特許第6791917号(P6791917)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791917
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】造形物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/06 20060101AFI20201116BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20201116BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20201116BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20201116BHJP
   G09F 3/02 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   G06K19/06 009
   G06K19/06 103
   G06K7/10 388
   G06K7/14 008
   G09F3/00 M
   G09F3/02 F
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-155083(P2018-155083)
(22)【出願日】2018年8月22日
(62)【分割の表示】特願2014-252116(P2014-252116)の分割
【原出願日】2014年12月12日
(65)【公開番号】特開2019-3673(P2019-3673A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2018年9月3日
【審判番号】不服2019-12042(P2019-12042/J1)
【審判請求日】2019年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】堀内 雄史
【合議体】
【審判長】 田中 秀人
【審判官】 ▲はま▼中 信行
【審判官】 山澤 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−58512(JP,A)
【文献】 特開2013−132765(JP,A)
【文献】 特開2008−146134(JP,A)
【文献】 特開2014−139771(JP,A)
【文献】 特開2005−242348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/06, 7/10, 7/14
G09F 3/00, 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のシートの表面に、当該シートへの加熱による膨張に伴って設けられた凹凸により、画像の内容が立体的に表現された造形物の製造方法であって、
規定の温度以上に加熱されることによって膨張するシートを準備する工程と、
前記シートの厚さ方向に突出する凸部を当該シートに形成すべき領域に前記規定の温度以上の熱を加えることにより、前記領域に前記凸部を形成する工程と、
を含み、
前記凸部を形成する領域が所定の単位領域として、前記画像が形成される第1領域を囲う第2領域内に複数設定されており、
前記複数の単位領域のそれぞれに形成される前記凸部は、当該造形物を識別するための構成要素として、隣接する凸部とは非接合的に形成されており、前記凸部の有無、前記凸部の突出高さ、及び前記凸部を平面視したときの大きさの組合せによって、当該造形物が識別される、
ことを特徴とする造形物の製造方法。
【請求項2】
所定のシートの表面に、当該シートへの加熱による膨張に伴って設けられた凹凸により、画像の内容が立体的に表現された造形物の製造方法であって、
規定の温度以上に加熱されることによって膨張するシートを準備する工程と、
前記シートの厚さ方向に突出する凸部を当該シートに形成すべき領域に、所定の波長の光を熱に変換する光熱変換層を形成する工程と、
前記シートに形成された前記光熱変換層に向けて前記所定の波長の光を照射することにより前記領域に前記凸部を形成する工程と、
を含み、
前記凸部を形成する領域が所定の単位領域として、前記画像が形成される第1領域を囲う第2領域内に複数設定されており、
前記複数の単位領域のそれぞれに形成される前記凸部は、当該造形物を識別するための構成要素として、隣接する凸部とは非接合的に形成されており、前記凸部の有無、前記凸部の突出高さ、及び前記凸部を平面視したときの大きさの組合せによって、当該造形物が識別される、
ことを特徴とする造形物の製造方法。
【請求項3】
前記光熱変換層は、黒色トナーによって形成され、当該黒色トナーの密度が高い程前記シートを加熱する熱量が大きくなる、
ことを特徴とする請求項2に記載の造形物の製造方法。
【請求項4】
前記凸部を形成する工程では、ハロゲンランプによって光を照射する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の造形物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、造形物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、切手の額面を自動認識する技術が知られている。このような技術として、切手上に印刷された、額面を表す視覚可能な図案を直接検出し、その検出結果に基づいて額面を判断する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−122084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように切手の額面を自動認識する技術においては、視認可能な図案と同一の情報を読み出すことはできるが、切手に関する額面以外の情報や、切手を貼付けられる対象物に関連付けられた別の情報等を読み出すことはできない。
