特許第6792332号(P6792332)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792332
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】マガジン
(51)【国際特許分類】
   A47F 1/12 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
   A47F1/12
【請求項の数】11
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-250173(P2015-250173)
(22)【出願日】2015年12月22日
(65)【公開番号】特開2017-113160(P2017-113160A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2018年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】田所 義教
(72)【発明者】
【氏名】橘高 栄一
(72)【発明者】
【氏名】千葉 由樹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 崇
【審査官】 永冨 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/042721(WO,A1)
【文献】 特開2015−002854(JP,A)
【文献】 特開2015−024083(JP,A)
【文献】 特開2014−181132(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3148920(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を前後方向に一列に搭載可能な搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられた押圧スライダと、
前記押圧スライダを前方に付勢するスライダ付勢部と、
前記搭載部に搭載されている前記物品の残個数を表示報知する残個数表示アタッチメントと、
を備え、
前記搭載部は、上方に向けて開口している箱型の容器であり、
前記残個数表示アタッチメントは、前記残個数を表示する表示部と、ケースと、前記ケースの背面側に設けられているクリップ部材と、を有し、
前記搭載部の後端部は、板面が前後方向を向く壁部を含み、
前記ケースは、前記表示部を後方から透視可能な透視窓部を含み、
前記クリップ部材が前記搭載部の前記後端部の壁部に対して着脱可能に装着されることによって、前記壁部よりも前方において前記ケースが前記搭載部の前記後端部に対して着脱可能に設けられるようになっており、
前記押圧スライダは、
板面が前後を向く起立板と、
前記起立板からそれぞれ後方に向けて起立している一対のリブと、
を有し、
前記一対のリブは、前後方向に対して直交する水平幅方向において互いに離間し且つ対向しており、
前記押圧スライダは、前記一対のリブの対向間隔に前記ケースの少なくとも一部分が収まる位置まで後退可能であるマガジン。
【請求項2】
前記残個数表示アタッチメントは、
先端が前記押圧スライダに連結されているとともに、前記押圧スライダの前進に伴い前記ケースから前方に繰り出される紐状体と、
前記ケースに収容されていて、前記押圧スライダが後退する際に前記紐状体を巻き取る巻取部と、
前記紐状体を巻き取る方向に前記巻取部を付勢する紐付勢部と、
を有し、
前記巻取部からの前記紐状体の繰り出し量に応じて、前記透視窓部を介した前記表示部の表示状態が変化することによって、前記残個数を表示報知する請求項1に記載のマガジン。
【請求項3】
前記紐付勢部は、前記表示部が付された板バネであり、
前記板バネは、それぞれ渦巻き状に巻回された第1巻回部及び第2巻回部を一端側と他端側とに有し、
前記残個数表示アタッチメントは、
前記ケースに収容されているとともに前記第1巻回部が巻回されている第1バネ巻きドラムと、
前記ケースに収容されているとともに前記第2巻回部が巻回されている第2バネ巻きドラムと、
を更に備え、
前記押圧スライダが前進する際には、前記第2バネ巻きドラムが回転することにより、前記板バネにおける前記第1巻回部と前記第2巻回部との間の中間部が前記第2バネ巻きドラムに巻き取られるとともに、前記板バネにおいて前記第1巻回部を構成する部分が前記第1バネ巻きドラムから繰り出され、
前記押圧スライダが後退する際には、前記板バネの付勢力に従って前記第1バネ巻きドラムが回転することにより、前記板バネにおける前記中間部が前記第1バネ巻きドラムに巻き取られるとともに、前記板バネにおいて前記第2巻回部を構成する部分が前記第2バネ巻きドラムから繰り出される請求項2に記載のマガジン。
【請求項4】
前記第1バネ巻きドラムよりも前記第2バネ巻きドラムの方が巻き径が大きい請求項3に記載のマガジン。
【請求項5】
前記第1バネ巻きドラムと前記第2バネ巻きドラムとが上下に並んで配置されている請求項4に記載のマガジン。
【請求項6】
前記巻取部と前記第2バネ巻きドラムとが互いに一体且つ同軸に設けられている請求項3から5のいずれか一項に記載のマガジン。
【請求項7】
前記第1バネ巻きドラム又は前記第2バネ巻きドラムに設けられ、前記押圧スライダが前進する際に前記第1バネ巻きドラム又は前記第2バネ巻きドラムと一体に回転して音を出力する鈴を更に備える請求項3から6のいずれか一項に記載のマガジン。
【請求項8】
前記紐状体の前記先端が連結されているとともに、前記押圧スライダに対して係脱可能に係止固定される係止部材を更に備え、
前記係止部材が前記押圧スライダに係止固定されることにより、前記紐状体の前記先端が前記係止部材を介して前記押圧スライダに連結されている請求項2からのいずれか一項に記載のマガジン。
【請求項9】
前記押圧スライダには孔が形成されており、
前記係止部材は、前記孔の縁部に対して係止固定される請求項に記載のマガジン。
【請求項10】
前記ケースに支持され、前記押圧スライダが前進する際に音を出力する音出力部を更に備えている請求項1からのいずれか一項に記載のマガジン。
【請求項11】
前記残個数表示アタッチメントは、前記残個数が、(前記搭載部に対する前記物品の最大搭載数−10)以下となったことを表示報知する請求項1から10のいずれか一項に記載のマガジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品が前後方向に一列に搭載されるマガジンに関する。特に、物品の残個数をマガジンの外部から確認可能なマガジンおよび残個数表示アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアなどの店舗では、様々な商品がいわゆる什器に陳列されている。
多様な商品のうち、例えばたばこ商品などの特定の商品を陳列するための什器の棚には、複数の商品を前後方向に一列に搭載するための商品搭載用の容器が複数設置される。この容器は一般的にはマガジン、カートリッジまたはホルダーなどと呼ばれている。以下では、この容器をマガジンと呼称する。
なお、ここでいうたばこ商品とは、実際に喫煙される紙巻たばこではなく、複数の紙巻たばこを収容している直方体状のパッケージを意味している。
【0003】
