(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ドアと天井との間の開口部に窓ユニットを取り付ける窓ユニット取付構造を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。
特許文献1に記載されたパネル取付構造は概略次のような構成になっている。まず、ドアの上端と天井との間には開口部が形成されていて、この開口部にはパネルが落とし込まれている。上記開口部の縁部には開口枠が取り付けられていて、この開口枠の上部には笠木嵌合凹部が設けられている。上記笠木嵌合凹部には笠木が設置されている。また、上記開口枠の両内側面にはそれぞれ一対ずつの支持片が突出・形成されている。また、上記開口枠の下側の両角にはL形鋼からなる受け金具が設置されている。
【0003】
上記パネルの上端面には上記笠木が挿入される笠木挿入部が設けられている。また、上記パネルの両側面には板ばねが2個ずつ設置されている。上記板ばねには弾性変形部が設けられていて、この弾性変形部はパネルの外側に向けて突出・形成されていて、上記開口部側の左右の一対の支持片の間に係合している。
【0004】
次に、取付作業について説明する。
まず、作業員が上記パネル持ち上げ、別の作業員が上記パネルの各板バネの弾性変形部を治具で押さえる。その状態で上記パネルを傾斜させて笠木挿入部に上記笠木を挿入させながら上記開口部内に落とし込んで設置する。
次に、上記治具を除去する。それによって、上記各板バネの弾性変形部が弾性復帰して上記開口部の両側面の一対の支持片の間に係合される。
次に、上記パネルを下側に下す。それによって、上記パネルは上記受け金具の横片上に載置された状態になる。
最後に、上記パネルと上記開口部の隙間に目地を取り付ける。
【0005】
なお、未公開ではあるが、本件特許出願人による先願に特願2017−200788があり、ドア本体の開口部に窓ユニットを取り付けた窓ユニット取付構造が開示されている。そこでは窓ユニットを複数本のビスによってドア本体側に固定している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、特許文献1に記載された発明によると、パネルの開口部への嵌め込み作業の作業性が悪いという問題があった。既に説明したように、嵌め込み作業にはパネルを保持する作業員と治具で各板ばねの弾性変形部を押し付ける作業員が必要であるが、板バネがパネルに取り付けられているために、パネルを保持する作業員と治具で各板ばねの弾性変形部を押し付ける作業員の両方が接近した状態にあり、それがそれぞれの作業員の作業性を悪化させていた。
また、別の問題として、笠木を差し込んだ構成になっているため、壁面との間に段差が発生してしまい、埃が溜ってしまうという問題もあった。
さらに、本件特許出願人による先願の場合にはビスによって窓ユニットのガラスに傷をつけてしまうおそれがあるとともに、窓ユニットと開口部との間に幅広の隙間が発生してしまい、この隙間をパッキンで塞いだとしても美感上好ましくないという問題もあった。
【0008】
本発明は、このような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、窓ユニットの開口部への取付作業の容易化を図ることができる窓ユニット取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するべく請求項1に記載された窓ユニット取付構造は、開口部と、上記開口部に着脱可能に設置された窓ユニットと、上記開口部の角部に設置され弾性変形部を備えた板ばねと、上記窓ユニットの角部に設けられ上記板ばねの弾性変形部が係合する係合凹部と、を具備し、上記各板ばねの弾性変形部を上記開口部側に付勢して上記窓ユニットを上記開口部に嵌め込み、上記板ばねの弾性変形部が弾性復帰して上記窓ユニットの係合凹部に係合することにより窓ユニットを保持
し、上記板ばねの上記弾性変形部を上記開口部側に押し付ける押付治具を保持する押付治具保持部が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1記載の窓ユニット取付構造において、上記開口部は四角形であり、上記窓ユニットも四角形であり、上記板ばねは上記開口部の四隅に設置されていることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載された窓ユニット取付構造は、請求項2記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねはL字形状をなしていてL字の各片が上記角部を構成する開口部の二辺にそれぞれ固定され、上記L字の各片に弾性変形部を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載された窓ユニット取付構造は、請求項3記載の窓ユニット取付構造において、上記