【0005】
ところで、特に、切手、はがきなどの配送に用いられるシートにおいては、視認可能な図案から情報を読み出すだけでは、図案が例えば濡れたり擦れたりすることで検出不可能になった場合に、情報を特定するのが困難になる。
【0006】
また、同一額面の切手においても図案が複数種類あるため、複数種類の図案を予め登録することの困難性から、額面部分から情報が読み出される。したがって、図案のうち額面部分が濡れたり擦れたりするだけでも、情報を特定するのが困難になる。
【0007】
また、シートの視認可能な図案から情報を読み出すだけでは、例えば、偽造防止の観点、情報秘匿性の観点などからも問題が生じ得る。
【0008】
本発明の目的は、視認可能な図案以外の構成要素に基づいて造形物を識別可能な造形物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る第1の態様の造形物の製造方法は、所定のシートの表面に、当該シートへの加熱による膨張に伴って設けられた凹凸により、画像の内容が立体的に表現された造形物の製造方法であって、規定の温度以上に加熱されることによって膨張するシートを準備する工程と、前記シートの厚さ方向に突出する凸部を当該シートに形成すべき領域に前記規定の温度以上の熱を加えることにより、前記領域に前記凸部を形成する工程と、を含み、前記凸部を形成する領域が所定の単位領域として、前記画像が形成される第1領域を囲う第2領域内に複数設定されており、前記複数の単位領域のそれぞれに形成される前記凸部は、当該造形物を識別するための構成要素として、隣接する凸部とは非接合的に形成されており、前記凸部の有無、前記凸部の突出高さ、及び前記凸部を平面視したときの大きさの組合せによって、当該造形物が識別される、ことを特徴とする。
また、本発明に係る第2の態様の造形物の製造方法は、所定のシートの表面に、当該シートへの加熱による膨張に伴って設けられた凹凸により、画像の内容が立体的に表現された造形物の製造方法であって、規定の温度以上に加熱されることによって膨張するシートを準備する工程と、前記シートの厚さ方向に突出する凸部を当該シートに形成すべき領域に、所定の波長の光を熱に変換する光熱変換層を形成する工程と、前記シートに形成された前記光熱変換層に向けて前記所定の波長の光を照射することにより前記領域に前記凸部を形成する工程と、を含み、前記凸部を形成する領域が所定の単位領域として、前記画像が形成される第1領域を囲う第2領域内に複数設定されており、前記複数の単位領域のそれぞれに形成される前記凸部は、当該造形物を識別するための構成要素として、隣接する凸部とは非接合的に形成されており、前記凸部の有無、前記凸部の突出高さ、及び前記凸部を平面視したときの大きさの組合せによって、当該造形物が識別される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、視認可能な図案以外の構成要素に基づいて造形物を識別可能な造形物の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態に係る情報読み出し装置を含む情報読み出しシステムを示す制御ブロック図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る情報読み出し装置として動作することが可能なコンピュータのハードウェア構成例である。
図3】本発明の一実施の形態における情報特定要素の読み取りを説明するための説明図である。
図4A】本発明の一実施の形態に係るシートを示す平面図(その1)である。
図4B】本発明の一実施の形態に係るシートを示す平面図(その2)である。
図4C】本発明の一実施の形態に係るシートを示す平面図(その3)である。
図5A】本発明の一実施の形態に係るシートの情報特定要素を説明するための説明図(その1)である。
図5B】本発明の一実施の形態に係るシートの情報特定要素を説明するための説明図(その2)である。
図6】本発明の一実施の形態における立体画像形成装置の内部構造を模式的に示す断面図である。
図7】本発明の一実施の形態におけるインクジェットプリンタ部の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る、シート、情報読み出し装置、情報読み出し方法、及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る情報読み出し装置1を含む情報読み出しシステム100を示す制御ブロック図である。
【0013】
図2は、情報読み出し装置1として動作することが可能なコンピュータ200のハードウェア構成例である。
図3は、本実施の形態における情報特定要素の読み取りを説明するための説明図である。
【0014】
図1に示す情報読み出しシステム100は、情報読み出し装置1と、読み取り装置101と、を備える。
情報読み出し装置1は、一対の主面を有し配送に用いられる例えば図3及び図4A図4Cに示すシート10,20,30から情報を読み出す。
【0015】
一例ではあるが、読み取り装置101は、発光部及び受光部を有するレーザ変位計(ラインセンサ)である図2及び図3に示すセンサ部301と、シート10,20,30を搬送する図2に示す搬送部302と、を含む。
【0016】
図3の例では、シート10,20,30が配送物Dに貼り付けられているため、搬送部302は配送物Dを搬送することで、結果としてシート10,20,30を搬送する。搬送部302は、センサ部301を移動させることで、センサ部301とシート10,20,30とを相対的に移動させる相対移動手段であってもよい。
【0017】
なお、例えば、情報読み出し装置1が読み取り装置101に組み込まれている場合のように、情報読み出し装置1と読み取り装置101とが一体の装置である場合、この一体の装置は、情報読み出しシステム100ではなく、情報読み出し装置といえる。
