(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書において説明されるのは、アルカリ非含有ガラス及び上記アルカリ非含有ガラスの作製方法であり、上記アルカリ非含有ガラスは、高いアニール点及び高いヤング率を有することにより、TFTの製造中の優れた寸法安定性(即ち低コンパクション)、TFTプロセス中の低減された変化性を有することができる。アニール点が高いガラスは、ガラスの製造に続く熱プロセス中のコンパクション/収縮によるパネル歪みの防止を支援できる。更に本開示のいくつかの実施形態は、背面の経済的な薄化を可能とする高いエッチング速度、並びに比較的低温の成形マンドレル上での失透の可能性を低減又は排除する極めて高い液相粘度を有する。例示的なガラスは、その組成の具体的詳細により、溶解して高品質となり、気体の包有のレベルが極めて小さく、また貴金属、耐火物及び酸化スズ電極材料に対する浸食が最小である。
【0036】
一実施形態では、上記実質的にアルカリ非含有のガラスは、高いアニール点を有することができる。いくつかの実施形態では、上記アニール点は約785℃、790℃、795℃又は800℃以上である。動作に関するいずれの特定の理論に束縛されるものではないが、このような高いアニール点は、低い緩和速度をもたらし、従って、低温ポリシリコンプロセスにおいて背面基板として使用される例示的なガラスに対して、比較的小さいコンパクションをもたらすと考えられる。
【0037】
別の実施形態では、例示的なガラスの、粘度が約35000ポアズ(3500Pa・s)となる温度(T
35k)は、約1340℃、1335℃、1330℃、1325℃、1320℃、1315℃、1310℃、1300℃又は1290℃以下である。具体的実施形態では、上記ガラスの、粘度が約35,000ポアズとなる温度(T
35k)は、約1310℃未満である。他の実施形態では、例示的なガラスの、粘度が約35,000ポアズとなる温度(T
35k)は、約1340℃、1335℃、1330℃、1325℃、1320℃、1315℃、1310℃、1300℃又は1290℃未満である。様々な実施形態では、ガラス物品は、約1275℃〜約1340℃、又は約1280℃〜約1315℃のT
35kを有する。
【0038】
ガラスの液相線温度(T
liq)は、その温度を超えると結晶質相がガラスと平衡して共存できない温度である。様々な実施形態では、ガラス物品は、約1180℃〜約1290℃、又は約1190℃〜約1280℃のT
liqを有する。別の実施形態では、ガラスの液相線温度に対応する粘度は、約150000ポアズ以上である。いくつかの実施形態では、ガラスの液相線温度に対応する粘度は、約175000ポアズ(17500Pa・s)、200000ポアズ(20000Pa・s)、225000ポアズ(22500Pa・s)又は250000ポアズ(25000Pa・s)以上である。
【0039】
別の実施形態では、例示的なガラスは、T
35k‐T
liq>0.25T
35k‐225℃を提供できる。これにより、フュージョンプロセスの成形マンドレル上で失透が発生する傾向が最小となることを保証する。
【0040】
1つ又は複数の実施形態では、上記実質的にアルカリ非含有のガラスは、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2を60‐80
Al
2O
3を5‐20
B
2O
3を0‐10
MgOを0‐20
CaOを0‐20
SrOを0‐20
BaOを0‐20
ZnOを0‐20
を含み、Al
2O
3、MgO、CaO、SrO、BaOは、各酸化物成分のモルパーセントを表す。
【0041】
いくつかの実施形態では、上記実質的にアルカリ非含有のガラスは、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2を65‐75
Al
2O
3を10‐15
B
2O
3を0‐3.5
MgOを0‐7.5
CaOを4‐10
SrOを0‐5
BaOを1‐5
ZnOを0‐5
を含み、1.0≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3<2及び0<MgO/(MgO+Ca+SrO+BaO)<0.5である。
【0042】
特定の実施形態では、上記実質的にアルカリ非含有のガラスは、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2を67‐72
Al
2O
3を11‐14
B
2O
3を0‐3
MgOを3‐6
CaOを4‐8
SrOを0‐2
BaOを2‐5
ZnOを0‐1
を含み、1.0≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3<1.6及び0.20<MgO/(MgO+Ca+SrO+BaO)<0.40である。
【0043】
いくつかの実施形態では、本開示のガラスは、化学清澄剤を含む。このような化学清澄剤としてはSnO
2、As
2O
3、Sb
2O
3、F、Cl及びBrが挙げられるがこれらに限定されず、また上記化学清澄剤の濃度は0.5モル%以下のレベルに維持される。いくつかの実施形態では、上記化学清澄剤は、約0.5モル%、0.45モル%、0.4モル%、0.35モル%、0.3モル%又は0.25モル%以下の濃度で、SnO
2、As
2O
3、Sb
2O
3、F、Cl又はBrのうちの1つ又は複数を含む。化学清澄剤としては、CeO
2、Fe
2O
3及び他の遷移金属酸化物、例えばMnO
2も挙げられる。これらの酸化物は、その1つ又は複数の最終価電子状態における可視光吸収によりガラスに色を導入する場合があり、従ってこれらの濃度は、0.2モル%以下のレベルであってよい。1つ又は複数の実施形態では、上記ガラス組成物は、約0.2モル%、0.15モル%、0.1モル%又は0.05モル%以下の濃度で、遷移金属の1つ又は複数の酸化物を含む。いくつかの実施形態では、上記ガラス組成物は、約0.01モル%〜約0.4モル%の、SnO
2、As
2O
3、Sb
2O
3、F、Cl及び/又はBrのうちのいずれか1つ又はいずれの組み合わせを含む。具体的実施形態では、上記ガラス組成物は、約0.005モル%〜約0.2モル%の、Fe
2O
3、CeO
2及び/又はMnO
2のうちのいずれか1つ又はいずれの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、As
2O
3及びSb
2O
3は、上記ガラス組成物の約0.005モル%未満を構成する。
【0044】
一実施形態では、例示的なガラスは、フュージョンプロセスによってシートとして製造される。フュージョンドロープロセスは、清浄な火炎研磨されたガラス表面をもたらすことができ、これは、高解像度TFT背面及び色フィルタに対する表面媒介性歪みを低減する。
図1は、非限定的なフュージョンプロセスにおける成形マンドレル又はアイソパイプの概略図である。
図2は、
図1の位置6の付近におけるアイソパイプの概略断面図である。ガラスは入口1から導入され、堰止壁9で形成されたトラフ4の底部に沿って、圧縮端部2へと流れる。ガラスはアイソパイプの両側において堰止壁9から溢れ(
図2参照)、ガラスの2つの流れは基部10において接合又は融合する。アイソパイプの両端の縁部配向器3は、ガラスを冷却して、縁部にビードと呼ばれる比較的厚いストリップを生成する役割を果たす。ビードは牽引ロールによって引っ張られ、これによって高粘度でのシート成形が可能となる。シートをアイソパイプから引っ張り出す速度を調整することによって、フュージョンドロープロセスを用いて、固定された溶融速度において極めて広い範囲の厚さを製造できる。
【0045】
ダウンドロー型シートドロー加工プロセス、並びに特に(共にDockertyによる)特許文献1及び2(参照により本出願に援用される)に記載のフュージョンプロセスを、本出願において使用できる。動作に関するいずれの特定の理論に束縛されるものではないが、フュージョンプロセスは、研磨の必要がないガラス基板を製造できると考えられる。現行のガラス基板の研磨は、原子間力顕微鏡で測定した場合に約0.5nm(Ra)超の平均表面粗度を有するガラス基板を製造できる。フュージョンプロセスによって製造されたガラス基板は、原子間力顕微鏡で測定した場合に約0.5nm(Ra)未満の平均表面粗度を有する。この基板はまた、光遅延によって測定した場合に150psi(1034214Pa)以下の平均内部応力を有する。当然のことながら、本明細書に記載の実施形態は、限定するものではないがフロート形成プロセスといった他の形成プロセスにも等しく適用可能であるため、本明細書に添付された実施形態は、フュージョンプロセスに限定されるものではない。
【0046】
一実施形態では、例示的なガラスは、フュージョンプロセスを用いてシート形状として製造される。例示的なガラスはフュージョンプロセスに適合可能であるが、本開示のガラスは、異なる製造プロセスによって、シート又は他の製品として製造することもできる。このようなプロセスとしては、スロットドロー、フロート、圧延、及び当業者に公知の他のシート成形プロセスが挙げられる。
【0047】
ガラスのシートを形成するための、これらの代替的方法に対して、上述のようなフュージョンプロセスは、清浄な表面を有する、極めて薄く、極めて平坦で、極めて均一なシートを形成できる。スロットドローはまた、清浄な表面をもたらすことができるが、経時的なオリフィス形状の変化、オリフィス‐ガラス境界面における不安定な破片の蓄積、及び完全に平坦なガラスを送達するためのオリフィスを形成する困難さから、スロットドロー加工されたガラスの寸法均一性及び表面品質は一般に、フュージョンドロー加工されたガラスに劣る。フロートプロセスは、極めて大型の均一なシートを送達できるが、表面は、片側においてフロート浴と接触すること、及びもう片側においてフロート浴からの濃縮産物に曝露されることによって、実質的に傷付けられる。これは、高性能ディスプレイ用途に使用するためには、フロートガラスを研磨しなければならないことを意味する。
【0048】
フュージョンプロセスは、高温からのガラスの急速な冷却を伴うことが多く、これは高い仮想温度T
fをもたらす。仮想温度は、ガラスの構造的状態と、関心対象の温度において完全に緩和された場合に想定される状態との間の不一致を表すものとして考えることができる。ガラス転移温度T
gを用いて、ガラスをプロセス温度T
pへと、T
p<T
g≦T
fとなるように再加熱するステップは、ガラスの粘度によって影響され得る。T
p<T
gであるため、ガラスの構造的状態は、T
pにおける平衡状態から外れており、ガラスは、T
pにおける平衡状態である構造的状態へと自然に緩和されることになる。この緩和の速度は、T
pにおけるガラスの有効粘度の逆数に応じて増減し、従って高粘度によって緩和速度は遅くなり、低粘度によって緩和速度は速くなる。有効粘度は、ガラスの仮想温度の逆数に応じて変化し、これにより、低い仮想温度は高い粘度をもたらし、また高い仮想温度は比較的低い粘度をもたらす。従って、T
pにおける緩和速度は、ガラスの仮想温度に応じて増減する。高仮想温度を導入するプロセスは、ガラスをT
pに再加熱する際に、比較的高い緩和速度をもたらす。
【0049】
T
pにおける緩和速度を低下させるための1つの手段は、当該温度におけるガラスの粘度を上昇させることである。ガラスのアニール点は、ガラスが10
13.2ポアズ(10
1.32Pa・s)の粘度を有する温度を表す。アニール点未満へと温度が低下すると、超冷却された溶融物の粘度は上昇する。T
g未満の固定された温度において、比較的高いアニール点を有するガラスは、比較的低いアニール点を有するガラスよりも、高い粘度を有する。従って、アニール点の上昇によって、T
pにおける基板ガラスの粘度が上昇し得る。一般に、アニール点を上昇させるために必要な組成の変化は、他の全ての温度における粘度も上昇させる。非限定的な実施形態では、フュージョンプロセスによって作製されたガラスの仮想温度は、約10
11〜10
12ポアズ(10
10〜10
11Pa・s)の粘度に対応し、従って、フュージョンプロセスに適合可能なガラスに関するアニール点の上昇は一般に、その仮想温度も上昇させる。形成プロセスに関係なく、ある所与のガラスに関して、比較的高い仮想温度は、T
g未満の温度における比較的低い粘度をもたらし、従って仮想温度の上昇は、仮想温度を上昇させない場合にアニール点を上昇させることによって得られる粘度上昇に対抗して作用する。T
pにおける緩和速度の有意な変化を得るためには、一般に、アニール点を比較的大きく変化させる必要がある。例示的なガラスのある態様は、上記ガラスが約785℃、又は790℃、又は795℃、又は800℃、又は805℃、又は810℃、又は815℃、又は約796.1〜約818.3℃のアニール点を有するようなものである。動作に関するいずれの特定の理論に束縛されるものではないが、このような高いアニール点は、低温TFT加工、例えば典型的な低温ポリシリコン急速熱アニーリングサイクル中の、許容可能な低い熱緩和速度をもたらすと考えられる。
【0050】
仮想温度に対する影響に加えて、アニール点の上昇は、溶融及び形成系全体の温度、特にアイソパイプの温度も上昇させる。例えばEagle XGガラス及びLotus(商標)ガラス(コーニング社(ニューヨーク州コーニング))は、約50℃だけ異なるアニール点を有し、これらがアイソパイプへと送達される温度も50℃だけ異なる。1310℃超に長期間保持すると、アイソパイプを形成するジルコン耐火物は熱的クリープを示し、これはアイソパイプ自体の重量とアイソパイプ上のガラスの重量との合計によって加速できる。例示的なガラスの第2の態様は、その送達温度が約1350℃、又は1345℃、又は1340℃、又は1335℃、又は1330℃、又は1325℃、又は1320℃、又は1315℃、又は1310℃以下となるものである。このような送達温度により、アイソパイプを交換する必要なく、製造方式を延長できるか、又はアイソパイプの交換と交換との間の時間を延長できる。
