特許第6792007号(P6792007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792007
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】計算装置用のシャーシ
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20201116BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   G06F1/16 312N
   H05K5/03 G
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-18004(P2019-18004)
(22)【出願日】2019年2月4日
(65)【公開番号】特開2020-47243(P2020-47243A)
(43)【公開日】2020年3月26日
【審査請求日】2019年2月4日
(31)【優先権主張番号】16/133,264
(32)【優先日】2018年9月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508018934
【氏名又は名称】廣達電腦股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Quanta Computer Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】叢 耀宗
(72)【発明者】
【氏名】張 鈞
(72)【発明者】
【氏名】林 信介
(72)【発明者】
【氏名】陳 冠銘
【審査官】 松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2017/0192469(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0114895(US,A1)
【文献】 実開平06−029176(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0315811(US,A1)
【文献】 米国特許第07967399(US,B1)
【文献】 特開2006−216751(JP,A)
【文献】 特開平09−055589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16−1/18
H05K 5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の案内溝が形成されるベース組立体と、
前記案内溝に対応する複数の案内ピンを含むトップカバーと、
前記案内溝のうちの少なくとも1つの案内溝に隣接するように位置する付勢要素と、
を含み、
また、前記複数の案内ピンは、前記ベース組立体と前記トップカバーがマッチング位置にあるときに、前記案内溝に位置し、
前記ベース組立体と前記トップカバーとがマッチング位置にあるとき前記案内溝のうちの少なくとも1つの案内溝に対応する前記案内ピンのうちの少なくとも1つの案内ピンに前記付勢要素が押圧されると、前記少なくとも1つの案内ピンに接する前記付勢要素の表面が変形することにより、前記少なくとも1つの案内ピンが、前記少なくとも1つの案内溝に移動して押圧されていない状態の前記付勢要素により位置決めされ、前記付勢要素の上下方向及び幅方向の中央部が固定されている、計算装置用のシャーシ。
【請求項2】
前記案内溝のうちの前記の少なくとも1つの案内溝は、前記案内溝が最終的に案内ピンの直径よりも小さい直径に達することで停止点が生じるように、開口部と端部との間で徐々に細くなる請求項1に記載のシャーシ。
【請求項3】
前記停止点は、前記ベース組立体と前記トップカバーの間にある隙間を定義するように、前記トップカバーを位置決めする請求項2に記載のシャーシ。
【請求項4】
前記付勢要素は、前記ベース組立体との締り嵌めを定義するように、前記トップカバーを位置決めする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシャーシ。
【請求項5】
前記付勢要素が前記案内ピンのうちの少なくとも1つの案内ピンを押し付けることに寄与するように、さらにバネを含む請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシャーシ。
【請求項6】
前記バネは、前記付勢要素に組み込まれる請求項5に記載のシャーシ。
【請求項7】
前記付勢要素は、前記トップカバーと前記ベース組立体との摩擦力よりも大きい弾性力を有する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のシャーシ。
【請求項8】
前記案内溝の上壁及び下壁は、機能領域を定義し、前記案内ピンが機能領域内に位置決めされることで、前記トップカバーと前記ベース組立体との間にある目標最大隙間及び目標最小隙間を確保する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のシャーシ。
【請求項9】
