(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一般に、フードの内面のリング溝にスナップリングを係合させることでレンズを保持する場合、リング溝に係合させたスナップリングの内周側を少し、フードの内周面から突出させる必要がある。この突出部分とフードの一部とによって、レンズの周端部をその表裏両面から挟持するためである。このため、この突出部分に光源からの光が当たってグレアが発生するという問題があった。
【0007】
また、スナップリングを係合させるためのリング溝を、フード側にあらかじめ形成しておく必要がある。このため、厚さの異なるレンズや複数枚のレンズを重ねて保持することができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、スナップリングを使用した場合の反射光による反射グレアを防止するとともに、オプションの厚さや枚数に柔軟に対応することができるオプション保持構造、及びこれを備えた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、光源からの光を反射するリフレクターの光出射口近傍に着脱されるオプションを保持するためのオプション保持構造において、前記オプションの周端部における一方の面に当接する第1挟持部と、外周面におねじ部を有する円筒状に形成されるとともに、端部に前記第1挟持部との間で前記オプションの前記周端部を挟持し得る第2挟持部を有するホルダと、前記おねじ部が螺合するめねじ部と、を
備え、前記ホルダは、前記第2挟持部が前記第1挟持部との間で前記周端部を挟持する場合、及び前記第2挟持部が前記第1挟持部との間で前記周端部を挟持しないで前記第1挟持部に当接される場合に、前記めねじ部を覆う、ことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に係るオプション保持構造において、前記めねじ部及び前記第1挟持部は、前記リフレクターを収納するボディに形成されている、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1に係るオプション保持構造において、前記めねじ部及び前記第1挟持部は、前記リフレクターの前記光出射口に取り付けられる筒状のフードに形成されている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1に係るオプション保持構造において、前記めねじ部は、前記リフレクターを収納するボディに形成され、前記第1挟持部は、前記リフレクターの前記光出射口に取り付けられるコーンに形成されている、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のオプション保持構造において、前記ホルダは、前記おねじ部と前記第2挟持部との間に位置する部分の外径が、前記めねじ部の内径よりも小さく形成されている、ことを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、
請求項1ないし5のいずれか1項に係るオプション保持構造において、前記ホルダは、内周面にローレット加工部を有している、ことを特徴とする。
【0016】
請求項7に係る発明は、照明器具において、光源と、前記光源からの光を反射させて光出射口から出射するリフレクターと、
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に係るオプション保持構造と、を備えた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、光源からの光を反射するリフレクターの光出射口近傍に着脱されるオプションを保持するためのオプション保持構造において、オプションの周端部における一方の面に当接する第1挟持部と、外周面におねじ部を有する円筒状に形成されるとともに、端部に第1挟持部との間でオプションの周端部を挟持し得る第2挟持部を有するホルダと、おねじ部が螺合するめねじ部と、を備える。
【0018】
このように、オプション保持構造は、第1挟持部とホルダの第2挟持部との間でオプションを挟持することにより、スナップリングを使用する場合と異なり、光がスナップリングで反射されることで発生する反射グレアを防止することができる。
【0019】
また、スナップリングを使用する場合には、このスナップリングが係合される環状のリング溝を設けるため、このリング溝の位置によってオプションの周端部の厚さが制約を受ける。逆にいうと、オプションの周端部の厚さによって、リング溝の位置が決まってしまう。このため、スナップリングを使用する場合には、周端部の厚さが異なるオプション、あるいは複数のオプションを重ねて保持することが困難である。これに対し、請求項1の発明では、ホルダは、めねじ部に対するホルダのおねじ部のねじ込み量を任意に調整することが可能であるので、周端部の厚さが異なるオプション、あるいは複数のオプションを重ねて保持することができる。
