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特許6792015オーディオ処理アルゴリズム及びデータベース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792015
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】オーディオ処理アルゴリズム及びデータベース
(51)【国際特許分類】
   H04S 7/00 20060101AFI20201116BHJP
   G10K 15/00 20060101ALI20201116BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   H04S7/00 310
   G10K15/00 L
   H04R3/00 310
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】53
(21)【出願番号】特願2019-56360(P2019-56360)
(22)【出願日】2019年3月25日
(62)【分割の表示】特願2017-513241(P2017-513241)の分割
【原出願日】2015年9月8日
(65)【公開番号】特開2019-134470(P2019-134470A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2019年4月12日
(31)【優先権主張番号】14/481,505
(32)【優先日】2014年9月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/481,514
(32)【優先日】2014年9月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506030756
【氏名又は名称】ソノズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・シーン
(72)【発明者】
【氏名】サイモン・ジャービス
【審査官】 ▲高▼橋 真之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−340285(JP,A)
【文献】 特開平10−307592(JP,A)
【文献】 特開2013−247456(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0315405(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04S 1/00−7/00
H04R 3/00−3/14
G10K 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークインタフェース、
アンプを有するオーディオステージ、
1つ又は複数のプロセッサ、
ハウジング、
を備え、
ハウジングは、少なくともネットワークインタフェース、オーディオステージ、1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数のプロセッサによって再生デバイスに機能を実行させる命令を記憶したデータストレージを有し、
前記機能は、
第1タイプの校正が使用できないことを決定すること、ここで第1タイプの校正は、再生デバイスが配置されている特定のゾーンの音響特性をオフセットするように構成されている、
第1タイプの校正が使用できないことの決定に基づいて、第2タイプの校正を用いて再生デバイスを校正すること、
ここで第2タイプの校正を用いて再生デバイスを校正することは、
再生デバイスが特定のタイプのゾーン内にあることを決定すること、
第2タイプの所定の校正について第2タイプの所定の校正のデータベースに、ネットワークインタフェースを介して問合せすること、ここで第2タイプの所定の校正は、特定のタイプのゾーンに対応するモデルゾーンの音響特性をオフセットし、モデルゾーンは所与の反射特性を有する1つ又は複数の既知の材料を含み、データベースは再生デバイスから離れた1つ又は複数のサーバによってホストされる、
再生デバイスのオーディオステージに第2タイプの所定の校正を適用すること、
を有し、
校正されたオーディオステージ及び1つ又は複数のスピーカーを介してオーディオコンテンツを再生すること、
を含む、再生デバイス。
【請求項2】
前記機能は、更に、
第2タイプの校正を用いて再生デバイスを校正した後、第1タイプの校正を用いて再生デバイスを校正する命令を受信すること、
第1タイプの校正を用いて再生デバイスを校正する命令に基づいて、第1タイプの校正を用いて再生デバイスを校正すること、
ここで第1タイプの校正を用いて再生デバイスを校正することは、
マイクロホンデバイスが校正オーディオ出力を記録している間、オーディオステージ及び1つ又は複数のスピーカーを介して校正オーディオを出力すること、
マイクロホンデバイスからネットワークインタフェースを介して、第1タイプの特定の校正を受信すること、ここで第1タイプの特定の校正は記録された校正オーディオ出力に基づいており、第1タイプの特定の校正は再生デバイスのオーディオステージに適用されるとき、再生デバイスが配置される特定のゾーンの音響特性をオフセットする、
第2タイプの所定の校正の代わりに、第1タイプの特定の校正を再生デバイスのオーディオステージに適用すること、
を有する、
を含む、請求項1に記載の再生デバイス。
【請求項3】
モデルゾーンは、既知の寸法を有し、
第2タイプの所定の校正は、既知の寸法を有すると共に所与の反射特性を有する1つ又は複数の既知の材料を含むモデルゾーンの音響特性をオフセットする、
請求項1に記載の再生デバイス。
【請求項4】
第1タイプの校正が使用できないことを決定することは、再生デバイスのデータストレージ内に保持されている1つ又は複数の状態変数が、再生デバイスが未校正であると示していることを決定することを含む、請求項1に記載の再生デバイス。
【請求項5】
再生デバイスが特定のタイプのゾーンにあることを決定することは、再生デバイスのデータストレージから再生デバイスのモデルにアクセスすることを有し、ここでそのモデルの再生デバイスは、特定のタイプのゾーンに配置されるように構成され、
第2タイプの所定の校正について第2タイプの所定の校正のデータベースに問合せすることは、再生デバイスのモデルを用いて、第2タイプの所定の校正を取り出すために、データベースに問合せすることを有する、
請求項1に記載の再生デバイス。
【請求項6】
再生デバイスが特定のタイプのゾーンにあることを決定することは、コントローラデバイスからネットワークインタフェースを介して、特定のタイプのゾーンを示すデータを受信することを有し、データはコントローラデバイスで入力された特定のタイプのゾーンを示すユーザ入力に基づく、請求項1に記載の再生デバイス。
【請求項7】
第2タイプの所定の校正は、モデルゾーン内で実行された第1タイプの複数の校正から決定されるオーディオ処理アルゴリズムに基づく、請求項1に記載の再生デバイス。
【請求項8】
再生デバイスによって実行される方法であって、
第1タイプの校正が使用できないことを決定するステップ、ここで第1タイプの校正は、再生デバイスが配置されている特定のゾーンの音響特性をオフセットするように構成されている、
第1タイプの校正が使用できないことの決定に基づいて、第2タイプの校正を用いて再生デバイスを校正するステップ、
ここで第2タイプの校正を用いて再生デバイスを校正するステップは、
再生デバイスが特定のタイプのゾーン内にあることを決定すること、
第2タイプの所定の校正について第2タイプの所定の校正のデータベースに、ネットワークインタフェースを介して問合せすること、ここで第2タイプの所定の校正は、特定のタイプのゾーンに対応するモデルゾーンの音響特性をオフセットし、モデルゾーンは所与の反射特性を有する1つ又は複数の既知の材料を含み、データベースは再生デバイスから離れた1つ又は複数のサーバによってホストされる、
再生デバイスのオーディオステージに第2タイプの所定の校正を適用すること、
を有する、
校正されたオーディオステージ及び1つ又は複数のスピーカーを介してオーディオコンテンツを再生するステップ、
を含む、方法。
【請求項9】
更に、
第2タイプの校正を用いて再生デバイスを校正した後、第1タイプの校正を用いて再生デバイスを校正する命令を受信するステップ、
第1タイプの校正を用いて再生デバイスを校正する命令に基づいて、第1タイプの校正を用いて再生デバイスを校正するステップ、
ここで第1タイプの校正を用いて再生デバイスを校正するステップは、
マイクロホンデバイスが校正オーディオ出力を記録している間、オーディオステージ及び1つ又は複数のスピーカーを介して校正オーディオを出力すること、
マイクロホンデバイスからネットワークインタフェースを介して、第1タイプの特定の校正を受信すること、ここで第1タイプの特定の校正は記録された校正オーディオ出力に基づいており、第1タイプの特定の校正は再生デバイスのオーディオステージに適用されるとき、再生デバイスが配置される特定のゾーンの音響特性をオフセットする、
第2タイプの所定の校正の代わりに、第1タイプの特定の校正を再生デバイスのオーディオステージに適用すること、
を有する、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
モデルゾーンは、既知の寸法を有し、
第2タイプの所定の校正は、既知の寸法を有すると共に所与の反射特性を有する1つ又は複数の既知の材料を含むモデルゾーンの音響特性をオフセットする、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第1タイプの校正が使用できないことを決定するステップは、再生デバイスのデータストレージ内に保持されている1つ又は複数の状態変数が、再生デバイスが未校正であると示していることを決定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
再生デバイスが特定のタイプのゾーンにあることを決定することは、再生デバイスのデータストレージから再生デバイスのモデルにアクセスすることを有し、ここでそのモデルの再生デバイスは、特定のタイプのゾーンに配置されるように構成され、
第2タイプの所定の校正について第2タイプの所定の校正のデータベースに問合せすることは、再生デバイスのモデルを用いて、第2タイプの所定の校正を取り出すために、データベースに問合せすることを有する、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
再生デバイスが特定のタイプのゾーンにあることを決定することは、コントローラデバイスからネットワークインタフェースを介して、特定のタイプのゾーンを示すデータを受信することを有し、データはコントローラデバイスで入力された特定のタイプのゾーンを示すユーザ入力に基づく、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
第2タイプの所定の校正は、モデルゾーン内で実行された第1タイプの複数の校正から決定されるオーディオ処理アルゴリズムに基づく、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
再生デバイスのプロセッサによって再生デバイスに機能を実行させる命令を記憶した非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって
前記機能は、
第1タイプの校正が使用できないことを決定すること、ここで第1タイプの校正は、再生デバイスが配置されている特定のゾーンの音響特性をオフセットするように構成されている、
第1タイプの校正が使用できないことの決定に基づいて、第2タイプの校正を用いて再生デバイスを校正すること、
ここで第2タイプの校正を用いて再生デバイスを校正することは、
再生デバイスが特定のタイプのゾーンにあることを決定すること、
第2タイプの所定の校正について第2タイプの所定の校正のデータベースに、ネットワークインタフェースを介して問合せすること、ここで第2タイプの所定の校正は、特定のタイプのゾーンに対応するモデルゾーンの音響特性をオフセットし、モデルゾーンは所与の反射特性を有する1つ又は複数の既知の材料を含み、データベースは再生デバイスから離れた1つ又は複数のサーバによってホストされる、
再生デバイスのオーディオステージに第2タイプの所定の校正を適用すること、
を有し、
校正されたオーディオステージ及び1つ又は複数のスピーカーを介してオーディオコンテンツを再生すること、
を含む、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項16】
前記機能は、更に、
第2タイプの校正を用いて再生デバイスを校正した後、第1タイプの校正を用いて再生デバイスを校正する命令を受信すること、
第1タイプの校正を用いて再生デバイスを校正する命令に基づいて、第1タイプの校正を用いて再生デバイスを校正すること、
ここで第1タイプの校正を用いて再生デバイスを校正することは、
マイクロホンデバイスが校正オーディオ出力を記録している間、オーディオステージ及び1つ又は複数のスピーカーを介して校正オーディオを出力すること、
マイクロホンデバイスからネットワークインタフェースを介して、第1タイプの特定の校正を受信すること、ここで第1タイプの特定の校正は記録された校正オーディオ出力に基づいており、第1タイプの特定の校正は再生デバイスのオーディオステージに適用されるとき、再生デバイスが配置される特定のゾーンの音響特性をオフセットする、
第2タイプの所定の校正の代わりに、第1タイプの特定の校正を再生デバイスのオーディオステージに適用すること、
を有する、
を含む、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項17】
モデルゾーンは、既知の寸法を有し、
第2タイプの所定の校正は、既知の寸法を有すると共に所与の反射特性を有する1つ又は複数の既知の材料を含むモデルゾーンの音響特性をオフセットする、
請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項18】
第1タイプの校正が使用できないことを決定することは、再生デバイスのデータストレージ内に保持されている1つ又は複数の状態変数が、再生デバイスが未校正であると示していることを決定することを含む、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項19】
再生デバイスが特定のタイプのゾーンにあることを決定することは、再生デバイスのデータストレージから再生デバイスのモデルにアクセスすることを有し、ここでそのモデルの再生デバイスは、特定のタイプのゾーンに配置されるように構成され、
第2タイプの所定の校正について第2タイプの所定の校正のデータベースに問合せすることは、再生デバイスのモデルを用いて、第2タイプの所定の校正を取り出すために、データベースに問合せすることを有する、
請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項20】
再生デバイスが特定のタイプのゾーンにあることを決定することは、コントローラデバイスからネットワークインタフェースを介して、特定のタイプのゾーンを示すデータを受信することを有し、データはコントローラデバイスで入力された特定のタイプのゾーンを示すユーザ入力に基づく、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2014年9月9日に出願された米国特許出願第14/481,505号及び2014年9月9日に出願された米国特許出願第14/481,514号の優先権を主張しており、その全体が参照されることにより本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願は、コンシューマ製品に関するものであり、特に、メディア再生に向けられた方法、システム、製品、機能、サービス、および他の要素に関するものや、それらのいくつかの態様に関する。
【背景技術】
【0003】
2003年に、ソノズ・インコーポレイテッドが最初の特許出願のうちの1つである「複数のネットワークデバイス間のオーディオ再生を同期する方法」と題する特許出願をし、2005年にメディア再生システムの販売を開始するまで、アウトラウド設定におけるデジタルオーディオへのアクセスおよび試聴のオプションは制限されていた。人々は、ソノズ無線HiFiシステムによって、1つ又は複数のネットワーク再生デバイスを介して多数のソースから音楽を体験できるようになっている。スマートフォン、タブレット、又はコンピュータにインストールされたソフトウェアコントロールアプリケーションを通じて、ネットワーク再生デバイスを備えたいずれの部屋においても、人々は自分が望む音楽を再生することができる。また、例えばコントローラを用いて、再生デバイスを備えた各部屋に異なる歌をストリーミングすることもできるし、同期再生のために複数の部屋をグループ化することもできるし、全ての部屋において同期して同じ歌を聞くこともできる。
【0004】
これまでのデジタルメディアに対する関心の高まりを考えると、試聴体験を更に向上させることができるコンシューマアクセス可能な技術を更に開発することにニーズがある。
【0005】
本明細書で開示されている技術の特徴、態様、および利点は、以下の記載、添付の特許請求の範囲、および添付の図面を参照するとより理解しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】ある実施形態で実施可能な例示的なメデイア再生システムの構成を示す図
図2】例示的な再生デバイスの機能ブロック図
図3】例示的な制御デバイスの機能ブロック図
図4】例示的なコントローラインタフェースを示す図
図5】オーディオ処理アルゴリズムのデータベースを保守する第1の方法の例示的なフロー図
図6A】オーディオ処理アルゴリズムの第1のデータベースの例示的な部分を示す図
図6B】オーディオ処理アルゴリズムの第2のデータベースの例示的な部分を示す図
図7】オーディオ処理アルゴリズムのデータベースを保守する第2の方法の例示的なフロー図
図8】再生デバイスが校正されうる例示的な再生ゾーンを示す図
図9】1つ又は複数の再生ゾーン特性に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定する第1の方法の例示的なフロー図
図10】1つ又は複数の再生ゾーン特性に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定する第2の方法の例示的なフロー図
図11】オーディオ処理アルゴリズムのデータベースからオーディオ処理アルゴリズムを特定する例示的なフロー図
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面は、いくつかの例示的な実施形態を説明することを目的としているが、本発明が、図面に示した配置および手段に限定されるものではないことは理解される。
【0008】
I.概要
再生デバイスが再生ゾーンにおいてオーディオコンテンツを再生するとき、再生の品質は、再生ゾーンの音響特性に依存することがある。本明細書の説明において、再生ゾーンは、1つ又は複数の再生デバイス又は再生デバイスのグループを含むことができる。再生ゾーンの音響特性は、再生ゾーンの寸法、再生ゾーン内の家具の種類、及び再生ゾーン内の家具の配置などに依存することがある。そのため、異なる再生ゾーンは、異なる音響特性を有する場合がある。再生デバイスの所定のモデルは、異なる音響特性を有する様々な異なる再生ゾーンにおいて使用されうるため、単一のオーディオ処理アルゴリズムは、異なる再生ゾーンのそれぞれにおける再生デバイスによる一貫したオーディオ再生品質を提供しないことがある。
【0009】
本明細書において記載される例は、再生ゾーン内に再生デバイスが存在するような再生ゾーンの音響特性に基づいて、再生デバイスが適用するオーディオ処理アルゴリズムを決定することに関する。再生ゾーンにおいてオーディオコンテンツを再生するときの、決定したオーディオ処理アルゴリズムの再生デバイスによる適用は、再生ゾーンにおいて再生デバイスによってレンダリングされたオーディオコンテンツに、少なくともある程度、所定のオーディオ特性を持たせることができる。ある場合では、オーディオ処理アルゴリズムの適用は、オーディオコンテンツの1つ又は複数のオーディオ周波数におけるオーディオ増幅を変更することである。他の例もまた可能である。
【0010】
ある例では、オーディオ処理アルゴリズムのデータベースは保守されてもよく、データベース内のオーディオ処理アルゴリズムは、再生ゾーンの1つ又は複数の特性に基づいて特定されてもよい。再生ゾーンの1つ又は複数の特性は、再生ゾーンの音響特性、及び/又は再生ゾーンの寸法、再生ゾーンの床材及び/又は壁材、並びに再生ゾーン内の家具の数及び/又は種類などのうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0011】
オーディオ処理アルゴリズムのデータベースを保守することは、再生ゾーンの1つ又は複数の特性に対応する少なくとも1つのオーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及び決定したオーディオ処理アルゴリズムをデータベースに追加することを含んでもよい。ある例では、データベースは、データベースを保守する1つ又は複数のデバイス又は1つ又は複数の他のデバイスに格納されうる。本明細書における説明において、別段の記載がない限り、データベースを保守するための機能は、とりわけ、1つ又は複数のコンピューティングデバイス(すなわち、サーバ)、1つ又は複数の再生デバイス、又は1つ又は複数のコントローラデバイスによって実行されうる。しかしながら、単純化のために、機能を実行する1つ又は複数のデバイスは、一般に、コンピューティングデバイスと称されてもよい。
【0012】
ある例では、そのようなオーディオ処理アルゴリズムを決定することは、コンピューティングデバイスが再生ゾーンの音響特性を決定することを含んでもよい。ある場合では、再生ゾーンは、再生デバイスがオーディオコンテンツを再生することができる再生ゾーンをシミュレートするために使用されるモデルルームであってもよい。そのような場合、モデルルームの1つ又は複数の物理的特性(すなわち、寸法、床材及び壁材など)が予め決定されてもよい。別の場合では、再生ゾーンは、再生デバイスのユーザの自宅内の部屋であってもよい。そのような場合、再生ゾーンの物理的特性は、ユーザによって提供されてもよく又は未知であってもよい。
【0013】
ある例では、コンピューティングデバイスは、再生ゾーン内の再生デバイスにオーディオ信号を再生させてもよい。ある場合では、再生されたオーディオ信号は、再生デバイスによってレンダリング可能な全周波数レンジを実質的にカバーする周波数を有するオーディオコンテンツを含んでもよい。その後、再生デバイスは、再生デバイスのマイクロホンを使用してオーディオ信号を検出してもよい。再生デバイスのマイクロホンは、再生デバイスの内蔵マイクロホンであってもよい。ある場合では、検出されたオーディオ信号は、再生されたオーディオ信号に対応する部分を含んでもよい。例えば、検出されたオーディオ信号は、再生ゾーン内で反射された再生されたオーディオ信号の成分を含んでもよい。コンピューティングデバイスは、検出されたオーディオ信号を再生デバイスから受信し、検出されたオーディオ信号に基づいて再生ゾーンの音響応答を決定してもよい。