L字形状の板ばねの弾性変形部を押し付けるL字型押付治具があり、上記L字形状の板ばねのL字の各片の先端には上記L字型押付治具のL字の各片の先端が係合する押付治具保持部が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねの上記弾性変形部
には上記窓ユニットの上記開口部側への嵌め込みをガイドする傾斜部が設けられていて、上記窓ユニットを上記傾斜部に沿って上記開口部に嵌め込むことにより上記弾性変形部が上記開口部側に付勢されることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載された窓ユニット取付構造は、請求項
5記載の窓ユニット取付構造において、上記
係合凹部の一部は拡幅されていて上記係合凹部の拡幅された部分には上記傾斜部が収容され上記係合凹部の拡幅されていない部分には上記弾性変形部の傾斜部がない側が係合するように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項7に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1〜請求項6の何れかに記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねの
内側面にはセッティングブロックが設置されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
以上述べたように、請求項1記載の窓ユニット取付構造によると、開口部と、上記開口部に着脱可能に設置された窓ユニットと、上記開口部の角部に設置され弾性変形部を備えた板ばねと、上記窓ユニットの角部に設けられ上記板ばねの弾性変形部が係合する係合凹部と、を具備し、上記各板ばねの弾性変形部を上記開口部側に付勢して上記窓ユニットを上記開口部に嵌め込み、上記板ばねの弾性変形部が弾性復帰して上記窓ユニットの係合凹部に係合することにより窓ユニットを保持するため、上記窓ユニットを保持する作業者と上記板ばねの弾性変形部を押さえる作業者が必要になるものの、上記板ばねの弾性変形部を押さえる作業者は開口部側にいればよく、複数の上記作業者が一か所にいる状態にならず、上記窓ユニットの上記開口部への取付作業を行いやすくすることができる。
また、請求項2に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1記載の窓ユニット取付構造において、上記開口部は四角形であり、上記窓ユニットも四角形であり、上記板ばねは上記開口部の四隅に設置されているため、簡易な構成により上記窓ユニットを確実に保持することができる。
また、請求項3に記載された窓ユニット取付構造は、請求項2記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねはL字形状をなしていてL字の各片が上記角部を構成する開口部の二辺にそれぞれ固定され、上記L字の各片に弾性変形部を備えているため、上記窓ユニットを確実に保持することができる。
また、請求項4に記載された窓ユニット取付構造は、請求項2又は請求項3記載の窓ユニット取付構造において、上記窓ユニットの下辺と上記開口部の間にはセッティングブロックが介挿されているため、上記窓ユニットを上記開口部の中央に保持することができる。
また、請求項5に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねの上記弾性変形部を上記開口部側に押し付ける押付治具を保持する押付治具保持部が設けられているため、治具を作業者によって保持する必要がなく、上記窓ユニットの上記開口部への取付作業を行いやすくすることができる。
また、請求項6に記載された窓ユニット取付構造は、請求項3記載の窓ユニット取付構造において、上記L字形状の板ばねの弾性変形部を押し付けるL字型押付治具があり、上記L字形状の板ばねのL字の各片の先端には上記L字型押付金具のL字の各片の先端が係合する押付治具係合部が設けられているため、上記窓ユニットの上記開口部への取付作業を行いやすくすることができる。
また、請求項7に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1〜請求項6の何れかに記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねの上記弾性変形部には上記窓ユニットの上記開口部側への嵌め込みをガイドする傾斜部が設けられていて、上記窓ユニットを上記傾斜部に沿って上記開口部に嵌め込むことにより上記弾性変形部が上記開口部側に付勢されるため、上記弾性変形部を治具で保持する必要がなく、上記窓ユニットの上記開口部への取付作業を行いやすくすることができる。
また、請求項8に記載された窓ユニット取付構造は、請求項7記載の窓ユニット取付構造において、上記係合凹部の一部は拡幅されていて上記係合凹部の拡幅された部分には上記傾斜部が収容され上記係合凹部の拡幅されていない部分には上記弾性変形部の傾斜部がない側が係合するように構成されているため、窓ユニットを挿入し易くなるとともに、一旦上記窓ユニットが挿入されれば上記係合凹部の拡幅されていない部分に上記弾性変形部の傾斜部がない側が係合して抜けなくなり上記窓ユニットを確実に保持することができる。
