特許第6792003号(P6792003)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792003
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】自動清掃の試料検査システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
   G01N35/00 Z
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2019-2492(P2019-2492)
(22)【出願日】2019年1月10日
(62)【分割の表示】特願2017-552817(P2017-552817)の分割
【原出願日】2016年4月8日
(65)【公開番号】特開2019-53090(P2019-53090A)
(43)【公開日】2019年4月4日
【審査請求日】2019年1月10日
(31)【優先権主張番号】62/145,247
(32)【優先日】2015年4月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500169900
【氏名又は名称】ジェン−プローブ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ノーバート ディー. ヘイガン
(72)【発明者】
【氏名】バイロン ジェイ. ナイト
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド オパルスキー
【審査官】 萩田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】 特表平09−503304(JP,A)
【文献】 特開2000−316972(JP,A)
【文献】 実開昭50−076880(JP,U)
【文献】 特開平10−062431(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0243008(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 − 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子を清掃および/または滅菌するために試料検査システムに使用するための清掃部材であって、
近位結合要素と、
遠位清掃要素と
を備え、前記近位結合要素が、自動移送アームと解除可能なかたちでかみ合うように構成された近位端部を持ち、前記遠位清掃要素は、前記試料検査システムの光学素子に接触するように構成された遠位端面を含む、清掃部材。
【請求項2】
前記近位結合要素が、前記自動移送アームの作業端部と摩擦嵌めを形成するように寸法取りされた近位部を持つ、請求項1に記載の清掃部材。
【請求項3】
前記近位結合要素および遠位清掃要素が別々に成形された構成要素である、請求項1または2に記載の清掃部材。
【請求項4】
前記近位結合要素の遠位部が前記遠位清掃要素の近位部と締り嵌めを形成する、請求項3に記載の清掃部材。
【請求項5】
前記近位結合要素の遠位部が前記遠位清掃要素の近位部と摩擦嵌めを形成する、請求項3に記載の清掃部材。
【請求項6】
単一の構成要素を形成するために、前記遠位清掃要素が前記近位結合要素の上に成形されている、請求項1または2に記載の清掃部材。
【請求項7】
前記遠位清掃要素が、前記遠位清掃要素の外面が前記試料検査システムの検査容器ウェルの内面と適合するような寸法である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の清掃部材。
【請求項8】
前記遠位清掃要素の外面および前記検査容器ウェルの内面が相補的な円錐台状の形状を持つ、請求項7に記載の清掃部材。
【請求項9】
前記遠位清掃要素が接着剤を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の清掃部材。
【請求項10】
前記接着剤が、シリコン、プラチナ硬化シリコン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマ、熱可塑性ゴム、およびゲルから成る群から選択される、請求項9に記載の清掃部材。
【請求項11】
前記遠位清掃要素が、前記試料によって放射または反射された電磁放射の光学素子による前記検出を妨げうる微粒子および/またはその他の材料に静電的引力を生成する材料を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の清掃部材。
【請求項12】
静電的引力を生成する前記材料が、シリコン、塩化ポリビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリスチレンから成る群から選択される、請求項11に記載の清掃部材。
【請求項13】
前記遠位清掃要素が液状物質を保持する能力を持つ吸収材料を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の清掃部材。
【請求項14】
前記遠位清掃要素が前記液状物質を保持し、前記液状物質が、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、希塩酸、シュウ酸、希釈水酸化ナトリウムおよび希釈次亜塩素酸ナトリウムを含む群から選択される、請求項13に記載の清掃部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国仮出願第62/145,247号(2015年4月9日出願)の利益を主張し、その内容全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本開示の実施形態は一般に、検査容器に含まれる試料によって反射および/または放射される電磁放射を伝達するために光ファイバーなどの光学素子を使用して、核酸ベースアッセイを含む自動生化学アッセイを実施するためのシステム、装置、機器、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
検査容器に含まれる試料によって反射および/または放射される電磁放射を伝達するために光ファイバーを用いる自動生化学アッセイを実施するための例示的システム、装置および方法が、米国公開特許出願第US 2014−0263984 A1号、表題「Indexing Signal Detection Module(割出信号検出モジュール)」、国際出願第WO 2014/153193 A2号、表題「Diagnostic Systems and Methods(診断システムおよび方法)」、米国公開特許出願第US 2014−0263153 A1号、表題「Interlocking Cap and Receptacle for Automated Processes(自動プロセス用インターロッキングキャップおよび容器)」、米国公開特許出願第US 2014−0038192 A1号、表題「System, Method and Apparatus for Automated Incubation(自動インキュベーションのためのシステム、方法および装置)」、および米国出願第14/213,900号、表題「Method for Analyzing a Plurality of Samples(複数試料の分析方法)」(2014年3月14日出願)のそれぞれに、非限定的例として開示および記述されている。前述の出願のそれぞれのすべての内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0004】
米国公開特許出願第US 2014/0263984 A1号に開示および記述されるように、生体試料などの試料の自動光ファイバー調査(検査)を実施するために使用する例示的システムの「サーモサイクラー」は、複数の検査容器ホルダー(例えば、12個)を含み、各ホルダーは複数の(例えば、5個)の検査容器ウェルを持つ。各検査容器ウェルは開いた下端部を持ち、検査容器をその中に安定して据えるように構成されている。この配列によって、検査容器ウェルに据えられた検査容器に含まれる試料の光学検査を、それぞれの検査容器ウェルの開いた下部に近接して位置付けられた光ファイバーの軸に面した遠位端部を通して送信および/または受信された光を使用して実施することができる。
【0005】
検査結果が信頼できるものとするためには、光経路が、それぞれの光ファイバーの端面の間に延長して、端面を含み、検査容器に、埃、繊維、髪および/またはその他の粒子状物質などの光学検査過程を妨げうるいかなる破片もないことが非常に重要である。検査容器ウェルへの検査容器の容易な挿入および取り出しを可能にするために、検査容器ホルダーが大気に開放されている時(すなわち、何のカバーまたは蓋なしで)、破片が特に問題となりうる。破片は自家蛍光(すなわち、破片材料が自然に蛍光を発する)を呈しうるか、または非蛍光性でありうる。蛍光を発する破片は一般的に検出しやすく、蛍光を発しない破片は検出が困難な可能性がある。結果として、非蛍光発光性破片は検出されることなく光の経路を妨げ、従って、誤ったまたは誤解を招く検査結果をもたらす可能性がある。
【0006】
このように、光ファイバーの端部上または上方で、光信号経路を妨げうる何らかの破片が検出されると、それぞれの検査容器ウェルおよび光ファイバー端部は、例えば、(キーボードの清掃と同様に)綿棒または圧縮空気を使用してそれらを手で清掃するまで、試料検査容器のさらなる検査を実施するために使用できない さらに、一部のタイプの妨害破片は容易に検出できないので、非検出破片が試料検査に有害作用をもたらさないよう確保するため、一般的には現場サービス技術者による定期的サービスの間に、光ファイバーの軸に面した端部を定期的に清掃しなければならない。頻回の定期的清掃は、清掃費用に関して、およびシステムが清掃のためにシャットダウンしている間の損失時間に関しての両方で高価となりうる。さらに、検出破片の即座の手動清掃が実施されない場合、それぞれの光ファイバーおよび/または検査容器ウェルは、その間信頼できる検査のためにはもはや利用できず、それらの使用を禁止しなければならないため、それによってシステムの処理量が減少する。
【0007】
