特許第6792352号(P6792352)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792352
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】自動二輪車用荷台
(51)【国際特許分類】
   B62J 7/04 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
   B62J7/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-112259(P2016-112259)
(22)【出願日】2016年6月3日
(65)【公開番号】特開2017-217962(P2017-217962A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2019年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】516166292
【氏名又は名称】長見 美信
(74)【代理人】
【識別番号】100170070
【弁理士】
【氏名又は名称】坂田 ゆかり
(72)【発明者】
【氏名】長見 美信
【審査官】 結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−60368(JP,A)
【文献】 特開2014−210556(JP,A)
【文献】 特開2013−35312(JP,A)
【文献】 実開平7−6063(JP,U)
【文献】 特公昭48−24189(JP,B1)
【文献】 実開昭57−8188(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 7/00− 7/04,
B62K 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動二輪車に設けられる自動二輪車用荷台であって、
棒材を略U字形状に折り曲げて形成されたフレームであって、対向する第1側枠及び第2側枠と、前記第1側枠及び前記第2側枠の端部を連結する1本の底枠と、を有するフレームと、
前記第1側枠及び前記第2側枠を連結する平角棒状の連結部と、
前記フレーム及び前記連結部に固定された板状の補強板と、
を備え、
前記連結部は、前記フレームの中心軸と略直交する方向に延設された中央部が、前記第1側枠又は前記第2側枠と前記連結部との接続位置よりも前記底枠側に位置するように、前記中央部に対して両端を鈍角に折り曲げて形成され、
前記補強板は、周縁の一部が折り曲げられており、当該折り曲げられた部分が前記中央部の隣接する2つの面を覆う
ことを特徴とする自動二輪車用荷台。
【請求項2】
請求項1に記載の自動二輪車用荷台であって、
前記連結部は、前記中央部の長さが全体の長さの半分以上であり、
前記補強板は、長手方向において前記中央部の略全体を覆い、
前記フレームの中心軸と略直交する直線前記連結部の前記中央部以外の部分とのなす角度は、略10度〜略15度である
ことを特徴とする自動二輪車用荷台。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の自動二輪車用荷台であって、
前記補強板には、中央が貫通孔であり、当該貫通孔の周囲が板厚方向に湾曲している補強孔が複数形成される
ことを特徴とする自動二輪車用荷台。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の自動二輪車用荷台であって、
前記第1側枠及び前記第2側枠には、前記補強板の上面と略直交する方向に突出する取付板が設けられ、
前記取付板の前記第1側枠又は前記第2側枠への取り付け位置と、前記連結部の前記第1側枠又は前記第2側枠への取り付け位置とは、前記第1側枠又は前記第2側枠の長手方向における位置が異なる
ことを特徴とする自動二輪車用荷台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車用荷台に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車体前方に開いた上面視U字型の外枠フレームと、外枠フレームの対向部分に架け渡された渡し部材とを備え、渡し部材はシートの後端部に対向しており、渡し部材の車幅方向の両端よりも中央が車体後方に位置する構成にした自動二輪車用のリアキャリアが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−210556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明には、リアキャリアをシートに接近させて、積載性を向上させることが記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の発明では、重い荷物等の運搬が可能となるように、リアキャリアの剛性を高くすることは考慮されていない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、荷物の積載面が広く、かつ剛性の高い自動二輪車用荷台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る自動二輪車用荷台は、自動二輪車に設けられる自動二輪車用荷台であって、例えば、棒材を略U字形状に折り曲げて形成されたフレームであって、対向する第1側枠及び第2側枠と、前記第1側枠及び前記第2側枠の端部を連結する1本の底枠と、を有するフレームと、前記第1側枠及び前記第2側枠を連結する棒状の連結部と、前記フレーム及び前記連結部に固定された板状の補強板と、を備え、前記連結部は、前記フレームの中心軸と略直交する方向に延設された中央部が、前記第1側枠又は前記第2側枠と前記連結部との接続位置よりも前記底枠側に位置するように、前記中央部に対して両端を鈍角に折り曲げて形成され、前記補強板は、周縁の一部が折り曲げられており、当該折り曲げられた部分が前記中央部の隣接する2つの面を覆うことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る自動二輪車用荷台によれば、棒材を略U字形状に折り曲げて形成されたフレームの第1側枠及び第2側枠を、中央部に対して両端を鈍角に折り曲げて形成された連結部が連結し、連結部のうちのフレームの中心軸と略直交する方向に延設された中央部は、第1側枠又は第2側枠と連結部との接続部よりも底枠側に位置する。