特許第6791905号(P6791905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6791905交通に応じた動的車両制御のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791905
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】交通に応じた動的車両制御のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/14 20060101AFI20201116BHJP
   G08G 1/0962 20060101ALI20201116BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20201116BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20201116BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20201116BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20201116BHJP
   B60W 40/09 20120101ALI20201116BHJP
【FI】
   B60W30/14
   G08G1/0962
   G08G1/09 H
   G08G1/09 F
   B60L50/60
   B60W50/14
   B60W40/04
   B60W40/09
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-106800(P2018-106800)
(22)【出願日】2018年6月4日
(65)【公開番号】特開2018-203250(P2018-203250A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2019年10月23日
(31)【優先権主張番号】15/614,769
(32)【優先日】2017年6月6日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ディー.ペイン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー デイビッド ゲイザー
【審査官】 ▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−343305(JP,A)
【文献】 特開2016−081086(JP,A)
【文献】 特開2015−179255(JP,A)
【文献】 特開2015−041120(JP,A)
【文献】 特開2010−061330(JP,A)
【文献】 特開2000−185676(JP,A)
【文献】 特表2013−537331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00 − 60/00
G08G 1/00 − 99/00
B60K 31/00 − 31/18
B60R 21/00 − 21/017
B60T 7/12 − 8/1769
B60T 8/32 − 8/96
F02D 29/00 − 29/06
B60K 6/20 − 6/547
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通内の車両を動作させるための誘導システムにおいて、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに通信可能に結合されたメモリであって、
前記1つ以上のプロセッサにより実行された場合に、前記車両に近接する前記交通の現在のレベルが交通閾値を満たしていることの検出に応答して、前記1つ以上のプロセッサに、少なくとも前記交通の前記現在のレベルにしたがって制御プロファイルを決定させる命令を含む、監視モジュールであって、前記制御プロファイルは、交通内を走行中に車両を減速するための制動を含まない前記車両についての目標巡行速度および加速入力を少なくとも示す、監視モジュール、および
前記1つ以上のプロセッサにより実行された場合に、オペレータが生成する制御入力を少なくとも部分的にバイパスし、前記制御入力が前記制御プロファイルからの閾値変動内でない場合に前記車両を少なくとも部分的に制御することにより、前記1つ以上のプロセッサに、前記交通内を走行中に前記車両に前記目標巡行速度を実質的に維持させるため前記制御プロファイルにしたがって前記車両の1つ以上の車両システムを制御させる命令を含む、制御モジュール、
を記憶するメモリと、
を含み、
前記制御モジュールはさらに、
電子ディスプレイ上に、前記制御プロファイルに関する命令であってオペレータに対する命令を生成して、前記車両のオペレータに、前記交通内で前記車両を動作させている間、制動することなく前記目標巡行速度を維持するための制御入力をどのように手動で提供するかの情報を与えるための命令を含んでいる、
誘導システム。
【請求項2】
前記制御モジュールはさらに、
バッテリの充電状態(SOC)の限界を調整すること、および前記制御入力が前記閾値変動を上回った場合に警報を提供すること、のうちの1つ以上を行なうことによって、前記目標巡行速度の維持を支援するために前記1つ以上の車両システムの動作を調整すること、
によって前記1つ以上の車両システムを制御するための命令を含んでいる、請求項1に記載の誘導システム。
【請求項3】
前記監視モジュールはさらに、前記交通内にいる間に減速のために前記車両を定期的に制動することをなくしながら前記車両に前記目標巡行速度を実質的に維持させる予測された加速入力および惰行期間を伴う前記制御プロファイルを生成することにより前記制御プロファイルを決定するための命令を含み、
前記制御モジュールは、前記制御プロファイルにしたがって車両を制御するための部分的制御を提供することを含む命令であって、制御入力を少なくとも部分的にバイパスすることより1つ以上の車両システムを制御する命令を含み、
前記制御入力をバイパスすることは、前記目標巡行速度を維持する期待制御と比較して、オペレータの加速制御及び減速制御のための制御入力を監視することを含む、
請求項1に記載の誘導システム。
【請求項4】
前記監視モジュールはさらに、前記交通内で前記車両を動作させることと相関する制御パターンを識別するために前記車両を加速および減速するための制御入力を解析することによって前記交通の前記現在のレベルを検出するための命令を含んでおり、前記交通閾値は、交通渋滞の存在と相関する前記車両の加速および減速の頻度を示しており、
前記監視モジュールはさらに、前記制御パターンにより示された前記頻度が前記交通を表わすものであるか否かを決定するために前記制御パターンと前記交通閾値とを比較することによって前記交通の前記現在のレベルを検出するための命令を含んでいる、
請求項1に記載の誘導システム。
【請求項5】
前記監視モジュールはさらに、i)少なくとも1つのセンサからの電子入力を解析して、前記車両に近接する追加の車両の密度および前記追加の車両の走行速度を決定することおよび、ii)前記密度を前記交通閾値と比較して、前記交通の前記現在のレベルを確認することによって、前記交通の前記現在のレベルを検出するための命令を含んでいる、請求項1に記載の誘導システム。
【請求項6】
前記監視モジュールはさらに、カメラ、近接センサ、レーダ、ナビゲーションセンサ、速度センサ、車両間(v2v)通信デバイス、および車両・インフラストラクチャ間(v2i)通信デバイスのうちの少なくとも1つからの前記電子入力を解析することにより前記電子入力を解析するための命令を含んでいる、請求項5に記載の誘導システム。
【請求項7】
前記監視モジュールはさらに、前記交通の前記現在のレベルのためにドライバがどのように前記車両を動作させているかを特徴付けするドライバからの制御入力についての車両データをロギングすることによって前記交通閾値が満たされた場合に前記車両システムの1つ以上からの車両データを収集するための命令を含んでおり、
前記監視モジュールはさらに、前記ドライバの挙動を前記交通の現在レベルと相関するため前記車両データからドライバモデルを生成するための命令を含んでおり、
前記ドライバモデルは、前記交通の現在レベルのために前記ドライバがどのように前記車両を動作させる可能性があるかを特徴付けし、定期的な制動なしに前記交通の現在レベル内で前記車両を制御するための前記制御プロファイルを予測する、
請求項5に記載の誘導システム。
【請求項8】
1つ以上のプロセッサにより実行された場合に、前記1つ以上のプロセッサに、
車両に近接する交通の現在のレベルが交通閾値を満たしていることの検出に応答して、少なくとも前記交通の現在レベルにしたがって制御プロファイルを決定させ、前記制御プロファイルは、前記交通内を走行中に前記車両を減速させるための制動を含まない前記車両のための目標巡行速度および加速入力を少なくとも示しており、
オペレータが生成する制御入力が前記制御プロファイルからの閾値変動内でない場合に、前記制御入力を少なくとも部分的にバイパスし、前記車両を少なくとも部分的に制御することにより、前記交通内を走行中に前記目標巡行速度を前記車両に実質的に維持させるように前記制御プロファイルにしたがって前記車両の1つ以上の車両システムを制御させる、
命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記1つ以上の車両システムを制御するための前記命令は、電子ディスプレイ上に、前記制御プロファイルに関する命令であってオペレータに対する命令を生成して、前記車両のオペレータに、前記交通内で前記車両を動作させている間、制動することなく前記目標巡行速度を維持するための制御入力をどのように手動で提供するかの情報を与えるための命令を含んでいる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記1つ以上の車両システムを制御するための前記命令はさらに、
バッテリの充電状態(SOC)の限界を調整すること、および前記制御入力が前記閾値変動を上回った場合に警報を提供すること、のうちの1つ以上を行なうことによって、前記目標巡行速度の維持を支援するために前記1つ以上の車両システムの動作を調整するための命令を含んでいる、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記交通の前記現在のレベルを検出するための前記命令は、前記交通内で前記車両を動作させることと相関する制御パターンを識別するために前記車両を加速および減速するための制御入力を解析するための命令を含んでおり、前記交通閾値は、交通渋滞の存在と相関する前記車両の加速および減速の頻度を示しており、
前記交通の前記現在のレベルを検出するための前記命令は、前記制御パターンにより示された前記頻度が前記交通を表わすものであるか否かを決定するために前記制御パターンと前記交通閾値とを比較するための命令を含み、
前記制御入力を少なくとも部分的にバイパスすることより1つ以上の車両システムを制御する命令は、制御プロファイルにしたがって車両を制御するための部分的制御を提供することを含み、
前記制御入力をバイパスすることは、前記目標巡行速度を維持する期待制御と比較して、オペレータの加速制御及び減速制御のための制御入力を監視することを含む、
