(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791863
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】付着防止素材の多層被覆を備えた鍋釜類および炊事用具の方法
(51)【国際特許分類】
A47J 36/04 20060101AFI20201116BHJP
A47J 36/02 20060101ALI20201116BHJP
A47J 27/00 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
A47J36/04
A47J36/02 Z
A47J27/00 101Z
【請求項の数】5
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-541864(P2017-541864)
(86)(22)【出願日】2016年2月4日
(65)【公表番号】特表2018-510680(P2018-510680A)
(43)【公表日】2018年4月19日
(86)【国際出願番号】IT2016000028
(87)【国際公開番号】WO2016125199
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2018年7月18日
(31)【優先権主張番号】AN2015A000013
(32)【優先日】2015年2月6日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517273490
【氏名又は名称】アイ. エル. エル. エイ. エス. ピー. エイ.
【氏名又は名称原語表記】I.L.L.A. S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】オーランド, ヴィンチェンツォ
(72)【発明者】
【氏名】コスティ, ジュリアーノ
【審査官】
土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−525095(JP,A)
【文献】
英国特許出願公告第01247581(GB,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0180546(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0032122(US,A1)
【文献】
特表2009−543656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 36/04
A47J 27/00
A47J 36/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付着防止素材の多層被覆(3)を備える鍋釜類および調理用具(1)の製造方法であって、調理空洞(2)の範囲を定めている壁(7)の内側表面(7i)の被覆の多層(4,5,6)の形成が、適切な被覆物質の適用とそれに続く前記層(4,5,6)の乾燥しオーブンで焼く工程の循環的な繰り返しによりなされ、前記被覆物質の少なくとも最終層(6)は付着防止物質を用いることにより得られ、鍋釜類(1)の調理空洞(2)を被覆する少なくとも最終層(6)の形成のための物質の適用の工程の前に、前記製造方法は添加物として食用油または潤滑材を、前記最終層(6)の形成のために適用される物質に加える工程を備え、
前記食用油または潤滑材はオリーブオイルからなる植物性タイプであることを特徴とする製造方法。
【請求項2】
添加物としてオリーブオイルを加える前記工程は3%〜8%の間の割合で油を加えることにより実行される請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
オリーブオイルの前記添加割合は5%である請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記添加物としてのオリーブオイルの添加の工程は、液体状態において混合することにより行われることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
付着防止物質の前記層(6)はプラスチック素材から作られることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鍋釜類および炊事用具の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
付着防止の鍋釜類および炊事用具の製造の先行技術は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)として知られる減摩性の性質を有する物質の複数の連続的な層を適用し、オーブンで焼くことによる鍋釜類および炊事用具の調理空洞の壁の被覆を含む。
【0003】
そのような鍋釜類および調理用具の最初の使用の前に、いくつかの製造業は、食用油を染み込ませた丸めたコットンでそれを拭くことにより、ユーザーがPTFE被覆を滑らかにするべきであることを勧める。
【0004】
食用油の目的はPTFE層の微細な小孔を埋めることおよびその付着防止能力を向上させることであり、同様に、料理された食物へのそれの不浸透性をさらにより高めることである。