【0014】
そして、コンピューティングデバイスは、再生ゾーンの音響応答から再生デバイスの音響特性を除去することによって再生ゾーンの音響特性を決定してもよい。再生デバイスの音響特性は、再生デバイスのモデルに対応する音響特性であってもよい。ある場合では、再生デバイスのモデルに対応する音響特性は、無響室におけるモデルの代表的な再生デバイスによって再生されて検出されたオーディオ信号に基づいて決定されてもよい。
【0015】
そして、コンピューティングデバイスは、決定した再生ゾーンの音響特性及び所定のオーディオ特性に基づいて、対応するオーディオ処理アルゴリズムを決定してもよい。所定のオーディオ特性は、良好なサウンディングとみなされる特定の周波数等化を含んでもよい。対応するオーディオ処理アルゴリズムが決定されて、再生ゾーンにおいてオーディオコンテンツを再生するときの再生デバイスによる対応するオーディオ処理アルゴリズムの適用は、再生ゾーンにおいて再生デバイスによってレンダリングされたオーディオコンテンツに、少なくともある程度、所定のオーディオ特性を持たせてもよい。例えば、再生ゾーンの音響特性が特定のオーディオ周波数が他の周波数よりも減衰されたものである場合、対応するオーディオ処理アルゴリズムは、特定のオーディオ周波数の強めた増幅を含んでもよい。他の例もまた可能である。
【0016】
そして、決定されたオーディオ処理アルゴリズムと再生ゾーンの音響特性との関連付けは、データベース内のエントリとして記憶されてもよい。幾つかの場合では、オーディオ処理アルゴリズムと再生ゾーンの1つ又は複数の他の特性との関連付けが追加的に又は代替的にデータベースに記憶されてもよい。例えば、再生ゾーンが特定の寸法からなる場合、オーディオ処理アルゴリズムと特定の部屋寸法との関連付けがデータベースに記憶されてもよい。他の例もまた可能である。
【0017】
ある例では、データベースが、コンピューティングデバイスによってアクセスされることによって、再生デバイスが再生ゾーンに適用するためのオーディオ処理アルゴリズムが特定されてもよい。ある例では、データベースにアクセスしてオーディオ処理アルゴリズムを特定するコンピューティングデバイスは、上述したように、データベースを保守する同一のコンピューティングデバイスであってもよい。別の例では、コンピューティングデバイスは、異なるコンピューティングデバイスであってもよい。
【0018】
幾つかの場合では、データベースにアクセスして、再生デバイスが再生ゾーンに適用するためのオーディオ処理アルゴリズムを特定することは、再生デバイスの校正の一部であってもよい。そのような再生デバイスの校正は、再生デバイス自体によって、再生デバイスと通信するサーバによって、又はコントローラデバイスによって開始されてもよい。ある場合では、再生デバイスが新規であり且つ校正が再生デバイスの初期設定の一部であるため、校正が開始されてもよい。別の場合では、再生デバイスは、同一の再生ゾーン内に又はある再生ゾーンから別の再生ゾーンに再配置されてもよい。さらなる場合では、校正は、コントローラデバイスを介してなど、再生デバイスのユーザによって開始されてもよい。
【0019】
ある例では、再生デバイスの校正は、他の可能性の中でも特に、コンピューティングデバイスが、再生デバイスのユーザに、再生ゾーンの近似寸法、床材又は壁材、家具の量などの再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すように促すことを含んでもよい。コンピューティングデバイスは、コントローラデバイス上のユーザインタフェースを介してユーザに促すことができる。ユーザによって提供される再生ゾーンの1つ又は複数の特性に基づいて、再生ゾーンの1つ又は複数の特性に対応するオーディオ処理アルゴリズムがデータベースにおいて特定されてもよく、したがって、再生デバイスは、再生ゾーンにおいてオーディオコンテンツを再生するときに特定されたオーディオ処理アルゴリズムを適用してもよい。
【0020】
別の例では、再生デバイスの校正は、再生ゾーンの音響特性を決定すること、及び再生ゾーンの音響特性に基づいて対応するオーディオ処理アルゴリズムを特定することを含んでもよい。再生ゾーンの音響特性の決定は、上述したものと同様であってもよい。例えば、再生デバイスが校正されている再生ゾーン内の再生デバイスは、第1のオーディオ信号を再生した後に、再生デバイスのマイクロホンを使用して第2のオーディオ信号を検出してもよい。そして、第2のオーディオ信号は、再生ゾーンの音響特性を決定することに基づいてもよい。決定された音響特性に基づいて、対応するオーディオ処理アルゴリズムがデータベース内で特定されてもよく、したがって、再生デバイスは、再生ゾーンにおいてオーディオコンテンツを再生するときに、特定されたオーディオ処理アルゴリズムを適用してもよい。上述したように、再生ゾーンにおいてオーディオコンテンツを再生するときの再生デバイスによる対応するオーディオ処理アルゴリズムの適用は、再生ゾーンにおいて再生デバイスによってレンダリングされたオーディオコンテンツに、少なくともある程度、所定のオーディオ特性を持たせることができる。
【0021】
上述した再生デバイスの校正についての説明は、一般に、オーディオ処理アルゴリズムのデータベースを含むが、当業者は、コンピューティングデバイスがデータベースにアクセスすることなく再生ゾーンについてのオーディオ処理アルゴリズムを決定することができることを理解するであろう。例えば、データベース内の対応するオーディオ処理アルゴリズムを特定する代わりに、コンピューティングデバイスは、(検出されたオーディオ信号からの)再生ゾーンの音響特性と、データベースについてのオーディオ処理アルゴリズムエントリの保守及び生成に関連して上述したものと同様の所定のオーディオ特性とに基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを計算することによってオーディオ処理アルゴリズムを決定することができる。他の例もまた可能である。
【0022】
ある場合では、校正されるべき再生デバイスは、再生ゾーンにおいてオーディオコンテンツを同期して再生するように構成された複数の再生デバイスのうちの1つであってもよい。そのような場合、再生ゾーンの音響特性の決定は、再生ゾーン内の他の再生デバイスによって再生されたオーディオ信号を含むこともできる。ある例では、オーディオ処理アルゴリズムを決定している間、再生ゾーンにおける複数の再生デバイスのそれぞれは、同時にオーディオ信号を再生することができ、再生デバイスのマイクロホンによって検出されたオーディオ信号は、再生デバイスによって再生されたオーディオ信号に対応する部分とともに、再生ゾーン内の他の再生デバイスによって再生されたオーディオ信号の部分を含んでもよい。検出されたオーディオ信号に基づいて、再生ゾーンの音響応答を決定することができ、再生ゾーンの音響応答から校正されている再生デバイスの音響特性を除去することによって、他の再生デバイスを含む再生ゾーンの音響特性を決定することができる。そして、オーディオ処理アルゴリズムは、再生ゾーンの音響特性に基づいてデータベース内で計算又は特定され、再生デバイスによって適用されうる。
【0023】
別の場合では、再生ゾーン内の複数の再生デバイスにおける2つ以上の再生デバイスは、各内蔵マイクロホンをそれぞれ有することができ、上記記載にしたがってそれぞれ個別に校正されうる。1つの例において、2つ以上の再生デバイスのそれぞれのマイクロホンによって検出されたオーディオ信号の集合に基づいて、再生ゾーンの音響特性が決定されてもよく、音響特性に対応するオーディオ処理アルゴリズムは、2つ以上の再生デバイスのそれぞれについて特定されてもよい。他の例もまた可能である。
【0024】
上述したように、本開示は、再生デバイスを含む特定の再生ゾーンの音響特性に基づいて、再生デバイスが適用するオーディオ処理アルゴリズムを決定することを含む。1つの態様において、コンピューティングデバイスが提供される。コンピューティングデバイスは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能であってコンピューティングデバイスに機能を実行させる命令を格納したメモリとを含む。本機能は、再生ゾーン内の再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させること、及び再生デバイスのマイクロホンによって検出された第2のオーディオ信号を示すデータを再生デバイスから受信することを含む。第2のオーディオ信号は、第1のオーディオ信号に対応する部分を含む。本機能は、さらに、第2のオーディオ信号及び再生デバイスの音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及び決定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータを再生デバイスに送信することを含む。
【0025】
別の態様において、コンピューティングデバイスが提供される。コンピューティングデバイスは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能であってコンピューティングデバイスに機能を実行させる命令を格納したメモリとを含む。本機能は、第1の再生デバイスに再生ゾーンにおいて第1のオーディオ信号を再生させること、第2の再生デバイスに再生ゾーンにおいて第2のオーディオ信号を再生させること、及び第1の再生デバイスのマイクロホンによって検出された第3のオーディオ信号を示すデータを第1の再生デバイスから受信することを含む。第3のオーディオ信号は、(i)第1のオーディオ信号に対応する部分と、(ii)第2の再生デバイスによって再生された第2のオーディオ信号に対応する部分とを含む。また、本機能は、第3のオーディオ信号及び第1の再生デバイスの音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及び決定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータを第1の再生デバイスに送信することを含む。
【0026】
別の態様において、再生デバイスが提供される。再生デバイスは、プロセッサと、マイクロホンと、プロセッサによって実行可能であって再生デバイスに機能を実行させる命令を格納したメモリとを含む。本機能は、再生ゾーンにおいて第1のオーディオ信号を再生しながら、マイクロホンによって第2のオーディオ信号を検出することを含む。第2のオーディオ信号は、第1のオーディオ信号に対応する部分を含む。また、本機能は、第2のオーディオ信号及び再生デバイスの音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及び再生ゾーンにおいてメディアアイテムを再生するときに、決定されたオーディオ処理アルゴリズムをメディアアイテムに対応するオーディオデータに適用することを含む。
【0027】
別の態様において、コンピューティングデバイスが提供される。コンピューティングデバイスは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能であってコンピューティングデバイスに機能を実行させる命令を格納したメモリとを含む。本機能は、再生ゾーン内の再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させること、及び再生デバイスのマイクロホンによって検出された第2のオーディオ信号を示すデータを受信することを含む。第2のオーディオ信号は、再生デバイスによって再生された第1のオーディオ信号に対応する部分を含む。また、本機能は、第2のオーディオ信号及び再生デバイスの特性に基づいて再生ゾーンの音響特性を決定すること、再生ゾーンの音響特性に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及びオーディオ処理アルゴリズムと再生ゾーンの音響特性との関連付けをデータベースに記憶させることを含む。
【0028】
別の態様において、コンピューティングデバイスが提供される。コンピューティングデバイスは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能であってコンピューティングデバイスに機能を実行させる命令を格納したメモリとを含む。本機能は、再生ゾーン内の再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させること、及び(i)再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータと、(ii)再生デバイスのマイクロホンによって検出された第2のオーディオ信号を示すデータとを受信することを含む。第2のオーディオ信号は、再生デバイスによって再生されたオーディオ信号に対応する部分を含む。また、本機能は、第2のオーディオ信号及び再生デバイスの特性に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及び決定したオーディオ処理アルゴリズムと再生ゾーンの1つ又は複数の特性のうちの少なくとも1つとの関連付けをデータベースに記憶させることを含む。
【0029】
別の態様において、コンピューティングデバイスが提供される。コンピューティングデバイスは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能であって再生デバイスに機能を実行させる命令を格納したメモリとを含む。本機能は、(i)複数のオーディオ処理アルゴリズム及び(ii)複数の再生ゾーン特性のデータベースを保守することを含む。複数のオーディオ処理アルゴリズムのうちの各オーディオ処理アルゴリズムは、複数の再生ゾーン特性のうちの少なくとも1つの再生ゾーン特性に対応する。また、本機能は、再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータを受信すること、データに基づいてオーディオ処理アルゴリズムをデータベースにおいて特定すること、及び特定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータを送信することを含む。
【0030】
本明細書に記載の幾つかの例は、「ユーザ」及び/又は他の実体のような任意の主体によって行われる機能について言及するが、このことは単に例示目的であると理解されるべきである。特許請求の範囲は、特許請求の範囲自体の記載によって明示的に要請されない限り、そのような例示の主体の動作であることを要請するものと解釈されてはならない。当業者にとって、本開示には他の複数の実施形態が含まれることは理解されるであろう。
【0031】
II.動作環境の例
図1は、本明細書で開示されている1つ又は複数の実施形態で実施可能又は実装可能なメディア再生システム100の例示的な構成を示す。図示されるように、メディア再生システム100は、複数の部屋および空間、例えば、主寝室、オフィス、ダイニングルーム、およびリビングルームを有する例示的なホーム環境と関連付けられている。図1の例に示されるように、メディア再生システム100は、再生デバイス102−124、制御デバイス126および128、有線又は無線のネットワークルータ130を含む。
【0032】
更に、例示的なメディア再生システム100の異なる構成要素、および異なる構成要素がどのように作用してユーザにメディア体験を提供するかに関しての説明は、以下のセクションで述べられている。本明細書における説明は、概してメディア再生システム100を参照しているが、本明細書で述べられている技術は、図1に示されるホーム環境の用途に限定されるものではない。例えば、本明細書で述べられている技術は、マルチゾーンオーディオが望まれる環境、例えば、レストラン、モール、又は空港のような商業的環境、スポーツ用多目的車(SUV)、バス又は車のような車両、船、若しくはボード、飛行機などの環境において有益である。
【0033】
a.例示的な再生デバイス
図2は、図1のメディア再生システム100の再生デバイス102−124の1つ又は複数を構成する例示的な再生デバイス200の機能ブロック図を示す。再生デバイス200は、プロセッサ202、ソフトウェアコンポーネント204、メモリ206、オーディオ処理コンポーネント208、オーディオアンプ210、スピーカー212、マイクロホン220、およびネットワークインタフェース214を含んでもよい。ネットワークインタフェース214は、無線インタフェース216および有線インタフェース218を含む。ある場合では、再生デバイス200は、スピーカー212を含まないが、再生デバイス200を外部スピーカーに接続するためのスピーカーインタフェースを含んでいてもよい。別の場合では、再生デバイス200は、スピーカー212もオーディオアンプ210も含まないが、再生デバイス200を外部オーディオアンプ又はオーディオビジュアルレシーバーに接続するためのオーディオインタフェースを含んでもよい。
【0034】
ある例では、プロセッサ202は、メモリ206に記憶された命令に基づいて、入力データを処理するように構成されたクロック駆動コンピュータコンポーネントであってもよい。メモリ206は、プロセッサ202によって実行可能な命令を記憶するように構成された非一時的なコンピュータ読み取り可能記録媒体であってもよい。例えば、メモリ206は、ある機能を実行するためにプロセッサ202によって実行可能なソフトウェアコンポーネント204の1つ又は複数をロードすることができるデータストレージであってもよい。ある例では、機能は、再生デバイス200がオーディオソース又は別の再生デバイスからオーディオデータを読み出すステップを含んでもよい。別の例では、機能は、再生デバイス200がネットワーク上の別のデバイス又は再生デバイスにオーディオデータを送信するステップを含んでもよい。更に別の例では、機能は、マルチチャンネルオーディオ環境を作るために、再生デバイス200と1つ又は複数の再生デバイスとをペアリングするステップを含んでもよい。
【0035】
ある機能は、再生デバイス200が、1つ又は複数の他の再生デバイスと、オーディオコンテンツの再生を同期するステップを含む。再生を同期している間、再生デバイス200によるオーディオコンテンツの再生と1つ又は複数の他の再生デバイスによる再生との間の遅延を、リスナーが気づかないことが好ましい。「複数の独立クロックデジタルデータ処理デバイス間の動作を同期するシステムおよび方法」と題する米国特許第8,234,395号が本明細書に参照として援用されており、それは再生デバイス間のオーディオ再生を同期することが述べられたより詳細な例を提供している。
【0036】
更に、メモリ206は、データを記憶するように構成されていてもよい。データは、例えば、1つ又は複数のゾーンおよび/又はゾーングループに一部として含まれる再生デバイス200などの再生デバイス200、再生デバイス200によりアクセス可能なオーディオソース、又は再生デバイス200(又は他の再生デバイス)と関連付け可能な再生キュー、に関連付けられている。データは、定期的に更新され、再生デバイス200の状態を示す1つ又は複数の状態変数として記憶されてもよい。また、メモリ206は、メディアシステムの他のデバイスの状態と関連付けられたデータを含んでもよく、デバイス間で随時共有することによって、1つ又は複数のデバイスが、システムと関連するほぼ直近のデータを有してもよい。他の実施形態も可能である。
【0037】
オーディオ処理コンポーネント208は、とりわけ、1つ又は複数のデジタル−アナログ変換器(DAC)、アナログ−デジタル変換器(ADC)、オーディオ処理コンポーネント、オーディオ強化コンポーネント、及びデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を含んでいてもよい。ある実施形態では、1つ又は複数のオーディオ処理コンポーネント208は、プロセッサ202のサブコンポーネントであってもよい。ある実施形態では、オーディオコンテンツが、オーディオ処理コンポーネント208によって処理および/又は意図的に変更されることによって、オーディオ信号を生成してもよい。生成されたオーディオ信号は、オーディオアンプ210に送信され、増幅され、スピーカー212を通じて再生される。特に、オーディオアンプ210は、1つ又は複数のスピーカー212を駆動できるレベルまでオーディオ信号を増幅するように構成されたデバイスを含んでもよい。スピーカー212は、独立した変換器(例えば、「ドライバ」)又は1つ又は複数のドライバを内包する筐体を含む完全なスピーカーシステムを備えてもよい。スピーカー212に備えられたあるドライバは、例えば、サブウーファー(例えば、低周波用)、ミドルレンジドライバ(例えば、中間周波用)、および/又はツイーター(高周波用)を含んでもよい。ある場合では、1つ又は複数のスピーカー212のそれぞれの変換器は、オーディオアンプ210の対応する個々のオーディオアンプによって駆動されてもよい。再生デバイス200で再生するアナログ信号を生成することに加えて、オーディオ処理コンポーネント208は、オーディオコンテンツを処理し、そのオーディオコンテンツを1つ又は複数の他の再生デバイスに再生させるために送信する。
【0038】
再生デバイス200によって処理および/又は再生されるオーディオコンテンツは、外部ソース、例えば、オーディオライン−イン入力接続(例えば、オートディテクティング3.5mmオーディオラインイン接続)又はネットワークインタフェース214を介して、受信されてもよい。
【0039】
マイクロホン220は、検出されたサウンドを電気信号に変換するように構成されたオーディオセンサを含んでもよい。電気信号は、オーディオ処理コンポーネント208及び/又はプロセッサ202によって処理されうる。マイクロホン220は、再生デバイス200における1つ又は複数の位置において1つ又は複数の向きに配置されうる。マイクロホン220は、1つ又は複数の周波数レンジ内のサウンドを検出するように構成されうる。ある場合では、1つ又は複数のマイクロホン220は、再生デバイス200が可能であるか又はレンダリングしているオーディオの周波数レンジ内のサウンドを検出するように構成されうる。別の場合では、1つ又は複数のマイクロホン220は、人間の可聴周波数レンジ内のサウンドを検出するように構成されてもよい。他の例もまた可能である。
【0040】
ネットワークインタフェース214は、データネットワーク上で再生デバイス200と1つ又は複数の他のデバイスとの間のデータフローを可能にするように構成されてもよい。このように、再生デバイス200は、再生デバイスと通信する1つ又は複数の他の再生デバイス、ローカルエリアネットワーク内のネットワークデバイス、又は例えば、インターネット等のワイドエリアネットワーク上のオーディオコンテンツソースから、データネットワークを介してオーディオコンテンツを受信するように構成されていてもよい。ある例では、再生デバイス200によって送信および受信されたオーディオコンテンツおよび他の信号は、インターネットプロトコル(IP)に基づくソースアドレスおよびIPに基づく宛先アドレスを含むデジタルパケットの形で送信されてもよい。そのような場合、ネットワークインタフェース214は、デジタルパケットデータを解析することによって、再生デバイス200宛てのデータを、再生デバイス200によって適切に受信して処理することができる。
