特許第6791823号(P6791823)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791823
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】管理装置、飛行管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/36 20170101AFI20201116BHJP
   H04W 24/02 20090101ALI20201116BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20201116BHJP
   G01C 21/00 20060101ALI20201116BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   B64F1/36
   H04W24/02
   H04W72/04
   G01C21/00
   B64C39/02
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-183437(P2017-183437)
(22)【出願日】2017年9月25日
(65)【公開番号】特開2019-59258(P2019-59258A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2019年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】邵 校
(72)【発明者】
【氏名】武田 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 伸吾
【審査官】 吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2017/0168480(US,A1)
【文献】 特開2016−053518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64F 1/36
B64C 39/02
G01C 21/00
H04W 24/02
H04W 72/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行装置の飛行予定日時、飛行開始位置飛行終了位置、及び複数の基地局のセルの干渉の強さを取得する取得部と、
前記飛行開始位置及び前記飛行終了位置に基づいて、前記複数の基地局を特定する特定部と、
前記複数の基地局の通信状況の履歴情報に基づいて、前記複数の基地局において前記飛行予定日時に前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ推定する推定部と、
前記推定部が推定した前記複数の基地局において前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースを、前記飛行装置が使用する予定の通信に必要な無線リソースと比較する比較部と、
前記比較部による比較の結果と前記干渉の強さとに基づいて前記飛行装置の飛行ルートを設定するルート設定部とを備える、
管理装置。
【請求項2】
前記ルート設定部は、複数の周波数帯域のうち、前記飛行装置の使用可能な周波数帯域において前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースが前記飛行装置において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局に沿って、前記飛行ルートを設定する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記基地局のセル内を同時に飛行予定の他の飛行装置の飛行予定数を求め、
前記ルート設定部は、前記飛行予定数が前記基地局のセルを同時に飛行可能な上限数に達していない基地局に沿って、前記飛行ルートを設定する、請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
記管理装置は、前記飛行装置の飛行ルート上の前記基地局のセルにおいて前記取得部が取得した干渉の強さが閾値より高い場合に、前記基地局のアンテナから送信される電波の向きを調整する調整部をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項5】
記ルート設定部は、前記取得部が取得した干渉の強さが閾値以下の基地局に沿って、前記飛行ルートを設定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記ルート設定部は、前記取得部が取得した干渉の強さが閾値より高い前記セルを回避するように、前記飛行ルートを設定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記複数の基地局の通信状況を取得し、当該複数の基地局の通信状況に基づいて、前記複数の基地局において前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースを取得し、
前記ルート設定部は、前記複数の基地局の通信状況に基づく前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースが前記飛行装置において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局に沿って、前記飛行装置の飛行ルートを再設定する、請求項1からのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項8】