【0018】
情報読み出し装置1は、読み取り結果取得部2と、対応関係情報取得部3と、被特定情報決定部4と、対応関係情報記憶部5と、を備える。
読み取り結果取得部2は、読み取り装置101により読み取られた情報特定要素を取得する。この情報特定要素については、図4A図5Bを参照しながら後述する。
【0019】
対応関係情報取得部3は、対応関係情報記憶部5から、情報特定要素と被特定情報との対応関係情報を取得する。なお、対応関係情報取得部3が取得する対応関係情報は、読み取り結果取得部2が取得した情報特定要素のみと、それに対応する被特定情報との対応関係情報であってもよい。
【0020】
被特定情報決定部4は、対応関係情報取得部3が取得した対応関係情報に基づいて、読み取り結果取得部2が取得した情報特定要素から、この情報特定要素に対応する被特定情報を決定する。
【0021】
対応関係情報記憶部5は、情報特定要素と被特定情報との上述の対応関係情報を記憶する。例えば、対応関係情報記憶部5は、情報特定要素と被特定情報とが一対一で対応している対応関係情報を記憶する。
【0022】
図2は、本実施の形態に係る情報読み出し装置1として動作することが可能なコンピュータ200のハードウェア構成例である。
図2に示すコンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)201と、記憶部202と、入力部203と、表示部204と、インターフェース部205と、記録媒体駆動部206と、を備える。これらの構成要素は、バスライン207を介して接続されており、各種のデータを互いに授受する。
【0023】
CPU201は、コンピュータ200全体の動作を制御する演算処理装置である。CPU201は、所定の制御プログラムを実行することにより、上述の読み取り装置101を用いてシート10,20,30から被特定情報を読み出す。なお、CPU201は、図1に示す読み取り結果取得部2、対応関係情報取得部3、及び被特定情報決定部4として機能する。
【0024】
記憶部202は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどを含む。
ROMは、所定の基本制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリである。なお、ROMとして、フラッシュメモリ等の、電力供給の停止に対して記憶データが不揮発性であるメモリを使用してもよい。
【0025】
RAMは、CPU201が各種の制御プログラムを実行する際に、必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリである。ハードディスクは、CPU201によって実行される各種の制御プログラムや各種のデータを記憶する。
【0026】
なお、記憶部202は、図1に示す対応関係情報記憶部5として機能するが、対応関係情報記憶部5は、インターフェース部205を介してコンピュータ200と接続される他の記憶装置であってもよい。
【0027】
入力部203は、例えばキーボード装置やマウス装置であり、コンピュータ200のユーザにより操作されると、その操作内容に対応付けられているユーザからの各種の入力情報を取得し、取得した入力情報をCPU201に送る。
【0028】
表示部204は、例えばディスプレイであり、各種のテキストや画像を表示する。
インターフェース部205は、各種機器との間での各種情報の授受の管理を行う。例えば、インターフェース部205は、上述のように図1に示す読み取り装置101として機能するセンサ部301及び搬送部302に接続される。
【0029】
記録媒体駆動部206は、可搬型記録媒体208に記録されている各種の制御プログラムやデータの読み出しを行う装置である。CPU201は、可搬型記録媒体208に記録されている所定の制御プログラムを、記録媒体駆動部206を介して読み出して実行することによって、被特定情報の読み出しの各処理を行うようにすることもできる。
【0030】
なお、可搬型記録媒体208としては、例えばCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)やDVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、USB規格のコネクタが備えられているフラッシュメモリなどがある。
【0031】
上述のようなコンピュータ200を情報読み出し装置1として動作させるために、まず、各処理をCPU201に行わせるための制御プログラムが作成される。この作成された制御プログラムは、記憶部202のハードディスク装置又は可搬型記録媒体208に予め格納される。そして、CPU201に所定の指示が与えられることで、制御プログラムが読み出されて実行される。これにより、コンピュータ200が情報読み出し装置1として動作する。
【0032】
次に、シート10,20,30に形成される凸部40により構成される情報特定要素及びこの情報特定要素に対応する被特定情報について説明する。
図4A図4Cは、本実施の形態に係るシート10,20,30を示す平面図である。
【0033】
図5A及び図5Bは、本実施の形態に係るシート10,20,30の情報特定要素を説明するための説明図である。なお、図5A及び図5Bにおいては、便宜上、図4A図4Cとはシート10,20,30の形状が異なるため、それぞれシートを符号10−1,20−1,30−1及び10−2,20−2,30−2で示す。
【0034】
図4A図4Cに示すシート10,20,30は、例えば切手であるが、切手が印字されたはがき等であってもよい。なお、配送に用いられるシート10,20,30以外のシートの例ではあるが、収入印紙等の証票や、小切手、約束手形等の有価証券や、その他の証券に本実施の形態を適用することも可能である。
【0035】
