特許第6791927号(P6791927)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6791927テーパ状部分を有するコイルを具備する電磁機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791927
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】テーパ状部分を有するコイルを具備する電磁機器
(51)【国際特許分類】
   H01F 30/12 20060101AFI20201116BHJP
   H01F 37/00 20060101ALI20201116BHJP
   H01F 27/24 20060101ALI20201116BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   H01F30/12 C
   H01F30/12 A
   H01F37/00 A
   H01F37/00 C
   H01F27/24 F
   H01F27/24 K
   H01F27/28 K
   H01F37/00 M
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-199417(P2018-199417)
(22)【出願日】2018年10月23日
(65)【公開番号】特開2020-68272(P2020-68272A)
(43)【公開日】2020年4月30日
【審査請求日】2020年3月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】小林 尚平
【審査官】 佐久 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−107180(JP,A)
【文献】 特開2016−122786(JP,A)
【文献】 特開2015−135955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 30/12
H01F 27/24
H01F 27/28
H01F 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周部鉄心と、
前記外周部鉄心の内面側に放射状に設けられ、放射中心において互いに隣接する少なくとも3個の脚部鉄心と、
前記少なくとも3個の脚部鉄心に巻回された少なくとも3個のコイルと、を具備し、
前記少なくとも3個のコイルのそれぞれの外周面は、前記少なくとも3個の脚部鉄心の前記外周部鉄心に近い側から前記放射中心に向かうに従って巻回面積が小さくなるテーパ状部分を有し、
前記少なくとも3個のコイルのそれぞれの内周面は、前記少なくとも3個の脚部鉄心のうちの対応する脚部鉄心に対して平行であるようにした、
電磁機器。
【請求項2】
前記少なくとも3個のコイルのそれぞれの前記テーパ状部分が、隣接する他のコイルの前記テーパ状部分と接する、請求項1に記載の電磁機器。
【請求項3】
前記少なくとも3個のコイルは、前記外周部鉄心と前記少なくとも3個の脚部鉄心との間の空間を埋める形状を有する、請求項1または2に記載の電磁機器。
【請求項4】
前記外周部鉄心は、少なくとも3個の外周部鉄心部分から構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電磁機器。
【請求項5】
前記電磁機器は変圧器である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電磁機器。
【請求項6】
前記電磁機器はリアクトルである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電磁機器。
【請求項7】
前記少なくとも3個のコイルのそれぞれは、該コイルの外周側に位置する一次側コイルと内周側に位置する二次側コイルとを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電磁機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁機器に関し、特に、テーパ状部分を有するコイルを具備する電磁機器に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄心コイルを外周部鉄心で取り囲む構成とすることにより、コイルからの磁束が外周部鉄心の外部に漏洩するのを低減できる電磁機器が報告されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
従来の外周部鉄心が分割されている電磁機器においては、複数のコイル同士が干渉しないようにするために電磁機器の外径を大きくしなければならず、電磁機器のサイズを小型化することが難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018−133492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、設置面積を小さくでき、重量を軽量化することが可能な電磁機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例に係る電磁機器は、外周部鉄心と、外周部鉄心の内面側に放射状に設けられ、放射中心において互いに隣接する少なくとも3個の脚部鉄心と、少なくとも3個の脚部鉄心に巻回された少なくとも3個のコイルと、を具備し、少なくとも3個のコイルのそれぞれは、少なくとも3個の脚部鉄心の外周部鉄心に近い側から放射中心に向かうに従って巻回面積が小さくなるテーパ状部分を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施例に係る電磁機器によれば、設置面積を小さくでき、重量を軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】実施例1に係る電磁機器の平面図である。
