、及びバス17等を含むコンピュータ装置として構成される。
なお、以下の説明では、「機器」、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。サーバ装置10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0019】
プロセッサ11は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ11は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。
また、プロセッサ11は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ13及び/又は通信装置14からメモリ12に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。各種処理は、1つのプロセッサ11で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ11により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ11は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介して受信されてもよい。
【0020】
メモリ12は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ12は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。
【0021】
ストレージ13は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ13は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ12及び/又はストレージ13を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0022】
通信装置14は、コンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えば通信モジュール等ともいう。
【0023】
入力装置15は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置16は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカ、LEDランプ等)である。
なお、入力装置15及び出力装置16は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0024】
また、プロセッサ11やメモリ12等の各装置は、情報を通信するためのバス17で接続される。バス17は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0025】
また、サーバ装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ11は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
サーバ装置10における各機能は、プロセッサ11、メモリ12等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ11が演算を行い、通信装置14による通信や、メモリ12及びストレージ13におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0026】
表示装置20は、物理的には、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信装置24、入力装置25、出力装置26、及びバス27等を含むコンピュータ装置として構成される。操作装置30は、物理的には、プロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、通信装置34、入力装置35、出力装置36、及びバス37等を含むコンピュータ装置として構成される。
図2では、表示装置20、及び操作装置30のハードウェア要素の符号を括弧書きで表している。表示装置20、及び操作装置30の各ハードウェアは、サーバ装置10の同名のハードウェアの構成と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0027】
図3は、サーバ装置10のプロセッサ11、表示装置20のプロセッサ21、及び操作装置30のプロセッサ31の機能構成の一例を示すブロック図である。
表示装置20のプロセッサ21は、情報送信部211と、表示制御部212とを含む。情報送信部211は、通信装置24を用いて、メッセージの表示に必要な情報を、サーバ装置10へ送信する。この情報は、測位装置251から取得した位置情報、及び電子コンパス252から取得した方向情報を含む。測位装置251、及び電子コンパス252は、入力装置25に含まれる。測位装置251は、表示装置20の位置を測定し、測定した位置を示す位置情報を生成する。測位装置251は、例えば、GPS(Global Positioning System)方式に従って位置情報(緯度情報、及び経度情報)を生成する。電子コンパス252は、表示装置20の向く方向(方位)を測定し、測定した方向を示す方向情報を生成する。電子コンパス252は、例えば地磁気センサを含む。
