特許第6792223号(P6792223)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6792223管理システム、情報処理装置及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6792223
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】管理システム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/60 20180101AFI20201116BHJP
【FI】
   G16H20/60
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-159830(P2019-159830)
(22)【出願日】2019年9月2日
【審査請求日】2020年1月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517255566
【氏名又は名称】株式会社エクサウィザーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】坂根 裕
(72)【発明者】
【氏名】石山 洸
(72)【発明者】
【氏名】前川 智明
(72)【発明者】
【氏名】江崎 日淑
【審査官】 山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−001955(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0171927(US,A1)
【文献】 特開平09−131382(JP,A)
【文献】 特開2012−170525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 − 80/00
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水量センサ及び無線通信部を備えた容器と、ユーザが利用する施設に設置された複数の受信機と、該受信機が受信したデータを管理する情報処理装置と、を有する管理システムであって、
前記無線通信部は、前記水量センサが検出した前記容器内の水量を含む無線信号を発信し、
前記受信機は、前記容器から前記無線信号を受信し、
前記情報処理装置は、
前記受信機から、前記無線信号に含まれる前記水量と、前記無線信号の受信時点における前記容器の周辺状況を示すデータとを取得する取得部と、
前記周辺状況を示すデータに基づいて前記容器の水量変化の原因を推定し、推定された前記原因と前記水量に基づいて前記ユーザの水分摂取量を推定する推定部と、
を備えることを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記推定部は、前記原因がユーザの水分摂取であると推定された期間における前記水量に基づいて、前記水分摂取量を推定する
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記推定部は、前記周辺状況を示すデータに基づいて、前記容器が存在する前記施設内のエリアを特定し、特定されたエリアに基づいて、前記原因を推定する
請求項1又は請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記推定部は、前記容器が予め設定された水分摂取エリアに存在する場合、前記原因がユーザの水分摂取であると推定する
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記周辺状況を示すデータは、前記無線信号を受信した前記受信機の識別子を含み、
前記推定部は、前記受信機の識別子に基づいて、前記容器が存在する前記施設内のエリアを特定する
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記推定部は、前記周辺状況を示すデータに基づいて、前記容器の周辺に存在する物体を特定し、特定された前記物体に基づいて、前記原因を推定する
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記周辺状況を示すデータは、前記容器の周辺に存在する物体に取り付けられた発信機から発信された物体の識別子を含み、
前記推定部は、前記物体の識別子に基づいて、前記容器の周辺に存在する物体を特定する
請求項6に記載の管理システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、
前記水分摂取量が所定の目標値を満たすか否かを判定する判定部と、
前記目標値を満たさないと判定した場合、水分を摂取すべき旨のアラートを出力する出力部と
を備える請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項9】
前記推定部は、前記水量の単位時間当たりの変化量から前記水分摂取量を推定する
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項10】
ユーザが利用する施設に設置された複数の受信機から、水量センサ及び無線通信部を備えた容器から受信した無線信号に含まれる前記容器内の水量と、前記無線信号の受信時点における前記容器の周辺状況を示すデータとを取得する取得部と、
前記水量と、前記周辺状況を示すデータとを前記受信時点と対応付けて記憶する記憶部と、