請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記制御プロファイルを決定するための命令は、前記交通内にいる間に減速のために前記車両を定期的に制動することをなくしながら前記車両に前記目標巡行速度を実質的に維持させる予測された加速入力および惰行期間を伴う前記制御プロファイルを生成するための命令を含んでいる、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
交通内の車両を動作させる方法において、
前記車両に近接する前記交通の現在のレベルが交通閾値を満たしていることの検出に応答して、少なくとも前記交通の前記現在のレベルにしたがって制御プロファイルを決定することであって、前記制御プロファイルは、交通内を走行中に車両を減速するための制動を含まない前記車両についての目標巡行速度および加速入力を少なくとも示している、ことと、
オペレータが生成する制御入力が前記制御プロファイルからの閾値変動内でない場合に、前記制御入力を少なくとも部分的にバイパスし、前記車両を少なくとも部分的に制御することにより、前記交通内を走行中に前記車両に前記目標巡行速度を実質的に維持させるため前記制御プロファイルにしたがって前記車両の1つ以上の車両システムを制御することと、
を含み、
前記1つ以上の車両システムを制御することが、
電子ディスプレイ上に、前記制御プロファイルに関する命令であってオペレータに対する命令を生成して、前記車両のオペレータに、前記交通内で前記車両を動作させている間、制動することなく前記目標巡行速度を維持するための制御入力をどのように手動で提供するかの情報を与えること、
を含む、方法。
【請求項13】
前記1つ以上の車両システムを制御することが、
バッテリの充電状態(SOC)の限界を調整すること、および前記制御入力が前記閾値変動を上回った場合に警報を提供すること、のうちの1つ以上を行なうことによって、前記目標巡行速度の維持を支援するために前記1つ以上の車両システムの動作を調整すること、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記制御プロファイルを決定することは、前記交通内にいる間に減速するために前記車両を定期的に制動することをなくしながら前記車両に前記目標巡行速度を実質的に維持させる予測された加速入力および惰行期間を伴う前記制御プロファイルを生成することを含み、
前記制御入力を少なくとも部分的にバイパスすることより1つ以上の車両システムを制御することは、制御プロファイルにしたがって車両を制御するための部分的制御を提供することを含み、
前記制御入力をバイパスすることは、目標巡行速度を維持する期待制御と比較して、オペレータの加速制御及び減速制御のための制御入力を監視することを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記交通の前記現在のレベルを検出することが、前記交通内で前記車両を動作させることと相関する制御パターンを識別するために前記車両を加速および減速するための制御入力を解析することを含んでおり、前記交通閾値は、交通渋滞の存在の識別と相関する前記車両の加速および減速の頻度を示しており、
前記交通の前記現在のレベルを検出することが、前記制御パターンにより示された前記頻度が前記交通を表わすものであるか否かを決定するために前記制御パターンと前記交通閾値とを比較することを含んでいる、
請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記交通の前記現在のレベルを検出することが、i)少なくとも1つのセンサからの電子入力を解析して、前記車両に近接する追加の車両の密度および前記追加の車両の走行速度を決定すること、および、ii)前記密度を前記交通閾値と比較して、前記交通の前記現在のレベルを確認することを含み、
前記電子入力を解析することが、カメラ、近接センサ、レーダ、ナビゲーションセンサ、速度センサ、車両間(v2v)通信デバイス、および車両・インフラストラクチャ間(v2i)通信デバイスのうちの少なくとも1つからの前記電子入力を解析することを含んでいる、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記交通の前記現在のレベルのためにドライバがどのように前記車両を動作させているかを特徴付けするドライバからの制御入力についての車両データをロギングすることによって前記交通閾値が満たされた場合に前記車両システムの1つ以上からの車両データを収集することと、
前記ドライバの挙動を前記交通の前記現在のレベルと相関するため前記車両データからドライバモデルを生成することと、
をさらに含み、前記ドライバモデルは、前記交通の前記現在のレベルのために前記ドライバがどのように前記車両を動作させる可能性があるかを特徴付けし、定期的な制動をすることなく前記交通の前記現在のレベル内で前記車両を制御するための前記制御プロファイルを予測する、
請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に記載の主題は、概して交通に応じて車両システムを制御するためのシステムに関し、より詳細には、交通内で運転しているときの周期的な加速および減速を回避するために車両の制御を容易にすることに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は概して、一貫した動作条件下で、ひいては一貫した制御入力にしたがって、効率良く動作する。例えば、車両は、特定の高速道路巡行速度で動作しているときに、ピークの燃料節約に達することができる。しかしながら、ドライバは概して、交通、近接ドライバの運転パターンなどの知覚される変化といった変化する条件にしたがって反応的に車両を動作させることから、提供される手動制御入力も同様に反応性が高い。したがって、車両は、最適な動作モードであるとは限らない反応的な形で制御入力が受信されるにつれて、制動、加速、操舵、変速などを行なう。例えば、ドライバは、交通内の車両を動作させる場合、交通の干満の速度に応じて車両を周期的に加速および減速する制御入力を提供することができる。しかしながら、このような車両の減速は概して、非効率的であり、先になされた加速からエネルギー損失を生じる。その結果、車両には、交通内で動作するとき、燃料節約の低減、性能の劣化などの問題点が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態において、例示的システムおよび方法は、交通内の車両の動作を改善する要領に関する。例えば、一実施形態においては、誘導システムが、さまざまな車両システムを監視して、車両が交通内で動作している場合それを検出し、かつ交通の検出に応答して車両システムの1つ以上を制御して、車両が交通内を走行中にどのように動作するかを改善する。すなわち、開示された誘導システムは、ドライバが提供する車両制御入力内の制御パターンについて監視すること、および/または他のセンサ入力を監視して交通密度を近似し、これにより車両が交通内を走行している時点を決定することができる。こうして、誘導システムは、検出された交通レベルを使用して、例えば交通内を走行中の車両の動作を改善する車両内の1つ以上の応答を制御することができる。
【0004】
例えば、一実施形態において、誘導システムは、制動を回避するよう車両を制御するための制御プロファイルを決定する。誘導システムは、車両の制動を回避し目標惰行速度である一貫した速度の維持を容易にする、車両を制御するための目標巡行速度および加速度を決定することができる。一実施形態において、誘導システムは、どのように車両を制御するかについてドライバに指針を提供する目的でドライバに対し制御プロファイルを表示することができる。さらなる実施形態において、該システムは、制御プロファイルの維持を支援するため車両のさまざまな車両システムを調整することができる。このようにして、誘導システムは、交通内の車両の効率および動作を改善することができる。
【0005】
一実施形態においては、交通内の車両を動作させるための誘導システムが開示されている。該誘導システムは、1つ以上のプロセッサおよび、この1つ以上のプロセッサに対して通信可能な形で結合されるメモリを含む。メモリは、1つ以上のプロセッサにより実行された場合に、車両に近接する交通の現在のレベルが交通閾値を満たしていることの検出に応答して、1つ以上のプロセッサに、少なくとも交通の現在のレベルにしたがって制御プロファイルを決定させる命令を含む、監視モジュールを記憶する。制御プロファイルは、交通内を走行中に車両を減速するための制動を回避する車両についての目標巡行速度および加速入力を少なくとも示す。メモリは、1つ以上のプロセッサにより実行された場合に、1つ以上のプロセッサに、交通内を走行中に車両に目標巡行速度を実質的に維持させるため制御プロファイルにしたがって車両の1つ以上の車両システムを制御させる命令を含む、制御モジュールを記憶する。
【0006】
一実施形態においては、非一時的コンピュータ可読媒体が開示されている。コンピュータ可読媒体は、1つ以上のプロセッサにより実行された場合に、1つ以上のプロセッサに、開示された機能を行わせる命令を記憶する。命令には、車両に近接する交通の現在のレベルが交通閾値を満たしていることの検出に応答して、少なくとも現在の交通レベルにしたがって制御プロファイルを決定するための命令が含まれる。制御プロファイルは、交通内を走行中に車両を減速させるための制動を回避する車両のための目標巡行速度および加速入力を少なくとも示している。命令には、交通内を走行している間目標巡行速度を車両に実質的に維持させるように制御プロファイルにしたがって車両の1つ以上の車両システムを制御する命令が含まれる。
【0007】
一実施形態においては、交通内の車両を動作させる方法が開示されている。該方法は、車両に近接する交通の現在のレベルが交通閾値を満たしていることの検出に応答して、少なくとも交通の現在のレベルにしたがって制御プロファイルを決定することを含む。制御プロファイルは、交通内を走行中に車両を減速するための制動を回避する車両についての目標巡行速度および加速入力を少なくとも示す。該方法は、交通内を走行中に車両に目標巡行速度を実質的に維持させるため制御プロファイルにしたがって車両の1つ以上の車両システムを制御することを含む。
【0008】
本明細書中に組込まれその一部を構成する添付図面は、開示のさまざまなシステム、方法および他の実施形態を例示する。図中の例示された要素の境界(例えば囲み、囲み群または他の形状)は、境界の一実施形態を表現していることが認識される。いくつかの実施形態において、1つの要素を多数の要素として設計してよく、または多数の要素を1つの要素として設計してもよい。いくつかの実施形態において、別の要素の内部構成要素として示された要素を、外部構成要素として実装してよく、その逆も可能である。さらに、要素は、原寸に比例して描かれていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書中で開示されたシステムおよび方法を実装し得る、車両の一実施形態を例示する。
図2】交通内の車両の動作を改善するための車両システムの調整と結びつけられた誘導システムの一実施形態を例示する。
図3】交通の検出および車両システムの動作の調整と結び付けられた方法の一実施形態を例示する。