さらに、請求項1の発明によれば、第2挟持部が第1挟持部との間でオプションの周端部を挟持する場合、及び第2挟持部が第1挟持部との間でオプションの周端部を挟持しないで第1挟持部に当接される場合の、双方の場合について、ホルダはめねじ部を覆う。つまり、ホルダは、オプションの装着の有無にかかわらず、めねじ部を覆うことになる。
これにより、ホルダは、オプションの装着の有無にかかわらず、光源あるいはリフレクターからの光がめねじ部に当たることを防止して、めねじ部による反射グレアを防止することができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、めねじ部及び第1挟持部は、リフレクターを収納するボディに形成されている。
【0021】
この場合には、例えば、ボディの下方にその他のパーツ(コーンやフード等)を装着したいときに、これらの他のパーツは、オプション保持構造の構成や配置による制約が少ない。このため、例えば、円錐状のコーン等、円筒状以外のパーツを備えた照明器具を構成することができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、めねじ部及び第1挟持部は、リフレクターの光出射口に取り付けられる筒状のフードに形成されている。
【0023】
この場合には、例えば、ボディに対してフードを着脱可能に構成すれば、オプションの種類や枚数を変更したいときに、オプションを簡単に交換することができる。
【0024】
請求項4の発明によれば、めねじ部は、リフレクターを収納するボディに形成され、第1挟持部は、リフレクターの光出射口に取り付けられるコーンに形成されている。
【0025】
このように、めねじ部と第1挟持部とをそれぞれ別の部材の形成した場合であっても、請求項1の効果を奏することができる。さらに、第1挟持部をボディではなく、コーンに形成することにより、コーンと比較して構造が複雑になりがちなボディの構造を簡略化してその製造を容易にすることができる。
【0028】
請求項5の発明によれば、ホルダは、おねじ部と第2挟持部との間に位置する部分の外径が、めねじ部の内径よりも小さく形成されている。
【0029】
これにより、ホルダは、めねじ部に対するおねじ部の螺合を開始する前に、その外径が小さく形成されている部分をめねじ部の内側に挿入して、その分、速やかに第2挟持部をオプションの周端部の他方の面に近づけることができる。すなわち、第2挟持部を周端部の他方の面に近づける動作を、めねじ部におねじ部を螺合させる動作から、挿入動作に変更することができるので、その分、第2挟持部による挟持開始までの時間を短縮することができる。
【0030】
請求項6の発明によれば、ホルダは、内周面にローレット加工部を有している。
【0031】
これにより、ホルダは、内周面の反射グレアを低減することができる。
【0032】
請求項7の発明によれば、照明器具は、光源と、光源からの光を反射させて光出射口から出射するリフレクターと、
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に係るオプション保持構造と、を備えている。
【0033】
これにより、照明器具は、全体として、上述のオプション保持構造の効果を奏することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明を適用した実施形態を、図面に基づいて詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同一又は類似の構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
【0036】
<実施形態1>
図1〜
図13を参照して、本発明を適用した実施形態1に係るオプション保持構造OS1、及びこれを備えた照明器具1について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、
図1、
図2中の左上に矢印で示す「上下左右」がオプション保持構造OS1、照明器具1等の上下左右に対応するものとして説明するが、この限りではない。これによると、照明器具1の中心軸C1は、上下方向を向いていることになる。
【0037】
図1、
図2を参照して、照明器具1について説明する。
【0038】
ここで、
図1は、照明器具1を斜め上方から見た分解斜視図である。また、
図2は、中心軸C1を通る平面で切った照明器具1の断面図である。
【0039】
本実施形態のオプション保持構造OS1は、後に
図9を参照して詳述するように、第1挟持部62dと、外周面におねじ部72aを有し、端部に第2挟持部73aを有するホルダ70と、おねじ部72aが螺合するめねじ部62aとを備えている。さらに、めねじ部62a及び第1挟持部62dは、双方ともフード60に形成されている。