前記付勢要素は、前記案内ピンが前記機能領域に保持されるように位置決めされる請求項8に記載のシャーシ。
【請求項10】
前記案内溝は前記シャーシの互いに対向する側部に設けられる請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のシャーシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、計算装置用のシャーシに関し、特に計算装置シャーシにおけるエラストマーの配置に関する。
【背景技術】
【0002】
計算装置、例えばサーバーは、計算装置の部品が搭載されたシャーシに包含される。これらのシャーシは、自動組立の方法で構築されてもよく、これは計算装置を製造する安価で効率的な方法を提供する。しかしながら、自動組立の方法は、通常、シャーシの部品の間にある隙間、例えば、組み立てるときのベース組立体とトップカバーとの間にある隙間を招いてしまう。これらの隙間は、計算装置の外見に影響したり、計算装置内の熱の冷却又は加熱の問題を招いたり、また、計算装置内の電磁干渉(electromagnetic interference;EMI)をもたらすおそれがある。構造面の考慮から、トップカバーのサイズ又はベース組立体のサイズを増加させることにより、これらの隙間を小さくすることはできない。ベース組立体及びトップカバーの両方を互いに物理的に干渉し又は重なるように設計すると、この2つの部品の間に内部応力及び摩擦が存在するおそれがある。このような応力及び摩擦は、ベース組立体又はトップカバーに物理的破壊を与えてしまう。
【0003】
従来の方法は、トップカバーをベース組立体にロックできるラッチ組立体を含むことによりシャーシ組立体の間にある隙間を解消することを試みた。しかしながら、ラッチ組立体がロックされても、トップカバーとベース組立体との間に隙間が依然として存在する。そのため、シャーシに構造の損壊を与えることなく、トップカバーとベース組立体との間にある隙間を封止することが可能な方法が必要である。
なお、本発明に関して記載すべき先行技術文献はない。出願人が知っている先行技術が文献公知発明に係るものではないからである。
【発明の概要】
【0004】
本開示の内容における各実施例は、ベース組立体と、トップカバーと、付勢要素とを含む計算装置用のシャーシに関する。ベース組立体は、複数の案内溝を含んでもよい。トップカバーは、複数の案内溝に対応する複数の案内ピンを含んでもよい。ベース組立体とトップカバーがマッチング位置(整合位置)にある場合、案内ピンは案内溝に位置決めされてもよい。付勢要素は、複数の案内溝のうちの少なくとも1つの案内溝に隣接するように位置決めされてもよい。付勢要素は、マッチング位置で複数の案内溝のうちの少なくとも1つの案内溝に対応する複数の案内ピンのうちの少なくとも1つの案内ピンを押し付けることができる。
【0005】
いくつかの実施形態において、付勢要素は、エラストマーを含んでもよい。
【0006】
いくつかの実施形態において、複数の案内溝のうちの少なくとも1つの案内溝は、開口部と端部との間で徐々に細くなるものである。そのため、案内溝は、案内ピンの直径よりも小さい直径に達することで、停止点が生じる。この停止点は、トップカバーを位置決めすることにより、ベース組立体とトップカバーとの間にある隙間を定義することができる。
【0007】
いくつかの実施形態において、エラストマーはトップカバーを位置決めすることで、それとベース組立体との締り嵌め(interference fit)を定義する。
【0008】
いくつかの実施形態において、シャーシ及びトップカバーは、付勢要素が少なくともいくつかの案内ピンを押し付けることに寄与するように、さらにバネを含んでもよい。バネは、付勢要素に組み込まれてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態において、付勢要素は、トップカバーとベース組立体との摩擦力よりも大きい弾性力を有してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、案内溝の上壁及び下壁で機能領域を定義し、案内ピンを機能領域内に位置決めしてもよい。このような位置決めは、トップカバーとベース組立体との間にある目標サイズの隙間を確保することができる。例えば、目標サイズは、目標の最大隙間を生じさせるために、最大の許容サイズであってもよく、目標の最小隙間を生じさせるために、最小の許容サイズであってもよい。付勢要素は、案内ピンが機能領域に保持されるように、位置決めされてもよい。機能領域は、付勢要素の配置が常に案内ピンの上に弾性力を提供するように、目標隙間の距離よりも大きいものであってもよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、目標隙間は、公称距離に所定の偏差を加算又は減算したものを含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、シャーシの対向する側に案内溝を提供してもよい。複数のエラストマーは、複数の案内溝の各々に隣接してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付の図面は、本願の実施形態を例にとって説明し、かつ記述とともに発明の原理の解釈及び説明に用いられるものである。図面は、図解を以って例示的な実施形態の主な特徴を説明することを意図する。図面は、実際の実施形態の各特徴を図示することを意図するものではなく、示された要素の相対的なサイズを図示することを意図するものでもなく、かつ縮尺通りに描かれていない。