図4】速度の関数および距離の関数としての例示的制御パターンを示すグラフである。
図5】交通と結びつけられた例示的制御パターンおよび例示的制御プロファイルを示すグラフである。
図6】道路の例示的交通パターンの俯瞰図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
車両が交通内を走行している場合のその検出および交通内の車両の動作を改善するための1つ以上の車両システムの制御と結びつけられたシステム、方法および他の実施形態が開示されている。先に言及されたように、ドライバは概して、反応的に車両を制御する。したがって交通内で運転しているとき、ドライバは概して、交通が周期的に加速し減速するにつれて、交通によるリズムで車両を加速し制動する。ドライバは概して、過剰加速とその後に交通の速度と整合させるために減速することによって加速に用いたエネルギーを浪費することによるエネルギー損失を考慮することなく、この挙動を行なっている。こうして、交通渋滞の波動パターンは、例えば、最適とは言えない形で車両を制御するようドライバを誘発する。
【0011】
したがって、一実施形態においては、車両内部の誘導システムが、指摘された制御パターンについてのドライバの入力を監視する。制御パターンの検出に応答して、誘導システムは、交通内の車両を制御するための制御プロファイルを決定することができる。例えば、制御プロファイルは期待される加速入力および目標巡行速度を示すことができる。概して、期待加速入力は、目標巡行速度に到達するためと同様に車両を減速し車両の全体的エネルギー効率に影響を及ぼすのを回避するために車両を加速できる量を示す。その上、目標巡行速度は、減速することなく、または概して先に説明した周期的な形での減速を回避しながら交通内にある間の車両が走行できる速度である。したがって、一実施形態において、誘導システムは、車両内部のディスプレイを通してドライバに対し制御プロファイルを表示するかまたは、目標巡行速度を達成する目的で車両をいかに制御すべきかについてドライバに他の形で知らせる。
【0012】
さらなる態様では、誘導システムは同様に、目標巡行速度の維持を支援するためにさまざまな車両システムを制御することもできる。例えば、誘導システムは、車両のバッテリについて充電状態(SOC)の限界(例えば上限および/または下限)を調整し、自律的および/または補助的制御を提供することなどが可能である。このようにして、誘導システムは、車両が交通内で動作している場合の車両のエネルギー効率を改善する。
【0013】
図1を参照すると、車両100の一実施例が示されている。本明細書中で使用されるように、「車両」とは、動力式輸送の任意の形態のことである。1つ以上の実装において、車両100は、自動車である。本明細書中では自動車に関連した配置が説明されているものの、実施形態は自動車に限定されないということが理解される。いくつかの実装において、車両100は、例えば、車両100が交通内で走行している場合にそれを検出することおよび本明細書中で論述されている交通の効果を軽減するために車両100の1つ以上の側面を制御することによる利益を享受する他のあらゆる形状の動力式輸送であってよい。
【0014】
車両100は同様に、さまざまな要素を含んでいる。さまざまな実施形態において、車両100が図1に示された要素の全てを有している必要はないということが理解される。車両100は、図1に示されたさまざまな要素の任意の組合せを有することができる。さらに車両100は、図1に示されたものに対する追加の要素を有することができる。いくつかの配置において、車両100は、図1に示された要素の1つ以上を伴わずに実装されてよい。さらに、さまざまな要素が図1中の車両100の内部に位置設定されるものとして示されているが、これらの要素の1つ以上を車両100の外部に位置設定することができるものと理解される。さらに、示された要素は、大きな距離だけ物理的に分離されていてよい。
【0015】
車両100の考えられる要素のいくつかが図1に示され、後続する図と共に説明される。ただし図1中の要素の多くについての説明は、この説明を簡潔にすることを目的として、図2〜6についての論述の後に提供される。さらに、例示を単純かつ明確にするため、該当する場合、参照番号は、対応する要素または類似の要素を示すために、異なる図の間で繰返し使用されている。さらに、論述では、本明細書中に記載の実施形態を完全に理解できるようにするため、多くの具体的詳細が概要説明されている。しかしながら、当業者であれば、本明細書中に記載の実施形態が、これらの要素のさまざまな組合せを用いて実施され得るということを理解するものである。
【0016】
いずれの場合でも、車両100は、この車両100が交通内で動作していることの検出に応答したエネルギー効率改善のためのさまざまな車両システムの制御に関連して本明細書中に開示されている方法および他の機能を行なうために実装された誘導システム170を含む。指摘された機能および方法は、図のさらなる論述と共により明確になるものである。
【0017】
図2を参照すると、図1の誘導システム170の一実施形態がさらに例示されている。誘導システム170は、図1の車両100由来のプロセッサ110を含むものとして示されている。したがって、プロセッサ110は、誘導システム170の一部であってよく、誘導システム170は、車両100のプロセッサ110とは別個のプロセッサを含んでいてよく、あるいは、誘導システム170は、データバスまたは別の通信経路を介してプロセッサ110にアクセスすることができる。一実施形態において、誘導システム170は、監視モジュール220および制御モジュール230を記憶するメモリ210を含む。メモリ210は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリまたはモジュール220および230を記憶するための他の好適なメモリである。モジュール220および230は、例えば、プロセッサ110によって実行された場合にプロセッサ110に本明細書中で開示されているさまざまな機能を行なわせるコンピュータ可読命令である。
【0018】
したがって、一実施形態において、監視モジュール220は概して、例えばセンサシステム120のうちの1つ以上のセンサからの制御情報および/またはセンサデータを獲得するようにプロセッサ110を制御するために機能する命令を含む。制御情報は、一実施形態において、アクセルペダルセンサ、ブレーキペダルセンサなどからの情報である。概して、制御情報は、車両100のドライバからの制御入力を識別する。さらなる実施形態において、監視モジュール220は同様に、ライダー(Lidar)124、レーダ(radar)123、カメラ126、ナビゲーションシステム147、IMU、および/または他のセンサからセンサデータを獲得して現在の交通渋滞レベルを確認する。しかしながら、一実施形態において、監視モジュール220は、少なくとも最初は、制御情報の電子ストリームを監視して、交通渋滞を表わす制御パターンを識別する。
【0019】
制御パターンは異なる形態をとることができるが、概して周期的加速入力および減速入力によって特徴付けされる。すなわち、制御パターンは、交通内にある間にドライバがどのように車両100を制御しているかを表わすものである車両100の反復的加速とそれに続く車両100の減速を定義する。この一般的な加速および減速挙動の1つの例えとして、交通渋滞のある道路(例えば高速道路)上の車両が波状的効果、または換言すると渋滞ショックウェーブを生成すると考える。車両が交通内部で移動し始めるにつれて、ドライバは急速に加速するという挙動傾向を有する。しかしながら、交通内部で利用できる空間は急速に加速する車両によって吸収されてしまうことから、車両は次に減速する。この挙動により、渋滞の増加に応じて加速しては減速する車両が形成する波状的パターンで道路に沿って連続し伝播する波が発生する。この挙動の特定の側面については、後でより詳細に論述する。しかしながら、交通内で車両を動作させているときにドライバがもたらす付随する制御パターンが、概して、この交通渋滞波の周期性と相関関係を有するという点を認識すべきである。
【0020】
いずれの場合でも、監視モジュール220は、ドライバ入力内に制御パターンを識別することにより車両100が交通内で動作していることを識別する。その上、交通渋滞のレベル/密度は、例えば制御入力の周期および/または制御入力の振幅などと相関関係を有する。さらに、監視モジュール220は、一実施形態において、1つ以上のセンサからの入力を解析して、交通の存在を確認しかつ/または交通の特定の密度を決定する。制御パターンおよび/または追加のセンサ入力にしたがって交通および交通の密度を検出することにより、監視モジュール220は次に、交通内における車両100の動作を容易にするための制御プロファイルを決定することができる。先に指摘したように、制御プロファイルは、交通の周期的加速/減速パターンにしたがって決定される変動する速度で走行する代りに交通内で車両100に一貫した速度を維持させるための目標巡行速度を識別する。
【0021】
その上、さまざまな実施形態において、監視モジュール220は、異なる方法を用いて制御プロファイルを決定することができる。すなわち、監視モジュール220は、一実施形態において、検出された制御パターンにしたがって制御プロファイルの構成要素を計算することができる。さらなる実施形態において、監視モジュール220は、異なる交通レベル/密度についての定義された制御プロファイルを含む誘導システム170内に記憶されたルックアップテーブルまたはデータベースを使用する。なおもさらなる実施形態において、監視モジュール220は、車両100の現在の動作条件(例えば交通レベルなど)についての電子入力を受入れ、制御プロファイルである出力を生成するニューラルネットワークまたは他の形態の機械学習などの計算モデルを実装することができる。いずれの事例においても、監視モジュール220は、交通の存在を検出し、交通内の車両100の動作を改善するための制御プロファイルを提供することができる。
【0022】
さらなる態様において、監視モジュール220は同様に特定の交通シナリオにおけるドライバの挙動を学習し、変動する渋滞レベルに伴ってどのように交通速度が変化するかについての異なる側面を学習することなども可能となる。こうして、監視モジュール220は、車両100のセンサ、車両100のさまざまなシステム、および他のソース(例えば遠隔監視ソース)からデータを収集して、監視モジュール220がドライバモデル250と組合わさって交通/ドライバ挙動を予測して交通内で動作している間の制動を回避する制御プロファイルを提供できるように交通および交通に関係する側面を識別するためにドライバモデル250を訓練および/または生成することができる。
【0023】