【0041】
図示されるように、ネットワークインタフェース214は、無線インタフェース216と有線インタフェース218とを含んでもよい。無線インタフェース216は、再生デバイス200用のネットワークインタフェース機能を提供し、通信プロトコル(例えば、無線規格IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.15、4Gモバイル通信基準などを含む無線基準(規格)のいずれか)に基づいて、他のデバイス(例えば、再生デバイス200に関連付けられたデータネットワーク内の他の再生デバイス、スピーカー、レシーバー、ネットワークデバイス、制御デバイス)と無線通信してもよい。有線インタフェース218は、再生デバイス200用のネットワークインタフェース機能を提供し、通信プロトコル(例えば、IEEE802.3)に基づいて他のデバイスとの有線接続を介して通信してもよい。図2に示されるネットワークインタフェース214は、無線インタフェース216と有線インタフェース218との両方を含んでいるが、ネットワークインタフェース214は、ある実施形態において、無線インタフェースのみか、又は有線インタフェースのみを含んでいてもよい。
【0042】
ある例では、再生デバイス200と他の再生デバイスとは、ペアにされて、オーディオコンテンツの2つの別々のオーディオコンポーネントを再生してもよい。例えば、再生デバイス200は、左チャンネルオーディオコンポーネントを再生するように構成される一方、他の再生デバイスは、右チャンネルオーディオコンポーネントを再生するように構成されてもよい。これにより、オーディオコンテンツのステレオ効果を生成するか、又は強化することができる。ペアにされた再生デバイス(「結合再生デバイス」とも言う)は、更に、他の再生デバイスと同期してオーディオコンテンツを再生してもよい。
【0043】
別の例では、再生デバイス200は、1つ又は複数の他の再生デバイスと音響的に統合され、単一の統合された再生デバイス(統合再生デバイス)を形成してもよい。統合再生デバイスは、統合されていない再生デバイス又はペアにされた再生デバイスと比べて、サウンドの処理や再現を異なるように構成することができる。なぜならば、統合再生デバイスは、オーディオコンテンツを再生するスピーカー追加することができるからである。例えば、再生デバイス200が、低周波レンジのオーディオコンテンツを再生するように設計されている場合(例えば、サブウーファー)、再生デバイス200は、全周波数レンジのオーディオコンテンツを再生するように設計された再生デバイスと統合されてもよい。この場合、全周波数レンジの再生デバイスは、低周波の再生デバイス200と統合されたとき、オーディオコンテンツの中高周波コンポーネントのみを再生するように構成されてもよい。一方で低周波レンジの再生デバイス200は、オーディオコンテンツの低周波コンポーネントを再生する。更に、統合再生デバイスは、単一の再生デバイス、又は更に他の統合再生デバイスとペアにされてもよい。
【0044】
例として、現在、ソノズ・インコーポレイテッドは、「PLAY:1」、「PLAY:3」、「PLAY:5」、「PLAYBAR」、「CONNECT:AMP」、「CONNECT」、および「SUB」を含む再生デバイスを販売提供している。他の過去、現在、および/又は将来のいずれの再生デバイスにおいても、追加的に又は代替的に本明細書で開示された実施例の再生デバイスに実装して使用することができる。更に、再生デバイスは、図2に示された特定の例又は提供されるソノズ製品に限定されないことは理解される。例えば、再生デバイスは、有線又は無線のヘッドホンを含んでもよい。別の例では、再生デバイスは、パーソナルモバイルメディア再生デバイス用のドッキングステーションを含むか、又は、それらと対話してもよい。更に別の例では、再生デバイスは、別のデバイス又はコンポーネント、例えば、テレビ、照明器具、又は屋内又は屋外で使用するためのいくつかの他のデバイスと一体化されてもよい。
【0045】
b.例示的な再生ゾーン構成
図1のメディア再生システム100に戻って、環境は、1つ又は複数の再生ゾーンを有しており、それぞれの再生ゾーンは1つ又は複数の再生デバイスを含んでいる。メディア再生システム100は、1つ又は複数の再生ゾーンで形成されており、後で1つ又は複数のゾーンが追加又は削除して、図1に示す例示的な構成としてもよい。それぞれのゾーンは、異なる部屋又は空間、例えば、オフィス、浴室、主寝室、寝室、キッチン、ダイニングルーム、リビングルーム、および/又はバルコニーに基づく名前が与えられてもよい。ある場合では、単一の再生ゾーンは複数の部屋又は空間を含んでいてもよい。別の場合では、単一の部屋又は空間は、複数の再生ゾーンを含んでいてもよい。
【0046】
図1に示されるように、バルコニー、ダイニングルーム、キッチン、浴室、オフィス、および寝室のゾーンのそれぞれは、1つの再生デバイスを有する一方、リビングルームおよび主寝室のゾーンのそれぞれは、複数の再生デバイスを有する。リビングルームゾーンは、再生デバイス104、106、108、および110が、別々の再生デバイスとしてか、1つ又は複数の結合再生デバイスとしてか、1つ又は複数の統合再生デバイスとしてか、又はこれらのいずれかの組み合わせで、オーディオコンテンツを同期して再生するように構成されてもよい。同様に、主寝室の場合では、再生デバイス122および124が、別々の再生デバイスとしてか、結合再生デバイスとしてか、又は統合再生デバイスとして、オーディオコンテンツを同期して再生するように構成されてもよい。
【0047】
ある例では、図1の環境における1つ又は複数の再生ゾーンは、それぞれ異なるオーディオコンテンツを再生している。例えば、ユーザは、バルコニーゾーンでグリルしながら、再生デバイス102によって再生されるヒップホップ音楽を聞くことができる。一方、別のユーザは、キッチンゾーンで食事を準備しながら、再生デバイス114によって再生されるクラシック音楽を聞くことができる。別の例では、再生ゾーンは、同じオーディオコンテンツを別の再生ゾーンと同期して再生してもよい。例えば、ユーザがオフィスゾーンにいる場合、オフィスゾーンの再生デバイス118が、バルコニーの再生デバイス102で再生されている音楽と同じ音楽を再生してもよい。そのような場合、再生デバイス102および118は、ロック音楽を同期して再生しているため、ユーザは、異なる再生ゾーン間を移動してもアウト−ラウドで再生されるオーディオコンテンツをシームレス(又は少なくともほぼシームレス)に楽しむことができる。再生ゾーン間の同期は、前述の米国特許第8,234,395号で述べられているような再生デバイス間の同期と同様の方法で行ってもよい。
【0048】
上述したように、メディア再生システム100のゾーン構成は、動的に変更してもよく、ある実施形態では、メディア再生システム100は、複数の構成をサポートする。例えば、ユーザが1つ又は複数の再生デバイスを、物理的にゾーンに移動させるか、又はゾーンから移動させる場合、メディア再生システム100は変更に対応するように再構成されてもよい。例えば、ユーザが再生デバイス102をバルコニーゾーンからオフィスゾーンに物理的に移動させる場合、オフィスゾーンは、再生デバイス118と再生デバイス102との両方を含んでもよい。必要に応じて、制御デバイス、例えば制御デバイス126と128とを介して、再生デバイス102が、ペアにされるか、又はオフィスゾーンにグループ化されるか、および/又はリネームされてもよい。一方、1つ又は複数の再生デバイスが、再生ゾーンを未だ設定していないホーム環境において、ある領域に移動させられた場合、新しい再生ゾーンがその領域に形成されてもよい。
【0049】
更に、メディア再生システム100の異なる再生ゾーンは、動的にゾーングループに組み合わされてもよいし、又は別々の再生ゾーンに分割されてもよい。例えば、ダイニングルームゾーンとキッチンゾーン114とがディナーパーティ用のゾーングループに組み合わされることによって、再生デバイス112と114とがオーディオコンテンツを同期して再生することができる。一方、あるユーザがテレビを見たい一方、他のユーザがリビングルーム空間の音楽を聞きたい場合、リビングルームゾーンが、再生デバイス104を含むテレビゾーンと、再生デバイス106、108および110を含むリスニングゾーンと、に分けられてもよい。
【0050】
c.例示的な制御デバイス
図3は、メディア再生システム100の制御デバイス126と128とうちの一方又は両方を構成する例示的な制御デバイス300の機能ブロック図を示す。図示されるように、制御デバイス300は、プロセッサ302、メモリ304、ネットワークインタフェース306、ユーザインタフェース308、及びマイクロホン310を含んでもよい。ある例では、制御デバイス300は、メディア再生システム100専用の制御デバイスであってもよい。別の例では、制御デバイス300は、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアをインストールされたネットワークデバイス、例えば、iPhone(登録商標)、iPad(登録商標)、又は任意の他のスマートフォン、タブレットあるいはネットワークデバイス(例えば、PC又はMac(登録商標)などのネットワークコンピュータ)であってもよい。
【0051】
プロセッサ302は、メディア再生システム100のユーザアクセス、コントロール、および構成を可能にすることに関する機能を実行するように構成されてもよい。メモリ304は、プロセッサ302によって実行可能な命令を記憶し、それらの機能を実行するように構成されていてもよい。また、メモリ304は、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアと、メディア再生システム100とユーザとに関連付けられた他のデータを記憶するように構成されていてもよい。
【0052】
マイクロホン310は、検出されたサウンドを電気信号に変換するように構成されたオーディオセンサを含んでもよい。電気信号は、プロセッサ302によって処理されうる。ある場合では、制御デバイス300が音声通信又は音声録音のための手段として使用されることもできるデバイスである場合、1つ又は複数のマイクロホン310は、それらの機能を容易にするマイクロホンであってもよい。例えば、1つ又は複数のマイクロホン310は、人間が生成可能な周波数レンジ及び/又は人間の可聴周波数レンジ内のサウンドを検出するように構成されうる。他の例もまた可能である。
【0053】
ある例では、ネットワークインタフェース306は、工業規格(例えば、赤外線、無線、IEEE802.3などの有線規格、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.15などの無線規格、4G通信規格など)に基づいてもよい。ネットワークインタフェース306においては、制御デバイス300がメディア再生システム100内の他のデバイスと通信するための手段を提供してもよい。ある例では、データおよび情報(例えば、状態変数)は、ネットワークインタフェース306を介して制御デバイス300と他のデバイスとの間で通信されてもよい。例えば、メディア再生システム100における再生ゾーンおよびゾーングループの構成は、制御デバイス300によって、再生デバイス又は別のネットワークデバイスから受信されてもよいし、あるいは制御デバイス300によって、ネットワークインタフェース306を介して別の再生デバイス又はネットワークデバイスに送信されてもよい。ある場合では、他のネットワークデバイスは、別の制御デバイスであってもよい。
【0054】
ボリュームコントロールおよびオーディオ再生コントロールなどの再生デバイス制御コマンドは、ネットワークインタフェース306を介して制御デバイス300から再生デバイスに通信されてもよい。上述したように、メディア再生システム100の構成の変更は、ユーザにより制御デバイス300を用いて行うことができる。構成の変更は、1つ又は複数の再生デバイスをゾーンに追加すること、1つ又は複数の再生デバイスをゾーンから取り除くこと、1つ又は複数のゾーンをゾーングループに追加すること、1つ又は複数のゾーンをゾーングループから取り除くこと、結合プレーヤー又は統合プレーヤーを形成すること、結合プレーヤー又は統合プレーヤーから1つ又は複数の再生デバイスに分けることなどを含んでもよい。このように、制御デバイス300は、コントローラと呼ばれてもよく、制御デバイス300は、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアをインストールした専用のコントローラか、又はネットワークデバイスであってもよい。
【0055】
制御デバイス300のユーザインタフェース308は、図4に示されるコントローラインタフェース400などのようなコントローラインタフェースを提供することによって、メディア再生システム100のユーザアクセスおよび制御を可能にするように構成されていてもよい。コントローラインタフェース400は、再生制御領域410、再生ゾーン領域420、再生ステータス領域430、再生キュー領域440、およびオーディオコンテンツソース領域450を含む。図示されるユーザインタフェース400は、図3の制御デバイス300などのようなネットワークデバイス(および/又は図1の制御デバイス126および128)を設けられたユーザインタフェースの単なる一例であって、ユーザによってメディア再生システム100などのようなメディア再生システムを制御するためにアクセスされるものである。あるいは、様々なフォーマット、スタイル、および対話型シーケンスを他のユーザのインタフェースを1つ又は複数のネットワークデバイスに実装し、メディア再生システムへ類似の制御アクセスを提供してもよい。
【0056】
再生制御領域410は、(例えば、タッチ又はカーソルを用いることで)選択可能なアイコンを含んでもよい。このアイコンによって、選択された再生ゾーン又はゾーングループ内の再生デバイスが、再生又は停止、早送り、巻き戻し、次にスキップ、前にスキップ、シャッフルモードのオン/オフ、リピートモードのオン/オフ、クロスフェードモードのオン/オフを行う。再生制御領域410は、別の選択可能なアイコンを含んでもよい。別の選択可能なアイコンは、イコライゼーション設定、再生ボリュームなど他の設定などを変更してもよい。
【0057】
再生ゾーン領域420は、メディア再生システム100内の再生ゾーンの表示を含んでもよい。ある実施形態では、再生ゾーンのグラフィック表示が選択可能であってもよい。追加の選択可能なアイコンを移動させることによって、メディア再生システム内の再生ゾーンを管理又は構成することができる。例えば、結合ゾーンの作成、ゾーングループの作成、ゾーングループの分割、およびゾーングループのリネームなど他の管理又は構成を行うことができる。
【0058】
例えば、図示されるように、「グループ」アイコンは、再生ゾーンのグラフィック表示のそれぞれに設けられてもよい。あるゾーンのグラフィック表示内の「グループ」アイコンは、メディア再生システム内の1つ又は複数のゾーンを選択して、あるゾーンとグループ化するオプションを出せるように選択可能であってもよい。一度グループ化すると、あるゾーンとグループ化されたゾーン内の再生デバイスは、あるゾーン内の再生デバイスと同期してオーディオコンテンツを再生するように構成される。同様に、「グループ」アイコンは、ゾーングループのグラフィック表示内に設けられてもよい。この場合、「グループ」アイコンは、ゾーングループ内の1つ又は複数のゾーンをゾーングループから取り除くために、ゾーングループ内の1つ又は複数のゾーンを選択から外すというオプションを出すように選択可能であってもよい。ユーザインタフェース400等のユーザインタフェースを介してゾーンをグループ化およびグループ解除するための他の対話をすることも可能であるし、実施することも可能である。再生ゾーン領域420内の再生ゾーンの表示は、再生ゾーン又はゾーングループ構成が変更されると、動的に更新されてもよい。
【0059】
再生ステータス領域430は、現在再生されているオーディオコンテンツ、前に再生されたオーディオコンテンツ、又は選択された再生ゾーン又はゾーングループ内で次に再生するように予定されているオーディオコンテンツ、のグラフィック表示を含んでもよい。選択可能な再生ゾーン又は再生グループは、ユーザインタフェース上で、例えば、再生ゾーン領域420および/又は再生ステータス領域430内で視覚的に区別されてもよい。グラフィック表示は、トラックタイトル、アーティスト名、アルバム名、アルバム年、トラックの長さ、およびメディア再生システムを、ユーザインタフェース400を介して制御するときに、ユーザにとって有益な他の関連情報を含んでいてもよい。
【0060】
再生キュー領域440は、選択された再生ゾーン又はゾーングループと関連付けられた再生キュー内のオーディオコンテンツのグラフィック表示を含んでもよい。ある実施形態では、それぞれの再生ゾーン又はゾーングループは、再生ゾーン又は再生グループによって再生される0以上のオーディオアイテムに対応する情報を含む再生キューと関連付けられていてもよい。例えば、再生キュー内のそれぞれのオーディオアイテムは、ユー・アール・アイ(URI)、ユー・アール・エル(URL)、又は再生ゾーン又はゾーングループ内の再生デバイスによって使用可能な他の識別子を含んでいてもよい。これらによって、ローカルオーディオコンテンツソース又はネットワークオーディオコンテンツソース、からオーディオアイテムを見つけ、および/又は取り出し、再生デバイスによって再生することができる。
【0061】
ある例では、プレイリストが再生キューに追加されてもよい。この場合、プレイリスト内のそれぞれのオーディオアイテムに対応する情報が再生キューに追加されてもよい。別の例では、再生キュー内のオーディオアイテムは、プレイリストとして保存されてもよい。更に別の例では、再生デバイスがストリーミングオーディオコンテンツ、例えば、再生時間を有することで連続して再生されないオーディオアイテムよりも、停止しない限り連続して再生されるインターネットラジオを再生し続けているとき、再生キューは、空であってもよいし、又は「未使用」であるが埋められていてもよい。別の実施形態では、再生キューは、インターネットラジオおよび/又は他のストリーミングオーディオコンテンツアイテムを含むことができ、且つ再生ゾーン又はゾーングループがそれらのアイテムを再生しているとき「未使用」とすることができる。他の例も可能である。
【0062】
再生ゾーン又はゾーングループが「グループ化される」か、又は「グループ解除」されるとき、影響を受ける再生ゾーン又はゾーングループに関連付けられた再生キューは、クリアされてもよいし、又は再び関連付けられてもよい。例えば、第1再生キューを含む第1再生ゾーンが、第2再生キューを含む第2再生ゾーンとグループ化された場合、形成されたゾーングループは、関連付けられた再生キューを有していてもよい。関連付けられた再生キューは、最初は空であるか、(例えば、第2再生ゾーンが第1再生ゾーンに追加された場合、)第1再生キューのオーディオアイテムを含むか、(例えば、第1再生ゾーンが第2再生ゾーンに追加された場合、)第2再生キューのオーディオアイテムを含むか、又は第1再生キューと第2再生キューとの両方のオーディオアイテムを組み合わせられる。その後、形成されたゾーングループがグループ解除された場合、グループ解除された第1再生ゾーンは、前の第1再生キューと再び関連付けられてもよいし、空の新しい再生キューと関連付けられてもよいし、あるいはゾーングループがグループ解除される前にゾーングループと関連付けられていた再生キューのオーディオアイテムを含む新しい再生キューと関連付けられてもよい。同様に、グループ解除された第2再生ゾーンは、前の第2再生キューと再び関連付けられてもよいし、空の新しい再生キューと関連付けられてもよいし、あるいはゾーングループがグループ解除される前にゾーングループと関連付けられていた再生キューのオーディオアイテムを含む新しい再生キューと関連付けられてもよい。
【0063】
図4のユーザインタフェース400に戻って、再生キュー領域440内のオーディオコンテンツのグラフィック表示は、トラックタイトル、アーティスト名、トラックの長さ、および再生キュー内のオーディオコンテンツと関連付けられた他の関連情報を含んでいてもよい。ある例では、オーディオコンテンツのグラフィック表示は、追加の選択可能なアイコンを選択して移動させることができる。これにより、再生キューおよび/又は再生キューに表示されたオーディオコンテンツを管理および/又は操作することができる。例えば、表示されたオーディオコンテンツは、再生キューから取り除いてもよいし、再生キュー内の異なる位置に移動させてもよいし、すぐに再生させるか若しくは現在再生しているオーディオコンテンツの後に再生するように選択されてもよいし、あるいは他の動作を実行してもよい。再生ゾーン又はゾーングループに関連付けられた再生キューは、再生ゾーン又はゾーングループ内の1つ又は複数の再生デバイスのメモリ、再生ゾーン又はゾーングループに入っていない再生デバイスのメモリ、および/又は他の指定のデバイスのメモリに記憶されていてもよい。
【0064】
オーディオコンテンツソース領域450は、選択可能なオーディオコンテンツソースのグラフィック表示を含んでいてもよい。このオーディオコンテンツソースにおいては、オーディオコンテンツが選択された再生ゾーン又はゾーングループによって取り出され、再生されてもよい。オーディオコンテンツソースに関する説明は、以降のセクションを参照することができる。
【0065】
d.例示的なオーディオコンテンツソース
前回図示したように、ゾーン又はゾーングループ内の1つ又は複数の再生デバイスは、再生するオーディオコンテンツを、(例えば、オーディオコンテンツの対応するURI又はURLに基づいて、)複数の入手可能なオーディオコンテンツソースから取り出すように構成されていてもよい。ある例では、オーディオコンテンツは、再生デバイスによって、対応するオーディオコンテンツソース(例えば、ライン−イン接続)から直接取り出されてもよい。別の例では、オーディオコンテンツは、1つ又は複数の他の再生デバイス若しくはネットワークデバイスを介してネットワーク上の再生デバイスに提供されてもよい。
【0066】
例示的なオーディオコンテンツソースは、メディア再生システム内の1つ又は複数の再生デバイスのメモリを含んでもよい。メディア再生システムとしては、例えば、図1のメディア再生システム100、1つ又は複数のネットワークデバイス上のローカルミュージックライブラリ(例えば、制御デバイス、ネットワーク対応のパーソナルコンピュータ、又はネットワーク接続ストレージ(NAS)など)、インターネット(例えば、クラウド)を介してオーディオコンテンツを提供するストリーミングオーディオサービス、あるいは再生デバイス又はネットワークデバイスのライン−イン入力接続を介してメディア再生システムに接続されるオーディオソース、他の可能なシステムであってもよい。
【0067】