【0051】
高いアニール点並びに1350℃未満及び1310℃未満の送達温度を有するガラスの製造の試行時、ガラスは、アニール点がより低いガラスに対して、アイソパイプの基部及び特に縁部配向器における失透へのより高い傾向を示すことが分かった。アイソパイプ上の温度プロファイルを注意深く測定すると、縁部配向器の温度は、中央基部温度に対して予想されたよりもはるかに低いことが分かり、これは放射性熱損失によるものであると考えられる。縁部配向器は典型的には、中央基部温度未満の温度に維持され、これにより、上記ガラスが、基部を出る際に、縁部配向器間のシートを張力下とすることによって平坦な形状を維持するために十分な粘度を有することを保証する。縁部配向器はアイソパイプの両端に位置するため、縁部配向器は加熱が難しく、基部の中央と縁部配向器との間の温度差は、50℃超となり得る。
【0052】
理論によって束縛されることを望むものではないが、フュージョンプロセスにおける失透への傾向の増大は、温度の関数としてのガラスの放射性熱損失の観点から理解できると考えられる。フュージョンプロセスは実質的に等温プロセスであり、従ってガラスは、ある特定の粘度で流入口から出て、これよりはるかに高い粘度で基部から出るが、粘度に関する実際の値は、ガラスの同一性又はプロセスの温度によって大きくは左右されない。従って、比較的高いアニール点を有するガラスは一般に、単に送達時の粘度と出口での粘度とを適合させるために、比較的低いアニール点を有するガラスよりもはるかに高いアイソパイプ温度を必要とする。
図3は、それぞれEagleXGガラス及びLotusガラスに関するアイソパイプ(
図2の10)の基部のおおよその温度である1140℃及び1200℃に対応する黒体スペクトルを示す。約2.5mmにおける垂直な線は、赤外線カットオフ、即ちボロシリケートガラスにおける光の吸収が、ある高い、略一定の値へと極めて急峻に上昇する近赤外線領域の開始に概ね対応する。上記カットオフ波長より短い波長において、ガラスは300〜400nmの波長、UVカットオフに対して顕著な透過性を有する。約300nm〜約2.5mmでは、1200℃黒体は、1140℃黒体よりも絶対エネルギ及び総エネルギ中の画分が大きい。ガラスはこの波長範囲を通して顕著な透過性を有するため、1200℃におけるガラスからの放射性熱損失は、1140℃におけるガラスの放射性熱損失よりもはるかに大きい。
【0053】
ここでもまた、動作に関するいずれの特定の理論に束縛されるものではないが、放射性熱損失は温度によって上昇するため、また高アニール点ガラスは一般に低アニール点ガラスよりも高温で形成されるため、中央基部と縁部配向器との間の温度差は一般に、ガラスのアニール点と共に増大すると考えられる。これは、アイソパイプ又は縁部配向器上で失透産物を形成するガラスの傾向と直接関係し得る。
【0054】
ガラスの液相線温度は、ガラスを無期限にその温度に保持した場合に結晶質相が現れる、最高の温度として定義される。液相粘度は、上記液相線温度のガラスの粘度である。アイソパイプ上での失透を完全に回避するために、液相粘度を、液相線温度又はその付近においてアイソパイプ耐火物又は縁部配向器材料上にガラスが存在しないことを保証するために十分な高さとすることが有用であり得る。
【0055】
実際には、所望の大きさの液相粘度を有するアルカリ非含有ガラスはわずかである。非晶質シリコン用途に好適な基板ガラス(例えばEagleXGガラス)を用いた実験により、縁部配向器を、特定のアルカリ非含有ガラスの液相線温度未満の最高60℃の温度において連続的に保持できることが示されている。より高いアニール点を有するガラスがより高い成形温度を必要とすることは理解されていたが、縁部配向器が中央の基部温度に対してはるかに低温となることは予期されていなかった。この効果を追跡し続けるための有用なメトリックは、アイソパイプへの送達温度とガラスの液相線温度T
liqとの間の差である。フュージョンプロセスでは、ガラスを35000ポアズ(3500Pa・s)(T
35k)で送達することが一般に望ましい。ある特定の送達温度に関して、T
35k‐T
liqを可能な限り大きくすることが有用であり得るが、Eagle XGガラス等の非晶質シリコン基板に関して、T
35k‐T
liqが約80℃以上であれば、拡張された製造方式を実施できることが分かっている。温度が上昇するにつれてT
35k‐T
liqも同様に上昇することになり、従って1300℃付近のT
35kに関して、約100℃以上のT
35k‐T
liqを有することが有用となり得る。T
35k‐T
liqに関する最小の有用な値は、約1200℃から約1320℃までの温度でおおよそ線形に変化し、これは式(1)に従って表すことができる。
【0056】
最小T
35k‐T
liq=0.25T
35k‐225 (1)
ここですべての温度は℃である。従って例示的なガラスの1つ又は複数の実施形態は、>0.25T
35k‐225℃のT
35k‐T
liqを有する。
【0057】
更に、形成プロセスは、高液相粘度を有するガラスを必要とし得る。これは、ガラスとの境界面における失透産物を回避するため、及び最終的なガラスにおける視認可能な失透産物を最小化するために必要である。従って、特定のシートサイズ及び厚さへのフュージョンプロセスに適合可能な、ある所与のガラスに関して、より幅広いシート又はより厚いシートを製造するためのプロセスの調整は一般に、アイソパイプの両端における温度の低下をもたらす。いくつかの実施形態は、フュージョンプロセスによる製造に、より高い柔軟性を提供するために、より高い液相粘度を有する。いくつかの実施形態では、液相粘度は150kP(15kPa・s)以上である。
【0058】
フュージョンプロセスにおける、液相粘度と後続の失透の傾向との間の関係の試験において、本発明者らは驚くべきことに、例示的なガラスの送達温度等の高い送達温度が一般に、長期生産のために、アニール点がより低い典型的なAMLCD基板組成物の場合よりも高い液相粘度を必要とすることを発見した。理論によって束縛されることを望むものではないが、これは、温度上昇に従って結晶成長の速度が加速されることを原因とすると考えられる。フュージョンプロセスは本質的に等粘度プロセスであり、従って何らかの固定温度において比較的高粘度のガラスは、比較的低粘度のガラスに比べて高い温度でのフュージョンプロセスによって形成できる。比較的低温のガラスでは、ある程度の過冷却(液相線温度未満での冷却)を長期間持続させることができるが、結晶成長速度は温度と共に上昇するため、比較的高粘度のガラスは、比較的低粘度のガラスよりも短期間で、同等の許容できない量の失透産物を成長させる。失透産物は、形成される場所に応じて、形成安定性に関する妥協をもたらす場合があり、また最終的なガラスに視認可能な欠陥を導入する場合がある。
【0059】
フュージョンプロセスで形成するために、ガラス組成物の1つ又は複数の実施形態は、約150000ポアズ又(15000Pa・s)は175000(17500Pa・s)ポアズ又は200000ポアズ(20000Pa・s)以上の液相粘度を有する。驚くべき結果として、例示的なガラスの範囲全体にわたって、ガラスの液相粘度を他の組成物に比べて極めて高くするために十分に低い液相線温度及び十分に高い粘度を得ることができる。
【0060】
本明細書に記載のガラス組成物において、SiO
2は、基本的なガラス形成剤として機能する。特定の実施形態では、SiO
2の濃度はフラットパネルディスプレイガラス(例えばAMLCDガラス)に好適な密度及び耐化学性、並びにガラスがダウンドロープロセス(例えばフュージョンプロセス)によって成形可能となる液相線温度(液相粘度)をガラスに提供するために、60モルパーセント超とすることができる。上限に関しては、一般にSiO
2濃度は、従来の大容積溶融技術、例えば耐火性溶融器内でのジュール溶融を用いてバッチ材料を溶融可能とするために、約80モルパーセント以下とすることができる。SiO
2の濃度が上昇すると、200ポアズ(20Pa・s)温度(融点)は一般に上昇する。様々な用途において、SiO
2濃度は、ガラス組成物が1750℃以下の融点を有するように調整される。いくつかの実施形態では、SiO
2濃度は、約63.0モル%〜約75.0モル%、又は約63.0モル%〜約71.0モル%、又は約65.0モル%〜約73モル%、又は約67モル%〜72モル%、又は約68.0〜72.0モル%、又は約68.0モル%〜約71.0モル%、又は約68.0モル%〜約70.5モル%、又は約68.1モル%〜約72.3モル%、又は約68.5〜約72.0モル%、又は約68.95モル%〜約71.12モル%、又は約69.7〜約71.7モル%である。
【0061】
Al
2O
3は、本明細書に記載のガラスを作製するために使用される、別のガラス形成剤である。10モルパーセント以上のAl
2O
3濃度は、ガラスに、低い液相線温度及び高い粘度をもたらし、これは高い液相粘度をもたらす。少なくとも10モルパーセントのAl
2O
3を使用することにより、ガラスのアニール点及びヤング率も改善される。比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3を1.0以上とするために、Al
2O
3濃度は約15モルパーセント未満としてよい。いくつかの実施形態では、Al
2O
3濃度は約11.0〜14.0モルパーセント、又は約11.0〜約13.6モル%、又は約13.0モル%〜約14.5モル%、又は約13.0モル%〜約14.0モル%、又は約13.0モル%〜約14.18モル%である。いくつかの実施形態では、Al
2O
3濃度は、約9.5モル%、10.0モル%、10.5モル%、11.0モル%、11.5モル%、12.0モル%、12.5モル%又は13.0モル%以上であり、その一方で比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3を約1.0以上に維持する。
【0062】
本開示のいくつかの実施形態は、約81GPa、又は81.5GPa、又は82GPa、又は82.5GPa、又は83GPa、又は83.5GPa、又は84GPa、又は84.5GPa、又は85GPaのヤング率を有する。様々な実施形態では、アルミノシリケートガラス物品は、約81GPa〜約88GPa、又は約81.5GPa〜約85GPa、又は約82GPa〜約84.5GPaのヤング率を有する。
【0063】
アルミノシリケートガラス物品のいくつかの実施形態の密度は、約2.7g/cc、又は2.65g/cc、又は2.61g/cc、又は2.6g/cc、又は2.55g/cc未満である。様々な実施形態では、上記密度は約2.55g/cc〜約2.65g/cc、又は約2.57g/cc〜約2.626g/ccである。
【0064】
B
2O
3は、ガラス形成剤でもあり、また溶融を支援して融点を低下させる融剤でもある。B
2O
3は、液相線温度及び粘度の両方に対して影響を及ぼす。使用するB
2O
3の量を増大させると、ガラスの液相粘度を上昇させることができる。これらの効果を達成するために、1つ又は複数の実施形態のガラス組成物は、0.1モルパーセント以上のB
2O
3濃度を有する。SiO
2に関して上述したように、ガラスの耐久性はLCD用途に関して極めて重要である。耐久性は、アルカリ土類酸化物の濃度を上昇させることによってある程度制御でき、またB
2O
3含量を増大させることによって大幅に低下させることができる。アニール点は、B
2O
3が増大するにつれて低下するため、非晶質シリコン基板中でのB
2O
3の典型的な濃度に対して、B
2O
3含量を低く維持することが有用となり得る。従っていくつかの実施形態では、ガラス組成物は、約0.0〜3.0モルパーセント、又は0超〜約3.0モル%、又は約0.0〜約2.8モル%、又は0超〜約2.8モル%、又は約0.0〜約2.5モル%、又は0超〜約2.5モル%、又は約0.0〜約2.0モル%、又は0超〜約2.0モルパーセント、又は約0.1モル%〜約3.0モル%、又は約0.75モル%〜約2.13モル%のB
2O
3濃度を有する。
【0065】
Al
2O
3及びB
2O
3濃度は、ガラスの溶融及び形成特性を維持しながら、アニール点を上昇させ、ヤング率を上昇させ、耐久性を改善し、密度を低減し、熱膨張係数(CTE)を低減するよう、合わせて選択される。
【0066】
例えば、B
2O
3の増加及びこれに対応するAl
2O
3の低減は、低密度及びCTEを得るにあたって有用であり得、一方でAl
2O
3の増加及びこれに対応するB
2O
3の低減は、Al
2O
3の増加によって比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3が約1.0未満に低下しない限り、アニール点、ヤング率及び耐久性を上昇させるにあたって有用であり得る。約1.0未満の比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3に関しては、シリカ原材料の後段溶融によってガラスから気体包有を除去することが困難又は不可能となり得る。更に(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3≦1.05である場合、アルミノシリケート結晶であるムライトが液相として出現し得る。ムライトが液相として存在すると、組成物の液相に対する感受性が大幅に上昇し、ムライト失透産物は極めて迅速に成長する上、一旦確立されると除去が極めて困難である。従っていくつかの実施形態では、ガラス組成物は、≧1.0(即ち約1.0以上)の(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3を有する。様々な実施形態では、ガラスは≧1.05(即ち約1.05以上)、又は約1〜約1.17の(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3を有する。