前記周辺状況を示すデータに基づいて前記容器の水量変化の原因を推定し、推定された前記原因と前記水量に基づいて前記ユーザの水分摂取量を推定する推定部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
ユーザが利用する施設に設置された複数の受信機から、水量センサ及び無線通信部を備えた容器から受信した無線信号に含まれる前記容器内の水量と、前記無線信号の受信時点における前記容器の周辺状況を示すデータとを取得し、
前記水量と、前記周辺状況を示すデータとを前記受信時点と対応付けて記憶部に記憶し、
前記周辺状況を示すデータに基づいて前記容器の水量変化の原因を推定し、推定された前記原因と前記水量に基づいて前記ユーザの水分摂取量を推定する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
介護施設、病院等の施設において、施設利用者の健康状態を管理する種々のシステムが提案されている。例えば特許文献1では、施設内に設置したセンサによって被監視者の起床、離床等のイベントを検出すると共に、携帯端末を介して監視者から被監視者の水分摂取量、食事量等の入力を受け付け、看護又は介護の記録を生成する被監視者監視システム等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/003517号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、多くの場合、施設利用者の水分摂取量を管理する場合、施設利用者が水分を摂取するたびに従業者が手動で摂取量を記録している。このため、水分摂取量の管理は従業者にとって大きな負担になっている。
【0005】
特許文献1に係る発明は、従業者(監視者)が携帯端末に手動で水分摂取量を入力するものであり、監視者の負担を軽減しているとは言えない。
【0006】
一つの側面では、ユーザの水分摂取量を好適に管理することができる管理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの側面に係る管理システムは、水量センサ及び無線通信部を備えた容器と、ユーザが利用する施設に設置された複数の受信機と、該受信機が受信したデータを管理する情報処理装置と、を有する管理システムであって、前記無線通信部は、前記水量センサが検出した前記容器内の水量を含む無線信号を発信し、前記受信機は、前記容器から前記無線信号を受信し、前記情報処理装置は、前記受信機から、前記無線信号に含まれる前記水量と、前記無線信号の受信時点における前記容器の周辺状況を示すデータとを取得する取得部と、前記周辺状況を示すデータに基づいて前記容器の水量変化の原因を推定し、推定された前記原因と前記水量に基づいて前記ユーザの水分摂取量を推定する推定部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
一つの側面では、ユーザの水分摂取量を好適に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】水分摂取量の管理システムの構成例を示す模式図である。
図2】サーバの構成例を示すブロック図である。
図3】ユーザDB、エリアDB、受信ログDB、及び摂取量DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図4】容器の構成例を示すブロック図である。
図5】飲料提供エリアに関する説明図である。
図6】水分摂取量の推定処理に関する説明図である。
図7】管理システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態2に係る管理システムの構成例を示す模式図である。
図9】実施の形態2に係る容器の構成例を示すブロック図である。
図10】実施の形態2に係る受信ログDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図11】実施の形態2に係る水分摂取量の推定処理に関する説明図である。
図12】実施の形態2に係る管理システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13】上述のサーバの動作を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、水分摂取量の管理システムの構成例を示す模式図である。本実施の形態では、介護施設等の施設において、施設を利用するユーザが水分摂取の際に使用する容器2に、容器2内の水量を検出する水量センサと、水量の検出結果を発信する無線通信モジュールとを設けることで、ユーザの水分摂取量を管理する管理システムについて説明する。管理システムは、情報処理装置1、容器2、受信機3、施設端末4、従業者端末5を含む。情報処理装置1、施設端末4及び従業者端末5は、インターネット等のネットワークNに接続されている。
【0011】
情報処理装置1は、種々の情報処理、情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。本実施の形態では情報処理装置1がサーバコンピュータであるものとし、以下では簡潔のためサーバ1と読み替える。サーバ1は、容器2で検出した水量からユーザの水量摂取量を推定し、必要に応じて施設の従業者等にアラートを通知する。
【0012】
