(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係るドリップ式コーヒーメーカー1(以下、コーヒーメーカー1と略称する)の構成を説明するための模式的側面図である。
図1に図示されているX−Y−Zの直交座標のうち、Z方向は上方である。コーヒーメーカー1は、本体部10と、ドリッパー20と、回転保持機構30と、ノズル部40と、ポンプ50と、設定装置60と、制御装置70とを備えている。
【0013】
本体部10の具体的な構成は特に限定されるものではないが、本実施形態に係る本体部10は、一例として、支柱部11と、支柱部11の下端からY方向に延在する台座部12
と、支柱部11の上端からY方向に延在する天井部13とを有している。本体部10の台座部12には、コーヒーサーバー80が載置されている。
【0014】
なお、制御装置70及びポンプ50は、本体部10の内部に配置されている。また、本体部10の内部には、水を貯留する水タンク(図示せず)や、水タンクの水を電気ヒータによって加熱して湯にする湯生成部(図示せず)等の種々の機器が配置されている。また、コーヒーメーカー1は電源コード(図示せず)を備えている。この電源コードが電源コンセントに差し込まれることで、コーヒーメーカー1に電気が供給される。
【0015】
図2(a)は、ドリッパー20、ノズル部40、及び回転保持機構30の周辺構成を示す模式図である。なお、ドリッパー20は断面図示されている。本実施形態に係るドリッパー20は、一例として、下方に向かうほど、その内径が縮小する円錐形状を有している。ドリッパー20の底部(本実施形態では、円錐形状のドリッパー20の円錐頂点に相当する部分)には、ドリップされたコーヒーをドリッパー20から排出させて、コーヒーサーバー80に注ぐための注ぎ口22が設けられている。なお、注ぎ口22の形成箇所は
図2(a)の箇所に限定されるものではない。
【0016】
ドリッパー20の内部には、フィルター90が配置されている。具体的には、フィルター90は、ドリッパー20の内部形状に沿うようにドリッパー20の内部に配置されている。このため、フィルター90は、ドリッパー20内部において円錐形状になっている。なお、本実施形態に係るフィルター90の底部(円錐形状のフィルター90の円錐頂点に相当する部分)は、一例として、ドリッパー20の注ぎ口22よりも下方側に突出している。このフィルター90の内側には、コーヒー粉100が充填されている。本実施形態では、このコーヒー粉100の一例として、ミルで粉砕されたコーヒー豆の粉を用いている。
【0017】
なお、コーヒー粉100は、中心部が凹んだ形状(すり鉢形状)になってフィルター90内に充填されている。これは、フィルター90が円錐形状になっているため、この円錐形状のフィルター90の内部にコーヒー粉100が充填された結果、フィルター90内のコーヒー粉100がこのような形状になったものである。コーヒー粉100にノズル部40から湯が注入されると、コーヒー粉100がドリップされ、このドリップされたコーヒー(コーヒー液)が注ぎ口22からコーヒーサーバー80に注がれる。
【0018】
回転保持機構30は、ドリッパー20を回転可能に保持するとともに、制御装置70の指示を受けてコーヒーのドリップ時にドリッパー20をその軸線21の周りに回転させる機構である。すなわち、本実施形態に係る回転保持機構30は、コーヒーのドリップ時にドリッパー20を回転させる「回転手段」としての機能を有する部材に相当する。
【0019】
なお、
図1及び
図2(a)においては、図示を簡略化するため、回転保持機構30の具体的な構成は図示されていないが、本実施形態では、この回転保持機構30の一例として、ドリッパー20を回転可能に保持する保持部と、制御装置70に制御されて、この保持部に保持されたドリッパー20を回転させる回転機構と、を備える構成となっている。そして、この回転機構の一例として、歯車列と、制御装置70に制御されて歯車列を駆動する電動式モーターとを有する回転機構を用いている。なお、歯車列に代えて又は歯車列とともに、回転ベルトを用いてもよい。なお、この回転保持機構30としては、例えば特許文献2に開示されているような公知の機構を適用又は応用することができるので、回転保持機構30のこれ以上の詳細な説明は省略する。
【0020】