図1A】先行技術の既知の例示的なコンピュータシャーシ及びトップカバーを示す。
図1B】先行技術の既知の例示的なコンピュータシャーシ及びトップカバーを示す。
図1C】先行技術の既知の例示的なコンピュータシャーシ及びトップカバーを示す。
図1D】先行技術の既知の例示的なコンピュータシャーシ及びトップカバーを示す。
図2】本開示の内容の実施形態にかかる例示的な計算機シャーシのレイアウトを示す。
図3】本開示の内容の実施形態にかかる例示的なエラストマーの配置を示す。
図4A】本開示の内容の実施形態にかかる計算機シャーシ及びトップカバーの目標隙間の例示的なサイズを示す。
図4B】本開示の内容の実施形態にかかる案内ピン及び案内溝に対するエラストマーの配置を示す。
図5A】本開示の内容の実施形態にかかる例示的な案内ピンの案内溝及びエラストマーへの係合を示す。
図5B】本開示の内容の実施形態にかかる例示的な案内ピンの案内溝及びエラストマーへの係合を示す。
図5C】本開示の内容の実施形態にかかる例示的な案内ピンの案内溝及びエラストマーへの係合を示す。
図6A】本開示の内容の実施形態にかかる例示的な簡略化されたエラストマーの設計を示す。
図6B】は、本開示の内容の実施形態にかかるバネを有する例示的なエラストマーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照して本発明を述べ、そのうち類似又は均等の要素を示すために全ての図面に類似の符号を用いる。図面は、縮尺通りに描かれておらず、本発明を説明するためにのみ用いられる。以下、説明するための例示的な応用を参照して、本発明のいくつかの側面を述べる。本発明の全面的な理解を提供するために、多くの具体的な詳細、関係、及び方法をここで述べることは認識されるべきである。しかし、当業者は、本発明は1つ又は複数の特定の詳細がない場合に実施することもしくは他の方法により実施することが可能であることを容易に認識することができる。他の場合では、本発明をわかりにくくしないように、公知の構造又は操作についてあまり詳細に示していない。本発明は、ある動作は他の動作又は事柄と異なる順序で及び/又は同時に発生する可能性があるため、示された動作又は事柄の順序に制限されない。また、本発明にかかる方法を実施するためには、全ての説明された動作又は事柄が必要なわけではない。
【0015】
本開示の内容は、ベース組立体とトップカバーとの間にある隙間を減らすように設計されるエラストマーを含む計算装置のシャーシの設計に関する。エラストマーは、シャーシのベース組立体の案内溝に隣接するように位置決めされてもよい。トップカバーから案内溝が案内ピンを収容する際に、エラストマーは、トップカバーがシャーシのベース組立体に緊密に適応するように、案内ピンを押し付けることができる。そのため、本開示の内容は、シャーシのベース組立体とトップカバーとの間にある隙間を解消するために、機械的な解決策を提供する。このような隙間の解消は、計算機シャーシを通る気流の標準化に寄与し、より良い視覚的外観を作成し、並びに計算機シャーシの入口点に入るほこり及びかけらを減らす。
【0016】
図1A〜Dは、先行技術における既知の例示的な計算機シャーシ及びトップカバーを示す。従来の設計は、トップカバー102と、ラッチモジュール104と、シャーシのベース組立体106とを含む。図1Aは、どのようにラッチモジュール104が開いたまま手動でトップカバー102をシャーシのベース組立体106に入れればよいかを示す。一旦トップカバー102はシャーシのベース組立体106(図1B)の上に配置されると、ラッチモジュール104(図1C)を開放することで、トップカバー102を位置固定することができる。トップカバー102とシャーシのベース組立体106との接続はマッチング位置と言える。
【0017】
図1Dは、この従来の設計による、トップカバー102とシャーシのベース組立体106との間にある隙間(gap)を示す。隙間は気流、ほこり及びかけらが計算機シャーシに入ることを可能にするため、計算機シャーシ設計において好ましくない。気流はシャーシのいずれの組立体に加熱及び冷却の問題を招き、かつほこり及び砕せつは計算機の組立体を壊してしまう。また、隙間は視覚的に魅力のないものである。
【0018】
