特許第6792236号(P6792236)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792236
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】ガスコンセント装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/12 20060101AFI20201116BHJP
   F16K 37/00 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   F16K27/12
   F16K37/00 B
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-175512(P2016-175512)
(22)【出願日】2016年9月8日
(65)【公開番号】特開2018-40439(P2018-40439A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2019年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000167325
【氏名又は名称】光陽産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(74)【代理人】
【識別番号】100153800
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 哲巳
(72)【発明者】
【氏名】越智 毅
(72)【発明者】
【氏名】平野 亮一
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−190520(JP,A)
【文献】 特開2015−034614(JP,A)
【文献】 特開2013−036565(JP,A)
【文献】 特開2018−044671(JP,A)
【文献】 特開2018−040440(JP,A)
【文献】 特表2014−515810(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0054481(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00−27/12
F16K 37/00
F16L 37/00−39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象に固定された取付板と、
前記取付板に固定されるとともに、ソケットが着脱可能に接続されるプラグ部を有するガス栓と、
前記取付板に固定され、前記ガス栓を覆うとともに、少なくとも前記ガス栓のプラグ部に対応する領域に窓部が形成された固定ケースと、
前記固定ケースの内側に配置され、前記固定ケースに前記プラグ部の軸線方向に摺動可能に支持されるとともに、この摺動に伴って前記固定ケースの窓部を開閉するスライドカバーと、
を備え、
前記スライドカバーは前記プラグ部の突出方向の端部に当接部を有し、前記スライドカバーの摺動過程での前記当接部の移動軌跡上に、前記プラグ部に接続されたソケットの先端部の進退スリーブが配置されるようになっており、
前記プラグ部に前記ソケットが接続される際に、前記ソケットの進退スリーブが前記当接部に当たり、前記スライドカバーを、前記固定ケースの窓部を閉じる位置から前記ソケットの前記プラグ部への接続方向に摺動させ、
前記プラグ部と前記ソケットとの接続状態において、前記スライドカバーは前記固定ケースの窓部を開き、この窓部から前記ソケットの進退スリーブを露出させることを特徴とするガスコンセント装置。
【請求項2】
取付対象に固定された取付板と、
前記取付板に固定されるとともに、ソケットが着脱可能に接続されるプラグ部を有するガス栓と、
前記取付板に固定され、前記ガス栓を覆うとともに、少なくとも前記ガス栓のプラグ部に対応する領域に窓部が形成された固定ケースと、
前記固定ケースの内側に配置され、前記固定ケースに前記プラグ部の軸線方向に摺動可能に支持されるとともに、この摺動に伴って前記固定ケースの窓部を開閉するスライドカバーと、
を備え、
前記スライドカバーは前記プラグ部側に操作部を有するとともに、この操作部の前記プラグ部突出方向の端部に当接部を有し、
前記スライドカバーの摺動過程での前記当接部の移動軌跡上に、前記プラグ部に接続されたソケットの先端部の進退スリーブが配置されるようになっており、
前記プラグ部に前記ソケットが接続される際に、前記ソケットの進退スリーブが前記当接部に当たり、前記スライドカバーを、前記固定ケースの窓部を閉じる位置から前記ソケットの前記プラグ部への接続方向に摺動させ、