ノズル部40は、ドリッパー20の上方に配置されている。ポンプ50は、ノズル部40の上流側の部分に接続されている。ポンプ50は電動式のポンプであり、制御装置70によって制御されることで、コーヒーのドリップ時において、前述した湯生成部によって生成された湯を吸い上げて、ノズル部40に給湯する。ノズル部40は、このポンプ50から給湯された湯をドリッパー20の上方からコーヒー粉100に対して注湯する。
【0021】
図2(b)は、ノズル部40の先端部の近傍を拡大して示す拡大断面図である。ノズル部40は、水平方向に開口した第1注湯口41を備えている。具体的には、本実施形態に係るノズル部40は、一例として、水平方向に延在した棒状の形状を呈しており、第1注湯口41はこのノズル部40の先端に設けられている。なお、この第1注湯口41の形成位置については、後述する。
【0022】
図3は、コーヒーメーカー1の機能ブロック図である。設定装置60、回転保持機構30、及びポンプ50は、制御装置70に電気的に接続されている。設定装置60は、ユーザーが各種情報を設定するための装置である。設定装置60に設定された情報は制御装置70に伝えられる。このような機能を有するものであれば、設定装置60の具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えば、タッチスイッチやタッチパネル等を用いることができる。本実施形態においては、設定装置60の一例として、タッチパネルを用いている。なお、
図1に例示するように、本実施形態に係る設定装置60は、本体部10の支柱部11に配置されている。但し、設定装置60の具体的な配置箇所は支柱部11に限定されるものではない。
【0023】
設定装置60には、コーヒーのドリップを開始するための開始ボタンが表示される。ユーザーが開始ボタンをタッチした場合、制御装置70はコーヒーのドリップを開始させる。また、本実施形態に係る設定装置60は、コーヒーのドリップ時にドリッパー20に注湯される湯量(mm
3)をユーザーが設定できるように構成されている。制御装置70は、この設定装置60に設定された湯量の湯がノズル部40からドリッパー20内に注湯されるように、ポンプ50を制御する。
【0024】
制御装置70は、マイクロコンピュータによって構成されている。具体的には、このマイクロコンピュータは、各種の制御処理を実行する制御部としての機能を有するCPUと、記憶部としての機能を有するROM、RAM等を有している。制御装置70は、コーヒーのドリップ時に回転保持機構30を制御してドリッパー20を回転させている。また、制御装置70は、コーヒーのドリップ時にポンプ50を制御してノズル部40に湯を給湯している。すなわち、制御装置70は、コーヒーのドリップ時にドリッパー20を回転させながらノズル部40に湯を給湯している。
【0025】
また、制御装置70は、コーヒーのドリップ時にノズル部40から注湯される湯の注湯流量(具体的には単位時間当たりの注湯流量(mm
3/s))が時間の経過とともに増大するように、ポンプ50を制御している。なお、この際、制御装置70は、コーヒーのドリップ時にノズル部40から連続的に湯を注湯させてもよく、間欠的に湯を注湯させてもよい。また、制御装置70は、間欠的に湯を注湯させるにあたり、具体的には、注湯と注湯との間に注湯休止時間を挟むようにして、湯を間欠的に注湯させればよい。
【0026】
すなわち、本実施形態に係るノズル部40及び制御装置70は、コーヒーのドリップ時にコーヒー粉100の上面に湯を注湯する「注湯手段」としての機能を有する部材に相当し、制御装置70はコーヒーのドリップ時にノズル部40から注湯される湯の注湯流量を時間の経過とともに増大させる「注湯流量制御部」としての機能を有する部材にも相当する。
【0027】
このようにノズル部40から注湯される湯の注湯流量が時間の経過とともに増大することによって、
図2(a)に例示するように、ノズル部40の第1注湯口41から吐出され
る湯(W)は、時間の経過とともにその勢いを増していき、第1注湯口41からより遠い箇所へ吐出される。
【0028】
ノズル部40の第1注湯口41は、コーヒー粉100の上面の中心部の上方部分に位置している。なお、本実施形態において、このコーヒー粉100の中心部は、コーヒー粉100の中心点(軸線21の箇所)から半径20mm程度の範囲内の領域をいう。
【0029】
前述したように第1注湯口41から注湯される湯の注湯流量が時間の経過とともに増大するため、注湯初期に第1注湯口41から注湯される湯(W:実線の矢印で図示されている)は吐出時の勢いが弱い結果、第1注湯口41の下方(すなわちコーヒー粉100の上面の中心部)に注湯される。一方、注湯終期に第1注湯口41から注湯される湯(W:二点鎖線の矢印で図示されている)は吐出時の勢いが強いので、注湯初期の場合よりもY方向側へ吐出されて、コーヒー粉100の上面の外周部に注湯される。