ところでマガジンに搭載された商品の残数が減ってくると、店舗従業員は、商品を適宜補充する必要がある。しかし、個々のマガジンにおける商品の残個数を数える作業は繁雑であるため、残個数を数えなくても容易に認識できるようにしたいという要望があった。これに対し、マガジンの搭載部に搭載されている商品が所定個数以下となったことを表示する技術が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、レール部が設けられた第1の底面と当該第1の底面よりも下方に設けられた第2の底面とを有する透明な箱状の搭載部(同文献の枠体)と、レール部に沿って前後に摺動可能に設けられた押圧スライダ(同文献の押し板)と、細長い金属の板を渦巻状に巻回した巻回部を有するバネと、バネの巻回部を収納するバネ収納部と、を備えるマガジンが記載されている。バネの先端は、バネ収容部から前方に引き出され、第1の底面と第2の底面との間の空間に導入されている。このマガジンは、更に、搭載部の前端部における底部に設けられた滑車と、バネの先端と押圧スライダとを接続しているとともに滑車に係合している紐と、を備えている。したがって、バネ及び紐が一連の長尺な索体を構成しており、この索体は、バネ収容部の巻回部から前方に延び、滑車で折り返して後方に延び、押圧スライダに接続されている。そして、押圧スライダが前進することにより巻回部にバネが巻き取られ、押圧スライダが後退することにより巻回部から前方にバネが繰り出されるようになっている。
ここで、バネの一部分には、赤などの目立つ色の樹脂製の被覆部が設けられている。
そして、押圧スライダが後退して巻回部からバネが繰り出された際には、巻回部の最外周部分が、被覆部が設けられていないバネにより構成される状態となる。その一方で、押圧スライダが前進して巻回部にバネが巻き取られた際には、巻回部の最外周部分が被覆部付きのバネにより構成される状態となる。よって、巻回部の最外周部分が被覆部付きのバネにより構成されているか否かを、透明な搭載部の後方から目視で確認することにより、残個数が所定個数以下に減少したか否かを認識することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−24083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、残個数表示のための構成(バネ等)を搭載部に装着して残個数の表示が可能な状態とするためには、バネ収容部に配置された巻回部から引き出したバネの先端を第1の底面と第2の底面との間の狭い空間に挿入して紐に接続する作業などが必要である。よって、残個数の表示が可能な状態とするための準備が容易ではない。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、残個数表示のための構成を容易に搭載部に装着することが可能な構造のマガジン及び残個数表示アタッチメントを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、複数の物品を前後方向に一列に搭載可能な搭載部と、前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられた押圧スライダと、前記押圧スライダを前方に付勢するスライダ付勢部と、前記搭載部に搭載されている前記物品の残個数を表示報知する残個数表示アタッチメントと、を備え、前記搭載部は、上方に向けて開口している箱型の容器であり、前記残個数表示アタッチメントは、前記残個数を表示する表示部と、ケースと、前記ケースの背面側に設けられているクリップ部材と、を有し、前記搭載部の後端部は、板面が前後方向を向く壁部を含み、前記ケースは、前記表示部を後方から透視可能な透視窓部を含み、前記クリップ部材が前記搭載部の前記後端部の壁部に対して着脱可能に装着されることによって、前記壁部よりも前方において前記ケースが前記搭載部の前記後端部に対して着脱可能に設けられるようになっており、前記押圧スライダは、板面が前後を向く起立板と、前記起立板からそれぞれ後方に向けて起立している一対のリブと、を有し、前記一対のリブは、前後方向に対して直交する水平幅方向において互いに離間し且つ対向しており、前記押圧スライダは、前記一対のリブの対向間隔に前記ケースの少なくとも一部分が収まる位置まで後退可能であるマガジンが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、残個数表示のための構成、すなわち残個数表示アタッチメントを搭載部に対して容易に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係るマガジンの平面図である。
図2図1のA−A線に沿ったマガジンの側断面図である。
図3】実施形態に係るマガジンの斜視図である。
図4図2の部分拡大図である。
図5】実施形態に係る残個数表示アタッチメントを示す図であり、このうち(a)は側面図、(b)は一部の部品を外した状態で(a)とは反対側から視た側面図、(c)は正面図、(d)は背面図である。
図6】実施形態に係る残個数表示アタッチメントを示す図であり、このうち(a)は前方から視た斜視図、(b)は後方から視た斜視図である。
図7】実施形態に係る残個数表示アタッチメントを前方から視た分解斜視図である。
図8】実施形態に係る残個数表示アタッチメントの係止部材を示す図であり、このうち(a)は平面図、(b)は裏面図、(c)は側面図、(d)は正面図、(e)は背面図である。
図9】実施形態に係るマガジンの背面図であり、このうち(a)は残個数が所定個数よりも多い旨を表示報知する状態を示し、(b)は残個数が所定個数以下である旨を表示報知する状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
本実施形態では、各構成要素の位置関係を分かりやすく説明するために、前後左右上下等の方向を規定して説明する場合がある。しかし、これらの方向の規定は便宜的なものであり、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。なお、マガジンに関連する前後は、マガジンの正面側を前方向、背面側を後方向とする。また、マガジンに関連する左右は、マガジンの幅方向であって正面側から観察したときの左右をいう。
また本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、一つの構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0013】
図1は実施形態に係るマガジン100の平面図である。図2図1のA−A線に沿ったマガジン100の側断面図である。図3は実施形態に係るマガジン100の斜視図である。図4図2の部分拡大図である。
図5図6及び図7の各図は、実施形態に係る残個数表示アタッチメント300を示す図である。これらのうち、図5(a)は側面図、図5(b)は一部の部品(具体的には、後述する第1ケース部材31及び鈴ユニット50)を外した状態で図5(a)とは反対側から残個数表示アタッチメント300を視た側面図、図5(c)は正面図、図5(d)は背面図である。また、図6(a)は残個数表示アタッチメント300を前方から視た斜視図、図6(b)は残個数表示アタッチメント300を後方から視た斜視図である。また、図7は残個数表示アタッチメント300を前方から視た分解斜視図である。
図8は実施形態に係る残個数表示アタッチメント300の係止部材70を示す図であり、このうち図8(a)は平面図、図8(b)は裏面図、図8(c)は側面図、図8(d)は正面図、図8(e)は背面図である。
図9は実施形態に係るマガジン100の背面図であり、このうち図9(a)は残個数が所定個数よりも多い旨を表示報知する状態を示し、図9(b)は残個数が所定個数以下である旨を表示報知する状態を示す。なお、図9(a)及び(b)において、押圧スライダ20の図示は省略している。
【0014】
図1から図3に示すように、本実施形態に係るマガジン100は、複数の物品(例えばたばこ商品60)を前後方向に一列に搭載可能な搭載部10と、搭載部10に沿って前後に移動可能に設けられた押圧スライダ20と、押圧スライダ20を前方に付勢するスライダ付勢部(例えば板バネ91(図2図4))と、搭載部10に搭載されている物品の残個数を表示報知する残個数表示アタッチメント300と、を備えている。残個数表示アタッチメント300は、残個数を表示する表示部(例えば、第1表示部81(図9(a))及び第2表示部82(図9(b)))と、ケース30と、を有する。ケース30は、表示部を後方から透視可能な透視窓部30a(図9(a)、図9(b))を含み、搭載部10の後端部(例えば後壁部14)に対して着脱可能に設けられる。