ある実施形態では、オーディオコンテンツソースは、図1のメディア再生システム100などのようなメディア再生システムに定期的に追加されてもよいし、定期的に取り除かれてもよい。ある例では、1つ又は複数のオーディオコンテンツソースが追加される、取り除かれる、又は更新される度に、オーディオアイテムのインデックス付けが行われてもよい。オーディオアイテムのインデックス付けは、ネットワーク上で共有される全てのフォルダ/ディレクトリ内の識別可能なオーディオアイテムをスキャンすることを含んでもよい。ここで、ネットワークは、メディア再生システム内の再生デバイスによってアクセス可能である。また、オーディオアイテムのインデックス付けは、メタデータ(例えば、タイトル、アーティスト、アルバム、トラックの長さなど)と他の関連情報とを含むオーディオコンテンツデータベースを作成すること、又は更新すること、を含んでもよい。他の関連情報とは、例えば、それぞれの識別可能なオーディオアイテムを見つけるためのURI又はURLを含んでもよい。オーディオコンテンツソースを管理し、且つ維持するための他の例も可能である。
【0068】
再生デバイス、制御デバイス、再生ゾーン構成、およびメディアコンテンツソースに関しての上述した説明は、以降で述べられている機能および方法を実施可能ないくつかの例示的な動作環境のみを提供している。本発明は、本明細書で明示的に述べられていないメディア再生システム、再生デバイス、およびネットワークデバイスの他の動作環境および構成であっても適用可能であり、その機能および方法を実施するのに適している。
【0069】
III.信号処理アルゴリズムのデータベースの保守
上述したように、本明細書で説明される幾つかの例は、オーディオ処理アルゴリズムのデータベースを保守することに関連する。幾つかの場合において、データベースの保守は、さらに、データベースについてのオーディオ処理アルゴリズムのエントリを生成及び/又は更新することを含んでもよい。データベースにおけるオーディオ処理アルゴリズムのそれぞれは、再生ゾーンの1つ又は複数の特性に対応することができる。ある例では、再生ゾーンの1つ又は複数の特性は、再生ゾーンの音響特性を含んでもよい。以下の説明は、一般に、データベース内のエントリとして記憶されるオーディオ処理アルゴリズムを決定することに関する。しかし、当業者は、類似の機能がデータベース内の既存のエントリを更新するために実行されてもよいことを理解するであろう。データベースにアクセスして、特定の再生ゾーンにおけるオーディオコンテンツを再生するときに、再生デバイスが適用するオーディオ処理アルゴリズムを特定することができる。
【0070】
a.オーディオ処理アルゴリズム及び再生ゾーンの対応する音響特性の例示的データベース
図5は、オーディオ処理アルゴリズム及び再生ゾーン音響特性のデータベースを保守する方法500の例示的なフロー図を示している。上述したように、オーディオ処理アルゴリズムのデータベースを保守することは、データベースに記憶されるオーディオ処理アルゴリズムを決定することを含んでもよい。図5に示される方法500は、例えば、図1のメディア再生システム100、図2の1つ又は複数の再生デバイス200、及び図3の1つ又は複数の制御デバイス300を含む動作環境内で実施されうる方法の実施形態を表している。ある例では、方法500は、メディア再生システム100などのメディア再生システムと通信するコンピューティングデバイスによって実行されうる。別の例では、方法500の幾つか又は全ての機能は、代替的に、1つ又は複数のサーバ、1つ又は複数の再生デバイス、及び/又は1つ又は複数のコントローラデバイスなどの1つ又は複数の他のコンピューティングデバイスによって実行されてもよい。
【0071】
方法500は、ブロック502−510の1つ又は複数によって構成されるように、1つ又は複数の操作、機能、又は動作を含んでもよい。ブロックはそれぞれ順番に示されているが、これらのブロックは並行して行われてもよいし、および/又は、本明細書で述べられている順番と異なる順番で行われてもよい。また、所望の実施内容に応じて、ブロックを少なくしてもよいし、増やして分割してもよいし、および/又は取り除いてもよい。さらに、フローチャートは、方法500並びに本明細書で開示されている他の処理および方法に関して、本実施形態の実施可能な機能および動作の例を示している。これに関して、各ブロックは、プロセッサによって実行されるとプロセスにおける特定のロジカル機能又はステップを実行させる1つ又は複数の命令を記憶した、モジュール、セグメント、あるいはプログラムコードの一部を示していてもよい。プログラムコードは例えば、ディスク又はハードドライブを含む記憶デバイスなど、任意のタイプのコンピュータ読み取り可能記録媒体に記憶されてもよい。
【0072】
コンピュータ読み取り可能記録媒体は、非一時的なコンピュータ読み取り可能記録媒体、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダム・アクセス・メモリ(RAM)などのように短時間データを記憶するコンピュータ読み取り可能媒体を含んでもよい。コンピュータ読み取り可能媒体は、非一時的なメディア、例えば、リード・オンリ・メモリ(ROM)、光ディスク、磁気ディスク、コンパクトディスク・リード・オンリ・メモリ(CD−ROM)等の長期間の記憶が可能な二次記憶装置又は永続記憶装置を含んでもよい。コンピュータ読み取り可能媒体は、その他の任意の揮発性記憶システム又は不揮発性記憶システムであってもよい。コンピュータ読み取り可能媒体は例えば、コンピュータ読み取り可能記録媒体、即ち、有形の記憶デバイスとみなされてもよい。また、方法500並びに本明細書に開示されたその他の処理および方法において、各ブロックは回路を示していてもよく、その回路は処理において、ある論理機能を実行するために有線接続されている。
【0073】
図5に示されるように、方法500は、コンピューティングデバイスにより、再生ゾーン内の再生デバイスに、第1のオーディオ信号を再生させ(ブロック502)、再生デバイスのマイクロホンによって検出された第2のオーディオ信号を示すデータを受信し(ブロック504)、第2のオーディオ信号及び再生デバイスの特性に基づいて、再生ゾーンの音響特性を決定し(ブロック506)、再生ゾーンの音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定し(ブロック508)、オーディオ処理アルゴリズムと再生ゾーンの音響特性との関連付けをデータベースに記憶させる(ブロック510)。
【0074】
前述したように、データベースにアクセスして、再生ゾーンにおけるオーディオコンテンツの再生時に再生デバイスが適用するオーディオ処理アルゴリズムを、特定することができる。そのため、ある例では、方法500は、様々な異なる再生ゾーンについて実行されて、様々な異なる再生環境に対応するオーディオ処理アルゴリズムのデータベースが構築される。
【0075】
方法500は、ブロック502において、再生ゾーン内の再生デバイスに、第1のオーディオ信号を再生させることを含む。再生デバイスは、図2に示される再生デバイス200と同様の再生デバイスであってもよい。ある場合では、コンピューティングデバイスは、第1のオーディオ信号を再生させるコマンドを送信することによって、再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させてもよい。別の場合では、コンピューティングデバイスは、再生されるべき第1のオーディオ信号を再生デバイスに提供してもよい。
【0076】
ある例では、第1のオーディオ信号は、再生ゾーンの音響応答を決定するために使用されてもよい。そのため、第1のオーディオ信号は、ユーザによる通常使用中に再生デバイスによって再生されうるオーディオコンテンツを表す検査信号又は測定信号であってもよい。したがって、第1のオーディオ信号は、再生デバイスのレンダリング可能な周波数レンジ又は人間の可聴周波数レンジを実質的にカバーする周波数を有するオーディオコンテンツを含んでもよい。
【0077】
ある例では、再生ゾーンは、再生デバイスがユーザによる通常使用中にオーディオコンテンツを再生することができる複数の再生環境のうちの1つを表す再生ゾーンであってもよい。図1を参照すると、再生ゾーンは、メディア再生システム100における異なる部屋及びゾーングループのうちのいずれか1つを表すことができる。例えば、再生ゾーンは、ダイニングルームを表していてもよい。
【0078】
ある例では、再生ゾーンは、再生デバイスがオーディオコンテンツを再生することができるリスニング環境をシミュレートするために構築されたモデル再生ゾーンであってもよい。ある例では、再生ゾーンは、複数の再生環境をシミュレートするために構築された複数の再生ゾーンのうちの1つであってもよい。複数の再生ゾーンは、そのようなオーディオ処理アルゴリズムのデータベースを作成する目的のために構築されてもよい。そのような場合、再生ゾーンの特定の特性は、予め決められていてもよいし及び/又は公知のものであってもよい。例えば、いくつかある可能性の中でも特に、再生ゾーンの寸法、再生ゾーンの床材若しくは壁材(又は再生ゾーンのオーディオ反射特性に影響を与えることがある他の特徴)、再生ゾーン内の家具の数、又は再生ゾーン内の家具のサイズ及び種類は、予め決められた及び/又は公知の再生ゾーンの特性であってもよい。
【0079】
別の場合では、再生ゾーンは、再生デバイスのユーザの家庭内の部屋であってもよい。例えば、データベースの構築の一部として、顧客及び/又は試験者などの再生デバイスのユーザは、ユーザの再生デバイスを使用して、方法500の機能を実行してデータベースを構築するように要請されることがある。幾つかの場合において、ユーザ再生ゾーンの特定の特性は不明であってもよい。幾つかの他の場合において、ユーザ再生ゾーンの特定の特性の一部又は全てがユーザによって提供されてもよい。方法500の機能を実行することによって作成されたデータベースは、シミュレートされた再生ゾーン及び/又はユーザ再生ゾーンに基づくエントリを含んでもよい。
【0080】
ブロック502はコンピューティングデバイスを含み、そのコンピューティングデバイスは、再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させる。しかし、当業者は、再生デバイスによる第1のオーディオ信号の再生が、必ずしもコンピューティングデバイスによって引き起こされるか又は開始されなくてもよいことを理解するであろう。例えば、コントローラデバイスは、再生デバイスにコマンドを送信して、再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させてもよい。別の例において、再生デバイスは、コンピューティングデバイス又はコントローラからコマンドを受信することなく、第1のオーディオ信号を再生してもよい。他の例もまた可能である。
【0081】
方法500は、ブロック504において、再生デバイスのマイクロホンによって検出された第2のオーディオ信号を示すデータを受信することを含む。上述したように、再生デバイスは、図2に示される再生デバイス200と同様の再生デバイスであってもよい。そのため、マイクロホンは、マイクロホン220であってもよい。ある例では、コンピューティングデバイスは、再生デバイスからデータを受信してもよい。別の例において、コンピューティングデバイスは、他の再生デバイス、コントローラデバイス又は他のサーバを介してデータを受信してもよい。
【0082】
再生デバイスが第1のオーディオ信号を再生しているとき又はその後まもなく、再生デバイスのマイクロホンは、第2のオーディオ信号を検出してもよい。第2のオーディオ信号は、再生ゾーン内に存在する検出可能なオーディオ信号を含んでもよい。例えば、第2のオーディオ信号は、再生デバイスによって再生された第1のオーディオ信号に対応する部分を含んでもよい。
【0083】
ある例では、マイクロホンが第2のオーディオ信号を検出するとき、コンピューティングデバイスは、メディアストリームとして、再生デバイスから検出された第2のオーディオ信号を示すデータを受信してもよい。別の例では、コンピューティングデバイスは、再生デバイスのマイクロホンによる第1のオーディオ信号の検出が完了すると、第2のオーディオ信号を示すデータを再生デバイスから受信してもよい。いずれの場合においても、再生デバイスは、(再生デバイス200のオーディオ処理コンポーネント208などのオーディオ処理コンポーネントを介して)検出された第2のオーディオ信号を処理して、第2のオーディオ信号を示すデータを生成し、コンピューティングデバイスにそのデータを送信してもよい。ある例では、第2のオーディオ信号を示すデータを生成することは、アナログ信号からデジタル信号に第2のオーディオ信号を変換することを含んでもよい。他の例もまた可能である。
【0084】
方法500は、ブロック506において、第2のオーディオ信号及び再生デバイスの特性に基づいて、再生ゾーンの音響特性を決定することを含む。上述したように、第2のオーディオ信号は、再生ゾーンにおいて再生デバイスによって再生された第1のオーディオ信号に対応する部分を含んでもよい。
【0085】
再生デバイスの特性は、再生デバイスの音響特性、再生デバイスの仕様(すなわち、トランスデューサの数、周波数レンジ、増幅器ワット数など)、及び再生デバイスのモデルのうちの1つ又は複数を含んでもよい。幾つかの場合において、再生デバイスの音響特性及び/又は再生デバイスの仕様は、再生デバイスのモデルと関連付けられてもよい。例えば、再生デバイスの特定のモデルは、実質的に同一の仕様及び音響特性を有してもよい。ある例では、再生デバイスのモデルのデータベース、再生デバイスのモデルの音響特性、及び/又は再生デバイスのモデルの仕様は、コンピューティングデバイス又はコンピューティングデバイスと通信する他のデバイス上で保守されうる。
【0086】
ある例では、再生ゾーン内で第1のオーディオ信号を再生する再生デバイスからの音響応答は、第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号との間の関係によって表すことができる。数学的に、第1のオーディオ信号がf(t)であり、第2のオーディオ信号がs(t)であり、且つ再生ゾーン内で第1のオーディオ信号を再生する再生デバイスの音響応答がh(t)である場合、下記式(1)になる。
【0087】
【数1】
そのため、再生デバイスのマイクロホンによって検出される第2のオーディオ信号s(t)及び再生デバイスによって再生された第1の信号f(t)が与えられると、h(t)を計算することができる。
【0088】
ある場合では、第1のオーディオ信号f(t)が再生デバイスによって再生されることから、音響応答h(t)は、(i)再生デバイスの音響特性及び(ii)再生デバイスとは独立した再生ゾーンの音響特性を含んでもよい。数学的に、この関係は、下記式(2)として表すことができる。
【0089】
【数2】
ここで、h(t)は、再生デバイスの音響特性であり、hroom(t)は、再生デバイスとは独立した再生ゾーンの音響特性である。そのため、再生デバイスとは独立した再生ゾーンの音響特性は、再生ゾーンの音響応答から再生デバイスによって再生された第1のオーディオ信号へと再生デバイスの音響特性を除去することによって決定されうる。換言すれば、下記式(3)になる。
【0090】
【数3】
【0091】
ある例では、再生デバイスの音響特性h(t)は、無響室において再生デバイス又は同一のモデルの代表的な再生デバイスを配置し、再生デバイスに無響室内で測定信号を再生させ、再生デバイスのマイクロホンによって応答信号を検出することによって、決定されうる。無響室において再生デバイスによって再生された測定信号は、上述した第1のオーディオ信号f(t)に類似していてもよい。例えば、測定信号は、再生デバイスのレンダリング可能な周波数レンジ又は人間の可聴周波数レンジを実質的にカバーする周波数を有するオーディオコンテンツを含むことができる。
【0092】
再生デバイスの音響特性h(t)は、再生された測定信号と検出された応答信号との間の関係を表すことができる。例えば、測定信号が特定の周波数において第1の信号の大きさを有し且つ検出された応答信号がその特定の周波数において第1の信号の大きさとは異なる第2の信号の大きさを有する場合、再生デバイスの音響特性h(t)は、特定の周波数において信号の増幅又は減衰を示すことができる。
【0093】
数学的に、測定信号がx(t)であり、検出された応答信号がy(t)であり且つ無響室における再生デバイスの音響特性がh(t)である場合、下記式(4)になる。
【0094】
【数4】
したがって、h(t)は、測定信号x(t)及び検出された応答信号y(t)に基づいて計算されうる。上述したように、h(t)は、無響室において使用されたものと同一のモデルの再生デバイスについての代表的な音響特性であってもよい。
【0095】
ある例では、上述したように、基準音響特性h(t)は、再生デバイスのモデル及び/又は再生デバイスの仕様と関連付けて記憶されてもよい。ある例では、h(t)は、コンピューティングデバイス上に格納されてもよい。別の例では、h(t)は、再生デバイス及び同一のモデルの他の再生デバイス上に格納されてもよい。さらなる場合において、h−1(t)として表されるh(t)の逆数は、h(t)の代わりに記憶されてもよい。
【0096】
したがって、ブロック506に戻って参照すると、再生ゾーンの音響特性hroom(t)は、第1のオーディオ信号f(t)、第2のオーディオ信号s(t)、及び再生デバイスの音響特性h(t)に基づいて決定されうる。ある例では、再生デバイスの音響特性の逆数h−1(t)を、式(2)に適用することができる。換言すれば、下記式(5)になる。
【0097】
【数5】
【0098】
ここで、I(t)は、インパルス信号である。そして、再生ゾーン時間の音響特性hroom(t)は、下記式(6)のように簡略化されうる。
【0099】
【数6】
【0100】
方法500は、ブロック506において、再生ゾーンの音響特性及び所定のオーディオ信号に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定することを含む。ある例では、オーディオ処理アルゴリズムが決定されて、再生ゾーンにおいて第1のオーディオ信号を再生するときの、決定したオーディオ処理アルゴリズムの再生デバイスによる適用により、所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有するか又は少なくともある程度所定のオーディオ特性を持つ第3のオーディオ信号が生成されうる。
【0101】
ある例では、所定のオーディオ特性は、良好なサウンディングとみなされるオーディオ周波数等化であってもよい。ある場合では、所定のオーディオ特性は、再生デバイスのレンダリング可能な周波数レンジにわたって実質的に均等な等化を含んでもよい。別の場合では、所定のオーディオ特性は、一般的なリスナーに心地よいと考えられる等化を含んでもよい。さらなる場合において、所定のオーディオ特性は、特定の音楽ジャンルに適していると考えられる周波数応答を含んでもよい。
【0102】
いずれの場合にも、コンピューティングデバイスは、音響特性及び所定のオーディオ特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定することができる。ある例では、再生ゾーンの音響特性が、特定のオーディオ周波数が他の周波数よりも減衰されたものであり、且つ、所定のオーディオ特性が、特定のオーディオ周波数が最小限に減衰された等化を含む場合、対応するオーディオ処理アルゴリズムは、特定のオーディオ周波数において強めた増幅を含んでもよい。
【0103】
所定のオーディオ特性が所定のオーディオ信号z(t)によって表され且つオーディオ処理アルゴリズムがp(t)によって表される場合、所定のオーディオ信号z(t)、オーディオ処理アルゴリズム及び再生ゾーンの音響特性hroom(t)との間の関係を、下記式(7)のように数学的に記述することができる。
【0104】
【数7】
【0105】
したがって、オーディオ処理アルゴリズムp(t)を、下記式(8)のように数学的に記述することができる。
【0106】
【数8】
【0107】
幾つかの場合において、オーディオ処理アルゴリズムを決定することは、オーディオ処理アルゴリズムについての1つ又は複数のパラメータ(すなわち、p(t)についての係数)を決定することを含んでもよい。例えば、オーディオ処理アルゴリズムは、オーディオ信号の特定の対応する周波数における特定の信号増幅利得を含んでもよい。そのため、特定の信号増幅及び/又はオーディオ信号の特定の対応する周波数を示すパラメータが、オーディオ処理アルゴリズムp(t)を決定するために特定されてもよい。
【0108】
方法500は、ブロック510において、オーディオ処理アルゴリズムと再生ゾーンの音響特性との関連付けをデータベースに記憶させることを含む。そのため、ブロック504及び506において決定した再生ゾーンの音響特性hroom(t)及び対応するオーディオ処理アルゴリズムp(t)を含むエントリを、データベースに追加してもよい。ある例では、データベースは、コンピューティングデバイスのローカルのメモリストレージに格納されてもよい。別の例において、データベースが他のデバイスに格納されている場合、コンピューティングデバイスは、オーディオ処理アルゴリズム及び再生ゾーンの音響特性を他のデバイスに送信して、データベースに記憶されるようにしてもよい。他の例もまた可能である。
【0109】
上述したように、オーディオ処理アルゴリズムが決定された再生ゾーンは、再生デバイスがオーディオコンテンツを再生することができるリスニング環境をシミュレートするために使用されるモデル再生ゾーン、又は再生デバイスのユーザの部屋であってもよい。幾つかの場合において、データベースは、モデル再生ゾーン内で再生されて検出されたオーディオ信号に基づいて生成されたエントリとともに、再生デバイスのユーザの部屋内で再生されて検出されたオーディオ信号に基づいて生成されたエントリを含んでもよい。
【0110】
図6Aは、オーディオ処理アルゴリズムのデータベース600の例示的な部分を示していて、上記説明において決定されたオーディオ処理アルゴリズムp(t)がデータベース600に格納されている。示されるように、データベース600の一部は、複数のエントリ602−608を含んでもよい。エントリ602は、再生ゾーン音響特性hroom−1(t)−1を含んでもよい。音響特性hroom−1(t)−1は、上述したように再生デバイスによって検出されたオーディオ信号及び再生デバイスの特性に基づいて計算されるように、再生ゾーンの音響特性の数学的表現であってもよい。エントリ602における音響特性hroom−1(t)−1に対応するものは、上述したように、音響特性hroom−1(t)−1及び所定のオーディオ特性に基づいて決定されたオーディオ処理アルゴリズムについての係数w、x、y及びzであってもよい。
【0111】
さらに示されるように、データベース600のエントリ604は、再生ゾーン音響特性hroom−1(t)−2及び処理アルゴリズム係数w、x、y及びzを含んでもよい。データベース600のエントリ606は、再生ゾーン音響特性hroom−1(t)−3及び処理アルゴリズム係数w、x、y及びzを含んでもよい。データベース600のエントリ608は、再生ゾーン音響特性hroom−1(t)−4及び処理アルゴリズム係数w、x、y及びzを含んでもよい。
【0112】