シート10,20,30は、視認可能な図案が図4A図4Cに表れる上面(一方の主面の一例)に施された図案領域11,21,31と、周縁領域12,22,32と、を有する。
【0036】
一例ではあるが、シート10,20,30及び図案領域11,21,31は平面視において矩形状を呈し、周縁領域12,22,32は平面視において矩形枠状を呈する。
図案領域11,21,31は、額面を一例とする視認可能な記号領域11a,21a,31aを含む。
【0037】
周縁領域12,22,32は、本実施の形態では、図案領域11,21,31の周囲に位置する領域である。但し、周縁領域12,22,32を、シート10,20,30を平面視したときにシート10,20,30の中心(重心)よりも周縁に近い部分からなる領域と捉えてもよい。
【0038】
図4Cに示すシート30においては、周縁領域32の周縁端部に複数の目打ちが規則的に配列された目打ち部32aが形成されている。なお、目打ちは、一体に形成される複数のシート30から1枚ずつシート30を切り取って使うためにシート30間の境界部分に形成される。
【0039】
周縁領域12,22,32には、図5Aに示すように、上面からシート10−1,20−1,30−1の厚さ方向に突出する複数の凸部40が設けられている。なお、凸部40は、少なくとも1つ設けられていればよい。また、凸部40は、図案領域11,21,31に重ならない領域に設けられているとよい。
【0040】
凸部40は、第1情報及び第2情報を含む被特定情報に対応する情報特定要素を構成する。
第1情報は、シート10−1,20−1,30−1の種別に固有の情報である。例えば、第1情報は、額面及び発行国のうちの少なくとも一方を特定する情報である。
【0041】
第2情報は、シート10−1,20−1,30−1の種別とは独立してシート10−1,20−1,30−1に対応付けられた情報である。例えば、第2情報は、シート10−1,20−1,30−1が貼られた図3に示す配送物Dの種別、シート10−1,20−1,30−1が今後貼られる予定の配送物Dの種別、配送物Dの発信元、及び、配送物Dの受信元、のうちの少なくとも1つを特定する情報を含む。
【0042】
配送物Dの種別を特定する情報は、例えば、配送物Dの配送方法(例えばエアメールであるか否か)、大きさ、重さなどの情報である。
発信元及び受信元を特定する情報は、例えば、氏名及び名称、並びに、住所及び居所(郵便番号のみ或いは国名のみなど一部の情報であってもよい。)の少なくとも1つの情報である。
【0043】
なお、シート10,20,30が切手である場合、凸部40は配送前(切手使用前)、例えば切手の販売前に予め設けられていてもよいが、配送時、例えば、郵便局等で切手の使用時に、凸部40を形成し情報特定要素を構成することで、発信者から伝えられた住所等の被特定情報を付加してもよい。或いは、郵便局において受領印を押印する代わりに、凸部40を形成し情報特定要素を構成することで、受領印に含まれる被特定情報を付加してもよい。
【0044】
情報特定要素は、凸部40が形成される複数の凸部形成領域S(S1〜S20)における少なくとも1つの凸部40の有無、平面視したときの複数の凸部形成領域Sの配列形状又は配列サイズ(配列され凸部形成領域S全体の大きさ)、複数の凸部形成領域Sにおける少なくとも1つの凸部40の上面からの突出高さ、及び、複数の凸部形成領域Sにおける少なくとも1つの凸部40の平面視したときの大きさ、のうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
なお、図5Aにおいて複数の凸部形成領域Sを実線で取り囲んで示しているが、凸部形成領域Sの境界は視認可能でなくてよい。例えば、図1に示す情報読み出しシステム100が複数の凸部40の位置から、或いは画像処理等により認識される切手の位置から、凸部形成領域Sを判定しうるためである。
【0046】
図4Cに示すシート30では、目打ち部32aは、主面の周縁端部に目打ちが形成されることで、周縁端部からシート30の主面と平行な方向に突出する突出部(略波状の凹凸のうちの凸部分)が連続的に設けられる。そのため、複数の凸部形成領域Sのそれぞれは、目打ち部32aの突出部を含む範囲となるように或いは突出部に隣接するように、複数の目打ちのそれぞれと対応する領域に設けられるとよい。
【0047】
複数の凸部形成領域Sは、図4A図4Cの周縁領域12,22,32のうち各辺に5箇所、四つ角を除いた計20箇所に位置する。そのため、複数の凸部形成領域Sの配列形状は、略矩形枠状といえる。
【0048】
複数の凸部形成領域Sの配列サイズは、図4A図4Cに示すシート10,20,30の平面視の大きさが互いに異なるため、シート10,20,30の周縁領域12,22,32に設けられる複数の凸部形成領域Sの配列サイズもシート10,20,30ごとに異なる。
【0049】
複数の凸部形成領域Sにおける凸部40の有無が情報特定要素である場合、凸部40が有る領域を「1」、凸部40が無い領域を「0」とすると、凸部形成領域S1〜S20の順に、「10101100011010000101」という数値が情報特定要素となる。この数値の情報と被特定情報との対応関係が上述のように図1に示す対応関係情報記憶部5に記憶されればよい。
【0050】
図5Bのシート10−2,20−2,30−2の例では、凸部40は、平面視したときの大きさ(例えば、主面側の基端部の大きさ)及び上面からの突出高さがそれぞれ2通りある。そのため、凸部40は、大きく高い凸部41と、大きく低い凸部42と、小さく高い凸部43と、小さく低い凸部44と、の計4通り設けられている。この凸部40が有る場合は凸部41〜44の種類の4通りと、凸部40が無い場合の1通りとで、各凸部形成領域Sに計5通りの情報を持たせることもできる。もちろん、平面視したときの大きさや上面からの突出高さは、3通り以上あってもよい。
【0051】
なお、凸部40以外に情報特定要素を構成する例としては、紫外線を照射することで可視化する塗料などの通常は視認不能な構造が挙げられる。紫外線を照射することで可視化する塗料は、例えば額面をそのまま「82」と塗布されてもよい。