試料検査システムのその他の構成要素も定期的な手動での清掃および/または滅菌を必要としうる。例えば、検査容器ウェルは、容器の外面上の供試材または試薬、プラスチックの薄片、髪および/または環境粒子または汚染物質に曝される可能性があり、試料間の交差汚染またはこのような暴露の結果として生じうるその他の問題を避けるために、定期的な手動での清掃および/または滅菌も必要となりうる。
本明細書に記述、言及、および/または参照により組み込まれた参考文献のいずれも既存技術であるとは認められていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0263984号明細書
【特許文献2】国際公開第2014/153193号
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0263153号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0038192号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に開示した実施形態によると、例示的試料検査システムは、検査容器支持構造、検査容器支持構造によって支持された検査容器に配置された試料により放射または反射される電磁放射を伝達するために位置付けられた光学素子、清掃部材、および清掃部材と着脱可能なかたちで結合するように構成された自動移送アームを含み、自動アームは、着脱可能なかたちで結合された清掃部材を光学素子に近接および/または接触する位置に移動し、(その後)清掃部材を分離するようにさらに構成されている。システムは、自動移送アームに清掃部材を着脱可能なかたちで結合させ、(i)所定の清掃スケジュールおよび(ii)光学素子上または上方に配置された微粒子および/またはその他の材料の存在の感知のうちの一つまたは両方に基づいて、着脱可能なかたちで結合した清掃部材を光学素子に近接および/または接触する位置に移動させるために、自動移送アームの動作を制御するコントローラを含むことが好ましい。自動移送アームは連接アームでありうるが、これは開示実施形態を実践するために必要ではない。一部の実施形態では、自動移送アームは分離した清掃部材を廃棄物アウトプット中に置くように構成されている。一部の実施形態では、試料検査システムは、それぞれが一つまたは複数の清掃部材を保持するように構成された、一つまたは複数の清掃部材ホルダーを持ち、自動移送アームは、分離した清掃部材が取り外されたものと同じまたは異なる清掃部材ホルダー中に分離した清掃部材を選択的に置くように構成されうる。
【0010】
例示的実施形態の清掃部材は、遠位清掃要素に接合した近位結合要素を含み、結合要素は、自動移送アームの遠位作業端部と解除可能なかたちでかみ合うように構成された近位端部を持つ。結合要素および清掃要素は別々に成形された構成要素であってもよく、結合要素の遠位部は後に要素を一緒に接合するために、清掃要素の近位部と、非限定的例として、締り嵌めまたは摩擦嵌めを形成する。あるいは、結合要素および清掃要素は単一構成要素としてコモールディングされうる。自動移送アームは、清掃要素が検査容器支持構造の検査容器ウェルに挿入されるように、着脱可能なかたちで結合した清掃部材を移動するように構成されることが好ましく、清掃要素は清掃要素の外面が検査容器ウェルの内面に適合するような寸法となっている。非限定的例として、清掃要素の外面および検査容器ウェルの内面は、相補的な円錐台状の形状を持ちうる。清掃要素は、検査容器ウェルに挿入された時、検査容器ウェルの内面を清掃、浄化および/または滅菌することが好ましい。一実施形態では、検査容器ウェルは開いた下部を持ち、光学素子は、検査容器ウェルの開いた下部に近接して位置付けられた端部を持つ光ファイバーであり、清掃要素は、検査容器ウェルに挿入された時、光ファイバーの端部を清掃、浄化および/または滅菌する。
【0011】
例示的実施形態では、清掃要素は、(限定するものではないが)シリコン、プラチナ硬化シリコン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマ、熱可塑性ゴム、またはゲルなどの接着剤で作られうる。追加的または代替え的に、清掃要素は、(限定するものではないが)シリコン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステルまたはポリスチレンなどの、試料によって放射または反射される電磁放射の光学素子による伝達を妨げうる微粒子および/またはその他の材料に静電的引力を引き起こす材料で作られうる。その他の実施形態では、清掃要素は、(限定するものではないが)イソプロピルアルコール、エチルアルコール、希塩酸、シュウ酸、希釈水酸化ナトリウムおよび希釈次亜塩素酸ナトリウムなどの、液状物質を保持および適用することができる吸収材料で作られうる。
【0012】
一つの例示的実施形態では、試料検査システムは一つまたは複数の検査容器ホルダーを持ち、各検査容器ホルダーは複数の検査容器ウェルを備え、各検査容器ウェルは開いた下端部を持ち、その中に検査容器を据えるように構成されている。複数の光ファイバーは、一つまたは複数の検査容器ホルダーに対して、検査容器ウェルに据えられた検査容器に含まれる試料によって放射または反射される電磁放射の伝達を可能にするために、それぞれの光ファイバーの端部が各検査容器ウェルの開いた下端部に近接して位置付けられる(または位置付けられうる)ように配列される。本実施形態のシステムは、複数の清掃部材ウェルを備える清掃部材ホルダーをさらに含み、複数の清掃部材ウェルのそれぞれは、清掃部材をその中に据えるように構成されている。システムは、(i)清掃部材ウェルの一つに位置する清掃部材を着脱可能なかたちで結合し、(ii)着脱可能なかたちで結合した清掃部材をそれぞれの清掃部材ウェルから取り出し、(iii)清掃部材の遠位端が、それぞれの検査容器ウェルの開いた下端部に近接して位置付けられた光ファイバーの端部に近接または接触して位置付けられるように、着脱可能なかたちで結合した清掃部材の遠位部を容器ウェルの一つに挿入し、(iv)着脱可能なかたちで結合した清掃部材をそれぞれの検査容器から取り出し、(v)清掃部材を分離するように構成された自動移送アームをさらに含む。
【0013】
自動移送アームは、分離した清掃部材を、分離した清掃部材が取り出されたのと同じまたは異なる清掃部材ウェルに選択的に置くように構成されることが好ましい。代替的および/または追加的に、自動移送アームは分離した清掃部材を廃棄物アウトプット中に選択的に置くように構成されている。システムは、自動移送アームに、それぞれの清掃部材ウェルに位置する清掃部材を着脱可能なかたちで結合させ、(i)所定の清掃スケジュールおよび(ii)光学素子上または上方に配置された微粒子および/またはその他の材料の存在の感知のうちの一つまたは両方に基づいて、着脱可能なかたちで結合した清掃部材を一つまたは複数の光ファイバー端部に近接および/または接触する位置に移動させるために、自動移送アームの動作を制御するコントローラを含むことが好ましい。光ファイバーの相対的位置に応じて、本実施形態の清掃部材の遠位部は、清掃部材の遠位先端がそれぞれの光ファイバーの端部に近接または接触して位置付けられるようにするため、それぞれの検査容器ウェルの開いた下端部まで、および/または下端部を通って延長するような寸法でありうる。清掃要素が検査容器ウェルに挿入された時、清掃要素が、(i)検査容器ウェルの内面および(ii)それぞれの光ファイバーの端部のうち一つまたは両方を清掃、浄化および/または滅菌するように、清掃要素は清掃要素の外面が検査容器ウェルの内面と適合する寸法であることが好ましい。
【0014】
開示実施形態の別の態様によると、自動試料検査システムに使用するための清掃部材が提供されており、清掃部材は近位結合要素および遠位清掃要素を含み、結合要素は自動移送アームの作業端部と(例えば、摩擦嵌めを形成して)解除可能なかたちで対になるように構成された近位端部を持つ。結合要素および清掃要素は別々に成形された構成要素であってもよく、結合要素の遠位部は後に要素を一緒に接合するために、清掃要素の近位部と、非限定的例として、締り嵌めまたは摩擦嵌めを形成する。あるいは、結合要素および清掃要素は単一構成要素としてコモールディングされうる。清掃要素は、清掃要素の外面が試料検査システムの検査容器ウェルの内面と適合するような寸法であることが好ましい。非限定的例として、清掃要素の外面および検査容器ウェルの内面は、相補的な円錐台状の形状を持ちうる。清掃要素は、(限定するものではないが)シリコン、プラチナ硬化シリコン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマ、熱可塑性ゴム、またはゲルなどの接着剤で作られうる。追加的または代替え的に、清掃要素は、(限定するものではないが)シリコン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステルまたはポリスチレンなどの、試料によって放射または反射される電磁放射の光学素子による伝達を妨げうる微粒子および/またはその他の材料に静電的引力を引き起こす材料で作られうる。その他の実施形態では、清掃要素は、(限定するものではないが)イソプロピルアルコール、エチルアルコール、希塩酸、シュウ酸、希釈水酸化ナトリウムおよび希釈次亜塩素酸ナトリウムなどの、液状物質を保持および適用することができる吸収材料で作られうる。
【0015】
さらなる開示実施形態によると、試料検査システムの操作方法は、自動移送アームを使用して(i)清掃部材を移送アームの作業端部に着脱可能なかたちで結合する工程、(ii)着脱可能なかたちで結合した清掃部材を光学素子と近接および/または接触する位置に移動し、それによって清掃部材が光学素子を清掃および/または滅菌するようにする工程、および(iii)清掃部材を移送アームの作業端部から分離する工程を含む。例示的実施形態では、検査システムは複数の清掃部材容器を持つ清掃部材ホルダーを含み、清掃部材は、清掃部材ホルダーのそれぞれの清掃部材容器に保持された複数の清掃部材の一つであり、自動移送アームは、清掃部材がそれぞれの清掃部材容器に保持されている間に、清掃部材を着脱可能なかたちで結合する。
【0016】