【0028】
表示制御部212は、表示体261にメッセージを表示させる。表示体261は、出力装置26に含まれる。表示制御部212は、通信装置24を用いてサーバ装置10から取得(受信)したメッセージを、表示体261に表示させる。また、表示制御部212は、通信装置24を用いて取得したコマンドに従い、表示体261の表示を制御する。
【0029】
操作装置30のプロセッサ31は、情報送信部311を含む。情報送信部311は、通信装置34を用いて、メッセージの表示に必要な情報を、サーバ装置10へ送信する。この情報は、測位装置351から取得した位置情報、及び電子コンパス352から取得した方向情報が含まれる。測位装置351は、操作装置30の位置を測定し、測定した位置を示す位置情報を生成する。測位装置351、及び電子コンパス352は、入力装置35に含まれる。測位装置351は、例えば、GPS方式に従って位置情報(より具体的には、緯度情報、及び経度情報)を生成する。電子コンパス352は、操作装置30の向く方向(方位)を測定し、測定した方向を示す方向情報を生成する。電子コンパス352は、例えば地磁気センサを含む。
【0030】
また、情報送信部311は、通信装置34を用いて、表示装置20を遠隔操作するための遠隔操作信号を、サーバ装置10へ送信する。遠隔操作信号は、本実施形態では、角速度センサ353から取得した角速度データを含む。角速度センサ353は、ランナー310の頭部(又は首)の動きに応じた角速度を計測し、計測した角速度を示す角速度データを出力する。角速度センサ353は、入力装置35に含まれる。ランナー310の頭部の動きは、本実施形態では、ランナー310の頭部の前後、及び左右の動きによって特定される。
【0031】
図4は、ランナー310の動作の計測方法を説明する図である。角速度センサ353は、
図4の左側の図に示すような、頭部の前後の動きに応じたX軸方向の角速度、及び
図4の右側の図に示すような、頭部の左右の動きに応じたY軸方向の角速度を計測する。X軸方向の角速度、及びY軸方向の角速度は、それぞれ点Oを中心とした、頭部の回転方向の動きに応じた角速度を示す。X軸方向の角速度は、頭部の後方への動きに応じて正となり、前方への動きに応じて負となる。Y軸方向の角速度は、頭部の左方への動きに応じて正となり、右方への動きに応じて負となる。角速度センサ353は、例えば2軸の角速度センサである。
【0032】
加速度センサ354は、操作装置30に作用した加速度を計測する。加速度センサ354は、入力装置35に含まれる。加速度センサ354は、走行中のランナー310が、表示装置20を遠隔操作することを意図して頭部を動かしたのか、又はその意図がなく頭部を動かしたのかを推定するために用いられる。ランナー310の走行中は、ランナー310の身体に、定常的な加速度の変化(例えば、周期的な変化)が生じる。そこで、情報送信部311は、定常的な加速度の変化を差し引いた加速度の値が一定の閾値を超えたときに、ランナー310が遠隔操作を意図して頭部を動かしたと判断する。そして、情報送信部311は、このように判断した期間において、遠隔操作信号をサーバ装置10へ送信する。
【0033】
図3に戻り、サーバ装置10のプロセッサ11は、登録部111と、取得部112と、位置関係特定部113と、方向特定部114と、表示体特定部115と、第1表示制御部116と、遠隔操作検出部117と、第2表示制御部118とを含む。
登録部111は、ランナー310宛てのメッセージを登録する。具体的には、登録部111は、メッセージ登録装置40から、通信装置14を用いて、登録者IDと、表示体IDと、ランナーIDと、メッセージとを取得し、これらを対応付けてメッセージDB131に登録する。メッセージDB131は、本発明の記憶部の一例で、ストレージ13に含まれる。
図5は、メッセージDB131の構成の一例を示す図である。本実施形態では、表示体IDは、表示装置20の符号(20A,20B)を用いて表す。メッセージDB131には、同一のランナー310宛てのメッセージが複数登録され得る。
【0034】
取得部112は、情報送信部211により送信された情報、及び情報送信部311により送信された情報を、通信装置14を用いて取得する。
【0035】
位置関係特定部113は、取得部112が取得した情報に基づいて、表示体261とランナー310との位置関係を特定する。位置関係は、表示体261の位置とランナー310の位置との距離、及びこれらのうちの一方からもう一方を見た方向により特定される。
【0036】
方向特定部114は、取得部112が取得した情報に基づいて、ランナー310、及び表示体261が向く方向を特定する。
【0037】
表示体特定部115は、ランナー310が見ている表示体261を特定する。表示体特定部115は、位置関係特定部113が特定した位置関係と、方向特定部114が特定したランナー310が向く方向、及び表示体261が向く方向とに基づいて、当該ランナー310が見ている表示体261を特定する。
図6に示すように、本実施形態では、ランナー310が向く方向(矢印Ar1で表す。)を中心とした所定の角度範囲T1内に、表示体261が含まれ、且つ、表示体261が向く方向(矢印Ar2で表す。)を中心とした所定の角度範囲T2内に、ランナー310が含まれる場合に、ランナー310が表示体261を見ていることを特定する。角度範囲T1,T2はいずれも、半径がLで、中心角の角度がθの扇形の範囲である。なお、角度範囲T1,T2の定め方は、