【0015】
ここで、マガジン100は、1つの(単数の)押圧スライダ20を有しているが、図1には、説明の便宜上、3つの押圧スライダ20(20a、20b、20c)が示されている。このうち、押圧スライダ20aは最も前進した位置(以下、前進位置)における押圧スライダ20であり、押圧スライダ20cは最も後退した位置(以下、後退位置)における押圧スライダ20であり、押圧スライダ20bは前進位置と後退位置との間の位置における押圧スライダ20である。
同様に、図2には3つの押圧スライダ20a、20b、20cが示され、図3には2つの押圧スライダ20a、20bが示されている。
【0016】
搭載部10には所定の上限数(例えば15個)のたばこ商品60を搭載可能となっている。
図1及び図2の各々においては、搭載部10に搭載された複数のたばこ商品60を二点鎖線で示しているとともに、最後尾のたばこ商品60bの背面に対して押圧スライダ20bの起立板22の前面が当接した状態を示している。
ただし、図1には12個のたばこ商品60が搭載部10に搭載された状態を示しているのに対し、図2には5個のたばこ商品60が搭載部10に搭載された状態を示している。このため、図2に示す押圧スライダ20bの位置は、図1に示す押圧スライダ20bよりも前寄りの位置となっている。
【0017】
搭載部10は、前後方向に長尺で上方に向けて開口している箱型の容器であり、底板部11と、底板部11の左右両側端に設けられた左右一対の側壁部12と、底板部11の後端に設けられた後壁部14と、当該搭載部10の前端部に設けられた前側フラップ部材13と、底板部11の下面側に設けられたブレード19(図2)と、を備えている。
底板部11及び側壁部12は、それぞれ搭載部10の前端部から後端部に亘って延在している。
【0018】
底板部11には、押圧スライダ20が前後に摺動可能に連結されている。
底板部11の具体的な構造は、特に限定されないが、本実施形態の場合、底板部11には、それぞれ底板部11の後端部から前端部に亘って延在する左右一対のスリットが形成されている。底板部11は、平面視において左右一対のスリットによって挟まれた中央部11aと、平面視において各スリットを挟んで中央部11aから離間している左右一対の側部11bと、を含んでいる。
各側部11bにおいて、スリットに隣接する縁部は、押圧スライダ20を前後にガイドするガイドレール11dを構成している。
【0019】
左右の側壁部12は、底板部11に対してそれぞれ直交し、且つ、板面が左右を向くように設けられている。より詳細には、各側壁部12は、底板部11よりも上方に起立し、且つ、底板部11よりも下方へ垂下している。
【0020】
後壁部14は、二重の板状部、すなわち前板部14a及び後板部14bを含んで構成されている。前板部14aは底板部11の後端部に対して直交するように設けられて、当該前板部14aの板面が前後方向を向いている。後板部14bは、前板部14aから僅かに後方に離間した位置において前板部14aと一体的に設けられて、当該後板部14bの板面が前後方向を向いている。なお、底板部11は、前板部14aと後板部14bとの間隙の下端を閉塞している。
前板部14aと後板部14bとの間隙は、当該間隙に差し込まれた商品ラベル(図示略)などを保持するラベルホルダを構成していても良い。
【0021】
図2及び図3に示すように、前側フラップ部材13は、前面壁13aと、前面壁13aの背面側に設けられたラベルホルダ13bと、を有する。前面壁13aは、平板状に形成されている。ラベルホルダ13bは、前面壁13aと平行に対向する後面壁と、後面壁の左辺と前面壁13aの左辺とを繋いでいる左側壁部と、後面壁の右辺と前面壁13aの右辺とを繋いでいる右側壁部と、後面壁の下辺と前面壁13aの下辺とを繋いでいる底板部と、を有している。
前側フラップ部材13は、前面壁13aとラベルホルダ13bの後面壁との間隙に差し込まれた商品ラベル(図示略)などを保持できるようになっている。
【0022】
前側フラップ部材13の左右両側部からは、それぞれ軸部13cが左右に突出した状態に形成されている。左右一対の側壁部12にそれぞれ形成された軸支孔12aに対し、一対の軸部13cがそれぞれ嵌入することによって、前側フラップ部材13は一対の側壁部12によって軸支されている。
これにより、前側フラップ部材13は、前面壁13aが略鉛直に起立した起立状態(図1から図3)と、前面壁13aが前傾した前傾状態(不図示)と、に揺動可能となっている。
更に、前側フラップ部材13の左右両側部からは、それぞれスライドピン13dが左右に突出した状態に形成されている。これらスライドピン13dは、左右一対の側壁部12にそれぞれ形成された弧状のスライド孔12bに入り込んでおり、前側フラップ部材13が揺動する際には、各スライドピン13dが対応するスライド孔12bによってガイドされるようになっている。
【0023】
搭載部10に搭載されたたばこ商品60のうち、先頭のたばこ商品60aが前方に取り出される際には、前側フラップ部材13が当該たばこ商品60aの前面に押されて前傾することにより、当該取り出しを容易に行うことができる。
また、先頭のたばこ商品60aが取り出された後は、搭載部10に残留するたばこ商品60が押圧スライダ20によってまとめて前方に押し出される。そして、搭載部10に残留するたばこ商品60のうち新たに先頭に位置することとなったたばこ商品60の前面によって、前側フラップ部材13のラベルホルダ13bの後面壁の下部(軸支孔12aよりも下方に位置する部分)が前方に押される。これにより、前側フラップ部材13は起立状態に復帰する。
【0024】
図2に示すように、ブレード19は、前後に長尺なリブであり、左右一対の側部11bからそれぞれ垂下する状態に設けられている。なお、左右のブレード19は、前後方向において複数の部分に分断されていてもよく、図2においてはブレード19が3つの部分に分断されている例を示している。
【0025】
このように構成された搭載部10には、複数のたばこ商品60を縦置きで前後に列をなすように収容可能となっている。例えば、搭載部10には、標準寸法のたばこ商品60を最大で15個搭載可能となっている。なお、たばこ商品60は銘柄により前後方向寸法が異なるため、搭載部10におけるたばこ商品60の搭載数は、銘柄によって異なる場合がある。
【0026】
搭載部10は、例えば、無色透明の樹脂などにより構成することができる。ただし、搭載部10の任意の領域を着色面としてもよい。ただし、後述する前側透視窓部15(図2図3)は透明に形成されている。
【0027】
図3に示すように、押圧スライダ20は、板面が前後を向く起立板22と、起立板22からそれぞれ後方に向けて起立している一対のリブ23と、を有している。一対のリブ23は、前後方向に対して直交する水平幅方向において互いに離間し且つ対向している。すなわち、一対のリブ23は、互いに左右に離間し且つ対向しており、各々の板面が左右を向いている。
【0028】
更に、押圧スライダ20は、底板部11のガイドレール11dに沿って前後に摺動可能な摺動部21を、当該押圧スライダ20の下端部に備えている。
摺動部21は、例えば、水平に配置される平面視矩形状の水平板21aと、水平板21aの下面に形成された左右一対の挟持フック21bと、を有している。
水平板21aの左右縁部の上面からは、それぞれリブ23が起立している。また、水平板21aの前縁部からは起立板22が起立している。
なお、起立板22は、下端部を除き、平板状に形成されて略鉛直に起立しているが、起立板22の下端部は、側面視形状がクランク状に形成されており、当該起立板22の最下端部は、当該起立板22の上部よりも後退した位置に配置されている(図2図4参照)。
【0029】
水平板21aは、左側のリブ23よりも左側に張り出しているとともに、右側のリブ23よりも右側に張り出している。