例示的方法では、清掃部材は近位結合要素および遠位清掃要素を持ち、自動アームは、結合要素の近位端部を移送アームの作業端部に着脱可能なかたちで結合し、結合要素の凹んだ近位部に挿入することで清掃要素を結合要素に(例えば、締り嵌めまたは摩擦嵌めで)取り付けることによって、遠位端コネクタを清掃要素の清掃部材を移送アームの作業端部に着脱可能なかたちで結合する。一部のこのような実施形態では、システムは、複数の清掃要素容器を持つ清掃要素ホルダーを含み、清掃要素は、清掃要素ホルダーのそれぞれの清掃要素容器に保持された複数の清掃要素の一つである。特に、自動移送アームは、清掃要素がそれぞれの清掃要素容器に保持されている間に、結合要素の遠位端コネクタを清掃要素の凹んだ近位部に挿入する。このような実施形態では、清掃要素は、結合要素の遠位端コネクタがそれぞれの清掃要素の凹んだ近位部に挿入される時に貫かれる壊れやすい密封部材によって、それぞれの清掃要素容器に実質的に環境的に密封されうる。
【0017】
このような方法は、自動移送アームを使用して、着脱可能なかたちで結合した清掃部材を、清掃要素が検査容器支持構造の検査容器ウェルに挿入されるような位置に移動することをさらに含むことができ、清掃要素は、清掃要素の外面が検査容器ウェルの内面に適合するような寸法であり、清掃要素は検査容器に挿入された時、検査容器の内面を清掃、浄化および/または滅菌する。一実施形態では、検査容器ウェルは開いた下部を持ち、光学素子は、検査容器ウェルの開いた下部に近接して位置付けられた端部を持つ光ファイバーを備え、清掃要素は、検査容器ウェルに挿入された時、光ファイバーの端部を清掃、浄化および/または滅菌する。
【0018】
一実施形態では、着脱可能なかたちで結合した清掃部材は第一の清掃部材を備え、第一の清掃部材の清掃要素は第一の清掃要素を備え、方法は、第一の清掃部材を自動移送アームの作業端部から分離した後、自動移送アームを使用して第二の清掃部材を自動移送アームの作業端部に着脱可能なかたちで結合する工程であって、第二の清掃部材が第二の清掃要素を備える工程、および着脱可能なかたちで結合した第二の清掃部材を、第二の清掃要素が検査容器支持構造の同じ検査容器ウェルに挿入されるような位置に移動する工程をさらに含む。このような実施形態では、第一の清掃要素は第二の清掃要素(例えば、吸収材料で作られ、清掃用液体および/または滅菌用液体を有する)とは異なる材料(例えば、接着剤)で作られうる。
【0019】
開示方法によると、コントローラは、自動移送アームにそれぞれの清掃部材を着脱可能なかたちで結合させ、(i)所定の清掃スケジュールおよび(ii)光学素子上または上方に配置された微粒子および/またはその他の材料の存在の感知のうちの一つまたは両方に基づいて、それぞれの着脱可能なかたちで結合した清掃部材を光学素子に近接および/または接触する位置に移動させるために、自動移送アームの動作を制御しうる。コントローラはさらに、自動移送アームに、それぞれの分離した清掃部材をシステム廃棄物アウトプットまたは指定された使用済み清掃部材ホルダー中に配置させることもできる。
【0020】
実施形態のその他およびさらなる態様ならびに特徴が、添付図の後の詳細記述から明らかになる。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
試料検査システムであって、
検査容器支持構造と、
前記検査容器支持構造によって支持された検査容器に配置された試料によって放射または反射される電磁放射を伝達するための光学素子と、
清掃部材と、
自動移送アームであって、
前記清掃部材を着脱可能なかたちで結合し、
前記着脱可能なかたちで結合した清掃部材を、前記光学素子と近接および/または接触する位置に移動し、
前記清掃部材を分離するように構成された自動移送アームとを備える、試料検査システム。
(項目2)
前記自動移送アームが前記分離した清掃部材を廃棄物アウトプット中に置くように構成されている、項目1に記載の試料検査システム。
(項目3)
前記自動移送アームが連接アームを備える、項目1または2に記載の試料検査システム。
(項目4)
前記清掃部材が、遠位清掃要素に接合した近位結合要素を備え、前記結合要素が、前記自動移送アームの遠位作業端部と解除可能なかたちでかみ合うように構成された近位端部を持つ、項目1〜3のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目5)
前記結合要素および前記清掃要素が別々に成形された構成要素である、項目4に記載の試料検査システム。
(項目6)
前記結合要素の遠位部が前記清掃要素の近位部と締り嵌めを形成する、項目5に記載の試料検査システム。
(項目7)
前記結合要素の遠位部が前記清掃要素の近位部と摩擦嵌めを形成する、項目5に記載の試料検査システム。
(項目8)
前記結合要素および前記清掃要素が単一の構成要素としてコモールディングされている、項目4に記載の試料検査システム。
(項目9)
前記自動移送アームが、前記清掃要素が前記検査容器支持構造の検査容器ウェルに挿入されるように、前記着脱可能なかたちで結合した清掃部材を移動するように構成され、前記清掃要素が、前記清掃要素の外面が前記検査容器ウェルの内面に適合するような寸法となっている、項目4〜8のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目10)
前記清掃要素の外面および前記検査容器ウェルの内面が相補的な円錐台状の形状を持つ、項目9に記載の試料検査システム。
(項目11)
前記清掃要素が、前記検査容器ウェルに挿入された時、前記検査容器ウェルの内面を清掃、浄化および/または滅菌する、項目9または10に記載の試料検査システム。
(項目12)
項目4〜11のいずれか一項に記載の試料検査システムであって、
前記検査容器ウェルが開いた下部を持ち、
前記光学素子が、前記検査容器ウェルの前記開いた下部に近接して位置付けられた端部を持つ光ファイバーを備え、
前記清掃要素が、前記検査容器ウェルに挿入された時、前記光ファイバーの前記端部を清掃、浄化および/または滅菌する試料検査システム。
(項目13)
前記清掃要素が接着剤を含む、項目4〜12のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目14)
前記接着剤が、シリコン、プラチナ硬化シリコン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマ、熱可塑性ゴム、およびゲルから成る群から選択される、項目13に記載の試料検査システム。
(項目15)
前記清掃要素が、前記試料によって放射または反射された電磁放射の光学素子による前記伝達を妨げうる微粒子および/またはその他の材料に静電的引力を生成する材料を含む、項目4〜12のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目16)
静電的引力を生成する前記材料が、シリコン、塩化ポリビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリスチレンから成る群から選択される、項目15に記載の試料検査システム。
(項目17)
前記清掃要素が液状物質を保持する能力を持つ吸収材料を含む、項目4〜12のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目18)
前記清掃要素が前記液状物質を保持し、前記液状物質が、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、希塩酸、シュウ酸、希釈水酸化ナトリウムおよび希釈次亜塩素酸ナトリウムを含む群から選択される、項目17に記載の試料検査システム。
(項目19)
前記自動移送アームに前記清掃部材を着脱可能なかたちで結合させ、(i)所定の清掃スケジュールおよび(ii)光学素子上または上方に配置された微粒子および/またはその他の材料の存在の感知のうちの一つまたは両方に基づいて、前記着脱可能なかたちで結合した清掃部材を前記光学素子に近接および/または接触する位置に移動させるために、前記自動移送アームの動作を制御するコントローラをさらに備える、項目1〜18のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目20)
一つまたは複数の清掃部材ホルダーをさらに備え、前記清掃部材が複数の清掃部材の一つであり、前記清掃部材のそれぞれが一つまたは複数の清掃部材ホルダーのそれぞれ一つに保持される、項目1〜19のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目21)
前記自動移送アームが、前記分離した清掃部材を、前記分離した清掃部材が取り出されたのと同じまたは異なる清掃部材ホルダーに選択的に置くように構成された、項目20に記載の試料処理システム。
(項目22)
試料検査システムであって、
一つまたは複数の検査容器ホルダーであって、各検査容器ホルダーが複数の検査容器ウェルを備え、各検査容器ウェルが開いた下端部を持ち、その中に検査容器を据えるように構成された検査容器ホルダーと、
前記検査容器ウェルに据えられた検査容器に含まれる試料によって放射または反射される電磁放射の伝達を可能にするために、それぞれの光ファイバーの端部が各検査容器ウェルの前記開いた下端部に近接して位置付けられるように、一つまたは複数の検査容器ホルダーに対して配列された複数の光ファイバーと、
複数の清掃部材ウェルを備える清掃部材ホルダーであって、複数の前記清掃部材ウェルのそれぞれが、清掃部材をその中に据えるように構成された清掃部材ホルダーと、
自動移送アームであって、
前記清掃部材ウェルの一つに配置された清掃部材を着脱可能なかたちで結合し、
前記着脱可能なかたちで結合した清掃部材を前記それぞれの清掃部材ウェルから取り出し、
前記それぞれの検査容器ウェルの前記開いた下端部に近接して位置付けられた前記光ファイバーの前記端部に、前記清掃部材の遠位端が近接または接触して位置付けられるように、前記着脱可能なかたちで結合した清掃部材の遠位端を前記検査容器ウェルの一つに挿入し、
前記着脱可能なかたちで結合した清掃部材を前記それぞれの検査容器から取り出し、
前記清掃部材を分離するように構成された自動移送アームとを備える、試料検査システム。
(項目23)
前記自動移送アームが、前記分離した清掃部材を、前記分離した清掃部材が取り出されたのと同じまたは異なる清掃部材ウェルに選択的に置くように構成された、項目22に記載の試料処理システム。