【0067】
1つ又は複数の実施形態ではAMLCD用途に使用するためのガラスは、約28×10
‐7/℃〜約42×10
‐7/℃、又は約30×10
‐7/℃〜約40×10
‐7/℃、又は約32×10
‐7/℃〜約38×10
‐7/℃の熱膨張係数(CTE)(22‐300℃)を有する。
【0068】
ガラス形成剤(SiO
2、Al
2O
3及びB
2O
3)に加えて、本明細書に記載のガラスはアルカリ土類酸化物も含む。一実施形態では、例えばMgO、CaO及びBaO並びに任意にSrOといった、少なくとも3つのアルカリ土類酸化物がガラス組成の一部となる。アルカリ土類酸化物は、溶融、清澄、成形及び最終的な使用のために重要な様々な特性をガラスにもたらす。従って、これらの点でガラスの性能を改善するために、一実施形態では、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3比を約1.0以上とする。この比が増加するにつれて、粘度は液相線温度よりも強く上昇する傾向を有し、従ってT
35k‐T
liqに関して好適な高い値を得ることがますます困難となる。よって別の実施形態では、比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3を約2以下とする。いくつかの実施形態では、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3比は、約1〜約1.2、又は約1〜約1.16、又は約1.1〜約1.6である。詳細な実施形態では、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3比は、約1.7、又は1.6、又は1.5未満である。
【0069】
本開示の特定の実施形態に関して、アルカリ土類酸化物は、事実上単一の組成構成成分であるかのように扱ってよい。これは、粘弾性、液相線温度及び液相の関係性に対するこれらアルカリ土類酸化物の影響が、ガラス形成酸化物SiO
2、Al
2O
3及びB
2O
3に対してよりも、互いに対して、より定量的に同等であるためである。しかしながら、アルカリ土類酸化物CaO、SrO及びBaOは、長石系鉱物、特にアノーサイト(CaAl
2Si
2O
8)及びセルシアン(BaAl
2Si
2O
8)、並びにそのストロンチウム担持固溶体を形成し得るが、MgOは相当な程度まで、これらの結晶に関与しない。従って、長石結晶が既に液相である場合、MgOの更なる添加は、結晶に対して液体を安定させ、従って液相線温度を低下させる役割を果たし得る。同時に、粘度曲線は典型的にはより急峻となり、低温粘性に殆ど又は全く影響を及ぼさずに融点が低減される。
【0070】
本発明者らは、少量のMgOの添加が、高いアニール点及びこれに伴って小さいコンパクションを保持した状態での、低減された融点での溶融、低減された液相線温度及び上昇した液相粘度での成形に役立ち得ることを発見した。様々な実施形態では、ガラス組成物は、約0.9モル%〜約9モル%、又は約1.0モル%〜約7.2モル%、又は約1.0モル%〜約6.0モル%、又は約2.1モル%〜約5.68モル%、又は約3.1モル%〜約5.9モル%、又は約3.5モル%〜約5.0モル%の量のMgOを含む。
【0071】
本発明者らは驚くべきことに、好適な高い値のT
35k‐T
liq、及び好適な高い値の、MgOの他のアルカリ土類に対する比率、即ちMgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)を有するガラスが、比較的狭い範囲に収まることを発見した。上述のように、MgOの添加により、長石類の鉱物を不安定化させることができ、従って液体を安定化して液相線温度を低下させることができる。しかしながら、MgOがある一定のレベルに達すると、ムライト、即ちAl
6Si
2O
13が安定化される場合があり、これによって液相線温度が上昇して液相粘度が低下する。更に、MgOの濃度が高いと、液体の粘度が低下する傾向があり、従って、MgOの添加によって液相粘度が変化しないままであっても、最終的に液相粘度が低下する。よって別の実施形態では、0.20≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.40であり、又はいくつかの実施形態では、0.22≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.37である。これらの範囲内において、MgOをガラス形成剤及び他のアルカリ土類酸化物に対して変化させて、他の望ましい特性を獲得しながら、T
35k‐T
liqの値を最大化できる。
【0072】
動作に関するいずれの特定の理論に束縛されるものではないが、ガラス組成中に存在する酸化カルシウムは、低い液相線温度(高い液相粘度)、高いアニール点及びヤング率、並びにフラットパネル用途、具体的にはAMLCD用途のために最も望ましい範囲のCTEをもたらすことができる。上記酸化カルシウムはまた、耐化学性にも良好に寄与し、他のアルカリ土類酸化物に比べて、バッチ材料として比較的安価である。しかしながらCaOは、濃度が高いと、密度及びCTEを上昇させる。更にCaOは、SiO
2濃度が十分に低いと、アノーサイトを安定化させる場合があり、従って液相粘度を低下させる場合がある。従って1つ又は複数の実施形態では、CaO濃度を4モルパーセント以上、又は4.0モル%とすることができる。様々な実施形態では、ガラス組成中のCaO濃度は、約4.0モル%〜約8.0モル%、又は約4.1モル%〜約10モル%(若しくは10.0モル%)、又は約4.12モル%〜約7.45モル%、又は約4.5モル%〜約7.4モル%、又は約5.0モル%〜約6.5モル%、又は約5.25モル%〜約11モル%(若しくは11.0モル%)、又は約5.25モル%〜約10モル%(若しくは10.0モル%)、又は約5.25モル%〜約6.5モル%、又は約5.25モル%〜約6.0モル%である。
【0073】
SrO及びBaOは共に、低い液相線温度(高い液相粘度)に寄与でき、従って本明細書に記載のガラスは典型的には、少なくともこれらの酸化物を両方共含有することになる。しかしながら、これらの酸化物の濃度は、CTE及び密度の上昇並びにヤング率及びアニール点の低下を回避できるように選択される。SrO及びBaOの相対的比率は、ダウンドロープロセスによってガラスを成形できるような物理的特性と液相粘度との好適な組み合わせが得られるよう、バランスを取ることができる。様々な実施形態では、ガラスは、約0〜約6.0モル%、又は0超〜約6.0モル%、又は約0〜約4.5モル%、4.2モル%、若しくは2.0モル%、又は0超〜約4.5モル%、4.2モル%、若しくは2.0モル%、又は約0.45モル%〜約4.15モル%のSrOを含む。いくつかの実施形態ではSrOの最小量は約0.02モル%である。1つ又は複数の実施形態では、ガラスは、約0〜約4.5モル%、又は0超〜約4.5モル%、又は約1.0〜約9.0モル%、又は約1.2モル%〜約4.4モル%、又は約2.42モル%〜約4.3モル%、又は約2.5モル%〜約4.5モル%、又は約2.6モル%〜約4.4モル%、又は約3.0モル%〜約5.4モル%、又は約3.5モル%〜約4.0モル%のBaOを含む。
【0074】
本開示のガラスの中心的な構成成分の効果/役割をまとめると、SiO
2は基本的なガラス形成剤である。Al
2O
3及びB
2O
3もまたガラス形成剤であり、これらはペアとして選択でき、例えばB
2O
3の増加とこれに対応するAl
2O
3の減少を用いて、より低い密度及びCTEが得られ、その一方で、Al
2O
3用量の増加がRO/Al
2O
3比(ここでRO= (MgO+CaO+SrO+BaO)である)を約1.0未満まで低下させない限りにおいて、Al
2O
3の増加とこれに対応するB
2O
3の減少とを用いて、上昇したアニール点、ヤング率及び耐久性が得られる。上記比があまりに小さいと、溶融性について妥協が必要となり、即ち融点が高くなり過ぎる。B
2O
3は、融点を低下させるために使用できるものの、高レベルのB
2O
3は、アニール点についての妥協を必要とする。
溶融性及びアニール点に関する考慮に加えて、AMLCD用途に関して、ガラスのCTEをシリコンのCTEと適合させる必要がある。このようなCTE値を達成するために、例示的なガラスは、ガラスのRO含量を制御できる。所与のAl
2O
3含量に関して、RO含量の制御は、RO/Al
2O
3比の制御に対応する。実際には、RO/Al
2O
3比を約1.6未満とすると、好適なCTEを有するガラスが製造される。
【0075】
これらの考察に加えて、ガラスは好ましくはダウンドロープロセス、例えばフュージョンプロセスによって成形可能であり、ガラスの液相粘度を比較的高くする必要があることを意味する。個々のアルカリ土類は、これらのアルカリ土類が存在しない場合に形成される結晶相を不安定化させることができるため、この点で重要な役割を果たす。BaO及びSrOは、液相粘度の制御において特に有効であり、例示的なガラスに、少なくともこの目的のために含まれる。以下に提示する実施例において例示されるように、アルカリ土類の様々な組み合わせによって、アルカリ土類の総量が、低い融点、高いアニール点及び好適なCTEを達成するために必要なRO/Al
2O
3比を満たす、高い液相粘度を有するガラスが製造される。いくつかの実施形態では、液相粘度は約150kP(15kPa・s)以上である。
【0076】
上述の構成成分に加えて、本明細書に記載のガラス組成物は、ガラスの様々な物理的、溶融、清澄及び成形属性を調整するために、他の様々な酸化物を含むことができる。このような他の酸化物の例としては、TiO
2、MnO、Fe
2O
3、ZnO、Nb
2O
5、MoO
3、Ta
2O
5、WO
3、Y
2O
3、La
2O
3及びCeO
2、並びに他の希土類酸化物及びリン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、これらの酸化物それぞれの量は、2.0モルパーセント以下とすることができ、またこれらの合計濃度は5.0モルパーセント以下とすることができる。いくつかの実施形態では、ガラス組成物は、約0〜約1.5モル%、又は約0〜約1.0モル%の量のZnOを含む。本明細書に記載のガラス組成物はまた、バッチ材料に関連する、並びに/又はガラスを製造するために使用される溶融、清澄及び/若しくは成形設備によってガラス中に導入される、様々な汚染物質、特にFe
2O
2及びZrO
2も含む場合がある。ガラスはまた、スズ‐酸化物電極を用いたジュール溶融の結果として、及び/又はスズ含有材料、例えばSnO
2、SnO、SnCO
3、SnC
2O
2等のバッチ化によって、SnO
2も含有する場合がある。
【0077】
ガラス組成物は一般にアルカリ非含有であるが、ガラスは何らかのアルカリ汚染物質を含有する場合がある。AMLCD用途の場合、ガラスから薄膜トランジスタ(TFT)のシリコン中へのアルカリイオンの拡散による、TFT性能に対する悪影響がもたらされるのを回避するために、アルカリレベルを0.1モルパーセント未満に維持することが望ましい。本明細書で使用される場合、「アルカリ非含有ガラス(alkali‐free glass)」は、0.1モルパーセント以下の合計アルカリ濃度を有するガラスであり、ここで合計アルカリ濃度は、Na
2O、K
2O及びLi
2O濃度の合計である。一実施形態では、合計アルカリ濃度は0.1モルパーセント以下である。
【0078】
上述のように、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3比が1.0以上であると、清澄、即ち溶融バッチ材料からの気体包有の除去が改善される。この改善により、より環境にやさしい清澄用パッケージの使用が可能となる。例えば本明細書に記載のガラス組成物は、酸化物基準で、以下の組成的特徴のうちの1つ又は複数又は全てを有することができる:(i)最高0.05モルパーセントのAs
2O
3濃度;(ii)最高0.05モルパーセントのSb
2O
3濃度;(iii)最高0.25モルパーセントのSnO
2濃度。
【0079】
As
2O
3は、AMLCDガラスにとって有効な高温清澄剤であり、本明細書に記載のいくつかの実施形態では、As
2O
3はその優れた清澄特性により、清澄のために使用される。しかしながらAs
2O
3は有毒であり、ガラス製造プロセス中に特別な取り扱いが必要である。従って特定の実施形態では、清澄は、有意量のAs
2O
3を用いずに実施され、即ち完成したガラスは最高0.05モルパーセントのAs
2O
3濃度を有する。一実施形態では、ガラスの清澄においてAs
2O
3を敢えて使用しない。このような場合、完成したガラスは典型的には、バッチ材料中及び/又はバッチ材料の溶融に使用される設備中に存在する汚染物質を原因とする、最高0.005モルパーセントのAs
2O
3濃度を有する。
【0080】
As
2O
3ほどの毒性はないが、Sb
2O
3もまた有毒であり、特別な取り扱いが必要である。更にSb
2O
3は、As
2O
3又はSnO
2を清澄剤として使用したガラスと比較して、密度を上昇させ、CTEを上昇させ、アニール点を低下させる。従って特定の実施形態では、清澄は、有意量のSb