【0052】
また、他の例としては、図4Cに示すシート30の周縁に形成された目打ち部32aの平面視における、形状、大きさ、配列形状、配列サイズ、配列間隔などを適宜変更した構造が挙げられる。
【0053】
上述の紫外線を照射することで可視化する塗料や目打ち部32aは、視認可能な図案以外の情報特定要素といえる。
ところで、図4A図4Cに示すシート10,20,30としては、例えば、吸収した熱量に応じて発泡膨張する熱膨張性シートを用いることができる。熱膨張性シートを用いる場合、上述の少なくとも1つの凸部40は、熱膨張性シートが発泡膨張することで設けられる。なお、凸部40を形成する他の手法として、紫外線硬化インクなどの重ね塗りが一例として挙げられる。
【0054】
ここで、シート10,20,30に凸部40を形成する凸部形成装置の一例である立体画像形成装置について説明する。この立体画像形成装置は、凸部40を形成するのと同時に、上述の図4A図4Cに示す図案領域11,21,31に立体画像を形成することもできる。
【0055】
図6は、本実施の形態における立体画像形成装置401の内部構造を模式的に示す断面図である。
図6に示すように、立体画像形成装置401は、最下部の黒トナー印刷部402と、その上の熱膨張加工部403と、最上段のインクジェットプリンタ部404と、を備える。なお、黒トナー印刷部402は熱吸収部形成手段の一例であり、熱膨張加工部403は熱エネルギー付与手段の一例である。
【0056】
黒トナー印刷部402は、装置筐体405の内部中央において、水平方向に延在する無端状の転写ベルト406を備えている。この転写ベルト406は、不図示の張設機構によって張設されながら、駆動ローラ407と従動ローラ408とに掛け渡され、駆動ローラ407により駆動されて、図6の矢印aで示す反時計回り方向に循環移動する。
【0057】
転写ベルト406の上循環移動面に接して画像形成ユニット409の感光体ドラム411が配設されている。この感光体ドラム411には、その周面を取り巻くように近接して、図示しないクリーナ、初期化帯電器、光書込ヘッドに続いて現像ローラ412等が配置されている。
【0058】
上記の現像ローラ412は、トナー容器413の側部開口部に配置されている。トナー容器413の中には黒色トナーKが収容されている。黒色トナーKは、非磁性一成分トナーから成っている。
【0059】
上記の現像ローラ412は、トナー容器413に収容されている黒色トナーKの薄層を表面に担持して、光書込ヘッドによって感光体ドラム411の周面上に形成されている静電潜像に黒色トナーKの画像(凸部40や図案領域11,21,31に対応する画像)を現像する。
【0060】
感光体ドラム411の下部には、転写ベルト406を介して一次転写ローラ414が圧接して、ここに一次転写部を形成している。一次転写ローラ414には、不図示のバイアス電源からバイアス電圧を供給される。
【0061】
一次転写ローラ414は、一次転写部において、バイアス電源から供給されるバイアス電圧を転写ベルト406に印加して、感光体ドラム411の周面上に現像されている黒色トナーKの画像を転写ベルト406に転写する。
【0062】
転写ベルト406の図6に示す右端部が掛け渡されている従動ローラ408には、転写ベルト406を介して二次転写ローラ415が圧接し、ここに二次転写部を形成している。二次転写ローラ415には、不図示のバイアス電源からバイアス電圧が供給される。
【0063】
二次転写ローラ415は、二次転写部において、バイアス電源から供給されるバイアス電圧を転写ベルト406に印加し、この転写ベルト406に一次転写されている黒色トナーKの画像を、画像形成搬送路416に沿って矢印で示すように図6の下方から搬送されてくる熱膨張性シート500に転写する。
【0064】
また、熱膨張性シート500に転写された黒色トナーKの画像は、熱膨張性シート500の表面上に形成され、熱膨張性シート500よりも熱エネルギーを吸収しやすい熱吸収部の一例である。
【0065】
熱膨張性シート500は、給紙カセット等から成るシート収容部418に積載されて収容され、不図示の給紙ローラ等により最上部の一枚が取り出され、画像形成搬送路416に送出される。更に、熱膨張性シート500は、画像形成搬送路419を搬送されて、上記の二次転写部を通過しながら黒色トナーKの画像を転写される。
【0066】
黒色トナーKの画像を転写されながら二次転写部を通過した熱膨張性シート500は、定着搬送路419に沿って定着部421へと搬送される。定着部421の加熱ローラ422及び押圧ローラ423は、熱膨張性シート500を挟持し、熱及び圧力を加えながら搬送する。
【0067】
これにより、熱膨張性シート500は、二次転写されている黒色トナーKの画像を紙面に定着され、加熱ローラ422及び押圧ローラ423により更に搬送され、定着部排出ローラ対424に搬送を引き継がれ、上方の熱膨張加工部403に排出される。ここで、定着部421における熱膨張性シート500の搬送速度は比較的速いため、加熱ローラ422の加熱で熱膨張シート500の黒色トナー印刷部分が膨張することはない。
【0068】
熱膨張加工部403は、上部に媒体搬送経路425を形成され、この媒体搬送経路425に沿って4組の搬送ローラ対426(426a,426b,426c,426d)が置されている。そして、媒体搬送経路425のほぼ中央部の下方に、光源ユニット427が配置されている。
【0069】
光源ユニット427は、細長形状のハロゲンランプ427aと、このハロゲンランプ427aの下方向半分を取り囲む断面がほぼ半円状の反射鏡427bと、を有し、熱膨張性シート500を図6の奥行き方向の全体に亘って加熱する。
【0070】