(項目24)
前記自動移送アームが前記分離した清掃部材を廃棄物アウトプット中に選択的に置くように構成されている、項目22または23に記載の試料処理システム。
(項目25)
前記自動移送アームが連接アームを備える、項目22〜24のいずれか一項に記載の試料処理システム。
(項目26)
前記清掃部材の遠位部が、前記清掃部材の遠位先端が前記それぞれの光ファイバーの前記端部に近接または接触して位置付けられるようにするため、前記それぞれの検査容器ウェルの前記開いた下端部まで、および/または前記開いた下端部を通って延長するような寸法である、項目22〜25のいずれか一項に記載の試料処理システム。
(項目27)
前記清掃部材の前記遠位部が清掃要素を備え、前記清掃部材が、前記遠位清掃要素に接合した近位結合要素をさらに備え、前記結合要素が、前記自動移送アームの遠位作業端部と解除可能なかたちでかみ合うように構成された近位端部を持つ、項目22〜26のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目28)
前記結合要素および清掃要素が別々に成形された構成要素である、項目27に記載の試料検査システム。
(項目29)
前記結合要素の遠位部が前記清掃要素の近位部と締り嵌めを形成する、項目28に記載の試料検査システム。
(項目30)
前記結合要素の遠位部が前記清掃要素の近位部と摩擦嵌めを形成する、項目28に記載の試料検査システム。
(項目31)
前記結合要素および前記清掃要素が単一の構成要素としてコモールディングされている、項目27に記載の試料検査システム。
(項目32)
前記清掃要素が、前記清掃要素の外面が前記検査容器ウェルの内面と適合するような寸法である、項目27〜31のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目33)
前記清掃要素の外面および前記検査容器ウェルの内面が相補的な円錐台状の形状を持つ、項目32に記載の試料検査システム。
(項目34)
前記清掃要素が前記検査容器ウェルに挿入された時、前記清掃要素が、(i)前記検査容器ウェルの前記内面、および(ii)前記それぞれの光ファイバーの前記端部の一つまたは両方を清掃、浄化および/または滅菌する、項目27〜33のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目35)
前記清掃要素が接着剤を含む、項目27〜34のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目36)
前記接着剤が、シリコン、プラチナ硬化シリコン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマ、熱可塑性ゴム、およびゲルから成る群から選択される、項目35に記載の試料検査システム。
(項目37)
前記清掃要素が、前記試料によって放射または反射された電磁放射の光ファイバーによる前記伝達を妨げうる微粒子および/またはその他の材料に静電的引力を生成する材料を含む、項目27〜34のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目38)
静電的引力を生成する前記材料が、シリコン、塩化ポリビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリスチレンから成る群から選択される、項目37に記載の試料検査システム。
(項目39)
前記清掃要素が液状物質を保持する能力を持つ吸収材料を含む、項目27〜34のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目40)
前記清掃要素が前記液状物質を保持し、前記液状物質が、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、希塩酸、シュウ酸、希釈水酸化ナトリウムおよび希釈次亜塩素酸ナトリウムを含む群から選択される、項目39に記載の試料検査システム。
(項目41)
前記自動移送アームにそれぞれの清掃部材を着脱可能なかたちで結合させ、(i)所定の清掃スケジュールおよび(ii)前記それぞれの光ファイバー端部上または上方に配置された微粒子および/またはその他の材料の存在の感知のうちの一つまたは両方に基づいて、前記着脱可能なかたちで結合した清掃部材を一つまたは複数の光ファイバー端部に近接および/または接触する位置に移動させるために、前記自動移送アームの動作を制御するコントローラをさらに備える、項目22〜40のいずれか一項に記載の試料検査システム。
(項目42)
試料検査システムに使用するための清掃部材であって、
近位結合要素と、
遠位清掃要素とを備え、前記結合要素が、自動移送アームと解除可能なかたちでかみ合うように構成された近位端部を持つ清掃部材。
(項目43)
前記結合要素が、前記自動移送アームの作業端部と摩擦嵌めを形成するように寸法取りされた近位部を持つ、項目42に記載の清掃部材。
(項目44)
前記結合要素および清掃要素が別々に成形された構成要素である、項目42または43に記載の清掃部材。
(項目45)
前記結合要素の遠位部が前記清掃要素の近位部と締り嵌めを形成する、項目44に記載の清掃部材。
(項目46)
前記結合要素の遠位部が前記清掃要素の近位部と摩擦嵌めを形成する、項目44に記載の清掃部材。
(項目47)
前記結合要素および前記清掃要素が単一の構成要素としてコモールディングされている、項目42または43に記載の清掃部材。
(項目48)
前記清掃要素が、前記清掃要素の外面が前記試料検査システムの検査容器ウェルの内面と適合するような寸法である、項目42〜47のいずれか一項に記載の清掃部材。
(項目49)
前記清掃要素の外面および前記検査容器ウェルの内面が相補的な円錐台状の形状を持つ、項目48に記載の清掃部材。
(項目50)
前記清掃要素が接着剤を含む、項目42〜49のいずれか一項に記載の清掃部材。
(項目51)
前記接着剤が、シリコン、プラチナ硬化シリコン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマ、熱可塑性ゴム、およびゲルから成る群から選択される、項目50に記載の清掃部材。
(項目52)
前記清掃要素が、前記試料によって放射または反射された電磁放射の光学素子による前記検出を妨げうる微粒子および/またはその他の材料に静電的引力を生成する材料を含む、項目42〜49のいずれか一項に記載の清掃部材。
(項目53)
静電的引力を生成する前記材料が、シリコン、塩化ポリビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリスチレンから成る群から選択される、項目52に記載の清掃部材。
(項目54)
前記清掃要素が液状物質を保持する能力を持つ吸収材料を含む、項目42〜49のいずれか一項に記載の清掃部材。
(項目55)
前記清掃要素が前記液状物質を保持し、前記液状物質が、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、希塩酸、シュウ酸、希釈水酸化ナトリウムおよび希釈次亜塩素酸ナトリウムを含む群から選択される、項目54に記載の清掃部材。
(項目56)
試料検査システムの操作方法であって、前記システムが、検査容器支持構造、および前記検査容器支持構造によって支持される検査容器に配置された試料によって放射または反射される電磁放射を伝達するように位置付けられた光学素子を備え、前記方法が自動移送アームを使用して、
清掃部材を前記移送アームの作業端部に着脱可能なかたちで結合する工程と、
前記清掃部材がそれによって前記光学素子を清掃および/または滅菌するように、前記着脱可能なかたちで結合した清掃部材を、前記光学素子と近接および/または接触する位置に移動する工程と、
前記清掃部材を前記移送アームの前記作業端部から分離する工程とを含む方法。
(項目57)
前記システムが複数の清掃部材容器を持つ清掃部材ホルダーを備え、前記清掃部材が、前記清掃部材ホルダーのそれぞれの清掃部材容器に保持された複数の清掃部材の一つであり、前記自動移送アームが、前記清掃部材が前記それぞれの清掃部材容器に保持されている間に、前記清掃部材を着脱可能なかたちで結合する、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記清掃部材が近位結合要素および遠位清掃要素を備える、項目56に記載の方法。
(項目59)
項目58の方法であって、前記自動アームが前記清掃部材を前記移送アームの前記作業端部に、
前記結合要素の近位端部を前記移送アームの前記作業端部に着脱可能なかたちで結合することにより、および
前記結合要素の遠位端コネクタを前記清掃要素の凹んだ近位部に挿入し、それによって前記清掃要素を前記結合要素に取り付けることにより、着脱可能なかたちで結合する方法。
(項目60)
前記結合要素の前記遠位端コネクタが前記清掃要素の前記近位凹部と締り嵌めを形成する、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記結合要素の前記遠位端コネクタが前記清掃要素の前記近位凹部と摩擦嵌めを形成する、項目59に記載の方法。
(項目62)
前記システムが、複数の清掃要素容器を持つ清掃要素ホルダーを備え、前記清掃要素が、前記清掃要素ホルダーのそれぞれの清掃要素容器に保持された複数の清掃要素の一つである、項目59〜61のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
前記結合要素の前記遠位端コネクタが前記清掃要素の凹んだ近位部に挿入される時に貫かれる壊れやすい密封部材によって、前記清掃要素が前記それぞれの清掃要素容器に実質的に環境的に密封される、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記清掃要素が前記それぞれの清掃要素容器に保持されている間に、前記自動移送アームが前記結合要素の遠位端コネクタを前記清掃要素の前記凹んだ近位部に挿入する、項目62に記載の方法。
(項目65)