当業者は、データベース600が方法500の機能を実行することによって作成されて保守されうるデータベースの単なる一例であることを理解するであろう。ある例では、再生ゾーン音響特性は、異なる形式又は数学的状態(すなわち、反転対非反転関数)で記憶されうる。別の例では、オーディオ処理アルゴリズムは、関数及び/又は等化関数として記憶されてもよい。他の例もまた可能である。
【0113】
ある例では、上述した機能の一部が、同一の再生ゾーンにおいて同一の再生デバイスについて複数回実行されて、再生ゾーンの音響特性hroom(t)及び対応する処理アルゴリズムp(t)が決定されうる。例えば、複数回、ブロック502−506を実行することによって、再生ゾーンの複数の音響特性を決定することができる。再生ゾーンの合成(すなわち、平均)音響特性は、複数の音響特性から決定されてもよく、対応する処理アルゴリズムp(t)は、再生ゾーンの合成音響特性に基づいて決定されてもよい。そして、対応する処理アルゴリズムp(t)と再生ゾーンの音響特性hroom(t)又はhroom−1(t)との関連付けは、データベースに記憶されてもよい。幾つかの場合において、再生ゾーン内の再生デバイスによって再生される第1のオーディオ信号は、関数の反復のそれぞれにおいて実質的に同一のオーディオ信号であってもよい。幾つかの他の場合において、再生ゾーン内の再生デバイスによって再生される第1のオーディオ信号は、関数の反復の一部又はそれぞれについて異なるオーディオ信号であってもよい。他の例もまた可能である。
【0114】
上述した方法500(又は、方法500の幾つかの変形例)は、さらに、データベース内の他のエントリを生成するために実行されうる。例えば、再生デバイスが第1の再生デバイスであり、再生ゾーンが第1の再生ゾーンであり、オーディオ処理アルゴリズムが第1のオーディオ処理アルゴリズムであることを考えると、方法500は、追加的に又は代替的に、第2の再生ゾーンにおいて第2の再生デバイスを使用して実行されうる。ある例では、第2の再生デバイスは、第2の再生ゾーンにおいて第4のオーディオ信号を再生することができ、第2の再生デバイスのマイクロホンは、第2の再生デバイスによって再生された第4のオーディオ信号の一部を含む第5のオーディオ信号を検出することができる。そして、コンピューティングデバイスは、第5のオーディオ信号を示すデータを受信し、第5のオーディオ信号及び第2の再生デバイスの特性に基づいて、第2の再生ゾーンの音響特性を決定することができる。
【0115】
コンピューティングデバイスは、第2の再生ゾーンの音響特性に基づいて、第2のオーディオ処理アルゴリズムを決定することができる。ここで、再生ゾーンにおいて第4のオーディオ信号を再生するときの、決定した第2のオーディオ処理アルゴリズムの第2の再生デバイスによる適用により、第6のオーディオ信号が生成される。第6のオーディオ信号は、式(7)及び(8)において示される、所定のオーディオ信号z(t)によって表される所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有する。そして、コンピューティングデバイスは、第2のオーディオ処理アルゴリズムと第2の再生ゾーンの音響特性との関連付けをデータベースに記憶させることができる。
【0116】
多くの再生ゾーンは、寸法、構築材料、及び/又は家具の種類及び配置において類似している場合もあるけれども、2つの再生ゾーンが全く同一の再生ゾーン音響特性を有することになるとは考えにくい。そのため、各固有の再生ゾーン音響特性及びそれらの各対応するオーディオ処理アルゴリズムについての個々のエントリを記憶すると、非現実的な量のメモリストレージを必要とすることがあるため、むしろ、類似の又は実質的に同一の再生ゾーン音響特性についてのエントリは組み合わせたほうがよい。
【0117】
ある場合では、2つの再生ゾーンが実質的に類似の部屋であるとき、2つの再生ゾーンの音響特性は類似している場合がある。別の場合では、コンピューティングデバイスは、上記示唆したように、同一の再生ゾーンにおいて、複数回、同一の再生デバイスについて、方法500を実行してもよい。さらなる場合において、コンピューティングデバイスは、同一の再生ゾーンにおいて、異なる再生デバイスについて、方法500を実行してもよい。さらに他の場合において、コンピューティングデバイスは、同一の再生ゾーンであるが再生ゾーン内の他の場所において、再生デバイスについて方法500を実行してもよい。他の例もまた可能である。
【0118】
いずれの場合にも、再生ゾーン音響特性及び対応するオーディオ処理アルゴリズムのエントリを生成する過程において、コンピューティングデバイスは、2つの再生ゾーンが実質的に同一の再生ゾーン音響特性を有することを決定してもよい。そして、コンピューティングデバイスは、それに応答して、第1のオーディオ処理アルゴリズム及び第2のオーディオ処理アルゴリズムに基づいて、第3のオーディオ処理アルゴリズムを決定してもよい。例えば、コンピューティングデバイスは、第1及び第2のオーディオ処理アルゴリズムのパラメータの平均をとることによって、第3のオーディオ処理アルゴリズムを決定してもよい。
【0119】
そして、コンピューティングデバイスは、第3のオーディオ処理アルゴリズムと実質的に同一の音響特性との関連付けをデータベースに記憶してもよい。ある例では、第3のオーディオ処理アルゴリズムについてのデータベースエントリは、2つの実質的に同一の音響特性の平均値に基づいて決定された対応する音響特性を有してもよい。幾つかの場合において、上記示唆したように、データベースは、ストレージメモリを節約する目的で、実質的に同一の音響特性について1つのエントリのみを有してもよい。そのため、第3のオーディオ処理アルゴリズムについてのエントリを優先して、第1の再生ゾーン及び第2の再生ゾーンの音響特性のエントリは廃棄してもよい。他の例もまた可能である。
【0120】
上記説明は、全体的に、コンピューティングデバイスによって実行されるものとして方法500について言及しているが、当業者は、上述したように、方法500の機能が、代替的に、1つ又は複数のサーバ、1つ又は複数の再生デバイス、及び/又は1つ又は複数のコントローラデバイスなどの1つ又は複数の他のデバイスによって実行されてもよいことを理解するであろう。換言すれば、ブロック502−510のうちの1つ又は複数は、コンピューティングデバイスによって実行されてもよい一方で、ブロック502−510のうちの1つ又は複数の他のブロックは、1つ又は複数の他のコンピューティングデバイスによって実行されてもよい。
【0121】
ある例では、上述したように、ブロック502における再生デバイスによる第1のオーディオ信号の再生は、いかなる外部コマンドもなしに再生デバイスによって実行されてもよい。あるいは、再生デバイスは、コントローラデバイス及び/又は他の再生デバイスからのコマンドに応答して第1のオーディオ信号を再生してもよい。別の例では、ブロック502−506は、1つ又は複数の再生デバイス又は1つ又は複数のコントローラデバイスによって実行されてもよく、コンピューティングデバイスは、ブロック508及び510を実行してもよい。さらに別の例では、ブロック502−508は、1つ又は複数の再生デバイス又は1つ又は複数のコントローラデバイスによって実行されてもよく、コンピューティングデバイスは、ブロック510においてオーディオ処理アルゴリズムを記憶する機能を実行するだけであってもよい。他の例もまた可能である。
【0122】
b.オーディオ処理アルゴリズム及び再生ゾーンの対応する1つ又は複数の特性の例示的データベース
先に示したように、再生ゾーンは、1つ又は複数の再生ゾーン特性を有してもよい。1つ又は複数の再生ゾーン特性は、上述したように、再生ゾーンの音響特性を含んでもよい。また、再生ゾーンの1つ又は複数の特性は、(a)再生ゾーンの寸法、(b)再生ゾーンのオーディオ反射特性、(c)再生ゾーンの使用目的、(d)再生ゾーン内の家具の数、(e)再生ゾーン内の家具のサイズ、及び(f)再生ゾーン内の家具の種類のうちの1つ又は複数を含んでもよい。ある場合では、再生ゾーンのオーディオ反射特性は、再生ゾーンの床材及び/又は壁材に関連してもよい。
【0123】
幾つかの例において、上述したp(t)などの決定されたオーディオ処理アルゴリズムと再生ゾーンの追加の1つ又は複数の特性との関連付けがデータベースに記憶されうる。図7は、オーディオ処理アルゴリズム及び再生ゾーンの1つ又は複数の特性のデータベースを保守する方法700の例示的なフロー図を示している。図7に示される方法700は、例えば、図1のメディア再生システム100、図2の1つ又は複数の再生デバイス200、及び図3の1つ又は複数の制御デバイス300を含む動作環境内で実施されうる方法の実施形態を表している。ある例では、方法700は、メディア再生システム100などのメディア再生システムと通信するコンピューティングデバイスによって実行されてもよい。これに代えて、別の例では、方法700の幾つか又は全ての機能は、1つ又は複数のサーバ、1つ又は複数の再生デバイス、及び/又は1つ又は複数のコントローラデバイスなどの1つ又は複数の他のコンピューティングデバイスによって実行されてもよい。
【0124】
方法700は、ブロック702−708のうちの1つ又は複数によって示されるように1つ又は複数の操作、機能又は動作を含んでもよい。ブロックは順番に示されているが、これらのブロックは、並列に及び/又は本明細書に記載されたものとは異なる順序で実行されてもよい。また、様々なブロックは、所望の実装に基づいて、より少数のブロックに組み合わせられてもよく、さらなるブロックに分割されてもよく、及び/又は除去されてもよい。
【0125】
図7に示されるように、方法700は、再生ゾーン内の再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させるステップ(ブロック702)、(i)再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータ及び(ii)再生デバイスのマイクロホンによって検出された第2のオーディオ信号を示すデータを受信するステップ(ブロック704)、第2のオーディオ信号及び再生デバイスの特性に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定するステップ(ブロック706)、決定したオーディオ処理アルゴリズムと再生ゾーンの1つ又は複数の特性のうちの少なくとも1つとの関連付けをデータベースに記憶させるステップ(ブロック708)を含む。
【0126】
方法700は、ブロック702において、コンピューティングデバイスにより、再生ゾーン内の再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させる。ある例では、ブロック702は、図5に関連して記載されたブロック502のものと同一の又は実質的に同一の機能を含んでもよい。例えば、第1のオーディオ信号は、再生デバイスのレンダリング可能な周波数レンジ又は人間の可聴周波数レンジを実質的にカバーする周波数を有するオーディオコンテンツを含んでもよい。そのため、ブロック502に関連した上記説明は、ブロック702に適用することができる。
【0127】
方法700は、ブロック704において、(i)再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータ、及び(ii)再生デバイスのマイクロホンによって検出された第2のオーディオ信号を示すデータを受信することを含む。ある例では、ブロック704は、図5に関連して記載されたブロック504のものと同一の又は実質的に同一の機能を含んでもよい。例えば、第2のオーディオ信号は、再生デバイスによって再生された第1のオーディオ信号に対応する部分を含んでもよい。そのため、ブロック504に関連した上記説明は、ブロック704に適用することができる。
【0128】
ブロック504に関連して上述したものに加えて、ブロック704は、再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータを受信することを含む。上述したように、再生ゾーンは、再生デバイスがオーディオコンテンツを再生することができるリスニング環境をシミュレートするために使用されるモデル再生ゾーンであってもよい。そのような場合、再生ゾーンについての1つ又は複数の再生ゾーン特性の一部は公知であってもよい。例えば、再生ゾーンについての寸法、フロアプラン、構築材料、及び家具が公知であってもよい。ある場合では、モデル再生ゾーンは、データベースについてのオーディオ処理アルゴリズムを決定するという目的のために構築されてもよく、その場合、1つ又は複数の再生ゾーン特性の一部は予め決められていてもよい。別の場合では、再生ゾーンは、再生デバイスのユーザの部屋であってもよい。上述したように、そのような再生ゾーンの特性は、再生ゾーンの音響特性に寄与することができる。
【0129】
ある例では、コンピューティングデバイスは、ユーザ又は音響エンジニアによって使用されるコントローラデバイスのコントローラインタフェースを介して、1つ又は複数の再生ゾーン特性を示すデータを受信してもよい。別の例では、コンピューティングデバイスは、再生ゾーン内の再生デバイスから再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータを受信してもよい。例えば、1つ又は複数の特性を示すデータは、第2のオーディオ信号を示すデータとともに受信されてもよい。1つ又は複数の再生ゾーン特性を示すデータは、ブロック702における再生デバイスによる第1のオーディオ信号の再生前、再生中又は再生後に受信されてもよい。他の例もまた可能である。
【0130】
方法700は、ブロック706において、第2のオーディオ信号及び再生デバイスの特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定することを含む。ある例では、ブロック706は、図5のブロック506及び508において上述したものと同一又は類似の機能を含んでもよい。例えば、オーディオ処理アルゴリズムを決定することは、第2のオーディオ信号及び再生デバイスの特性に基づいて再生ゾーンの音響特性を決定すること、及びその後に再生ゾーンの音響特性に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定することを含んでもよい。再生デバイスの特性は、上述したように、再生デバイスの音響特性、再生デバイスの仕様、及び再生デバイスのモデルのうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0131】
上述したように、再生ゾーン内で第1のオーディオ信号を再生するときの、決定したオーディオ処理アルゴリズムの再生デバイスによる適用により、第3のオーディオ信号が生成されうる。第3のオーディオ信号は、所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有するか、又は少なくともある程度所定のオーディオ特性を持つ。ある場合では、所定のオーディオ特性は、上述した所定のオーディオ信号p(t)として表される所定のオーディオ特性と同一か又は実質的に同一であってもよい。他の例もまた可能である。
【0132】
方法800は、ブロック708において、決定したオーディオ処理アルゴリズムと再生ゾーンの1つ又は複数の特性のうちの少なくとも1つとの関連付けをデータベースに記憶させることを含む。ある例では、ブロック708は、ブロック501において上述したものと同一又は類似の機能を含んでもよい。しかしながら、この場合において、コンピューティングデバイスは、再生ゾーンの音響特性に加えて又はその代わりに、オーディオ処理アルゴリズムと1つ又は複数の特性のうちの少なくとも1つとの関連付けをデータベースに記憶させてもよい。
【0133】
上述したように、オーディオ処理アルゴリズムが決定された再生ゾーンは、再生デバイスがオーディオコンテンツを再生することができるリスニング環境をシミュレートするために使用されるモデル再生ゾーン、又は再生デバイスのユーザの部屋であってもよい。幾つかの場合において、データベースは、モデル再生ゾーン内で再生されて検出されたオーディオ信号に基づいて生成されたエントリとともに、再生デバイスのユーザの部屋内で再生されて検出されたオーディオ信号に基づいて生成されたエントリを含んでもよい。
【0134】
図6Bは、オーディオ処理アルゴリズムのデータベース650の例示的な部分を示している。データベース650には、上記説明において決定したオーディオ処理アルゴリズム及びオーディオ処理アルゴリズムと再生ゾーン音響特性との関連付けが格納されている。示されるように、データベース650の一部は、データベース600のエントリ602−608と類似の複数のエントリ652−658を含んでもよい。例えば、エントリ652及び602は、同一の再生ゾーン音響特性、及び同一のオーディオ処理アルゴリズム係数を有してもよい。エントリ654及び604は、同一の再生ゾーン音響特性、及び同一のオーディオ処理アルゴリズム係数を有してもよい。エントリ656及び606は、同一の再生ゾーン音響特性、及び同一のオーディオ処理アルゴリズム係数を有してもよい。エントリ658及び608は、同一の再生ゾーン音響特性、及び同一のオーディオ処理アルゴリズム係数を有してもよい。
【0135】
再生ゾーン音響特性に加えて、データベース650は、対応する再生ゾーン音響特性を有する再生ゾーンの寸法を示すゾーン寸法情報及び対応する再生ゾーン音響特性に基づいて決定されたオーディオ処理アルゴリズムを含んでもよい。例えば、示されるように、エントリ652は、a×b×cのゾーン寸法を有してもよく、エントリ654は、a×b×cのゾーン寸法を有してもよく、エントリ656は、a×b×cのゾーン寸法を有してもよく、エントリ654は、a×b×cのゾーン寸法を有してもよい。そのため、この例において、決定されたオーディオ処理アルゴリズムに関連付けて記憶された1つ又は複数の特性は、再生ゾーンの音響特性及び再生ゾーンの寸法を含む。他の例もまた可能である。
【0136】
当業者は、データベース650が方法700の機能を実行することによって作成されて保守されうるデータベースの単なる一例であることを理解するであろう。ある例では、再生ゾーン音響特性は、異なる形式又は数学的状態(すなわち、反転対非反転関数)で記憶されてもよい。別の例では、オーディオ処理アルゴリズムは、関数及び/又は等化関数として記憶されてもよい。さらに別の例では、データベース650は、ゾーン寸法及び対応するオーディオ処理アルゴリズムのみを含むことができ、再生ゾーンの対応する音響特性を含まないことができる。他の例もまた可能である。
【0137】
方法500と同様に、上述した方法700(又は方法700の幾つかの変形例)は、さらに、データベース内の他のエントリを生成するために実行されてもよい。例えば、再生デバイスが第1の再生デバイスであり、再生ゾーンが第1の再生ゾーンであり、オーディオ処理アルゴリズムが第1のオーディオ処理アルゴリズムであることを考えると、方法600は、追加的に又は代替的に、第2の再生ゾーンにおいて第2の再生デバイスを使用して実行されてもよい。ある例では、第2の再生デバイスは、第2の再生ゾーンにおいて第4のオーディオ信号を再生することができ、第2の再生デバイスのマイクロホンは、第2の再生デバイスによって再生された第4のオーディオ信号の一部を含む第5のオーディオ信号を検出することができる。そして、コンピューティングデバイスは、(i)第2の再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータ及び(ii)第2の再生ゾーン内の第2の再生デバイスのマイクロホンによって検出された第5のオーディオ信号を示すデータを受信してもよい。
【0138】
そして、コンピューティングデバイスは、第5のオーディオ信号及び第2の再生デバイスの特性に基づいて、第2の再生ゾーンの音響特性を決定してもよい。コンピューティングデバイスは、第2の再生ゾーンの音響特性に基づいて、第2のオーディオ処理アルゴリズムを決定してもよい。ここで、再生ゾーンにおいて第4のオーディオ信号を再生するときの、決定した第2のオーディオ処理アルゴリズムの第2の再生デバイスによる適用により、第6のオーディオ信号が生成される。第6のオーディオ信号は、式(7)及び(8)において示される、所定のオーディオ信号z(t)によって表される所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有する。そして、コンピューティングデバイスは、第2のオーディオ処理アルゴリズムと第2の再生ゾーンの1つ又は複数の特性のうちの少なくとも1つとの関連付けをデータベースに記憶させてもよい。
【0139】
方法500に関連して上述したものと同様に、データベースについてのエントリを生成する過程において、コンピューティングデバイスは、2つの再生ゾーンが類似の又は実質的に同一の再生ゾーン音響特性を有することを決定してもよい。したがって、上述したように、コンピューティングデバイスは、再生ゾーン音響特性と再生ゾーン音響特性に対応する決定したオーディオ処理アルゴリズムとを合成(すなわち、平均化)することができ、データベース内の1つのエントリとして合成された再生ゾーン音響特性及び合成したオーディオ処理アルゴリズムを記憶してもよい。他の例もまた可能である。
【0140】
方法500の場合と同様に、上記説明は、全体的に、コンピューティングデバイスによって実行されるものとして方法700について言及しているが、当業者は、方法700の機能が、代替的に、1つ又は複数のサーバ、1つ又は複数の再生デバイス、及び/又は1つ又は複数のコントローラデバイスなどの1つ又は複数の他のコンピューティングデバイスによって実行されてもよいことを理解するであろう。換言すれば、ブロック702−708のうちの1つ又は複数は、コンピューティングデバイスによって実行されてもよい一方で、ブロック702−708のうちの1つ又は複数の他のブロックは、1つ又は複数の他のコンピューティングデバイスによって実行されてもよい。他のコンピューティングデバイスは、1つ又は複数の再生デバイス、1つ又は複数のコントローラデバイス、及び/又は1つ又は複数のサーバを含んでもよい。
【0141】
ある例では、上述したように、ブロック702における再生デバイスによる第1のオーディオ信号の再生は、いかなる外部コマンドもなしに再生デバイスによって実行されうる。あるいは、再生デバイスは、コントローラデバイス及び/又は他の再生デバイスからのコマンドに応答して、第1のオーディオ信号を再生してもよい。別の例では、ブロック702−706は、1つ又は複数の再生デバイス又は1つ又は複数のコントローラデバイスによって実行されてもよく、コンピューティングデバイスは、ブロック708を実行してもよい。他の例もまた可能である。
【0142】
IV. 再生ゾーン特性に基づく再生デバイスの校正
上述したように、本明細書に記載された幾つかの例は、再生ゾーンについての再生デバイスの校正を含む。幾つかの場合において、再生デバイスの校正は、再生ゾーンにおけるオーディオコンテンツの再生時に再生デバイスが適用するオーディオ処理アルゴリズムを決定することを含んでもよい。
【0143】