また、請求項9に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1〜請求項8の何れかに記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねの内側面にはセッティングブロックが設置されているため、上記セッティングブロックにより上記窓ユニットを保持することができ、上記窓ユニットの上記開口部への取付作業を行いやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、窓ユニット及びその周囲の構成を示す正面図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、窓ユニット取付構造の一部を示す図であり、
図2(a)は開口部に板ばねを取り付ける様子を示す分解斜視図、
図2(b)は開口部に板ばねが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、
図3(a)は板ばねを示す斜視図、
図3(b)は窓ユニットの角部を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、開口部の下側の板ばね付近を示す断面図であり窓ユニットを開口部に取り付けるまでの手順を示す図で、
図4(a)は窓ユニットを取り付ける前の状態を示す図、
図4(b)は板ばねの弾性変形部を押付治具で押さえた状態を示す図、
図4(c)は窓ユニットを開口部に嵌め込んだ状態を示す図、
図4(d)は開口部と窓ユニットとの間にセッティングブロックを介挿させた状態を示す図、
図4(e)は開口部と窓ユニットとの間にシーリング材を充填させた状態を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、窓ユニットを開口部に嵌め込む様子を示す部分斜視図である。
【
図6】本発明の第2の実施の形態を示す図で、
図6(a)は開口部に板ばねを取り付ける様子を示した部分斜視図、
図6(b)は板ばねに押付治具を設置する様子を示した部分斜視図、
図6(c)は板ばねに押付治具を設置した状態を示した部分斜視図である。
【
図7】本発明の第2の実施の形態を示す図で、
図7(a)は窓ユニットを開口部に嵌め込む様子を示した部分斜視図、
図7(b)は窓ユニットを開口部に嵌め込んだ後押付治具を除去する様子を示した部分斜視図、
図7(c)は板ばねの弾性変形部が窓ユニットの係合凹部に係合される様子を示した部分斜視図である。
【
図8】本発明の第2の実施の形態を示す図で、開口部の下側の板ばね付近を示す断面図であり窓ユニットを開口部に取り付けるまでの手順を示す図で、
図8(a)は窓ユニットを嵌め込む前の状態を示す図、
図8(b)は板ばねに押付治具を設置し弾性変形部を上記押付治具で押さえた状態を示す図、
図8(c)は窓ユニットを開口部に嵌め込む様子を示す図、
図8(d)は押付治具を除去し板ばねの弾性変形部が窓ユニットの係合凹部に係合される様子を示す図、
図8(e)は開口部と窓ユニットとの間にシーリング材を充填させた状態を示す図である。
【
図9】本発明の第3の実施の形態を示す図で、窓ユニット取付構造の一部を示す図であり、
図9(a)は開口部に板ばねとセッティングブロックを取り付ける様子を示す分解斜視図、
図9(b)は開口部に板ばねとセッティングブロックが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図10】本発明の第3の実施の形態を示す図で、窓ユニット及びその周囲の構成を示す部分正面図である。
【
図11】本発明の第3の実施の形態を示す図で、窓ユニットの一部を示す斜視図である。
【
図13】本発明の第3の実施の形態を示す図で、
図13(a)は窓ユニットを開口部に嵌め込む様子を示す部分斜視図、
図13(b)は窓ユニットを開口部に嵌め込む際に板ばねの弾性変形部が傾斜部を介して上記窓ユニットによって弾性力に抗して押圧・付勢された状態を示す部分斜視図である。
【
図14】本発明の第3の実施の形態を示す図で、開口部の下側の板ばね付近を示す断面図であり窓ユニットを開口部に取り付けるまでの手順を示す図で、
図14(a)は窓ユニットを嵌め込む前の状態を示す図、
図14(b)は窓ユニットを開口部に嵌め込もうとする状態を示す図、
図14(c)は板ばねの弾性変形部が傾斜部を介して上記窓ユニットによって弾性力に抗して押圧・付勢された状態を示す図、
図14(d)は板ばねの弾性変形部が上記窓ユニットの係合凹部に係合され開口部と窓ユニットとの間にシーリング材を充填させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、
図1乃至
図5を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。この第1の実施の形態による窓ユニット取付構造1は概略次のような構成をなしている。