前記プラグ部と前記ソケットとの接続状態において、前記スライドカバーは前記固定ケースの窓部を開き、この窓部から、前記ソケットの進退スリーブと前記操作部を露出させることを特徴とするガスコンセント装置。
【請求項3】
前記窓部は、前記固定ケースにおいて少なくとも前記ガス栓のプラグ部の両側面に対応する領域に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスコンセント装置。
【請求項4】
前記固定ケースの窓部は、前記固定ケースにおける前記ガス栓のプラグ部の両側面に対応する領域に一対形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスコンセント装置。
【請求項5】
前記ガス栓の軸線は上下方向に延び、前記プラグ部の先端は下を向いており、
前記スライドカバーは上下方向に摺動可能であるとともに、前記固定ケースに設けられた係止部により重力に抗して前記ケースに基準位置で支持されて前記固定ケースの窓部を閉じており、
前記プラグ部に前記ソケットが接続される際に、前記スライドカバーは前記ソケットにより前記基準位置から押し上げられ、前記固定ケースの窓部を開き、
前記プラグ部から前記ソケットが取り外された際に、前記スライドカバーは自重により下方の前記基準位置まで移動し、前記窓部を閉じることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスコンセント装置。
【請求項6】
前記固定ケースは横断面コ字形またはU字形をなす周壁を備え、この周壁により前記ガス栓の正面と両側面を覆っており、
前記スライドカバーは、前記固定ケースの周壁に対応して横断面コ字形又はU字形をなして前記固定ケースの窓部を開閉する周壁を備え、
前記スライドカバーの周壁は、前記固定ケースの周壁に摺動可能に支持されており、前記固定ケースの窓部を閉じたとき、前記固定ケースの周壁と協働して少なくとも前記ガス栓のプラグ部の正面と両側面とを覆うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスコンセント装置。
【請求項7】
前記スライドカバーの周壁と前記固定ケースの周壁の間には、一対のガイド手段が設けられており、
前記ガイド手段は、前記固定ケースと前記スライドカバーのいずれか一方に形成され前記プラグ部の軸線方向に直線的に延びるガイド溝と、前記固定ケースと前記スライドカバーの他方から突出して前記ガイド溝に嵌め込まれたスライド部とを有することを特徴とする請求項6に記載のガスコンセント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス栓を覆うケースを備えたガスコンセント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の完成後に壁等の取付対象に増設されるガスコンセント装置は、壁に固定された取付板と、この取付板に固定されたガス栓と、このガス栓を覆うようにして取付板に固定された固定ケースを有している。
【0003】
ガス栓には、迅速継手を介してガス燃焼器具が接続される。この迅速継手は、ガス栓のプラグ部と、ガス燃焼器具から延びる二次側ガス配管の先端に取り付けられたソケットにより構成されている。ソケットをプラグ部に接続した時にガス栓が開き、ソケットをプラグ部から外した時にガス栓が閉じられるようになっている。ソケットはその先端部に進退スリーブを有している。この進退スリーブは、ソケットの軸線方向に移動可能であり、ソケットがプラグ部に接続された時に前方に突出することにより、ソケットとプラグ部を係合させるようになっている。ガス栓のプラグ部からソケットを取り外すためには、進退スリーブを後退させて、ソケットとプラグ部の係合状態を解除する必要がある。
【0004】
下記特許文献1のガスコンセント装置は、固定ケース内部に揺動リンクと操作ボタンからなるソケット取外し構造を備えている。揺動リンクはガス栓に揺動可能に設けられている。プラグ部にソケットが接続される際に、ソケットの進退スリーブが揺動リンクの一端部を押して揺動リンクを揺動させる。このとき揺動リンクの他端部が操作ボタンの基端部を押して先端部をケースから突出させる。この突出した先端部により、プラグ部とソケットが接続状態にあることを確認できる。
【0005】
プラグ部とソケットとの接続状態において、突出した操作ボタンの先端部を固定ケースに向かって押し込むと、操作ボタンの基端部が揺動リンクの他端部を押して揺動リンクを揺動させ、その一端部がソケットの進退スリーブを押圧して後退させる。これにより、ソケットとプラグ部の係合が解除され、ソケットをプラグ部から取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−24284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のガスコンセント装置では、ガス栓のプラグ部に接続されたソケットを直接視認できなかった。