容器2は、ユーザが水分を摂取する際に使用するコップ等であり、容器2内の水量を検出する水量センサと、外部に水量の検出結果を発信するための無線通信モジュールとを備える。好適には、水量センサは容器2の内面に設けられた水位センサであり、無線通信モジュールはBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)規格の通信モジュールである。容器2は、水量センサで検出した水量と、容器2の識別子である容器IDとを含むビーコン信号(無線信号)を周囲に発信する。
【0013】
なお、本実施の形態では水量センサが水位センサであるものとするが、水量センサは例えば重量センサ、超音波センサなどであってもよく、水量の検出方法は特に限定されない。また、無線通信モジュールの通信規格はBLEに限定されず、その他のBluetooth規格、あるいはWi−fi(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)等の規格であってもよい。
【0014】
受信機3は、容器2から発信されたビーコン信号を受信するレシーバであり、容器2から水量の検出結果及び容器IDを受信する。本実施の形態では複数の受信機3が施設内に分散して配置されており、各受信機3は、LAN(Local Area Network)等の不図示の施設内ネットワークを介して、パーソナルコンピュータ等の施設端末4に接続されている。後述するように、受信機3は、施設内でユーザに飲料(水分)を提供可能なエリアとして定められた飲料提供エリアに設置されており、飲料提供エリアに容器2が存在する場合に、容器2からビーコン信号を受信して施設端末4に転送する。
【0015】
サーバ1は、施設端末4から受信機3が受信したビーコン信号のデータを取得し、水量の検出結果をデータベースに記憶する。サーバ1は、データベースに蓄積した水量の検出結果からユーザの水量摂取量を推定し、ユーザが摂取すべき水量として定められた所定の目標値と比較して、目標値未満である場合に、施設端末4、又は施設の各従業者が携帯する従業者端末5にアラートを通知する。
【0016】
図2は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、主記憶部12、通信部13、及び補助記憶部14を備える。
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有し、補助記憶部14に記憶されたプログラムPを読み出して実行することにより、種々の情報処理、制御処理等を行う。主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の一時記憶領域であり、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部13は、通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、外部と情報の送受信を行う。
【0017】
補助記憶部14は、大容量メモリ、ハードディスク等の不揮発性記憶領域であり、制御部11が処理を実行するために必要なプログラムP、その他のデータを記憶している。また、補助記憶部14は、ユーザDB141、エリアDB142、受信ログDB143、摂取量DB144を記憶している。ユーザDB141は、水分摂取の管理対象である各ユーザの情報を格納するデータベースである。エリアDB142は、施設内の各エリアの情報を格納するデータベースである。受信ログDB143は、受信機3が受信したビーコン信号のログデータを格納するデータベースである。摂取量DB144は、容器2で検出した水量から推定されるユーザの水分摂取量を格納するデータベースである。
【0018】
なお、補助記憶部14はサーバ1に接続された外部記憶装置であってもよい。また、サーバ1は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであっても良く、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。
【0019】
また、本実施の形態においてサーバ1は上記の構成に限られず、例えば操作入力を受け付ける入力部、画像を表示する表示部等を含んでもよい。また、サーバ1は、CD(Compact Disk)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM等の可搬型記憶媒体1aを読み取る読取部を備え、可搬型記憶媒体1aからプログラムPを読み取って実行するようにしても良い。あるいはサーバ1は、半導体メモリ1bからプログラムPを読み込んでも良い。
【0020】
図3は、ユーザDB141、エリアDB142、受信ログDB143、及び摂取量DB144のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
ユーザDB141は、ユーザID列、容器ID列、飲料提供エリア列を含む。ユーザIDは、各ユーザの識別子であるユーザIDを記憶している。容器ID列、及び飲料提供エリアはそれぞれ、ユーザIDと対応付けて、ユーザが使用する容器2の識別子である容器ID、及びユーザに水分摂取が許可される施設内の飲料提供エリアを記憶している。
【0021】
なお、以下の説明では便宜上、施設内で飲料を提供可能なエリアを「飲料提供エリア」と記し、飲料提供エリアの内、ユーザに水分摂取が許可されるエリアとしてユーザ別に設定された飲料提供エリアを「水分摂取エリア」と記して区別する。図3のDB141では、値が「○」である飲料提供エリアが、各ユーザの水分摂取エリアに相当する。
【0022】