図8は、再生デバイスを校正することができる例示的な再生環境800を示している。示されるように、再生環境800は、コンピューティングデバイス802と、再生デバイス804及び806と、コントローラデバイス808と、再生ゾーン810とを含む。再生デバイス804及び806は、図2に示される再生デバイス200に類似していてもよい。そのため、再生デバイス804及び806は、それぞれ、マイクロホン220などのマイクロホンを有してもよい。幾つかの場合において、再生デバイス804及び806のうちの一方のみがマイクロホンを有していてもよい。
【0144】
ある例では、再生デバイス804及び806は、メディア再生システムの一部とすることができ、図1のメディア再生システム100に関連して示されて上述されたもののように、オーディオコンテンツを同期して再生するように構成されうる。ある場合では、再生デバイス804及び806は、再生ゾーン810内で同期してオーディオコンテンツを再生するためにともにグループ化されうる。図1を再度参照すると、再生ゾーン810は、メディア再生システム100において異なる部屋及びゾーングループのいずれか1つ又は複数であってもよい。例えば、再生ゾーン810は、主寝室であってもよい。そのような場合、再生デバイス804及び806は、それぞれ、再生デバイス122及び124に対応していてもよい。
【0145】
ある例では、コントローラデバイス808は、メディア再生システムを制御するために使用されうるデバイスであってもよい。ある場合では、コントローラデバイス808は、図3の制御デバイス300に類似していてもよい。図8のコントローラデバイス808は、再生ゾーン810の内部にあるように示されているが、コントローラデバイス808は、再生ゾーン810の外部にあってもよいし、又は、再生デバイス804、再生デバイス806、及び/又はメディア再生システム内の他のデバイスと通信しながら再生ゾーン810の内外に移動してもよい。
【0146】
ある例では、コンピューティングデバイス802は、メディア再生システムと通信するサーバであってもよい。コンピューティングデバイス802は、メディア再生システムに関連する情報(再生デバイス804及び806に関連付けられた登録番号など)のデータベースを保守するように構成されうる。また、コンピューティングデバイス802は、前のセクションにおいて記載されたようにオーディオ処理アルゴリズムのデータベースを保守するように構成されうる。他の例もまた可能である。
【0147】
方法900、1000及び1100は、後述するように、再生ゾーン810における再生デバイス804及び806などの再生ゾーンにおける再生デバイスの校正のために実行されうる機能を提供する。
【0148】
a. 検出されたオーディオ信号に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定する第1の例示的な方法
図9は、1つ又は複数の再生ゾーン特性に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定する方法900の例示的なフロー図を示している。図9に示される方法900は、例えば、図1のメディア再生システム100、図2の1つ又は複数の再生デバイス200、図3の1つ又は複数の制御デバイス300、及び図8の再生環境800を含む動作環境内で実施されうる方法の実施形態を表している。ある例では、方法900は、メディア再生システムと通信するコンピューティングデバイスによって実行されうる。これに代えて、別の例では、方法900の機能の一部又は全ては、1つ又は複数のサーバ、1つ又は複数の再生デバイス、及び/又はメディア再生システムに関連する1つ又は複数のコントローラデバイスなどの、1つ又は複数の他のコンピューティングデバイスによって実行されてもよい。
【0149】
方法900は、ブロック902−908のうちの1つ又は複数によって示されるように1つ又は複数の操作、機能又は動作を含んでもよい。ブロックは順番に示されているが、これらのブロックは、並列に及び/又は本明細書に記載されたものとは異なる順序で実行されてもよい。また、様々なブロックは、所望の実装に基づいて、より少数のブロックに組み合わせられてもよく、さらなるブロックに分割されてもよく、及び/又は除去されてもよい。
【0150】
図9に示されるように、方法900は、再生ゾーン内の再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させるステップ(ブロック902)、再生デバイスのマイクロホンによって検出された第2のオーディオ信号を示すデータを再生デバイスから受信するステップ(ブロック904)、第2のオーディオ信号及び再生デバイスの音響特性に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定するステップ(ブロック906)、及び決定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータを再生デバイスに送信するステップ(ブロック908)を含む。
【0151】
方法900は、ブロック902において、再生ゾーン内の再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させることを含む。図8を参照し、再生デバイスは再生デバイス804であってもよく、再生ゾーンは再生ゾーン810であってもよい。そのため、再生デバイスは、図2に示される再生デバイス200と同様の再生デバイスであってもよい。
【0152】
ある例では、コンピューティングデバイス802は、再生デバイス804が再生ゾーン810について校正されるべきであることを決定してもよく、それに応答して再生ゾーン810内の再生デバイス804に第1のオーディオ信号を再生させてもよい。ある場合では、コンピューティングデバイス802は、ユーザから受信した、再生デバイス804が校正されるべきであることを示す入力に基づいて、再生デバイス804が校正されるべきであることを決定してもよい。ある例では、入力は、コントローラデバイス808を介してユーザから受信されてもよい。別の場合では、コンピューティングデバイス802は、再生デバイス804が新たな再生デバイスであることから又は再生ゾーン810へと新たに移動したことから、再生デバイス804が校正されるべきであることを決定してもよい。さらなる場合において、再生デバイス804(又はメディア再生システム内の任意の他の再生デバイス)の校正が定期的に実行されてもよい。そのため、コンピューティングデバイス802は、再生デバイス804が再生デバイス804の校正スケジュールに基づいて校正されるべきであることを決定してもよい。他の例もまた可能である。再生デバイス804が校正されるべきであることを決定するのに応答して、コンピューティングデバイス802は、その後、再生デバイス804に第1のオーディオ信号を再生させてもよい。
【0153】
ブロック902は、コンピューティングデバイス802が再生デバイス804に第1のオーディオ信号を再生させることを含むが、当業者は、再生デバイス804による第1のオーディオ信号の再生が必ずしもコンピューティングデバイス802によって生じなくてもよい又は開始されなくてもよいことを理解するであろう。例えば、コントローラデバイス808は、再生デバイス804にコマンドを送信して、再生デバイス804に第1のオーディオ信号を再生させてもよい。別の例では、再生デバイス806は、再生デバイス804に第1のオーディオ信号を再生させてもよい。さらなる例において、再生デバイス804は、コンピューティングデバイス802、再生デバイス806又はコントローラデバイス808からのコマンドを受信することなく、第1のオーディオ信号を再生してもよい。ある例では、再生デバイス804は、再生デバイス804の動き又は再生デバイス804の再生ゾーンの変化に基づいて、校正が実行されるべきであることを決定してもよく、それに応答して、第1のオーディオ信号を再生してもよい。他の例もまた可能である。
【0154】
示唆されるように、第1のオーディオ信号は、再生ゾーン810についての再生デバイス804を校正するための検査信号又は測定信号であってもよい。そのため、第1のオーディオ信号は、ユーザによる通常使用中に再生デバイスによって再生されうるオーディオコンテンツを表してもよい。したがって、第1のオーディオ信号は、再生デバイスのレンダリング可能な周波数レンジ又は人間の可聴周波数レンジを実質的にカバーする周波数を有するオーディオコンテンツを含んでもよい。別の例では、第1のオーディオ信号は、再生デバイスのユーザのお気に入りの又は一般に再生されるオーディオトラックであってもよい。
【0155】
方法900は、ブロック904において、再生デバイスのマイクロホンによって検出された第2のオーディオ信号を再生デバイスから受信することを含む。上記例を続けると、再生デバイス804が図2の再生デバイス200と同様であることを考慮すると、再生デバイス804のマイクロホンは、再生デバイス200のマイクロホン220に類似していてもよい。ある例では、コンピューティングデバイス802は、再生デバイス804からデータを受信してもよい。別の例では、コンピューティングデバイス804は、再生デバイス806などの他の再生デバイス、コントローラデバイス808などのコントローラデバイス、又は他のサーバなどの他のコンピューティングデバイスを介して、データを受信してもよい。
【0156】
再生デバイス804が第1のオーディオ信号を再生しているとき又はその直後まもなく、再生デバイス804のマイクロホンは、第2のオーディオ信号を検出することができる。第2のオーディオ信号は、再生ゾーン内に存在するサウンドを含んでもよい。例えば、第2のオーディオ信号は、再生デバイス804によって再生された第1のオーディオ信号に対応する部分を含んでもよい。
【0157】
ある例では、コンピューティングデバイス802は、マイクロホンが第2のオーディオ信号を検出するとき、メディアストリームとして再生デバイス804から第1のオーディオ信号を示すデータを受信してもよい。別の例では、コンピューティングデバイス802は、再生デバイス804のマイクロホンによる第2のオーディオ信号の検出が完了すると、第2のオーディオ信号を示すデータを再生デバイス804から受信してもよい。いずれの場合も、再生デバイス804は、(再生デバイス200のオーディオ処理コンポーネント208などのオーディオ処理コンポーネントを介して)検出された第2のオーディオ信号を処理して、第2のオーディオ信号を示すデータを生成してコンピューティングデバイス802にデータを送信してもよい。ある例では、第2のオーディオ信号を示すデータを生成することは、アナログ信号からデジタル信号に第2のオーディオ信号を変換することを含んでもよい。他の例もまた可能である。
【0158】
方法900は、ブロック906において、第2のオーディオ信号及び再生デバイスの音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定することを含む。ある例では、再生デバイスの音響特性は、図5に示される方法500のブロック506に関連して上述したように、h(t)であってもよい。例えば、上述したように、無響室内の基準再生デバイスに測定信号を再生させ、基準再生デバイスのマイクロホンによって検出されたオーディオ信号を示すデータを基準再生デバイスから受信し、検出されたオーディオ信号と測定信号との比較に基づいて再生デバイスの音響特性を決定することにより、再生デバイスの音響特性を決定することができる。
【0159】
上記示唆したように、基準再生デバイスは、再生ゾーン810について校正されている再生デバイス804と同じモデルであってもよい。また、ブロック506に関連して上述したものと同様に、コンピューティングデバイスは、それに応じて、再生デバイスの音響特性及び第2のオーディオ信号に基づいて、再生ゾーンの音響特性を決定してもよい。
【0160】
ある例では、コンピューティングデバイス802は、ブロック508に関連して上述したものと同様の再生ゾーンの音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定してもよい。そのため、コンピューティングデバイス802は、再生ゾーンの音響特性及び所定のオーディオ特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定してもよい。ここで、再生ゾーン810内で第1のオーディオ信号を再生するときの、決定したオーディオ処理アルゴリズムの再生デバイス804による適用は、第3のオーディオ信号を生成する。第3のオーディオ信号は、所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有するか、又は少なくともある程度、所定のオーディオ特性を持つ。
【0161】
別の例では、コンピューティングデバイス802は、再生ゾーン810の音響特性に対応するオーディオ処理アルゴリズムを複数のオーディオ処理アルゴリズムの中から選択してもよい。例えば、コンピューティングデバイスは、図6A及び図6Bそれぞれのデータベース600及び650などのデータベースにアクセスすることができ、再生ゾーン810の音響特性に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを特定してもよい。例えば、図6Aのデータベース600を参照すると、再生ゾーン810の音響特性がhroom−1(t)−3として決定された場合、データベースエントリ606の係数w、x、y及びzを有するオーディオ処理アルゴリズムを特定することができる。
【0162】
幾つかの場合において、再生ゾーン810の決定された音響特性に完全に一致する音響特性は、データベースにおいてみつからないことがある。そのような場合、再生ゾーン810の音響特性に最も類似しているデータベース内の音響特性に対応するオーディオ処理アルゴリズムが特定されてもよい。他の例もまた可能である。
【0163】
方法900は、ブロック908において、決定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータを再生デバイスに送信することを含む。上記例を続けると、コンピューティングデバイス802(又は1つ又は複数の他のデバイス)は、決定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータを再生デバイス804に送信してもよい。また、決定されたオーディオ処理アルゴリズムを示すデータは、再生ゾーン810においてオーディオコンテンツを再生するときに、決定されたオーディオ処理アルゴリズムを再生デバイス804に適用させるためのコマンドを含んでもよい。ある例では、オーディオコンテンツにオーディオ処理アルゴリズムを適用することは、オーディオコンテンツの周波数等化を変更してもよい。別の例では、オーディオコンテンツにオーディオ処理アルゴリズムを適用することは、オーディオコンテンツの音量域を変更してもよい。他の例もまた可能である。
【0164】
幾つかの場合において、再生ゾーンは、同期してオーディオコンテンツを再生するように構成された複数の再生デバイスを含んでもよい。例えば、上述したように、再生デバイス804及び806は、再生ゾーン810において同期してオーディオコンテンツを再生するように構成されてもよい。そのような場合、再生デバイスのうちの1つの校正は、他の再生デバイスを含んでもよい。
【0165】
ある例では、再生ゾーン810などの再生ゾーンは、同期してオーディオコンテンツを再生するように構成された、再生デバイス804などの第1の再生デバイス及び再生デバイス806などの第2の再生デバイスを含んでもよい。コンピューティングデバイス802によって協調されて実行されるのにともない、再生デバイス804の校正は、再生デバイス804に第1のオーディオ信号を再生させ且つ再生デバイス806に第2のオーディオ信号を再生させることを含んでもよい。
【0166】
ある場合では、コンピューティングデバイス802は、再生デバイス804による第1のオーディオ信号の再生と同期して、再生デバイス806に第2のオーディオ信号を再生させてもよい。ある例では、再生デバイス804及び806のいずれかによって同期して再生されるオーディオコンテンツの成分が識別可能とすることができるように、第2のオーディオ信号は第1のオーディオ信号に直交していてもよい。別の場合では、コンピューティングデバイスは、再生デバイス804による第1のオーディオ信号の再生が終了した後に再生デバイス806に第2のオーディオ信号を再生させてもよい。他の例もまた可能である。
【0167】
そして、コンピューティングデバイス802は、ブロック904に関連して記載されたものと同様に、再生デバイス804のマイクロホンによって検出された第3のオーディオ信号を再生デバイス804から受信してもよい。しかしながら、この場合、第3のオーディオ信号は、再生デバイス804によって再生された第1のオーディオ信号に対応する部分及び再生デバイス806によって再生された第2のオーディオ信号に対応する部分の双方を含んでもよい。
【0168】
その後、コンピューティングデバイス802は、第3のオーディオ信号及び再生デバイス804の音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定して、決定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータを再生デバイス804に送信してもよい。決定されたオーディオ処理アルゴリズムは、ブロック906及び908に関連して上述したものと同様に、再生ゾーン810においてオーディオコンテンツを再生するときに、再生デバイス804が適用するものである。
【0169】
ある場合では、上述したように、再生デバイス806は、マイクロホンを有してもよく、また、上述したものと同様に校正されてもよい。示されるように、再生デバイス804によって再生される第1のオーディオ信号及び再生デバイス806によって再生される第2のオーディオ信号は、直交していてもよく又は識別可能であってもよい。例えば、また上述したように、再生デバイス806は、再生デバイス804による第1のオーディオ信号の再生が終了した後に、第2のオーディオ信号を再生してもよい。別の例において、第2のオーディオ信号は、第1のオーディオ信号の位相に直交する位相を有してもよい。さらに別の例において、第2のオーディオ信号は、第1のオーディオ信号とは異なる及び/又は変化する周波数レンジを有してもよい。他の例もまた可能である。
【0170】
いずれの場合にも、識別可能な第1及び第2のオーディオ信号により、コンピューティングデバイス802は、再生デバイス804によって検出された第3のオーディオ信号から、検出された第3のオーディオ信号に対する再生デバイス804の寄与及び検出された第3のオーディオ信号に対する再生デバイス806の寄与を解析することができる。そして、各オーディオ処理アルゴリズムは、再生デバイス804及び再生デバイス806について決定されうる。
【0171】
各オーディオ処理アルゴリズムは、ブロック508に関連して上述したものと同様に、決定されうる。ある場合では、再生ゾーンの第1の音響特性は、再生デバイス604によって検出された第3のオーディオ信号に基づいて決定されてもよく、再生ゾーンの第2の音響特性は、再生デバイス806によって検出された第4のオーディオ信号に基づいて決定されてもよい。第3のオーディオ信号と同様に、第4のオーディオ信号は、再生デバイス804によって再生された第1のオーディオ信号に対応する部分及び再生デバイス806によって再生された第2のオーディオ信号に対応する部分を含んでもよい。
【0172】
そして、再生デバイス804及び再生デバイス806についての各オーディオ処理アルゴリズムは、再生ゾーンの第1の音響特性及び再生ゾーンの第2の音響特性の個々に又はそれらの組み合わせに基づいて、決定されうる。幾つかの場合において、再生ゾーンの第1の音響特性及び再生ゾーンの第2の音響特性の組み合わせは、再生ゾーンの個別の第1又は第2の音響特性のいずれかよりも、再生ゾーンのより包括的な音響特性を表すことができる。そして、各オーディオ処理アルゴリズムは、再生デバイス804及び再生デバイス806に送信されて、再生ゾーン810においてオーディオコンテンツを再生するときに適用される。他の例もまた可能である。
【0173】
上記説明は、全体的に、図8のコンピューティングデバイス802によって実行されるものとして、方法900ついて言及しているが、当業者は、上述したように、方法900の機能が、代替的に、1つ又は複数のサーバ、1つ又は複数の再生デバイス及び/又は1つ又は複数のコントローラデバイスなどの、1つ又は複数の他のコンピューティングデバイスよって実行されてもよいことを理解するであろう。例えば、再生ゾーン810についての再生デバイス804を校正するための方法900の機能は、再生デバイス804、再生デバイス806、コントローラデバイス808、又は図8には示されていないが再生デバイス804と通信する他のデバイスによって実行されてもよい。
【0174】
さらに、幾つかの場合において、ブロック902−908のうちの1つ又は複数は、コンピューティングデバイス802によって実行されうる一方で、ブロック902−908のうちの1つ又は複数の他のブロックは、1つ又は複数の他のデバイスによって実行されてもよい。例えば、ブロック902及び904は、再生デバイス804、再生デバイス806及び再生デバイス808のうちの1つ又は複数によって実行されうる。換言すれば、コンピューティングデバイス802以外の調整デバイスは、再生ゾーン810についての再生デバイス804の校正を調整することができる。
【0175】
幾つかの場合において、ブロック906において、調整デバイスは、第2のオーディオ信号をコンピューティングデバイス802に送信して、コンピューティングデバイス802が第2のオーディオ信号及び再生デバイスの音響特性に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定してもよい。再生デバイスの音響特性は、調整デバイスによってコンピューティングデバイス802に提供されてもよいし、又は再生デバイスの特性が格納されている他のデバイスから提供されてもよい。ある場合では、コンピューティングデバイス802は調整デバイスよりも多くの処理能力を有するため、コンピューティングデバイス802がブロック906の計算を実行してもよい。
【0176】
ある例では、コンピューティングデバイス802は、オーディオ処理アルゴリズムを決定すると、決定したオーディオ処理アルゴリズムを直接再生デバイス804に送信して、再生ゾーン810でオーディオコンテンツを再生するときに再生デバイス804が適用できるようにしてもよい。別の例では、コンピューティングデバイス802は、オーディオ処理アルゴリズムを決定すると、決定したオーディオ処理アルゴリズムを調整デバイスに送信してもよく、調整デバイスはブロック908を実行して、(調整デバイスが再生デバイス804ではない場合は)決定したオーディオ処理アルゴリズムを再生デバイス804に送信してもよい。他の例もまた可能である。
【0177】
b. 検出されたオーディオ信号に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定する第2の例示的な方法