右側の挟持フック21bは、正面視L字状に形成されているとともに、水平板21aの前端から後端に亘って延在している。
水平板21aにおいて右側のリブ23よりも右側に張り出している部分と、右側の挟持フック21bとの協働により、右側のガイドレール11dが上下から挟持されている。これにより、摺動部21が右側のガイドレール11dに対して前後に摺動可能に係合している。
また、左側の挟持フック21bは、右側の挟持フック21bと左右対称に形成されている。そして、水平板21aにおいて左側のリブ23よりも左側に張り出している部分と、左側の挟持フック21bとの協働により、左側のガイドレール11dが上下から挟持されている。これにより、摺動部21が左側のガイドレール11dに対して前後に摺動可能に係合している。
こうして、摺動部21、ひいては押圧スライダ20の全体が、底板部11に沿って前後に移動可能となっている。
【0030】
図2に示すように、押圧スライダ20を前方に付勢するスライダ付勢部を構成する板バネ91は、搭載部10の前端部の下部に配置されたドラム92に巻回されている。ドラム92は、回転軸が左右方向となる状態で、搭載部10に対して回転可能に軸支されている。
板バネ91の先端部(後端部)は、ドラム92から後方に引き出されて、押圧スライダ20に固定されている(図4参照)。
より詳細には、図4に示すように、押圧スライダ20は、水平板21aの下面から下方に突出している係止ピン21dと、係止ピン21dの前方に配置されている挿通環21cと、を備えており、挿通環21cには、当該挿通環21cを前後に貫通する孔21eが形成されている。
板バネ91の先端部(後端部)には、当該先端部を貫通する状態に形成された係止孔(不図示)が形成されている。そして、板バネ91の先端部は、孔21eを通して挿通環21cの後方に導かれ、係止孔に係止ピン21dが挿入されることによって、押圧スライダ20に連結されている。
板バネ91は、ドラム92に対して巻き付くように癖付けされた巻き板バネである。板バネ91がドラム92に対してより多く巻き付くことによって、ドラム92から後方に引き出された板バネ91の長さが短くなるため、押圧スライダ20は、板バネ91に引っ張られて(付勢されて)前進する。
板バネ91は、押圧スライダ20だけではなく、搭載部10に搭載されているすべてのたばこ商品60も前進させるのに十分な大きさの付勢力を有している。
そして、板バネ91は、先頭のたばこ商品60aが搭載部10から取り出された場合には、残りのたばこ商品60のうち先頭のたばこ商品60の前面が前側フラップ部材13のラベルホルダ13bの後面壁を押して前側フラップ部材13を起立させるまで、押圧スライダ20とともに残りのたばこ商品60を前進させる。
なお、板バネ91の付勢力は、後述する板バネ35(図7)の付勢力よりも十分に強く設定されており、板バネ91は、板バネ35の付勢に抗して、押圧スライダ20及び搭載部10上のたばこ商品60を前進させる。
【0031】
次に、本実施形態に係る残個数表示アタッチメント300について説明する。
残個数表示アタッチメント300は、複数の物品(例えばたばこ商品60)を前後方向に一列に搭載可能な搭載部10と、搭載部10に沿って前後に移動可能に設けられた押圧スライダ20と、押圧スライダ20を前方に付勢するスライダ付勢部(例えば板バネ91(図2図4))と、を備えるマガジン100に装着して用いられ、搭載部10に搭載されている物品の残個数を表示報知するものである。なお、ここでの説明においては、マガジン100は、残個数表示アタッチメント300を包含しておらず、図1から図3に示す構成のうち、残個数表示アタッチメント300を除いた部分を指す。
残個数表示アタッチメント300は、残個数を表示する表示部(例えば、第1表示部81(図9(a))及び第2表示部82(図9(b)))と、ケース30と、を有する。ケース30は、表示部を後方から透視可能な透視窓部30a(図9(a)、図9(b))を含み、搭載部10の後端部(例えば後壁部14)に対して着脱可能に設けられる。
【0032】
残個数表示アタッチメント300は、先端が押圧スライダ20に連結されているとともに押圧スライダ20の前進に伴いケース30から前方に繰り出される紐状体33と、ケース30に収容されていて押圧スライダ20が後退する際に紐状体33を巻き取る巻取部(例えば巻取ドラム38)と、紐状体33を巻き取る方向に巻取部を付勢する紐付勢部(例えば板バネ35)と、を有している(図4図7等を参照)。
残個数表示アタッチメント300は、巻取部からの紐状体33の繰り出し量に応じて、透視窓部30aを介した表示部の表示状態が変化することによって、残個数を表示報知する(図9(a)、(b)参照)。
【0033】
図7に示すように、紐付勢部は、板バネ35である。板バネ35には、表示部(図9に示す第1表示部81、第2表示部82)が付されている。
板バネ35は、それぞれ渦巻き状に巻回された第1巻回部35a及び第2巻回部35bを一端側と他端側とに有する。すなわち、板バネ35は、一端側には第1巻回部35aを、他端側には第2巻回部35bを、それぞれ有する。
残個数表示アタッチメント300は、ケース30に収容されているとともに第1巻回部35aが巻回されている第1バネ巻きドラム36と、ケース30に収容されているとともに第2巻回部35bが巻回されている第2バネ巻きドラム37と、を更に備えている。
第1バネ巻きドラム36及び第2バネ巻きドラム37は、それぞれケース30に対して軸支されている。第1バネ巻きドラム36の回転軸(後述する軸部36a及び36bにより構成される)と第2バネ巻きドラム37の回転軸(後述する軸部39aにより構成される)とは、互いに平行に配置されている。より詳細には、これら回転軸は、それぞれ左右方向に延在している。
板バネ35の一端は第1バネ巻きドラム36に接続され、板バネ35の他端は第2バネ巻きドラム37に接続されている。第1バネ巻きドラム36及び第2バネ巻きドラム37の各々に対する板バネ35の接続の態様は、板バネ35の両端側の部分が第1バネ巻きドラム36及び第2バネ巻きドラム37によってそれぞれ保持される態様であれば、特に限定されず、固定であっても良いし、係止であっても良いし、摩擦力によって連結している態様であっても良い。
【0034】
第1巻回部35aは板バネ35の一端を含む部分であり、第2巻回部35bは板バネ35の他端を含む部分である。なお、以下では、板バネ35における第1巻回部35aと第2巻回部35bとの間の部分を中間部35cと称する。
板バネ35は、全体が巻き板バネである。第1巻回部35aは、より多く第1バネ巻きドラム36に対して巻き付こうとして、中間部35cを引っ張っている。同様に、第2巻回部35bも、より多く第2バネ巻きドラム37に対して巻き付こうとして、中間部35cを引っ張っている。
つまり、第1巻回部35a及び第2巻回部35bは、中間部35cを自身の側に引き込もうとして、中間部35cを引っ張り合っている。
ただし、紐状体33が前方に引っ張られていない状態では、第1巻回部35aが第1バネ巻きドラム36に巻き付こうとする力が、第2巻回部35bが第2バネ巻きドラム37に巻き付こうとする力に勝り、中間部35cが第1巻回部35aに取り込まれるようになっている。
そして、押圧スライダ20が前進する際には、第2バネ巻きドラム37が回転することにより、中間部35cが第2バネ巻きドラム37に巻き取られるとともに、板バネ35において第1巻回部35aを構成する部分が第1バネ巻きドラム36から繰り出される。
一方、押圧スライダ20が後退する際には、板バネ35の付勢力に従って第1バネ巻きドラム36が回転することにより、板バネ35における中間部35cが第1バネ巻きドラム36に巻き取られるとともに、板バネ35において第2巻回部35bを構成する部分が第2バネ巻きドラム37から繰り出される。
【0035】
ここで、第1バネ巻きドラム36と第2バネ巻きドラム37とが上下に並んで配置されている。これにより、第1バネ巻きドラム36と第2バネ巻きドラム37とが占める平面領域のサイズを抑制できる。より詳細には、第2バネ巻きドラム37の上方に第1バネ巻きドラム36が配置されている。