また、特許文献1のガスコンセント装置では、ソケット取外し構造として、固定ケース内に操作ボタンと揺動リンクを設けており、構造が複雑で製造費が嵩んでいた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のガスコンセント装置は、取付対象に固定された取付板と、前記取付板に固定されるとともに、ソケットが着脱可能に接続されるプラグ部を有するガス栓と、前記取付板に固定され、前記ガス栓を覆うとともに、少なくとも前記ガス栓のプラグ部に対応する領域に窓部が形成された固定ケースと、
前記固定ケースの内側に配置され、前記固定ケースに前記プラグ部の軸線方向に摺動可能に支持されるとともに、この摺動に伴って前記固定ケースの窓部を開閉するスライドカバーと、を備え、前記スライドカバーは前記プラグ部の突出方向の端部に当接部を有し、前記スライドカバーの摺動過程での前記当接部の移動軌跡上に、前記プラグ部に接続されたソケットの先端部の進退スリーブが配置されるようになっており、前記プラグ部に前記ソケットが接続される際に、前記ソケットの進退スリーブが前記当接部に当たり、前記スライドカバーを、前記固定ケースの窓部を閉じる位置から前記ソケットの前記プラグ部への接続方向に摺動させ、前記プラグ部と前記ソケットとの接続状態において、前記スライドカバーは前記固定ケースの窓部を開き、この窓部から前記ソケットの進退スリーブを露出させることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、ガス栓のプラグ部とソケットとの接続状態を、固定ケースの窓部が開いていることにより確認できるとともに、固定ケースの窓部から直接視認できる。また、ソケットを取り外すために、固定ケースの窓部からソケットの進退スリーブを操作するので、取り外し操作がわかりやすく、ソケット取外しのための構造が簡略化され、製造費が低減される。
【0010】
本発明の他の態様をなすガスコンセント装置は、取付対象に固定された取付板と、前記取付板に固定されるとともに、ソケットが着脱可能に接続されるプラグ部を有するガス栓と、前記取付板に固定され、前記ガス栓を覆うとともに、少なくとも前記ガス栓のプラグ部に対応する領域に窓部が形成された固定ケースと、前記固定ケースの内側に配置され、前記固定ケースに前記プラグ部の軸線方向に摺動可能に支持されるとともに、この摺動に伴って前記固定ケースの窓部を開閉するスライドカバーと、を備え、前記スライドカバーは前記プラグ部側に操作部を有するとともに、この操作部の前記プラグ部突出方向の端部に当接部を有し、前記スライドカバーの摺動過程での前記当接部の移動軌跡上に、前記プラグ部に接続されたソケットの先端部の進退スリーブが配置されるようになっており、前記プラグ部に前記ソケットが接続される際に、前記ソケットの進退スリーブが前記当接部に当たり、前記スライドカバーを、前記固定ケースの窓部を閉じる位置から前記ソケットの前記プラグ部への接続方向に摺動させ、前記プラグ部と前記ソケットとの接続状態において、前記スライドカバーは前記固定ケースの窓部を開き、この窓部から、前記ソケットの進退スリーブと前記操作部を露出させることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、ガス栓のプラグ部とソケットとの接続状態を、固定ケースの窓部が開いていることにより確認できるとともに、固定ケースの窓部から直接視認できる。また、ソケットを取り外すために、固定ケースの窓部からスライドカバーの操作部を操作するので、ソケット取外しのための構造が簡略化され、製造費が低減される。さらに、ソケットを取り外すためのスライドカバーの摺動方向は、ソケットが取り外される方向であるので、取り外し操作がわかりやすい。
【0012】
好ましくは、前記窓部は、前記固定ケースにおいて少なくとも前記ガス栓のプラグ部の両側面に対応する領域に形成されている。
上記構成によれば、窓部からソケットの進退スリーブ又はスライドカバーの操作部を親指と人差し指又は中指で掴むことができ、より一層操作がし易い。
【0013】
好ましくは、前記固定ケースの窓部は、前記固定ケースにおける前記ガス栓のプラグ部の両側面に対応する領域に一対形成されている。
上記構成によれば、固定ケースの窓部を、ソケットの進退スリーブ又はスライドカバーの操作部の把持のために必要な領域だけに形成することができる。
【0014】
好ましくは、前記ガス栓の軸線は上下方向に延び、前記プラグ部の先端は下を向いており、前記スライドカバーは上下方向に摺動可能であるとともに、前記固定ケースに設けられた係止部により重力に抗して前記ケースに基準位置で支持されて前記固定ケースの窓部を閉じており、前記プラグ部に前記ソケットが接続される際に、前記スライドカバーは前記ソケットにより前記基準位置から押し上げられ、前記固定ケースの窓部を開き、前記プラグ部から前記ソケットが取り外された際に、前記スライドカバーは自重により下方の前記基準位置まで移動し、前記窓部を閉じる。