図6で説明した方法以外であってもよい。
【0038】
第1表示制御部116は、表示体特定部115により特定された表示体261に、その表示体261を見ているランナー310宛てのメッセージを表示させる。具体的には、第1表示制御部116は、メッセージDB131に基づいて、そのランナー310のランナーIDに対応付けられたメッセージを、通信装置14を用いて表示装置20へ送信する。
【0039】
遠隔操作検出部117は、ランナー310宛てのメッセージの表示中において、当該ランナー310が行った遠隔操作を検出する。具体的には、遠隔操作検出部117は、当該ランナー310の操作装置30から、通信装置14を用いて、遠隔操作信号を取得(受信)し、この遠隔操作信号に基づいて遠隔操作を検出する。遠隔操作検出部117は、メッセージが宛てられたランナー310からの遠隔操作を受け付け、それ以外のランナー310からの遠隔操作を受け付けないように、制御権を付与したランナー310からの遠隔操作のみを受け付ける。
【0040】
第2表示制御部118は、遠隔操作検出部117が検出した遠隔操作に基づいて、表示体261へのメッセージの表示を制御する。具体的には、第2表示制御部118は、この遠隔操作に従って表示体261の表示を制御するためのコマンドを、通信装置14を用いて表示装置20へ送信する。
次に、本実施形態の動作を説明する。
【0041】
<A:メッセージの登録>
図7は、表示システム1で実行されるメッセージの登録に係る処理を示すシーケンス図である。
メッセージ登録装置40は、登録者ID、表示体ID、ランナーID、及びメッセージを、サーバ装置10へ送信する(ステップS1)。メッセージ登録装置40のユーザは、これらの各情報を、メッセージ登録装置40の操作により指定する。このユーザは、表示体IDとして、自身が登録したメッセージを表示させたい表示装置20の表示体IDを指定する。また、このユーザは、ランナーIDとして、自身が応援したいランナー310のランナーIDを指定する。
【0042】
サーバ装置10の登録部111は、メッセージ登録装置40から取得した登録者ID、表示体ID、ランナーIDに対応付けて、同じく取得したメッセージを、メッセージDB131に登録する(ステップS2)。このステップS2の処理により、メッセージDB131は、
図5に示す状態になったものとする。
なお、メッセージの登録は、マラソン競技の開催前、及び開催中のどちらに行われてもよい。
【0043】
<B:メッセージの表示>
図8は、表示システム1で実行されるメッセージの表示に係る処理を示すシーケンス図である。表示システム1においては、マラソン競技中に、以下で説明する処理が逐次実行される。
表示装置20の情報送信部211は、当該表示装置20の表示体ID、位置情報、及び方向情報を、サーバ装置10へ送信する(ステップS11)。サーバ装置10の取得部112は、情報送信部211により送信された表示体ID、位置情報、及び方向情報を取得する(ステップS12)。操作装置30の情報送信部311は、ランナー310が首を傾(かし)げたかどうかを判定する(ステップS13)。情報送信部311は、角速度センサ353により計測された角速度に基づいて、この判定を行う。ランナー310は、表示装置20に自己宛てのメッセージを表示させるために、操作装置30に情報の送信を開始させる場合には、首を傾げる動作を意識的に行う。ステップS13で「YES」と判定した場合、情報送信部311は、ランナーID、位置情報、及び方向情報を、サーバ装置10へ送信する(ステップS14)。サーバ装置10の取得部112は、情報送信部311により送信されたランナーID、位置情報、及び方向情報を取得する(ステップS15)。
【0044】
次に、位置関係特定部113は、表示体261とランナー310との位置関係を特定する(ステップS16)。表示体261の位置は、表示装置20から取得した位置情報により特定される。ランナー310の位置は、操作装置30から取得した位置情報により特定される。
【0045】
次に、方向特定部114は、表示体261が向く方向と、ランナー310が向く方向とを特定する(ステップS17)。表示体261が向く方向は、表示装置20から取得した方向情報により特定される。ランナー310が向く方向は、操作装置30から取得した方向情報により特定される。
【0046】
次に、表示体特定部115は、ランナー310が見ている表示体261を特定する(ステップS18)。表示体特定部115は、位置関係特定部113が特定した位置関係と、方向特定部114が特定した方向とに基づいて、ランナー310が見ている表示体261を特定する。このランナー310は、ステップS15で取得したランナーIDが示すランナー310である。ステップS18では、表示体特定部115は、ランナー310が所定時間継続して表示体261を見ていることを条件に含める。
【0047】
次に、表示体特定部115は、ランナー310が見ている表示体261を特定したかどうかを判定する(ステップS19)。ステップS19で「NO」と判定された場合、表示システム1の処理は、ステップS11に戻される。即ち、ランナー310が見ている表示体261が特定されない期間においては、表示システム1では、ステップS11〜S19の処理が逐次行われる。