図1B】実施例1に係る電磁機器の断面図である。
図2A】一般的な電磁機器の平面図である。
図2B】一般的な電磁機器の断面図である。
図3A】実施例2に係る電磁機器の平面図である。
図3B】実施例2に係る電磁機器の断面図である。
図4】実施例2に係る電磁機器を構成するコイルの斜視図である。
図5】一般的な電磁機器を構成するコイルの斜視図である。
図6】実施例2に係る電磁機器のコイルの断面図の他の例である。
図7A】実施例3に係る電磁機器の平面図である。
図7B】実施例3に係る電磁機器の断面図である。
図8】実施例4に係る電磁機器の平面図である。
図9】実施例5に係る電磁機器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明に係る電磁機器について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0010】
まず、本開示の実施例1に係る電磁機器について説明する。図1Aに実施例1に係る電磁機器の平面図を示し、図1Bに実施例1に係る電磁機器の断面図を示す。実施例1に係る電磁機器101は、外周部鉄心1と、少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)と、少なくとも3個のコイル(31〜36)と、を具備する。
【0011】
外周部鉄心1は、少なくとも3個の外周部鉄心部分(11〜16)から構成されていてもよい。図1Aは、外周部鉄心1が6個の外周部鉄心部分(11〜16)に分割されている例を示している。また、図1Aに示すように、外周部鉄心1は略6角形状の環状構造を有していてもよい。ただし、このような例には限られず、外周部鉄心1は円形または他の多角形形状であってもよい。
【0012】
少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)は、外周部鉄心1の内面側に放射状に設けられ、放射中心において互いに隣接する。図1Aには、脚部鉄心(21〜26)が6個設けられた例を示している。外周部鉄心1および少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)は、複数の鉄板、炭素鋼板、電磁鋼板を積層するか、あるいは圧粉鉄心から形成されていてもよい。
【0013】
少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)は互いに略同一の寸法であり、外周部鉄心1の周方向におおよそ等間隔に配置されている。図1Aに示すように、少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)のそれぞれの半径方向外側端部は外周部鉄心1に接している。
【0014】
さらに、少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)のそれぞれの半径方向内側端部は外周部鉄心1の中心Oに向かって収斂しており、その先端角度は図1Aに示した例では約60度である。そして、少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)の半径方向内側端部に、磁気的に連結可能なギャップを設けるようにしてもよい。
【0015】
少なくとも3個のコイル(31〜36)は、少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)に巻回されている。図1Aには、コイル(31〜36)が6個設けられた例を示している。
【0016】
少なくとも3個のコイル(31〜36)のそれぞれは、少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)の外周部鉄心1に近い側から放射中心Oに向かうに従って巻回面積が小さくなるテーパ状部分(31b〜36b)を有する。コイル(31〜36)は、コイル本体部分(31a〜36a)とテーパ状部分(31b〜36b)からなる。なお、コイル本体部分(31a〜36a)は、テーパ状部分(31b〜36b)と直列接続されている。また、コイル本体部分(31a〜36a)は、テーパ状部分(31b〜36b)と同一方向に巻回されている。
【0017】
図1Bに、図1Aにおけるコイル35の線A−Aにおける断面図を示す。コイル35はコイル本体部分35a及びテーパ状部分35bからなる。実施例1に係る電磁機器101の、少なくとも3個のコイル(31〜36)のそれぞれは、少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)の外周部鉄心1に近い側から放射中心Oに向かうに従って巻回面積が小さくなるテーパ状部分を有する点を特徴としている。例えば、テーパ状部分35bのコイル本体部分35a側の巻回面積をS1とし、テーパ状部分35bの外周部鉄心1の中心O側の巻回面積をS2とすると、S2はS1よりも小さい。このように、少なくとも3個のコイル本体部分(31a〜36a)の内周側に形成される空間に少なくとも3個のテーパ状部分(31b〜36b)を配置した構成としているため、電磁機器のサイズを小型化することができる。
【0018】
実施例1に係る電磁機器との比較のために、一般的な電磁機器の例について説明する。図2Aに一般的な電磁機器の平面図を示し、図2Bに一般的な電磁機器の図2Aの線B−Bにおける断面図を示す。環状に配置された外周部鉄心部分(1001〜1006)により外周部鉄心が構成され、外周部鉄心の内周面に配置された6個の脚部鉄心(201〜206)のそれぞれにコイル(301〜306)が巻回されている。コイル(301〜306)はテーパ状部分を有していない。