上記構成によれば、プラグ部からソケットが取り外されると、スライドカバーは自重により窓部を閉じるので、プラグ部は常に外部から保護される。
【0015】
好ましくは、前記固定ケースは横断面コ字形またはU字形をなす周壁を備え、この周壁により前記ガス栓の正面と両側面を覆っており、前記スライドカバーは、前記固定ケースの周壁に対応して横断面コ字形又はU字形をなして前記固定ケースの窓部を開閉する周壁を備え、前記スライドカバーの周壁は、前記固定ケースの周壁に摺動可能に支持されており、前記固定ケースの窓部を閉じたとき、前記固定ケースの周壁と協働して少なくとも前記ガス栓のプラグ部の正面と両側面とを覆う。
上記構成によれば、固定ケースの周壁とスライドカバーの周壁の間に隙間が形成されることなく、ガス栓のプラグ部を良好に覆うことができる。
【0016】
好ましくは、前記スライドカバーの周壁と前記固定ケースの周壁の間には、一対のガイド手段が設けられており、前記ガイド手段は、前記固定ケースと前記スライドカバーのいずれか一方に形成され前記プラグ部の軸線方向に直線的に延びるガイド溝と、前記固定ケースと前記スライドカバーの他方から突出して前記ガイド溝に嵌め込まれたスライド部とを有する。
上記構成によれば、スライドカバーを安定して支持することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ガス栓のプラグ部とソケットとの接続状態を容易に確認することができる。また、ソケット取り外し操作が分かりやすく、構造が簡単になり、製造費が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係るガスコンセント装置の、ソケットがガス栓に接続される前の状態を示し、(A)は正面図、(B)は固定ケース及びスライドカバーを断面にして示す右側面図である。
図2】同実施形態のガスコンセント装置の、ソケットがガス栓に接続される前の状態を示す斜視図である。
図3】同実施形態のガスコンセント装置の、ソケットがガス栓に接続された状態を示し、(A)は正面図、(B)は固定ケース及びスライドカバーを断面にして示す右側面図である。
図4】同実施形態のガスコンセント装置の、ソケットがガス栓に接続された状態を示す斜視図である。
図5】上記固定ケースとスライドカバーを分解して、背面側から見た斜視図である。
図6】(A)は上記スライドカバーが取り付けられた固定ケースの背面図、(B)は上記ガス栓が取り付けられた取付板の正面図である。
図7】(A)は図1のA−A矢視断面図、(B)は図1のB―B矢視断面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るガスコンセント装置のスライドカバーを正面側下方から見た斜視図である。
図9】同実施形態のガスコンセント装置の、ソケットがガス栓に接続された状態を示す斜視図である。
図10】本発明の第3実施形態に係るガスコンセント装置のスライドカバーを正面側下方から見た斜視図である。
図11】同実施形態のガスコンセント装置の、ソケットがガス栓に接続された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を、図1図7を参照して説明する。この実施形態は、本発明を、建物の壁W(取付対象)に増設されるガスコンセント装置に適用したものである。
図1に示すように、ガスコンセント装置1は、取付板2、ガス栓3、固定ケース4、及びスライドカバー5を備えている。
【0020】
図6(B)に示すように、取付板2は正面視矩形の金属製の板材からなり壁Wに固定されている。取付板2の上縁、左右両側縁、下縁には、壁Wと直交する切起こし片21,22,23が設けられている。
【0021】
図1(B)、図6(B)に示すように、ガス栓3は、直線状をなして連なる胴部31とプラグ部32とを有している。胴部31を包囲する固定金具25を取付板2にねじ止めすることにより、ガス栓3が取付板2に固定されている。
【0022】
本実施形態では、胴部31およびプラグ部32の軸線は上下方向に垂直に延び、プラグ部32の先端は下を向いている。胴部31の上端接続口には一次側ガス配管(図示しない)が接続され、プラグ部32には、ガス機器から延びる二次側ガス配管(図示せず)の先端に取り付けられたソケット6(図3図4に示す)が着脱可能に接続されるようになっている。
【0023】