エリアDB142は、受信機ID列、エリア列を含む。受信機ID列は、各受信機3の識別子である受信機IDを記憶している。エリア列は、受信機IDと対応付けて、受信機3が設置されている施設内のエリアを記憶している。
【0023】
受信ログDB143は、時刻列、容器列、受信機列、水量列を含む。時刻列は、受信機3が容器2からビーコン信号を受信した時刻を記憶している。容器列、受信機列、及び水量列はそれぞれ、時刻と対応付けて、ビーコン信号を発信した容器2の容器ID、ビーコン信号を受信した受信機3の受信機ID、及び容器2が検出した水量を記憶している。
【0024】
摂取量DB144は、時間帯列、ユーザ列、水分摂取量列、修正済み摂取量列を含む。時間帯列は、一日の各時間帯を記憶している。ユーザ列、水分摂取量列、及び修正済み摂取量列はそれぞれ、時間帯と対応付けて、ユーザID、ユーザの水分摂取量、及び従業者が修正した水分摂取量を記憶している。
【0025】
図4は、容器2の構成例を示すブロック図である。容器2は、制御部21、記憶部22、発信部23、水量センサ24、バッテリ25を備える。
制御部21は、MPU等の演算処理モジュールであり、発信部23、水量センサ24等の各部の動作を制御する。記憶部22はROM等の記憶領域であり、容器2の識別子である容器IDを記憶している。発信部23は、ビーコン信号を発信する無線通信モジュールであり、上述の如く、BLE等の通信規格でビーコン信号を発信する。水量センサ24は、容器2内の水量を検出するセンサであり、上述の如く、容器2の内面に設けられた水位センサである。バッテリ25は、例えばボタン電池であり、容器2の各部に電力を供給する。
【0026】
なお、バッテリ25を充電池とし、容器2を充電式のデバイスとしてもよい。また、パッシブタグのように、容器2を電源不要のデバイスとして構成してもよい。
【0027】
図5は、飲料提供エリアに関する説明図である。図5では、受信機3が設置された施設の見取り図を概念的に図示してある。
本実施の形態では、水分摂取の管理対象となるユーザに飲料(水分)を提供可能な飲料提供エリアを、施設側の運用によって予め制限する。例えば図5にハッチングで示すように、「食堂」、「居室」などでは飲料を提供する一方で、「浴室」、「トイレ」などでは飲料を提供しないものとする。
【0028】
施設内の各飲料提供エリアには、容器2からビーコン信号を受信するための受信機3が設置されている。なお、受信機3は飲料提供エリアだけでなく、飲料を提供しないその他のエリアにも設置してもよい。また、一の飲料提供エリアに複数の受信機3が設置されていてもよい。また、施設内のエリアは、部屋ごとに設定されてもよいし、1つの部屋に複数設定されてもよいし、部屋以外の空間(廊下、冷蔵庫周辺など)に設定されてもよい。
【0029】
また、本実施の形態では各ユーザが使用する容器2が取り決められており、ユーザDB141において、容器2の識別子である容器IDと、ユーザの識別子であるユーザIDとが対応付けられている(図3参照)。すなわち、容器IDはユーザを識別可能な識別子として参照することができる。
【0030】
例えばサーバ1は、施設端末4を介して施設管理者からユーザ情報及びエリア情報の設定入力を受け付け、各データベースに記憶する。すなわち、サーバ1は、各ユーザのユーザID、各ユーザが使用する容器2の容器ID、及び各ユーザの水分摂取エリアの設定入力を受け付け、ユーザDB141に記憶する。また、サーバ1は、各エリアに設置された受信機3の受信機ID、及び各エリアのエリア名の設定入力を受け付け、エリアDB142に記憶する。
【0031】
なお、ユーザ情報を設定する場合に、ユーザ毎に異なる水分摂取エリアを設定し、ユーザ別に水分摂取エリアを制限すると好適である。例えば「居室A」に入居するユーザの場合、「居室A」は水分摂取エリアに設定する一方で、「居室B」、「居室C」は水分摂取エリアに設定しない。これは、「居室A」に入居するユーザが「居室B」や「居室C」で水分摂取することは通常考えられないためである。
【0032】
例えば容器2は、所定の時間周期(例えば数秒〜数十秒の間隔)で、水量センサ24により検出した水量と、容器IDとを含むビーコン信号を発信する。受信機3は、自装置で受信可能な範囲内に容器2が存在する場合、容器2から発信されるビーコン信号を受信して施設端末4に転送する。
【0033】
例えば受信機3は、容器2から受信したビーコン信号に、ビーコン信号の受信時刻(受信時点)、及び受信機IDを追加して施設端末4に送信する。サーバ1は、施設端末4を介してビーコン信号のデータを取得する。サーバ1は、施設端末4から取得したビーコン信号に含まれる各種データ、すなわち水量、容器ID、受信時刻、及び受信機IDを相互に対応付けて受信ログDB143に記憶する。
【0034】
上記の処理を繰り返し、受信ログDB143にビーコン信号のログデータが蓄積される。サーバ1は、受信ログ143に蓄積されたログデータ、すなわち容器2の水量の時系列データに基づき、ユーザの水分摂取量を推定する。
【0035】
この場合にサーバ1は、受信ログDB143に記憶した周辺状況を示すデータに基づき、ビーコン信号の受信時点における容器2の水量変化の原因(ユーザの水分摂取か否か)を推定し、推定した原因に応じて水分摂取量の推定を行う。詳しくは以下で説明するように、サーバ1は、ビーコン信号を受信した受信機3の受信機ID(周辺状況を示すデータ)から容器2が存在するエリアを特定し、特定したエリアに応じて水量変化の原因を推定し、推定した原因に基づいて水分摂取量を推定する。
【0036】
図6は、水分摂取量の推定処理に関する説明図である。図6では、ある容器2で検出した水量の時系列データを概念的に図示してある。図6に基づき、ユーザの水分摂取量を推定する際の処理内容について説明する。