2O
3を用いずに実施され、即ち完成したガラスは最高0.05モルパーセントのSb
2O
3濃度を有する。別の実施形態では、ガラスの清澄においてSb
2O
3を敢えて使用しない。このような場合、完成したガラスは典型的には、バッチ材料中及び/又はバッチ材料の溶融に使用される設備中に存在する汚染物質を原因とする、最高0.005モルパーセントのSb
2O
3濃度を有する。
【0081】
As
2O
3及びSb
2O
3による清澄に比べて、スズによる清澄(即ちSnO
2による清澄)は効果が低いものの、SnO
2は、既知の危険な特性を有しないありふれた材料である。また長年にわたって、AMLCDガラスのためのバッチ材料のジュール溶融においてスズ酸化物電極を使用することにより、SnO
2はこのようなガラスの構成成分であった。AMLCDガラス中のSnO
2の存在は、これらのガラスを液晶ディスプレイの製造に使用するにあたって、既知の悪影響を何らもたらしていない。しかしながら、SnO
2の濃度が高いと、AMLCDガラス中に結晶性欠陥が形成される場合があるため、これは好ましくない。一実施形態では、完成したガラス中のSnO
2の濃度は、0.25モルパーセント以下である。
【0082】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の比較的粘度のガラスは、ガラスに対していずれの有害な影響を及ぼすことなく、SnO
2の比較的高い濃度を可能とすることができることが、思いがけず発見された。例えば従来の知見では、高いアニール点を有するガラスは高い融点をもたらすとされる。このような高い融点は、各ガラスの包有物に関する品質を悪化させ得る。このような包有物に関する品質に対処するために、清澄剤を添加できるが、低粘度のガラスは一般に、ガラス中でSnO
2が結晶化するため、SnO
2の添加が不可能である。しかしながら、本明細書に記載されているような例示的なガラスは比較的高い粘度を有することができ、これは比較的高い形成温度をもたらし、従ってより高い濃度の化学清澄剤をガラスに添加することが可能となり、これによって包有物が少なくなる。簡単に言えば、例示的なガラスの組成を変化させて、より高いプロセス温度を生成することにより、より多量の清澄剤を添加して、結晶化が起こる前に包有物を除去できることが発見された。従って例示的なガラスは、0.001モル%〜0.5モル%の濃度のSnO
2を含むことができ、また約1270℃以上、約1280℃以上又は約1290℃以上のT
35kPを有することができる。別の例示的なガラスは、0.001モル%〜0.5モル%の濃度のSnO
2を含むことができ、また約1650℃以上、約1660℃以上又は約1670℃以上のT
200Pを有することができる。別の例示的なガラスは、0.001モル%〜0.5モル%の濃度のSnO
2を含むことができ、また約1270℃以上、約1280℃以上又は約1290℃以上のT
35kP、及び約1650℃以上、約1660℃以上又は約1670℃以上のT
200Pを有することができる。更なる例示的なガラスは、0.001モル%〜0.5モル%の濃度のSnO
2を含むことができ、また約1150℃超、約1165℃超又は約1170℃超の液相線温度を有することができる。このようなガラスはまた、上述のようなT
35kP及び/又はT
200Pも提供できる。当然のことながら、スズ‐酸化物電極を用いたジュール溶融の結果として、及び/又は例えばSnO
2、SnO、SnCO
3、SnC
2O
2等のスズ含有材料のバッチ化によって、ガラス中に提供できる。
【0083】
スズによる清澄は、単独で、又は望ましい場合は他の清澄技術と組み合わせて使用できる。例えばスズによる清澄は、ハロゲン化物による清澄、例えば臭素による清澄と組み合わせることができる。他の可能な組み合わせとしては、スズによる清澄と、硫酸塩、硫化物、酸化セリウム、機械的バブリング及び/又は真空による清澄との組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。これらの他の清澄技術は単独で使用できると考えられる。特定の実施形態では、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3比及び個々のアルカリ土類の濃度を上述の範囲内に維持することにより、清澄プロセスは、実行がより容易となり、またより効果的となる。
【0084】
本明細書に記載のガラスは、当該技術分野で公知の様々な技術を用いて製造できる。一実施形態では、ガラスは、例えばフュージョンダウンドロープロセス等のダウンドロープロセスを用いて作製される。一実施形態では、本明細書に記載されるのは、シートを構成するガラスがSiO
2、Al
2O
3、B
2O
3、MgO、CaO及びBaOを含み、かつ酸化物基準で:(i)1:0以上の(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3比;(ii)3.0モルパーセント以上のMgO含量;(iii)4.0モルパーセント以上のCaO含量;及び(iv)1.0モルパーセント以上のBaO含量を含むように、バッチ材料を選択、溶融及び清澄するステップを含む、ダウンドロープロセスによってアルカリ非含有ガラスシートを製造するための方法であり、ここで:(a)上記清澄は、有意量のヒ素を用いることなく(及び任意に、有意量のアンチモンを用いることなく)実施され;並びに(b)溶融及び清澄済みバッチ材料からダウンドロープロセスによって製造された50個の連続するガラスシートの集合は、0.10気体包有/立方センチメートルのレベルの平均気体包有を有し、上記集合中の各シートは少なくとも500立方センチメートルの体積を有する。
【0085】
米国特許第5785726号明細書(Dorfeldら)、米国特許第6128924号明細書(Bangeら)、米国特許第5824127号明細書(Bangeら)、並びに米国特許第7628038号明細書及び同第7628039号明細書(De Angelisら)は、ヒ素非含有ガラスを製造するためのプロセスを開示している。米国特許第7696113号明細書(Ellison)は、気体包有を最小化するために鉄及びスズを用いて、ヒ素及びアンチモン非含有ガラスを製造するためのプロセスを開示している。
【0086】
一実施形態によると、溶融及び清澄済みのバッチ材料からダウンドロープロセスによって製造された50個の連続したガラスシートの集合は、0.05気体包有/立方センチメートル未満の平均気体包有レベルを有し、上記集合中の各シートは、少なくとも500立方センチメートルの体積を有する。
【0087】
ガラス組成物のエッチング速度は、材料をガラスから除去できる早さの指標であり、迅速なエッチング速度は、パネルメーカーにとって価値を提供することが分かっている。本発明者らは「エッチング指数(etch index)」を識別した。これは、あるガラス組成物の、市場において関連するエッチングプロセス(例えば限定するものではないが、30℃の10%HF/5%HCl溶液中での10分間の浸漬)におけるエッチング速度の推定を可能とする。このエッチング指数は、式(2):
エッチング指数=‐54.6147+(2.50004)*(Al
2O
3)+(1.3134)*(B
2O
3)+(1.84106)*(MgO)+(3.01223)*(CaO)+(3.7248)*(SrO)+(4.13149)*(BaO) (2)
によって定義され、ここで酸化物はモル%で表されている。いくつかの実施形態では、エッチング指数は約21以上である。様々な実施形態では、エッチング指数は約21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5又は31以上である。
【0088】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 68.5‐72.0
Al
2O
3 ≧13.0
B
2O
3 ≦2.5
MgO 1.0‐6.0
CaO 4.0‐8.0
SrO ≦4.5
BaO ≦4.5
を含み、
1.0≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3≦1.6であり、
エッチング指数≧21;
アニール点≧800℃;及び
ヤング率>82GPaである、ガラス組成物を対象とする。
【0089】
本開示の1つ又は複数の実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 63.0‐71.0
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐3.0
MgO 0.9‐9.0
CaO 5.25‐6.5
SrO >0‐6.0
BaO 1.0‐9.0
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0090】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 68.0‐71.0
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐2.0
MgO 3.5‐5.0
CaO 5.25‐6.5
SrO >0‐2.0
BaO 2.5‐4.5
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0091】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 68.0‐70.5
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐3.0
MgO 0.9‐9.0
CaO 5.25‐11
SrO >0‐6.0
BaO 1.0‐9.0
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0092】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 68.0‐70.5
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐2.0
MgO 3.5‐5.0
CaO 5.25‐10.0
SrO >0‐2.0
BaO 2.5‐4.5
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0093】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 63.0‐75.0
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐2.8
MgO 0.9‐9.0
CaO 5.25‐11
SrO >0‐6.0
BaO 1.0‐9.0
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0094】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 68.0‐72.0
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐2.0
MgO 3.5‐5.0
CaO 5.25‐10.0
SrO >0‐2.0
BaO 2.5‐4.5
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0095】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 63.0‐75.0
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐3.0
MgO 0.9‐9.0
CaO 5.25‐11
SrO >0‐6.0
BaO 3.0‐5.4
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0096】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 68.0‐72.0
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐2.0
MgO 3.5‐5.0
CaO 5.25‐10.0
SrO >0‐2.0
BaO 2.5‐4.5
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0097】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 63.0‐75.0
Al
2O
3 13.0‐14.5
B
2O
3 >0‐2.0
MgO 0.9‐9.0
CaO 5.0‐6.5
SrO >0‐6.0
BaO 1.0‐9.0
を含み、
(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3 1.1‐1.6である、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0098】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 68.0‐72.0
Al
2O
3 13.0‐14.5
B
2O
3 >0‐2.0
MgO 3.5‐5.0
CaO 5.25‐6.5
SrO >0‐2.0
BaO 2.5‐4.5
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0099】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 63.0‐71.0