さらに、誘導システム170は一実施形態において、同様に、制御プロファイルにしたがって車両システム140の1つ以上を制御するようにプロセッサ110を制御するために機能する命令を概して含む制御モジュール230も含んでいる。例えば、一実施形態において、制御モジュール230は、ドライバに目標巡行速度を達成するためにどのように車両100を制御すべきかについての情報を提供するため、ドライバに対しグラフィック形態で制御プロファイルをレンダリングするべく、インダッシュディスプレイなどのヒューマンマシンインターフェース(HMI)を制御する。すなわち、一実施形態において、制御モジュール230は、制動/減速を回避しながら一貫した移動状態に車両100を維持する初期加速と後続する目標巡行速度とを含む速度プロファイルのグラフおよび/または明示的な命令をディスプレイに提供させる。こうして、一実施形態において、制御モジュール230は、特定の加速入力、いつ惰行すべきか、いつ変速すべきかなどの指示を提供することによって、ドライバを指導することができる。例えば、1つの態様において、制御モジュール230は、ドライバがどのように制御プロファイルと密接に車両100を制御しているかに関連してドライバの手動入力を同時に格付けしながら、制御プロファイルを示ようにグラフィック要素をレンダリングする。
【0024】
その上、制御モジュール230は、一実施形態において、例えば他の車両との車間距離の維持よりも目標巡行速度を優先させる適応型クルーズコントロールシステムと類似の制御を提供することができる。すなわち、制御モジュール230は、目標巡行速度の維持を優先させるために、車両100の前方の車両との車間距離を変動させることができる。その上、制御モジュール230は、車両システム140のうちのさまざまな車両システムを調整して、目標巡行速度の維持および/または達成を容易にすることができる。例えば、制御モジュール230は、一実施形態において、一時的に車両バッテリの充電状態(SOC)の下方限界を調整して、目標巡行速度を維持する場合の追加の加速を可能にすることができる。さらなる態様において、制御モジュール230は、惰行期間中の効率の良い充電、特定のレベルまでの車両のバッテリの予備充電、次回の加速のためのエンジン動作の調整などを支援するために、車両システム140を制御することができる。
【0025】
一実施形態において、誘導システム170はデータベース240を含む。データベース240は、例えば、メモリ210または別の電子データストア内に記憶され、記憶されたデータの解析、記憶されたデータの提供、記憶されたデータの組織化などのためにプロセッサ110が実行できるルーチンを伴って構成されている、電子データ構造である。したがって、一実施形態において、データベース240は、さまざまな機能を実行する上でモジュール220および230が使用/提供するデータを記憶する。一実施形態において、データベース240は、ドライバモデル250、制御プロファイル260、ロギングされた(logged)センサデータ、ロギングされた交通データ、ロギングされた車両データ、1つ以上の計算モデルなどを含む。一実施形態において、ドライバモデル250は、さまざまなタイプの交通と関連付けたドライバの挙動をモデリングする計算モデルである。こうして、監視モジュール220は、交通の存在/レベルを検出するとき、制御プロファイルを生成するときなどに、ドライバモデル250を使用し得る。
【0026】
検出された交通レベルにしたがって車両システムを制御する追加の態様について、図3と関連付けて論述する。図3は、検出された交通レベルにしたがった1つ以上の車両システムの制御と結びつけられた方法300の流れ図を例示している。方法300は、図1および2の誘導システム170の視点から論述される。方法300は、誘導システム170との組合せで論述されているが、方法300は、誘導システム170内部での実装に限定されず、これはむしろ該方法300を実装し得るシステムの一例であるということを認識すべきである。
【0027】
310において、監視モジュール220は交通について監視する。一実施形態において、監視モジュール220は、例えばブレーキペダルおよびアクセルペダルの位置を電子的に監視することによってドライバからの制御入力を監視する。監視モジュール220は、これらの制御入力を経時的に監視して、交通内で運転されている車両100を表わす制御パターンを検出することができる。
【0028】
例えば、図4は、経時的な車両100の速度のグラフ400、および経時的な距離のグラフ405を例示する。グラフ400は、車両100による別個の加速/減速事象を表わす3つの「ハンプ(humps)」410、415および420を含む。加速/減速「ハンプ」410、415および420は、グラフ405内に示された距離ライン425内にさらに反映されている。両方のケースで、グラフ400および405は、交通内での走行を表わすスピードアップとそれに続くスローダウンの周期的パターンを例示している。その上、ライン425内で示されているように、加速中の急速な距離の蓄積が例示され、その後に動きの少ない期間が周期的反復の前に続いている。したがって、グラフ400および405中に例示されている全体的な制御パターンは、車両100が動作している現在の交通レベルの指標である。グラフ400および405は概して、交通内での走行中に制御パターンがどのように展開し得るかの一例を例示しているということを認識すべきである。したがって、異なる条件下(例えば高密度交通、低密度交通など)で、グラフは、より急な加速/減速プロファイル、ブロックされたプロファイル(例えば減速前の一定期間中最高速度に到達)、より漸進的なプロファイルなどを有する可能性がある。その結果として、車両100の制御パターンは、車両100が動作中である交通の特定の条件およびレベルに応じて考えられるプロファイルの連続体に跨ることができる。
【0029】
いずれの場合においても、監視モジュール220は、交通の存在を表わす制御パターンについて車両100の動作を連続的に監視することができる。概して、このような制御パターンは図4に例示されているものに類似し、したがって、監視モジュール220は概して、例えば指摘されたグラフの交通閾値内で、グラフ400の例示されたパターンに類似する制御パターンについて監視する。
【0030】
320において、監視モジュール220は、検出された制御入力が交通を表わすものであるか否かを決定する。一実施形態において、監視モジュール220は、検出された入力を正規化し、グラフ400の例示されたパターンなどの模範的制御パターンに対して検出された入力を比較して、検出された入力が模範的パターンから交通閾値(例えば規定の度数だけのプラスマイナス)内にあるか否かを決定することができる。さらなる実施形態において、交通閾値は、交通の存在の識別と相関する車両の加速および減速頻度を示す。こうして、監視モジュール220は、車両100が交通内で動作しているか否かを決定するためどれ程頻繁に加速/減速制御が反復されているかを識別する目的で入力を解析することができる。
【0031】
その上、監視モジュール220は、センサシステム120の少なくとも1つのセンサおよび/または車両システム140からの電子入力を解析して、車両100に近接する追加の車両の密度および/またはこれらの追加の車両の走行速度を決定することができる。さらなる態様では、監視モジュール220は同様に、密度を交通閾値と比較して交通の現在レベルを確認することもできる。例えば320において、監視モジュール220はさらに、カメラ126、近接センサ、レーダ123、ナビゲーションセンサ147、速度センサ、車両間(v2v)通信デバイスおよび車両・インフラ間(v2i)通信デバイス、ライダー124などからの電子入力を解析することができる。こうして、310からの検出された制御入力および/またはさまざまなセンサからの電子入力にしたがって、監視モジュール220は320において、現在の交通レベルが交通閾値を満たすか否かを決定する。
【0032】
その結果として、車両100が現在交通内を走行していないことを監視モジュール220が決定した場合には、監視モジュール220は、310で論述されたように交通についての監視を続行する。
【0033】
しかしながら、車両100が交通内で走行していることを監視モジュール220が決定した場合には、監視モジュール220は330において制御プロファイル260を生成するかまたは他の形で決定する。したがって、一実施形態において、監視モジュール220は、予測された加速入力、惰行期間および/または車両100に交通内を走行しながら目標巡行速度を実質的に維持させる他の情報/示唆された調整を伴う制御プロファイル260を提供する。このため、制御プロファイル260は概して、減速のため車両100のブレーキ使用の回避を目標としている。これは、例えばブレーキ使用が惰行に比べて効率が低いからである。こうして、車両100の動作を最適化するために、監視モジュール220は、一実施形態において車両100内に回生ブレーキが存在する場合このブレーキを含めたブレーキの使用を回避するために制御プロファイル260を生成する。
【0034】
一実施例として、さらに図4のグラフ400および405を考慮する。例示されているように、グラフ400は、交通内を走行中の車両100の平均速度を表わすライン430を含む。同様にして、ライン435は、平均速度430にしたがって走行しているときに体験すると考えられる距離の恒常な進展を表わす。したがって、410、415、420および425に比較して、ライン430および435は、周期的な加速/減速挙動と一貫した目標巡行速度との間の対比を例示する。したがって、監視モジュール220は、平均速度430に類似する動作の達成を最終目標として、制御プロファイル260を生成する。
【0035】
さらなる実施例として、図5は、初期検出段階505とそれに続く、提供された制御プロファイル260にしたがって車両100が動作している模範的期間である制御段階510とを伴うグラフ500を示す。こうして、監視モジュール220は最初に、検出段階505にわたる交通の存在を検出する。さまざまな実施形態において、検出段階505の長さは、確度、特定の交通の独自性などのさまざまな実装因子にしたがって変動し得る。いずれの場合でも、監視モジュール220は、一実施形態において、制御プロファイル260を決定するため車両100が段階505中にどのように動作しているかの特性を使用する。すなわち、例えば、監視モジュール220は、制御プロファイル260を計算するために、制御入力の周波数、制御入力の振幅、加速/減速率などを決定する。
【0036】
こうして、図5に示されているように、監視モジュール220は、検出段階505のため一定の期間520にわたり距離515を決定することができる。したがって監視モジュール220は、次に、目標巡行速度として使用するための平均速度として制御プロファイル260を計算することができると共に、車両100が目標巡行速度を達成するという結果をもたらす効率の良い加速を計算することもできる。図5に示されているように、初期加速入力を含め、周囲の交通530の速度に対比して目標巡行速度525が例示されている。このように、目標巡行速度は、周囲の交通の速度530内に示された加速/減速と比べ、車両100の一貫した動作を提供する。
【0037】
さらなる態様において、監視モジュール220は同様にさらなる加速入力を提供する前の惰行期間のための目標巡行速度の上下の余裕を提供すること、車両100のさまざまな他のシステムを制御するための指標を提供すること、なども可能である。例えば、監視モジュール220は、車両100のバッテリをいつ予備充電するか、SOC限界拡張がいつ受諾可能か、加速のためにいつ車両100のモータを準備すべきか、などについての指標を含めるように制御プロファイル260を計算することができる。さらに、先に論述したように、監視モジュール220が、幾つかの異なる方法で制御プロファイル260を計算しかつ/またはデータソースから制御プロファイル260を決定することができる、ということを認識すべきである。いずれの場合でも、監視モジュール220は、車両100が交通内を走行しているときの車両100の効率の良い制御を容易にする方法として、制御プロファイル260を提供する。