前記推定部は、前記飛行予定日時に実施されるイベント又はメンテナンスの前回の実施日時における前記複数の基地局の通信状況の履歴情報に基づいて、前記複数の基地局において前記飛行予定日時に前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ推定する、請求項1からのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項9】
前記取得部は、外部装置から前記飛行装置が使用する予定の通信に必要な無線リソースを取得し、
前記ルート設定部は、前記飛行装置が使用する予定の通信に必要な無線リソースを前記取得部が取得したことに基づいて、前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースが前記飛行装置において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局に沿って、前記飛行装置の飛行ルートを設定する、請求項1からのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項10】
飛行装置の飛行予定日時、飛行開始位置飛行終了位置、及び複数の基地局のセルの干渉の強さを取得するステップと、
前記飛行開始位置及び前記飛行終了位置に基づいて、前記複数の基地局を特定するステップと、
前記複数の基地局の通信状況の履歴情報に基づいて、前記複数の基地局において前記飛行予定日時に前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ推定するステップと、
推定した前記複数の基地局において前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースを、前記飛行装置が使用する予定の通信に必要な無線リソースと比較するステップと、
前記比較するステップにおける比較の結果と前記干渉の強さとに基づいて前記飛行装置の飛行ルートを設定するステップとを備える、飛行管理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
飛行装置の飛行予定日時、飛行開始位置飛行終了位置、及び複数の基地局のセルの干渉の強さを取得するステップと、
前記飛行開始位置及び前記飛行終了位置に基づいて、前記複数の基地局を特定するステップと、
前記複数の基地局の通信状況の履歴情報に基づいて、前記複数の基地局において前記飛行予定日時に前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ推定するステップと、
推定した前記複数の基地局において前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースを、前記飛行装置が使用する予定の通信に必要な無線リソースと比較するステップと、
前記比較するステップにおける比較の結果と前記干渉の強さとに基づいて前記飛行装置の飛行ルートを設定するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行装置の飛行ルートを設定するための管理装置、飛行管理システム、飛行管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバからの制御信号によりドローン等の飛行装置を飛行させることが広く行われている(例えば、特許文献1を参照)。特に、携帯電話網を利用して飛行中の飛行装置を制御することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−117018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飛行装置の飛行エリアにおいて携帯電話網の基地局に対する接続数が過大になった場合に、通信品質が悪化することにより、飛行装置へ制御信号が届かなくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、飛行装置との通信が切断されることを抑制することができる管理装置、飛行管理システム、飛行管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の管理装置は、飛行装置の飛行予定日時、飛行開始位置及び飛行終了位置を取得する取得部と、前記飛行開始位置及び前記飛行終了位置に基づいて、複数の基地局を特定する特定部と、前記複数の基地局の通信状況の履歴情報に基づいて、前記複数の基地局において前記飛行予定日時に前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ推定する推定部と、前記推定部が推定した前記複数の基地局において前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースを、前記飛行装置が使用する予定の通信に必要な無線リソースと比較する比較部と、前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースが前記飛行装置において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局に沿って、前記飛行装置の飛行ルートを設定するルート設定部とを備える。
【0007】
前記ルート設定部は、複数の周波数帯域のうち、前記飛行装置の使用可能な周波数帯域において前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースが前記飛行装置において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局に沿って、前記飛行ルートを設定してもよい。