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐2.0
MgO 0.9‐9.0
CaO 5.25‐6.5
SrO >0‐6.0
BaO 1.0‐9.0
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0100】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 68.0‐71.0
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐2.0
MgO 3.5‐5.0
CaO 5.25‐6.5
SrO >0‐2.0
BaO 2.5‐4.5
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0101】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 63.0‐71.0
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐2.0
MgO 0.9‐9.0
CaO 5.0‐6.5
SrO >0‐6.0
BaO 3.5‐4.0
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0102】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 68.0‐71.0
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐2.0
MgO 3.5‐5.0
CaO 5.0‐6.5
SrO >0‐2.0
BaO 3.5‐4.0
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0103】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 63.0‐71.0
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐2.0
MgO 0.9‐9.0
CaO 5.0‐6.5
SrO >0‐6.0
BaO 1.0‐9.0
を含み、
CaOとBaOとの合計が>8.6である、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。
【0104】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 68.0‐71.0
Al
2O
3 13.0‐14.0
B
2O
3 >0‐2.0
MgO 3.5‐5.0
CaO 5.0‐6.5
SrO >0‐2.0
BaO 2.5‐4.5
を含む、ガラスを対象とする。
【0105】
本開示の1つ又は複数の実施形態は:約785℃以上のアニーリング温度;約2.65g/cc以下の密度;約1750℃以下のT
200P;約1340℃以下のT
35kP;約82GPa以上のヤング率;及び10%HF/HCl中において約17.3μm/mm
3以上のエッチング指数を有する、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。詳細な実施形態では、上記ガラスは:約800℃以上のアニーリング温度;約2.61g/cc以下の密度;約1700℃以下のT
200P;約1310℃以下のT
35kP;及び約18.5μm/mm
3以上のエッチング指数を有する。いくつかの実施形態では、上記ガラスは、約1740℃、又は1730℃、又は1720℃、又は1710℃、又は1700℃、又は1690℃、1680℃、は1670℃、1660℃、又は1650℃のT
200Pを有する。1つ又は複数の実施形態では、上記ガラスは、約1640℃〜約1705℃、又は約1646℃〜約1702℃、又は約1650℃〜約1700℃のT
200Pを有する。
【0106】
本開示の1つ又は複数の実施形態は:約785℃以上のアニーリング温度;約2.65g/cc以下の密度;約1750℃以下のT
200P;約1340℃以下のT
35kP;約82GPa以上のヤング率;又は10%HF/HCl中において約17.3μm/mm
3以上のエッチング指数のうちの1つ又は複数を有する、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。いくつかの実施形態では、上記ガラスは:約800℃以上のアニーリング温度;約2.61g/cc以下の密度;約1700℃以下のT
200P;約1310℃以下のT
35kP;又は約18.5μm/mm
3以上のエッチング指数のうちの1つ又は複数を有する。
【0107】
本開示の1つ又は複数の実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 69.76‐71.62
Al
2O
3 11.03‐13.57
B
2O
3 0‐2.99
MgO 3.15‐5.84
CaO 4.55‐7.35
SrO 0.2‐1.99
BaO 2.61‐4.41
ZnO 0‐1.0
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスであって、上記ガラスは、約1.0‐1.6である比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3、及び約0.22‐0.37である比MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)を有する、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。様々な実施形態では、上記ガラスは:>785℃のT(ann);<2.65g/ccの密度;<1750℃のT(
200P);<1340℃のT(
35kP);>82GPaのヤング率;又は>21μm/mm
3のエッチング指数のうちの1つ又は複数を有する。
【0108】
本開示のいくつかの実施形態は、酸化物基準のモルパーセントで:
SiO
2 68.14‐72.29
Al
2O
3 11.03‐14.18
B
2O
3 0‐2.99
MgO 1.09‐7.2
CaO 4.12‐9.97
SrO 0.2‐4.15
BaO 1.26‐4.41
ZnO 0‐1.0
を含む、実質的にアルカリ非含有のガラスであって、比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3は約1.0‐1.6であり、比MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)は約0.22‐0.37である、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。様々な実施形態では、上記ガラスは:>785℃のT(ann);<2.65g/ccの密度;<1750℃のT(
200P);<1340℃のT(
35kP);>82GPaのヤング率;又は>21μm/mm
3のエッチング指数のうちの1つ又は複数を有する。
【0109】
本開示の1つ又は複数の実施形態は、比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3が約1.0‐1.6であり、比MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)が約0.22‐0.37である、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。いくつかの実施形態では、上記ガラスは:>785℃のT(ann);<2.65g/ccの密度;<1750℃のT(
200P);<1340℃のT(
35kP);>82GPaのヤング率;又は>21μm/mm
3のエッチング指数のうちの1つ又は複数を有する。様々な実施形態では、上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで:68.14‐72.29のSiO
2;11.03‐14.18のAl
2O
3;0‐2.99のB
2O
3;1.09‐7.2のMgO;4.12‐9.97のCaO;0.2‐4.15のSrO;1.26‐4.41のBaO;及び/又は0‐1.0のZnOのうちの1つ又は複数を含む。
【0110】
いくつかの実施形態は、比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3が約1.0‐1.6であり、比MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)が約0.22‐0.37である、実質的にアルカリ非含有のガラスであって、上記ガラスは>150kP(15kPa・s)の液相粘度を有する、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とする。様々な実施形態では、上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで:68.14‐72.29のSiO
2;11.03‐14.18のAl
2O
3;0‐2.99のB
2O
3;1.09‐7.2のMgO;4.12‐9.97のCaO;0.2‐4.15のSrO;1.26‐4.41のBaO;及び/又は0‐1.0のZnOのうちの1つ又は複数を含む。
【0111】
1つ又は複数の実施形態は、比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3が約1.0‐1.6である、実質的にアルカリ非含有のガラスを対象とし、上記ガラスは、23μm/mm
3以上のエッチング指数、>800℃のT(ann)、及び>82GPaのヤング率を有する。様々な実施形態では、上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで:68.14‐72.29のSiO
2;11.03‐14.18のAl
2O
3;0‐2.99のB
2O
3;1.09‐7.2のMgO;4.12‐9.97のCaO;0.2‐4.15のSrO;1.26‐4.41のBaO;及び/又は0‐1.0のZnOのうちの1つ又は複数を含む。
【0112】
本開示のいくつかの実施形態は、実質的にアルカリ非含有のアルミノシリケートガラス物品であって、上記ガラス物品は:約795℃以上のアニーリング温度;約2.63g/cc以下の密度;約1730℃以下のT
200P;約1320℃以下のT
35kP;約81.5GPa以上のヤング率;及び約23μm/mm
3以上のエッチング指数を有する、ガラス物品を対象とする。様々な実施形態では、上記アルミノシリケートガラス物品は:68.5‐72モル%のSiO
2;13モル%以上のAl
2O
3;0‐2.5モル%のB
2O
3;1‐6モル%のMgO;4‐8モル%のCaO;0‐4.5モル%のSrO;0‐4.5モル%のBaO;及び/又は1‐1.6である比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3のうちの1つ又は複数を含む。
【0113】
本開示のいくつかの実施形態は、実質的にアルカリ非含有のアルミノシリケートガラス物品であって、上記ガラス物品は:約800℃以上のアニーリング温度;約2.61g/cc以下の密度;約1710℃以下のT
200P;約1310℃以下のT
35kP;約81.2GPa以上のヤング率;及び約23μm/mm
3以上のエッチング指数を有する、ガラス物品を対象とする。様々な実施形態では、上記アルミノシリケートガラス物品は:68.5‐72モル%のSiO
2;13モル%以上のAl
2O
3;0‐2.5モル%のB
2O
3;1‐6モル%のMgO;4‐8モル%のCaO;0‐4.5モル%のSrO;0‐4.5モル%のBaO;及び/又は1‐1.6である比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3のうちの1つ又は複数を含む。
【0114】
本開示の様々な実施形態は、該特定の実施形態に関連して説明されている特定の特徴、要素又はステップを伴ってよいことが理解されるだろう。また、ある特定の特徴、要素又はステップは、それが1つの特定の実施形態に関連して説明されていても、相互交換可能であり、又は様々な例示されていない組み合わせ若しくは順列で、代替的な実施形態と組み合わせてよいことが理解されるだろう。
【0115】
本明細書において使用される場合、名詞は「少なくとも1つ(at least one)」の対象を指し、そうでないことが明示されていない限り、「ただ1つ(only one)」の対象に限定されないことも理解されたい。
【0116】
本明細書において、範囲は「約(about)」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表すことができる。このような範囲が表されている場合、例は、上記1つの特定の値から、及び/又は上記別の特定の値までを含む。同様に、先行語句「約」の使用によって、値が近似値として表されている場合、上記特定の値は別の態様を形成することが理解されるだろう。更に、各範囲の端点は、他方の端点との関係においても、他方の端点とは独立しても、重要であることが理解されるだろう。
【0117】
本明細書において使用される場合、用語「実質的な(substantial)」、「実質的に/略(substantially)」及びその変形形態は、記載されている特徴が、ある値又は記載と等しいか又は概ね等しいことを注記することを目的としている。更に「略同様の(substantially similar)」は、2つの値が等しいか又は概ね等しいことを示すことを目的としている。いくつかの実施形態では、「略同様の」は、互いの約10%以内、例えば互いの約5%以内又は互いの約2%以内の複数の値を示し得る。