【0038】
340では、制御モジュール230は、制御プロファイル260にしたがって1つ以上の車両システム140を制御する。一実施形態において、制御モジュール230は、ドライバに対する視覚的指導として制御プロファイル260を生成するため、出力システム135、ディスプレイ、および/または別のシステムの1つ以上の態様を制御する。すなわち、例えば制御モジュール230は、交通内で車両100を動作させている間に、目標惰行速度を達成するために車両100をどのように制御すべきかについての命令をドライバに提供する目的で、インフォテインメントシステム(infotainment system)の一部分である車両100のダッシュボード内のディスプレイ上、拡張現実(AR)システム内のヘッドアップディスプレイ(HUD)上、または別のディスプレイ手段を通して、グラフィクスをレンダリングする。
【0039】
さまざまな態様において、制御プロファイル260を表示するために使用されるグラフィック要素は、グラフ、テキスト命令、絵文字、実際のドライバ入力に応答したヒートマップなどを含み得る。さらに、制御モジュール230は同様に、車両100が交通内でどのように動作するかの効率を改善するため、制御プロファイル260にしたがったさらなる制御をも提供することができる。例えば、一実施形態において、制御モジュール230は、制御プロファイル260にしたがって車両100を制御するための部分的制御を提供する。すなわち、車両100が交通内で制御プロファイル260にしたがって動作している場合、制御モジュール230は、ドライバが不適切な手動制御入力を提供した場合に少なくとも制御プロファイル260にしたがって加速し減速するように、車両を制御することができる。こうして、制御モジュール230は、制御プロファイル260にしたがった車両100の動作を維持する期待制御と比較してドライバからの入力を監視し、手動ドライバ制御が期待制御の閾値変動の範囲内にない場合にドライバから制御を引き継ぐことができる。さらなる態様において、制御モジュール230は、期待制御が期待制御の閾値変動の範囲内にない場合に、変動する応答度を提供することができる。例えば、制御モジュール230は、最初に警報または警告を提供することができ、ドライバが警報に応答しない場合には制御モジュール230は、制御を引き継ぐかまたは部分的制御を提供して、車両100を期待された入力に戻って微調整することができる。
【0040】
こうして、一例を挙げると、ドライバが車両100を加速および減速するための制御入力を提供するにつれて、制御モジュール230は、制御入力が期待制御の閾値分散(例えば10%未満の差異)内にあるか否かを決定する。ドライバ制御入力が閾値分散を超えたことを制御モジュール230が決定した場合、制御モジュール230は、最大の分散を満たすように制御を微調整し、かつ/または制御入力を完全に引き継いで期待制御を提供することができる。いずれの場合でも、制御モジュール230は、車両100が制御プロファイル260にしたがって動作することを保証するために、選択的に介入することができる。
【0041】
さらに、先に指摘したように、制御モジュール230は、制御プロファイル260の維持を支援して動作を調整するために、車両100のさらなるシステムを制御することができる。例えば、制御モジュール230は、車両100のバッテリの充電状態(SOC)の上方および/または下方限界を調整することができる。すなわち一例として、車両100が制御プロファイル260にしたがって加速しなければならないもののSOC上の電流限界によるとバッテリ内の利用可能な電荷が不充分である場合には、制御モジュール230は一時的にこの限界を一時的に下方調整して、燃焼モータを始動させることなく加速を可能にすることができる。
【0042】
さらに、制御モジュール230は、一実施形態において、例えば次回の加速を見込んで追加の充電を可能にするためSDC限界を上方調整することができる。さらに、制御モジュール230は、制御プロファイル260にしたがった動作を支援するためのさまざまなシステムを開始させること、エネルギーを保存するために車両システム140のうちの特定の1つを使えなくすること、なども可能である。
【0043】
車両100が交通内で動作しているときに車両100の動作を誘導システム170がどのように調整できるかのさらなる一例として、図6を考慮する。図6は、特定の交通シナリオで示されている例示的道路600の俯瞰図を示す。道路600上で例示されているように、A、BおよびCと標識付けされた別個の車線内を多くの車両が走行している。各車線はそれぞれの間隙610を有する。間隙610は、波がどのようにして交通を通って伝播して前述の加減速周期挙動をひき起こすかを例示している。こうして、図6に示されているように、間隙610を超えると車両は減速中となるか停止させられると考えられ、一方間隙610の手前では車両は、加速して入って行ける自由空間があるため、概して加速中になると考えられる。しかしながら、指摘したように、間隙を超えた車両は、既に減速しているかまたは減速中であることから、現在加速中の車両も同様に衝突を避けるために直ちに減速することが必要となる。このようにして、加速/減速の波は交通を通して伝播する。
【0044】
しかしながら、車両100が交通を検出しこのパターンでの加速/減速効率を軽減するように動作する場合、誘導システム170は、交通を検出し、車両100のドライバが容易に制御プロファイル260にしたがって慎重な制御を提供できるようにする。このようにして、車両100は間隙を過度に急速に使いきることはなく、こうして減速することなく比較的一貫した速度を維持することができる。したがって、反復的減速の中でエネルギーが失われることがないため、車両100は改善されたエネルギー効率で動作する。
【0045】
ここで、図1について、本明細書中で開示されたシステムおよび方法が動作し得る例示的環境として詳細に論述する。いくつかの事例において、車両100は、自律的モード、1つ以上の半自律的動作モード、および/または手動モードの間で選択的に切換えるように構成されている。このような切換えは、現在公知であるかまたは後に開発される好適な形で実装可能である。「手動モード」とは、車両のナビゲーションおよび/または操作の全てまたは大部分が、ユーザー(例えば人間のドライバ)から受信した入力にしたがって行なわれることを意味する。1つ以上の配置において、車両100は、手動モードのみで動作するように構成された従来の車両であり得る。
【0046】
1つ以上の実施形態において、車両100は、自律的車両である。本明細書中で使用される「自律的車両」というのは、自律的モードで動作する車両を意味する。「自律的モード」とは、人間のドライバからの入力が最小限しかないまたは全く無い状態で車両100を制御するために1つ以上の計算システムを用いて走行経路に沿って車両100をナビゲートおよび/または操作することを意味する。1つ以上の実施形態において、車両100は、高度に自動化されているか、または完全に自動化されている。一実施形態において、車両100は、1つ以上の計算システムが、走行経路に沿って車両のナビゲーションおよび/または操作の一部分を行ない、車両のオペレータ(すなわちドライバ)が、走行経路に沿って車両100のナビゲーションおよび/または操作の一部分を行なうように車両に入力を提供する、1つ以上の半自律的動作モードで構成される。
【0047】
車両100は、1つ以上のプロセッサ110を含むことができる。1つ以上の配置において、プロセッサ110は車両100の主プロセッサであり得る。例えば、プロセッサ110は、電子制御ユニット(ECU)であり得る。車両100は、1つ以上のタイプのデータを記憶するために1つ以上のデータストアを含むことができる。データストア115は、揮発性および/または非揮発性メモリを含むことができる。好適なデータストア115の例としては、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(読取り専用メモリ)、PROM(プログラマブル読取り専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読取り専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、または他の好適な記憶媒体またはその任意の組合せが含まれる。データストア115はプロセッサ110の一構成要素であり得、あるいは、データストア115は、プロセッサによる使用のためプロセッサ110に対して作動的に接続され得る。本明細書全体を通して使用される「作動的に接続される」なる用語は、直接的な物理的接触の無い接続を含めた直接的または間接的接続を含み得る。
【0048】
1つ以上の配置において、1つ以上のデータストア115は、地図データ116を含むことができる。地図データ116は、1つ以上の地理的エリアの地図を含むことができる。いくつかの事例において、地図データ116は、1つ以上の地理的エリア内の道路、交通制御デバイス、路面表示、構造部、特徴および/またはランドマークの情報またはデータを含むことができる。地図データ116は、任意の好適な形態をとることができる。いくつかの事例において、地図データ116は、エリアの空中写真を含むことができる。いくつかの事例において、地図データ116は、360度の地上図を含む、エリアの地上図を含むことができる。地図データ116は、地図データ116内に含まれた1つ以上のアイテムについての、かつ/または地図データ116内に含まれた他のアイテムに関する測定値、寸法、距離および/または情報を含むことができる。地図データ116は、道路の幾何形状に関する情報を伴うデジタル地図を含むことができる。地図データ116は高品質でかつ/または極めて詳細であり得る。
【0049】
1つ以上の配置において、地図データ116は、1つ以上の地形図117を含むことができる。地形図117は、1つ以上の地理的エリアの地盤、地形、道路、表面および/または他の特徴に関する情報を含むことができる。地形図117は、1つ以上の地理的エリア内の高度データを含むことができる。地図データ116は、高品質でかつ/または極めて詳細であり得る。地形図117は、舗装道路、未舗装道路、土地(land)および地表面を定義する他の事柄を含み得る1つ以上の地面を定義することができる。
【0050】
1つ以上の配置において、地図データ116は、1つ以上の固定障害物地図118を含むことができる。固定障害物地図118は、1つ以上の地理的エリア内部に位置設定された1つ以上の固定障害物についての情報を含むことができる。「固定障害物(static obstacle)」とは、その位置が一定の期間にわたり変化しないまたは実質的に変化しないおよび/またはそのサイズが一定の期間にわたり変化しないまたは実質的に変化しない物理的物体のことである。固定障害物の例としては、樹木、建物、縁石、フェンス、ガードレール、中央分離帯、電柱、彫像、モニュメント、看板、ベンチ、調度品、郵便箱、大きな岩石、丘が含まれる。固定障害物は、地表面より上に延在する物体であり得る。固定障害物地図118内に含まれる1つ以上の固定障害物は、場所データ、サイズデータ、寸法データ、材料データ、および/またはそれに付随する他のデータを有することができる。固定障害物地図118は、1つ以上の固定障害物についての測定値、寸法、距離および/または情報を含むことができる。固定障害物地図118は高品質でかつ/または極めて詳細であり得る。固定障害物地図118は、地図作成されたエリア内の変化を反映するように更新され得る。