【0040】
照明器具1は、ソケット10、光源20、ボディ30、リフレクター40、及びフード60を備えている。これらは、中心軸C1を基準として形成され、また、配置されている。
【0041】
このうち、ソケット10は、円筒状の外壁11、この外壁11の内側に配設されたヒートシンク12、及びヒートシンク12と外壁11との間に放射状に配設された多数の放熱フィン13を有している。ヒートシンク12の下面は、平坦に形成されていて光源取付面12aとなっている。
【0042】
光源20は、光源取付面12aに取り付けられている。光源20としては、例えば、COBチップオンボード型(COBタイプ)の面状光源を使用することができる。
【0043】
ボディ30は、ほぼ円筒状に形成されていて、その上端部が、上述のソケット10の下端部に固定されている。
【0044】
リフレクター40は、例えば、放物線の一部を、中心軸C1を基準として回転させた回転体状に形成されている。リフレクター40は、内側が反射面40aとなっていて、上端には光源20に対向した光入射口(開口部)40bが形成され、また、下端には下方を向いた光出射口(開口部)40cが形成されている。リフレクター40は、上端側がソケット10の内側に収納され、残りの下端側がボディ30の内側に収納されている。リフレクター40は、光源20から出て光入射口40bから入射された光を、そのまま直接光として、あるいは反射面40aで反射させて制御し、反射光として光出射口40cから出射させる。
【0045】
上述の
図1、
図2に加え、
図3〜
図12を参照して、オプション保持構造OS1について説明する。
【0046】
このうち、
図3、
図4は、フード60を説明する図であり、
図3は斜め上方から見た斜視図、
図4は
図3中のA−A線矢視拡大図である。
【0047】
図2に示すように、フード60は、ほぼ円筒状に形成されている。このフード60の内側には、ほぼ円筒状のホルダ(オプションホルダ)70が配設されている。
【0048】
オプション保持構造OS1は、めねじ部62a及び第1挟持部62dを有するフード60と、おねじ部72a及び第2挟持部73aを有するホルダ70とを備えている。
【0049】
フード60は、
図2、
図3、
図4に示すように、リフレクター40の光出射口40cに取り付けられている。フード60は、外周面aについては凹凸がなく滑らかに形成されているのに対し、内周面bは、内側に向かって凹凸に形成されている。
【0050】
ここで、フード60を、上下方向に沿って、大きく3つに分けて上から順に上部61、中間部62、下部63とする。上部61及び下部63は、比較的、肉厚の薄い円筒状に形成され、残りの中間部62は比較的、肉厚の厚い円筒状に形成されている。
【0051】
上部61は、内周面b1に、上述のボディ30の下端部に係合して取付を可能にする係合部61a、及びセーフティワイヤ(落下防止ワイヤ)の端部が連結される連結部61bが突設されている。内周面b1は、これら係合部61a及び連結部61bを除くと、比較的凹凸が少ない形状となっている。
【0052】
中間部62の内周面b2には、上から順に、めねじ部62a、逃げ部62b、リング溝62c、及び第1挟持部62dが形成されている。
【0053】
このうち、めねじ部62aは、谷の径が上部61の内周面b1の内径よりも小さく設定されている。つまり、めねじ部62aは、ねじ山が内周面b1よりも内側に突出するように形成されている。めねじ部62aは、例えば、5〜6ピッチ分形成されている。
【0054】
逃げ部62bは、めねじ部62aを加工するためのものであり、めねじ部62aの下側に隣接して設けられている。逃げ部62bの内径は、めねじ部62aの谷の径よりも少し大きく設定され、また、逃げ部62bの高さ(中心軸C1に沿った方向の寸法)は、後述するホルダ70のおねじ部72aをめねじ部62aに螺合させてねじ込んだ際に、おねじ部72aが1ピッチ分程度進入し得るように設定されている。
【0055】
リング溝62cは、壁部62eを介して、逃げ部62bの下側に隣接している。壁部62eの内径は、逃げ部62bの内径よりも小さく、めねじ部62aの内径dnと同じとなっている。リング溝62cは、中間部62の内周面b2の全周にわたって形成されていて、その内径は、めねじ部62aの内径dnよりも少し大きく設定されている。このリング溝62cは、後述するオプションOPとしての保護ガラスGを装着するためのスナップリング(止め輪)Rが係合される溝である。
【0056】
第1挟持部62dは、リング溝62cから、保護ガラスGの厚さに対応する長さだけ下側に形成されており、内周面b2の全周にわたって中心軸C1に向かって突設されている。第1挟持部62dの上面62f、つまりオプションOPの周端部P(
