(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792285
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】コンロ用防熱板
(51)【国際特許分類】
F24C 15/34 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
F24C15/34 D
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-207996(P2016-207996)
(22)【出願日】2016年10月24日
(65)【公開番号】特開2018-71804(P2018-71804A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】金谷 茂之
【審査官】
西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−175911(JP,U)
【文献】
特開2017−028838(JP,A)
【文献】
実開平06−002867(JP,U)
【文献】
特開2002−158456(JP,A)
【文献】
実開昭56−022028(JP,U)
【文献】
特開2003−302066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/16−15/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンロの外側に位置する壁面に取り付けられるコンロ用防熱板であって、
少なくとも表面が所定厚さの不燃材料で形成される防熱板本体と、
前記防熱板本体の裏面と前記壁面との何れか一方側に固定される少なくとも左右2つの引掛金具と、
他方側に固定されて前記引掛金具が掛止可能な掛止部がそれぞれ突設される少なくとも左右2つの案内金具と、を含み、
前記引掛金具は、前記掛止部が終端で掛止する掛止スリットを上下方向に有し、
前記案内金具は、前記掛止部が前記掛止スリットから外れる前記引掛金具の上下移動のストロークよりも小さいストロークで前記引掛金具の上下移動を規制するストッパを有することを特徴とするコンロ用防熱板。
【請求項2】
前記案内金具は、前記引掛金具の上下移動を案内するガイド部を備えることを特徴とする請求項1に記載のコンロ用防熱板。
【請求項3】
前記掛止部は、前記案内金具を固定するためのネジ部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンロ用防熱板。
【請求項4】
前記案内金具は、前記掛止部を中心とした上下対称位置にストッパ取付部をそれぞれ有し、前記ストッパを何れか一方の前記ストッパ取付部に取り付け可能としていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のコンロ用防熱板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルコンロやビルトインコンロ等の近傍の壁面に取り付けられるコンロ用防熱板に関する。
【背景技術】
【0002】
周囲に壁があるキッチンカウンターにテーブルコンロやビルトインコンロを設置する場合、バーナの炎や熱気による伝熱火災を防止するため、火災予防条例によってコンロと壁面との離隔距離が定められている(例えば周囲に可燃物がある場合、トッププレートの側面及び後面では15cm以上)。
しかし、キッチンの設計上、コンロを背面や側面の壁に近接して設置せざるを得ず、離隔距離が確保できない場合、壁面に防熱板を取り付けることが義務付けられている。
このようなコンロ用防熱板として、例えば特許文献1には、壁面に固定される固定防熱板と、その固定防熱板の表面に取り付けられる副防熱板とからなり、固定防熱板の表面に、左右両端にフックを形成した保持金具を固定する一方、副防熱板の裏面に、平面視L字状の左右一対のレールを上下方向に固定して、副防熱板を固定防熱板の表面に沿わせて上方からスライドさせることで、レールをフックにそれぞれ係合させて副防熱板を固定するようにした発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−242437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のコンロ用防熱板は、固定防熱板と副防熱板との2枚の防熱板からなるため、防熱板の数が多くなってコストアップに繋がる。よって、固定防熱板をなくして保持金具を直接壁面に取り付け、保持金具に対して副防熱板をスライド固定することが考えられる。