【0037】
本実施の形態でサーバ1は、各時刻に検出した水量をローパスフィルタで平滑化し、図6の時系列データを生成する。サーバ1は、当該時系列データからユーザが摂取した水分摂取量を推定する。例えばサーバ1は、水量が増減する各「山」について、最大値(以下「ピーク値」という。)と、ピーク値を取った時刻から後の時刻での最小値との差分値を計算し、各「山」におけるピーク値及び最小値の差分値(以下「減少量」という。)を積算することで、水分摂取量を推定する。すなわち、サーバ1は、水量の減少量を積算することで、水分摂取量を推定する。
【0038】
この場合にサーバ1は、受信ログDB143を参照して、該当する容器2のビーコン信号を各時刻に受信した受信機3の受信機IDから、各時刻に容器2が存在していたエリアを特定する。図6の例では、容器2がまず「食堂」に、次に「厨房」に、次に「居室A」に存在していた場合を図示している。
【0039】
なお、本実施の形態では「厨房」は飲料提供エリアではないため受信機3が設置されておらず、ビーコン信号を受信不可能であり、実際にはエリア名を特定できないが、図6では説明の便宜上、「厨房」(飲料提供エリア以外のエリア名)に存在していたものとして図示してある。それに伴い、実際には「厨房」における水量を取得不可能であるが、図6では説明の便宜上、「厨房」における水量も図示している。
【0040】
サーバ1は、容器2が水分摂取エリアに存在していた期間における水量変化の原因を、ユーザによる水分摂取と推定する。一方、サーバ1は、容器2が水分摂取エリア以外に存在していた期間における水量変化の原因を、ユーザによる水分摂取以外と推定する。水分摂取以外の水量変化の原因は、容器2から飲料をこぼすこと及び容器2の洗浄を含む。サーバ1は、推定した水量変化の原因と、水量の時系列データと、に基づいて、ユーザの水分摂取量を計算する。
【0041】
具体的には、サーバ1はユーザDB141を参照して、容器2が存在していたエリアがユーザに水分摂取エリアであるか否かを判定し、水分摂取エリアである場合、ピーク値からの減少量を水分摂取量として積算する。図6の例では、「食堂」及び「居室A」はユーザの水分摂取エリアとして設定してあるため、各エリアにおけるピーク値からの減少量を水分摂取量として積算する。一方で、「厨房」は水分摂取エリアではないため、水量が減少した場合でも水分摂取量として積算しない。
【0042】
上述の処理によって、水量の減少量を水分摂取量として積算するべきか否か、水量を検出した時点での容器2の水量変化の原因を考慮しながら判定することができる。上記の例に則して説明すれば、「食堂」及び「居室A」は水量摂取エリアであるため、水量が減少した場合にはユーザが飲料を摂取したために水量が減少したものと考えられる。一方で、「厨房」は水分摂取エリアではないため、容器2内の飲料を捨てる、容器2を洗うなどの原因で水量が減少したものと考えることができる。このように、本実施の形態では容器2のエリアによって水量変化の原因を推定し、推定した状況に応じて計算を行うことで、正確な水分摂取量を推定する。
【0043】
なお、上記では、サーバ1は、容器2が存在するエリアに基づいて水量変化の原因を推定したが、水量変化の原因の推定方法はこれに限定されない。例えば、サーバ1は、水量の減少率、すなわち時系列データの微分値である単位時間当たりの減少量(変化量)を元に水量変化の原因を推定してもよい。
【0044】
例えばサーバ1は、図6の時系列データに基づき、各時刻における水量の減少率を算出する。そしてサーバ1は、減少率を所定の閾値と比較し、減少率が閾値未満である期間における水量変化の原因をユーザによる水分摂取と推定し、当該期間における水量の減少量を水分摂取量として積算していく。減少率が閾値以上である場合、すなわち容器2内の飲料が急激に減少している場合、飲料をこぼすなど、水分摂取以外の原因で水量が減少していることが考えられる。水量の減少率(単位時間当たりの減少量)を参照しながら水分摂取量を計算することで、サーバ1は、水量変化の原因を好適に推定しながら水分摂取量を推定することができる。
【0045】
また、サーバ1は、容器2が存在するエリアと、水量の減少率と、を併用して水量変化の原因を推定してもよい。この場合、サーバ1は、容器2がユーザの水分摂取エリアに存在し、かつ、減少率が閾値未満である期間における減少量を水分摂取量として積算すればよい。
【0046】
サーバ1は、上記で推定した水分摂取量が、ユーザが一日で摂取すべきものとして定めた所定の目標値を満たすか否かを判定する。サーバ1は、水分摂取量が目標値未満であると判定した場合、施設端末4及び従業者端末5の少なくとも一方に所定のアラートを出力する。例えばサーバ1は、図6で例示した水分摂取量の時系列データ(グラフ)を出力すると共に、水分を摂取させるべき旨の警告文を出力する。なお、アラートの通知先(出力先)は施設側の職員に限定されず、例えばユーザ本人に通知してもよい。
【0047】
なお、目標値はユーザ毎に異なる値に設定されてもよい。また、例えば目標値は時間帯毎に異なる値が設定されてもよい。
【0048】
また、例えば施設の従業者が飲料をこぼしたケースを目撃した場合、あるいは容器2を利用せず水分摂取したケースを目撃した場合などに備えて、従業者が水分摂取量を修正可能とすると好適である。この場合、サーバ1は従業者端末5から水分摂取量の修正入力を受け付け、摂取量DB144に記憶する。これにより、水分摂取量の管理を柔軟に行うことができる。
【0049】