【0030】
すなわち、本実施形態に係る第1注湯口41の位置は、コーヒーのドリップ時の注湯初期に第1注湯口41から注湯された湯がコーヒー粉100の上面の中心部(具体的には、中心点から半径20mm程度の範囲内の領域)に注湯され、コーヒーのドリップ時の注湯終期に第1注湯口41から注湯された湯がコーヒー粉100の上面の外周部に注湯されるように、予め設定されている。
【0031】
なお、コーヒーのドリップ時の注湯終期に第1注湯口41から注湯された湯が、コーヒー粉100の上面の外周部よりも外側の部分(すなわち、フィルター90の部分)にかからないように、第1注湯口41の位置が設定されていることが好ましい。実際、本実施形態では、このように設定されている。
【0032】
続いて、本実施形態に係るコーヒーメーカー1の作用効果について説明する。まず、本実施形態によれば、コーヒーのドリップ時において、ドリッパー20を回転させながら、ノズル部40から注湯される湯の注湯流量を時間の経過とともに増大させており、且つ、注湯初期に第1注湯口41から注湯される湯がコーヒー粉100の上面の中心部に注湯され、注湯終期に第1注湯口41から注湯される湯がコーヒー粉100の上面の外周部に注湯されるように第1注湯口41の位置が設定されているので、コーヒーのドリップ時において、ドリッパー20を回転させながらコーヒー粉100の上面の中心部から外周部にかけて湯を注湯することができる。これにより、コーヒーのドリップ時において、コーヒー粉100の上面の中心部から外周部にかけて全体的に湯を注湯することができる。したがって、本実施形態によれば、ハンドドリップに近い形でコーヒーのドリップを行うことができる。この結果、ドリップされたコーヒーの味を良好にすることができる。
【0033】
また、本実施形態によれば、ノズル部40をX軸方向やY軸方向に移動させたり(例えば特許文献1)、ノズル部40をY軸方向に往復移動させたりする(例えば特許文献2)といった、ノズル部の複雑な移動機構やノズル部の複雑な位置決め制御を採用することなく、回転手段及び注湯手段という簡素な構成の組み合わせによって、ハンドドリップに近い形のコーヒードリップを実現している。すなわち、本実施形態によれば、簡素な構成でハンドドリップに近い形でコーヒードリップを実現することができる。これにより、ハンドドリップに近い形でコーヒードリップを実現することに伴うコストの大幅な増加を抑制することができる。
【0034】
ところで、ドリッパー20に湯が注湯されると、泡が発生する。この泡には、雑味やエグ味が含まれている。この泡が多量に発生した場合、多量に発生した泡がドリッパー20の上面から溢れてコーヒーサーバー80に滴下して、コーヒーの味が低下する可能性がある。そこで、制御装置70は、泡が多量に発生しないように、ノズル部40から注湯され
る注湯量、注湯時間等を制御することが好ましい。
【0035】
この制御の一例を挙げると、例えば、泡がドリッパー20の上面から溢れないような注湯量や、注湯時間、ドリップ時に注湯を一時的に休止させる際の注湯休止時間等を予め実験、シミュレーション等で求めておき、これを制御装置70の記憶部に記憶させておく。そして、制御装置70は、コーヒーのドリップ時において、この設定された注湯量、注湯時間、休止時間になるようにポンプ50を制御する。これにより、泡がドリッパー20の上面から溢れることを抑制して、泡がコーヒーサーバー80に滴下することを抑制することができる。この結果、コーヒーの味をより良好にすることができる。
【0036】
(実施形態1の変形例1)
図4(a)は、実施形態1の変形例1に係るドリップ式コーヒーメーカー1a(以下、コーヒーメーカー1aと略称する)のドリッパー20、ノズル部40a、及び回転保持機構30の周辺構成を示す模式図である。コーヒーメーカー1aは、ノズル部40に代えてノズル部40aを備えている点において、
図2(a)に示すコーヒーメーカー1と異なっている。コーヒーメーカー1aの他の構成は、コーヒーメーカー1と同様であるので、この他の構成の説明は省略する。
【0037】