そして、板バネ35は、中間部35cが第1バネ巻きドラム36及び第2バネ巻きドラム37の後方に位置する配置となって、第1バネ巻きドラム36及び第2バネ巻きドラム37に対してそれぞれ巻き付いている。
また、第1バネ巻きドラム36よりも第2バネ巻きドラム37の方が、巻き径が大きく設定されている。更に、巻取ドラム38は、第2バネ巻きドラム37と一体且つ同軸に設けられている。そして、第2バネ巻きドラム37の周囲には、紐状体33が巻き付けられている。ここで、巻取ドラム38に対する紐状体33の巻回の方向は、第2バネ巻きドラム37に対する第2巻回部35bの巻回の方向に対する逆方向に設定されている。これにより、押圧スライダ20が後退するのに伴い第2バネ巻きドラム37から第2巻回部35bを構成する板バネ35が中間部35c側に繰り出される際に、巻取ドラム38によって紐状体33が巻き取られる。
また、押圧スライダ20が前進するのに伴い紐状体33が前方に繰り出される際に、第2バネ巻きドラム37が中間部35cの板バネ35を巻き取る。
【0036】
本実施形態の場合、巻取ドラム38は、第2バネ巻きドラム37と同径に形成されている。また、巻取ドラム38は左右方向において第2バネ巻きドラム37と隣接している。なお、巻取ドラム38の径は、必ずしも第2バネ巻きドラム37と同径でなくても良い。
【0037】
残個数表示アタッチメント300は、紐状体33の先端が連結されているとともに、押圧スライダ20に対して係脱可能に係止固定される係止部材70を更に備えている(図4参照)。
係止部材70が押圧スライダ20に係止固定されることにより、紐状体33の先端が係止部材70を介して押圧スライダ20に連結されている。
【0038】
図8に示すように、係止部材70は、平板状で且つ平面視矩形状の板状部71と、板状部71よりも小さい左右幅を有していて板状部71の前端から前方に突出しいる平面視矩形状の突出板部7と、を備えている。なお、板状部71と突出板部72とは同一平面上に配置されている。
突出板部72の前端からは前縁リブ73が上方に向けて起立している。
更に、係止部材70は、板状部71と突出板部72との境界部から下向き、且つ斜め後方に向けて突出している左右一対の係止爪部75を有している。
平面視における係止部材70の中央部には、当該係止部材70に対して紐状体33の先端を固定するための固定部74が形成されている。固定部74の中央には、紐状体33が当該係止部材70を貫通可能な固定孔74a(図8(a))が形成されている。
【0039】
固定部74には、紐状体33の先端が連結されている。
固定部74に対する紐状体33の連結方法は特に限定されない。
一例として、紐状体33の先端には、固定孔74aよりも大径に形成されている玉部材34が設けられている(図6(a)、図7)。そして、玉部材34が固定孔74aの下に位置する状態で紐状体33の基端側を固定孔74aに挿通することによって紐状体33が固定部74に対して抜け止めされた状態とすることで、紐状体33を固定部74に対して連結することができる。
ただし、紐状体33には玉部材34が設けられていなくても良い。この場合、例えば、紐状体33の先端を玉結びすることによって、紐状体33の先端を固定孔74aよりも大径に形成した上で、上記と同様に紐状体33が固定部74に対して抜け止めされた状態とすることで、紐状体33を固定部74に対して連結することができる。
【0040】
ここで、図4に示すように、孔21eは、押圧スライダ20の下端部を前後に貫通しているだけでなく、水平板21aの前端部(ただし、起立板22の最下端部の後側に隣接する部位)を上下に貫通している。
係止部材70は、押圧スライダ20に対して、次のように固定される。
先ず、係止部材70の前縁リブ73及び突出板部72を、水平板21aの上側から孔21eに差し込む。このとき、係止部材70は、当該係止部材70の前部(前縁リブ73及び突出板部72を含む部分)が下に位置し、後部が上に位置するように傾斜した状態となっている。
次に、係止部材70の後部を押し下げて、係止部材70の板状部71を水平板21aの上面に沿わせる。この際に、クリック感を伴って係止爪部75が孔21eに入り込むことにより、係止爪部75が水平板21aにおける孔21eの後縁の部分に対して係止されるとともに、前縁リブ73が押圧スライダ20の最下端部の前面に対して係止される。
こうして、係止部材70が押圧スライダ20に対して係止固定された状態となる。
すなわち、押圧スライダ20には孔21eが形成されており、係止部材70は、孔21eの縁部に対して係止固定される。
なお、既存のマガジンの押圧スライダ20にも同様の孔21eが形成されている場合も多いため、係止部材70は、既存のマガジンの押圧スライダ20に対して容易に装着することができる。
【0041】
なお、係止部材70を押圧スライダ20から取り外す動作は、以下のように行うことができる。
先ず、係止部材70の後部を上に持ち上げることによって孔21eの縁部に対する係止爪部75及び前縁リブ73の係合状態を解除する。
次に、係止部材70を上に持ち上げることによって、突出板部72及び前縁リブ73を孔21eから引き抜く。
こうして、係止部材70を押圧スライダ20から取り外すことができる。
【0042】
図7に示すように、ケース30は、例えば、当該ケース30の左半部を構成する第1ケース部材31と、当該ケース30の右半部を構成する第2ケース部材32と、を備えている。第1ケース部材31と第2ケース部材32とを相互に組み合わせ、且つ相互に固定することにより、ケース30が構成されている。
第1ケース部材31と第2ケース部材32とを相互に固定する方法は特に限定されないが、例えば、固定ネジ62を用いて行うことができる。本実施形態の場合、固定ネジ62の個数が1個である。このため、ケース30の組み付け作業が容易である。
【0043】
ケース30は、押圧スライダ20とケース30とが側面視において重複する位置まで押圧スライダ20後退した際に、押圧スライダ20と干渉しない形状及び配置とされている。
図5(c)、図6(a)及び(b)に示すように、ケース30の左右の側面30L、30Rは、それぞれ平坦に形成されているとともに、互いに平行に配置されている。ケース30は、左右幅方向に扁平な形状の筐体である。すなわち、ケース30の上下寸法よりも左右幅が小さい。更には、ケース30の前後幅よりも左右幅が小さく設定されている。
【0044】
そして、残個数表示アタッチメント300のケース30の左右幅は、一対のリブ23の対向間隔よりも短い寸法に設定されている。また、ケース30が後壁部14に装着された状態でのケース30の下端は、摺動部21の水平板21a及び係止部材70よりも上方に位置している。
これにより、図1に示すように、押圧スライダ20は、一対のリブ23の対向間隔にケース30の少なくとも一部分が収まる位置まで後退可能となっている。よって、マガジン100に残個数表示アタッチメント300を付加することにより搭載部10に搭載可能なたばこ商品60の最大数が減少してしまうことが、抑制されるようになっている。
【0045】
図6(b)に示すように、ケース30の左側の側面30Lは、第1領域30Laと、第1領域30Laよりも右側の側面30Rに近い第2領域30Lbと、を含んでおり、第1領域30La及び第2領域30Lbの各々が側面30Rに対して平行に対向している。
なお、上述したケース30の左右幅は、第1領域30Laと側面30Rとの距離であるものとする。
また、側面30Lは第1ケース部材31により構成され、側面30Rは第2ケース部材32により構成されている。
【0046】
図7に示すように、第1バネ巻きドラム36は、当該第1バネ巻きドラム36の軸心上に軸部36aと軸部36b(図6(a)参照)とを有している。軸部36aは第1バネ巻きドラム36の一方の側面から突出しており、軸部36bは第1バネ巻きドラム36の他方の側面から突出している。
また、ドラム部材39は、当該ドラム部材39の軸心上に軸部39aを有し、軸部39aの両端は、ドラム部材39の左右の側面からそれぞれ突出している。