【0008】
前記取得部は、前記基地局のセル内を同時に飛行予定の他の飛行装置の飛行予定数を求め、前記ルート設定部は、前記飛行予定数が前記基地局のセルを同時に飛行可能な上限数に達していない基地局に沿って、前記飛行ルートを設定してもよい。
【0009】
前記取得部は、前記複数の基地局のセルの干渉の強さを取得し、前記管理装置は、前記飛行装置の飛行ルート上の前記基地局のセルにおいて前記取得部が取得した干渉の強さが閾値より高い場合に、前記基地局のアンテナから送信される電波の向きを調整する調整部をさらに備えてもよい。
【0010】
前記取得部は、前記複数の基地局のセルの干渉の強さを取得し、前記ルート設定部は、前記取得部が取得した干渉の強さが閾値以下の基地局に沿って、前記飛行ルートを設定してもよい。
【0011】
前記取得部は、前記複数の基地局の通信状況を取得し、当該複数の基地局の通信状況に基づいて、前記複数の基地局において前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースを取得し、前記ルート設定部は、前記複数の基地局の通信状況に基づく前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースが前記飛行装置において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局に沿って、前記飛行装置の飛行ルートを再設定してもよい。
【0012】
前記推定部は、前記飛行予定日時に実施されるイベント又はメンテナンスの前回の実施日時における前記複数の基地局の通信状況の履歴情報に基づいて、前記複数の基地局において前記飛行予定日時に前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ推定してもよい。
【0013】
前記取得部は、外部装置から前記飛行装置が使用する予定の通信に必要な無線リソースを取得し、前記ルート設定部は、前記飛行装置が使用する予定の通信に必要な無線リソースを前記取得部が取得したことに基づいて、前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースが前記飛行装置において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局に沿って、前記飛行装置の飛行ルートを設定してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様の飛行管理システムは、第1管理装置と、第2管理装置とを備える飛行管理システムであって、前記第1管理装置は、飛行装置の飛行予定日時、飛行開始位置及び飛行終了位置を取得する取得部と、前記飛行開始位置及び前記飛行終了位置に基づいて、複数の基地局を特定する特定部と、前記複数の基地局の通信状況の履歴情報に基づいて、前記複数の基地局において前記飛行予定日時に前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ推定する推定部と、前記推定部が推定した前記複数の基地局において前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースを前記第2管理装置へ通知する通知部と、を有し、前記第2管理装置は、前記通知部が通知した前記複数の基地局において前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースを、前記飛行装置が使用する予定の通信に必要な無線リソースと比較する比較部と、前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースが前記飛行装置において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局に沿って、前記飛行装置の飛行ルートを設定するルート設定部とを有してもよい。
【0015】
本発明の第3の態様の飛行管理方法は、飛行装置の飛行予定日時、飛行開始位置及び飛行終了位置を取得するステップと、前記飛行開始位置及び前記飛行終了位置に基づいて、複数の基地局を特定するステップと、前記複数の基地局の通信状況の履歴情報に基づいて、前記複数の基地局において前記飛行予定日時に前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ推定するステップと、推定した前記複数の基地局において前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースを、前記飛行装置が使用する予定の通信に必要な無線リソースと比較するステップと、前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースが前記飛行装置において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局に沿って、前記飛行装置の飛行ルートを設定するステップとを備えてもよい。
【0016】