図10参照)の下面(一方の面)P1に接触する面は、全周にわたって平らに形成されている。上面62fの内径は、めねじ部62aの内径dnよりも小さく設定されている。これにより、第1挟持部62dは、この上面62fによって、オプションOPの周端部Pの下面P1を下方から支持することができる。第1挟持部62dの下面62gは、下側ほど内径が大きくなるテーパ面状に形成されている。これにより、上述の光源20からの直接光あるいは光源20から出てリフレクター40によって反射された反射光が当たることを防止している。
【0057】
下部63は、その内周面b3にバッフル加工部63aを有している。上方からこのバッフル加工部63aに当たった光は、下方に落ちることなく、上方に戻される。
【0058】
つづいて、
図5〜
図8を参照して、上述のフード60に装着されるホルダ(オプションホルダ)70について説明する。
【0059】
ここで、
図5(A)〜(E)はホルダ(オプションホルダ)70を説明する図であり、このうち(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は右側面図、(D)は(B)中のA−A線矢視図、(E)は斜め下方から見た斜視図である。
【0060】
また、
図6は、ホルダ70を斜め上方から見た斜視図である。
【0061】
また、
図7は、
図6中のA−A線矢視拡大図である。
【0062】
また、
図8(A)〜(E)はホルダ70を説明する図であり、このうち(A)は斜め上方から見た斜視図、(B)は(A)中の部分拡大図、(C)は背面図、(D)は平面図、(E)は(D)中のA−A線矢視拡大図である。
【0063】
ホルダ70は、
図5〜
図7に示すように、全体として、ほぼ円筒状に形成されている。ホルダ70の内周面cは、ローレット加工部70aとなっている。このローレット加工部70aは、上下方向を向いた(中心軸C1とほぼ平行な)凸条及び凹状が、周方向に沿って交互に多数配設されている。 ここで、ホルダ70を、中心軸C1に沿って、大きく3つに分けて上から順に上部71、中間部72、下部73(おねじ部72aと第2挟持部73aとの間に位置する部分)とする。上部71及び下部73は、比較的、肉厚の薄い円筒状に形成され、残りの中間部72は比較的、肉厚の厚い円筒状に形成されている。
【0064】
上部71の上端面には、ほぼ全周にわたって鋸歯状部71aが形成されている。この鋸歯状部71aは、上述のローレット加工部70aに連続していて、ローレット加工部70aを横向きにしたような形状に形成されている。この鋸歯状部71aは、光を拡散させるためのものである。
【0065】
図8に示すように、上部71の上端面における2箇所、つまり、中心軸C1を基準として、180度隔たった位置のそれぞれに、鋸歯状部71aを中断するようにして係合溝71bが設けてある。この係合溝71bは、ホルダ70を回転させるための工具(不図示)を係合するための溝である。すなわち、上述のフード60に対してホルダ70を螺合したり螺合を解除したりする際には、ホルダ70をねじ込み方向あるいはその逆方向に回転させる必要があるが、塗装の癒着等により手回しが困難な場合がある。このような場合、係合溝71bに工具を係合させて、この工具により、ホルダ70を回すようにしている。
【0066】
係合溝71bは、上部71における上端部の内側と外側とを連通するように形成されていて、底面eと、相互に対向する一対の側面fとを有している。これら底面e、側面fにおける外側に位置する部分は、テーパ処理が施されて、傾斜面e1、f1となっている。傾斜面e1は、
図8(E)に示すように、例えば、外側に向かって45度下方に傾斜する傾斜面となっている。一方、傾斜面f1,f1は、
図8(D)に示すように、例えば、相互に98度の角度をもって外側に広がる傾斜面となっている。このように係合溝71bに傾斜面e1,f1を設ける理由は、底面e、側面fとして、工具を引っかけるために最低限の面を確保し、残りを傾斜面e1,f1とすることで、反射光を拡散するためである。
【0067】
図5〜
図7に示すように、中間部72における外周面d2には、おねじ部72aが形成(螺刻)されている。このおねじ部72aは、その谷の径が、上部71及び下部73の外周面d1,d3の外径よりも少し大きくなるように設定されている。すなわち、おねじ部72aのねじ山は、上部71及び下部73の外周面d1,d3に対して外側に突出するように形成されている。本実施形態では、おねじ部72aは、3ピッチ分程度形成されている。ホルダ70は、おねじ部72aのこの3ピッチ分がすべて、上述のフード60のめねじ部62aに螺合している場合には、安定した姿勢を保持することができる。
【0068】
下部73の下端部は、上述のフード60の第1挟持部62dとの間に、オプションOPの周端部Pを挟持する第2挟持部73aとなっている。この第2挟持部73aの下端面73bは、オプションOPの周端部Pの上面(他方の面)P2を押圧する面であり、全周にわたって平らに形成されている。