【0051】
1つ以上のデータストア115は、センサデータ119を含むことができる。これに関連して、「センサデータ」とは、係るセンサについての能力および他の情報を含めた、車両100に備わったセンサについてのあらゆる情報を意味する。以下で説明されるように、車両100はセンサシステム120を含むことができる。センサデータ119は、センサシステム120の1つ以上のセンサに関するものであり得る。一例として、1つ以上の配置において、センサデータ119は、センサシステム120の1つ以上のLIDARセンサ124についての情報を含むことができる。
【0052】
いくつかの事例において、地図データ116および/またはセンサデータ119の少なくとも一部分は、車両100に搭載して位置設定された1つ以上のデータストア115の中に位置設定される。代替的にまたは付加的に、地図データ116および/またはセンサデータ119の少なくとも一部分は、車両100から遠隔に位置設定された1つ以上のデータストア115内に位置設定され得る。
【0053】
上述のように、車両100は、センサシステム120を含むことができる。センサシステム120は1つ以上のセンサを含むことができる。「センサ」とは、何かを検出および/または検知できる任意のデバイス、構成要素および/またはシステムを意味する。1つ以上のセンサは、実時間で検出および/または検知するように構成され得る。本明細書中で使用される「実時間」なる用語は、特定のプロセスまたは決定が行なわれるのに充分即時であるものとしてユーザまたはシステムが検知する、またはプロセッサがいくつかの外部プロセスを持続するようにする、処理応答性レベルを意味する。
【0054】
センサシステム120が複数のセンサを含んでいる配置において、センサは互いに独立して機能することができる。代替的には、2つ以上のセンサが互いに組合わさって機能できる。このような場合、2つ以上のセンサはセンサネットワークを形成し得る。センサシステム120および/または1つ以上のセンサは、プロセッサ110、データストア115および/または車両100の別の要素(図1に示された要素のいずれかを含む)に対して作動的に接続され得る。センサシステム120は、車両100の外部環境(例えば近隣の車両)の少なくとも一部分のデータを獲得することができる。
【0055】
センサシステム120は、任意の好適なタイプのセンサを含むことができる。異なるタイプのセンサのさまざまな例が、本明細書中で説明される。しかしながら、実施形態は、説明されている特定のセンサに限定されるわけではないということが理解されるものとする。センサシステム120は、1つ以上の車両センサ121を含むことができる。車両センサ121は、車両100自体に関する情報を検出、決定、および/または検知することができる。1つ以上の配置において、車両センサ121は、例えば慣性加速度に基づいて車両100の位置および向きの変化を検出および/または検知するように構成され得る。1つ以上の配置において、車両センサ121は、1つ以上の加速度計、1つ以上のジャイロスコープ、慣性測定ユニット(IMU)、デッドレコニングシステム(dead-reckoning system)、全地球的航法衛星システム(GNSS)、全地球位置測定システム(GPS)、ナビゲーションシステム147および/または他の好適なセンサを含むことができる。車両センサ121は、車両100の1つ以上の特性を検出および/または検知するように構成され得る。1つ以上の配置において、車両センサ121は、車両100の現行速度を決定するための速度計を含むことができる。
【0056】
代替的に、または付加的に、センサシステム120は、運転環境データを獲得および/または検知するように構成された1つ以上の環境センサ122を含むことができる。「運転環境データ」は、自律的車両が位置設定されている外部環境またはその1つ以上の部分に関するデータまたは情報を含む。例えば、1つ以上の環境センサ122は、車両100の外部環境の少なくとも一部分の中の障害物および/またはこのような障害物についての情報/データを検出、数量化および/または検知するように構成され得る。このような障害物は、静止物体および/または動的物体であってよい。1つ以上の環境センサ122は、車両100の外部環境内の他の物、例えば車線マーカー、看板、交通信号灯、交通標識、車線ライン、横断歩道、車両100に近接する縁石、一般道路外物体などを検出、測定、数量化および/または検知するように構成され得る。
【0057】
センサシステム120のさまざまな実施例が本明細書中で説明される。例示的センサは、1つ以上の環境センサ122および/または1つ以上の車両センサ121の一部であってよい。しかしながら、実施形態は説明された特定のセンサに限定されないということが理解されるものとする。
【0058】
一例として、1つ以上の配置において、センサシステム120は、1つ以上のレーダーセンサ123、1つ以上のLIDARセンサ124、1つ以上のソーナセンサ125および/または1つ以上のカメラ126を含むことができる。1つ以上の配置において、1つ以上のカメラ126は、高ダイナミックレンジ(HDR)カメラまたは赤外線(IR)カメラであり得る。
【0059】
車両100は、入力システム130を含むことができる。「入力システム」は、情報/データをマシン内に入力できるようにする任意のデバイス、構成要素、システム、要素または配置またはそれらのグループを含む。入力システム130は、車両の乗員(例えばドライバまたは同乗者)からの入力を受信することができる。車両100は、出力システム135を含むことができる。「出力システム」は、情報/データを乗員(例えば人、乗員等)に提示できるようにする任意のデバイス、構成要素、または配置またはそれらのグループを含む。
【0060】
車両100は、1つ以上の車両システム140を含むことができる。図1には1つ以上の車両システム140のさまざまな実施例が示されている。しかしながら、車両100は、より多くの、より少ない、または異なる車両システムを含むことができる。特定の車両システムが別個に定義されているが、これらのシステムの各々またはいずれか、あるいはその一部分を車両100の内部でハードウェアおよび/またはソフトウェアを介して他の形で組合せるかまたは分離してもよい。車両100は、推進システム141、制動システム142、操舵システム143、スロットルシステム144、トランスミッションシステム145、シグナリングシステム146および/またはナビゲーションシステム147を含むことができる。これらのシステムの各々は、現在公知のまたは後日開発される1つ以上のデバイス、構成要素および/またはそれらの組合せを含むことができる。
【0061】
ナビゲーションシステム147は、車両100の地理的場所を決定しかつ/または車両100のための走行経路を決定するように構成された、現在公知のまたは後日開発される1つ以上のデバイス、アプリケーションおよび/またはそれらの組合せを含むことができる。ナビゲーションシステム147は、車両100のための走行経路を決定するための1つ以上のマッピングアプリケーションを含むことができる。ナビゲーションシステム147は、全地球位置測定システム、局地位置測定システム、地理位置情報システムを含むことができる。
【0062】
プロセッサ110、誘導システム170および/または自律的運転モジュール160は、さまざまな車両システム140および/またはその個別の構成要素と通信するために作動的に接続され得る。例えば、図1に戻ると、プロセッサ110および/または自律的運転モジュール160は、車両100の動き、速度、操作、フロントの向き、方向などを制御するためにさまざまな車両システム140からの情報を送信および/または受信するように通信状態にあり得る。プロセッサ110、誘導システム170および/または自律的運転モジュール160は、これらの車両システム140のいくつかまたは全てを制御してよく、こうして、部分的にまたは完全に自律的であってよい。
【0063】
プロセッサ110、誘導システム170および/または自律的運転モジュール160は、さまざまな車両システム140および/またはその個別の構成要素と通信するために作動的に接続され得る。例えば図1に戻ると、プロセッサ110、誘導システム170および/または自律的運転モジュール160は、車両100の動き、速度、操作、フロントの方向、方向などを制御するためにさまざまな車両システム140から情報を送信および/または受信するように通信状態にあり得る。プロセッサ110、誘導システム170および/または自律的運転モジュール160は、これらの車両システム140のいくつかまたは全てを制御してよい。
【0064】
プロセッサ110、誘導システム170および/または自律的運転モジュール160は、車両システム140および/またはそれらの構成要素の1つ以上を制御することにより、車両100のナビゲーションおよび/または操作を制御するように動作可能であってよい。例えば、自律的モードで動作している場合、プロセッサ110、誘導システム170および/または自律的運転モジュール160は、車両100の方向および/または速度を制御することができる。プロセッサ110、誘導システム170および/または自律的運転モジュール160は、車両100に、(例えばエンジンに提供される燃料供給を増大させることによる)加速、(例えばエンジンに対する燃料供給を減少しかつ/またはブレーキを適用することによる)減速、および/または(例えば2つの前輪の向きを変えることによる)方向転換を行なわせることができる。一実施形態において、誘導システム170は、車両に加速、減速および他のさまざまな操作を行なわせるプロセッサ110および自律的運転モジュール160からの制御信号、および/または自律的運転モジュール160がその操作を誘発した理由、に関するデータを収集することができる。本明細書中で使用される「〜させる(causeまたはcausing)」なる用語は、事象またはアクションが発生するかまたは少なくともそのような事象またはアクションが発生できる状態になるように、直接的または間接的に向ける、強制する、強制的にさせる、指示する、指令する、命令するおよび/または可能にすることを意味する。
【0065】
車両100は、1つ以上のアクチュエータ150を含むことができる。アクチュエータ150は、プロセッサ110および/または自律的運転モジュール160からの信号または他の入力の受信に応答して車両システム140またはその構成要素の1つ以上を修正、調整および/または改変するために動作可能な任意の要素または要素の組合せであり得る。任意の好適なアクチュエータを使用することができる。例えば、1つ以上のアクチュエータ150としては、ほんの少数の可能性を挙げるだけでも、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、継電器、ソレノイドおよび/または圧電アクチュエータが含まれる可能性がある。
【0066】