本発明の第4の態様のプログラムは、コンピュータに、飛行装置の飛行予定日時、飛行開始位置及び飛行終了位置を取得するステップと、前記飛行開始位置及び前記飛行終了位置に基づいて、複数の基地局を特定するステップと、前記複数の基地局の通信状況の履歴情報に基づいて、前記複数の基地局において前記飛行予定日時に前記飛行装置に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ推定するステップと、推定した前記複数の基地局において前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースを、前記飛行装置が使用する予定の通信に必要な無線リソースと比較するステップと、前記飛行装置に割り当て可能な前記無線リソースが前記飛行装置において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局に沿って、前記飛行装置の飛行ルートを設定するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、飛行装置との通信が切断されることを抑制するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施の形態に係る飛行管理システムの構成を示す図である。
図2】管理装置の構成を示す図である。
図3】取得部による隣接基地局からの干渉の強さの取得方法について説明するための図である。
図4】飛行ルートの設定方法の一例について説明するための図である。
図5】管理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[飛行管理システムSの構成]
図1は、本実施の形態に係る飛行管理システムSの構成を示す図である。飛行管理システムSは、管理装置100、飛行装置200及び複数の基地局300を備える。管理装置100は、飛行装置200が飛行するための飛行ルートを設定する。また、管理装置100は、ネットワークN及び基地局300を介して、飛行中の飛行装置200と通信する。管理装置100は、飛行ルートに沿って飛行装置200を飛行させるように、飛行装置200へ飛行方向を逐次指示する。また、管理装置100は、ネットワークNを介して、複数の基地局300と通信する。例えば、管理装置100は、複数の基地局300の通信状況を所定期間ごとに取得し、取得した通信状況の履歴情報を記憶している。所定期間は、例えば、1時間である。
【0020】
通信状況は、例えば、RSSI,BLER、パケットロス、スループット、RTT、隣接基地局からの干渉の強さ又は基地局300に同時に接続する回線数、基地局300のCPU(Central Processing Unit)の利用率、メモリーの利用率、帯域幅の利用率等である。RSSI(Received Signal Strength Indicator)は、通信端末等から送信された無線信号を基地局300が受信する受信強度である。BLER(Block error ratio)は、通信において一定の時間間隔の間に送られるブロックの総数に対する誤って受信したブロックの数の比率である。スループットは、データ伝送における単位時間のデータ転送可能量を示す。RTT(Round-Trip Time)は、遅延を示し、2つのデバイス間をパケットが往復するのにかかる時間を示す。
【0021】
また、管理装置100は、複数の基地局300の通信状況の履歴情報を参照することにより、飛行装置200の飛行予定日時に複数の基地局300において飛行装置200に割り当て可能な無線リソースを推定する。無線リソースとは、時間領域および周波数領域に二次元のスケジューリングを行うものであって、これらの成分を所定の単位に基づいてメッシュ状に分割したリソースエレメントの割り当て数を指す。
【0022】
例えば、リソースエレメントは、帯域幅を周波数成分に対して15kHzごとに12分割し、時間方向において1msを最小単位として分割したものである。なお、無線リソースは、飛行装置200に割り当て可能な帯域幅又は送信電力であってもよい。管理装置100は、飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが、飛行装置200が基地局300を介する通信において使用する予定の通信に必要な無線リソースより大きくなるように、飛行ルートを設定する。
【0023】
飛行装置200は、管理装置100が設定した飛行ルートに沿って移動する。飛行装置200は、例えば、ドローンである。飛行装置200は、例えば、管理装置100により逐次指示された飛行方向へ移動するが、ユーザが図示しない操作端末により、飛行ルートに沿って飛行方向を逐次指示してもよい。操作端末は、例えば、スマートフォンである。
【0024】
[管理装置100の構成]
図2は、管理装置100の構成を示す。管理装置100は、通信部1、操作部2、記憶部3及び制御部4を備える。通信部1は、基地局300を介する通信のための通信インターフェースである。操作部2は、操作キー及びタッチパネルである。記憶部3は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。記憶部3は、制御部4が実行するプログラムを記憶している。
【0025】
制御部4は、例えばCPUである。制御部4は、記憶部3に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部41、特定部42、操作受付部43、推定部44、比較部45、ルート設定部46及び調整部47として機能する。
【0026】
取得部41は、飛行装置200の飛行予定日時と、飛行装置200が飛行を開始する飛行開始位置と、飛行装置200が飛行の目的地である飛行終了位置を取得する。例えば、取得部41は、図示しない外部装置から飛行装置200の飛行予定日時、飛行開始位置及び飛行終了位置を通信部1を介して取得する。外部装置は、例えば、飛行装置200のユーザのパーソナルコンピュータである。
【0027】