これにより、連結部を自動二輪車に近づけて、補強板の面積を広くすることができる。その結果、荷物の積載面が広くなる。また、連結部のうちのフレームの中心軸と略直交する方向に延設された中央部の隣接する2つの面は、板状の補強板の周縁の折り曲げられた部分により覆われる。これにより、自動二輪車用荷台の剛性を高くすることができる。
【0008】
ここで、前記連結部は、前記連結部は、前記中央部の長さが全体の長さの半分以上であり、前記補強板は、長手方向において前記中央部の略全体を覆い、前記中央部と前記中央部以外の部分とのなす角度は、略10度〜略15度であってもよい。これにより、自動二輪車用荷台の剛性を高くことができる。
【0009】
ここで、前記補強板には、中央が貫通孔であり、当該貫通孔の周囲が板厚方向に湾曲している補強孔が複数形成されてもよい。これにより、板厚を厚くするのと同様の効果(つまり強度、剛性の向上)を得ることができる。
【0010】
ここで、前記第1側枠及び前記第2側枠には、前記補強板の上面と略直交する方向に突出する取付板が設けられ、前記取付板の前記第1側枠又は前記第2側枠への取り付け位置と、前記連結部の前記第1側枠又は前記第2側枠への取り付け位置とは、前記第1側枠又は前記第2側枠の長手方向における位置が異なっていてもよい。これにより、側枠の一部分に荷重が集中することを防止して、自動二輪車用荷台の強度を高くすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、荷物の積載面が広く、かつ剛性の高い自動二輪車用荷台を提供ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施の形態にかかる自動二輪車用荷台1を自動二輪車100に取り付けた様子を示す概略図である。
図2】自動二輪車用荷台1の概略を示す斜視図である。
図3】自動二輪車用荷台1の概略を示す6面図であり、(A)は正面図であり、(B)は背面図であり、(C)は左側面図であり、(D)は右側面図であり、(E)は平面図であり、(F)は底面図である。
図4】補強板12の連結部11への取り付け方を説明する図である。
図5】補強孔12cを説明する図である。
図6】自動二輪車用荷台2の概略を示す斜視図である。
図7】自動二輪車用荷台2の概略を示す6面図であり、(A)は正面図であり、(B)は背面図であり、(C)は左側面図であり、(D)は右側面図であり、(E)は平面図であり、(F)は底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態にかかる自動二輪車用荷台1を自動二輪車100に取り付けた様子を示す概略図である。図1においては、自動二輪車用荷台1を太線で表示している。なお、自動二輪車100は、図1に示す形態に限られず、他の形態の自動二輪車に適用してもよい。
【0015】
図1に示すように、自動二輪車100は、エンジン101、エンジン101の上方に配置された燃料タンク102、燃料タンク102の後方に配置されたシート103、これらを支持するフレーム(図示せず)、フレームを覆うフレームカバー104、フレームに取り付けられた後輪緩衝用のサスペンション105等を有する。自動二輪車用荷台1は、シート103の後方に設けられるいわゆるリアキャリアである。
【0016】
自動二輪車用荷台1は、シート103及びフレームカバー104の後方から一部が突出するように、サスペンション105の端部105aと、フレームカバー104とに螺合される。ただし、自動二輪車用荷台1を自動二輪車100に取り付ける位置及び方法はこれに限られない。例えば、アダプタ等を介して自動二輪車用荷台1を自動二輪車100に取り付けてもよい。
【0017】
図2は、自動二輪車用荷台1の概略を示す斜視図である。図2において、前方を矢印F、後方を矢印Rで示す。図3は、自動二輪車用荷台1の概略を示す6面図であり、(A)は正面図であり、(B)は背面図であり、(C)は左側面図であり、(D)は右側面図であり、(E)は平面図であり、(F)は底面図である。図3においては、視認できない部分を点線で表示している。
【0018】
自動二輪車用荷台1は、主として、フレーム10と、連結部11と、補強板12と、取付板13、14と、を有する。本実施の形態では、自動二輪車用荷台1は金属(例えば、鉄、アルミニウム等)で形成されるが、自動二輪車用荷台1の材質はこれに限定されない。
【0019】
フレーム10は、棒材を略U字形状に折り曲げて形成される。なお、棒材は、中空でも中実でもよい。ここで、中空の棒材とは、例えば、断面形状が丸、四角等の各種パイプ材であり、中実の棒材とは、例えば、断面形状が丸、四角、六角等の棒材である。
【0020】
フレーム10は、対向する2本の側枠10a(第1側枠、第2側枠に相当)を有し、側枠10aの後端部は1本の底枠10bにより連結される。また、2本の側枠10aは、連結部11により連結される。
【0021】
連結部11は、棒状の部材であり、両端がそれぞれ側枠10aに溶接される。本実施の形態では、連結部11は、側枠10aの長手方向の中央近傍に設けられるが、連結部11の取り付け位置はこれに限られない。
【0022】