【0069】
下部73は、その外周面d3の外径dm(
図7参照)が、上述のフード60のめねじ部62aの内径dn(
図4参照)及び壁部62eの内径よりも小さく設定されている(dm<dn)。このため、フード60のめねじ部62aに対して、上方からホルダ70のおねじ部72aの螺合を開始する前に、下部73をめねじ部62aの内側に挿入して、その分、下端面73bをオプションOPに近接させることができる。これにより、オプションOPの挟持を速やかに行うことが可能となる。
【0070】
下部73の外周面d3における下端には、全周にわたって環状切欠73cが形成されている。この環状切欠73cは、後述するように保護ガラスGを固定するスナップリングRとの干渉を防止するためのものである。
【0071】
図9は、上述のフード60の内側に上述のホルダ70を装着した(ねじ込んだ)状態を説明する、中心軸C1を通る平面で切った断面図である。この状態は、保護ガラスGもオプションOPも装着しないで、フード60のめねじ部62aに対して、ホルダ70のおねじ部72aをねじ込んで、ホルダ70の第2挟持部73aの下端面73bをフード60の第1挟持部62dの上面62fに直接、接触(当接)させた状態である。
【0072】
ここで、
図9に示すように、ホルダ70の上下方向の高さ、すなわち、ホルダ70における第2挟持部73a(の下端面73b)から鋸歯状部71a(の上端)までの高さ(距離)をXとし、また、フード60における第1挟持部62d(の上面62f)からめねじ部62aの上面62hまでの高さ(距離)をYとする。さらに、めねじ部62aのピッチをピッチNとする。
【0073】
図9に示す例では、これらX,Y,Nは、これらの間に、
X=Y−N/2
の関係が成り立つように設定されている。
【0074】
すなわち、ホルダ70は、この状態において、鋸歯状部71aの上端が、フード60のめねじ部62aの上面62hよりも下方(図示例では、N/2ピッチ分ほど下方)に位置しているため、めねじ部62aは、N/2ピッチ分ほど露出されてしまう。この場合、光源20からの光、あるいは光源20から出てリフレクター40で反射された光は、この露出部分に当たって反射グレアを発生させるおそれがある。
【0075】
そこで、本実施形態では、ホルダ70の高さX´を高さYよりも大きく設定し(二点鎖線参照)、ホルダ70によって、めねじ部62aを覆うようにした。これにより、オプションOPがある場合はもちろん、オプションOPがない場合でも、ホルダ70によってめねじ部62aを覆って、めねじ部62aの一部が露出することに起因する反射グレアを有効に防止することが可能となる。
【0076】
なお、上述の
図5等に示すホルダ70に代えて、
図13に示すホルダ70Aを使用してもよい。
【0077】
ここで、
図13(A)〜(E)はホルダ70Aを説明する図であり、このうち(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は右側面図、(D)は(B)中のA−A線矢視図、(E)は斜め下方から見た斜視図である。
【0078】
このホルダ70Aは、ホルダ70と同様、ほぼ円筒状に形成されている。ホルダ70Aとホルダ70は、それぞれの内周面に設けられたローレット加工部70a´,70aの形状が異なり、それ以外の構成は、同様である。
【0079】
すなわち、ホルダ70のローレット加工部70aは、上述のように、中心軸C1と平行な凸条及び凹状が、周方向に沿って交互に多数形成されている。これに対し、ホルダ70Aのローレット加工部70a´は、周方向に沿った環状の凸部及び凹部が、上下方向に沿って交互に多数形成されている。このローレット加工部70a´は、例えば、
図4に示すバッフル加工部63aと同じ形状とすることができる。
【0080】
このローレット加工部70a´によると、ローレット加工部70aと比較して、上方からローレット加工部70aに当たった光をより多く上方に戻すことができるので、ホルダ70Aの下端から下方に出て行く、制御されない光の量を低減することができる。
【0081】
図10〜
図12を参照して、フード60とホルダ70とによって、オプションOPを保持する例を説明する。
【0082】
ここで、
図10は、フード60の第1挟持部62dとホルダ70の第2挟持部73aとの間でオプションOPの周端部Pを挟持するようすを説明する断面図である。
【0083】
オプションOPとしては、保護ガラスG、フィルタF、及びシャープナー(ルーバーの一種)SHを使用している。このうち、保護ガラスGは、照明器具1を使用する国によっては、装着が法令等によって義務づけられている国がある。保護ガラスG及びフィルタFは、ほぼ円盤状に形成されていて、少なくとも周端部Pにおいては、下面P1及び上面P2が相互に平行な平面状に形成されている。そして、周端部Pは、下面P1及び上面P2が、それぞれフード60の第1挟持部62d、及びホルダ70の第2挟持部73aによって挟持される。また、シャープナーSH(