また、基地局300から電波の届く範囲であるセル内を同時に飛行可能な飛行装置200の数の上限は、予め決められている。このため、取得部41は、記憶部3が記憶している他の飛行装置の飛行計画に記載された飛行ルートをそれぞれ参照することにより、取得した飛行予定日時に基地局300のセル内を飛行予定の他の飛行装置の飛行予定数を取得する。また、取得部41は、外部装置から通信部1を介して、飛行装置200が使用する予定の通信に必要な無線リソースを取得する。
【0028】
取得部41は、複数の基地局300の通信状況を取得する。取得部41は、複数の基地局300の通信状況を周波数帯域ごとに取得してもよい。例えば、取得部41は、複数の基地局300の通信状況として、隣接基地局からの干渉の強さを取得する。図3を参照して、取得部41による隣接基地局からの干渉の強さの取得方法について説明する。
【0029】
図3は、基地局300Aのセルを楕円で示す。また、基地局300Aのセルには基地局300Bが隣接するとする。基地局300Bから基地局300Aのセルへの干渉の強さは、例えば、基地局300Bからの信号を測定することにより求めることができる。基地局300Aのセル内の上空において飛行装置が飛行中であるとき、この飛行装置は、基地局300Aからの信号と、基地局300Bからの信号とをいずれも測定しており、これらの測定結果を基地局300Aに所定期間ごとに送信する。所定期間は、例えば、1分間である。基地局300Aは、飛行装置から受信した測定結果を含む通信状況を管理装置100へ送信し、取得部41は、受信した通信状況の履歴情報を記憶部3に蓄積しておく。
【0030】
取得部41は、飛行装置が基地局300Aのセル内において測定した基地局300Bからの信号の受信強度を閾値と比較する。閾値は、隣接基地局からの電波干渉に起因して飛行中の飛行装置200と基地局300との通信が切断されることなく、飛行装置200が安定飛行することを担保できる程度の値である。
【0031】
例えば、飛行装置が基地局300Aのセル内において測定した基地局300Bからの信号の受信強度を示すRSRP(Reference Signal Received Power)は、大きいほど基地局300Bからの干渉が大きくなり、この干渉によって飛行中の飛行装置200と基地局300との間の通信が切断されるリスクが大きくなることを示す。飛行装置が基地局300Aのセル内において測定したRSRPが−110dBmであり、閾値が−115dBmである場合、取得部41は、基地局300Bからの信号の受信強度が閾値よりも大きい(−110dBm>−115dBm)と判定する。なお、取得部41は、基地局300Bからの信号の受信強度を示す測定値としてRSRQ(Reference signal Received quality)を閾値と比較してもよい。
【0032】
また、取得部41は、飛行装置200の飛行中に取得した複数の基地局300の通信状況に基づいて、複数の基地局300における飛行装置200に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ取得してもよい。例えば、取得部41は、飛行装置200の飛行中に取得部41が取得した通信状況における基地局300に同時に接続している回線数を参照し、基地局300が提供可能な無線リソースを基地局300に同時に接続している回線数で等分することにより、飛行装置200に割り当て可能な無線リソースを求めてもよい。例えば、取得部41は、基地局300が提供可能な無線リソースとしての帯域幅が1Gbpsであり、基地局300に同時に接続している回線数が5本である場合には、1Gbpsを5本で等分した0.2Gbpsを飛行装置200に割り当て可能な無線リソースとしてもよい。
【0033】
特定部42は、取得部41が取得した飛行開始位置及び飛行終了位置に基づいて、複数の基地局300を特定する。特定部42は、例えば、飛行開始位置と飛行終了位置とを結ぶ直線に対する最短距離が所定距離内に位置する基地局300を特定する。所定距離は、例えば、2〜20kmである。
【0034】
操作受付部43は、管理者による操作部2への操作入力を受け付ける。花火大会などのイベントが実施されると、イベント会場周辺の基地局300の帯域幅の利用率が上昇することがある。また、基地局300のメンテナンスにより、一時的に基地局300が飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが減少することがある。そこで、操作受付部43は、帯域幅の利用率が上昇するイベントの実施予定日時及び過去の実施日時を基地局300ごとに入力する操作を受け付ける。同様に、操作受付部43は、飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが減少するメンテナンスの実施予定日時及び過去の実施日時を基地局300ごとに入力する操作を受け付ける。操作受付部43は、受け付けたイベント等の実施予定日時及び過去の実施日時を記憶部3に記憶させる。
【0035】
推定部44は、特定部42が特定した複数の基地局300の通信状況の履歴情報に基づいて、複数の基地局300が飛行予定日時において飛行装置200に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ推定する。例えば、推定部44は、通信状況の統計値を用いて飛行装置200に割り当て可能な無線リソースを求める。より詳しくは、推定部44は、通信状況の履歴情報のうち、直近の1か月間の帯域幅の利用率の平均値を飛行予定日時の帯域幅の利用率としてみなしてこの平均値を求め、求めた帯域幅の利用率の平均値から利用していない帯域幅を算出することにより、飛行装置200に割り当て可能な無線リソースを求める。
【0036】