【0048】
ステップS19で「YES」と判定された場合、第1表示制御部116は、メッセージDB131に基づいて、ランナー310宛てのメッセージを特定する(ステップS20)。ここにおいて、第1表示制御部116は、ステップS5で取得したランナーIDに対応付けられたメッセージを、メッセージDB131から検索する。
【0049】
次に、第1表示制御部116は、メッセージがあるかどうかを判定する(ステップS21)。ここで、ランナーID「603」のランナー310Aが、表示装置20Aの表示体261を見ていることが特定されたとする。この場合、第1表示制御部116は、ランナーID「603」に対応付けられたメッセージを特定する。
なお、ステップS21で「NO」と判定された場合、表示システム1の処理は、ステップS11に戻される。即ち、ランナー310宛てのメッセージが特定されない期間においては、表示システム1では、ステップS11〜S21の処理が逐次行われる。
【0050】
ステップS21で「YES」と判定した場合、第1表示制御部116は、特定したメッセージを、表示装置20へ送信する(ステップS22)。ここにおいて、第1表示制御部116は、ステップS12で取得した表示体IDが示す表示装置20を、メッセージの送信先とする。表示装置20の表示制御部212は、サーバ装置10から取得したメッセージを、表示体261に表示させる(ステップS23)。ランナー310Aが、表示装置20Aの表示体261を見ている場合、この表示体261には、例えば
図9に示すメッセージが表示される。
図9においては、メッセージの一部として、「Aさん、30kmからが勝負!頑張って!」が表示されている。「・・・」は、メッセージに続きがあることを示す。この続きのメッセージは、ランナー310Aが、操作装置30Aを用いて表示装置20を遠隔操作することで、表示し得るようになっている。
【0051】
<C:遠隔操作による表示制御>
図10は、表示システム1で実行される表示装置20の遠隔操作に係る処理を示すシーケンス図である。以下の処理は、この表示装置20にメッセージが表示されている期間に行われるものとする。
表示装置20の情報送信部211は、当該表示装置20の表示体ID、位置情報、及び方向情報を、サーバ装置10へ送信する(ステップS31)。サーバ装置10の取得部112は、情報送信部211により送信された表示体ID、位置情報、及び方向情報を取得する(ステップS32)。操作装置30の情報送信部311は、ランナーID、位置情報、及び方向情報を、サーバ装置10へ送信する(ステップS33)。サーバ装置10の取得部112は、情報送信部311により送信されたランナーID、位置情報、及び方向情報を取得する(ステップS34)。
【0052】
次に、遠隔操作検出部117は、操作装置30に表示装置20の制御権を付与するかどうかを判定する(ステップS35)。この操作装置30は、ステップS34でサーバ装置10がランナーIDを取得した操作装置30である。この表示装置20は、ステップS32でサーバ装置10が表示体IDを取得した操作装置である。遠隔操作検出部117は、ランナー310が一定時間見続けている表示体261の制御権を、このランナー310に付与すると判定する(ステップS35;YES)。そして、遠隔操作検出部117は、制御権を付与する旨の付与通知を、操作装置30へ送信する(ステップS36)。この付与通知に応じて、操作装置30は、制御権が付与されたことを認識する。制御権の付与中の期間は、操作装置30は、ランプの点灯等により、ランナー310に通知してもよい。加えて、遠隔操作検出部117は、制御権を付与する旨の付与通知を、表示装置20へ送信してもよい。この場合、表示装置20でも、ランプの点灯等により、制御権が付与されたことをランナー310に通知してもよい。
なお、ステップS35で「NO」と判定された場合、表示システム1では、ステップS31〜S35の処理が逐次行われる。
【0053】
制御権が付与されると、操作装置30の情報送信部311は、ランナー310の頭部の動きに応じて、遠隔操作信号をサーバ装置10へ送信する(ステップS37)。遠隔操作信号は、本実施形態では、角速度センサ353により出力された角速度データを含む。情報送信部311は、ランナー310が遠隔操作を意図して頭部を動かしたと判断した期間において、遠隔操作信号を送信する。換言すると、情報送信部311は、それ以外の期間は、遠隔操作信号を送信しない。
【0054】
次に、遠隔操作検出部117は、操作装置30から取得した遠隔操作信号に基づいて、遠隔操作を検出する(ステップS38)。そして、遠隔操作検出部117は、遠隔操作を検出したかどうかを判定する(ステップS39)。遠隔操作検出部117は、角速度データが示す角速度が、予め決められた角速度(角速度のパターン)を示した場合に、当該角速度により特定される遠隔操作を検出する。そして、遠隔操作検出部117は、検出した遠隔操作を指示するコマンドを発行し、表示装置20へ送信する(ステップS40)
【0055】
ランナー310の頭部の動きと遠隔操作(コマンド)との関係は、例えば以下のとおりである。なお、「A→B」という表記は、「A」という頭部の動きに対して、「B」を指示するコマンドが発行されることを意味する。
(i)上を向く→前の項目へ、下を向く→次の項目へ
(ii)右を向く→同一項目で後方へスクロール、左を向く→同一項目で前方にスクロール
(iii)首を右に傾ける→拡大、首を左に傾ける→縮小