ケース30は、側面30L(特に第2領域30Lb)を貫通していて軸部36aを軸支する軸支孔31a(図6(b))と、側面30Rを貫通していて軸部36bを軸支する軸支孔31b(図6(a))と、を当該ケース30の上部に有している。
更に、ケース30は、側面30L(特に第1領域30La)を貫通していて軸部39aの一端部を軸支する軸支孔31b(図6(b))と、側面30Rを貫通していて軸部39aの他端部を軸支する軸支孔32b(図6(a))と、を当該ケース30の下部に有している。
【0047】
また、ケース30の前面下部であって、巻取ドラム38の下部の正面に位置する部位には、紐状体33をケース30の内部から前方に引き出すための開口が形成されている。より詳細には、この開口には、金属製の挿通管61が設けられており、紐状体33は、挿通管61(図7図6(a))に挿通されて前方に導出されている。なお、紐状体33は、搭載部10の幅方向における中央において、前方に向けてまっすぐに引き出されている。
【0048】
残個数表示アタッチメント300は、更に、ケース30を搭載部10の後壁部14に対して着脱可能に装着するためのクリップ部材40を備えている。
図7に示すように、クリップ部材40は、平板状の第1板状部41と、第1板状部41と対向している湾曲形状の第2板状部42と、第1板状部41と第2板状部42とを連結している湾曲形状の連結部43と、を備えている。
第1板状部41において第2板状部42側とは反対側の面には、クリップ部材40をケース30に固定するための被固定部44が突出した状態に形成されている。
図7に示すように、第1ケース部材31及び第2ケース部材32の後部には、協働で被固定部44を保持する固定部31c、32cが形成されている。第1ケース部材31と第2ケース部材32とが組み合わされてケース30が形成されることにより、固定部31cと固定部32cとにより被固定部44が左右からくわえ込まれる結果、クリップ部材40がケース30に対して後方への抜け止めがなされた状態となって該ケース30に固定されている。
【0049】
クリップ部材40の第1板状部41と第2板状部42とによって後壁部14の後板部14bが前後から挟まれる状態となるように、第1板状部41を前板部14aと後板部14bとの間隙に差し込むことにより、クリップ部材40が後壁部14に装着されており、ひいては、ケース30が後壁部14に装着されている。なお、第1板状部41と第2板状部42との対向間隔は、後板部14bの壁厚よりも小さく設定されており、クリップ部材40は、第1板状部41と第2板状部42とによって弾性的に後板部14bを挟持する。
クリップ部材40を上に持ち上げることにより、クリップ部材40、ひいてはケース30を後壁部14から取り外すことができる。
このように、ケース30が設けられる搭載部の後端部(後壁部14)は、板面が前後方向を向く壁部(後板部14b)を含む。そして、ケース30は、壁部の前後を挟持するクリップ部(クリップ部材40)によって、搭載部10の後端部に着脱可能に設けられている。
ケース30が搭載部10に取り付けられた状態において、ケース30は、前板部14aの前面側に隣接して配置される。また、本実施形態の場合、ケース30は、搭載部10の幅方向(左右方向)における中央部に配置される。
なお、既存のマガジンにも同様の後壁部14が形成されている場合が多いため、クリップ部材40、ひいてはケース30は、既存のマガジンの後壁部14に対して容易に装着することができる。
【0050】
後壁部14は、前板部14aと後板部14bとの間隙に差し込まれた第1板状部41の左右移動を規制する一対の位置決め壁14c、14dを、前板部14aと後板部14bとの間隙に有している。位置決め壁14c、14dは、互いに平行に、それぞれ上下に延在している。
左右方向において位置決め壁14cと位置決め壁14dとの距離は、第1板状部41の左右幅よりも若干大きい程度に設定されている。
【0051】
残個数表示アタッチメント300は、押圧スライダ20が前進する際に音を出力する音出力部として、例えば以下に説明する鈴ユニット50(図7)を備えている。この鈴ユニット50は、ケース30に支持されている(図9参照)。
図7に示すように、より詳細には、鈴ユニット50は、鈴51と、鈴51に設けられている保持軸52と、バネ部53と、を備えている。
鈴51は、中空の空洞部材51aと、空洞部材51aの内部に収容されている玉部材(不図示)と、を有している。空洞部材51aの内部空間は、空洞部材51aに形成されたスリットからなる放音孔を介して、外部空間と連通している。
保持軸52は、空洞部材51aの外面から突出した状態となるように、当該保持軸52の一端が空洞部材51aの外面に固定されている。
保持軸52の他端側には、コイルバネ状のバネ部53が設けられている。バネ部53の中心は筒状をなしており、バネ部53の中心に第1バネ巻きドラム36の軸部36aが差し込まれることによって、鈴ユニット50が第1バネ巻きドラム36を介してケース30によって支持されている。
【0052】
このように、残個数表示アタッチメント300は、第1バネ巻きドラム36に設けられた鈴51を備えている。この鈴51は、押圧スライダ20が前進する際に第1バネ巻きドラム36と一体に回転して音を出力する。
鈴51は、バネ部53を介して保持軸52に保持されているため、押圧スライダ20の前進の停止後も鈴51の振動を継続させることができるため、音の出力期間を延長させることが可能となる。
なお、空洞部材51aは、内方に向けて突起したエンボスを有していることも好ましい。このようにすることによって、空洞部材51a内で玉部材が転動する際に玉部材がエンボスに衝突することにより、鈴51が良好に音を発生することが可能となる。
【0053】
本実施形態では、鈴51が第1バネ巻きドラム36に設けられている例を説明したが、鈴51は第2バネ巻きドラム37と一体に設けられていても良い。この場合、鈴51は、押圧スライダ20が前進する際に第1バネ巻きドラム36と一体に回転して音を出力する。
【0054】
板バネ35に付されている第1表示部81及び第2表示部82は、互いに視覚的に識別可能なものであり、それぞれが第1巻回部35aの最外周部を構成する状態のときには、ケース30の背面側に形成された透視窓部30aを介して、後方から視認可能となる。
【0055】
ここで、透視窓部30aは、ケース30が後壁部14に装着された状態において、マガジン100の後方から視認可能な位置に配置されている。透視窓部30aのより詳細な配置及び透視窓部30aが存在する範囲は特に限定されないが、本実施形態の場合、例えば、ケース30の背面において、後方から視たときにクリップ部材40よりも上に位置する部分によって透視窓部30aが構成されているものとする(図9(a)、(b)参照)。例えば、ケース30における第1バネ巻きドラム36の後方の部分が透視窓部30aを構成している。
ケース30は、少なくとも透視窓部30aが、透明な樹脂などのように透視可能な材料によって構成されている。例えば、ケース30は、全体が透明な樹脂により構成されている。
なお、搭載部10の後方から視たときに、クリップ部材40及び後壁部14を介してケース30内部の表示部を良好に視認できる場合は、ケース30において中間部35cの後方の部分や第2バネ巻きドラム37の後方の部分も透視窓部30aに含めても良い。
ただし、以下の説明では、透視窓部30aが、ケース30における第1バネ巻きドラム36の後方の部分であるものとする。
【0056】
一例として、板バネ35の一端側(第1バネ巻きドラム36に対する接続端側)の部分が所定の長さ領域に亘って着色(例えば赤色や青色などの目立つ色に着色)されていることにより第2表示部82となっており、板バネ35における他の部分は非着色状態の第1表示部81となっていることが挙げられる。この場合、第2表示部82は、板バネ35に付された着色部であり、第1表示部81は、板バネ35の本来の外面の色(銀色など)によって第2表示部82との識別性を持たせた部分である。なお、第2表示部82を構成する着色部は、板バネ35の両面に付されていても良いが、少なくとも、第1巻回部35aの径方向外方を向く面(第1バネ巻きドラム36の径方向外方を向く面でもある)に付されていれば良い。