以上より、本実施の形態によれば、ビーコン信号の受信時点における容器2の水量変化の原因を推定して、推定した原因と、水量の時系列データと、に基づいて水分摂取量を推定する。これにより、水量変化の原因が、ユーザによる水分摂取である場合と、飲料をこぼす、捨てる、容器2を洗うなどの水分摂取以外である場合と、を区別することができ、正確な水分摂取量を推定することができる。
【0050】
図7は、管理システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。図7に基づき、管理システムが実行する処理内容について説明する。
容器2は水量センサ24により、容器2内の水量を検出する(ステップS11)。容器2は、ステップS11で検出した水量と、容器IDとを含むビーコン信号を発信する(ステップS12)。容器2からビーコン信号を受信した場合、受信機3は、ビーコン信号に受信時刻及び受信機IDを追加し、サーバ1に送信する(ステップS13)。受信機3からビーコン信号のデータを取得した場合、サーバ1は、水量、容器ID、受信時刻、受信機ID等の各データを受信ログDB143に記憶する(ステップS14)。
【0051】
サーバ1は、受信ログDB143に記憶した受信機IDに基づき、各時刻において容器2が存在するエリアを特定する(ステップS15)。そしてサーバ1は、各時刻において検出した水量の検出結果と、各時刻に容器2が存在したエリアとに基づき、ユーザの水分摂取量を推定する(ステップS16)。具体的には、サーバ1は、容器2が水分摂取エリアに存在する期間における水量の検出結果に基づき、その期間におけるピーク値からの減少量を時間帯ごとに積算することで、各時間帯の水分摂取量を推定する。
【0052】
サーバ1は、ユーザの水分摂取量が目標値未満であるか否かを判定する(ステップS17)。目標値未満でないと判定した場合(S17:NO)、サーバ1は一連の処理を終了する。目標値未満であると判定した場合(S17:YES)、サーバ1は、水分を摂取させるべき旨のアラートを出力し(ステップS18)、一連の処理を終了する。
【0053】
なお、ステップS15〜S18の処理はそれぞれ、随時実行されてもよいし、予め設定された時刻に実行されてもよいし、予め設定された時間間隔で定期的に実行されてもよい。
【0054】
以上より、本実施の形態1によれば、容器2の水量変化の原因に応じて水分摂取量を推定することで、ユーザの水分摂取量を精度よく推定し、ユーザの水分摂取量を好適に管理することができる
【0055】
また、本実施の形態1によれば、受信機IDから容器2が存在するエリアを特定し、特定されたエリアに基づいて水量変化の原因を推定することで、水量変化の原因を容易に推定することができる。
【0056】
また、本実施の形態1によれば、ユーザ毎に水分摂取エリアを定めることで、水量変化の原因をよりユーザに最適化して推定し、ユーザの水分摂取量をより精度よく推定することができる。
【0057】
また、本実施の形態1によれば、水分摂取量を目標値と比較してアラートを出すことで、ユーザに適量の水分摂取を促すことができる。
【0058】
また、本実施の形態1によれば、単にピーク値及び最小値の差分を取るだけでなく、水量の変化率(単位時間当たりの変化量)に応じて水量変化の原因の推定を行うことで、より精度よく水部摂取量を推定することができる。
【0059】
(実施の形態2)
本実施の形態では、容器2の周辺に存在する無線タグT(発信機)から容器2がビーコン信号を受信し、水量の検出結果と共に受信機3に発信する形態について述べる。なお、実施の形態1と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
図8は、実施の形態2に係る管理システムの構成例を示す模式図である。本実施の形態に係る管理システムは、容器2、受信機3等に加えて、無線タグTを含む。無線タグTは、例えばBLE規格のビーコン信号を発信するタグであり、無線タグTが取り付けられた物体の識別子(周辺状況を示すデータ)を発信する発信機である。本実施の形態では、無線タグTは個々のユーザが所持するものとし、物体の識別子として、所持者であるユーザの識別子であるユーザIDを発信するものとして説明する。
【0061】
図9は、実施の形態2に係る容器2の構成例を示すブロック図である。本実施の形態に係る容器2は、発信部23に代えて、無線通信部23aを備える。無線通信部23aは、ビーコン信号の発信機能に加えて、受信機能を有する通信モジュールである。本実施の形態で容器2は、無線タグTが発信したビーコン信号(ユーザID)を受信し、水量センサ24で検出する水量、及び容器IDを追加して受信機3にビーコン信号を発信する。
【0062】
なお、容器2にビーコン信号を発信する発信機は「タグ」と呼ばれる媒体に限定されず、無線信号を発信可能なデバイスであればよい。また、後述するように、無線タグTはユーザ(人物)の識別子を発信するタグに限定されず、その他の物体の識別子を発信するタグであってもよい。
【0063】
図10は、実施の形態2に係る受信ログDB143のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。本実施の形態に係る受信ログDB143は、タグ列を含む。タグ列は時刻と対応付けて、当該時刻に容器2が無線タグTから受信したユーザID(識別子)を記憶している。
【0064】