しかし、トッププレートやカウンタートップを清掃するために副防熱板を上方へ持ち上げすぎると、レールがフックから外れて副防熱板が内側へ倒れるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、壁面への取付状態で上方へのスライドを可能として清掃を容易にしつつ、上方へスライドさせた際に容易に外れるおそれのないコンロ用防熱板を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、コンロの外側に位置する壁面に取り付けられるコンロ用防熱板であって、
少なくとも表面が所定厚さの不燃材料で形成される防熱板本体と、防熱板本体の裏面と壁面との何れか一方側に固定される少なくとも左右2つの引掛金具と、他方側に固定されて引掛金具が掛止可能な掛止部がそれぞれ突設される少なくとも左右2つの案内金具と、を含み、引掛金具は、掛止部が終端で掛止する掛止スリットを上下方向に有し、案内金具は、掛止部が掛止スリットから外れる引掛金具の上下移動のストロークよりも小さいストロークで引掛金具の上下移動を規制するストッパを有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、案内金具は、引掛金具の上下移動を案内するガイド部を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、掛止部は、案内金具を固定するためのネジ部材であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、案内金具は、掛止部を中心とした上下対称位置にストッパ取付部をそれぞれ有し、ストッパを何れか一方のストッパ取付部に取り付け可能としていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ストッパによって防熱板本体が外れる位置までのスライドが規制されるため、防熱板本体を上方へスライドさせてトッププレートやカウンタートップの清掃が容易に行えると共に、上方へスライドさせた際に防熱板本体が外れるおそれがなくなる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、案内金具に設けたガイド部により、引掛金具を介した防熱板本体の上下移動がスムーズに行える。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、ネジ部材を掛止部に兼用した合理的な構成となり、部品点数が少なくて済む。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、案内金具を上下にストッパ取付部を有する上下対称形状としたことで、案内金具を上下何れの向きでも使用でき、壁面等に取り付ける際の作業ミスがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】案内金具に引掛金具を押し込んだ状態を示す説明図で、(A)は正面図(防熱板本体は省略)、(B)は中央縦断面図である。
【
図4】引掛金具を吊り下げ支持した状態を示す説明図で、(A)は正面図(防熱板本体は省略)、(B)は中央縦断面図である。
【
図5】ストッパネジを取り付けた状態を示す説明図で、(A)は正面図(防熱板本体は省略)、(B)は中央縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、コンロ用防熱板の一例を示す分解斜視図、
図2は防熱板本体の背面図で、
図1の左上側を前方とする。このコンロ用防熱板1は、防熱板本体2と、防熱板本体2の裏面に固定される3つの引掛金具3,3・・と、壁面に取り付けられて引掛金具3,3・・を案内する案内金具4,4・・とを含んでなる。
防熱板本体2は、正面視が矩形状の不燃材料である石膏ボード5の表面に、同じく不燃材料であるステンレス板6を張り付けてなる。
引掛金具3は、金属板を折曲形成して、防熱板本体2と平行な背板部7と、背板部7の左右両側から前方へ直角に折曲される一対の側板部8,8と、両側板部8,8の前端から左右外側へ折曲される一対の張出部9,9とを備えてなる。
【0010】
背板部7の上端には、上板部10が延設されて、左右の側板部8,8の間に折曲されることで両側板部8,8の間を閉塞している。また、背板部7の下部中央には、下端から上方へ向けて掛止スリット11が形成されている。この掛止スリット11は、下端の幅広部12と、上端が逆U字状で閉塞する幅狭部13と、幅広部12と幅狭部13との間を繋ぐテーパ部14とから形成されて、上下方向で幅が変化している。