また、複数の基地局300の帯域幅の利用率は、時間帯及び曜日によって異なる傾向がある。このため、推定部44は、飛行予定日時と同じ時間帯又は曜日の通信状況の履歴情報を参照することにより、飛行予定日時において飛行装置200に割り当て可能な無線リソースを求めてもよい。
【0037】
また、推定部44は、飛行予定日時にイベント又はメンテナンスが実施される場合には、飛行予定日時に実施されるイベント又はメンテナンスの前回の実施日時における複数の基地局300の通信状況の履歴情報に基づいて、複数の基地局300における飛行予定日時の飛行装置200に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ推定する。例えば、推定部44は、前回のイベント実施中の対応する時刻の通信状況の履歴情報に基づいて、飛行予定日時の飛行装置200に割り当て可能な無線リソースを推定する。より詳しくは、飛行予定日時が2017年8月26日20時42分であり、この飛行予定日時が花火大会の実施中である場合には、推定部44は、前回の花火大会の実施日時の同じ時刻(20時42分)の通信状況に基づいて、飛行予定日時において飛行装置200に割り当て可能な無線リソースを推定する。
【0038】
また、比較部45は、推定部44が推定した複数の基地局300における飛行装置200に割り当て可能な無線リソースと、飛行装置200が使用する予定の通信に必要な無線リソースとして取得部41が取得した無線リソースとを比較する。
【0039】
また、比較部45は、基地局300が送受信可能な複数の周波数帯域のうち、飛行装置200の使用可能な周波数帯域を外部装置から取得する。比較部45は、飛行装置200の使用可能な周波数帯域において飛行装置200に割り当て可能な無線リソースと、飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソースとを比較する。例えば、基地局300が送受信可能な周波数帯域が2.1GHz及び1.8GHzであり、飛行装置200が使用可能な周波数帯域が1.8GHzである場合、比較部45は、1.8GHzの周波数帯域において飛行装置200に割り当て可能な無線リソースと、飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソースとを比較する。比較部45は、比較結果をルート設定部46に通知する。
【0040】
[割り当て可能な無線リソースに基づく飛行ルートの設定]
ルート設定部46は、飛行装置200が飛行するための飛行ルートを設定する。ルート設定部46は、例えば、取得部41において飛行開始位置と、飛行終了位置と、飛行装置200が使用する予定の通信に必要な無線リソースとを外部装置から取得したときに、飛行ルートを設定する。ルート設定部46は、特定部42が特定した複数の基地局300のうち、飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多いと比較部45において判定した基地局300に沿って、飛行ルートを設定する。
【0041】
また、ルート設定部46は、飛行装置200の使用可能な周波数帯域において飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソースより大きいと比較部45において判定した基地局300に沿って、飛行ルートを設定する。例えば、ルート設定部46は、1.8GHzの周波数帯域において飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが、飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソースより大きいと比較部45において判定した基地局300に沿って、飛行ルートを設定する。
【0042】
[飛行予定数に基づく飛行ルートの設定]
また、ルート設定部46は、飛行装置200を除く飛行予定数が基地局300のセルを同時に飛行可能な上限数に達していない基地局300に沿って飛行ルートを設定する。例えば、ルート設定部46は、同時に飛行可能な上限数が4機である場合、飛行装置200を除く飛行予定数が3機以下である基地局300に沿って飛行ルートを設定する。
【0043】
また、ルート設定部46は、飛行ルート上における飛行装置200の移動速度を含む飛行スケジュールを設定してもよい。例えば、ルート設定部46は、飛行装置200の飛行ルートを複数の区間に分割し、飛行装置200の移動速度を区間ごとに指定することにより、飛行予定数が基地局300のセルを同時に飛行可能な上限数を超えないように、飛行装置200の飛行スケジュールを設定してもよい。
【0044】
また、ルート設定部46は、設定した飛行装置200の飛行ルートを記憶部3に記憶させる。ルート設定部46は、飛行装置200の飛行ルートが属する基地局300のセルにおいて同時に飛行可能な飛行装置の数の上限を超えないように、他の飛行装置の飛行ルートを制限する。
【0045】
[干渉の強さに基づく飛行ルートの設定]
また、ルート設定部46は、取得部41が取得した通信状況において干渉の強さが閾値以下である基地局300に沿って飛行する飛行ルートを設定する。閾値は、隣接基地局からの電波干渉に起因して飛行中の飛行装置200と基地局との通信が切断されることなく、飛行装置200が安定飛行することを担保できる程度の値である。
【0046】
図4を参照して、飛行ルートの設定方法の一例について説明する。まず、取得部41が飛行開始位置T及び飛行終了位置Gを取得する。次に、特定部42は、飛行開始位置Tと飛行終了位置Gとを結ぶ破線に対する最短距離が所定距離内に位置する基地局300のセルC1〜C9を特定する。取得部41は、セルC1〜C9の通信状況における干渉の強さを閾値と比較する。図4の例では、セルC1,C3,C5〜C9において隣接するセルからの干渉の強さは閾値以下であり、ハッチングで示すセルC2及びC4において隣接するセルからの干渉の強さは閾値より大きい。