図1に示すように、まず、壁3があり、この壁3には四角形の開口部5が設けられている。上記開口部5には窓ユニット7が嵌め込まれている。上記開口部5と上記窓ユニット7との間であって各角部には、板ばね9、9、9、9が介挿されている。また、上記窓ユニット7の下辺と上記開口部5との間にはセッティングブロック11、11が介挿されている。また、上記開口部5と上記窓ユニット7の間にはシーリング材13が充填されている。
【0013】
以下、各構成要素について詳細に説明する。
図2、
図3(a)に示すように、板ばね9はL字形状の板ばね本体21を備えていて、この板ばね本体21のL字の各片22、22の先端には弾性変形部23、23が突出・形成されている。上記弾性変形部23、23は上記開口部5の内側に向けて突出されている。上記弾性変形部23は上記片22に対して幅狭(大よそ1/3)で設けられている。
【0014】
上記板ばね9は上記開口部5の角部を構成する2辺に跨るように設置されており、片側の片22と弾性変形部23が上記2辺の内の一方の辺に設置され、反対側の片22と弾性変形部23が他方の辺に設置されている。
【0015】
上記各片22、22には複数個(この第1の実施の形態の場合は3個)の貫通孔25、25、25がそれぞれ形成されている。上記板ばね9の各片22、22は、複数個(この第1の実施の形態の場合は3個)のビス27、27、27を上記貫通孔25、25、25に通して上記開口部5の内周面に形成された下穴29、29、29にセルフタッピングにより螺合させることにより上記開口部5の内周面の各辺に固定されている。
【0016】
上記窓ユニット7は、
図3(b)、
図4、
図5に示すように、表裏両面にガラスパネル31、31を備えていて、これらガラスパネル31、31間の外周側から少し内側にはスペーサ33が全周にわたって設置されている。上記ガラスパネル31、31と上記スペーサ33とは図示しないブチルテープで気密を保持するように貼り合わされている。上記スペーサ33内には図示しない乾燥剤が設置されているとともに上記スペーサ33の上記窓ユニット7内部側には図示しない貫通穴が形成されていて、上記ガラスパネル31、31と上記スペーサ33によって囲まれた空間内の水分を除去し、上記ガラスパネル31、31の結露を防止している。また、上記ガラスパネル31、31の間であって上記スペーサ33の外周側には充填剤35が充填されている。このような構成により、上記窓ユニット7は複層ガラスの構成を成している。上記スペーサ33には窓ユニット側係合部材39が、例えば、図示しない両面テープによって接着・固定されていて、この窓ユニット側係合部材39の周りには上記充填剤35が充填されている。上記窓ユニット側係合部材39には既に説明した板ばね9の弾性変形部23が係合する係合凹部37が設けられている。
なお、上記窓ユニット7を上記壁3の開口部5に取り付けた際、例えば、
図4に示すように、上記ガラスパネル31、31と上記壁3の表面及び裏面は面一になるように上記窓ユニット7の厚さ(
図4中左右方向の大きさ)が設定されている。
【0017】
次に、窓ユニット7の開口部5への取付について説明する。
上記窓ユニット7を上記開口部5に取り付ける場合には、
図4、
図5に示すような手順で行う。
まず、
図4(a)、
図4(b)、及び、
図5に示すように、一人の作業員が板ばね9の弾性変形部23を押付治具41で押さえ、別の一人の作業員が窓ユニット7を持ち上げて開口部5内に嵌めこんでいく。
次に、上記押付治具41を上記開口部5と上記窓ユニット7との間から引き抜く。それによって、
図4(c)に示すように、各板ばね9の弾性変形部23、23が弾性復帰して上記窓ユニット7の各角部の係合凹部37、37に係合される。
【0018】
次に、
図1、
図4(d)に示すように、セッティングブロック11、11を上記窓ユニット7の下側と上記開口部5の間に挿入する。上記セッティングブロック11、11によって上記窓ユニット7の自重による落下を防止し、窓ユニット7の全周と開口部5との間にシーリング材13を充填する隙間を確保する。
仮に、上記セッティングブロック11、11がない場合には、上記窓ユニット7が自重により落下し開口部5に着座してしまう。その場合には、窓ユニット7の下辺と開口部5との間にシーリング材13を充填することができなくなる。また、ガラスパネル31、31が開口部5に直接当接してしまいその損傷が懸念される。
次に、
図4(e)に示すように、上記窓ユニット7と上記開口部5の間にシーリング材13を充填する。
【0019】
次に、この第1の実施の形態による窓ユニット取付構造1の効果について説明する。
まず、窓ユニット7の開口部5への取付作業の容易化を図ることができる。これは、開口部5の各角部に配置される各板ばね9、9、9、9を窓ユニット7側ではなく開口部5側に取り付けるようにしたからであり、それによって、取付作業時に窓ユニット7を持ち上げる作業員と、押付治具41によって板ばね9の弾性変形部23を押し付ける作業員が接近するようなこともなく、それぞれの作業員が十分な作業空間を確保した状態で作業することができるからである。