(iv)右回りに首を1回転→OK、左回りに首を1回転→NG
【0056】
表示装置20の表示制御部212は、サーバ装置10から取得したコマンドに応じて、表示体261のメッセージの表示を制御する(ステップS41)。
【0057】
図11は、遠隔操作に応じたメッセージの表示制御の一例を示す図である。
図11の第1番目の図は、ランナー310Aが下を向き、「次の項目」を指定する操作を行った場合の表示制御を示す。この例では、表示体261の表示が、次のメッセージに遷移する。ここでは、メッセージとして、ランナー310A宛ての次のメッセージである「Aさん、自宅から応援しています!」というメッセージが表示される。この状態で、ランナー310Aが上を向き、「前の項目」を指定する操作を行うと、
図9の表示に戻る。なお、更に別のメッセージがある場合は、そのメッセージが表示される。
【0058】
図11の第2番目の図は、ランナー310Aが右を向き、表示体261の表示を後方にスクロールさせた場合の表示制御を示す。ここでは、メッセージの続きである「水分補給も忘れずに!」というメッセージが表示される。ランナー310Aが左を向き、表示体261の表示が前方にスクロールさせた場合、
図9の表示に戻る。
【0059】
図11の第3番目の図は、ランナー310Aが首を右に傾げ、表示体261の表示が拡大した場合の表示制御を示す。
図11の第4番目の図は、ランナー310Aが首を左に傾げ、表示体261の表示を縮小させた場合の表示制御を示す。メッセージは、更に拡大、又は縮小させることも可能である。
【0060】
ステップS39で「NO」と判定した後、又はステップS40でコマンドを送信した場合、遠隔操作検出部117は、表示装置20に付与した遠隔操作を解除するかどうかを判断する(ステップS42)。遠隔操作検出部117は、ランナー310に表示装置20の制御権を付与した後、所定の解除条件を満たすと、その制御権の付与を解除する。「解除条件」は、例えば、ランナー310が表示体261の位置を通り過ぎたことである。これは、両者の位置関係が所定の条件(例えば、距離が閾値以上になったこと)により特定される。また、解除条件は、ランナー310が表示体261から所定時間継続して視線を外したことであってもよい。また、解除条件は、ランナー310による明示的な操作(例えば、首を傾げること)であってもよい。
【0061】
解除条件が満たされない期間は(ステップS42;NO)、表示システム1では、ステップS37〜S42の処理が逐次行われる。遠隔操作検出部117は、ステップS42で「YES」と判断した場合は、制御権の付与を解除する。この際、遠隔操作検出部117は、制御権の付与を解除する旨の解除通知を、操作装置30へ送信する(ステップS43)。操作装置30は、制御権の付与が解除されたことを、ランプの消灯等により、ランナー310に通知してもよい。加えて、遠隔操作検出部117は、制御権の付与を解除する旨の解除通知を、表示装置20へ送信してもよい。この場合、表示装置20でも、ランプの消灯等により、御権の付与が解除されたことをランナー310に通知してもよい。
【0062】
以上説明した第1実施形態の表示システム1によれば、表示体261を見ているランナー310宛てのメッセージを、その表示体261に表示させることができる。また、ランナー310は、操作装置30を用いて表示装置20を遠隔操作することで、自身の意図に従いそのメッセージの表示を制御することができる。ランナー310にとっては、頭部の動きによって遠隔操作を行えるので、過度な操作負担が強いられることがない。また、表示装置20をランナー310が見ている期間にだけ、そのランナー310宛てのメッセージが表示されるので、一の表示体261に、複数のランナー310の各々宛てのメッセージを表示させることもできる。
【0063】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
本実施形態の表示システムは、ランナー310の遠隔操作に応じた情報の表示に特徴を有する。以下、マラソン競技の現在の状況を示す情報を表示する場合を説明する。本実施形態では、上述した第1実施形態と同じ符号を付した要素は、上述した第1実施形態と同等に機能する。
【0064】
図12は、レースDBの構成を説明する図である。レースDBは、例えばマラソン競技の主催業者等により管理、運用されるデータベースである。レースDBは、ストレージ13に含まれていてもよいし、サーバ装置10の外部装置が備えてもよい。サーバ装置10は、このレースDBを用いて、ランナー310宛ての情報を提供する。
図12に示すように、レースDBでは、ランナー310のランナーIDと、このランナー310の名称(ここでは、氏名)と、ランナー310の5km毎の区間タイムとが対応付けて記録されている。
【0065】
図13は、ランナー310の遠隔操作に応じて入力可能な文字の一例を示す図である。本実施形態では、ランナー310の頭部の動きにより、「1」〜「9」、及び「0」の各数値が入力され得る。
図13において、黒丸印は、数字を描くときの頭部の動き(軌跡)の始点を、三角印はその終点を意味する。
図14は、入力された文字の検出方法を説明する図である。前述したように、ランナー310は、頭部を前方又は後方に動かしたり、左方又は右方へ動かしたりする動作を行う。よって、遠隔操作検出部117は、
図14のように、X軸、及びY軸方向の角速度データを取得することで、ランナー310の頭部の動きに応じて入力された数字を特定し得る。