本実施の形態では、ハロゲンランプ427aには、900Wのものが使用され、媒体搬送経路425を搬送される熱膨張性シート500の面から4cm離れた位置に配置される。熱膨張性シート500を搬送する搬送ローラ対426の搬送速度は20mm/秒である。この条件で熱膨張性シート500は100℃〜110℃に熱せられ、熱膨張性シート500の黒色トナーの画像を印刷された部分が熱膨張する。
【0071】
なお、黒トナー印刷部402の熱膨張性シート500の搬送速度は速く、熱膨張加工部403の熱膨張性シート500の搬送速度は遅いが、熱膨張性シート500はシート収容部418から一枚ごとに搬送され、熱膨張加工部403の搬送が終了するまでは連続搬送は行われない。
【0072】
したがって、熱膨張加工部403に搬送された熱膨張性シート500は、黒トナー印刷部402の定着部排出ローラ対424と熱膨張加工部403の最初の搬送ローラ対426aとの間の搬送経路bで撓んだ状態で、少しの時間滞留するだけで、全体として搬送に不都合は生じない。
【0073】
熱膨張加工部403で黒ベタ印刷部分が熱膨張して凸部40や図案領域11,21,31が盛り上がった熱膨張性シート500は、搬送経路cに沿ってインクジェットプリンタ部404に搬入される。
【0074】
なお、上記の搬送ローラ対426は、搬送方向に直交する熱膨張性シート500の幅方向に延在する長尺のローラ対で構成してもよく、又は熱膨張性シート500の両側端部のみを挟持して搬送する短尺のローラ対で構成することもできる。
【0075】
図7は、本発明の実施の形態におけるインクジェットプリンタ部404の構成を示す斜視図である。
図7に示すインクジェットプリンタ部404は、図6に示す搬送経路cと、排紙トレー429を外部に備えた媒体排出口428との間に、図7に示す内部フレーム437が配置されている。
【0076】
インクジェットプリンタ部404は、用紙搬送方向に直交する両方向矢印dで示す方向に往復移動可能に設けられたキャリッジ431を備えている。このキャリッジ431には、印字を実行する印字ヘッド432とインクを収容しているインクカートリッジ433(433w,433c,433m,433y)とが取り付けられている。
【0077】
カートリッジ433w,433c,433m,433yは、それぞれ、ホワイトW,シアンC,マゼンタM,イエローYの色インクを収容する。これらのカートリッジは、個別に、又は各インク室が1個の筐体内に一体化された構成をしており、各色インクを吐出するそれぞれのノズルを有する印字ヘッド432に連結されている。
【0078】
また、キャリッジ431は、一方ではガイドレール434により滑動自在に支持され、他方では歯付き駆動ベルト435に固着している。これにより、印字ヘッド432及びインクカートリッジ433(433w,433c,433m,433y)は、キャリッジ431と共に、図7の両方向矢印dで示す用紙搬送方向と直交する方向つまり印字の主走査方向に往復駆動される。
【0079】
印字ヘッド432と立体画像形成装置401の図示しない制御部との間には、フレキシブル通信ケーブル436が内部フレーム437を介して接続されている。このフレキシブル通信ケーブル436を通して制御部から印字データ及び制御信号が印字ヘッド432に送出される。
【0080】
また、印字ヘッド432に対向し、印字ヘッド432の上記主走査方向に延在して、内部フレーム437の下端部に用紙搬送路の一部を構成するプラテン438が配設されている。
また、プラテン438に接して熱膨張性シート500が給紙ローラ対439(下のローラは熱膨張性シート500の陰になっていて図7では見えない)及び排紙ローラ対441(下のローラは同様に見えない)により図7の矢印eで示す印字副走査方向に間欠的に搬送される。
【0081】
この熱膨張性シート500の間欠搬送の停止期間中に、印字ヘッド432は、モータ442により歯付き駆動ベルト435及びキャリッジ431を介して駆動されながら、熱膨張性シート500に近接した状態でインク滴を噴射して紙面に印字する。このように熱膨張性シート500の間欠搬送と印字ヘッド432による往復移動時の印字との繰り返しによって熱膨張性シート500の全面に印字(印刷)が行われる。
【0082】
なお、黒トナー印刷部402により印刷される黒色トナーKの画像である上述の熱吸収部上には黒色トナーを覆うために、熱膨張性シート500に、例えば白インクが少なくとも熱吸収部に重なるように印刷される。
【0083】
白インクの上には図案領域11,21,31に対応する画像をフルカラーの印字で重ねて印刷するとよい。この場合、白インクが印刷された熱膨張性シート500を矢印eで示す印字副走査方向と逆方向に逆搬送して、再び矢印e方向に搬送しながらフルカラーの印字を行う。
【0084】
以上説明した本実施の形態では、シート10,20,30は、一対の主面を有し、配送に用いられる。また、シート10,20,30は、一対の主面のうちの一方の主面からシートの厚さ方向に突出する少なくとも1つの凸部40を備える。この少なくとも1つの凸部40は、シート10,20,30の種別に固有の第1情報を含む被特定情報に対応する情報特定要素を構成する。
【0085】
よって、本実施の形態によれば、配送に用いられるシート10,20,30から、視認可能な図案以外の情報特定要素に基づいて被特定情報を読み出すことができる。ところで、シート10,20,30からの情報の読み出しを、公知のように視認可能な図案から読み出す場合、図案が濡れたり擦れたりすることで検出不可能になることがあるが、凸部40により構成される情報特定要素を用いることで、そのような読み出しの失敗を抑えることができる。また、凸部40により構成される情報特定要素は、視認可能な図案と比較して、偽造が困難である。
【0086】
また、本実施の形態では、被特定情報は、シート10,20,30の種別とは独立してシート10,20,30に対応付けられた第2情報を更に含む。これにより、例えば、シート10,20,30が貼られた配送物Dの種別、シート10,20,30が今後貼られる配送物Dの種別、配送物Dの発信元、配送物Dの受信元などのシート10,20,30の種別とは異なる情報を読み出すことができるため、被特定情報の情報量を増加させることができるとともに、被特定情報の秘匿性を高めることもできる。