そのため、本開示の内容は、エラストマーを用いることにより隙間を小さくする装置を提供する。図2は、本開示の内容の実施形態にかかる例示的な計算機シャーシ200を示す。本開示の内容の目的のために、例示的な計算機シャーシは、シャーシのベース組立体202と、案内溝204とを含んでもよい。案内溝は、上壁203と、下壁205と、開口部206と、端部208とを含んでもよい。案内溝204は、シャーシのベース組立体202に接続されるようにトップカバー(図示しない)に複数の位置を提供するために、シャーシのベース組立体202に沿う互いに対向する側部の外部に位置してもよい。図2は8つの案内溝204を示すが、任意の数の案内溝204を有してもよい。案内溝204は、上壁203及び下壁205を有してもよく、案内ピン210は上壁203及び下壁205によりスライドすることが可能である。案内溝204は、開口部206及び端部208を有してもよく、また、開口部206には案内ピン210が進入し、端部208は案内ピン210を収容する。端部208は、案内ピン210の直径とほとんど同じ幅を有してもよい。案内溝204は、案内溝204が最終的に案内ピン210の直径よりも小さい直径に達するように、開口部206と端部208との間で徐々に細くなってもよい。案内ピン210はさらに案内ピン204に進入することができないため、このポイントは停止点といえる。例示的な案内ピン210は、図2に示されるように、円柱形であってもよい。いくつかの実施例において、例示的な案内ピン210は他の特徴、例えば、スロット、リッジ、又はホックを有してもよいが、案内ピン210には、案内溝204に適応するための他の特徴が不要である。
【0019】
図3は、本開示の内容の実施形態にかかる計算機シャーシにおける例示的なエラストマーの配置を示す。図3は、シャーシのベース組立体302、案内溝304、案内溝開口部306、案内溝端部308を含む、図2と同じ組立体を多く含む。また、図3は、案内ピン310及びエラストマー312を含む。案内ピン310はトップカバー(図示しない)に接続されてもよく、かつトップカバーはシャーシ300とのマッチング位置に置かれた場合、案内ピン310を案内溝304に押すことができる。エラストマー312は案内溝304に隣接するように配置されてもよい。エラストマー312は全ての案内溝304に隣接するように配置されてもよく、又は選定された案内溝304のみに隣接するように配置されてもよい。エラストマー312が案内ピン310の進入により押し付けられることで、案内ピン310が安定して案内溝304の端部308に収容されることが可能である。これはさらに図5A〜Cに示される。
【0020】
そのため、図3に示される構造によれば、トップカバーに作用するエラストマーの力は存在してもよい。エラストマーの力は、シャーシのベース組立体のエラストマーの数によって変えてもよい。例えば、シャーシのベース組立体は案内溝を8つ有し、かつそれぞれの案内溝はエラストマーを有すると、トップカバーに加えられる全弾性力は、8つのエラストマー312の全てによる弾性力の合計となる。トップカバーが案内溝304に滑り込んだ場合、さらに、トップカバーに作用する摩擦力があり、トップカバーがシャーシ300とのマッチング位置に進入することをこの摩擦力が阻止する。ただし、8つのエラストマー312は、摩擦力よりも大きい全弾性力を有してもよい。そのため、エラストマー312は、トップカバーとシャーシ300とのマッチング位置を促進及び維持することができる。
【0021】
図4Aは、本開示の内容の実施形態にかかるトップカバー414とシャーシのベース組立体402と間にある隙間の例示的なサイズを示す。例えば、隙間は、公称距離Nと隙間の長さでの標準偏差Dであってもよい。
【0022】
図4Bは、図4Aに示される目標隙間のサイズに基づいて例示的なエラストマーを如何に設計することができるかを示す。図4Bは、案内溝404、案内溝開口部406、案内溝端部408、案内ピン410、及びエラストマー412を示す。これらの組立体は、図2及び図3に関して論じられた前記の組立体に類似している。注意すべきなのは、図4Bは、如何にエラストマー412を位置決めするかによって、案内ピン410を機能領域(functional area)に固定することができるかを示す。機能領域は、公称距離Nの長さに標準偏差Dの長さを加算したものよりも大きいものであってもよい。いくつかの場合、機能領域は、公称距離Nから標準偏差Dの長さを減算したものであってもよい。エラストマー412は、案内ピン410が機能領域にあるたびにエラストマー412が案内ピン410に力を加えるように配置されてもよい。所望の公称距離N及び標準偏差Dにより、エラストマー412を位置決めすることができる。
【0023】
そのため、案内溝404内の案内ピン410の静止位置で、図4Aの隙間を最小化又は除去することができる。また、エラストマー412は、目標隙間のサイズを保証するように位置決めされてもよい。エラストマー412が案内ピン410により大きい圧力を加えた場合、トップカバーは前に向かってシャーシのベース組立体に押し付けられる。このような移動は、隙間のサイズを小さくする。
【0024】
図5A〜Cは、本開示の内容の実施形態にかかる、案内溝及びエラストマー512に係合される例示的な案内ピン510を示す。図5A〜Cは、案内溝開口部506、案内溝508、案内ピン510、及びエラストマー512を含む。図5A〜Cに示されるように、案内ピン510が案内溝に押し込まれた場合、案内ピン510は、エラストマー512の上部を滑り、その後案内溝端部508にとまる。図5Bは、案内ピン510が進入してエラストマー512と接した場合、エラストマー512がわずかに変形する可能性があることを示す。図5Cは、本開示の内容のいくつかの配置において、ハードストップライン(hard stop line)を提供してもよく、案内ピン510はハードストップラインで案内溝端部508の細くなる部分又は下方へ傾斜する部分に沿って滑らなくなってもよい。このハードストップラインは、案内ピン510の直径と案内溝端部508の幅が基本的に同じである位置にあってもよい。このハードストップラインは、シャーシに対するトップカバーのマッチング位置を制御する。