前記自動移送アームを使用して、前記清掃要素が前記検査容器支持構造の検査容器ウェルに挿入されるように、前記着脱可能なかたちで結合した清掃部材を移動する工程をさらに含み、前記清掃要素が、前記清掃要素の外面が前記検査容器ウェルの内面に適合するような寸法となっている、項目58〜64のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
前記清掃要素が、前記検査容器ウェルに挿入された時、前記検査容器ウェルの内面を清掃、浄化および/または滅菌する、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記検査容器ウェルが開いた下部を持ち、前記光学素子が、前記検査容器ウェルの前記開いた下部に近接して位置付けられた端部を持つ光ファイバーを備え、前記清掃要素が、前記検査容器ウェルに挿入された時、前記光ファイバーの前記端部を清掃、浄化および/または滅菌する、項目65または66に記載の方法。
(項目68)
項目65の方法であって、前記着脱可能なかたちで結合した清掃部材が第一の清掃部材を備え、前記第一の清掃部材の前記清掃要素が第一の清掃要素を備え、前記方法が、前記自動移送アームの前記作業端部から前記第一の清掃部材を分離した後、前記自動移送アームを使用して、
第二の清掃部材を前記自動移送アームの前記作業端部に着脱可能なかたちで結合する工程であって、前記第二の清掃部材が第二の清掃要素を備える工程と、
前記着脱可能なかたちで結合した第二の清掃部材を、前記第二の清掃要素が前記検査容器支持構造の同じ検査容器ウェルに挿入されるような位置に移動する工程とをさらに含む方法。
(項目69)
前記第一の清掃要素が前記第二の清掃要素とは異なる材料でできている、項目68に記載の方法。
(項目70)
前記清掃要素が接着剤を含む、項目58〜67のいずれか一項に記載の方法。
(項目71)
前記清掃要素が、前記試料によって放射または反射された電磁放射の光学素子による前記伝達を妨げうる微粒子および/またはその他の材料に静電的引力を生成する材料を含む、項目58〜67のいずれか一項に記載の方法。
(項目72)
前記清掃要素が液状物質を保持する能力を持つ吸収材料を含む、項目58〜67のいずれか一項に記載の方法。
(項目73)
前記システムが、前記自動移送アームにそれぞれの清掃部材を着脱可能なかたちで結合させ、(i)所定の清掃スケジュールおよび(ii)光学素子上または上方に配置された微粒子および/またはその他の材料の存在の感知のうちの一つまたは両方に基づいて、前記それぞれの着脱可能なかたちで結合した清掃部材を前記光学素子に近接および/または接触する位置に移動させるために、前記自動移送アームの動作を制御するコントローラをさらに備える、項目56〜72のいずれか一項に記載の方法。
(項目74)
前記コントローラが、前記自動移送アームに、それぞれの分離した清掃部材をシステム廃棄物アウトプットまたは指定された使用済み清掃部材ホルダー中に配置させる、項目73に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面は開示実施形態のデザインおよび有用性を示し、類似の要素は共通の参照番号によって言及される。これらの図面は必ずしも縮尺通りには描かれていない。上述およびその他の利点および目的がどのように得られるかをより良く理解するために、実施形態のより具体的な記述を与え、これは添付図面で示される。これらの図面は典型的な実施形態のみを示しており、従って、その範囲を限定するものとして見なされない。
図1】本明細書に開示した実施形態に従って作成された例示的清掃部材の分解斜視図であり、清掃部材の近位部と着脱可能なかたちで結合する自動移送機構の作業端部(「使い捨て先端インターフェース」)をさらに示している。
図2】組み立てられた、または成形された時の図1の清掃部材の側面斜視図である。
図3図1の完全に組み立てられた、または成形された清掃部材の側面断面図であり、コモールディングまたは近位結合要素を清掃部材の遠位清掃要素と接合する締り嵌めを示している。
図4】着脱可能なかたちで結合した清掃部材を検査容器ホルダーの検査容器ウェルに挿入した、図1の使い捨て先端インターフェースの側面断面図および側面断面斜視図であり、清掃部材の遠位先端が、検査容器ウェルの開いた下部に近接して位置付けられた光ファイバーの上向きで軸に面した端部と接触する。
図5】着脱可能なかたちで結合した清掃部材を検査容器ホルダーの検査容器ウェルに挿入した、図1の使い捨て先端インターフェースの側面断面図および側面断面斜視図であり、清掃部材の遠位先端が、検査容器ウェルの開いた下部に近接して位置付けられた光ファイバーの上向きで軸に面した端部と接触する。
図6】自動試料検査システムの例示的試料処理機器デッキの平面図である。
図7図6の試料処理機器デッキと共に使用するための自動移送ガントリーの斜視図である。
図8図7の移送ガントリーの移送アームの斜視図である。
図9】本明細書に開示した実施形態に従って作成された例示的清掃部材保管トレイの斜視図であり、保管トレイの隅の清掃部材ウェルに据えられた例示的清掃部材の分解斜視図をさらに示している。
図10】据えられた清掃部材を含む図9の清掃部材保管トレイの上面図である。
図10A図10の線A−Aに沿って切り取った断面図である。
図10B図10の線B−Bに沿って切り取った断面図である。
図11A図9の清掃部材保管トレイのそれぞれの側面図である。
図11B図9の清掃部材保管トレイのそれぞれの側面図である。
図12図9の清掃部材保管トレイの下面図である。
図13】本明細書に開示した実施形態に従って作成された例示的清掃部材保管トレイの斜視図である。
図14図13の清掃部材保管トレイホルダーがその上に取り付けられた、試料処理機器デッキの一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本システム、方法、および装置を説明する前に、本開示は記述された特定の方法、構成要素および材料は、このような方法、構成要素および材料は変化しうるので、これらに限定されないことを理解すべきである。本開示の範囲は添付請求項によってのみ限定されるので、本明細書に使用される用語は、特定の実施形態のみを記述する目的で使用されていることも理解すべきである。
【0023】
例示的試料検査システムの実施形態のさまざまな構成要素および部分組立品を添付図と併せて以下に説明する。図は必ずしも縮尺通りには描かれておらず、選択要素の相対スケールは、明瞭にするために誇張されている場合があり、類似の構造または機能の要素は、図の全体を通して類似の参照番号によって示される。図は実施形態の説明を手助けすることのみを目的としており、開示実施形態の包括的説明または本開示の範囲についての限定としては意図されておらず、本開示の範囲は添付請求項およびそれらの相当物によってのみ定義されることを理解すべきである。さらに、例示実施形態は示したすべての態様または利点を持つ必要はない。特定実施形態と併せて記述された態様または利点は必ずしもその実施形態に限定されず、そのように例示されていない場合でもその他任意の実施形態で実践しうる。
【0024】
以下の定義用語については、本明細書の請求項または他の場所に異なる定義が与えられていない限り、これらの定義が適用されるものとする。
【0025】
本明細書のすべての数値は、明示的に示されているかどうかを問わず、「約」という用語によって修飾されるものと見なされる。「約」という用語は一般に、当業者が列挙された値と同等と見なすであろう数字の範囲を指す(すなわち、同じ機能または結果を有する)。多くの場合、「約」という用語は直近の有効数字に四捨五入された数字を含みうる。終点による数値範囲の列挙は、その範囲内のすべての数字を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
【0026】
本明細書および添付した請求項で使用するとき、文脈により明らかにそうでないことが示されていない限り、単数形(「a」、「an」、および「the」)には、複数の対象物が含まれる。従って、例えば、「本方法」への言及には、本明細書に記述された一つまたは複数の方法、および/またはタイプの段階を含み、これは本開示などを読めば当業者には明らかとなるであろう。本明細書および添付請求項で使用する場合、「または」という用語は、内容によってそうでないと明らかに示されない限り、「および/または」を含む意味で一般に用いられる。
【0027】
「含む」、「含有する」、「持つ」または「特徴とする」と互換的に使用される「備える」という用語は、包括的であるか、または制限的でない言語であり、可能性のある追加的要素または行為を排除または除外しない。「から成る」という語句は、主張に指定されていないすべての要素、段階、または材料を除外する。本開示は、装置の例示的実施形態およびこれらの語句のそれぞれの範囲に対応するその使用方法を企図している。従って、列挙した要素または段階を含むシステム、機器または方法は、システム、機器または方法が本質的にこれらの要素または段階から成る特定実施形態を企図している。
【0028】
図1〜3は、本明細書に開示した実施形態による、試料検査システムで使用するための例示的清掃部材100を示す。清掃部材100は、遠位清掃要素102および近位結合要素104を含む。以下により詳細に記述するように、それぞれの清掃要素102および結合要素104は、図1に示すように別々の構成要素として製造(例えば、成形)して、後に図2および3に示すように一緒に接合しうる。この目的を達成するために、結合要素104は、複数の半径方向に延長する突起106を含む遠位突出延長部材105を持つ。延長部材105および突起106は、清掃要素102の相補的寸法を持つ内部空洞107と締り嵌めを形成するような寸法を持ち、これはその近位端開口部108を通してアクセスされる。従って、延長部材105(突起106を含む)が空洞107内で「スナップフィット」で結合するまで開口部108を通して延長部材105を挿入することによって、結合要素104が清掃要素102にしっかりと接合されるように、清掃要素102および/または結合要素104を作るために使用する材料は、互いに対して十分柔軟なことが好ましい。結合要素104上に配置された半径方向外向きリング110は、近位開口部108を取り囲む縁109に突き当たって、延長部材105の空洞107内への過剰挿入を防ぐ。摩擦嵌め、溶接、または接着剤など、代替的取り付け機構および構成を使用して、清掃要素102および結合要素104を一緒に接合できることも理解されよう。