【0087】
また、本実施の形態では、シート10,20,30は、視認可能な図案が一方の主面に施された図案領域11,21,31を更に有し、少なくとも1つの凸部40は、図案領域11,21,31に重ならない領域に設けられている。そのため、図案領域11,21,31が平面状である場合に凸部40によって図案領域11,21,31の外観が損なわれるのを防止することができる。また、図案領域11,21,31が立体形状である場合にもシート10,20,30に凸部40を形成することができる。
【0088】
また、本実施の形態では、少なくとも1つの凸部40は、一方の主面の周縁領域12,22,32に設けられている。そのため、凸部40は、周縁領域12,22,32に取り囲まれた中心(重心)側の領域(例えば、図案領域11,21,31)の外観が損なわれるのを防止することができる。
【0089】
また、本実施の形態では、少なくとも1つの凸部40は、主面からの突出高さが互いに異なる2つの凸部を含む。そのため、凸部40の突出高さに違いを設けるという簡素な構造で、シート10,20,30の被特定情報の情報量を増加させることができる。
【0090】
また、本実施の形態では、少なくとも1つの凸部40は、シート10,20,30の厚さ方向に沿って平面視したときの大きさが互いに異なる2つの凸部を含む。そのため、凸部40の大きさに違いを設けるという簡素な構造で、シート10,20,30の被特定情報の情報量を増加させることができる。
【0091】
また、本実施の形態では、情報特定要素は、凸部40が形成される複数の凸部形成領域Sにおける少なくとも1つの凸部40の有無、厚さ方向に沿って平面視したときの複数の凸部形成領域Sの配列形状又は配列サイズ、複数の凸部形成領域Sにおける少なくとも1つの凸部40の主面からの突出高さ、及び、複数の凸部形成領域Sにおける少なくとも1つの凸部40の平面視したときの大きさ、のうちの少なくとも1つを含む。そのため、情報特定要素を多様な構造の中から選択することができるとともに、シート10,20,30の被特定情報の情報量を増加させることもできる。
【0092】
また、本実施の形態では、シート10,20,30として熱膨張性シートを用いることができる。この場合、少なくとも1つの凸部40は、吸収した熱量に応じて発泡膨張することで設けられる。そのため、凸部40を確実に形成することができる。
【0093】
また、本実施の形態では、情報読み出し装置1は、読み取り装置101により読み取られた情報特定要素を取得する読み取り結果取得部2と、情報特定要素と被特定情報との対応関係情報を取得する対応関係情報取得部3と、この対応関係情報取得部3が取得した対応関係情報に基づいて、読み取り結果取得部2が取得した情報特定要素から、この情報特定要素に対応する被特定情報を決定する被特定情報決定部4と、を備える。よって、本実施の形態によれば、配送に用いられるシート10,20,30から、視認可能な図案以外の情報特定要素に基づいて被特定情報を読み出すことができる。
【0094】
また、本実施の形態では、被特定情報は、シート10,20,30の種別とは独立してシート10,20,30に対応付けられた第2情報を更に含む。また、シート10,20,30は、切手である。そして、第1情報は、切手の額面及び発行国のうちの少なくとも一方を特定する情報を含み、第2情報は、切手が貼られた配送物Dの種別、切手が貼られる配送物Dの種別、配送物Dの発信元、及び、配送物Dの受信元、のうちの少なくとも1つを特定する情報を含む。そのため、被特定情報の情報量を増加させることができるとともに、被特定情報の秘匿性を高めることもできる。また、一例ではあるが、配送物Dの発信元や受信元の住所などの第2情報に対応する情報特定要素を付加したオリジナル切手を作成することで、住所などの情報を記載せずに配送を依頼することが可能になる。また、凸部40の有無等の情報特定要素によって、切手の貼り忘れを自動でチェックすることが可能になる。
【0095】
また、本実施の形態では、シート30は、主面の周縁端部に複数の目打ちが形成されることで、周縁端部からシート10,20,30の主面と平行な方向に突出する突出部が連続的に設けられた目打ち部32aを有し、複数の凸部形成領域Sのそれぞれは、複数の目打ちのそれぞれと対応する領域に設けられる。これにより、目打ち部32aを画像認識することで、凸部形成領域Sの位置を認識することができる。また、目打ち部32aの突出部のスペースを利用して凸部40を形成することができるため、凸部40の中心(重心)側の領域(例えば、図案領域11,21,31)の外観が損なわれるのを防止することができる。
【0096】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本願発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含む。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0097】
[付記1]
一対の主面を有し、配送に用いられるシートであって、
前記一対の主面のうちの一方の主面から前記シートの厚さ方向に突出する少なくとも1つの凸部を備え、
前記少なくとも1つの凸部は、前記シートの種別に固有の第1情報を含む被特定情報に対応する情報特定要素を構成する、
ことを特徴とするシート。
【0098】
[付記2]
前記被特定情報は、前記シートの前記種別とは独立して前記シートに対応付けられた第2情報を更に含むことを特徴とする付記1記載のシート。
【0099】
[付記3]
前記シートは、視認可能な図案が前記一方の主面に施された図案領域を更に有し、
前記少なくとも1つの凸部は、前記図案領域に重ならない領域に設けられている、
ことを特徴とする付記1又は2記載のシート。
【0100】