【0005】
全てのユーザーがいつも使用の前に鍋釜類に油をひいているわけではない。それは注意またはケアの欠如により、または食物の準備におけるオイルと潤滑材の消費を最小限にする極度の試みに基づく食事関連の選択によるかもしれなく、それは、本発明の主問題の鍋釜類および炊事用具の型の購入の決定もしばしば含むかもしれない。
【0006】
そのような怠慢は直面するかもしれない不利な点の理由であり、繰り返される使用事実を含み、上記の最初に準備された鍋釜類において、付着防止素材の層は、中、長時間の調理流動物の吸収および浸透により徐々に浸されるその孔が、鍋釜類の洗浄を徐々に効果的でないようにするように見える傾向にあり、その浄化に影響を与え得り、食品の味および付着防止層の見た目の外側の品質にさらに影響を与える。
【発明の概要】
【0007】
本発明の技術的な目的はそのような不利な点を克服することである。
その目的の一部として、本発明の第1目的は、その製品の時間から、鍋釜類において実施され得る解決策を立案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]付着防止素材の多層被覆(3)を備える鍋釜類および調理用具(1)の方法であって、調理空洞(2)の範囲を定めている壁(7)の内側表面(7i)の被覆の多層(4,5,6)の形成が、適切な被覆物質の適用とそれに続く前記層(4,5,6)の乾燥しオーブンで焼く工程の循環的な繰り返しによりなされ、前記被覆物質の少なくとも最終層(6)は付着防止物質を用いることにより得られ、鍋釜類(1)の調理空洞(2)を被覆する少なくとも最終層(6)の形成のための物質の適用の工程の前に、前記方法は付加的な食用油または潤滑材を、前記最終層(6)の形成のために適用される物質に加える工程を備えることを特徴とする方法。
【0009】
[2]前記添加物の添加の工程は、液体状態において混合することにより行われることを特徴とする前記[1]に記載の方法。
【0010】
[3]前記食用油または潤滑材は植物性タイプであることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の方法。
【0011】
[4]前記食用油はオリーブオイルであることを特徴とする前記[3]に記載の方法。
【0012】
[5]添加物としてオリーブオイルを加える前記工程は3%〜8%の間の割合で油を加えることにより実行される前記[4]に記載の方法。
【0013】
[6]オリーブオイルの前記添加割合は5%である前記[5]に記載の方法。
【0014】
[7]前記植物性の油は種オイル、とうもろこしオイルおよびピーナッツオイルの群から選ばれることを特徴とする前記[3]に記載の方法。
【0015】
[8]付着防止物質の前記層(6)はプラスチック素材から作られることを特徴とする前記[1]に記載の方法。
【0016】
[9]付着防止物質の前記層(6)がセラミック素材から作られることを特徴とする前記[1]に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本目的によれば、提案された解決策は、その技術的特徴がこのクレームに明らかに示され、その有利な点が後述および添付図の参照における詳細な説明でより明らかである製造方法であり、それは、単なる例示の方法として好ましい実施形態を示し、本発明の目的を限定しない。
【0018】
【
図1】
図1は鍋釜類の立面図の概略部分横断面図である。
【
図3】
図3は
図1に記載の型の鍋釜類の製造方法のいくつかの重要な工程の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図に示すように、
図1において、数字の1は、それ自身の多層構造を有する付着防止素材で作られた薄い被覆3を備える調理空洞2を含む既知の型の鍋釜類を示す。
【0020】
調理空洞2のための付着防止素材で作られた被覆を備えた鍋釜類または調理用具のそのような型の製造のため、出願人は、相次いで鍋釜類1に重ね合わされ適用された多層4,5および6における前記被覆3の形成を含む製造方法を適用した(
図2)。
【0021】
実際には、鍋釜類1の調理空洞2の壁7の内側表面7iは、適切な被覆物質の適用、それに続く適用された物質の乾燥しオーブンで焼く工程、の循環的な繰り返しを含む被覆3の形成を必要とし(
図3に概略的に示す)、順々に工程は複数回繰り返され、最も適切な素材を使った各時間は調理用具1の内側空洞2の被覆の構造のための望ましい層の数に依存する。
【0022】
被覆層の適用は様々な方法で実施されてよく、それらは知られており、例えば、これに限られないが、適切な液体物質のスプレーまたはロール、または同等の被覆
粉体の堆積の方法である。
【0023】
上記の発明は、明白な工業適用の影響を受けやすい。それは修正されてもよく、添付のクレームの範囲から外れないいくつかの方法により改造されてもよい。さらに、本発明の全ての詳細は技術的に同等の要素により代用されてもよい。
【0024】
上記したように、使用される付着防止素材は様々なタイプでもよく、たとえば、たまたま付着防止素材がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)類の時は、プラスチックでもよく、または例えばセラミック素材が使われる場合には鉱物でもよいことは強調され、より、特に、まだ説明的であり、限定されない。