【0047】
ルート設定部46は、取得部41が取得した干渉の強さが閾値以下である基地局300に沿って飛行する飛行ルートを設定する。図4の例では、ルート設定部46は、取得部41が取得した干渉の強さが閾値以下である基地局300のセルC1,C6,C3及びC5に沿って飛行し、取得部41が取得した干渉の強さが閾値より大きい基地局300のセルC2及びC4を回避するように、飛行ルートを設定する。
【0048】
[飛行ルートの再設定]
図2の説明に戻る。飛行装置200の飛行直前に飛行ルート上の基地局300が故障すること等に起因して、飛行ルート上の一部の基地局300のセルにおいて飛行装置200に割り当てられる無線リソースが飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソースより小さくなることがある。この場合、ルート設定部46は、飛行装置200の飛行中に、飛行装置200の飛行ルートを再設定する。
【0049】
まず、ルート設定部46は、飛行装置200の飛行中に取得部41が取得した複数の基地局300の通信状況に基づいて、飛行装置200に割り当て可能な無線リソースを再度取得する。例えば、ルート設定部46は、取得部41が飛行装置200の飛行中に取得した複数の基地局300の通信状況を参照し、参照した通信状況のうち、基地局300に同時に接続している回線数で基地局300の無線リソースを等分することにより飛行装置200に割り当て可能な無線リソースを取得する。さらに、ルート設定部46は、取得した飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多くなる基地局300を特定する。ルート設定部46は、特定した基地局300に沿って飛行するように、飛行装置200の飛行ルートを再設定する。
【0050】
また、ルート設定部46は、飛行装置200に割り当て可能な無線リソースを確保するために、飛行装置200に割り当てる周波数帯域を別の周波数帯域に変更してもよい。この場合、ルート設定部46は、変更後の周波数帯域における飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多くなる基地局300に沿って飛行するように、飛行装置200の飛行ルートを再設定してもよい。
【0051】
また、基地局300のセルの周縁部は、セルの中心に比べて隣接基地局からの信号の干渉の強さが高い傾向がある。このため、ルート設定部46は、基地局300のセルの周縁部をできるだけ通らないように、飛行装置200の飛行ルートを設定してもよい。
【0052】
調整部47は、取得部41が取得した基地局300のセル内における干渉の強さが閾値よりも高い場合に、基地局300のアンテナから電波が送信される向きを調整する。調整部47は、例えば、基地局300のアンテナのビーム方向を上向きに変更することにより、飛行装置200が受信する信号の強度を向上させる。このとき、飛行装置200が受信する信号の強度が、隣接基地局からの信号の干渉の強さに比べて相対的に大きくなるため、飛行装置200と基地局300との間の通信の通信品質が向上する。
【0053】
また、調整部47は、飛行装置200に割り当てる無線リソースを他のユーザに割り当てる無線リソースより優先することにより、飛行装置200に割り当てる無線リソースを増加させてもよい。
【0054】
例えば、災害時には、広範囲に存在する基地局300において基地局300に接続する回線数が同時に上昇することに起因して、どのように飛行ルートを設定したとしても飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソース以下になることがある。そこで、調整部47は、飛行装置200の飛行ルート上の基地局300のセルにおいて飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソース以下である場合に、飛行装置200に割り当てる無線リソースを増加させてもよい。
【0055】
[飛行ルートの設定手順]
図5は、管理装置100の動作を示すフローチャートである。図5の処理手順は、例えば、外部装置が、飛行装置200の飛行開始位置と、飛行終了位置と、飛行予定日時と、飛行装置200が使用する予定の通信に必要な無線リソースと、を管理装置100へ送信したときに開始する。
【0056】
まず、取得部41は、飛行開始位置と、飛行終了位置と、飛行予定日時と、飛行装置200が使用する予定の通信に必要な無線リソースとを通信部1により取得する(ステップS101)。特定部42は、飛行開始位置と飛行終了位置とを結ぶ直線に対する最短距離が所定距離内に位置する基地局300を特定する(ステップS102)。推定部44は、特定部42が特定した複数の基地局300の通信状況の履歴情報に基づいて、複数の基地局300が飛行予定日時において飛行装置200に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ推定する(ステップS103)。
【0057】
さらに、取得部41は、記憶部3が記憶している他の飛行装置の飛行計画に記載された飛行ルートをそれぞれ参照することにより、取得した飛行予定日時に基地局300のセル内を飛行予定の他の飛行装置の飛行予定数を取得する(ステップS104)。比較部45は、推定部44が推定した複数の基地局300における飛行装置200に割り当て可能な無線リソースを、飛行装置200が使用する予定の通信に必要な無線リソースとして取得部41が取得した無線リソースとそれぞれ比較する(ステップS105)。