[付記4]
前記少なくとも1つの凸部は、前記一方の主面の周縁領域に設けられていることを特徴とする付記1から3のいずれか記載のシート。
【0101】
[付記5]
前記少なくとも1つの凸部は、前記主面からの突出高さが互いに異なる2つの凸部を含むことを特徴とする付記1から4のいずれか記載のシート。
【0102】
[付記6]
前記少なくとも1つの凸部は、前記シートの前記厚さ方向に沿って平面視したときの大きさが互いに異なる2つの凸部を含むことを特徴とする付記1から5のいずれか記載のシート。
【0103】
[付記7]
前記情報特定要素は、前記凸部が形成される複数の凸部形成領域における前記少なくとも1つの凸部の有無、前記厚さ方向に沿って平面視したときの前記複数の凸部形成領域の配列形状又は配列サイズ、前記複数の凸部形成領域における前記少なくとも1つの凸部の前記主面からの突出高さ、及び、前記複数の凸部形成領域における前記少なくとも1つの凸部の前記平面視したときの大きさ、のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする付記1から6のいずれか1項記載のシート。
【0104】
[付記8]
前記シートは、熱膨張性シートであり、
前記少なくとも1つの凸部は、吸収した熱量に応じて発泡膨張することで設けられている、
ことを特徴とする付記1から7のいずれか1項記載のシート。
【0105】
[付記9]
一対の主面を有し配送に用いられるシートから情報を読み出す情報読み出し装置であって、
前記シートは、前記一対の主面のうちの一方の主面から前記シートの厚さ方向に突出する少なくとも1つの凸部を備え、 前記少なくとも1つの凸部は、前記シートの種別に固有の第1情報を含む被特定情報に対応する情報特定要素を構成し、
前記情報読み出し装置は、
読み取り装置により読み取られた前記情報特定要素を取得する読み取り結果取得部と、
前記情報特定要素と前記被特定情報との対応関係情報を取得する対応関係情報取得部と、
前記対応関係情報取得部が取得した前記対応関係情報に基づいて、前記読み取り結果取得部が取得した前記情報特定要素から、該情報特定要素に対応する前記被特定情報を決定する被特定情報決定部と、
を備えることを特徴とする情報読み出し装置。
【0106】
[付記10]
前記シートは、切手であり、
前記被特定情報は、前記シートの前記種別とは独立して前記シートに対応付けられた第2情報を更に含み、
前記第1情報は、前記切手の額面及び発行国のうちの少なくとも一方を特定する情報を含み、
前記第2情報は、前記切手が貼られた配送物の種別、前記切手が貼られる配送物の種別、前記配送物の発信元、及び、前記配送物の受信元、のうちの少なくとも1つを特定する情報を含む、
ことを特徴とする付記9記載の情報読み出し装置。
【0107】
[付記11]
前記情報特定要素は、前記凸部が形成される複数の凸部形成領域における前記少なくとも1つの凸部の有無、前記厚さ方向に沿って平面視したときの前記複数の凸部形成領域の配列形状又は配列サイズ、前記複数の凸部形成領域における前記少なくとも1つの凸部の前記主面からの突出高さ、及び、前記複数の凸部形成領域における前記少なくとも1つの凸部の前記平面視したときの大きさ、のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする付記9又は10記載のシート。
【0108】
[付記12]
前記シートは、前記主面の周縁端部に複数の目打ちが形成されることで、前記周縁端部から前記シートの主面と平行な方向に突出する突出部が連続的に設けられた目打ち部を有し、
前記複数の凸部形成領域のそれぞれは、前記複数の目打ちのそれぞれと対応する領域に設けられる、
ことを特徴とする付記9から11のいずれか記載の情報読み出し装置。
【0109】
[付記13]
一対の主面を有し配送に用いられるシートからコンピュータを用いて情報を読み出す情報読み出し方法であって、
前記シートは、前記一対の主面のうちの一方の主面から前記シートの厚さ方向に突出する少なくとも1つの凸部を備え、
前記少なくとも1つの凸部は、前記シートの種別に固有の第1情報を含む被特定情報に対応する情報特定要素を構成し、
読み取り装置により読み取られた前記情報特定要素を取得し、
前記情報特定要素と前記被特定情報との対応関係情報を取得し、
前記取得した対応関係情報に基づいて、前記取得した前記情報特定要素から、該情報特定要素に対応する前記被特定情報を決定する、
ことを特徴とする情報読み出し方法。
【0110】
[付記14]
一対の主面を有し配送に用いられるシートからの情報の読み出しをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記シートは、前記一対の主面のうちの一方の主面から前記シートの厚さ方向に突出する少なくとも1つの凸部を備え、
前記少なくとも1つの凸部は、前記シートの種別に固有の第1情報を含む被特定情報に対応する情報特定要素を構成し、
読み取り装置により読み取られた前記情報特定要素を取得する処理と、
前記情報特定要素と前記被特定情報との対応関係情報を取得する処理と、
前記取得した対応関係情報に基づいて、前記取得した前記情報特定要素から、該情報特定要素に対応する前記被特定情報を決定する処理と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする情報読み出し方法。
【符号の説明】
【0111】
1 情報読み出し装置
2 読み取り結果取得部
3 対応関係情報取得部
4 被特定情報決定部
5 対応関係情報記憶部
10,20,30 シート
11,21,31 図案領域
11a,21a,31a 記号領域
12,22,32 周縁領域
40,41,42,43,44 凸部
100 情報読み出しシステム
101 読み取り装置
S(S1〜S20) 凸部形成領域
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7