【0020】
また、板ばね9は開口部5の各角部にそれぞれ配置されていて、それぞれの板ばね9に二つの弾性変形部23、23が設けられており、合計8箇所で弾性変形部23が窓ユニット7の係合凹部37に係合した状態になるので、上記窓ユニット7を確実に保持することができる。また、上記開口部5の内周面の左右両側に配置された弾性変形部23により、上記窓ユニット7と上記開口部5の内周面との左右方向の隙間を均等に保持することができる。
また、上記窓ユニット7の下辺と上記開口部5との間にはセッティングブロック11、11が設置されているので、上記窓ユニット7の上記開口部5の内周面との上下方向の隙間を均等に保持することができる。また、窓ユニット7の全周にわたってシーリング材13を充填することができ、且つ、ガラスパネル31の開口部5への着座それによる損傷を防止することができる。
【0021】
また、従来技術のように笠木を使用することもないので、壁3との間に段差が発生するようなこともない。
また、本件特許出願人による先願のように、窓ユニットをビスで固定する構成ではないので、ビスによるガラスパネルの損傷の懸念もない。
【0022】
次に、
図6乃至
図8を参照しながら、本発明の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態による窓ユニット取付構造1では、例えば、
図6、
図7に示すような板ばね101を用いる。
【0023】
上記板ばね101はL字形状をなす板ばね本体104を備えていて、この板ばね本体104のL字の各片102、102には弾性変形部103、103が切り起されている。上記弾性変形部103は上記開口部5の内側に向けて突出・形成されている。また、上記板ばね101の各片102、102の先端は開口部5の内側に向かってコの字型に折り返されていて、押付治具保持部105、105が形成されている。
【0024】
この実施の形態の場合には、窓ユニット7を開口部5に取り付ける際に
図6(b)に示すような押付治具111を使用する。上記押付治具111はL字形状をなしていて片112、112から構成されている。これら各片112、112の先端部が上記押付治具保持部105、105に係合される。
尚、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
【0025】
この第2の実施の形態の場合は、次のような手順で、窓ユニット7を開口部5に取り付ける。
まず、
図6(b)に示すように、板ばね101の弾性変形部103、103を、例えば、作業者の手により押し付け、そこに押付治具111を設置する。
図6(c)に示すように、上記押付治具111の各片112、112の先端部は上記板ばね101の押付治具保持部105、105に係合・保持されている。これによって、上記弾性変形部103、103を押し付けた状態を保持する。
同様の作業を開口部5の各角部に設置されている他の板ばね101も施す。
【0026】
次に、
図7(a)、
図8(c)に示すように、窓ユニット7を開口部5内に嵌め込んでいく。このとき、上記板ばね101の押付治具保持部105、105の開口部5内側の面によって上記窓ユニット7がガイドされる。また、開口部5内の下側に配置された押付治具保持部105、105の開口部5内側の面によって上記窓ユニット7が支持され、上記窓ユニット7の上記開口部5の内周面との上下方向の隙間を均等に保持している。
次に、
図7(b)、
図8(d)に示すように、上記押付治具111を除去する。それによって、
図7(c)、
図8(d)に示すように、上記板ばね101の弾性変形部103が弾性復帰され、上記窓ユニット7の係合凹部37に係合される。
次に、
図8(e)に示すように、上記窓ユニット7と上記開口部5の間にシーリング材13を充填する。
【0027】
次に、この第2の実施の形態による効果について説明する。
この第2の実施の形態によると、窓ユニット7の開口部5への取付作業の更なる容易化を図ることができる。すなわち、板ばね101に押付治具保持部105、105を設け、板ばね101の弾性変形部103、103を押し付けた状態の押付治具111を、これら押付治具保持部105、105によって保持することができるからである。これにより、窓ユニット7を開口部5に嵌め込む際に、別の作業員によって板ばね101の弾性変形部103を押し付ける必要がなくなり、作業員一人で全ての作業を行うことができる。
【0028】
次に、
図9乃至
図14を参照しながら、本発明の第3の実施の形態について説明する。
この実施の形態の場合には
図9に示すような板ばね201を用いる。上記板ばね201には、L字形状の板ばね本体203があり、この板ばね本体203のL字の片204、204の先端側には弾性変形部205、205が突出・成形されている。上記弾性変形部205の先端側には幅方向両側に開口部5の内周面側に向かって下り勾配の傾斜部207、207が設けられている。
【0029】