【0118】
そうでないことが明言されていない限り、本明細書に記載のいずれの方法が、その複数のステップをある具体的な順序で実施することを必要とするものとして解釈されることは、全く意図されていない。従って、ある方法クレームが、その複数のステップが従うべき順序を実際に示していない場合、又は上記複数のステップがある具体的な順序に限定されることが請求項又は本説明において具体的に言明されていない場合、いずれの特定の順序を暗示することは一切意図されていない。
【0119】
特定の実施形態の様々な特徴、要素又はステップが、移行句「…を含む(comprising)」を用いて開示されている場合、移行句「…からなる(consisting of)」又は「…から本質的になる(consisting essentially of)」を用いて記載され得るものを含む代替的な実施形態も暗に含まれていることを理解されたい。従って例えば、A+B+Cを含む装置に対する、暗に含まれている代替的な実施形態は、装置がA+B+Cからなる実施形態、及び装置がA+B+Cから本質的になる実施形態を含む。
【0120】
本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示に対して様々な修正及び変形を実施できることは、当業者には理解されるであろう。当業者には、本開示の精神及び実質を具体化する本開示の実施形態の修正の組み合わせ、部分的組み合わせ及び変形が想起され得るため、本開示は、添付の請求項及びその均等物の範囲内の全てを含むものとして解釈されるものとする。
【実施例】
【0121】
以下の実施例は、本開示の主題による方法及び結果を例示するために以下に挙げられている。これらの実施例は、本明細書に開示された主題の全ての実施形態を包含することを意図したものではなく、代表的な方法及び結果を例示することを意図したものである。これらの実施例は、当業者に明らかな本開示の均等物及び変形例を排除することを意図したものではない。
【0122】
数字(例えば量、温度等)に関して精度を保証するための努力は払われているものの、多少の誤差及び偏差を考慮しなければならない。そうでないことが示されていない限り、温度は℃であり、環境温度におけるものであり、また圧力は大気圧又は大気圧付近である。組成物自体は、酸化物基準のモルパーセントで与えられ、100%に平準化されている。反応条件、例えば構成成分濃度、温度、圧力、並びに本記載のプロセスから得られる産物の純度及び収率を最適化するために使用できる他の反応範囲及び条件の、多数の変形例及び組み合わせが存在する。このようなプロセス条件を最適化するために、合理的かつ慣例的な実験のみが必要となる。
【0123】
表1に記載されるガラス特性は、ガラス分野で従来から使用されている技術に従って決定された。従って、温度範囲25〜300℃にわたる線形熱膨張率(CTE)は、10
‐7/℃で表され、アニール点は℃で表される。これらは、繊維伸長技術(それぞれASTM基準E228〜85及びC336)によって決定した。グラム/cm
3で表される密度は、アルキメデス法(ASTM C693)によって測定した。℃で表される(ガラス溶融物が200ポアズ(20Pa・s)の粘度を示す温度として定義される)融点は、回転シリンダ粘度計(ASTM C965〜81)によって測定された高温粘度データに対するフルヒャーの式のフィットを利用して計算した。
【0124】
℃で表される液相線温度は、ASTM C829〜81の標準勾配ボート液相法を用いて測定した。これは、破砕されたガラス粒子を白金製ボート中に配置するステップ、ある範囲の勾配温度を有する炉内に上記ボートを配置するステップ、上記ボートを24時間にわたって適当な温度範囲で加熱するステップ、及び顕微鏡検査を用いて、ガラスの内部に結晶が確認される最高温度を決定するステップを伴う。より詳細には、ガラス試料を単一部品のPtボートから取り出し、偏光顕微鏡を用いて検査することによって、Pt及び空気境界面に対して、並びに試料の内部において、形成された結晶の位置及び性質を同定する。炉の勾配は極めてよく知られているため、温度:位置は5〜10℃の範囲内で容易に推定できる。試料の内部部分において結晶が観察される温度は、(対応する試験期間に関する)ガラスの液相線を表すものと解釈される。よりゆっくりと成長する相を観察するために、場合によっては試験をより長時間(例えば72時間)実施する。液相粘度(ポアズ)は、液相線温度と、フルヒャーの式の係数とから決定される。
【0125】
GPaで表されるヤング率の値は、ASTM E1875〜00e1に記載された一般的なタイプの共鳴超音波分光法を用いて決定した。
【0126】
例示的なガラスを表1に示す。表1において確認できるように、例示的なガラスは、このガラスをAMLCD基板用途等のディスプレイ用途、及びより詳細には低温ポリシリコン及び酸化物薄膜トランジスタ用途に好適なものとする、密度、アニール点及びヤング率を有する。表1には示されていないが、上記ガラスは、市販のAMLCD基板から得られるものと同様の酸及び塩基性媒体に対する耐久性を有し、従ってAMLCD用途に適切である。例示的なガラスは、ダウンドロー技術を用いて成形でき、特に上述の基準により、フュージョンプロセスと適合可能である。
【0127】
表1の例示的なガラスは、90重量%が規格U.S.100メッシュ篩を通過するように粉砕された、シリカ源としての市販の砂を用いて調製される。アルミナがアルミナ源であり、ペリクレースがMgO源であり、石灰岩がCaO源であり、炭酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム又はこれらの混合物がSrO源であり、炭酸バリウムがBaO源であり、酸化スズ(IV)がSnO
2源であった。これらの原材料を十分に混合し、炭化ケイ素グローバーで加熱される炉内に懸架された白金製容器に装填し、1600〜1650℃の温度で数時間溶融及び撹拌して確実に均質とし、白金製容器の底部のオリフィスを通して送達した。得られたガラスの小塊をアニール点又はアニール点付近においてアニールした後、様々な実験法に供して、物理的属性、粘性属性及び液相属性を決定した。
【0128】
これらの方法は唯一のものではなく、表1のガラスは当業者に公知の標準的な方法を用いて調製できる。このような方法としては、連続溶融プロセスで使用される溶融器が、ガスによって、電力によって、又はこれらの組み合わせによって加熱される、連続溶融プロセスにおいて実施されるもの等の連続溶融プロセスが挙げられる。
【0129】
例示的なガラスを製造するために適切な原材料としては:SiO
2源としての市販の砂;Al
2O
3源としてのアルミナ、水酸化アルミニウム、アルミナの水和形態並びに様々なアルミノシリケート、硝酸塩及びハロゲン化物;B
2O
3源としてのホウ酸、無水ホウ酸及び三酸化二ホウ素;MgO源としてのペリクレース、ドロマイト(CaO源でもある)、マグネシア、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム並びに様々な形態のマグネシウムシリケート、アルミノシリケート、硝酸塩及びハロゲン化物;CaO源としての石灰岩、アラゴナイト、ドロマイト(MgO源でもある)、ウォラストナイト並びに様々な形態のカルシウムシリケート、アルミノシリケート、硝酸塩及びハロゲン化物;並びにストロンチウム及びバリウムの酸化物、炭酸塩、硝酸塩及びハロゲン化物が挙げられる。化学清澄剤が必要な場合、SnO
2として、別の主要なガラス構成成分(例えばCaSnO
3)との混合酸化物として、又は酸化条件下においてSnO、シュウ酸スズ、ハロゲン化スズ若しくは当業者に公知のスズの他の化合物として、スズを添加できる。
【0130】
表1のガラスは、清澄剤としてSnO
2を含有するが、TFT基板用途のための十分な品質のガラスを得るために、他の化学清澄剤を採用することもできる。例えば例示的なガラスは、As
2O
3、Sb
2O
3、CeO
2、Fe
2O
3及びハロゲン化物のうちのいずれの1つ又は組み合わせを、清澄を促進するための意図的な添加物として採用してよく、またこれらのうちのいずれを、実施例において示されるSnO
2化学清澄剤と併用してよい。これらのうち、As
2O
3及びSb
2O
3は一般に危険な物質として認識されており、ガラス製造仮定又はTFTパネルの加工時に生成され得るもの等の廃棄物流中で制御される。従って、As
2O
3及びSb
2O
3の濃度を個別に又は合わせて0.005モル%以下に制限することが望ましい。
【0131】
例示的なガラスに意図的に組み込まれる元素に加えて、周期表中のほとんど全ての安定な元素が、原材料中の低レベルの汚染物質によって、製造プロセスにおける耐火物及び貴金属の高温侵食によって、又は最終的なガラスの属性を微調整するための、意図的な低レベルの導入によって、ある程度のレベルでガラス中に存在する。例えばジルコニウムは、ジルコニウムに富む耐火物との相互作用によって汚染物質として導入され得る。更なる例として、白金及びロジウムは、貴金属との相互作用によって導入され得る。更なる例として、鉄は、原材料中の極微量要素として導入され得、又は気体包有の制御を増強するために意図的に添加され得る。更なる例として、アルカリは、Li
2O、Na
2O及びK
2Oの合計濃度に関して最高約0.1モル%のレベルで、極微量構成成分として存在し得る。
【0132】
水素は、水素アニオン、OHの形態で不可避的に存在し、水素の存在は、標準的な赤外線分光法によって確認できる。溶解したヒドロキシルイオンは、例示的なガラスのアニール点に有意かつ非線形な影響を及ぼし、従って所望のアニール点を得るために、主要な酸化物構成成分の濃度を調整して補償する必要があり得る。ヒドロキシルイオン濃度は、原材料の選択又は溶融系の選択によってある程度制御できる。例えばホウ酸はヒドロキシルの主要な源であり、三酸化二ホウ素でホウ酸を置換することは、最終的なガラス中のヒドロキシル濃度を制御するための有用な手段となり得る。ヒドロキシルイオン、水酸化物、又は物理吸着若しくは化学吸着された水分子を含む化合物を含む他の潜在的な原材料にも、同一の推論が当てはまる。溶融プロセスにおいてバーナを使用する場合、ヒドロキシルイオンは、天然ガス及び関連する炭化水素の燃焼からの燃焼産物によっても導入され得、従って、溶融において使用されるエネルギをバーナから電極へとシフトさせて補償することが望ましい場合がある。あるいはその代わりに、主要な酸化物構成成分を調整して、溶解したヒドロキシルイオンの有害な影響を補償する、反復的なプロセスを採用してよい。
【0133】
硫黄は天然ガス中に存在する場合があり、また同様に、多くの炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物及び酸化物原材料中の極微量構成成分である。SO
2の形態において、硫黄は気体包有の厄介な源となり得る。SO
2に富む欠陥が形成される傾向は、原材料中の硫黄レベルを制御することによって、及びガラスマトリクス中に、低レベルの比較的還元された多価カチオンを組み込むことによって、かなりの程度まで管理できる。理論によって束縛されることを望むものではないが、SO
2に富む気体包有は主に、ガラス中に溶解している硫酸の還元(SO
4‐)によって発生すると思われる。例示的なガラスのバリウム濃度の高さは、溶融の早期におけるガラス中の硫黄保持を増大させると思われるが、上述のように、バリウムは低液相線温度、並びにこれに伴う高いT
35k‐T
liq及び高液相粘度を得るために必要である。原材料中の硫黄レベルを意図的に低レベルに制御することは、ガラス中に(恐らく硫酸として)溶解した硫黄を還元する有用な手段である。特に、硫黄は、バッチ材料中において好ましくは200重量ppm未満、より好ましくはバッチ材料中において100重量ppm未満である。
【0134】
還元された多価分子は、例示的なガラスの、SO
2気泡を形成する傾向を制御するためにも使用できる。理論によって束縛されることを望むものではないが、これらの分子は、硫酸還元のための起電力を抑制する潜在的な電子供与体としての挙動を示す。硫酸還元は、半反応に関して:
【0135】
【化1】
【0136】
のように書くことができ、ここでe‐は電子を表す。この半反応に関する「平衡定数」は:
【0137】
【化2】
【0138】
であり、ここで角括弧は化学活性を表す。理想的には、SO
2、O
2及び2e
‐から硫酸を生成するために上記反応を推し進めることが望ましい。硝酸塩、過酸化物又は他の酸素に富む原材料の添加は有益であり得るが、これはまた、溶融の早期における硫酸塩の還元に対抗して作用する場合があり、これはそもそも、これらを添加することによる主たる利益に対して反作用し得る。SO
2はほとんどのガラスにおいて可溶性が極めて低く、従ってガラス溶融プロセスへの添加は非実際的である。電子は、還元された多価分子によって「添加」できる。例えば第1鉄(Fe
2+)に関する電子供与半反応は:
【0139】
【化3】
【0140】
のように表される。
【0141】
この電子の「活性(activity)」は、硫酸塩還元反応を左側へと推し進め、ガラス中のSO
4‐を安定させる場合がある。好適な還元された多価分子としては、Fe
2+、Mn
2+、Sn
2+、Sb
3+、As
3+、V
3+、Ti