【0029】
それぞれの清掃要素102および結合要素104は、試料検査システムでの使用のために(組み立てた)清掃部材100を提供する前に一緒に接合してもよく、または代替的に、清掃要素102および結合要素104は、清掃部材100の使用時にシステムによって一緒に接合される別々の構成要素として提供してもよい。例として、システム検査システムは、一つまたは複数の清掃要素102を保持する第一の構造、および一つまたは複数の結合要素104を支持または保持する第二の構造を含みうる。使用時、自動移送アームの作業端部は、第二の支持構造に保持された結合要素104とかみ合い(すなわち、着脱可能なかたちで結合し)、着脱可能なかたちで結合した結合要素104を、第一の支持構造に保持された清掃要素102に近接した位置に移送する。自動アームは結合要素104を操って、その延長部材105を、清掃要素102の開いた近位端108および内部空洞107をそれぞれ通して挿入し、それによって締り嵌めを形成して結合要素104をそれぞれの清掃要素102に接合する。これで完全に組み立てられた清掃部材100はすぐに使用することができ、自動移送アームにすでに連結されている。前述の例の清掃要素102は、結合要素104が清掃要素102とかみ合う時にそれぞれの密封を形成している壊れやすい部材が延長部材105によって貫かれる、例えば、個別密封容器、または密封トレイ中に、使用前に環境的に密封されうる。
【0030】
あるいは清掃部材100は、例えば、それぞれの清掃要素102および結合要素104がコモールディング過程を使用して接合構成に形成される一体型ユニットとして製造しうる。図9〜14に示す下述の実施形態など、このような実施形態では、使用前に清掃部材100を、例えば、個別密封容器、または密封トレイ中に、環境的に密封することが望ましい場合があり、ここでは自動移送アームが清掃部材100の結合要素104の近位端とかみ合う時、それぞれの密封を形成している壊れやすい部材が自動移送アームの作業端部によって貫かれる。
【0031】
実例として図1を特に参照すると、結合要素104の近位本体部分118は、結合要素104の開いた近位端112を通してアクセスされる、縦長の漏斗状内部凹部117を形成する。結合要素104の開いた端部112は、軸に面した表面を持つ縁125で縁取られている。凹部117(図3、4および5で最もよくわかる)は、自動移送アーム300の作業端部(「使い捨て先端インターフェース」または「DiTi」)302を受けて解除可能なかたちでかみ合う(対になる)ような寸法を持つ。特に、DiTi 302上に配置された半径方向に拡大した突起304および306は、内部凹部117の内面113と摩擦嵌めを形成し、それによって、DiTi 302がその開いた端部112を通して挿入される時、DiTi 302を結合要素104と着脱可能なかたちで結合する。その後、着脱可能なかたちで結合した構成要素102および104は、スリーブ308の遠位端309が結合要素104の近位縁125と接触してかみ合い、DiTi 302から結合要素104を除去するまで、DiTi 302を超えてスリーブ308が前進すること、またはスリーブ308中にDiTi 302を格納することのうちの一つまたは両方により、DiTi 302に対して動くスリーブ308の働きによって切り離されうる(すなわち、分離されうる)。
【0032】
図3で最も良く見ることができるように、複数の縦方向の直線的リブ126が、結合要素104の内面113上に形成される。例示実施形態には3つの直線的リブ126が描写されているが、代替的実施形態はより少ない(すなわち、1または2個)、またはより多くの(すなわち、4個以上)直線的リブ126を内面113上に持ちうる。さらなる代替的実施形態では、内面113上に直線的リブ126は提供されず、示した実施形態のリブ126は選択的だと見なされるべきである。少なくとも2つの直線的リブ126を持つ実施形態では、リブ126は、内面113上に互いに実質的に等しい距離間隔を置いていることが好ましい。従って、例示実施形態では、3個のリブ126は、内面113上で互いに約120度の間隔を置いている。リグ126はそれぞれ、その長さに沿って凹部117の中に内向きに突出し、それにより、凹部117の内部取り付け直径を減少させて、DiTi突起304および306の結合要素104へのかみ合いを促進する。リブ126は、その上部、または近位端で面取りすることができ、またはそうでなければ、DiTi突起304および306が凹部117に挿入される時に少なくとも部分的に変形するような寸法であることが好ましい。一部の実施形態では、リブ126の突出の量は、それぞれのリブが結合部材104内の凹部117の下部に近づくにつれてサイズが徐々に増加しうる。例示実施形態では、リブの厚さは、凹部117内の半径方向に内向きの頂点138で増加し、その後は減少するが、各リブ126の下部139はDiTi 302上の摩擦かみ合い突起304を収容するように凹んでいる。代替的に、またはこれに加えて、特定の実施形態では、直線的リブ126は、凹部の下部に近づくにつれて全体的厚さを漸増しうる。このように、厚さおよび/または半径方向形状の漸増は、一つまたは複数の直線的リブ126の段階的先細りのために企図されており、これはさらにDiTi 302が結合要素104の開いた端部112を通って凹部117内に挿入される時、DiTiを中心に置く働きをする。
【0033】
一つまたは複数の縦方向の窪み、または凹部124が、結合要素104の外面118上に配置され、外面の長さの少なくとも一部に沿って延長する。凹部124は、例えば、凹形、切欠、正方形など、任意の形状に成形しうる。さまざまな実施形態で、一つまたは複数の凹部124のそれぞれの長さは、内面113上に配置された対応する直線的リブ560と整列し(すなわち、正反対に)、対応する直線的リブとほぼ同じ長さである。従って、例示実施形態は、内面113上のそれぞれの3個の直線的リブ126と1対1の関係になるように、3個の外部直線的凹部を持つ。内面の直線的リブ126の外面の凹部124との結合は、結合要素104と自動移送アーム300のDiTi 302との摩擦性付着の予測性を高める。特に、移送アーム300のDiTi 302が結合要素104の凹部117中に降ろされる時、DiTi 302の遠位端突起304および306は直線的リブ126に接触してこれらを押し付け、それによって、DiTi 302に合わせるために結合要素104、および特に一つまたは複数の凹部124をその軸中心に対して半径方向に外向きに屈曲および/または拡大させ、結合要素104との移送アーム300の摩擦付着または「かみあい」を強化する。
【0034】
複数の突起122は、結合要素104の近位端開口部112を取り囲む近位縁125から半径方向に外向きに延長する。突起122は、縁125から互いに実質的に等しい距離間隔を置くことが好ましく、(本明細書に記述した)自動試料検査システムに使用するための複数ウェルトレイのウェル内の(別々の構成要素としての)結合要素104および/または完全に組み立てられた清掃部材100の積み重ねおよび/またはドッキングを促進する。
【0035】
結合要素104は、ポリオレフィン(例えば、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、低密度ポリエチレン(「LDPE」)、HDPEおよびLDPEの混合物、またはポリプロピレン)、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレンおよびポリカーボネートを含むがこれらに限定されない多数の異なるポリマーおよびヘテロポリマー樹脂から形成されうる。LDPEはHDPEよりも柔らかく可鍛性の材料であるが、LDPEの柔らかさは、空洞107内に清掃要素102を固定可能にかみ合わせるために、遠位突出延長部材105および突起106により大きな柔軟性を提供する。このような付加的柔軟性は、結合要素104の近位内部空洞117内の移送アーム300の作業端部302の摩擦接触も促進しうる。現在の好適実施形態では、結合要素104はポリプロピレン(「PP」)で形成されている。それぞれの選択材料のタイプまたは混合物に関係なく、清掃要素102および結合要素104は射出、圧縮、トランスファーまたはRTV成形など、既知の成形過程を使用して作られることが好ましい。要素102および104は、後に一緒に接合される別々の構成要素として、または清掃要素102が結合部材104の延長部材105の上に成形され、その結果2つの構成要素が製造過程で一緒に接合される既知のコモールディング(または「オーバーモールディング」)過程を使用して製造される単一構成要素として成形されうる。
【0036】
清掃要素102は、既知の射出成型過程を使用して形成されうる一体構成を持つ。成形過程に使用される材料は油を含まず、成形過程の間に使用される離型剤は、清掃要素102の表面114上にいかなる油性残留物も残さないものに限定されることが好ましい。さまざまな実施形態で、一つまたは複数の清掃要素102は、(限定するものではないが)シリコン、プラチナ硬化シリコン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマ、熱可塑性ゴム、またはゲルなどの接着剤で作られうる。好ましい接着剤は、粘着性であるが、それが接触する表面上に残留物を残さないものである。
【0037】
追加的または代替え的に、一つまたは複数の清掃要素102は、(限定するものではないが)シリコン、塩化ポリビニル、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステルまたはポリスチレンなど、試料によって放射または反射される電磁放射の光学素子による伝達を妨げうる微粒子および/またはその他の材料に静電的引力を引き起こす材料で作られうる。とりわけ、接着性である上述の材料の一部は望ましくない破片に対する静電的引力も生成する。
【0038】