【0019】
例えば、図2Aのコイル305の巻き数が、図1Aに示したコイル本体部分35aとテーパ状部分35bの巻き数の合計と同数であるとする。この場合、コイル305の内周側のコイル部分305aの巻き数がコイル本体部分35aの巻き数と等しく、コイル305の外周側のコイル部分305bの巻き数がテーパ状部分35bの巻き数と等しいとすると、コイル305から、外周側のコイル部分305bをコイル305の内周側に移動させた場合、外周側のコイル部分305bがテーパ状部分35bに相当すると考えることができる。従って、実施例1に係る電磁機器101によれば、電磁機器1000の外周の大きさを電磁機器101の外周の大きさまで小型化することができる。従って、実施例1に係る電磁機器101は、テーパ状部分のコイルを有していない電磁機器1000よりも小型化することができる。
【0020】
また、少なくとも3個のコイル本体部分(31a〜36a)は互いに同じ回数だけ巻回されていることが好ましい。さらに、少なくとも3個のテーパ状部分(31b〜36b)は互いに同じ回数だけ巻回されていることが好ましい。このような構成とすることにより、少なくとも3個のコイル本体部分(31a〜36a)及び少なくとも3個のテーパ状部分(31b〜36b)によって少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)に生じる磁束密度を互いに等しくすることができる。
【0021】
また、図1Aに示すように、少なくとも3個のコイル(31〜36)のそれぞれのテーパ状部分(31b〜36b)が、隣接する他のコイルのテーパ状部分と接するようにしてもよい。また、少なくとも3個のテーパ状部分(31b〜36b)の外周部鉄心1の中心O側に、少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)との間に空隙(91〜96)が形成されるようにしてもよい。空隙を形成することにより、少なくとも3個のコイル本体部分(31a〜36a)及び少なくとも3個のテーパ状部分(31b〜36b)により生じた熱を外部へ放出することができる。
【0022】
次に、本開示の実施例2に係る電磁機器について説明する。図3Aに実施例2に係る電磁機器の平面図を示す。実施例2に係る電磁機器102が実施例1に係る電磁機器101と異なっている点は、少なくとも3個のコイル(41〜46)は、外周部鉄心1と少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)との間の空間を埋める形状を有する点である。実施例2に係る電磁機器102のその他の構成は、実施例1に係る電磁機器101における構成と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0023】
少なくとも3個のコイル(41〜46)のそれぞれは、コイル本体部分(41a〜46a)及びテーパ状部分(41b〜46b)からなる。図3Aには、コイル本体部分(41a〜46a)が6個設けられた例を示している。少なくとも3個のテーパ状部分(41b〜46b)は、少なくとも3個のコイル本体部分(41a〜46a)の内周面より外周部鉄心1の中心O側に配置されている。図3Aには、テーパ状部分(41b〜46b)が6個設けられた例を示している。なお、少なくとも3個のコイル本体部分(41a〜46a)のそれぞれは、少なくとも3個のテーパ状部分(41b〜46b)と直列接続されている。また、少なくとも3個のコイル本体部分(41a〜46a)のそれぞれは、少なくとも3個のテーパ状部分(41b〜46b)と同一方向に巻回されている。
【0024】
図3Bに、図3Aにおけるコイル45の線C−Cにおける断面図を示す。コイル45はコイル本体部分45a及びテーパ状部分45bからなる。実施例2に係る電磁機器102は、少なくとも3個のコイル(41〜46)が、外周部鉄心1と少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)との間の空間を埋める形状を有する点を特徴としている。このような構成により、少なくとも3個のコイル本体部分(41a〜46a)の内周側に形成される空間に、少なくとも3個のテーパ状部分(41b〜46b)をより多く巻回することができるため、電磁機器のサイズをさらに小型化することができる。
【0025】
図4に実施例2に係る電磁機器102を構成するコイル45の斜視図を示す。コイル45はコイル本体部分45a及びテーパ状部分45bからなり、脚部鉄心25が配置される開口部450を有する。図4に示すように、テーパ状部分45bは電磁機器102の中心に向かうに従い先端が絞られた形状となるように巻回されている。また、例えば、電磁機器102をリアクトルとして使用する場合、コイル本体部分45aのコイル端451を入力端子とし、テーパ状部分45bのコイル端452を出力端子とするようにしてもよい。
【0026】
実施例2に係る電磁機器との比較のために図5に一般的な電磁機器(図2A参照)を構成するコイル305の斜視図を示す。コイル305には脚部鉄心205を配置するための開口部3050が形成されている。
【0027】
例えば、図5のコイル305の巻き数が、図4に示したコイル本体部分45aとテーパ状部分45bの巻き数の合計と同数であるとする。この場合、コイル305の内周側のコイル部分305aの巻き数がコイル本体部分45aの巻き数と等しく、コイル305の外周側のコイル部分305bの巻き数がテーパ状部分45bの巻き数と等しいとすると、コイル305から外周側のコイル部分305bをコイル305の内周側に移動した場合に、外周側のコイル部分305bがテーパ状部分45bに相当すると考えることができる。従って、実施例2に係る電磁機器102によれば、電磁機器1000の外周の大きさを電磁機器102の外周の大きさまで小型化することができる。従って、実施例2に係る電磁機器102は、テーパ状のコイルを有していない電磁機器1000よりもサイズを小型化することができる。