【0057】
このように板バネ35の一端側の部分において所定の長さ領域に亘って第2表示部82が付されている場合は、搭載部10に搭載されているたばこ商品60の残数が所定個数よりも多い状態では、透視窓部30aを介して視認される表示部は、第1表示部81となる(図9(a))。よって、コンビニエンスストアなどの店舗の店員は、透視窓部30aを介して後方から視認される表示部が第1表示部81であることを確認した場合は、搭載部10におけるたばこ商品60の残数が所定個数よりも多いことを認識することができる。
一方、搭載部10に搭載されているたばこ商品60の残数が所定個数以下となった場合には、透視窓部30aを介して視認される表示部は、第2表示部82に切り替わる(図9(b))。すなわち、それまで第1巻回部35aにおいて第2表示部82の周囲に巻回されていた第1表示部81が第2巻回部35b側または中間部35cに繰り出される結果、第2表示部82が第1巻回部35aの外面に露出する。コンビニエンスストアなどの店舗の店員は、透視窓部30aを介して後方から視認される表示部が第2表示部82であることを確認した場合は、搭載部10におけるたばこ商品60の残数が所定以下となったことを認識することができる。
換言すれば、残個数表示アタッチメント300は、巻取ドラム38からの紐状体33の繰り出し量に応じて、透視窓部30aを介した表示部の表示状態が変化することによって、残個数を表示報知する。
【0058】
なお、第1表示部81についても、第2表示部82と同様に、板バネ35に施された着色部(ただし第2表示部82とは異なる色の着色部)であっても良い。また、第1表示部81及び第2表示部82は、着色されたテープなどであっても良い。
【0059】
ここで、より詳細には、例えば、搭載部10におけるたばこ商品60の残個数が6個以上の場合(換言すれば、搭載部10に補充可能なたばこ商品60の個数が9個以下の場合)には、透視窓部30aを介して後方から視認される表示部が第1表示部81となるように、板バネ35において第1表示部81が付された範囲が設定されている。
その一方で、搭載部10におけるたばこ商品60の残個数が5個以下の場合(換言すれば、搭載部10に補充可能なたばこ商品60の個数が10個以上の場合)には、透視窓部30aを介して後方から視認される表示部が第2表示部82となるように、板バネ35において第2表示部82が付された範囲が設定されている。
すなわち、残個数表示アタッチメント300は、残個数が、(搭載部10に対する物品の最大搭載数−10)以下となったことを表示報知する。
この場合、コンビニエンスストアなどの店舗の店員は、透視窓部30aを介して後方から視認される表示部が第2表示部82であることを確認した場合は、搭載部10に1カートン分(つまり10個)のたばこ商品60を補充可能であることを認識することができる。
【0060】
なお、板バネ91には、例えば、板バネ35におけるのと同様に、着色部と非着色部とが形成されており、マガジン100の前方から板バネ91を視認することによって、搭載部10におけるたばこ商品60の残個数を認識できるようになっている。例えば、搭載部10の前面には、底板部11の中央部11aの前端部と連続的に形成された前側透視窓部15が形成されており、前側透視窓部15の後方にドラム92が配置されている。そして、マガジン100の前方から、前側透視窓部15を介して、ドラム92に巻回されている板バネ91のうち最外周の部分の色を確認することによって、搭載部10におけるたばこ商品60の残個数を認識可能となっている。
【0061】
マガジン100の一つの使用態様としては、上下方向および左右方向に多数の棚を備える什器に、マガジン100を設置してマガジン積層構造体を構成する態様が挙げられる。ブレード19は、マガジン100を什器の棚に設置する際に、什器の棚の底面に設けられた凹部に篏合させてマガジン100の設置姿勢を安定化させるために用いられる。什器に設置されたマガジン100の設置の姿勢を安定化させるための手段はこれに限定されず、たとえば、什器の棚の底面に凸部を設ける一方で、当該凸部に篏合する凹部をマガジン100の底板部11の下面に設けておき、これらを篏合させてもよい。
【0062】
次に、動作を説明する。
【0063】
先ず、搭載部10にたばこ商品60を搭載するために、押圧スライダ20を後退位置まで後退させる際には、紐状体33の張力が緩む。このため、ケース30内の板バネ35は、下側の第2バネ巻きドラム37から繰り出されるとともに、上側の第1バネ巻きドラム36に巻き取られる。また、この際に、第2バネ巻きドラム37と一体の巻取ドラム38が、紐状体33を巻き取る。
ここで、第1バネ巻きドラム36に板バネ35が巻き取られる結果、上側の第1巻回部35aの最外周を構成する板バネ35は、第1表示部81となる。つまり、マガジン100の後方から透視窓部30aを介して視認される表示部は、第1表示部81となる。
【0064】
その後、マガジン100が什器に設置された状態で、順次に先頭のたばこ商品60aが取り出されていく毎に、押圧スライダ20は順次に前進する。また、押圧スライダ20の前進に伴い、係止部材70を介して押圧スライダ20に連結されている紐状体33が前方に繰り出される。紐状体33が前方に繰り出されることにより、ドラム部材39が回転し、板バネ35は、第2バネ巻きドラム37に巻き取られるとともに第1バネ巻きドラム36から繰り出される。
そして、搭載部10におけるたばこ商品60の残個数が5個以下となる(例えば図2の状態となる)ことにより、透視窓部30aを介して後方から視認される表示部は、第2表示部82に切り替わる。
このため、コンビニエンスストアなどの店舗の店員は、残個数が5個以下となったこと、及び、搭載部10に1カートン分のたばこ商品60を補充可能であることを認識できる。
【0065】
以上のような実施形態によれば、残個数表示アタッチメント300は、残個数を表示する表示部と、ケース30と、を有し、ケース30は、表示部を後方から透視可能な透視窓部30aを含み、搭載部10の後端部に対して着脱可能に設けられる。よって、残個数表示のための構成である残個数表示アタッチメント300を搭載部10に対して容易に装着することができる。
【0066】
また、下側の第2バネ巻きドラム37の巻き径が上側の第1バネ巻きドラム36の巻き径よりも大きいことにより、第1バネ巻きドラム36に巻き付いている第1巻回部35aによる巻取力を弱めることができる。すなわち、第1巻回部35aが押圧スライダ20を後方に引っ張る力を弱めることができる。
換言すれば、第1バネ巻きドラム36の径と板バネ35のバネ力が一定の場合は、第2バネ巻きドラム37を大径にシフトさせることで、板バネ35が押圧スライダ20を後方に引っ張る力を弱めることができる。
よって、板バネ35が押圧スライダ20の前方推進力を阻害してしまうことを、抑制することが可能である。
【0067】
また、鈴ユニット50(鈴51)は、搭載部10の後端部に設けられるケース30によって支持されている。このため、鈴51の音が周囲のマガジンや周囲のマガジンに搭載されたたばこ商品60によって遮られることなく、より直接的に店員の耳に届くようにできる。
【0068】
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0069】
例えば、上記においては、表示部が、板バネ35における所定の長さ領域に亘って付された着色部を含む例を説明したが、表示部は、搭載部10におけるたばこ商品60の残個数を表示報知する数字又はその他の文字情報を表示するものであっても良い。すなわち、例えば、搭載部10におけるたばこ商品60の残個数の各々に合わせて、透視窓部30aを介して後方から視認される板バネ35の所定の領域に、残個数に対応する数字を付しておくことができる。ただし、たばこ商品60は、銘柄に応じて厚み方向の寸法が異なる場合がある。したがって、標準的な形状のたばこ商品60の厚みを勘案して、板バネ35に上記数字を付すことが好ましい。