図11は、実施の形態2に係る水分摂取量の推定処理に関する説明図である。図11では、図6と同様の水量の時系列データを図示すると共に、無線タグTからのビーコン信号(ユーザID)の受信状態を概念的に図示してある。なお、図11において「1」は無線タグTのビーコン信号を受信している状態を、「0」は未受信の状態を表す。図11に基づき、本実施の形態の概要を説明する。
【0065】
上述の如く、本実施の形態では容器2の無線通信部23aは受信機能を有し、容器2の周辺に存在する無線タグTからビーコン信号を受信する。無線タグTが発信するビーコン信号は、無線タグTが取り付けられた物体の識別子を含む。好適には、無線タグTは水分摂取の管理対象であるユーザが所持し、所持者であるユーザの識別子であるユーザIDを発信する。
【0066】
容器2は、無線タグTから受信したユーザIDに、受信時点で検出した水量と、容器IDとを追加してビーコン信号を発信する。すなわち、容器2は水量の検出結果を発信するだけでなく、周辺物体の情報も併せて発信する。
【0067】
実施の形態1と同様に、受信機3は容器2からのビーコン信号を受信し、受信時刻及び受信機IDを追加して、施設端末4を経由してサーバ1にデータを転送する。サーバ1は、受信機3から転送されたビーコン信号のデータを受信ログDB143に記憶する。
【0068】
サーバ1は、受信ログDB143に記憶された水量の検出結果から、ユーザの水分摂取量を推定する。この場合にサーバ1は、受信機IDから特定されるエリアだけでなく、水量の検出時点において無線タグTから発信された識別子も参照して、水量変化の原因を推定する。
【0069】
具体的には、サーバ1は、無線タグTから発信された識別子に基づいて容器2の周辺に存在する物体を特定し、特定された物体に基づいて、容器2の水量変化の原因を推定する。そして、サーバ1は、水量変化の原因がユーザによる水分摂取である期間における水量の時系列データから、ユーザの水分摂取量を推定する。例えば無線タグTが発信する識別子がユーザIDである場合、サーバ1は、容器2が受信したユーザIDから、容器2の周辺に存在するユーザを特定する。サーバ1は、容器2の周辺にユーザが存在する場合、容器2の水量変化の原因が当該ユーザによる水分摂取であると推定し、当該ユーザが容器2の周辺に存在する期間における容器2の水量の減少量を積算し、当該ユーザの水分摂取量を推定する。
【0070】
図11の例では、飲料提供エリアである「食堂」及び「居室A」に容器2が存在する期間があり、各期間において水量がピーク値から減少している。また、「食堂」では容器2が「ユーザB」のユーザIDを受信しており、「居室A」では「ユーザA」のユーザIDを受信している。すなわち、「食堂」では容器2の周辺に「ユーザB」が存在し、「居室A」では「ユーザA」が存在することがわかる。
【0071】
実施の形態1と同様に、容器2のユーザXが予め設定されている(容器2とユーザXとが対応づけられている)場合、サーバ1は、容器2のユーザXが当該容器2の周辺に存在し、かつ、容器2がユーザXの水分摂取エリアに存在する期間については、水量変化の原因をユーザXによる水分摂取と推定し、当該期間における水量の減少量をユーザXの水分摂取量として計算する。図11の例では、容器2のユーザがユーザBであり、「食堂」がユーザBの水分摂取エリアであり、「居室A」がユーザBの水分摂取エリアでない場合、容器2が「食堂」に存在する期間の水量の減少量がユーザBの水分摂取量として計算される。
【0072】
このように、容器2のユーザXが当該容器2の周辺に存在し、かつ、容器2がユーザXの水分摂取エリアに存在する場合に、水量変化の原因をユーザXによる水分摂取と推定することにより、ユーザXの水分摂取量をより精度よく計算できる。具体的には、ユーザXが容器2の周辺に存在しない間に生じた水量の減少量(例えば、ユーザX以外のユーザが誤って容器2を利用した場合に生じる水量の減少量)を、ユーザXの水分摂取量から除外することができる。
【0073】
また、実施の形態1と異なり、容器2のユーザXが設定されていない(容器2とユーザXとが対応づけられていない)場合、サーバ1は、ユーザが容器2の周辺に存在し、かつ、容器2が当該ユーザの水分摂取エリアに存在する期間については、水量変化の原因を当該ユーザによる水分摂取と推定し、当該期間における水量の減少量を当該ユーザの水分摂取量として計算する。図11の例では、「食堂」がユーザBの水分摂取エリアであり、「居室A」がユーザAの水分摂取エリアである場合、容器2が「食堂」に存在する期間の水量の減少量がユーザBの水分摂取量として計算され、容器2が「居室A」に存在する期間の水量の減少量がユーザAの水分摂取量として計算される。
【0074】
このように、ユーザが当該容器2の周辺に存在し、かつ、容器2が当該ユーザの水分摂取エリアに存在する場合に、水量変化の原因を当該ユーザによる水分摂取と推定することにより、ユーザの水分摂取量をより精度よく計算しつつ、1つの容器2を複数のユーザで共用することができる。
【0075】
なお、本実施の形態では、各ユーザの飲料提供エリアが設定されていなくても良い。この場合、サーバ1は、容器2の周辺にユーザが存在する場合、水量変化の原因がユーザによる水分摂取であると推定すればよい。
【0076】
上記の例では無線タグTをユーザに所持させ、容器2が周辺に存在するユーザの識別子を受信するものとしたが、無線タグTはユーザ以外の物体に取り付けられてもよい。例えば無線タグTを、ペットボトルのように容器2(コップ)に飲料を充填する別容器に取り付けてもよい。この場合、例えばサーバ1は、無線タグTから容器2が受信した識別子に基づいて別容器の存在を特定し、別容器が容器2の周辺に存在する期間の水量の変化量を、容器2のユーザの水分摂取量として計算すればよい。ペットボトルが容器2の周辺に存在する場合のように、容器2が飲料の提供に利用された蓋然性が高い場合に、水量変化の原因をユーザによる水分摂取と推定することにより、ユーザの水分摂取量をより精度よく推定することができる。無線タグTは容器2が水分摂取に利用された蓋然性が高いことを的確に把握可能な物体に取り付けられていればよく、取付対象となる物体は、水分摂取の管理対象であるユーザやペットボトルに限定されない。