図4(b)は、本変形例に係るノズル部40aの先端部の近傍を拡大して示す拡大断面図である。ノズル部40aは、第1注湯口41の他に、第2注湯口42をさらに備えている。第2注湯口42は、下方に向けて開口している。また、第2注湯口42の位置(形成位置)は、コーヒーのドリップ時の注湯初期から注湯終期にかけて第2注湯口42がコーヒー粉100の上面の中心部に対して湯を注湯するように、予め設定されている。具体的には、第2注湯口42は、コーヒー粉100の上面の中心点から半径20mm程度の範囲内の領域の上方に位置している。
【0038】
また、ノズル部40aに第2注湯口42が設けられているため、本変形例に係る第1注湯口41は、
図2(a)よりもドリッパー20の外周部に近い箇所に位置している。具体的には、本変形例に係る第1注湯口41の位置は、コーヒーのドリップ時の注湯初期に第1注湯口41から注湯された湯がコーヒー粉100の上面における第2注湯口42の注湯箇所よりも外周部に近い箇所に注湯され、コーヒーのドリップ時の注湯終期に第1注湯口41から注湯された湯がコーヒー粉100の上面の外周部に注湯されるように、予め設定されている。
【0039】
なお、本変形例においても、前述した実施形態1と同様に、制御装置70は、コーヒーのドリップ時にノズル部40aから注湯される湯の注湯流量を時間の経過とともに増大させている。
【0040】
本変形例によれば、上述した実施形態1と同様の作用効果を奏することができるとともに、さらに以下の作用効果を奏することができる。具体的には本変形例によれば、第2注湯口42をさらに備えているので、コーヒーのドリップ時の注湯初期から注湯終期にかけて第2注湯口42から常時コーヒー粉100の中心部に湯を注湯することができる。これにより、第2注湯口42から注湯された湯によってコーヒー粉100の中心部にコーヒーの通り道を確保しつつ、第1注湯口41から注湯された湯によって、外周部のコーヒー粉100のコーヒー成分を抽出することができる。したがって、コーヒーの抽出性を向上させることができ、ドリップされたコーヒーの味をより良好にすることができる。
【0041】
(実施形態1の変形例2)
図5(a)は、実施形態1の変形例2に係るドリップ式コーヒーメーカー1b(以下、コーヒーメーカー1bと略称する)のノズル部40bの構成を説明するための模式的側面
図である。コーヒーメーカー1bは、ノズル部40aに代えてノズル部40bを備えている点において、
図4に示す変形例1に係るコーヒーメーカー1aと異なっている。コーヒーメーカー1bの他の構成は、コーヒーメーカー1aと同様であるので、この他の構成の説明は省略する。
【0042】
本変形例に係るノズル部40bは、第1注湯口41を有する第1ノズル43と、第2注湯口42を有する第2ノズル44とを備えている。第1ノズル43及び第2ノズル44の上流側部分は合流してポンプ50に接続している。コーヒーのドリップ時においてポンプ50からノズル部40bに給湯された湯は、第1ノズル43の第1注湯口41及び第2ノズル44の第2注湯口42からコーヒー粉100に向けて注湯される。
【0043】
本変形例においても、前述した変形例1に係るコーヒーメーカー1aと同様の作用効果を奏することができる。
【0044】
(実施形態1の変形例3)
図5(b)は、実施形態1の変形例3に係るドリップ式コーヒーメーカー1c(以下、コーヒーメーカー1cと略称する)のノズル部40c及びポンプの構成を説明するための模式的側面図である。コーヒーメーカー1cは、ノズル部40bに代えてノズル部40cを備えている点と、第2ポンプ51をさらに備えている点とにおいて、
図5(a)に示す変形例2に係るコーヒーメーカー1bと異なっている。コーヒーメーカー1cの他の構成は、コーヒーメーカー1bと同様であるので、この他の構成の説明は省略する。
【0045】
本変形例に係るノズル部40cは、第1注湯口41を有する第1ノズル43cと第2注湯口42を有する第2ノズル44cとを備えている。なお、第1ノズル43c及び第2ノズル44cは、上流側部分において合流していない。ポンプ50は第1ノズル43cの上流側部分に配置され、第2ポンプ51は第2ノズル44cの上流側部分に配置されている。ポンプ50及び第2ポンプ51は、コーヒーのドリップ時において、制御装置70によって制御されて、それぞれ第1ノズル43c及び第2ノズル44cに湯を給湯する。
【0046】
本変形例においても、前述した変形例2に係るコーヒーメーカー1aと同様の作用効果を奏することができる。
【0047】
また、本変形例によれば、制御装置70がポンプ50及び第2ポンプ51を別々に制御することによって、第1ノズル43cから注湯される湯の注湯流量と、第2ノズル44cから注湯される湯の注湯流量とを個別に制御することができる。これにより、高精度の注湯を実現することができる。