【0028】
次に、実施例2に係る電磁機器102を変圧器として用いる場合のコイルの構成について説明する。図6に実施例2に係る電磁機器102のコイル45の断面図の他の例を示す。電磁機器102を変圧器として用いる場合、コイル45の外周側のコイル45cを1次側コイルとし、内周側のコイル45dを2次側のコイルとしてもよい。このような構成とすることにより、実施例2に係る電磁機器102を変圧器として用いることができる。
【0029】
次に、本開示の実施例3に係る電磁機器について説明する。図7Aに実施例3に係る電磁機器の平面図を示す。実施例3に係る電磁機器103が実施例1に係る電磁機器101と異なっている点は、少なくとも3個のコイル(51〜56)のそれぞれは、少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)の外周部鉄心1に近い側から放射中心Oに向かうに従って巻回面積が小さくなるテーパ状となっている点である。実施例3に係る電磁機器103のその他の構成は、実施例1に係る電磁機器101における構成と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0030】
図7Aには、コイル(51〜56)が6個設けられた例を示している。図7Bに、図7Aにおけるコイル55の線D−Dにおける断面図を示す。実施例3に係る電磁機器103は、少なくとも3個のコイル(51〜56)のそれぞれは、少なくとも3個の脚部鉄心(21〜26)の外周部鉄心1に近い側から放射中心Oに向かうに従って巻回面積が小さくなるテーパ状となっている点を特徴としている。従って、図7Bに示すように、コイル55は、脚部鉄心25の長手方向と直交する面における巻回面積が外周部鉄心の中心O側に向かうにしたがって小さくなるように巻回されている。例えば、コイル55の外周部鉄心1側の巻回面積をS3とすると、S3は外周部鉄心の中心O側に向かうにしたがって小さくなっている。このような構成により、隣接する少なくとも3個のコイル(51〜56)の間にコイルをより多く巻回することができるため、電磁機器のサイズをさらに小型化することができる。
【0031】
以上の説明において、外周部鉄心部分、脚部鉄心、及びコイルの数をそれぞれ6個とした例について説明したが、このような例には限られず、外周部鉄心部分、脚部鉄心、及びコイルの数をそれぞれ3個とした3極構造としてもよい。図8に実施例4に係る電磁機器の平面図を示す。実施例4に係る電磁機器104は、外周部鉄心1と、3個の脚部鉄心(21〜23)と、3個のコイル(61〜63)と、を具備する。
【0032】
外周部鉄心1は、3個の外周部鉄心部分(11b〜13b)に分割されていてもよい。また、図8に示すように、外周部鉄心1は略6角形状の環状構造を有していてもよい。ただし、このような例には限られず、外周部鉄心1は円形または他の多角形形状であってもよい。
【0033】
3個の脚部鉄心(21〜23)は、外周部鉄心1の内面側に放射状に設けられ、放射中心Oにおいて互いに隣接するように配列されている。
【0034】
3個のコイル(61〜63)は、3個の脚部鉄心(21〜23)に巻回されている。3個のコイル(61〜63)のそれぞれは、3個の脚部鉄心(21〜23)の外周部鉄心1に近い側から放射中心Oに向かうに従って巻回面積が小さくなるテーパ状部分(61b〜63b)を有する。
【0035】
このように、3個のコイル本体部分(61a〜63a)の内周側に形成される空間に3個のテーパ状部分(61b〜63b)を配置した構成としているため、電磁機器のサイズを小型化することができる。
【0036】
また、外周部鉄心部分、脚部鉄心、及びコイルの数をそれぞれ4個とした4極構造としてもよい。図9に実施例5に係る電磁機器の平面図を示す。実施例5に係る電磁機器105は、外周部鉄心1と、4個の脚部鉄心(21〜24)と、4個のコイル(71〜74)と、を具備する。
【0037】
外周部鉄心1は、4個の外周部鉄心部分(11c〜14c)に分割されていてもよい。また、図9に示すように、外周部鉄心1は十字形状の構造を有していてもよい。ただし、このような例には限られず、外周部鉄心1は円形または多角形形状であってもよい。
【0038】
4個の脚部鉄心(21〜24)は、外周部鉄心1の内面側に放射状に設けられ、放射中心Oにおいて互いに隣接するように配置されている。
【0039】
4個のコイル(71〜74)は、4個の脚部鉄心(21〜24)に巻回されている。4個のコイル(71〜74)のそれぞれは、4個の脚部鉄心(21〜24)の外周部鉄心1に近い側から放射中心Oに向かうに従って巻回面積が小さくなるテーパ状部分(71b〜74b)を有する。
【0040】
このように、4個のコイル本体部分(71a〜74a)の内面側に形成される空間に4個のテーパ状部分(71b〜74b)を配置した構成としているため、電磁機器のサイズを小型化することができる。
【0041】
上記実施例に係る電磁機器を変圧器として利用することができる。本実施例に係る電磁機器によれば、サイズを小型化できるため、変圧器の各相の磁路長を短くでき、磁気抵抗が減る為、鉄損を減らすことができる。
【0042】
また、上記実施例に係る電磁機器をリアクトルとして利用することもできる。
【符号の説明】
【0043】
1 外周部鉄心
11〜16 外周部鉄心部分
21〜26 脚部鉄心
31〜36 コイル
31a〜36a コイル本体部分
31b〜36b テーパ状部分
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9