幾つかの場合において、上述したように、再生ゾーンにおける再生デバイスの校正は、サーバ又はコントーラデバイスなどのコンピューティングデバイスによって調整されて実行されてもよい。幾つかの他の場合において、上述したように、再生デバイスの校正は、校正されている再生デバイスによって調整及び/又は実行されてもよい。
【0178】
図10は、校正されている再生デバイスによって実行されるような、1つ又は複数の再生ゾーン特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定する方法1000の例示的なフロー図を示している。図10に示される方法1000は、例えば、図1のメディア再生システム100、図2の1つ又は複数の再生デバイス200、図3の1つ又は複数の制御デバイス300、及び図8の再生環境800を含む動作環境内で実施されうる方法の実施形態を表している。示されるように、方法800は、再生ゾーンのために校正されるべき再生デバイスによって実行されうる。幾つかの場合において、方法1000の機能の一部は、代替的に、1つ又は複数のサーバ、1つ又は複数の他の再生デバイス、及び/又は1つ又は複数のコントローラデバイスなどの1つ又は複数の他のコンピューティングデバイスによって実行されてもよい。
【0179】
方法1000は、ブロック1002−1008のうちの1つ又は複数によって示されるように1つ又は複数の操作、機能又は動作を含んでもよい。ブロックは順番に示されているが、これらのブロックは、並列に及び/又は本明細書に記載されたものとは異なる順序で実行されてもよい。また、様々なブロックは、所望の実装に基づいて、より少数のブロックに組み合わせられてもよく、さらなるブロックに分割されてもよく、及び/又は除去されてもよい。
【0180】
図10に示されるように、方法1000は、再生ゾーン内で第1のオーディオ信号を再生するステップ(ブロック1002)、マイクロホンによって第2のオーディオ信号を検出するステップ(ブロック1004)、第2のオーディオ信号及び再生デバイスの音響特性に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定するステップ(ブロック1006)、決定したオーディオ処理アルゴリズムを、メディアアイテムを再生するときにメディアアイテムに対応するオーディオデータに適用するステップ(ブロック1008)を含む。
【0181】
方法1000は、ブロック1002において、再生ゾーンにおいて、第1のオーディオ信号を再生することを含む。図8を参照すると、再生デバイス804が再生ゾーン810内にある間、方法1000を実行する再生デバイスは、再生デバイス804であってもよい。ある例では、ブロック1002はブロック902に類似しているが、コンピューティングデバイス802よりもむしろ校正されている再生デバイス804によって実行されてもよい。それにもかかわらず、ブロック902に関連した上記説明が、時にはいくらか変形して、ブロック1002に適用可能である。
【0182】
方法1000は、ブロック1004において、マイクロホンによって、第2のオーディオ信号を検出することを含む。第2のオーディオ信号は、再生デバイスによって再生された第1のオーディオ信号に対応する部分を含んでもよい。ある例では、ブロック1004はブロック904に類似しているが、コンピューティングデバイス802よりもむしろ校正されている再生デバイス804によって実行されてもよい。それにもかかわらず、ブロック904に関連した上記説明が、時にはいくらか変形して、ブロック1004に適用可能である。
【0183】
方法1000は、ブロック1006において、第2のオーディオ信号及び再生デバイスの音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定することを含む。ある例では、ブロック1006はブロック906に類似しているが、コンピューティングデバイス802よりもむしろ校正されている再生デバイス804によって実行されてもよい。それにもかかわらず、ブロック906に関連した上記説明が、時にはいくらか変形して、ブロック1006に適用可能である。
【0184】
ある場合では、オーディオ処理アルゴリズムを決定する機能は、ブロック906に関連して記載されたように、再生ゾーン810のために校正されている再生デバイス804によって全体的に実行されてもよい。例えば、再生デバイス804が、第2のオーディオ信号及び再生デバイス804の音響特性に基づいて、再生ゾーン610の音響特性を決定してもよい。ある場合では、再生デバイス804は、再生デバイス804の音響特性をローカルに格納していてもよい。別の場合では、再生デバイス804は、他のデバイスから、再生デバイス804の音響特性を受信してもよい。
【0185】
ある例では、その後、再生デバイス804は、再生ゾーン610の音響特性に対応するオーディオ処理アルゴリズムを複数のオーディオ処理アルゴリズムの中から選択してもよい。例えば、再生デバイス804は、それぞれ、図6A及び図6Bに関連して示されて上述されたデータベース600及び650などのデータベースにアクセスして、再生ゾーン610の音響特性と実質的に同様の音響特性に対応するオーディオ処理アルゴリズムをデータベースにおいて特定してもよい。
【0186】
他の例において、方法900のブロック906及び/又は方法500のブロック508に関連して上述した機能と同様に、再生デバイス804は、再生ゾーン610の音響特性及び所定のオーディオ特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを計算してもよい。ここで、再生ゾーン810において第1のオーディオ信号を再生するときの、決定したオーディオ処理アルゴリズムの再生デバイス804による適用は、第3のオーディオ信号を生成する。第3のオーディオ信号は、所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有するか又は少なくともある程度の所定のオーディオ特性を持つ。
【0187】
さらなる例において、前のセクションにおいて記載されたように、再生デバイス804以外の他のデバイスが、ブロック1006の機能の一部又は全てを実行してもよい。例えば、再生デバイス804は、コンピューティングデバイス802などのコンピューティングデバイス、再生デバイス806などの他の再生デバイス、コントローラデバイス808などのコントローラデバイス、及び/又は再生デバイス804と通信する幾つかの他のデバイスに対して、検出された第2のオーディオ信号を示すデータを送信して、オーディオ処理アルゴリズムを要求してもよい。別の例において、再生デバイス804は、検出されたオーディオ信号に基づいて再生ゾーン810の音響特性を決定し、再生ゾーン810の決定した音響特性に基づいたオーディオ処理アルゴリズムについての要求に応じて、再生ゾーン810の決定した音響特性を示すデータを他のデバイスに送信してもよい。
【0188】
換言すれば、1つの態様において、再生デバイス804は、検出された第2のオーディオ信号及び/又は再生デバイス804によって他のデバイスに提供された再生ゾーン810の音響特性に基づいて、他のデバイスからオーディオ処理アルゴリズムを要求することによって、オーディオ処理アルゴリズムを決定してもよい。
【0189】
再生デバイス804が再生ゾーン810の音響特性ではなく、検出された第2のオーディオ信号を示すデータを提供する場合、再生デバイス804は、他のデバイスが再生ゾーン810の音響特性を決定することができるように、検出された第2のオーディオ信号を示すデータとともに再生デバイス804の音響特性を送信してもよい。別の場合では、検出された第2のオーディオ信号を示すデータを受信するデバイスは、データに基づいて、データを送信する再生デバイス804のモデルを決定し、再生デバイス804のモデル(すなわち、再生デバイス音響特性データベース)に基づいて、再生デバイス804の音響特性を決定してもよい。他の例もまた可能である。
【0190】
そして、再生デバイス804は、決定されたオーディオ処理アルゴリズムを受信してもよい。ある場合では、再生デバイス804は、他のデバイスが再生デバイス804よりも多くの処理能力を有することから、第2のオーディオ信号を他のデバイスに送信してもよい。別の場合では、再生デバイス804及び1つ又は複数の他のデバイスは、処理能力の効率的な使用のために、計算及び機能を並列に実行してもよい。他の例もまた可能である。
【0191】
方法800は、ブロック1008において、決定したオーディオ処理アルゴリズムを、メディアアイテムを再生するときにメディアアイテムに対応するオーディオデータに対して適用することを含む。ある例では、再生ゾーン810内でメディアアイテムを再生するときの再生デバイス804によるメディアアイテムのオーディオデータに対するオーディオ処理アルゴリズムの適用は、メディアアイテムの周波数等化を変更してもよい。別の例では、再生ゾーン810内でメディアアイテムを再生するときの再生デバイス804によるメディアアイテムのオーディオデータに対するオーディオ処理アルゴリズムの適用は、メディアアイテムの音量域を変更してもよい。ある例では、再生デバイス804は、決定されたオーディオ処理アルゴリズムをローカルメモリストレージに格納することができ、再生ゾーン810においてオーディオコンテンツを再生するときにオーディオ処理アルゴリズムを適用してもよい。
【0192】
ある例では、再生デバイス804は、再生デバイス804の異なる構成のために校正されてもよい。例えば、再生デバイス804は、再生ゾーン810における個々の再生を含む第1の構成、並びに再生ゾーン810における再生デバイス806との同期再生を含む第2の構成のために、校正されてもよい。そのような場合、第1のオーディオ処理アルゴリズムが、再生デバイスの第1の再生構成のために、決定、格納、及び適用され、第2のオーディオ処理アルゴリズムが、再生デバイスの第2の再生構成のために、決定、格納、及び適用される。
【0193】
そして、再生デバイス804は、再生デバイス804の所定時間における再生構成に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定して、再生ゾーン810におけるオーディオコンテンツの再生時に適用してもよい。例えば、再生デバイス804が再生デバイス806なしで再生ゾーン810においてオーディオコンテンツを再生しているとき、再生デバイス804は、第1のオーディオ処理アルゴリズムを適用してもよい。一方、再生デバイス804が再生デバイス806と同期して再生ゾーン810においてオーディオコンテンツを再生しているとき、再生デバイス804は、第2のオーディオ処理アルゴリズムを適用してもよい。他の例もまた可能である。
【0194】
c. 再生ゾーン特性に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定する例示的な方法
上記説明において、オーディオ処理アルゴリズムの決定は、一般に、再生ゾーン内の再生デバイスによって検出されたオーディオ信号に基づいて決定されるように、再生ゾーンの音響特性を決定することに基づくことができる。幾つかの場合において、オーディオ処理アルゴリズムは、再生ゾーンの音響特性に加えて又はその代わりに、再生ゾーンの他の特性に基づいて特定されてもよい。
【0195】
図11は、再生ゾーンの1つ又は複数の特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムのデータベースから、オーディオ処理アルゴリズムを提供する例示的なフロー図を示している。図11に示される方法1100は、例えば、図1のメディア再生システム100、図2の1つ又は複数の再生デバイス200、図3の1つ又は複数の制御デバイス300、及び図8の再生環境800を含む動作環境内で実施されうる方法の実施形態を表している。ある例では、方法1100は、再生ゾーンのために校正されるべきである再生デバイスと通信する、1つ又は複数の再生デバイス、1つ又は複数のコントローラデバイス、1つ又は複数のサーバ、又は1つ又は複数のコンピューティングデバイスによって、個別に又はまとめて実行されてもよい。
【0196】
方法1100は、ブロック1102−1108のうちの1つ又は複数によって示されるように、1つ又は複数の操作、機能又は動作を含んでもよい。ブロックは順番に示されているが、これらのブロックは、並列に及び/又は本明細書に記載されたものとは異なる順序で実行されてもよい。また、様々なブロックは、所望の実装に基づいて、より少数のブロックに組み合わせられてもよく、さらなるブロックに分割されてもよく、及び/又は除去されてもよい。
【0197】
図11に示されるように、方法1100は、(i)複数のオーディオ処理アルゴリズム及び(ii)複数の再生ゾーン特性のデータベースを保守するステップ(ブロック1102)、再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータを受信するステップ(ブロック1104)、データに基づいてオーディオ処理アルゴリズムをデータベース内で特定するステップ(ブロック1106)、及び特定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータを送信するステップ(ブロック1108)を含む。
【0198】
方法1100は、ブロック1102において、(i)複数のオーディオ処理アルゴリズム及び(ii)複数の再生ゾーン特性のデータベースを保守することを含む。ある例では、データベースは、図6A及び図6Bそれぞれに関連して示されて上述されたようなデータベース600及び650に類似していてもよい。そのため、複数のオーディオ処理アルゴリズムのうちの各オーディオ処理アルゴリズムは、複数の再生ゾーン特性のうちの1つ又は複数の再生ゾーン特性に対応してもよい。データベースの保守は、図5及び図7それぞれの方法500及び700に関連して上述したようなものとしてもよい。上述したように、データベースは、データベースを保守するデバイス上にローカルに格納されていてもよいし、格納されていなくてもよい。
【0199】
方法1100は、ブロック1104において、再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータを受信することを含む。ある例では、再生ゾーンの1つ又は複数の特性は、再生ゾーンの音響特性を含んでもよい。別の例では、再生ゾーンの1つ又は複数の特性は、他の可能性のうち、再生ゾーンの寸法、再生ゾーンの床材、再生ゾーンの壁材、再生ゾーンの使用目的、再生ゾーン内の家具の数、再生ゾーン内の家具の大きさ及び再生ゾーン内の家具の種類を含んでもよい。
【0200】
ある例では、図8を再度参照すると、再生デバイス804は、再生ゾーン810のために校正されてもよい。上述したように、方法1100は、校正されている再生デバイス804、再生デバイス806、コントローラデバイス808、コンピューティングデバイス802、又は再生デバイス804と通信する他のデバイスによって、個別に又はまとめて実行されてもよい。
【0201】
ある場合では、1つ又は複数の特性は、再生ゾーン810の音響特性を含んでもよい。そのような場合、再生ゾーン810内の再生デバイス804は、第1のオーディオ信号を再生し、第1のオーディオ信号に対応する部分を含む第2のオーディオ信号を再生デバイス804のマイクロホンによって検出してもよい。ある例では、1つ又は複数の特性を示すデータは、検出された第2のオーディオ信号を示すデータであってもよい。別の例において、検出された第2のオーディオ信号及び再生デバイス804の音響特性に基づいて、再生ゾーン810の音響特性は、先に記載されたものと同様に決定されてもよい。そして、1つ又は複数の特性を示すデータは、再生ゾーンの音響特性を示してもよい。いずれの場合にも、1つ又は複数の特性を示すデータは、その後、方法1100を実行する1つ又は複数のデバイスのうちの少なくとも1つによって受信されてもよい。
【0202】
別の場合では、1つ又は複数の特性は、再生ゾーンの寸法、再生ゾーンの床材、及び再生ゾーンの壁材などを含んでもよい。そのような場合、ユーザは、コントローラデバイス808などのコントローラデバイスによって提供されるコントローラインタフェースを介して、再生ゾーン810の1つ又は複数の特性を入力又は選択するように促されてもよい。例えば、コントローラインタフェースは、ユーザが選択できるように、他の可能性のうち、再生ゾーン寸法のリスト及び/又は家具配置のリストを提供してもよい。そして、ユーザによって提供されるような再生ゾーン810の1つ又は複数の特性を示すデータは、方法1100を実行する1つ又は複数のデバイスのうちの少なくとも1つによって受信されてもよい。
【0203】
方法1100は、ブロック1106において、データに基づいて、データベース内でオーディオ処理アルゴリズムを特定することを含む。1つ又は複数の特性が再生ゾーン810の音響特性を含む場合を参照すると、オーディオ処理アルゴリズムは、再生ゾーン810の音響特性に基づいて、データベース内で特定されうる。例えば、図6Aのデータベース600を参照すると、受信したデータが、hroom−1(t)−3又はhroom−1(t)−3と実質的に同一の、再生ゾーン810の音響特性を示す場合、係数w、x、y及びzを有するデータベースエントリ606のオーディオ処理アルゴリズムが特定されうる。例えば、再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータは、検出された第2のオーディオ信号を示すデータを単に含み、再生ゾーンの音響特性は、さらに、オーディオ処理アルゴリズムを特定する前に、上述したように決定されうる。他の例もまた可能である。
【0204】
1つ又は複数の特性が、数ある特性の中でも特に、再生ゾーンの寸法を含む場合を参照すると、オーディオ処理アルゴリズムは、再生ゾーンの寸法に基づいて、データベース内で特定されてもよい。例えば、図6Bのデータベース650を参照すると、受信データがa×b×cとして又はa×b×cと実質的に同一の、再生ゾーン810の寸法を示す場合、係数w、x、y及びzを有するデータベースエントリ658のオーディオ処理アルゴリズムエントリが特定されうる。他の例もまた可能である。
【0205】
幾つかの場合において、複数のオーディオ処理アルゴリズムは、受信データに示される再生ゾーンの1つ又は複数の特性に基づいて特定されてもよい。例えば、再生ゾーン810の音響特性が、hroom−1(t)−3として決定される一方で、再生ゾーン810についてユーザによって提供される寸法が、a×b×cであってもよい。ここで、hroom−1(t)−3は、図6のデータベース650のエントリ656において提供されるようなオーディオ処理アルゴリズムパラメータw、x、y及びzに対応し、a×b×cは、エントリ658において提供されるようなオーディオ処理アルゴリズムパラメータw、x、y及びzに対応する。
【0206】
ある例では、一致又は実質的に一致する音響特性に対応するオーディオ処理アルゴリズムが優先されてもよい。別の例では、オーディオ処理アルゴリズムの平均(すなわち、パラメータの平均)が計算されてもよく、平均オーディオ処理アルゴリズムが、特定されたオーディオ処理アルゴリズムであってもよい。他の例もまた可能である。
【0207】
方法1100は、ブロック1108において、特定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータを送信することを含む。上記例を続けると、特定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータは、再生ゾーン810用に校正されている再生デバイス804に送信されてもよい。ある場合では、特定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータは、再生デバイス804に直接送信されてもよい。別の場合では、再生デバイス804の校正がコントローラデバイス808によって調整される場合、及びオーディオ処理アルゴリズムがコンピューティングデバイス802によって特定された場合、特定されたオーディオ処理アルゴリズムを示すデータは、コントローラデバイス808を介してコンピューティングデバイス802から再生デバイス804に対して送信されてもよい。他の例もまた可能である。
【0208】
上述したように、方法1100の機能は、1つ又は複数のサーバ、1つ又は複数の再生デバイス、及び/又は1つ又は複数のコントローラデバイスのうちの1つ又は複数によって実行されうる。ある例では、ブロック1102におけるデータベースの保守は、コンピューティングデバイス802によって実行される。ブロック1104における再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータの受信は、コントローラデバイス808によって実行される(データは、再生ゾーン810において校正されている再生デバイス804によってコントローラデバイス808に提供される)。ブロック1106は、コンピューティングデバイス802と通信するコントローラデバイス808によって実行され、コンピューティングデバイス802によって保守されるデータベースにアクセスして、オーディオ信号処理が特定される。ブロック1108は、コンピューティングデバイス802が、特定されたオーディオ処理アルゴリズムを示すデータを、直接又はコントローラデバイス808を介して、再生デバイス804に送信することを含む。
【0209】
別の例では、方法1100の機能は、1つのデバイスによって完全に又は実質的完全に実行されてもよい。例えば、コンピューティングデバイス802は、ブロック1102に関連して記載されたようにデータベースを保守してもよい。
【0210】
そして、コンピューティングデバイス802は、再生デバイス804の校正を調整してもよい。例えば、コンピューティングデバイス802は、再生デバイス804に第1のオーディオ信号を再生させて第2のオーディオ信号を検出させ、検出された第2のオーディオ信号を示すデータを再生デバイス804から受信し、再生デバイス804からのデータに基づいて再生ゾーン810の音響特性を決定してもよい。別の場合において、コンピューティングデバイス802は、コントローラデバイス808に再生ゾーン810の1つ又は複数の特性(すなわち、上述したように寸法など)を提供するようにユーザを促させ、再生ゾーン810のユーザによって提供された特性を示すデータを受信してもよい。
【0211】
そして、コンピューティングデバイスは、ブロック1106において、受信データに基づいてオーディオ処理アルゴリズムを特定することができ、ブロック1108において、特定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータを再生デバイス804に対して送信してもよい。また、コンピューティングデバイス802は、再生デバイス804のためにコマンドを送信して、再生ゾーン810内でオーディオコンテンツを再生するときに、特定されたオーディオ処理アルゴリズムを適用してもよい。他の例もまた可能である。
【0212】
IV.結論