代替的または追加的に、一つまたは複数の清掃要素102は、液体清掃および/または滅菌物質を保持し、清掃および/または滅菌されるそれぞれの構造の表面に保持した液体を塗布する能力を持つ吸収性材料で作られうる。このような吸収性材料には親水性材料が含まれるがこれに限定されず、PPおよびその他のプラスチックなどの疎水性材料も含まれうる。清掃要素102を形成するために使用しうる吸収性材料の追加的例には、限定されるものではないが、PP、HDPE、LDPE、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)、フッ化ポリビニリデン(「PVDF」)、エチレン酢酸ビニル(「EVA」)、Porex(登録商標)ポリマー、セルロース繊維(綿織物または布など)、およびポリマイクロ繊維などの材料でできているスポンジまたはフォーム形態の多孔性プラスチック材料が含まれる。使用しうる例示的液体清掃および/滅菌物質には、限定されるものではないが、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、希塩酸(例えば、20%溶液)、シュウ酸、希釈水酸化ナトリウム溶液(例えば、50%溶液)、希釈次亜塩素酸ナトリウム溶液(例えば、15%溶液)が含まれる。好ましい清掃用液体および/または滅菌用液体は、(例えば、再吸収または蒸発によって)容易に除去できる組成物であるべきで、接触後にそれぞれの光学素子上に残留物を残さないようにすべきである。アンモニアを含む窓清掃用液体、ガソリン、変性アルコール、四塩化炭素およびまたはアセトンなどの特定の液体は、それぞれの光学素子および/または試料検査容器ウェルを損傷しうるので、使用すべきでない。清掃用液体および/または滅菌用液体は、使用時に清掃用液体および/または滅菌用液体に少なくとも部分的に挿入される吸収性清掃要素102とは別の容器に保管される。あるいは、吸収性清掃要素102は、使用のために供給する前に、清掃用液体および/または滅菌用液体に事前浸漬しうる。
【0039】
さまざまな実施形態では、清掃要素102は、使用される試料試験システムの清掃および/または滅菌機能の実施に対して最適となるように、異なる形状、寸法および構成を持ちうる。例えば、選択された清掃部材100の清掃要素102は、それらが使用される試料検査システムの特定のタイプの光学素子、検査容器ウェル、およびその他の構成要素に到達し、清掃および/または滅菌するために、特別な形状および/または寸法としうる。清掃要素102の遠位端116は平らまたは曲面とすることができ、清掃過程の間に試験システムの構成要素を損傷することを避けるために少なくともいくらか圧縮できることが好ましい。
【0040】
一部の実施形態では、試料検査システムは、第一の(例えば、接着性)材料でできた清掃要素102を持つ一つまたは複数の清掃部材100、および第二の(例えば、吸収性)材料でできた清掃要素102を持つ一つまたは複数の清掃部材100を含む、複数タイプの清掃部材100を備えうる。例えば、試料検査システムは、接着性清掃要素102を持つ一つまたは複数の清掃部材100、および清掃用液体および/または滅菌用液体を保持する吸収性清掃要素102を持つ一つまたは複数の清掃部材100備えることができ、接着性清掃要素102を持つ清掃部材100は一つまたは複数の光学素子の初期清掃を実施するために使用され、液体保持清掃要素102を持つ清掃部材100はその後に同じ一つまたは複数の光学要素の二次的(すなわち「仕上げ」)清掃を実施するために使用される。
【0041】
図4および5はそれぞれ、すでに着脱可能なかたちで結合した清掃部材100を、試料検査システム(以下で詳細に記述する)の処理デッキ上に位置付けられた検査容器ホルダー408の検査容器ウェル415に挿入した自動移送アーム300のDiTi 302の側面断面図および側面断面斜視図であり、清掃要素102の遠位端面116が、検査容器ウェル415の開いた下部416に近接して位置付けられたスリーブ454によって取り囲まれた光ファイバー450の上向きで軸に面した端面452と接触する。非限定的例として、検査容器ホルダー408は、複数の検査容器ウェル415(2つの隣接ウェル415または図4および5に示される)を備え、試料検査システムは、それぞれが複数の検査容器ウェル415を持つ、複数の類似の検査容器ホルダー408を備えうる。試料検査システムの代替的実施形態では、検査容器ホルダーは異なる構成、例えば、マイクロタイタープレートを保持するためのプラットフォームを持ちうることを理解すべきである。
【0042】
自動移送アーム300、および特にDiTi 302は、近くの清掃部材ホルダーの清掃部材ウェル(下述の図9〜14に示す清掃部材保管トレイ424の清掃部材ウェル426など)に位置する完全に組み立てられた清掃部材100を着脱可能なかたちで結合するように、またはそうでなければ、結合要素ホルダー(非表示)に位置する結合要素104をまず着脱可能なかたちで結合し、その後、別の(例えば、環境的に密封された)清掃要素ホルダー(これも非表示)に位置する清掃要素102をすでに着脱可能なかたちで結合した結合要素104と接合し、それによって着脱可能なかたちで結合した清掃部材100を持つように構成される。いずれの場合も、清掃要素102の遠位先端116が、検査容器ウェル415の開いた下端416に近接して位置付けられた光ファイバー450の軸に面した遠位端452に接触するように、移送アーム300はDiTi 302を操って、図4および5に示すように着脱可能なかたちで結合した清掃部材100を検査容器ウェル415に挿入する。例えば、上述のように、清掃要素102が、静電的引力を生成して光ファイバー端部452を清掃する材料を含む場合、清掃要素102の遠位先端116が光ファイバー450の軸に面した端部452と物理的に接触することは必ずしも必要でないことを理解すべきである。
【0043】
光ファイバー450は、それぞれの検査容器ウェル415に据えられた検査容器に含まれる試料の光学検査を実施するために試料検査システムが用いる複数の光ファイバー(図では非表示)の一つでありうることを理解すべきである。特に、光ファイバー450は、上述の組み込まれた特許出願で詳細に説明されているように、試料によって放射および/または反射される電磁放射(これは可視光スペクトルであってもそうでなくてもよい)を伝達する。光ファイバー以外の光学素子がこの目的で代替試料検査システムで使用されうることを理解すべきであり、特に、(限定されるものではないが)固定レンズおよびフィルターから成る蛍光光度計、光電子増倍管(「PMT」)など、保護面を持つその他の光学素子、および/または、レンズ、ウィンドウ、鏡、リフレクター、フィルター、フィルムおよび/または試料と照明器(例えば、レーザー、LED、タングステン、ハロゲン、水銀アーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ)または検出器(PMT、CCD、CMOS、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ)との間に配置されるものものなど、生体試料検査の分野で使用されるその他の光学素子がある。試料検査システムによって使用されうる光学素子のタイプに関わらず、それぞれの光学素子の端面と検査容器との間に延長しそれを含む光学経路に、光学的検査過程を妨げうるいかなる破片もないことが非常に重要である。このように、さまざまな実施形態の清掃部材100は、さまざまな試料検査システムで用いられうる代替的タイプの光学素子および/または検査容器構成の清掃および/または滅菌に合わせるために適切に変更しうる。
【0044】
本開示の実践は、任意の特定形状または寸法を持つ清掃要素102に限定されないが、例示実施形態では、清掃要素102の外面114および検査容器ウェル415の内面413は相補的な一般に円錐台状の形状を持つ。このように、清掃要素102の遠位端416が光ファイバー450の端面452に接触して清掃および/または滅菌すると同時に、清掃要素102は有利には、検査容器ウェル415の内面413に接触して清掃および/または滅菌する。
【0045】
図6は試料検査システムの試料処理機器デッキ400の一実施形態を示すが、自動移送アーム組立品(下述の自動移送アームガントリー402ならびに図7および8に示す関連移送アーム410および418など)は明瞭にするために省略されている。試料処理機器デッキ400は1ダースの検査容器ホルダー408を含み、各ホルダー408が5個の試験容器ウェル415を持つので、合計で60個の検査容器ウェル415がある。個別容器ホルダー408は、図14(下述)に示した代替実施形態試料処理機器デッキ400’の部分斜視図で最も良く見ることができる。例示的試料処理機器デッキ、および機器デッキがその一部である例示的試料検査システムの動作の追加的詳細を開示している、上述で組み込んだ米国出願第14/213,900号を参照する。
【0046】
図7は、一対の移送アーム410および418(移送アーム410は図8にも示される)を含む、例示的自動移送システムガントリー402を示す。移送システムガントリー402は、(下述の図14の機器デッキ400’など)本明細書に開示した清掃部材100を組み込み使用する実施形態を含む、試料処理機器デッキの実施形態に用いることができる。図示した移送アーム410および418は、図1、4および5に示した自動移送アーム300(DiTiインターフェースおよびスリーブ302/308を含む)とは外観が異なるが、移送アーム410、418の動作および機能は移送アーム300と実質的に同じである。従って、移送アーム410および418を含む移送システムガントリー402は、図1〜5の上述実施形態に示した自動移送アーム300およびDiTi/スリーブ302/308の動作をより良く理解するために、本明細書に図示および記述している。
【0047】
移送アーム410および418は、着脱可能なかたちで結合した物体を試料処理機器デッキ(例えば、図14の機器デッキ400’)のそれぞれの目標場所に位置付けるために、2つの軸(すなわち、XおよびY)に沿って、清掃部材100などの物体を着脱可能なかたちで結合および移送するために使用しうる。特に、移送システムガントリー402は、図1〜5の実施形態の移送アーム300に関して上述したように、清掃部材100を着脱可能なかたちで結合、移動、挿入、および分離するために使用することができる。この目的を達成するために、移送アーム410は第一のX軸レール412に沿って移動可能であり、移送アーム418は第二のX軸レール420に沿って移動可能である。X軸レール412および420は、同様に、両方とも一対のY軸レール404および406に沿って移動可能である。このように、それぞれのXレール412および420、ならびにY軸レール404および406は共同して、着脱可能なかたちで結合した物体を位置付け(例えば、挿入)、(随意に)分離する目的で、着脱可能なかたちで結合して移動すべきそれぞれの目標物体の上方にそれぞれのアームを位置付けるために、移送アーム410および418の移動を促進する。移送アーム410および418は、それぞれのアームの下にある目標物体に対して、例えば、着脱可能なかたちで結合した清掃部材100を挿入するために、それぞれの着脱可能なかたちで結合した物体を下降または上昇するために垂直に(すなわち、それらの「Z軸」に沿って)移動するように構成される。コントローラ(非表示)は、アーム410および418を含む、移送システムガントリー402の動作をとりわけ制御するように構成される。