車両100は、1つ以上のモジュールを含むことができ、そのうちのいくつかが本明細書中で説明されている。モジュールは、プロセッサ110により実行されたとき、本明細書中で説明されているさまざまなプロセスの1つ以上を実装するコンピュータ可読プログラムコードとして実装され得る。モジュールの1つ以上はプロセッサの一構成要素であり得、あるいは、モジュールの1つ以上を、プロセッサ110が作動的に接続されている他の処理システム上で実行するかまたはこれらの処理システム間に分散させることが可能である。モジュールは、1つ以上のプロセッサ110により実行可能な命令(例えばプログラム論理)を含むことができる。代替的にまたは付加的に、1つ以上のデータストア115が、このような命令を格納し得る。
【0067】
1つ以上の配置において、本明細書中に記載のモジュールの1つ以上は、人工知能または計算知能要素、例えばニューラルネットワーク、ファジー論理または他の機械学習アルゴリズムを含むことができる。さらに、1つ以上の配置においては、モジュールの1つ以上を、本明細書中に記載の複数のモジュール間に分散させることができる。1つ以上の配置において、本明細書中に記載のモジュールの2つ以上を、単一のモジュールの形に組合わせることができる。
【0068】
車両100は、1つ以上の自律的運転モジュール160を含むことができる。自律的運転モジュール160は、センサシステム120および/または、車両100および/または車両100の外部環境に関連する情報を捕捉できる任意の他のタイプのシステムからデータを受信するように構成され得る。1つ以上の配置において、自律的運転モジュール160はこのようなデータを用いて1つ以上の運転シーンモデルを生成することができる。自律的運転モジュール160は、車両100の位置および速度を決定することができる。自律的運転モジュール160は、交通標識、樹木、低木、隣接する車両、歩行者などを含めた、障害物または他の環境特徴部の場所を決定することができる。
【0069】
自律的運転モジュール160は、車両100の位置および向きを推定するためにプロセッサ110、および/または本明細書中に記載のモジュールの1つ以上が使用するための、車両100の外部環境内の障害物についての位置情報、複数の衛星からの信号に基づいて、グローバル座標内の車両の位置、あるいは、地図の新規作成または地図データとの関係における車両100の位置の決定のいずれかにおいて使用するため車両100の現在の状態を決定するかまたはその環境との関係における車両100の位置を決定するために使用され得る任意の他のデータおよび/または信号、を受信および/または決定するように構成され得る。
【0070】
自律的運転モジュール160は、独立した形で、または誘導システム170と組合せた形で、センサシステム120が獲得したデータ、運転シーンモデルおよび/または他の任意の好適なソースからのデータに基づいて、走行路、車両100のための現在の自律的運転操作、未来の自律的運転操作および/または現在の自律的運転操作に対する修正を決定するように構成され得る。「運転操作」は、車両の動きに影響を及ぼす1つ以上のアクションを意味する。運転操作の例としては、ほんの少数の可能性を挙げるだけでも、加速、減速、制動、方向転換、車両100の横方向への移動、走行車線変更、走行車線合流、および/または逆進が含まれる。自律的運転モジュール160は、決定された運転操作を実装するように構成され得る。自律的運転モジュール160は、直接的または間接的に、このような自律的運転操作を実装させることができる。本明細書中で使用される「〜させる(causeまたはcausing)」なる用語は、事象またはアクションが発生するかまたは少なくともそのような事象またはアクションが発生できる状態になるように、直接的または間接的に向ける、指令する、命令するおよび/または可能にすることを意味する。自律的運転モジュール160は、さまざまな車両の機能を実行し、および/または、車両100またはその1つ以上のシステム(例えば車両システム140の1つ以上)に対してデータを伝送し、これらからデータを受信し、これらと相互作用し、かつ/またはこれらを制御するように構成され得る。
【0071】
詳細な実施形態が本明細書中で開示されている。しかしながら、開示されている実施形態は単に例として意図されたものであるということを理解すべきである。したがって、本明細書中に開示されている特定の構造的および機能的詳細は、限定的なものとしてではなく、単にクレームのための根拠としておよび事実上あらゆる適切に詳述された構造において本明細書中の態様をさまざまな形で利用するべく当業者に教示するための代表的な根拠として解釈されなければならない。さらに、本明細書中で使用されている用語および言い回しは、限定的であるものとして意図されておらず、むしろ考えられる実装の理解可能な説明を提供するものと意図されている。さまざまな実施形態が図1〜3に示されているが、実施形態は、例示されている構造または適用に限定されない。
【0072】
図中の流れ図およびブロック図は、さまざまな実施形態に係るシステム、方法およびコンピュータプログラムプロダクツの考えられる実装のアーキテクチャ、機能性および動作を例示する。この点において、流れ図またはブロック図内の各ブロックは、規定の論理機能を実装するための1つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメントまたはコード部分を表わしていてよい。同様に、いくつかの代替的実装においては、ブロック内に記された機能が図中に記された順序を逸脱して行なわれてもよいという点にも留意すべきである。例えば、連続的に示された2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行され得、またはブロックは、関与する機能性に応じて逆の順序で実行される場合も時にはある。
【0073】
上述のシステム、構成要素および/またはプロセスは、ハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組合せの形で実現され得、1つの処理システム内に集中した形、または、異なる要素が幾つかの相互接続された処理システムにわたり広がっている場合には分散した形で実現可能である。本明細書中に記載された方法を実施するために適応させられたあらゆる種類の処理システムまたは別の装置が好適である。ハードウェアとソフトウェアの典型的な組合せは、ロードされ実行された時点で、本明細書中に記載の方法を実施するように処理システムを制御するコンピュータ使用可能プログラムコードを伴う処理システムであり得る。システム、構成要素および/またはプロセスは同様に、本明細書中に記載の方法およびプロセスを実施するためにマシンにより実行可能である命令のプログラムを有形で具体化するマシンにより読取り可能なコンピュータ可読記憶装置、例えばコンピュータプログラムプロダクツまたは他のデータプログラム記憶デバイスの中に埋込むこともできる。これらの要素は同様に、本明細書中に記載の方法の実装を可能にする全ての特徴部を含みかつ、処理システム内にロードされた時点でこれらの方法を実施することのできるアプリケーションプロダクトの中に埋込むことも可能である。
【0074】
さらに、本明細書中に記載の配置は、例えば記憶されて具体化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する1つ以上のコンピュータ可読媒体中に具体化されたコンピュータプログラムプロダクトの形をとってよい。1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組合せを利用してよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってよい。「コンピュータ可読記憶媒体」なる語句は、非一時的記憶媒体を意味する。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線または半導体システム、装置またはデバイス、あるいはこれらの任意の好適な組合せであってよいが、これらに限定されるわけではない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、光学式記憶デバイス、磁気記憶デバイスまたはそれらの任意の好適な組合せが含まれうる。本明細書に関連して、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置またはデバイスによってまたはこれに関連して使用されるためのプログラムを格納または記憶できる任意の有形媒体であってよい。
【0075】
コンピュータ可読媒体上で具体化されるプログラムコードは、非限定的に無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RFなどまたはそれらの任意の好適な組合せを含む任意の適切な媒体を用いて伝送されてよい。当該配置の態様のためにオペレーションを実施するコンピュータプログラムは、オブジェクト指向プログラミング言語、例えばJavaTM(登録商標)、Smalltalk、C++など、および従来の手続き型プログラミング言語、例えば「C」プログラミング言語または類似のプログラミング言語を含めた1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで書くことができる。プログラムコードは、全面的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部はユーザのコンピュータ上、一部は遠隔コンピュータ上で、または全面的に遠隔のコンピュータまたはサーバー上で実行し得る。後者のシナリオの場合、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含めた任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてよく、あるいは、(例えばインターネットサービスプロバイダを用いてインターネットを介して)外部コンピュータに対し接続を行なうこともできる。
【0076】
本明細書中で使用される「a」および「an」なる用語は、1つ以上として定義される。本明細書中で使用される「複数(plurality)」なる用語は、2つ以上として定義される。本明細書中で使用される「別の」なる用語は、少なくとも第2のもの以上として定義される。本明細書で使用される「including(〜を含む、含めた)」および/または「having(〜を有する)」なる用語は、「comprising(〜を含む)」(すなわちオープンランゲージ)として定義される。本明細書中で使用されている「〜および〜のうちの少なくとも1つ(at least one of〜and〜)」なる語句は、付随する列挙された項目のうちの1つ以上の考えられるいずれかのおよび全ての組合せを参照し、包含する。一例として、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」なる語句は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、またはその任意の組合せ(例えばAB、AC、BCまたはABC)を含む。
【0077】
本明細書中の態様は、その精神または不可欠の属性から逸脱することなく、他の形態で具体化することができる。したがって、その範囲を示すものとしては以上の明細書ではなくむしろ以下のクレームを参照すべきである。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
交通内の車両を動作させるための誘導システムにおいて、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに通信可能に結合されたメモリであって、