【0058】
ルート設定部46は、取得部41が取得した複数の基地局300の干渉の強さを閾値とそれぞれ比較する(ステップS106)。ルート設定部46は、取得部41が取得した干渉の強さが閾値以下であり、且つ、推定部44が推定した複数の基地局300における飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局300に沿って、飛行ルートを設定し、処理を終了する(ステップS107)。
【0059】
[本発明による効果]
本実施の形態によれば、ルート設定部46は、飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局300に沿って、飛行装置200の飛行ルートを設定する。このため、飛行装置200の飛行中に飛行装置200の基地局300を介した通信が切断されることを抑制することができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、ルート設定部46は、飛行予定数が基地局300のセルを同時に飛行可能な上限数に達していない基地局300に沿って、飛行ルートを設定する。このため、ルート設定部46は、飛行装置200が基地局300のセルを同時に飛行可能な上限数を超えて飛行してしまうことを抑制することができる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、調整部47は、飛行装置200の飛行ルート上の基地局300のセルにおいて取得部41が取得した干渉の強さが閾値より高い場合に、基地局300のアンテナから送信される電波の向きを調整する。調整部47は、この電波の向きを調整することにより、飛行装置200と基地局300との間の通信の通信品質を向上させることができる。このため、調整部47は、隣接した基地局300等からの信号の干渉に起因して、飛行装置200と基地局300との間の通信品質が低下することを抑制することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、ルート設定部46は、推定部44が推定した干渉の強さが閾値以下の基地局300に沿って、飛行ルートを設定する。このため、隣接した基地局300等からの信号の干渉に起因して、飛行装置200の飛行中に飛行装置200と基地局300との間の通信が切断されることを抑制することができる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、ルート設定部46は、複数の基地局300の通信状況に基づく飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局300に沿って、飛行装置200の飛行ルートを再設定する。このため、ルート設定部46は、基地局300の故障などに起因して、飛行ルートの設定後に飛行装置200に割り当てられる無線リソースが確保できなくなった場合などに、飛行ルートを再設定することができる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、推定部44は、飛行予定日時に実施されるイベント又はメンテナンスの前回の実施日時における複数の基地局300の通信状況の履歴情報に基づいて、複数の基地局300において飛行予定日時に飛行装置200に割り当て可能な無線リソースをそれぞれ推定する。このため、イベントにより基地局300の帯域幅の利用率が増大している場合、又は、メンテナンスにより基地局300の帯域幅が狭くなっている場合に、飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが低下することを抑制することができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、ルート設定部46は、飛行装置200が使用する予定の通信に必要な無線リソースを取得部41が取得したことに基づいて、飛行装置200に割り当て可能な無線リソースが飛行装置200において使用する予定の通信に必要な無線リソースより多い基地局300に沿って、飛行装置200の飛行ルートを設定する。このため、飛行ルートの設定操作を簡略化することができる。
【0066】
なお、本実施の形態では、管理装置100が一台のサーバからなる例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、管理装置100がクラウドベースの複数のサーバからなる構成であってもよい。具体的には、管理装置100が、ネットワークにより互いに接続された第1管理装置及び第2管理装置を含み、第1管理装置が図2の取得部41と、特定部42と、推定部44とを備え、第2管理装置が比較部45と、ルート設定部46とを備えてもよい。この場合に、第1管理装置は、推定部44が推定した複数の基地局において飛行装置200に割り当て可能な無線リソースを第2管理装置へ通知する通知部をさらに備えてもよい。
【0067】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0068】
1 通信部
2 操作部
3 記憶部
4 制御部
41 取得部
42 特定部
43 操作受付部
44 推定部
45 比較部
46 ルート設定部
47 調整部
100 管理装置
200 飛行装置
300 基地局
300A 基地局
300B 基地局
400 携帯通信装置
G 飛行終了位置
N ネットワーク
S 飛行管理システム
T 飛行開始位置
図1
図2
図3
図4
図5