なお、本実施形態の表示システムでは、ランナー310の遠隔操作により数字以外のひらがな、カタカナ、アルファベット、記号を入力可能としてもよい。
【0066】
本実施形態において、ランナー310は、マラソン競技に関する情報を表示体261に表示させたい場合、ランナーIDを数値で入力するように、頭部の動作を行う。遠隔操作検出部117は、ステップS38において、この数字を指定する遠隔操作を検出する。第2表示制御部118は、ランナーIDを指定する遠隔操作が検出された場合、そのランナーIDに対応付けられたレース情報をレースDBから特定し、そのランナー310が見ている表示体261に表示させる。
図15は、表示体261に表示される情報の一例を示す図である。この例では、ランナーID「603」に対応付けられた名称「ナカムラ」と、5km毎の区間タイムが表示される。ここでは、一部の区間の区間タイムしか表示されていないが、例えば前述したスクロールの操作により表示し得るようになっている。
【0067】
以上説明した第2実施形態によれば、サーバ装置10は、レースDBに蓄積されている情報に基づいて、ランナー310が望む情報を表示させることができる。
【0068】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施してもよい。また、以下に示す変形例は、各々を組み合わせてもよい。
(変形例1)
本発明の表示装置は、移動体に設けられてもよい。移動体は、ここではランナー310に追従して移動する移動体で、例えば自転車や自動車等の車両である。
図16には、ランナー310に伴走する車両50の背部に、表示体261が設けられた場合が示されている。
図16のように、この表示体261は、表示装置20の表示体261よりも表示領域が大きく、且つランナー310が見ることができる時間が長い。そこで、サーバ装置10(第1表示制御部116)は、特定の情報を、この表示体261に表示させる。この「特定の情報」は、例えば閲覧に時間が掛かるような情報で、ここでは詳細なレース情報であるものとする。
【0069】
図17は、表示システム1で実行されるメッセージの表示に係る処理を示すフローチャートである。
第1表示制御部116は、ランナー310が見ている表示体261が移動体に設けられているかどうかを判断する(ステップS51)。例えば、応援者は、表示体IDと、表示体が移動体に設けられているか否かを示す情報を、予めサーバ装置10に登録しておく。第1表示制御部116は、この情報に基づいて、ステップS51の判断を行う。これ以外に、表示体261の位置情報の時間的な変化(例えば、単位時間の移動距離の時間的な変化)に基づいて、第1表示制御部116が推定してもよい。また、第1表示制御部116は、表示体261がランナー310とともに移動しているかどうかを判断してもよい。この場合、第1表示制御部116は、表示体261の位置情報の時間的な変化とランナー310の位置情報の時間的な変化(例えば、表示体261とランナー310の相対距離の時間的な変化)に基づいて、表示体261がランナー310とともに移動しているかどうかを推定してもよい。
【0070】
ステップS51で「NO」と判断した場合、第1表示制御部116は、通常の表示モードである第1モードに設定する(ステップS52)。第1モードの設定中は、上述した実施形態で説明したとおりの表示を行う。ステップS51で「YES」と判断した場合、第1表示制御部116は、特定の情報を表示する表示モードである第2モードに設定する(ステップS53)。第2モードの設定中は、上述した実施形態で説明した情報と異なる特定の情報を表示する。この変形例では、第1表示制御部116は、
図16に示すように、前の区間からの区間タイムの増減を示す時間情報(ここでは、「+*:**」又は「−*:**」の形式で表す。)を表示させる。
【0071】
なお、ここで説明した「特定の情報」は、一例に過ぎない。例えば、第1表示制御部116は、第1モードのときにはランナー310宛てのメッセージを1つだけ表示させ、第2モードのときには別のメッセージを同時に表示させてもよい。当該別のメッセージは、同じランナー310宛てのメッセージでもよいし、別のランナー310宛てのメッセージであってもよい。
【0072】
(変形例2)
上述した実施形態では、操作装置30の情報送信部311は、定常的な加速度の変化を差し引いた加速度の値が一定の閾値を超えたときに、ランナー310が遠隔操作を意図して頭部を動かしたと判断し、遠隔操作信号を送信していた。これに代えて、情報送信部311は、この判断をせずに、角速度データ、及び加速度データを含む遠隔操作信号をサーバ装置10へ送信してもよい。そして、遠隔操作検出部117は、定常的な加速度の変化を差し引いた加速度の値が一定の閾値を超えた期間に計測された角速度データに基づいて、遠隔操作信号を検出してもよい。
【0073】
(変形例3)
操作装置30におけるランナー310の動作の計測は、
図4のX軸、及びY軸だけではなく、これらとは異なる軸について行われてもよい。また、遠隔操作の検出は、ランナー310の頭部の回転方向の角速度だけではなく、加速度を用いて行われてもよい。
【0074】
(変形例4)