この引掛金具3は、
図2に示すように、防熱板本体2の裏面で上側左右と下側中央との三箇所に、張出部9,9をネジ15,15で固定することで、上板部10が上、掛止スリット11が下となる向きで防熱板本体2と一体化されている。
【0011】
案内金具4は、金属板を折曲形成して、縦長矩形状の底板部16と、底板部16の上端から前側に折曲されるストッパ取付部17と、底板部16の左右両側から前側に折曲される一対のガイド部18,18とを備えてなる。ストッパ取付部17の左右方向の中央には、ネジ孔19が形成されている。また、底板部16の下端中央には、透孔20が形成されると共に、ガイド部18,18の下方から左右外側へ張り出す取付片21,21が延設されて、各取付片21にも透孔22がそれぞれ形成されている。ここでの左右のガイド部18,18の間隔は、張出部9,9を除いて引掛金具3が納まる設定となっており、ガイド部18,18の間に収容した状態で引掛金具3の上下方向へのスライドがガイド部18,18に案内されるようになっている。
【0012】
以上の如く構成されたコンロ用防熱板1においては、防熱板本体2を固定する壁面において、引掛金具3,3・・に対応する三箇所に案内金具4,4・・を、ストッパ取付部17を上側にして取り付ける。この場合、底板部16の中央の透孔20を貫通させたネジ部材としての掛止ネジ23Aと、各取付片21の透孔22を貫通させた取付ネジ23B,23Bとを、壁面にねじ込むことになるが、ここでは中央の透孔20にねじ込む掛止ネジ23Aを、引掛金具3の掛止スリット11の上端位置に合わせてねじ込む。これが防熱板本体2の支持高さとなる。
【0013】
但し、
図3(B)に示すように、中央の掛止ネジ23Aは、ネジ頭24Aと底板部16との間に、引掛金具3の背板部7の厚みよりも大きい間隔を確保した状態で壁面Wへのねじ込みをとどめる。取付片21,21側の左右の取付ネジ23B,23Bは、ネジ頭24Bが取付片21に当接するまで壁面Wにねじ込む。
こうして案内金具4を壁面Wに取り付けた状態では、中央の掛止ネジ23Aとストッパ取付部17との上下方向の間隔は、引掛金具3の上下寸法よりもやや短くなっており、ガイド部18,18の間に押し込んだ引掛金具3の上板部10がストッパ取付部17に当接する
図3の状態では、ネジ頭24Aは掛止スリット11の幅広部12及びテーパ部14内に位置して、前後方向で背板部7と干渉しないようになっている。
【0014】
よって、案内金具4,4・・を取り付けた壁面Wに、防熱板本体2を、各引掛金具3が各案内金具4のストッパ取付部17の下方からガイド部18,18の間に嵌合させれば、掛止ネジ23Aのネジ頭24Aは、掛止スリット11の幅広部12及びテーパ部14を貫通して背板部7の前方に突出する。
ここから防熱板本体2を下方へスライドさせると、各引掛金具3が各案内金具4のガイド部18,18の間で下降するため、掛止ネジ23Aが相対的に掛止スリット11内を上昇して、
図4に示すように幅狭部13の上端に掛止する。よって、当該位置で防熱板本体2は3箇所の引掛金具3,3・・を介して3箇所の掛止ネジ23A,23A・・によって吊り下げ支持される。
【0015】
掛止ネジ23Aが貫通する掛止スリット11の幅狭部13は、ネジ頭24Aの外径よりも幅が小さくなっているので、背板部7がネジ頭24Aによって抜け止めされ、防熱板本体2が壁面Wから離れる方向へ倒れることはない。よって、吊り下げ支持される状態で防熱板本体2の下端がビルトインコンロのトッププレートやキッチンのカウンタートップ等に当接するように案内金具4,4・・の高さを設定しておけば、コンロ周りの壁面Wは防熱板本体2によって保護される。複数の防熱板本体2を設ける場合も同様である。
【0016】
最後に、
図5に示すように、各案内金具4のストッパ取付部17のネジ孔19に、上方からストッパとしてのストッパネジ25をねじ込んで、ストッパ取付部17の下方へストッパネジ25を突出させておく。このとき、引掛金具3がストッパネジ25の下端に当接するまで上下移動できるストロークS1は、幅狭部13の上端の掛止ネジ23Aが、ネジ頭24Aが外れるテーパ部14内まで相対的に上下移動できるストロークS2よりも小さくなっている。すなわち、引掛金具3が、上板部10がストッパネジ25に当接するまで上方へスライドしたとしても、ネジ頭24Aが幅狭部13内で背板部7に係止する状態は維持されて、掛止スリット11から外れない設定となっている。
【0017】