本明細書は、様々な例示のシステム、方法、装置、および製品などを開示しており、それらは、他のコンポーネントの中で、ハードウェア上で実行されるファームウェアおよび/又はソフトウェアを含む。そのような例は、単なる例示であり、限定されるものとみなすべきではないと理解される。例えば、これらのファームウェア、ハードウェア、および/又はソフトウェアの態様又はコンポーネントのいくつか又はすべてが、専らハードウェアに、専らソフトウェアに、専らファームウェアに、又はハードウェア、ソフトウェア、および/又はファームウェアの任意の組み合わせを実施することができることが意図されている。したがって、提供されているそれらの例は、それらのシステム、方法、装置、および/又は生産物を実施する唯一の方法ではない。
【0213】
更に、本明細書において「実施形態」は、実施形態に関連して述べられた特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを示している。本明細書の様々な場所でこの語句が用いられているが、すべてが同じ実施形態を言及するものではなく、又、他の実施形態を除いた別個の実施形態又は代替の実施形態でもない。このように、本明細書で述べられた実施形態は、明示的におよび暗黙的に、当業者によって、他の実施形態砥組み合わせることができることが理解される。
【0214】
以下の例は、本開示のさらなる又は代替的な態様を記載している。以下の例のいずれかにおけるデバイスは、本明細書に記載されたデバイスのうちのいずれかのデバイスの要素又は本明細書に記載されたデバイスの任意の構成とすることができる。
(特徴1)
プロセッサ、及び前記プロセッサによって実行可能であってコンピューティングデバイスに機能を実行させる命令を格納したメモリを備えたコンピューティングデバイスであって、
前記機能は、
再生ゾーン内の再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させること、
前記再生デバイスのマイクロホンによって検出された第2のオーディオ信号を示すデータを前記再生デバイスから受信すること、ここで、前記第2のオーディオ信号は前記第1のオーディオ信号に対応する部分を含む、
前記第2のオーディオ信号及び前記再生デバイスの音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及び
決定した前記オーディオ処理アルゴリズムを示すデータを前記再生デバイスに送信すること、
を有する、コンピューティングデバイス。
(特徴2)
前記再生ゾーン内で前記第1のオーディオ信号を再生するときに前記決定したオーディオ処理アルゴリズムを前記再生デバイスによって適用することにより、所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有する第3のオーディオ信号が生成される、いずれかの先行する特徴のコンピューティングデバイス。
(特徴3)
前記オーディオ処理アルゴリズムを決定することが、さらに、
前記第2のオーディオ信号及び前記再生デバイスの音響特性に基づいて、前記再生ゾーンの音響特性を決定すること、及び
前記再生ゾーンの決定した前記音響特性に対応するオーディオ処理アルゴリズムを複数のオーディオ処理アルゴリズムから選択すること、
を含む、いずれかの先行する特徴のコンピューティングデバイス。
(特徴4)
前記オーディオ処理アルゴリズムを決定することが、さらに、
前記第2のオーディオ信号及び前記再生デバイスの音響特性に基づいて、前記再生ゾーンの音響特性を決定すること、及び
前記再生ゾーンの音響特性及び所定のオーディオ特性に基づいて、前記オーディオ処理アルゴリズムを計算すること、
を含む、いずれかの先行する特徴のコンピューティングデバイス。
(特徴5)
前記オーディオ処理アルゴリズムを決定することが、前記オーディオ処理アルゴリズムについての1つ又は複数のパラメータを決定することを含む、いずれかの先行する特徴のコンピューティングデバイス。
(特徴6)
前記機能が、さらに、
無響室内の基準再生デバイスに測定信号を再生させること、
前記基準再生デバイスのマイクロホンによって検出されたオーディオ信号を示すデータを前記基準再生デバイスから受信すること、ここで、前記検出されたオーディオ信号は前記無響室内で再生された測定信号に対応する部分を含む、及び
前記検出されたオーディオ信号と前記測定信号との比較に基づいて、前記再生デバイスの音響特性を決定すること、
を有する、いずれかの先行する特徴のコンピューティングデバイス。
(特徴7)
プロセッサ、及び前記プロセッサによって実行可能であってコンピューティングデバイスに機能を実行させる命令を格納したメモリを備えたコンピューティングデバイスであって、
前記機能は、
再生ゾーンにおいて、第1の再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させること、
前記再生ゾーンにおいて、第2の再生デバイスに第2のオーディオ信号を再生させること、
前記第1の再生デバイスのマイクロホンによって検出された第3のオーディオ信号を示すデータを前記第1の再生デバイスから受信すること、ここで、前記第3のオーディオ信号は、(i)前記第1のオーディオ信号に対応する部分及び(ii)第2の再生デバイスによって再生された前記第2のオーディオ信号に対応する部分を含む、
前記第3のオーディオ信号及び前記第1の再生デバイスの音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及び
前記決定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータを前記第1の再生デバイスに送信すること、
を有する、コンピューティングデバイス。
(特徴8)
前記再生ゾーンにおいて前記第1のオーディオ信号を再生するときに前記決定したオーディオ処理アルゴリズムを前記第1の再生デバイスによって適用することにより、所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有する第4のオーディオ信号が生成される、特徴7のコンピューティングデバイス。
(特徴9)
前記オーディオ処理アルゴリズムを決定することは、さらに、
前記第3のオーディオ信号及び前記第1の再生デバイスの音響特性に基づいて、前記再生ゾーンの音響特性を決定すること、及び
前記再生ゾーンの音響特性に対応するオーディオ処理アルゴリズムを複数のオーディオ処理アルゴリズムから選択すること
を含む、特徴7又は特徴8のコンピューティングデバイス。
(特徴10)
第2の再生デバイスに第2のオーディオ信号を再生させることは、前記第1の再生デバイスによる前記第1のオーディオ信号の再生と同期して、前記第2の再生デバイスに前記第2のオーディオ信号を再生させることを含む、特徴7から特徴9のいずれかのコンピューティングデバイス。
(特徴11)
第2の再生デバイスに第2のオーディオ信号を再生させることは、前記第1の再生デバイスによる前記第1のオーディオ信号の再生が終了した後に前記第2の再生デバイスに前記第2のオーディオ信号を再生させることを含む、特徴7から特徴10のいずれかのコンピューティングデバイス。
(特徴12)
前記第1のオーディオ信号は前記第2のオーディオ信号に直交している、特徴7から特徴11のいずれかのコンピューティングデバイス。
(特徴13)
前記第1の再生デバイス及び前記第2の再生デバイスは、同期してオーディオコンテンツを再生するように構成された再生デバイスのゾーングループに含まれる、特徴7から特徴12のいずれかのコンピューティングデバイス。
(特徴14)
プロセッサ、マイクロホン、及び前記プロセッサによって実行可能であって再生デバイスに機能を実行させる命令を格納したメモリを備えた再生デバイスであって、
前記機能は、
再生ゾーン内で第1のオーディオ信号を再生すること、
第2のオーディオ信号を前記マイクロホンによって検出すること、ここで、前記第2のオーディオ信号は前記第1のオーディオ信号に対応する部分を含む、
前記第2のオーディオ信号及び前記再生デバイスの音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定すること、
前記再生ゾーン内でメディアアイテムを再生するときに前記メディアアイテムに対応するオーディオデータに対して、前記決定したオーディオ処理アルゴリズムを適用すること、
を有する、再生デバイス。
(特徴15)
前記再生ゾーン内で前記第1のオーディオ信号を再生するときに前記決定したオーディオ処理アルゴリズムを適用することにより、所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有する第3のオーディオ信号を生成する、特徴14のコンピューティングデバイス。
(特徴16)
前記オーディオ処理アルゴリズムを決定することは、さらに、
前記第2のオーディオ信号及び前記再生デバイスの音響特性に基づいて、前記再生ゾーンの1つ又は複数の特性を決定すること、及び
前記再生ゾーンの1つ又は複数の特性に対応するオーディオ処理アルゴリズムを複数のオーディオ処理アルゴリズムから選択すること、
を含む、特徴14又は特徴15のコンピューティングデバイス。
(特徴17)
前記オーディオ処理アルゴリズムを決定することは、
(i)前記第2のオーディオ信号及び(ii)前記再生デバイスの特性を示す送信データをコンピューティングデバイスに送信すること、及び
前記オーディオ処理アルゴリズムを示すデータを前記コンピューティングデバイスから受信すること、
を含む、特徴14から特徴16のいずれかのコンピューティングデバイス。
(特徴18)
前記機能は、さらに、前記決定したオーディオ処理アルゴリズムを前記メモリに格納することを含む、特徴14から特徴17のいずれかのコンピューティングデバイス。
(特徴19)
前記オーディオデータに対して前記オーディオ処理アルゴリズムを適用することは、前記メディアアイテムの周波数等化を変更することを含む、特徴14から特徴18のいずれかのコンピューティングデバイス。
(特徴20)
前記オーディオデータに対して前記オーディオ処理アルゴリズムを適用することは、前記メディアアイテムの音量域を変更することを含む、特徴14から特徴19のいずれかのコンピューティングデバイス。
(特徴21)
プロセッサ、及び
前記プロセッサによって実行可能であってコンピューティングデバイスに機能を実行させる命令を格納したメモリ、
を備えたコンピューティングデバイスであって、
前記機能は、
再生ゾーン内の再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させること、
前記再生デバイスのマイクロホンによって検出された第2のオーディオ信号を示すデータを受信すること、ここで、前記第2のオーディオ信号は、前記再生デバイスによって再生された前記第1のオーディオ信号に対応する部分を含む、
前記第2のオーディオ信号及び前記再生デバイスの特性に基づいて、前記再生ゾーンの音響特性を決定すること、
前記再生ゾーンの音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及び
前記オーディオ処理アルゴリズムと前記再生ゾーンの音響特性との関連付けをデータベースに記憶させること、
を有する、コンピューティングデバイス。
(特徴22)
前記再生ゾーン内で前記第1のオーディオ信号を再生するときに前記決定したオーディオ処理アルゴリズムを前記再生デバイスによって適用することにより、所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有する第3のオーディオ信号が生成される、いずれかの先行する特徴のコンピューティングデバイス。
(特徴23)
前記再生デバイスは、第1の再生デバイスである、
前記再生ゾーンは、第1の再生ゾーンである、
前記オーディオ処理アルゴリズムは、第1のオーディオ処理アルゴリズムである、
前記機能は、さらに、
第2の再生ゾーン内の第2の再生デバイスに第4のオーディオ信号を再生させること、
前記第2の再生デバイスのマイクロホンによって検出された第5のオーディオ信号を示すデータを受信すること、ここで、前記第5のオーディオ信号は、前記第2の再生デバイスによって再生された前記第4のオーディオ信号に対応する部分を含む、
前記第5のオーディオ信号及び前記第2の再生デバイスの特性に基づいて、前記第2の再生ゾーンの音響特性を決定すること、
前記第2の再生ゾーンの音響特性に基づいて、第2のオーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及び
前記第2のオーディオ処理アルゴリズム及び前記第2の再生ゾーンの音響特性との関連付けをデータベースに記憶させること、
を有する、いずれかの先行する特徴のコンピューティングデバイス。
(特徴24)
第1の再生ゾーン内で前記第1のオーディオ信号を再生するときに前記第1の決定されたオーディオ処理アルゴリズムを前記第1の再生デバイスによって適用することにより、所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有する第3のオーディオ信号が生成される、
前記第2の再生ゾーン内で前記第4のオーディオ信号を再生するときに前記第2の決定されたオーディオ処理アルゴリズムを前記第2の再生デバイスによって適用することにより、前記所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有する第6のオーディオ信号が生成される、
特徴3のコンピューティングデバイス。
(特徴25)
前記機能は、さらに、
前記第2の再生ゾーンの音響特性が前記第1の再生ゾーンの音響特性と実質的に同一であることを決定すること、
それに応答して、前記第1のオーディオ処理アルゴリズム及び前記第2のオーディオ処理アルゴリズムに基づいて、第3のオーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及び
前記第3のオーディオ処理アルゴリズムと前記第1の再生ゾーンの音響特性との関連付けをデータベースに記憶させること、
を有する、特徴3のコンピューティングデバイス。
(特徴26)
前記オーディオ処理アルゴリズムを決定することは、前記オーディオ処理アルゴリズムについての1つ又は複数のパラメータを決定することを含む、特徴21から特徴25のいずれかのコンピューティングデバイス。
(特徴27)
前記機能は、さらに、
前記再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータを受信すること、及び
前記再生ゾーンの1つ又は複数の特性と前記第2のオーディオ処理アルゴリズムとの関連付けをデータベースに記憶させること、
を有する、特徴21から特徴26のいずれかのコンピューティングデバイス。
(特徴28)
前記再生ゾーンの1つ又は複数の特性は、(a)前記再生ゾーンの寸法、(b)前記再生ゾーンのオーディオ反射特性、(c)再生ゾーンの使用目的、(d)再生ゾーン内の家具の数、(e)再生ゾーン内の家具の大きさ、及び(f)再生ゾーン内の家具の種類のうちの1つ又は複数を含む、特徴27のコンピューティングデバイス。
(特徴29)
プロセッサ、及び
前記プロセッサによって実行可能であってコンピューティングデバイスに機能を実行させる命令を格納したメモリ、
を備えたコンピューティングデバイスであって、
前記機能は、
再生ゾーン内の再生デバイスに第1のオーディオ信号を再生させること、
(i)前記再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータ及び(ii)前記再生デバイスのマイクロホンによって検出された第2のオーディオ信号を示すデータを受信すること、ここで、前記第2のオーディオ信号は、前記再生デバイスによって再生された前記オーディオ信号に対応する部分を含む、
前記第2のオーディオ信号及び前記再生デバイスの特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及び
前記決定したオーディオ処理アルゴリズムと前記再生ゾーンの1つ又は複数の特性のうちの少なくとも1つとの関連付けをデータベースに記憶させること、
を備える、コンピューティングデバイス。
(特徴30)
前記オーディオ処理アルゴリズムを決定することは、さらに、
前記第2のオーディオ信号及び前記再生デバイスの特性に基づいて、前記再生ゾーンの音響特性を決定すること、及び
前記再生ゾーンの音響特性に基づいてオーディオ処理アルゴリズムを決定すること、を含み、前記再生ゾーン内で前記第2のオーディオ信号を再生するときに前記決定したオーディオ処理アルゴリズムを前記再生デバイスによって適用することにより、所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有する第3のオーディオ信号が生成されるようにする、
特徴29のコンピューティングデバイス。
(特徴31)
前記再生デバイスは、第1の再生デバイスである、
前記再生ゾーンは、第1の再生ゾーンである、
前記オーディオ処理アルゴリズムは、第1のオーディオ処理アルゴリズムである、
前記機能は、さらに、
第2の再生ゾーン内の第2の再生デバイスに第3のオーディオ信号を再生させること、
(i)前記第2の再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータ及び(ii)前記第2の再生ゾーン内の第2の再生デバイスのマイクロホンによって検出された第4のオーディオ信号を示すデータを受信すること、ここで、前記第4のオーディオ信号は、前記再生デバイスによって再生された前記第3のオーディオ信号に対応する部分を含む、
前記第4のオーディオ信号及び前記第2の再生デバイスの特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及び
前記第2のオーディオ処理アルゴリズムと前記第2の再生ゾーンの1つ又は複数の特性のうちの少なくとも1つとの関連付けをデータベースに記憶させること、
を有する、特徴29又は特徴30のコンピューティングデバイス。
(特徴32)
前記第2のオーディオ処理アルゴリズムを決定することは、さらに、
前記第4のオーディオ信号及び前記再生デバイスの特性に基づいて、前記再生ゾーンの音響特性を決定すること、及び
前記再生ゾーンの音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを決定すること、を含み、前記再生ゾーン内で前記第3のオーディオ信号を再生するときに前記決定したオーディオ処理アルゴリズムを前記第2の再生デバイスによって適用することにより、所定のオーディオ特性と実質的に同一のオーディオ特性を有する第5のオーディオ信号が生成されるようにする、
特徴29のコンピューティングデバイス。
(特徴33)
前記機能は、さらに、
前記第2の再生ゾーンの音響特性が前記第1の再生ゾーンの音響特性と実質的に同一であることを決定すること、
それに応答して、前記第1のオーディオ処理アルゴリズム及び前記第2のオーディオ処理アルゴリズムに基づいて、第3のオーディオ処理アルゴリズムを決定すること、及び
前記第3のオーディオ処理アルゴリズムと前記第1の再生ゾーンの1つ又は複数の特性のうちの少なくとも1つとの関連付けをデータベースに記憶させること、
を有する、特徴32のコンピューティングデバイス。
(特徴34)
前記再生ゾーンの1つ又は複数の特性は、(a)前記再生ゾーンの寸法、(b)前記再生ゾーンのオーディオ反射特性、(c)再生ゾーンの使用目的、(d)再生ゾーン内の家具の数、(e)再生ゾーン内の家具の大きさ、(f)再生ゾーン内の家具の種類、及び(g)前記再生ゾーンの音響特性のうちの1つ又は複数を含む、特徴29から特徴33のいずれかのコンピューティングデバイス。
(特徴35)
プロセッサ、及び
前記プロセッサによって実行可能であって再生デバイスに機能を実行させる命令を格納したメモリ、
を備えたコンピューティングデバイスであって、
前記機能は、
(i)複数のオーディオ処理アルゴリズム及び(ii)複数の再生ゾーン特性のデータベースを保守すること、ここで、前記複数のオーディオ処理アルゴリズムのうちの各オーディオ処理アルゴリズムは、前記複数の再生ゾーン特性のうちの少なくとも1つの再生ゾーン特性に対応している、
前記再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータを受信すること、
前記データに基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを前記データベースにおいて特定すること、及び
前記特定したオーディオ処理アルゴリズムを示すデータを送信すること、
を有する、コンピューティングデバイス。
(特徴36)
前記データは、さらに、前記再生ゾーン内の再生デバイスのマイクロホンによって検出されたオーディオ信号を示す、特徴35のコンピューティングデバイス。
(特徴37)
前記オーディオ処理アルゴリズムを前記データベースにおいて特定することは、さらに、
前記検出されたオーディオ信号及び前記再生デバイスの特性に基づいて、前記再生ゾーンの音響特性を決定すること、及び
前記再生ゾーンの決定した前記音響特性に基づいて、オーディオ処理アルゴリズムを前記データベースにおいて特定すること、
を含む、特徴36のコンピューティングデバイス。
(特徴38)
前記複数の再生ゾーン特性は、(a)前記再生ゾーンの寸法、(b)前記再生ゾーンのオーディオ反射特性、(c)再生ゾーンの使用目的、(d)再生ゾーン内の家具の数、(e)再生ゾーン内の家具の大きさ、(f)再生ゾーン内の家具の種類、及び(g)前記再生ゾーンの音響特性のうちの1つ又は複数を含む、特徴35のコンピューティングデバイス。
(特徴39)
前記再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータは、コントローラデバイスから受信される、特徴35のコンピューティングデバイス。
(特徴40)
前記再生ゾーンの1つ又は複数の特性を示すデータは、前記再生ゾーン内の再生デバイスから受信される、特徴35のコンピューティングデバイス。
【0215】
本明細書は、例示的な環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、および他のシンボル表現に関して広く示されており、それらは直接又は間接的にネットワークに接続されるデータ処理デバイスの動作に類似するものである。これらの処理説明および表現は、一般的に当業者によって使用され、それらの仕事の内容を他の当業者に最も効率良く伝えることができる。多くの具体的な内容が、本開示を理解するために提供されている。しかしながら、当業者にとって、本開示の特定の実施形態が特定の、具体的な詳細なしに実施され得ることは理解される。他の例では、周知の方法、手順、コンポーネント、および回路が、実施形態を不必要に曖昧にすることを避けるため、詳細に説明していない。したがって、本開示の範囲は、上記した実施形態よりむしろ添付された特許請求の範囲によって定義される。
【0216】
添付の特許請求の範囲のいずれかが単にソフトウェアおよび/又はファームウェアへの実装をカバーするように読み取ると、少なくとも1つの例における要素の1つ又は複数は、本明細書では、ソフトウェアおよび/又はファームウェアを記憶する有形の非一時的な記憶媒体、例えば、メモリ、DVD、CD、Blu−ray(登録商標)等を含むことが明確に定められている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
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図9
図10
図11