上述した実施形態の操作装置30の情報送信部311は、定常的な加速度の変化を差し引いた加速度の値が一定の閾値を超えたときに、ランナー310が遠隔操作を意図して頭部を動かしたと判断し、遠隔操作信号を送信していた。これに加えて、情報送信部311は、定常的な角速度の変化を差し引いた角速度の値が一定の閾値を超えたときに、ランナー310が遠隔操作を意図して頭部を動かしたと判断してもよい。また、加速度と角速度の値とを組み合わせてこの判断がなされてもよい。
【0075】
操作装置30は、角速度データを含む遠隔操作信号でなく、角速度データに基づいて発行したコマンドを、サーバ装置10へ送信してもよい。この場合、サーバ装置10の第2表示制御部118は、このコマンドを、表示装置20へ送信(転送)する。
【0076】
(変形例5)
本発明の操作装置は、帽子型に限られない。本発明の操作装置は、ヘアバンド型等の、頭部の動きを検出する帽子型以外の機器であってもよい。また、本発明の操作装置は、ウォッチ型や、リスト型等の頭部以外の装着されるウェアラブル端末であってもよい。この場合、ランナー310の手の動きに応じた遠隔操作が検出されればよい。また、遠隔操作は、ランナー310の身体の動きでない方法、例えば音声の入力等により行われてもよい。
また、本発明の表示システムでは、ランナー310の操作装置を用いなくとも、遠隔操作を検出することもできる。例えば、マラソン競技のコース上にカメラを配置しておき、そのカメラで撮影した画像を認識して、ランナー310の動きを検出する仕組みとしてもよい。
【0077】
本発明は、ランナーへの応援メッセージの表示以外に適用することもできる。本発明は、デジタルサイネージ等の、複数の人(ユーザ)に視認される掲示板のような表示装置を用いた表示システムにも、適用できる。
【0078】
(変形例6)
上述した実施形態でサーバ装置10が有していた機能の少なくとも一部を、表示装置20、又は操作装置30が有してもよい。例えば、サーバ装置10の機能が、表示装置20で全て実現されてもよい。
【0079】
(変形例7)
上述した実施形態で説明した構成、又は動作の一部が省略されてもよい。本発明では、例えば、方向情報を用いないで、表示体をランナー310が見ているかどうかを特定してもよい。また、表示装置20の位置が固定されていてもよい。この場合、サーバ装置10は、表示装置20から位置情報を逐次取得しなくとも、表示体261の位置を特定し、位置関係を特定し得る。
【0080】
(変形例8)
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0081】
(変形例9)
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0082】
(変形例10)
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0083】
(変形例11)
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0084】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0085】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。また、ソフトウェア、命令等は、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)等の有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波等の無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0086】
本明細書で説明した情報、信号等は、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップ等は、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0087】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0088】
明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0089】
また、本明細書で説明した情報、パラメータ等は、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
【0090】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)したことを「判断」「決定」したとみなすこと等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)したことを「判断」「決定」したとみなすこと等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)等したことを「判断」「決定」したとみなすことを含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなすことを含み得る。
【0091】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0092】
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0093】
(変形例12)
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。