【0048】
なお、本変形例に係る制御装置70は、コーヒーのドリップ時にノズル部40cから注湯される湯の注湯流量を時間の経過とともに増大させるにあたり、少なくともポンプ50による第1ノズル43cへの湯の給湯流量を時間の経過とともに増大させればよく、第2ポンプ51による第2ノズル44cへの湯の給湯流量は増大させなくてもよい。
【0049】
(実施形態2)
続いて、本発明の実施形態2に係るドリップ式コーヒーメーカー1d(以下、コーヒーメーカー1dと略称する)について説明する。
図6は、本実施形態に係るコーヒーメーカー1dの機能ブロック図である。コーヒーメーカー1dは、設定装置60に代えて設定装置60dを備えている点と、制御装置70に代えて制御装置70dを備えている点とにおいて、
図3に例示する実施形態1に係るコーヒーメーカー1と異なっている。コーヒーメーカー1dの他の構成はコーヒーメーカー1と同様であるので、この他の構成の説明は省略する。
【0050】
設定装置60dは、コーヒーのドリップ時にドリップされるコーヒーの粉の量(コーヒー粉量)、又は/及び、コーヒーのドリップ時にドリップされるコーヒーのドリップ量がさらに設定されるように構成されている点において、設定装置60と異なっている。本実施形態では、この設定装置60dの一例として、コーヒー粉量が設定されるように構成されているものとする。すなわち、設定装置60dは、コーヒーのドリップ時にドリップされるコーヒー粉量が設定される「コーヒー粉量設定手段」としての機能を有する部材に相当する。ユーザーは、ドリップされることを希望するコーヒー粉量を、設定装置60dの一例であるタッチパネルに設定する。このタッチパネルに設定されたコーヒー粉量は、制御装置70dに伝えられる。
【0051】
制御装置70dは、実施形態1と同様に、コーヒーのドリップ時にノズル部40から注湯される湯の注湯流量(mm
3/s)を時間の経過とともに増大させている。
【0052】
また、コーヒーのドリップ時にドリッパー20へ注湯される湯量は、注湯された湯の上面がコーヒー粉100の上面の位置になり、これにより、注湯された湯の上面がコーヒー粉100の上面よりも上側に位置しないように(すなわち、コーヒー粉100が充填されていないフィルター90の部分に湯の上面が位置しないように)設定されている。
【0053】
さらに、制御装置70dは、設定されたコーヒー粉量が多いほどノズル部40から注湯される湯の注湯流量を増大させている。具体的には、制御装置70dは、設定装置60dに設定されたコーヒー粉量が多いほどポンプ50からノズル部40に給湯される給湯流量を増大させることで、ノズル部40からコーヒー粉100に注湯される湯の注湯流量を増大させている。
【0054】
すなわち、本実施形態に係る制御装置70dは、コーヒーのドリップ時に注湯手段(具体的にはノズル部40)から注湯される湯の注湯流量を、設定装置60dに設定されたコーヒー粉量が多いほど増大させる「注湯流量制御部」としての機能を有している。
【0055】
なお、制御装置70dは、コーヒー粉量が多いほど注湯流量を増大させる制御を実行するにあたり、具体的には、注湯流量をコーヒー粉量に関連付けて規定した「注湯流量マップ」に基づいて、この制御を実行している。具体的には、この注湯流量マップは、注湯流量がコーヒー粉量が多いほど増大するように、注湯流量をコーヒー粉量に関連付けて規定している。このマップは、制御装置70dの記憶部(例えばROM等)に予め記憶されている。制御装置70dは、設定装置60dに設定されたコーヒー粉量に対応する注湯流量を記憶部の注湯流量マップから抽出し、この抽出された注湯流量が得られるように、ポンプ50を制御する。このようにして、制御装置70dは、設定されたコーヒー粉量が多いほど注湯流量を増大させている。
【0056】
本実施形態によれば、実施形態1の作用効果に加えて、次の作用効果を奏することができる。具体的には、設定装置60dに設定されたコーヒー粉量が多いほど、フィルター90に充填されるコーヒー粉100の量は多くなる。したがって、本実施形態によれば、設定装置60dに設定されたコーヒー粉量が多く、この結果、フィルター90に充填されるコーヒー粉100の量が多いほど、コーヒー粉100に注湯される湯の注湯流量を増大させることができる。これにより、フィルター90に充填されたコーヒー粉100の量に対して適正な注湯流量で湯を注湯することができるので、ハンドドリップにより近い形でコーヒーのドリップを行うことができる。この結果、コーヒー粉100の量に対して注湯流量が多過ぎたり、少な過ぎたりすることを抑制して、ドリップされたコーヒーの味を良好にすることができる。