1つ以上のプロセッサにより実行された場合に、前記車両に近接する前記交通の現在のレベルが交通閾値を満たしていることの検出に応答して、前記1つ以上のプロセッサに、少なくとも前記交通の前記現在のレベルにしたがって制御プロファイルを決定させる命令を含む、監視モジュールであって、前記制御プロファイルは、交通内を走行中に車両を減速するための制動を回避する前記車両についての目標巡行速度および加速入力を少なくとも示す、監視モジュール、および
1つ以上のプロセッサにより実行された場合に、前記1つ以上のプロセッサに、前記交通内を走行中に前記車両に前記目標巡行速度を実質的に維持させるため前記制御プロファイルにしたがって前記車両の1つ以上の車両システムを制御させる命令を含む、制御モジュール、
を記憶するメモリと、
を含む、誘導システム。
〔態様2〕
前記制御モジュールはさらに、
電子ディスプレイ上に、前記制御プロファイルに関する命令を生成して、前記車両のオペレータに、前記交通内で前記車両を動作させている間前記目標巡行速度を維持するための制御入力をどのように手動で提供するかの情報を与えること、
によって前記1つ以上の車両システムを制御するための命令を含んでいる、態様1に記載の誘導システム。
〔態様3〕
前記制御モジュールはさらに、
バッテリの充電状態(SOC)の限界を調整すること、前記オペレータが生成する前記制御入力をバイパスし、前記制御入力が前記制御プロファイルからの閾値変動を上回った場合に前記車両を直接制御すること、および前記制御入力が前記閾値変動を上回った場合に警報を提供すること、のうちの1つ以上を行なうことによって、前記目標惰行速度の維持を支援するために前記1つ以上の車両システムの動作を調整すること、
によって前記1つ以上の車両システムを制御するための命令を含んでいる、態様2に記載の誘導システム。
〔態様4〕
前記監視モジュールはさらに、前記交通内にいる間に減速のために前記車両を定期的に制動することを回避しながら前記車両に前記目標巡行速度を実質的に維持させる予測された加速入力および惰行期間を伴う前記制御プロファイルを生成することにより前記制御プロファイルを決定するための命令を含んでいる、態様1に記載の誘導システム。
〔態様5〕
前記監視モジュールはさらに、前記交通内で前記車両を動作させることと相関する制御パターンを識別するために前記車両を加速および減速するための制御入力を解析することによって前記交通の前記現在のレベルを検出するための命令を含んでおり、前記交通閾値は、交通渋滞の存在と相関する前記車両の加速および減速の頻度を示しており、
前記監視モジュールはさらに、前記制御パターンにより示された前記頻度が前記交通を表わすものであるか否かを決定するために前記制御パターンと前記交通閾値とを比較することによって前記交通の前記現在のレベルを検出するための命令を含んでいる、
態様1に記載の誘導システム。
〔態様6〕
前記監視モジュールはさらに、i)少なくとも1つのセンサからの電子入力を解析して、前記車両に近接する追加の車両の密度および前記追加の車両の走行速度を決定することおよび、ii)前記密度を前記交通閾値と比較して、前記交通の前記現在のレベルを確認することによって、前記交通の前記現在のレベルを検出するための命令を含んでいる、態様1に記載の誘導システム。
〔態様7〕
前記監視モジュールはさらに、カメラ、近接センサ、レーダ、ナビゲーションセンサ、速度センサ、車両間(v2v)通信デバイス、および車両・インフラストラクチャ間(v2i)通信デバイスのうちの少なくとも1つからの前記電子入力を解析することにより前記電子入力を解析するための命令を含んでいる、態様6に記載の誘導システム。
〔態様8〕
前記監視モジュールはさらに、前記交通の前記現在のレベルのためにドライバがどのように前記車両を動作させているかを特徴付けするドライバからの制御入力についての車両データをロギングすることによって前記制御閾値が満たされた場合に前記車両システムの1つ以上からの車両データを収集するための命令を含んでおり、
前記監視モジュールはさらに、前記ドライバの挙動を前記交通のレベルと相関するため前記車両データからドライバモデルを生成するための命令を含んでおり、
前記ドライバモデルは、前記交通のレベルのために前記ドライバがどのように前記車両を動作させる可能性があるかを特徴付けし、定期的な制動を回避するために前記交通のレベル内で前記車両を制御するための前記制御プロファイルを予測する、
態様6に記載の誘導システム。
〔態様9〕
1つ以上のプロセッサにより実行された場合に、前記1つ以上のプロセッサに、
車両に近接する交通の現在のレベルが交通閾値を満たしていることの検出に応答して、少なくとも前記現在の交通レベルにしたがって制御プロファイルを決定させ、前記制御プロファイルは、前記交通内を走行中に前記車両を減速させるための制動を回避する前記車両のための目標巡行速度および加速入力を少なくとも示しており、かつ
前記交通内を走行中に前記目標巡行速度を前記車両に実質的に維持させるように前記制御プロファイルにしたがって前記車両の1つ以上の車両システムを制御させる、
命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体。
〔態様10〕
前記1つ以上の車両システムを制御するための前記命令は、電子ディスプレイ上に、前記制御プロファイルに関する命令を生成して、前記車両のオペレータに、前記交通内で前記車両を動作させている間前記目標巡行速度を維持するための制御入力をどのように手動で提供するかの情報を与えるための命令を含んでいる、態様9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
〔態様11〕
前記1つ以上の車両システムを制御するための前記命令はさらに、
バッテリの充電状態(SOC)の限界を調整すること、前記オペレータが生成する前記制御入力をバイパスし、前記制御入力が前記制御プロファイルからの閾値変動を上回った場合に前記車両を直接制御すること、および前記制御入力が前記閾値変動を上回った場合に警報を提供すること、のうちの1つ以上を行なうことによって、前記目標惰行速度の維持を支援するために前記1つ以上の車両システムの動作を調整するための命令を含んでいる、態様10に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
〔態様12〕
前記交通の前記現在のレベルを検出するための前記命令は、前記交通内で前記車両を動作させることと相関する制御パターンを識別するために前記車両を加速および減速するための制御入力を解析するための命令を含んでおり、前記交通閾値は、交通渋滞の存在と相関する前記車両の加速および減速の頻度を示しており、
前記交通の前記現在のレベルを検出するための前記命令は、前記制御パターンにより示された前記頻度が前記交通を表わすものであるか否かを決定するために前記制御パターンと前記交通閾値とを比較するための命令を含んでいる、
態様9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
〔態様13〕
前記制御プロファイルを決定するための命令は、前記交通内にいる間に減速のために前記車両を定期的に制動することを回避しながら前記車両に前記目標巡行速度を実質的に維持させる予測された加速入力および惰行期間を伴う前記制御プロファイルを生成するための命令を含んでいる、態様9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
〔態様14〕
交通内の車両を動作させる方法において、
前記車両に近接する前記交通の現在のレベルが交通閾値を満たしていることの検出に応答して、少なくとも前記交通の前記現在のレベルにしたがって制御プロファイルを決定することであって、前記制御プロファイルは、交通内を走行中に車両を減速するための制動を回避する前記車両についての目標巡行速度および加速入力を少なくとも示している、ことと、
前記交通内を走行中に前記車両に前記目標巡行速度を実質的に維持させるため前記制御プロファイルにしたがって前記車両の1つ以上の車両システムを制御することと、
を含む、方法。
〔態様15〕
前記1つ以上の車両システムを制御することが、
電子ディスプレイ上に、前記制御プロファイルに関する命令を生成して、前記車両のオペレータに、前記交通内で前記車両を動作させている間前記目標巡行速度を維持するための制御入力をどのように手動で提供するかの情報を与えること、
を含む、態様14に記載の方法。
〔態様16〕
前記1つ以上の車両システムを制御することが、
バッテリの充電状態(SOC)の限界を調整すること、前記オペレータが生成する前記制御入力をバイパスし、前記制御入力が前記制御プロファイルからの閾値変動を上回った場合に前記車両を直接制御すること、および前記制御入力が前記閾値変動を上回った場合に警報を提供すること、のうちの1つ以上を行なうことによって、前記目標惰行速度の維持を支援するために前記1つ以上の車両システムの動作を調整すること、
を含む、態様15に記載の方法。
〔態様17〕
前記制御プロファイルを決定することは、前記交通内にいる間に減速するために前記車両を定期的に制動することを回避しながら前記車両に前記目標巡行速度を実質的に維持させる予測された加速入力および惰行期間を伴う前記制御プロファイルを生成することを含む、態様14に記載の方法。
〔態様18〕
前記交通の前記現在のレベルを検出することが、前記交通内で前記車両を動作させることと相関する制御パターンを識別するために前記車両を加速および減速するための制御入力を解析することを含んでおり、前記交通閾値は、交通渋滞の存在の識別と相関する前記車両の加速および減速の頻度を示しており、
前記交通の前記現在のレベルを検出することが、前記制御パターンにより示された前記頻度が前記交通を表わすものであるか否かを決定するために前記制御パターンと前記交通閾値とを比較することを含んでいる、
態様14に記載の方法。
〔態様19〕
前記交通の前記現在のレベルを検出することが、i)少なくとも1つのセンサからの電子入力を解析して、前記車両に近接する追加の車両の密度および前記追加の車両の走行速度を決定すること、および、ii)前記密度を前記交通閾値と比較して、前記交通の前記現在のレベルを確認することを含み、
前記電子入力を解析することが、カメラ、近接センサ、レーダ、ナビゲーションセンサ、速度センサ、車両間(v2v)通信デバイス、および車両・インフラストラクチャ間(v2i)通信デバイスのうちの少なくとも1つからの前記電子入力を解析することを含んでいる、態様14に記載の方法。
〔態様20〕
前記交通の前記現在のレベルのためにドライバがどのように前記車両を動作させているかを特徴付けするドライバからの制御入力についての車両データをロギングすることによって前記制御閾値が満たされた場合に前記車両システムの1つ以上からの車両データを収集することと、
前記ドライバの挙動を前記交通の前記現在のレベルと相関するため前記車両データからドライバモデルを生成することと、
をさらに含み、前記ドライバモデルは、前記交通の前記現在のレベルのために前記ドライバがどのように前記車両を動作させる可能性があるかを特徴付けし、定期的な制動を回避するために前記交通の前記現在のレベル内で前記車両を制御するための前記制御プロファイルを予測する、
態様19に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6