3+、及び当業者に公知の他のものが挙げられるが、これらに限定されない。各場合において、これらの構成成分の濃度を最小化することによって、ガラスの色に対する悪影響を回避すること、又はAs及びSbの場合には、これらの構成成分を、エンドユーザのプロセスにおける廃棄物管理が複雑になってしまうほどの高いレベルで添加するのを回避すること、が重要となり得る。
【0142】
例示的なガラスの主要な酸化物構成成分、及び上述の微量又は極微量構成要素に加えて、原材料の選択によって導入される汚染物質として、又はガラス中の気体包有を削減するために使用される意図的な構成成分として、ハロゲン化物が様々なレベルで存在してよい。清澄剤としては、ハロゲン化物は約0.4モル%以下のレベルで組み込んでよいが、可能であれば、オフガス取り扱い設備の腐食を回避するために、更に少量だけ使用することが一般的に望ましい。いくつかの実施形態では、個々のハロゲン化物分子の濃度は、個々のハロゲン化物分子それぞれに関して約200ppm(重量比)未満、又は全てのハロゲン化物分子の合計に関して約800ppm(重量比)未満である。
【0143】
これらの主要な酸化物構成成分、微量及び極微量構成成分、多価分子並びにハロゲン化物清澄剤に加えて、所望の物理的、光学的、又は粘弾性特性を達成するために、低濃度の他の無色の酸化物構成成分を組み込むと有用であり得る。このような酸化物としては、TiO
2、ZrO
2、HfO
2、Nb
2O
5、Ta
2O
5、MoO
3、WO
3、ZnO、In
2O
3、Ga
2O
3、Bi
2O
3、GeO
2、PbO、SeO
3、TeO
2、Y
2O
3、La
2O
3、Gd
2O
3、及び当業者に公知の他のものが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なガラスの主要な酸化物構成成分の相対的な比率を調整する反復プロセスによって、これらの無色の酸化物を、アニール点、T
35k‐T
liq又は液相粘度に許容できない影響を及ぼすことなく、最高約2モル%まで添加できる。
【0144】
表1は、T(ann)>795℃、ヤング率>81.5、エッチング指数>23μm/mm
3、密度<2.63、T(
200P)<1730℃、及びT(
35kP)<1320℃のガラスの例(試料1‐189)を示す。表2は、表1のパラメータに近いガラスの更なる例(試料190‐426)を示す。
【0145】
【表1-1】
【0146】
【表1-2】
【0147】
【表1-3】
【0148】
【表1-4】
【0149】
【表1-5】
【0150】
【表1-6】
【0151】
【表1-7】
【0152】
【表1-8】
【0153】
【表1-9】
【0154】
【表1-10】
【0155】
【表1-11】
【0156】
【表1-12】
【0157】
【表1-13】
【0158】
【表1-14】
【0159】
【表1-15】
【0160】
【表1-16】
【0161】
【表1-17】
【0162】
【表1-18】
【0163】
【表1-19】
【0164】
【表1-20】
【0165】
【表1-21】
【0166】
【表1-22】
【0167】
【表1-23】
【0168】
【表1-24】
【0169】
【表2-1】
【0170】
【表2-2】
【0171】
【表2-3】
【0172】
【表2-4】
【0173】
【表2-5】
【0174】
【表2-6】
【0175】
【表2-7】
【0176】
【表2-8】
【0177】
【表2-9】
【0178】
【表2-10】
【0179】
【表2-11】
【0180】
【表2-12】
【0181】
【表2-13】
【0182】
【表2-14】
【0183】
【表2-15】
【0184】
【表2-16】
【0185】
【表2-17】
【0186】
【表2-18】
【0187】
【表2-19】
【0188】
【表2-20】
【0189】
【表2-21】
【0190】
【表2-22】
【0191】
【表2-23】
【0192】
【表2-24】
【0193】
【表2-25】
【0194】
【表2-26】
【0195】
【表2-27】
【0196】
【表2-28】
【0197】
【表2-29】
【0198】
【表2-30】
【0199】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0200】
実施形態1
酸化物基準のモルパーセントで、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3が約1.6以下となるように、SiO
2を68.5‐72.0、Al
2O
3を約13.0以上、B
2O
3を約2.5以下、MgOを1.0‐6.0、CaOを4.0‐8.0、SrOを約4.5以下、BaOを約4.5以下含み、また約23μm/mm
3以上のエッチング指数(etch index)、約800℃以上のアニール点、及び82GPa以上のヤング率を有する、ガラス。
【0201】
実施形態2
酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を63.0‐71.0、Al
2O
3を13.0‐14.0、B
2O
3を>0‐3.0、MgOを0.9‐9.0、CaOを5.25‐6.5、SrOを>0‐6.0、BaOを1.0‐9.0含む、ガラスであって、上記ガラスは実質的にアルカリ非含有であり、>21μm/mm
3のエッチング指数を有する、ガラス。
【0202】
実施形態3
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を68.0‐71.0、B
2O
3を>0‐2.0、MgOを3.5‐5.0、SrOを>0‐2.0、BaOを2.5‐4.5含む、実施形態2に記載のガラス。
【0203】
実施形態4
酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を68.0‐70.5、Al
2O
3を13.0‐14.0、B
2O
3を>0‐3.0、MgOを0.9‐9.0、CaOを5.25‐11、SrOを>0‐6.0、BaOを1.0‐9.0含む、ガラスであって、上記ガラスは実質的にアルカリ非含有であり、>21μm/mm
3のエッチング指数を有する、ガラス。
【0204】
実施形態5
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで、B
2O
3を>0‐2.0、MgOを3.5‐5.0、CaOを5.25‐10.0、SrOを>0‐2.0、BaOを2.5‐4.5含む、実施形態4に記載のガラス。
【0205】
実施形態6
酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を63.0‐75.0、Al
2O
3を13.0‐14.0、B
2O
3を>0‐2.8、MgOを0.9‐9.0、CaOを5.25‐11、SrOを>0‐6.0、BaOを1.0‐9.0含む、ガラスであって、上記ガラスは実質的にアルカリ非含有であり、>21μm/mm
3のエッチング指数を有する、ガラス。
【0206】
実施形態7
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を68.0‐72.0、B
2O
3を>0‐2.0、MgOを3.5‐5.0、CaOを5.25‐10.0、SrOを>0‐2.0、BaOを2.5‐4.5含む、実施形態6に記載のガラス。
【0207】
実施形態8 酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を63.0‐75.0、Al
2O
3を13.0‐14.0、B
2O
3を>0‐3.0、MgOを0.9‐9.0、CaOを5.25‐11、SrOを>0‐6.0、BaOを3.0‐5.4含む、ガラスであって、上記ガラスは実質的にアルカリ非含有であり、>21μm/mm
3のエッチング指数を有する、ガラス。
【0208】
実施形態9
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を68.0‐72.0、B
2O
3を>0‐2.0、MgOを3.5‐5.0、CaOを5.25‐10.0、SrOを>0‐2.0、BaOを2.5‐4.5含む、実施形態8に記載のガラス。
【0209】
実施形態10
酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を63.0‐75.0、Al
2O
3を13.0‐14.5、B
2O
3を>0‐2.0、MgOを0.9‐9.0、CaOを5.0‐6.5、SrOを>0‐6.0、BaOを1.0‐9.0含む、ガラスであって、上記ガラスは実質的にアルカリ非含有であり、1.1‐1.6の(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3、及び>21μm/mm
3のエッチング指数を有する、ガラス。
【0210】
実施形態11
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を68.0‐72.0、MgOを3.5‐5.0、CaOを5.25‐6.5、SrOを>0‐2.0、BaOを2.5‐4.5含む、実施形態10に記載のガラス。
【0211】
実施形態12
酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を63.0‐71.0、Al
2O
3を13.0‐14.0、B
2O
3を>0‐2.0、MgOを0.9‐9.0、CaOを5.25‐6.5、SrOを>0‐6.0、BaOを1.0‐9.0含む、ガラスであって、上記ガラスは実質的にアルカリ非含有であり、>21μm/mm
3のエッチング指数を有する、ガラス。
【0212】
実施形態13
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を68.0‐71.0、MgOを3.5‐5.0、SrOを>0‐2.0、BaOを2.5‐4.5含む、実施形態12に記載のガラス。
【0213】
実施形態14
酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を63.0‐71.0、Al
2O
3を13.0‐14.0、B
2O
3を>0‐2.0、MgOを0.9‐9.0、CaOを5.0‐6.5、SrOを>0‐6.0、BaOを3.5‐4.0含む、ガラスであって、上記ガラスは実質的にアルカリ非含有であり、>21μm/mm
3のエッチング指数を有する、ガラス。
【0214】
実施形態15
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を68.0‐71.0、MgOを3.5‐5.0、SrOを>0‐2.0含む、実施形態14に記載のガラス。
【0215】
実施形態16
酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を63.0‐71.0、Al
2O
3を13.0‐14.0、B
2O
3を>0‐2.0、MgOを0.9‐9.0、CaOを5.0‐6.5、SrOを>0‐6.0、BaOを1.0‐9.0含み、CaOとBaOとの合計が>8.6である、ガラスであって、上記ガラスは実質的にアルカリ非含有であり、>21μm/mm
3のエッチング指数を有する、ガラス。
【0216】
実施形態17
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を68.0‐71.0、MgOを3.5‐5.0、SrOを>0‐2.0、BaOを2.5‐4.5含む、実施形態16に記載のガラス。
【0217】
実施形態18
約785℃以上のアニーリング温度;
約2.65g/cc以下の密度;
約1750℃以下のT
200P;
約1340℃以下のT
35kP;
約82GPa以上のヤング率;及び約
式:‐54.6147+(2.50004)*(Al
2O
3)+(1.3134)*(B
2O
3)+(1.84106)*(MgO)+(3.01223)*(CaO)+(3.7248)*(SrO)+(4.13149)*(BaO)によって定義される21μm/mm
3以上のエッチング指数
を有する、ガラスであって、
上記ガラスは実質的にアルカリ非含有である、ガラス。
【0218】
実施形態19
上記アニーリング温度は約800℃以上である、実施形態18に記載のガラス。
【0219】
実施形態20
上記密度は、約2.61g/cc以下である、実施形態18又は19に記載のガラス。
【0220】
実施形態21
上記T
200Pは約1700℃以下である、実施形態18〜20のいずれか1つに記載のガラス。
【0221】
実施形態22
上記T
35kPは約1310℃以下である、実施形態18〜21のいずれか1つに記載のガラス。
【0222】
実施形態23
予想される上記エッチング指数は約21μm/mm
3以上である、実施形態19〜22のいずれか1つに記載のガラス。
【0223】
実施形態24
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで68.1‐72.3のSiO
2を含む、実施形態18〜23のいずれか1つに記載のガラス。
【0224】
実施形態25
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで11.0‐14.0のAl
2O
3を含む、実施形態18〜24のいずれか1つに記載のガラス。
【0225】
実施形態26
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで>0‐3.0のB
2O
3を含む、実施形態18〜25のいずれか1つに記載のガラス。
【0226】
実施形態27
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで1.0‐7.2のMgOを含む、実施形態18〜26のいずれか1つに記載のガラス。