【0057】
上記の作用効果について、
図2(a)を参照しつつ、より具体的に説明すると次のようになる。まず、設定装置60dに設定されたコーヒー粉量が多く、この結果、フィルター90に充填されたコーヒー粉100の量が多くなるほど、フィルター90に充填されたコーヒー粉100の上面は上方に位置し、且つ、この上面の外径は大きくなる。したがって、フィルター90内のコーヒー粉100に全体的に湯を注湯するためには、コーヒー粉量が多いほど(すなわちコーヒー粉100の量が多いほど)、注湯される湯の注湯流量を増大させて、注湯終期においてノズル部40からコーヒー粉100に注湯される湯をコーヒー粉100の上面のより外側(径方向で外側)に向けて注湯することが望まれる。これに関して、本実施形態によれば、設定装置60dに設定されたコーヒー粉量が多いほど、注湯される湯の注湯流量を増大させているので、注湯終期においてコーヒー粉100の上面のより外側に湯を注湯することができる。したがって、本実施形態によれば、上述したように、ハンドドリップにより近い形でコーヒーのドリップを行うことができる。
【0058】
なお、設定装置60dは、コーヒー粉量に加えて、コーヒーのドリップ量をさらに設定することもできる。この場合、制御装置70dは、コーヒー粉量が多いほど注湯流量を増大させる制御を行うとともに、注湯の総湯量が設定されたドリップ量となるように注湯の総湯量を制御する。この際、例えば、コーヒー粉量に対して注湯される湯の総湯量を基準値よりも少なくすれば、濃い目のコーヒーをドリップすることができる。逆に、コーヒー粉量に対して注湯される湯の総湯量を基準値よりも多くすれば、薄目のコーヒーをドリップすることができる。
【0059】
なお、本実施形態に係るコーヒーメーカー1dは、
図4で説明した実施形態1の変形例1に係るノズル部40aや、
図5(a)で説明した実施形態1の変形例2に係るノズル部40b、
図5(b)で説明した実施形態1の変形例3に係るノズル部40cを備える構成とすることもできる。
【0060】
(実施形態2の変形例)
本変形例に係るドリップ式コーヒーメーカー1dは、設定装置60dが、コーヒー粉量に代えて、コーヒーのドリップ時にドリップされるドリップ量が設定されるように構成されている点において、実施形態2と異なっている。すなわち、本変形例に係る設定装置60dは、コーヒーのドリップ時にドリップされるドリップ量が設定される「コーヒードリップ量設定手段」としての機能を有する部材に相当する。
【0061】
ユーザーは、コーヒーのドリップ時にドリッパー20でドリップされることを希望するドリップ量(mm
3)を、設定装置60dの一例であるタッチパネルに設定する。このタッチパネルに設定されたドリップ量は制御装置70dに伝えられる。これを受けた制御装置70dは、コーヒーのドリップ時において、設定装置60dに設定されたドリップ量に相当する湯量の湯をドリッパー20に注湯する。
【0062】
本変形例に係る制御装置70dは、実施形態2と同様に、コーヒーのドリップ時にノズル部40から注湯される湯の注湯流量(mm
3/s)を時間の経過とともに増大させている。また、制御装置70dは、設定装置60dに設定されたドリップ量が多いほど、コーヒーのドリップ時にノズル部40から注湯される湯の注湯流量を増大させる。
【0063】
本変形例においても、実施形態2と同様の作用効果を奏することができる。具体的には、設定装置60dに設定されたドリップ量が多いほど、フィルター90に充填されるコーヒー粉100の量は多くなる。したがって、本変形例によれば、設定装置60dに設定されたドリップ量が多く、この結果、フィルター90に充填されるコーヒー粉100の量が多いほど、コーヒー粉100に注湯される湯の注湯流量を増大させることができる。これにより、フィルター90に充填されたコーヒー粉100の量に対して適正な注湯流量で湯を注湯することができるので、ハンドドリップにより近い形でコーヒーのドリップを行うことができる。この結果、コーヒー粉100の量に対して注湯流量が多過ぎたり、少な過ぎたりすることを抑制して、ドリップされたコーヒーの味を良好にすることができる。
【0064】
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。