【0077】
図12は、実施の形態2に係る管理システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。水量センサ24により容器2内の水量を検出した後(ステップS11)、容器2は以下の処理を実行する。
【0078】
容器2は、無線タグT(発信機)からユーザIDを受信する(ステップS201)。容器2は、無線タグTから受信したユーザID、ステップS11で検出した水量、及び容器IDを含むビーコン信号を発信する(ステップS202)。容器2からビーコン信号を受信した場合、受信機3は受信時刻及び受信機IDをビーコン信号に追加し、サーバ1に送信する(ステップS203)。サーバ1は、受信機3から取得した各データを受信ログDB143に記憶する(ステップS204)。
【0079】
サーバ1は、受信ログDB143に記憶した受信機ID及びユーザIDに基づき、各時刻において容器2が存在するエリアと、容器2の周辺に存在するユーザとを特定する(ステップS205)。そしてサーバ1は、各時刻において検出した水量と、ステップS205で特定したエリア及びユーザとに基づき、ユーザの水分摂取量を推定する(ステップS06)。具体的には、サーバ1は、ステップS205で特定したユーザに対応する水分摂取エリアに容器2が存在している期間の水量の減少量を時間帯ごとに積算することで、各時間帯の水分摂取量を推定する。サーバ1は処理をステップS17に移行する。
【0080】
なお、ステップS205,S206,S17,S18の処理はそれぞれ、随時実行されてもよいし、予め設定された時刻に実行されてもよいし、予め設定された時間間隔で定期的に実行されてもよい。
【0081】
なお、上記では容器2が無線タグTからのビーコン信号を受信するものとしたが、例えば受信機3が無線タグTからのビーコン信号を受信するようにしてもよい。この場合であっても、少なくとも容器2と同じエリアに存在する物体(ユーザ等)を識別することができ、容器2の水量変化の原因を把握することができる。
【0082】
以上より、本実施の形態2によれば、容器2の周辺に存在する物体に無線タグT(発信機)を取り付け、無線タグTから発信された識別子(例えばユーザID)に基づいて水分摂取量を推定することで、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0083】
また、本実施の形態2によれば、容器2の無線通信部23aにビーコン信号の受信機能を持たせ、無線タグTから発信される識別子を容器2で受信するようにすることで、容器2の周辺に何の物体が存在するか、より正確に特定することができる。
【0084】
(実施の形態3)
図13は、上述のサーバ1の動作を示す機能ブロック図である。制御部11がプログラムPを実行することにより、サーバ1は以下のように動作する。
取得部131は、ユーザが利用する施設に設置された複数の受信機3から、容器2の水量と、無線信号の受信時点における容器2の周辺状況を示すデータとを取得する。記憶部132は、前記水量と、前記周辺状況を示すデータとを前記受信時点と対応付けて記憶する。推定部133は、前記周辺状況を示すデータに基づいて前記容器2の水量変化の原因を推定し、推定された前記原因と前記水量に基づいて前記ユーザの水分摂取量を推定する。判定部134は、前記水分摂取量が所定の目標値を満たすか否かを判定する。出力部135は、前記目標値を満たさないと判定した場合、水分を摂取すべき旨のアラートを出力する。
【0085】
本実施の形態3は以上の如きであり、その他は実施の形態1及び2と同様であるので、対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0086】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0087】
1 サーバ(情報処理装置)
11 制御部
12 主記憶部
13 通信部
14 補助記憶部
P プログラム
2 容器
21 制御部
22 記憶部
23 発信部
23a 無線通信部
24 水量センサ
25 バッテリ
3 受信機
4 施設端末
5 従業者端末
【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの水分摂取量を好適に管理することができる管理システム等を提供する。
【解決手段】管理システムは、水量センサ及び無線通信部を備えた容器2と、ユーザが利用する施設に設置された複数の受信機3と、該受信機3が受信したデータを管理する情報処理装置1と、を有する。無線通信部は、水量センサが検出した容器内の水量を含む無線信号を発信する。受信機3は、容器2から無線信号を受信する。情報処理装置1は、受信機3から、無線信号に含まれる水量と、無線信号の受信時点における容器の周辺状況を示すデータとを取得する取得部と、周辺状況を示すデータに基づいて容器2の水量変化の原因を推定し、推定された原因と水量に基づいてユーザの水分摂取量を推定する推定部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13