ソケット6とガス栓3のプラグ部32は、日本工業規格(JIS S 2135)で定めるガス機器用迅速継手を構成している。簡単に説明すると、ソケット6は先端部から突出するとともに軸方向に所定範囲移動可能に設けられた進退スリーブ61を有している。ソケット6をプラグ部32に所定の接続位置まで外挿すると、進退スリーブ61が初期位置からさらに突出し、これにより、ソケット6がプラグ部32に係合(ロック)される。上記ソケット6の接続状態において、進退スリーブ61を初期位置まで押し戻すと、プラグ部32とソケット6との係合が解除され、ソケット6がプラグ部32から外れる。
【0024】
取付板2にはさらに固定ケース4が固定されている。図5図6(A)に示すように、固定ケース4は、取付板2に対応して背面視矩形状をなしている。固定ケース4は、横断面コ字形(またはU字形)をなす周壁41を有している。周壁41は、半円筒形状の正面壁部41aと互いに平行をなす平板形状の左右の側壁部41b,41bとを有している。
【0025】
図5に示すように、周壁41の上端は頂壁42により塞がれている。頂壁42には切欠き42aが形成されている。図1図2に示すように、切欠き42aには、ガス栓3の胴部31が貫通している。図5に示すように、周壁41の下端は底壁43により塞がれている。底壁43には、プラグ部32に接続する際にソケット6が通される通り穴43aが形成されている。
【0026】
ケース4の取付板2への固定は、その周壁41の両側壁部41b,41bの縁部、頂壁42の縁部、底壁43の縁部を取付板2の切起こし片21,22,23に嵌め、図6(A)に示す頂壁42に形成された凸部42bを、図6(B)に示す切起こし片21に形成された穴21aに嵌め、底壁43に形成された穴43bを貫通するネジを、切起こし片23に形成されたネジ穴23aにねじ込むことによりなされる。
【0027】
図5に示すように、固定ケース4の周壁41には、窓部41c,41cが一対形成されている。各窓部41cは、正面壁部41aから側壁部41bに跨るように形成されている。固定ケース4における窓部41c,41cが形成された領域は、ガス栓3のプラグ部32の両側面に対応している。
【0028】
図1(A)、図5に示すように、固定ケース4にはさらに、側壁部41bの内側に窓部41cの上部に隣接する一対のガイド溝41d,41dが形成されている。各ガイド溝41dは、ガス栓3のプラグ部32の軸線方向に直線的に延びている。
【0029】
図1図5に示すように、スライドカバー5は、横断面コ字形(またはU字形)をなす周壁51と、この周壁51の下端(プラグ部32の突出方向の端部)から取付板2に向かって水平に延びる当接部52とを有している。
【0030】
周壁51は、半円筒形状の正面壁部51aと互いに平行をなす平板形状の左右の側壁部51b,51bとを有している。図1図7に示すように、スライドカバー5は固定ケース4の内側すなわちプラグ部32側に配置されている。スライドカバー5の周壁51は固定ケース4の周壁41に対応した形状をしており、周壁51の外面は周壁41の内面に接している。正面壁部51aの中央は側壁部51bから下方に延びており、その下端に上記当接部52が形成されている。
【0031】
図5に示すように、当接部52は、基部52aと、この基部52aから取付板2に向かって突出する一対の腕部52b,52bを有している。基部52a及び腕部52bは、ガス栓3のプラグ部32の正面を及び両側面を囲んでいる。
【0032】
スライドカバー5の周壁51は、図7(A)に示す一対のガイド手段Gにより、固定ケース4に上下方向(プラグ部32の軸線方向)に摺動可能に支持されている。一対のガイド手段Gは、固定ケース4の両側壁部41b,41bに形成されたガイド溝41d,41dと、スライドカバー5の両側壁部51b,51bの外面上部から外方向に突出する一対のスライド部53,53により構成されている。
【0033】
スライドカバー5を、プラグ部32の軸線と直交する方向に固定ケース4に向かって押し込むことにより、一対のスライド部53,53は、一対のガイド溝41d,41dに、固定ケース4とスライドカバー5の弾性を利用して嵌め込むことができる。スライド部53は、端部(押し込み方向における前側の端部)が傾斜しているので、ガイド溝41dに嵌め込み易くなっている。
【0034】
次に、ソケット6のガス栓3のプラグ部32に対する接続及び取り外しについて説明する。
図1図2に示すように、ソケット6がプラグ部32に接続されていない状態では、スライドカバー5は自重により下方の基準位置にあり、この基準位置でスライドカバー5のスライド部53が固定ケース4のガイド溝41dの下端41e(係止部)に当たることにより維持されている。この基準位置において、スライドカバー5は固定ケース4の窓部41c,41cを閉じており、図7(B)に示すように、スライドカバー5の周壁51は、固定ケース4の周壁41と協働してガス栓3のプラグ部32の正面と両側面を覆っている。
【0035】
図1図2に示すように、基準位置にあるスライドカバー5の当接部52はプラグ部32側に位置しており、スライドカバー5の摺動過程での当接部52の移動軌跡上に、後述する接続状態のソケット6の進退スリーブ61が配置されるようになっている。