【0227】
実施形態28
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで3.1‐5.8のMgOを含む、実施形態27に記載のガラス。
【0228】
実施形態29
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで4.1‐10.0のCaOを含む、実施形態18〜28のいずれか1つに記載のガラス。
【0229】
実施形態30
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで4.5‐7.4のCaOを含む、実施形態29に記載のガラス。
【0230】
実施形態31
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで>0‐4.2のSrOを含む、実施形態18〜30のいずれか1つに記載のガラス。
【0231】
実施形態32
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで>0‐2.0のSrOを含む、実施形態31に記載のガラス。
【0232】
実施形態33
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで1.2‐4.4のBaOを含む、実施形態18〜32のいずれか1つに記載のガラス。
【0233】
実施形態34
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで2.6‐4.4のBaOを含む、実施形態33に記載のガラス。
【0234】
実施形態35
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで、SiO
2を68.0‐72.0、B
2O
3を0.1‐3.0、及びCaOを5.0‐6.5含む、実施形態18〜23のいずれか1つに記載のガラス。
【0235】
実施形態36
上記ガラスは、酸化物基準のモルパーセントで、Al
2O
3を13.0‐14.0、B
2O
3を0.1‐3.0及びCaOを5.25‐6.0含む、実施形態18〜23のいずれか1つに記載のガラス。
【0236】
実施形態37
酸化物基準のモル%で、SiO
2を69.76‐71.62、Al
2O
3を11.03‐13.57、B
2O
3を0‐2.99、MgOを3.15‐5.84、CaOを4.55‐7.35、SrOを0.2‐1.99、BaOを2.61‐4.41、及びZnOを0‐1.0含む、実質的にアルカリ非含有のガラスであって、比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3は約1.0‐1.6であり、比MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)は約0.22‐0.37である、ガラス。
【0237】
実施形態38
酸化物基準のモル%で、SiO
2を68.14‐72.29、Al
2O
3を11.03‐14.18、B
2O
3を0‐2.99、MgOを1.09‐7.2、CaOを4.12‐9.97、SrOを0.2‐4.15、BaOを1.26‐4.41及びZnOを0‐1.0含む、実質的にアルカリ非含有のガラスであって、比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3は約1.0‐1.6であり、比MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)は約0.22‐0.37である、ガラス。
【0238】
実施形態39
上記ガラスは、>785℃のT(ann)を有する、実施形態37又は38に記載のガラス。
【0239】
実施形態40
上記ガラスは、<2.65g/ccの密度を有する、実施形態37〜39のいずれか1つに記載のガラス。
【0240】
実施形態41
上記ガラスは、<1750℃のT(200P)を有する、実施形態37〜40のいずれか1つに記載のガラス。
【0241】
実施形態42
上記ガラスは、<1340℃のT(35kP)、実施形態37〜41のいずれか1つに記載のガラス。
【0242】
実施形態43
上記ガラスは、>82GPaのヤング率を有する、実施形態37〜42のいずれか1つに記載のガラス。
【0243】
実施形態44
上記ガラスは、>21μm/mm
3のエッチング指数を有する、実施形態37〜43のいずれか1つに記載のガラス。
【0244】
実施形態45
実質的にアルカリ非含有のガラスであって、
比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3は約1.0‐1.6であり、比MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)は約0.22‐0.37であり、T(ann)は>785℃であり、密度は<2.65g/ccであり、T(200P)は<1750℃であり、T(35kP)は<1340℃であり、ヤング率>82GPaであり、エッチング指数は>21μm/mm
3である、ガラス。
【0245】
実施形態46
実質的にアルカリ非含有のガラスであって、
比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3は約1.0‐1.6であり、比MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)は約0.22‐0.37であり、エッチング指数は>21μm/mm
3である、ガラス。
【0246】
実施形態47
約150kP(15kP・a)以上の液相粘度を有する、実施形態1〜46のいずれか1つに記載のガラス。
【0247】
実施形態48
実質的にアルカリ非含有のガラスであって、
比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3は約1.0‐1.6であり、比MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)は約0.22‐0.37であり、液相粘度は>150kP(15kP・a)である、ガラス。
【0248】
実施形態49
実質的にアルカリ非含有のガラスであって、
比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3は約1.0‐約1.6であり、エッチング指数は21μm/mm
3以上であり、T(ann)は>800℃であり、ヤング率は>82GPaである、ガラス。
【0249】
実施形態50
上記ガラスは、酸化物基準のモル%で、SiO
2を68.14‐72.29含む、実施形態45〜49のいずれか1つに記載のガラス。
【0250】
実施形態51
上記ガラスは、酸化物基準のモル%で、Al
2O
3を11.03‐14.18含む、実施形態45〜50のいずれか1つに記載のガラス。
【0251】
実施形態52
上記ガラスは、酸化物基準のモル%で、B
2O
3を0‐2.99含む、実施形態45〜51のいずれか1つに記載のガラス。
【0252】
実施形態53
上記ガラスは、酸化物基準のモル%で、MgOを1.09‐7.2含む、実施形態45〜52のいずれか1つに記載のガラス。
【0253】
実施形態54
上記ガラスは、酸化物基準のモル%で、CaOを4.12‐9.97含む、実施形態45〜53のいずれか1つに記載のガラス。
【0254】
実施形態55
上記ガラスは、酸化物基準のモル%で、SrOを0.2‐4.15含む、実施形態45〜54のいずれか1つに記載のガラス。
【0255】
実施形態56
上記ガラスは、酸化物基準のモル%で、BaOを1.26‐4.41含む、実施形態45〜55のいずれか1つに記載のガラス。
【0256】
実施形態57
上記ガラスは、酸化物基準のモル%で、ZnOを0‐1.0含む、実施形態45〜56のいずれか1つに記載のガラス。
【0257】
実施形態58
実質的にアルカリ非含有のアルミノシリケートガラス物品であって、
上記ガラス物品は:
約795℃以上のアニーリング温度;
約2.63g/cc以下の密度;
約1730℃以下のT
200P;
約1320℃以下のT
35kP;
約81.5GPa以上のヤング率;及び
約23μm/mm
3以上のエッチング指数
を有する、アルミノシリケートガラス物品。
【0258】
実施形態59
実質的にアルカリ非含有のアルミノシリケートガラス物品であって、
上記ガラス物品は:
約800℃以上のアニーリング温度;
約2.61g/cc以下の密度;
約1710℃以下のT
200P;
約1310℃以下のT
35kP;
約81.2GPa以上のヤング率;及び
約23μm/mm
3以上のエッチング指数
を有する、アルミノシリケートガラス物品。
【0259】
実施形態60
上記物品は、68.5‐72モル%のSiO
2を含む、実施形態58又は59に記載のアルミノシリケートガラス物品。
【0260】
実施形態61
上記物品は、13モル%以上のAl
2O
3を含む、実施形態58〜60のいずれか1つに記載のアルミノシリケートガラス物品。
【0261】
実施形態62
上記物品は、0‐2.5モル%のB
2O
3を含む、実施形態58〜61のいずれか1つに記載のアルミノシリケートガラス物品。
【0262】
実施形態63
上記物品は、1‐6モル%のMgOを含む、実施形態58〜62のいずれか1つに記載のアルミノシリケートガラス物品。
【0263】
実施形態64
上記物品は、4‐8モル%のCaOを含む、実施形態58〜63のいずれか1つに記載のアルミノシリケートガラス物品。
【0264】
実施形態65
上記物品は、0‐4.5モル%のSrOを含む、実施形態58〜64のいずれか1つに記載のアルミノシリケートガラス物品。
【0265】
実施形態66
上記物品は、0‐4.5モル%のBaOを含む、実施形態58〜65のいずれか1つに記載のアルミノシリケートガラス物品。
【0266】
実施形態67
上記物品は、1‐1.6である比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al
2O
3を有する、実施形態58〜66のいずれか1つに記載のアルミノシリケートガラス物品。
【0267】
実施形態68
約0.01モル%〜約0.4モル%の、SnO
2、As
2O
3、Sb
2O
3、F、Cl及び/又はBrのうちのいずれか1つ又はいずれの組み合わせを更に含む、実施形態1〜67のいずれか1つに記載のガラス。
【0268】
実施形態69
約0.005モル%〜約0.2モル%の、Fe
2O
3、CeO
2及び/又はMnO
2のうちのいずれか1つ又はいずれの組み合わせを更に含む、実施形態1〜68のいずれか1つに記載のガラス。
【0269】
実施形態70
As
2O
3及びSb
2O
3は、約0.005モル%未満を構成する、実施形態1〜69のいずれか1つに記載のガラス。
【0270】
実施形態71
ダウンドローシート製造プロセスによって製造される、実施形態1〜70のいずれか1つに記載の対象物。
【0271】
実施形態72
フュージョンプロセス又はその変形例によって製造される、実施形態1〜70のいずれか1つに記載の対象物。
【0272】
実施形態73
実施形態1〜70のいずれか1つに記載のガラスを含む、液晶ディスプレイ基板。
【0273】
実施形態74
約1270℃以上のT
35kP;
約0.001モル%〜0.5モル%のSnO
2の濃度;及び
約21μm/mm
3以上のエッチング指数
を備える、ガラス。
【0274】
実施形態75
上記ガラスは、約1650℃以上のT
200Pを備える、実施形態74に記載のガラス。
【0275】
実施形態76
上記ガラスは、約1150℃以上の液相線温度を備える、実施形態74又は75に記載のガラス。
【0276】
実施形態77
上記エッチング指数は、式:
‐54.6147+(2.50004)*(Al
2O
3)+(1.3134)*(B
2O
3)+(1.84106)*(MgO)+(3.01223)*(CaO)+(3.7248)*(SrO)+(4.13149)*(BaO)
によって定義される、実施形態74〜76のいずれか1つに記載のガラス。
【0277】
実施形態78
上記ガラスは、約82GPa以上のヤング率を更に備える、実施形態74〜77のいずれか1つに記載のガラス。
【0278】
実施形態79
上記ガラスは、実質的にアルカリ非含有である、実施形態74〜78のいずれか1つに記載のガラス。
【0279】
実施形態80
約1650℃以上のT
200P;
約0.001モル%〜0.5モル%のSnO
2の濃度;及び
約21μm/mm
3以上のエッチング指数
を備える、ガラス。
【0280】
実施形態81
約1150℃以上の液相線温度;
約0.001モル%〜0.5モル%のSnO
2の濃度;及び
約21μm/mm
3以上のエッチング指数
を備える、ガラス。
【0281】
実施形態82
約1270℃以上のT
35kP;及び
約0.001モル%〜0.5モル%のSnO
2の濃度;
を備える、ガラス。
【0282】
実施形態83
上記ガラスは、約1650℃以上のT
200Pを備える、実施形態82に記載のガラス。
【0283】
実施形態84
上記ガラスは、約1150℃以上の液相線温度を備える、実施形態82又は83に記載のガラス。
【0284】
実施形態85
上記ガラスは、約82GPa以上のヤング率を更に備える、実施形態82〜84のいずれか1つに記載のガラス。
【0285】
実施形態86
上記ガラスは、実質的にアルカリ非含有である、実施形態82〜85のいずれか1つに記載のガラス。
【0286】
実施形態87
約1650℃以上のT
200P;及び
約0.001モル%〜0.5モル%のSnO
2の濃度;
を備える、ガラス。