図12(C)参照)は、中央に円筒状のルーバー部P3を有していて、この下端から放射状に外側に向かって延びる複数のアームP4の外端に環状の周端部Pが接続されている。この周端部Pは、上述の保護ガラスG及びフィルタFの周端部Pと同様に、相互に平行な下面P1及び上面P2を有している。なお、オプションOPとしての保護ガラスGとフィルタFのそれぞれの周端部Pの厚さ(下面P1と上面P2との距離)は同じであり、シャープナーSHの周端部Pの厚さは、保護ガラスG及びフィルタFの周端部Pの厚さの2倍であるものとする。
【0084】
図11(A)は、保護ガラスG、フィルタF、及びシャープナーSHのいずれも装着されていない場合を示す。この場合、フード60側のめねじ部62aに、ホルダ70側のおねじ部72aを可能な限りねじ込むことにより、フード60側の第1挟持部62dに、ホルダ70側の第2挟持部73aが当接している。
【0085】
図11(B)は、保護ガラスGが1枚装着された場合を示す。保護ガラスGを装着する場合には、その他のオプションOPの装着の有無にかかわらず、保護ガラスGは、まず、フード60のリング溝62cに、例えばC形のスナップリング(止め輪)Rを係合させることにより、保護ガラスGを第1挟持部62d上に固定する。その後、めねじ部62aにおねじ部72aをねじ込んで、第1挟持部62dと第2挟持部73aとの間で、保護ガラスGの周端部Pを挟持する。上述のように、保護ガラスGの装着が必須である場合、第1挟持部62dと第2挟持部73aとの挟持のみでは、ホルダ70をフード60から取り外すと、保護ガラスGも比較的容易に取り外すことができてしまう。これを防止するために、スナップリングRでの固定も併用する。このとき、スナップリングRが露出されたままであると、従来技術と同様、スナップリングRで反射した反射光によって反射グレアが発生することがある。そこで、ホルダ70で挟持することにより、ホルダ70の下端の環状切欠73cでスナップリングRを覆うようにして、反射グレアを防止している。
【0086】
なお、保護ガラスGの装着が必須でない場合には、保護ガラスGを他のフィルタFやシャープナーSHと同様に、スナップリングRを使用せずに、第1挟持部62dと第2挟持部73aとの挟持のみとすることも可能である。
【0087】
図11(C)は、フィルタFが1枚装着された場合を示す。この場合、第1挟持部62dと第2挟持部73aとによって、フィルタFの周端部Pを挟持する。
【0088】
図11(D)は、保護ガラスGが1枚、フィルタFが1枚装着された場合を示す。この場合、上述の
図11(B)に示すようにして、保護ガラスGを、スナップリングRを使用して装着した後、保護ガラスGの上にフィルタFを重ね、保護ガラスGの周端部PとフィルタFの周端部Pとをまとめて、第1挟持部62dと第2挟持部73aとの間で挟持する。
【0089】
なお、このとき、上に重ねるフィルタFの周端部Pの下面P1の外周側には、上述のホルダ70の環状切欠73cと同様の環状切欠を形成しておくとよい。これにより、フィルタFの周端部PがスナップリングRに干渉することを防止しつつ、さらに、スナップリングRを覆って、スナップリングRによる反射グレアを防止することができる。
【0090】
図12(A)は、フィルタFが2枚装着されている場合を示す。フィルタFを2枚重ね合わせ、それぞれの周端部Pをまとめて、第1挟持部62dと第2挟持部73aとによって挟持する。
【0091】
図12(B)は、保護ガラスGが1枚、フィルタFが2枚装着された場合を示す。この場合、まず、上述の
図11(B)に示すようにして、保護ガラスGを、スナップリングRを使用して装着する。その後、保護ガラスGの上に2枚のフィルタFを重ね、保護ガラスGの周端部Pと2枚のフィルタFの周端部Pとをまとめて、第1挟持部62dと第2挟持部73aとの間で挟持する。
【0092】
図12(C)は、シャープナーSHが1個装着された場合を示す。この場合、第1挟持部62dと第2挟持部73aとによって、上述のフィルタFを1枚装着する場合と同様にして、シャープナーSHの周端部Pを挟持する。
【0093】
図12(D)は保護ガラスGが1枚、シャープナーSHが1個装着された場合を示す。この場合、上述の
図11(B)に示すようにして、保護ガラスGを、スナップリングRを使用して装着した後、保護ガラスGの上にシャープナーSHを重ね、保護ガラスGの周端部PとシャープナーSHの周端部Pとをまとめて、第1挟持部62dと第2挟持部73aとの間で挟持する。
【0094】
なお、このとき、上に重ねるシャープナーSHの周端部Pの下面P1の外周側には、上述のホルダ70の環状切欠73cと同様の環状切欠を形成しておくとよい。これにより、シャープナーSHの周端部PがスナップリングRに干渉することを防止しつつ、さらに、スナップリングRを覆って、スナップリングRによる反射グレアを防止するようにしている。