【0036】
ソケット6をプラグ部32に接続するには、ソケット6を固定ケース4の通り穴43aから上方に移動させる。すると、初期位置にあるソケット6の進退スリーブ61がスライドカバー5の当接部52に当たり、スライドカバー5を押し上げる。ソケット6をスライドカバー5と一緒にさらに上方、すなわちソケット6のプラグ部32への接続方向に移動させると、ソケット6は接続位置までプラグ部32に外挿される。すると、進退スリーブ61が上方に突出し、ソケット6とプラグ部32が係合状態になる。
【0037】
図3図4に示すように、ソケット6がプラグ部32に接続され、進退スリーブ61が上方に突出した状態において、スライドカバー5は固定ケース4の窓部41cを開き、この窓部41cからソケット6の進退スリーブ61は露出している。このように、固定ケース4の窓部41cが開いていることから、ソケット6との接続状態を確認することができる。さらに、ソケットの進退スリーブ61を視認することによっても、ソケット6の接続状態を確認することができる。
【0038】
ソケット6をガス栓3のプラグ部32から取り外す場合には、固定ケース4の窓部41cから露出したソケット6の進退スリーブ61を、親指と人差し指又は中指で掴んで下方に押し下げる。これにより、進退スリーブ61は初期位置へと後退し、その結果、ソケット6とプラグ部32との係合が解除され、ソケット6はプラグ部32から外される。このとき、スライドカバー5は自重により下方の前記基準位置まで移動し、固定ケース4の窓部41を閉じる。
【0039】
[第2実施形態]
図8図9は、本発明の第2実施形態に係るガスコンセント装置1Aを示す。
このガスコンセント装置1Aでは、スライドカバー5Aの当接部52に第1実施形態においてプラグ部32の両側面に延びる腕部52bが設けられていない。本実施形態では、当接部52は、基部52aだけで構成され、プラグ部32の正面側からのみソケット6の進退スリーブ61に当接する。そのため、接続状態にあるソケット6の進退スリーブ61をその両側面側からより後退させやすくなっている。
【0040】
[第3実施形態]
図10図11は、本発明の第3実施形態に係るガスコンセント装置1Bを示す。
このガスコンセント装置1Bでは、スライドカバー5Bの下部(プラグ部32側の部位)が操作部54となっており、この操作部54の下端(プラグ部32の突出方向の端部)が当接部52となっている。操作部54は横断面コ字形(ないしはU字形)をなして周壁51に連なるが周壁51より小径をなしている。
【0041】
プラグ部32にソケット6が接続されていない時、すなわちスライドカバー5Bが基準位置にある時、スライドカバー5Bの周壁51が固定ケース4の窓部41cを閉じている。
【0042】
プラグ部32にソケット6が接続された時には、第1実施形態と同様にスライドカバー5Bが上方に移動し、固定ケース4の窓部41cが開かれる。この接続状態では、図11に示すように、窓部41cからソケット操作部54とソケット6の進退スリーブ61が露出する。
【0043】
ソケット6をプラグ部32から取り外す場合には、操作部54を親指と人差し指または中指で掴んで下方に押す。このとき、スライドカバー5の当接部52がソケット6の進退スリーブ61を下方に後退させ、ソケット6はプラグ部32から取り外される。
上記第3実施形態において、操作部54は周壁51と同一の横断面形状を有していてもよい。
【0044】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において各種の変形例を採用することができる。
上記実施形態において、ガイド手段は、スライドカバーに形成されたガイド溝と固定ケースに形成されたスライド部により構成してもよい。
上記実施形態において、プラグ部の軸線は水平に延びていてもよい。この場合、スライドカバーは水平方向に摺動され、バネにより基準位置に付勢される。
上記実施形態において、窓部は、固定ケースにおいてガス栓のプラグ部の両側面と正面に対応する領域にわたって連続して形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、壁等に設置されるガスコンセント装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1,1A,1B ガスコンセント装置
2 取付板
3 ガス栓
32 プラグ部
4 固定ケース
41 周壁
41c 窓部
41d ガイド溝
41e 係止部
5 スライドカバー
51 周壁
52 当接部
53 スライド部
54 操作部
6 ソケット
61 進退スリーブ
W 壁(取付対象)
G ガイド手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11