【0025】
図5A〜Cに示されるエラストマー512の位置は、トップカバーとシャーシのベース組立体が重なるように、シャーシのベース組立体とトップカバーとの間にある締り嵌めを定義することができる。ただし、ベース組立体及びトップカバーの物理的配置で生じた任意の応力はエラストマー512に吸収されるため、ベース組立体及びトップカバーは干渉によって損壊されることがなくなる。そのため、本開示の内容は、従来の設計よりも優れた利点を提供するが、従来の設計は、シャーシのベース組立体とトップカバーとの間にある適応による応力を吸収する装置を提供しない。
【0026】
図6Aは、本開示の内容の実施形態にかかる例示的な簡略化されたエラストマーの設計を示す。エラストマーの設計は、案内溝604と、案内溝端部608と、案内ピン610と、付勢要素614とを含んでもよい。付勢要素は、案内ピン610を押し付ける役割を果たすことができ、かつ案内ピン610の配置が案内溝604の端部608に保持されるように、案内ピン610を位置決めすることができる。
【0027】
図6Bは、本開示の内容の実施形態にかかるバネを有する例示的なエラストマー612を示す。本開示の内容のこの実施形態は、案内ピン610と、エラストマー612と、バネ616とを含んでもよい。図6Bはエラストマー612におけるバネ616を示すが、バネ616が案内ピン610に圧力を加えるものであれば、バネ616は任意の配置にあってもよい。エラストマー612がトップカバーをシャーシのベース組立体に押し込んだ場合、バネ616は、エラストマー612の弾性力を増加させるために用いられてもよい。なお、バネ616は、トップカバーが重すぎてエラストマー612のみにより案内ピン610を案内溝604に案内することができない場合、エラストマー612に追加の支持を提供することができる。
【0028】
以上、本発明の各実施例を述べたが、それらは実施例の形式のみで提示され、制限ではないことを理解すべきである。本発明の主旨や範囲を逸脱しない限り、本文の開示内容により、開示された実施例に対して種々変形を行うことが可能である。そのため、本発明の広さ及び範囲は、上記実施例のいずれかに制限されるべきではない。より厳密には、本発明の範囲は、添付の請求項及びその均等物によって定められるべきである。
【0029】
1つ又は複数の実施形態について本発明を説明及び記述したが、当業者は、本明細書及び添付の図面を閲読及び理解した場合、均等の変形及び変更を想到する。なお、若干の実施形態のうちの1つ実施形態のみにおいて、本発明の特定の特徴が開示されたが、このような特徴は他の実施形態の1つ又は複数の他の特徴と組み合わされてもよく、これは任意の所定又は特定の応用に望ましくかつ有利である可能性がある。
【0030】
ここで使用される用語は、特定の実施例を述べる目的のためにのみ使用されるものであり、本発明を制限することを意図するものではない。本文にて使用される単数形の「一」、「一つ」及び「前記」は、文脈に別途説明されていない限り、複数形を含むことも意図する。また、詳細な説明及び/又は請求項で使用される「包含される」、「包含する」、「備える」、「有する」、「含有する」という用語又はその変形について、これらの用語の意味は、包括的であり、「含む」という用語の形式に類似している。
【0031】
特に定義されない限り、ここで使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、当業者によって一般的に理解される意味と同様の意味を有している。また、例えば、一般的に使用される辞書で定義されたそれらの術語は、本文にで明確に定義されていない限り、それらが関連の技術の文脈における意味と一致する意味を有し、理想化された又は過度に正式な意義と解釈されないように、解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0032】
102:トップカバー
104:ラッチモージュル
106:シャーシのベース組立体
200:シャーシ
202:ベース組立体
203:上壁
204:案内溝
205:下壁
206:開口部
208:端部
210:案内ピン
300:シャーシ
302:シャーシのベース組立体
304:案内溝
306:開口部
308:端部
310:案内ピン
312:エラストマー
402:ベース組立体
404:案内溝
406:開口部
408:端部
410:案内ピン
412:エラストマー
414:トップカバー
506:開口部
508:端部
510:案内ピン
512:エラストマー
604:案内溝
608:端部
610:案内ピン
612:エラストマー
614:付勢要素
616:バネ
D:標準偏差
N:公称距離
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B