【0095】
以上説明したオプション保持構造OS1、照明器具1の作用、効果を整理する。
【0096】
・オプション保持構造OS1は、光源20からの光を反射するリフレクター40の光出射口40cの近傍に着脱されるオプションOPを保持する。このオプション保持構造OS1は、オプションOPの周端部Pにおける下面P1に当接する第1挟持部62dと、外周面におねじ部72aを有する円筒状に形成されるとともに、端部に第1挟持部62dとの間でオプションOPの周端部Pを挟持し得る第2挟持部73aを有するホルダ70と、おねじ部72aが螺合するめねじ部62aと、を備える。さらに、オプション保持構造OS1のうち、めねじ部62a及び第1挟持部62dは、双方ともリフレクター40の光出射口40cに取り付けられる筒状のフード60に形成されている。
【0097】
このように、オプション保持構造OS1は、第1挟持部62dとホルダ70の第2挟持部73aとの間でオプションOPを挟持することにより、スナップリングを使用する場合と異なり、光がスナップリングで反射されることで発生する反射グレアを防止することができる。
【0098】
また、スナップリングを使用する場合には、フード60の内周面bにこのスナップリングが係合される環状のリング溝を設ける必要があるため、このリング溝の位置によってオプションOPの周端部Pの厚さが制約を受ける。逆にいうと、オプションOPの周端部Pの厚さによって、リング溝の位置が決まってしまう。このため、スナップリングを使用する場合には、周端部Pの厚さが異なるオプションOP、あるいは複数のオプションOPを重ねて保持することが困難である。これに対し、本実施形態のオプション保持構造OS1は、フード60のめねじ部62aに対するホルダ70のおねじ部72aのねじ込み量を任意に調整することが可能であるので、周端部Pの厚さが異なるオプションOP、あるいは複数のオプションOPを重ねて保持することができる。
【0099】
さらに、めねじ部62a及びおねじ部72aが双方ともフード60に形成されているので、例えば、ボディ30に対してフード(
図14参照)を着脱可能に構成すれば、オプションOPの種類や枚数を変更したいときに、オプションOPを簡単に交換することができる。
【0100】
・オプション保持構造OS1は、第2挟持部73aが第1挟持部62dとの間でオプションOPの周端部Pを挟持する場合、及び第2挟持部73aが第1挟持部62dとの間でオプションOPの周端部Pを挟持しないで第1挟持部62dに当接される場合の、双方の場合について、ホルダ70はフード60のめねじ部62aを覆う。つまり、ホルダ70は、オプションOPの装着の有無にかかわらず、フード60のめねじ部62aを覆うことになる。
【0101】
これにより、ホルダ70は、オプションOPの装着の有無にかかわらず、光源20あるいはリフレクター40からの光がめねじ部62aに当たることを防止して、めねじ部62aによる反射グレアを防止することができる。
【0102】
・ホルダ70は、下部73の外周面d3(おねじ部72aと第2挟持部73aとの間に位置する部分)の外径dmが、めねじ部62aの内径dnよりも小さく形成されている。
【0103】
これにより、ホルダ70は、めねじ部62aに対するおねじ部72aの螺合を開始する前に、その外径dmが小さく形成されている部分をめねじ部62aの内側にほぼ直線的に挿入して、その分、速やかに第2挟持部73aをオプションOPの周端部Pの上面(他方の面)P2に近づけることができる。すなわち、第2挟持部73aを周端部Pの上面P2に近づける動作を、めねじ部62aにおねじ部72aを螺合させる動作から、挿入動作に変更することができるので、その分、第2挟持部73aによる挟持開始までの時間を短縮することができる。
【0104】
・ホルダ70は、内周面cにローレット加工部70aを有している。
【0105】
これにより、ホルダ70は、内周面cの反射グレアを低減することができる。
【0106】
・照明器具1は、光源20と、光源20からの光を反射させて光出射口40cから出射するリフレクター40と、オプション保持構造OS1とを備えている。
【0107】
これにより、照明器具1は、全体として、上述のオプション保持構造OS1の効果を奏することができる。
【0108】
<実施形態2>
図14を参照して、本発明を適用した実施形態2に係るオプション保持構造OS2、及びこれを備えた照明器具2について説明する。
【0109】
ここで、
図14(A)は実施形態2の照明器具2を、中心軸C1を通る平面で切った断面図であり、(B)はオプション保持構造OS2を説明する、(A)中の部分Bの拡大図である。
【0110】
照明器具2は、ソケット10A、光源20A、ボディ30A、リフレクター40A、及びコーン80を備えている。
【0111】
ソケット10A及び光源20Aについては、特に制約はなく、任意のものを使用することができる。