よって、トッププレートやカウンタートップを清掃する際には、防熱板本体2を上方へスライドさせれば、トッププレート等の間に隙間ができるので、トッププレート等の上面を容易に清掃できる。このとき防熱板本体2の上方へのスライドは、引掛金具3が掛止ネジ23Aに抜け止めされる位置で規制されるため、清掃の際に防熱板本体2が偶発的に外れるおそれがなくなる。
なお、防熱板本体2を取り外す必要が生じた際は、各案内金具4からストッパネジ25を取り外し、引掛金具3がストッパ取付部17に当接するまで防熱板本体2を上方へスライドさせれば、掛止ネジ23Aに干渉することなく手前に取り出すことができる。
【0018】
このように、上記形態のコンロ用防熱板1によれば、表面が所定厚さの不燃材料で形成される防熱板本体2と、防熱板本体2の裏面に固定される引掛金具3,3・・と、壁面Wに固定されて各引掛金具3が掛止可能な掛止ネジ23Aがそれぞれ突設される案内金具4,4・・と、を含み、引掛金具3は、掛止ネジ23Aが終端で掛止する掛止スリット11を上下方向に有し、案内金具4は、掛止ネジ23Aが掛止スリット11から外れる引掛金具3の上下移動のストロークS2よりも小さいストロークS1で引掛金具3の上下移動を規制するストッパネジ25を有することで、防熱板本体2が外れる位置までのスライドが規制されるため、防熱板本体2を上方へスライドさせてトッププレートやカウンタートップの清掃が容易に行えると共に、上方へスライドさせた際に防熱板本体2が外れるおそれがなくなる。
【0019】
特にここでは、案内金具4に、引掛金具3の上下移動を案内するガイド部18,18を設けたことで、引掛金具3を介した防熱板本体2の上下移動がスムーズに行える。
また、掛止部を、案内金具4を固定するための掛止ネジ23Aとしているので、掛止ネジ23Aを掛止部に兼用した合理的な構成となり、部品点数が少なくて済む。
【0020】
なお、上記形態では、案内金具4のストッパ取付部17にネジ孔19を設けてストッパネジ25を上方から螺合させているが、
図6に示すように、左右のガイド部18の一方にネジ孔19を設けてストッパネジ25を側方から螺合させて底板部16の前方に突出させるようにしてもよい。この場合も引掛金具3の上下移動の規制は可能である。ストッパもネジ以外に棒体や板体等の他の部材が使用できるが、ネジであれば突出長さ(規制位置)を変更できる利点がある。
【0021】
また、案内金具は、
図7に示す案内金具4Aのように、透孔20,22が設けられる取付片21,21を中心とした上下対称位置に一対の底板部16,16を形成して、各底板部16に、ネジ孔19付きのストッパ取付部17及びガイド部18,18をそれぞれ設けて、ストッパネジ25を何れか一方のストッパ取付部17に取り付け可能としてもよい。このようにすれば、案内金具4Aを上下何れの向きでも使用でき、壁面W等に取り付ける際の作業ミスがなくなる。これはガイド部18にストッパネジ25を側方から螺合させる
図6の場合も同様で、上下のガイド部18にそれぞれネジ孔19を設ければよい。
【0022】
さらに、掛止部としては掛止ネジ23Aを利用する以外に、案内金具に直接スタッドボルト等を固定したり、案内金具のみにねじ込まれるネジを利用したりして専用の掛止部を設けることも可能である。
そして、上記形態では、防熱板本体に引掛金具を、壁面に案内金具をそれぞれ固定しているが、これと逆に、防熱板本体に案内金具を、壁面に引掛金具をそれぞれ固定しても差し支えない。但し、この場合は、壁面側の引掛金具では掛止スリットが上端から形成されて防熱板本体側の掛止部が上方から掛止され、防熱板本体側の案内金具では、掛止部の下側に、引掛金具と当接して防熱板本体の上方へのスライドを規制するストッパが設けられることになる。
【0023】
その他、防熱板本体と壁面とに設ける引掛金具及び案内金具は、上記形態のように3つである必要はなく、少なくとも左右2つずつであれば防熱板本体の吊り下げ支持は可能である。よって、例えば上側に左右2つのみ設けて、下側中央は防熱板本体と壁面との何れか一方に固定されて他方側との間隔を保持するスペーサとしても差し支えない。勿論引掛金具及び案内金具を4つ以上設けることは可能である。
【符号の説明】
【0024】
1・・コンロ用防熱板、2・・防熱板本体、3・・引掛金具、4・・案内金具、5・・石膏ボード、6・・ステンレス板、7・・背板部、8・・側板部、9・・張出部、10・・上板部、11・・掛止スリット、12・・幅広部、13・・幅狭部、14・・テーパ部、16・・底板部、17・・ストッパ取付部、18・・ガイド部、19・・ネジ孔、20,22・・透孔、21・・取付片、23A・・掛止ネジ、23B・・取付ネジ、24A,24B・・ネジ頭、25・・ストッパネジ、W・・壁面。