また、上記板ばねの上にはセッティングブロック231が設置されている。上記セッティングブロック231はL字形状の部材で、ビス27を上記セッティングブロック231の貫通孔233、板ばね本体203の貫通孔235を通して上記開口部5の内周面に螺合することにより固定されている。
【0030】
一方、窓ユニット7側においては係合凹部の形状に変更がある。すなわち、
図11に示すように、窓ユニット7には窓ユニット側係合部材213が設置されていて、上記窓ユニット側係合部材213には前記第1、第2の実施の形態の場合の係合凹部と同じ幅の係合凹部217と、上記係合凹部217に連続して設けられ上記係合凹部217より拡幅された拡幅係合凹部219がある。上記係合凹部217上記弾性変形部205の基部側(傾斜部207の設けられていない側)が係合し、上記拡幅係合凹部219に上記弾性変形部205の先端側(傾斜部207の設けられている側)と両傾斜部207、207が収容される。
尚、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
【0031】
この第3の実施の形態の場合は、次のような手順で、窓ユニット7を開口部5に設置する。
まず、
図14(a)〜
図14(c)に示すように、窓ユニット7を開口部5内に嵌め込んでいく。このとき、板ばね201の弾性変形部205が傾斜部207を介して上記窓ユニット7によって押圧・変形されるので、前記第1の実施の形態や第2の実施の形態の場合のように、押付治具で弾性変形部205を押し付ける必要はない。
また、上記窓ユニット7を上記開口部5内に嵌め込む際、上記窓ユニット7は上記開口部5の各角部に設置されたセッティングブロック231、231、231、231によってガイドされる。
【0032】
図14(c)に示すように、上記板ばね201の弾性変形部205が弾性復帰され、上記弾性変形部205の基端側(傾斜部207の設けられていない側)は上記窓ユニット側係合部材213の係合凹部217に係合され、上記弾性変形部205の先端側(傾斜部207の設けられている側)と傾斜部207、207は拡幅係合凹部219に収容される。
次に、
図14(d)に示すように、上記窓ユニット7と上記開口部5の間にシーリング材13を充填する。
【0033】
次に、この第3の実施の形態による効果について説明する。
まず、上記窓ユニット7の開口部5への取付作業をさらに容易化することができる。これは弾性変形部205に傾斜部207、207を設け、窓ユニット7を開口部5に嵌め込む際、窓ユニット7の外周縁によって上記傾斜部207を介して弾性変形部205を自動的に押し付けることができるようにしたからである。
【0034】
また、上記窓ユニット側係合部材213には係合凹部217と拡幅係合凹部219があり、上記弾性変形部205の基端側(傾斜部207の設けられていない側)は上記窓ユニット側係合部材213の係合凹部217に係合され、上記弾性変形部205の先端側(傾斜部207のある側)は上記窓ユニット側係合部材213の拡幅係合凹部219に収容されるようになっているので、上記窓ユニット7を開口部5に挿入し易くなるとともに、一旦上記窓ユニット7が上記開口部5に挿入されれば上記窓ユニット側係合部材213の係合凹部217に上記弾性変形部205の基端側(傾斜部207がない側)が係合して抜けなくなり上記板バネ201により上記窓ユニット7を確実に保持することができる。
また、上記窓ユニット7を上記開口部5内に嵌め込む際、上記窓ユニット7は上記開口部5の各角に設置されたセッティングブロック231によってガイドされるので、上記窓ユニット7の取付作業をさらに容易化することができる。
【0035】
なお、本発明は、前記第1〜第3の実施の形態に限定されるものではない。
まず、前記第1〜第3の実施の形態の場合には、窓ユニットを壁に取り付けたが、ドア等に取り付ける場合も考えられる。
また、前記第1〜第3の実施の形態の場合には、四角形の開口部、四角形の窓ユニットを例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、例えば、三角形、五角形、六角形、八角形、等様々な形状が考えられる。
また、前記第1〜第3の実施の形態の場合には、L字形状の板ばねを例に挙げて説明したが、それに限定されるものではない。例えば、角部を構成する開口部の二辺にそれぞれ別個の平板状の板ばねを設置する構成も考えられる。また、角部を構成する開口部の二辺の内の一辺にのみ平板状の板ばねを設置する構成も考えられる。
【0036】
また、前記第1〜第3の実施の形態の場合には、L字形状の板ばねを四角形の四隅に設置したが、例えば、対角線上の二箇所のみに設置するような構成も考えられる。
また、前記第2の実施の形態の場合には、板ばねの各片の先端部に押付治具保持部を設けた構成としたが、開口部側に押付治具保持部を設ける構成も考えられる。
また、前記第3の実施の形態におけるセッティングブロックを第1の実施の形態の場合や第2の実施の形態の場合に設けるようにしてもよい。
その他、図示した構成はあくまで一例である。