【0048】
代替実施形態では、本明細書に開示した実施形態に使用するための自動移送アームは、固定ベースの周りを旋回する連接(例えば、ロボット)アームでありうるが、これは開示実施形態の実践に必要というわけではない。
【0049】
図9〜12は、清掃部材結合要素104を成形するために使用したのと同一または類似のプラスチック材料で成形された一体構造425を備える例示的清掃部材保管トレイ424を示すが、その他の適切な材料および製造技術も清掃部材保管トレイ424を作るために使用しうる。保管トレイ本体425は、5×5配列の(すなわち、合計25)内向きに凹んだ清掃部材ウェル426を画定する。保管トレイ本体425は箱のような外形を持ち、清掃部材ウェル426のそれぞれの開口部が配置されている上面432で接する4つの連続的側壁430を含む。図10で最も良く見ることができるように、外向きの突出唇434は、4つの側壁430の下端部を実質的に取り囲む。保管トレイ本体425の対向側壁430Aおよび430Bは、側壁430A、430Bの下部唇434のそれぞれの開口部436から頂点へと上向きに延長する、横方向に間隔を置いた一対のスロット437を持ち、スロット437は側壁430Aおよび430Bにそれぞれ柔軟なタブ438Aおよび438Bを画定する。タブ438Aおよび438Bの下縁部は、それぞれ外向きに延長するラッチ型フランジ435Aおよび435Bを持つ。タブは、ラッチ型フランジ435Aおよび435Bを保管トレイ本体425の中に内向きに押し込むことによって、保管トレイ本体425中に屈曲しうる。
【0050】
例示的清掃部材100は、保管トレイ424の隅のそれぞれの清掃部材容器426A中に据えられる。代替的実施形態の例示のために、図9〜12の清掃部材の結合要素104の内面113上に形成された4つの縦方向の直線的リブ126がある。直線的リブ126は、図9〜12の清掃部材100の内面113上で互いに実質的に等間隔を置いており、図1〜5の清掃部材100の直線的リブ126と同じ寸法および特徴を持つ。
【0051】
図10Aおよび10Bで最も良く見ることができるように、保管トレイ424の清掃部材ウェル426は、清掃部材100の遠位清掃要素102にぴったりと据え付けるように構成され寸法取りされた内面480を持つ下部468、および結合要素104を受けて支持する、間隔を置いた複数の引っ掛け部材459を持つ上部469を含む。本体425および清掃部材保管トレイ424のそれぞれの保管ウェル426は、清掃部材結合要素104の近位端縁125が保管トレイ424の上面432とほぼ同一の広がりを持つように、寸法取りおよび構成される。このように、清掃部材結合要素104の近位開放端112は、図1、4および5に示す移送アームのDiTi 302など、自動移送アーム300によるかみ合いのために容易にアクセスできる。図解を簡単にするため、図9〜12には移送アームが示されていない。
【0052】
保管トレイ424の上面432は(随意に)、清掃部材100の清掃要素102の使用準備ができるまで、それらをウェル426内で保護し、新鮮で(適切な場合)湿った状態に保つ壊れやすい密封部材(非表示)によって実質的に環境的に密封されうる。このような実施形態で、DiTi 302の遠位端は、それが清掃部材結合要素104の近位開口部112に挿入される時に、それぞれの密封部材を貫く。代替的実施形態では、それぞれの清掃部材100にアクセスして着脱可能なかたちで結合するために密封が破られる時、近隣のウェル426に据えられた清掃部材100が実質的に環境的に密封されたままとなるように、清掃部材ウェル426は個別に据えられうる。図11Aおよび11Bは清掃部材保管トレイ424の側面図であり、図12は下面図である。
【0053】
図13は、清掃部材結合要素104および/または保管トレイ424を成形するために使用したのと同一または類似のプラスチック材料で成形された一体構造460を持つ例示的清掃部材保管トレイ422を示すが、その他の適切な材料および製造技術もトレイホルダー422を作るために使用しうる。トレイホルダー本体460は、横並びの一対の凹んだ区画462Aおよび462Bを画定し、各区画462Aおよび462Bはその中にそれぞれの清掃部材保管トレイ424を受けるように構成され寸法取りされている。保管トレイ424は区画462A中に据えられ、その水平ラッチ型フランジ435Aおよび435Bは、トレイホルダー本体460の対向外壁461Aおよび461Bに配置されたそれぞれの対応水平かみ合いスロット465Aおよび465Bを通って延長する。ラッチ型フランジ435Bおよび水平かみ合いスロット465Bは図13では見えない。しかし、区画462Bも、同じ方法で清掃部材トレイ424を留めるために、対向壁461Aおよび462Bの対向水平かみ合いスロット464Aおよび464B(両方とも図13で見える)を備える。
【0054】
清掃部材保管トレイ424は、保管トレイ本体425のタブ438Aおよび438Bの柔軟性および弾性のために、区画462A内にスナップフィットできることを理解すべきである。特に、保管トレイ424のタブ438Aおよび438Bは、保管トレイ424が区画462Aの中に完全に挿入できるようタブがトレイ本体425の中に移動するように、互いに向かって押すまたは圧迫することができる。保管トレイ424が区画462Aに完全に挿入される時、ラッチ型タブ435Aおよび435Bはスロット465Aおよび465Bと整列し、タブ438Aおよび438Bは押し下げられていない構成へと自己回復して、ラッチ型フランジ435Aおよび435Bをそれぞれのかみ合いスロット465Aおよび465B中に少なくとも部分的に延長させ、それによって保管トレイ424を区画462Aに留める。
【0055】
教示部材466が区画462Bの中心区域に提供されており、試料容器トレイホルダー422がその上に取り付けられている試料処理機器デッキ(例えば、図14の機器デッキ400’)で、相互作用する必要がある物品の位置を突き止めるため、自動移送アーム(非表示)によって使用される。本実施形態の教示形体466は箱のような形状を持つが、その他の形状も使用しうる。自動移送アームは、上部から側部へと落ちる力を感知するまでその遠位先端を繰り返し下げることによって、機構の位置を突き止める。移送アームが教示形体466の4つの側部すべての位置を付きとめたら、教示形体の中心位置を内挿し、X、Y、Zの座標を知る。
【0056】
図14を参照すると、25個の清掃部材ウェル426を持つ清掃部材保管トレイ424を含む清掃部材トレイホルダー422が、試料検査システムの例示的試料処理機器デッキ400’に取り付け具469によって設置されているのが示されている。追加された清掃部材トレイホルダー422(およびその上に取り付けられた清掃部材保管トレイ424)を除いて、1ダースの検査容器ホルダー408の供給および配列を含めて、機器デッキ400’は図6の機器デッキ400と実質的に同一であり、各検査容器ホルダー408は、光学的に検査される生体試料を含む試料検査容器を据えるための5個の検査容器ウェル415を持つ。一つまたは複数の自動移送アーム(図1〜5の実施形態の上述の自動移送アーム300、または図7の上述の移送アーム410および418など)は、機器デッキ400’(明瞭にするために図14では省略されている)と関連する。
【0057】
清掃部材保管トレイ424は保管トレイホルダー422の中に手動で配置し(そこから取り除く)ことができることを理解すべきである。代替的実施形態では、清掃部材保管トレイ424は、清掃部材100を移送するために用いられるそれぞれの自動移送アームによって、保管トレイホルダー422の中にロボット配置し(そこから取り除く)ことができる。後者の場合、真ん中の清掃部材容器426を自動アームと着脱可能なかたちで結合するように構成された凹部へと変換することによるなど、自動移送アームに結合要素を提供するためにトレイの上面に変更を加えうる。機器デッキ400’は、使用済み清掃部材100を少なくとも一時的に保持するように構成された、廃棄物アウトプットまたはその他の指定された「使用済み」清掃部材ホルダー(非表示)も含むことが好ましい。あるいは、使用済み清掃部材100は、元々それらが取り出されたものと同一または異なる清掃部材容器ウェル426に戻すことができる。
【0058】
開示実施形態によると、コントローラ(非表示)は、自動移送アームを、保管トレイ424の清掃部材容器426に保持されたそれぞれの清掃部材100(図14には非表示)と着脱可能なかたちで結合させ、(i)所定の清掃スケジュール、および(ii)光学素子上または上方に配置された微粒子および/またはその他の材料の存在の感知のうち一つまたは両方に基づいて、それぞれの着脱可能なかたちで結合した清掃部材100を、検査容器ウェル415の一つの開いた下端の下にある光学素子(例えば、図4および5に示されるような、光ファイバーの遠位端)と近接および/または接触する位置に移動するために、機器デッキ400’(図14には非表示)と関連する自動移送アームの動作を制御する。コントローラはさらに、自動移送アームに、それぞれの分離した清掃部材100をシステム廃棄物アウトプットまたは指定された使用済み清掃部材ホルダー中に配置させることもできる。
【0059】
特定の実施形態を本明細書で示し説明してきたが、当業者であれば、それらは本開示を限定することを意図しないことを理解するはずであり、本開示の範囲を逸脱することなくさまざまな変更および修正を行いうること(例えば、さまざまな部品の寸法)が当業者には明らかとなろう。従って本明細書および図面は、制限的な意味ではなく例示的であると見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14