【0070】
また、上記においては、ケース30が搭載部10の幅方向(左右方向)における中央部に配置される例を説明したが、ケース30が搭載部10の幅方向における一方にオフセットされた位置に配置され、これにより、後退位置の押圧スライダ20とケース30との干渉を回避できるようになっていても良い。
【0071】
また、上記においては、鈴ユニット50がバネ部53を有する例を説明したが、鈴ユニット50は、バネ部53を有しておらず、単に軸部36aに固定されていても良い。なお、鈴ユニット50は、第1バネ巻きドラム36の軸部36aに対して着脱可能に設けられていることが好ましい。
【0072】
また、音出力部は、鈴51を含むものに限らず、押圧スライダ20の前進を検出して電気的に音声を出力するスピーカを含む装置であっても良いし、押圧スライダ20の前進に連動して鳴動するオルゴールを含んで構成されていても良い。
【0073】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)複数の物品を前後方向に一列に搭載可能な搭載部と、前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられた押圧スライダと、前記押圧スライダを前方に付勢するスライダ付勢部と、前記搭載部に搭載されている前記物品の残個数を表示報知する残個数表示アタッチメントと、を備え、前記残個数表示アタッチメントは、前記残個数を表示する表示部と、ケースと、を有し、前記ケースは、前記表示部を後方から透視可能な透視窓部を含み、前記搭載部の後端部に対して着脱可能に設けられるマガジン。
(2)前記押圧スライダは、板面が前後を向く起立板と、前記起立板からそれぞれ後方に向けて起立している一対のリブと、を有し、前記一対のリブは、前後方向に対して直交する水平幅方向において互いに離間し且つ対向しており、前記押圧スライダは、前記一対のリブの対向間隔に前記ケースの少なくとも一部分が収まる位置まで後退可能である(1)に記載のマガジン。
(3)前記残個数表示アタッチメントは、先端が前記押圧スライダに連結されているとともに、前記押圧スライダの前進に伴い前記ケースから前方に繰り出される紐状体と、前記ケースに収容されていて、前記押圧スライダが後退する際に前記紐状体を巻き取る巻取部と、前記紐状体を巻き取る方向に前記巻取部を付勢する紐付勢部と、を有し、前記巻取部からの前記紐状体の繰り出し量に応じて、前記透視窓部を介した前記表示部の表示状態が変化することによって、前記残個数を表示報知する(1)又は(2)に記載のマガジン。
(4)前記紐付勢部は、前記表示部が付された板バネであり、前記板バネは、それぞれ渦巻き状に巻回された第1巻回部及び第2巻回部を一端側と他端側とに有し、前記残個数表示アタッチメントは、前記ケースに収容されているとともに前記第1巻回部が巻回されている第1バネ巻きドラムと、前記ケースに収容されているとともに前記第2巻回部が巻回されている第2バネ巻きドラムと、を更に備え、前記押圧スライダが前進する際には、前記第2バネ巻きドラムが回転することにより、前記板バネにおける前記第1巻回部と前記第2巻回部との間の中間部が前記第2バネ巻きドラムに巻き取られるとともに、前記板バネにおいて前記第1巻回部を構成する部分が前記第1バネ巻きドラムから繰り出され、前記押圧スライダが後退する際には、前記板バネの付勢力に従って前記第1バネ巻きドラムが回転することにより、前記板バネにおける前記中間部が前記第1バネ巻きドラムに巻き取られるとともに、前記板バネにおいて前記第2巻回部を構成する部分が前記第2バネ巻きドラムから繰り出される(3)に記載のマガジン。
(5)前記第1バネ巻きドラムよりも前記第2バネ巻きドラムの方が巻き径が大きい(4)に記載のマガジン。
(6)前記第1バネ巻きドラムと前記第2バネ巻きドラムとが上下に並んで配置されている(5)に記載のマガジン。
(7)前記巻取部と前記第2バネ巻きドラムとが互いに一体且つ同軸に設けられている(4)から(6)のいずれか一項に記載のマガジン。
(8)前記紐状体の前記先端が連結されているとともに、前記押圧スライダに対して係脱可能に係止固定される係止部材を更に備え、前記係止部材が前記押圧スライダに係止固定されることにより、前記紐状体の前記先端が前記係止部材を介して前記押圧スライダに連結されている(3)から(7)のいずれか一項に記載のマガジン。
(9)前記押圧スライダには孔が形成されており、前記係止部材は、前記孔の縁部に対して係止固定される(8)に記載のマガジン。
(10)前記ケースに支持され、前記押圧スライダが前進する際に音を出力する音出力部を更に備えている(1)から(9)のいずれか一項に記載のマガジン。
(11)前記第1バネ巻きドラム又は前記第2バネ巻きドラムに設けられ、前記押圧スライダが前進する際に前記第1バネ巻きドラム又は前記第2バネ巻きドラムと一体に回転して音を出力する鈴を更に備える(4)から(9)のいずれか一項に記載のマガジン。
(12)前記ケースが設けられる前記搭載部の前記後端部は、板面が前後方向を向く壁部を含み、
前記ケースは、前記壁部の前後を挟持するクリップ部によって、前記搭載部の前記後端部に着脱可能に設けられている(1)から(11)のいずれか一項に記載のマガジン。
(13)前記残個数表示アタッチメントは、前記残個数が、(前記搭載部に対する前記物品の最大搭載数−10)以下となったことを表示報知する(1)から(12)のいずれか一項に記載のマガジン。
(14)複数の物品を前後方向に一列に搭載可能な搭載部と、前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられた押圧スライダと、前記押圧スライダを前方に付勢するスライダ付勢部と、を備えるマガジンに装着して用いられ、前記搭載部に搭載されている前記物品の残個数を表示報知する残個数表示アタッチメントであって、前記残個数を表示する表示部と、ケースと、を有し、前記ケースは、前記表示部を後方から透視可能な透視窓部を含み、前記搭載部の後端部に対して着脱可能に設けられる残個数表示アタッチメント。
【符号の説明】
【0074】
10 搭載部
10a 本体部
11 底板部
11a 中央部
11b 側部
11d ガイドレール
12 側壁部
12a 軸支孔
12b スライド孔
13 前側フラップ部材
13a 前面壁
13b ラベルホルダ
13c 軸部
13d スライドピン
14 後壁部
14a 前板部
14b 後板部
14c、14d 位置決め壁
15 前側透視窓部
19 ブレード
20 押圧スライダ
21 摺動部
21a 水平板
21b 挟持フック
21c 挿通環
21d 係止ピン
21e 孔
22 起立板
23 リブ
30 ケース
30a 透視窓部
30L 側面
30La 第1領域
30Lb 第2領域
30R 側面
31 第1ケース部材
31a 軸支孔
31c 固定部
32 第2ケース部材
32a 軸支孔
32b 軸支孔
32c 固定部
33 紐状体
34 玉部材
35 板バネ(紐付勢部)
35a 第1巻回部
35b 第2巻回部
35c 中間部
36 第1バネ巻きドラム
36a 軸部
36b 軸部
37 第2バネ巻きドラム
38 巻取ドラム
39 ドラム部材
39a 軸部
40 クリップ部材
41 第1板状部
42 第2板状部
43 連結部
44 被固定部
50 鈴ユニット(音出力部)
51 鈴
51a 空洞部材
52 保持軸
53 バネ部
61 挿通管
62 固定ネジ
70 係止部材
71 板状部
72 突出板部
73 前縁リブ
74 固定部
74a 固定孔
75 係止爪部
81 第1表示部
82 第2表示部
91 板バネ(スライダ付勢部)
92 ドラム
100 マガジン
300 残個数表示アタッチメント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9