【0112】
ボディ30Aは、それぞれほぼ円筒状に形成された内筒部31、外筒部32、及びこれらの間に放射状に多数配設された放熱フィン33を有していて、ソケット10Aの下端に取り付けられている。内筒部31の内周面(ボディ30Aの内周面には、めねじ部62aが形成されている。また、内筒部31の下端(ボディ30Aの下端)には、第1挟持部62dが設けられている。第1挟持部62dは、内筒部31の下端の全周にわたって内側に突出するように形成されている。
【0113】
リフレクター40Aは、ほぼ回転楕円体状に形成されている。リフレクター40Aは、内面に反射面40aが形成されている。また、上端の開口部は、光源20Aからの光が入射される光入射口40b、下端の開口部は、光が出射される光出射口40cとなっている。
【0114】
ホルダ70は、上述の実施形態1のホルダ70と同じである。すなわち、ホルダ70は、ほぼ円筒状に形成されていて、内周面にはローレット加工部70aを有し、また、外周面にはおねじ部72aが形成(螺刻)されている。さらに、ホルダ70の下端には、第2挟持部73aが形成されている。ホルダ70は、おねじ部72aを、ボディ30Aのめねじ部62aに螺合させることで、リフレクター40Aの光出射口40c近傍に配設されている。なお、ローレット加工部70aを有するホルダ70に代えて、
図13に示す、ローレット加工部70a´を有するホルダ70Aを使用してもよい。
【0115】
コーン80は、下方に向けて広がった円錐台状に形成されている。コーン80は、環状のパッキン81を介して、内筒部31の下端(ボディ30Aの下端)に取り付けられている。
【0116】
オプションOPとしては、
図14に示す例では、ほぼ円板状のレンズを使用している。
【0117】
オプションOPは、内筒部31のめねじ部62aにホルダ70のおねじ部72aを螺合させることにより、周端部Pの下面P1及び上面P2がそれぞれ第1挟持部62d及び第2挟持73aに押圧されて挟持されるようになっている。これにより、オプションOPは、リフレクター40Aの光出射口40cの下方近傍に、光出射口40cを覆うように保持されている。
【0118】
オプション保持構造OS2は、第1挟持部62dと、外周面におねじ部72aを有し、端部に第2挟持部73aを有するホルダ70と、おねじ部72aが螺合するめねじ部62aとを備えている。
【0119】
上述の実施形態1のオプション保持構造OS1では、めねじ部62a及び第1挟持部62dは、双方ともフード60に形成されている。これに対し、本実施形態のオプション保持構造OS2では、めねじ部62a及び第1挟持部62dは、双方ともフード60ではなくボディ30Aに形成されている。
【0120】
これにより、オプション保持構造OS2は、実施形態1のオプション保持構造OS1の効果に加え、以下のような効果を奏することができる。
【0121】
オプション保持構造OS2は、例えば、ボディ30Aの下方にその他のパーツ(コーン80やフード等)を装着したいときに、これらの他のパーツは、オプション保持構造OS2の構成や配置による制約が少ない。このため、例えば、円錐状のコーン等、円筒状以外のパーツを備えた照明器具を容易に構成することができる。
【0122】
<実施形態3>
図15を参照して、本発明を適用した実施形態3に係るオプション保持構造OS3について説明する。
【0123】
ここで、
図15は、
図14(B)に相当する図である。
【0124】
オプション保持構造OS3は、第1挟持部62dと、外周面におねじ部72aを有し、端部に第2挟持部73aを有するホルダ70と、おねじ部72aが螺合するめねじ部62aとを備えている。
【0125】
上述の実施形態2のオプション保持構造OS2では、ボディ30Aの下端に形成されていた第1挟持部62dが、本実施形態のオプション保持構造OS3では、ボディ30Bではなく、コーン80Aの上端に形成されている。すなわち、実施形態2のオプション保持構造OS2では、めねじ部62a及び第1挟持部62dは、双方ともボディ30Aに形成されている。これに対し、本実施形態3のオプション保持構造OS3では、めねじ部62aはボディ30Aに形成され、また、第1挟持部62dはボディ30Aとは別部材であるコーン80Aに形成されている。
【0126】
これにより、オプション保持構造OS3は、実施形態1のオプション保持構造OS1の効果に加え、以下のような効果を奏することができる。
【0127】
このように、オプション保持構造OS3は、めねじ部62aと第1挟持部62dとをそれぞれ別の部材の形成した場合であっても、実施形態1のオプション保持構造OS1とほぼ同様の効果を奏することができる。さらに、オプション保持構造OS3は、第1挟持部をボディ30Bではなく、コーン80Aに形成することにより、コーン80Aと比較して構造が複雑になりがちなボディ30Bの構造を簡略化してその製造を容易にすることができる。