連結部11は、長手方向に略直交する断面の形状が略矩形形状の平角棒(いわゆるフラットバー)の両端を、最も広い面と略平行な面が中立面となるように折り曲げて形成される。
【0023】
図3(A)、(B)に示すように、連結部11は、フレーム10の中心軸Aと略直交する方向に延設される中央部11aを有する。この中央部11aは、補強板12が設けられる部分である。中央部11aの長さは、連結部11全体の長さの半分以上である。
【0024】
中央部11aの両側には、中央部11aに対して鈍角に折り曲げられた折り曲げ部11bが形成される。折り曲げ部11bは、中央部11aと接続されていない端が前方に突出するように折り曲げられる。つまり、連結部11と側枠10aとの接続位置10cは、中央部11aよりも前方に位置する。また、連結部11において、中央部11aは、接続位置10cより後方(底枠10b側)に位置する。したがって、自動二輪車用荷台1をシート103の後部に近づけることができ、これにより荷物の積載面を広くすることができる。
【0025】
中央部11aと折り曲げ部11bとのなす角度θは、略10度〜略15度である。これにより、連結部11の強度を保ちつつ、自動二輪車用荷台1をシート103の後部に近づけることができる。なお、中央部11aと折り曲げ部11bとのなす角が略15度より大きくとなると連結部11の強度が低くなり、中央部11aと折り曲げ部11bとのなす角が略15度より小さいと自動二輪車用荷台1をシート103の後部に近づけにくくなる。
【0026】
フレーム10には、補強板12に載せられた荷物をロープ等で固定するための荷掛けフック10d(図3では図示省略)が設けられる。なお、荷掛けフック10dの位置及び大きさは、図示した形態に限られない。また、荷掛けフック10dは必須ではない。
【0027】
補強板12は、板状の部材であり、連結部11及びフレーム10(本実施の形態では、底枠10b)に溶接される。補強板12の上面の位置は、フレーム10の上面の位置と略同一である。言い換えると、連結部11の高さh1は、フレーム10の高さh2より、補強板12の板厚t分だけ低い。これにより、補強板12及びフレーム10が荷物の積載面となり、荷物の積載面が広くなる。また、荷物の重さを自動二輪車用荷台1全体で支えることができる。
【0028】
補強板12は、周縁の一部が折り曲げられており、この折り曲げられた部分が連結部11の隣接する2つの面を覆う。図4は、補強板12の連結部11への取り付け方を説明する図である。
【0029】
補強板12の前方の端が折り曲げられて、補強板本体部12aと、固定部12bと、が形成される。補強板本体部12aと、固定部12bとのなす角度は、略90度である。補強板12は、補強板本体部12aが連結部11の上面11cに当接し、固定部12bが連結部11の前側面11dに当接するように、連結部11に溶接される。また、補強板本体部12a及び固定部12bは、長手方向において、中央部11aの略全体を覆う。これにより、自動二輪車用荷台1の剛性を高めることができる。
【0030】
図2、3の説明に戻る。補強板12(補強板本体部12a)には、絞り加工が施された補強孔12cと、肉抜き孔12fと、が複数形成される。補強孔12c及び肉抜き孔12fは、長手方向(ここでは、前後方向)に沿って形成される。
【0031】
図5は、補強孔12cを説明する図である。補強孔12cは、中央が貫通し、その周囲が板厚方向に湾曲している。補強孔12cは、貫通孔12dと、貫通孔12dの周囲に位置され、板厚方向に湾曲した湾曲部12eと、を有する。湾曲部12eの高さ方向の変形量Dは、補強板12の板厚tと略同一またはそれ以上である。したがって、補強孔12cにより、板厚を厚くするのと同様の効果(つまり強度、剛性の向上)を得ることができる。
【0032】
また、貫通孔12dの直径d1は、湾曲部12eの直径d2の略半分である。また、湾曲部12eの直径d2は、補強孔12cが設けられている部分における補強板12の幅w1、w2、w3(図3(B)参照)の略半分以下である。したがって、貫通孔12dにより、補強板12の剛性が低くならないようにすることができる。
【0033】
図2、3の説明に戻る。2本の側枠10aには、それぞれ、補強板12の補強板本体部12aの上面と略直交する方向に突出する取付板13、14が設けられる。取付板13、14は、溶接等により設けられる。取付板13、14は、自動二輪車用荷台1を自動二輪車100に取り付けるための部材であり、それぞれ取付孔13a、14aが形成される。
【0034】
図4に示すように、連結部11と側枠10aとの接続位置10c−1と、取付板14と側枠10aとの接続位置10c−2とは、側枠10aの長手方向における位置が異なる。したがって、側枠10aの一部分に荷重が集中することを防止して、自動二輪車用荷台1の強度を高くすることができる。
【0035】
本実施の形態では、中央部11aが、連結部11と側枠10aとの接続位置10c−1よりも後方に位置するため、連結部11をシート103に近づけ、補強板12の面積を広くすることができる。その結果、荷物の積載面が広くなる。また、補強板12の周縁の一部を折り曲げ、この折り曲げられた部分が連結部11(中央部11a)の隣接する2つの面を覆うため、自動二輪車用荷台1の剛性を高くすることができる。
【0036】
また、本実施の形態では、補強板12に補強孔12cが複数形成されているため、自動二輪車用荷台1の剛性を高くすることができる。
【0037】
また、本実施の形態によれば、中央部11aの長さが連結部11全体の長さの半分以上であるため、一部分に荷重が集中せず、壊れにくい丈夫な自動二輪車用荷台1を提供することができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、補強孔12cの直径は、補強孔12cが設けられている部分における補強板12の幅w1〜w3の略半分以下である(図3(B)参照)が、補強孔12cの直径はこれに限られない。ただし、補強板12の剛性を高くするためには、補強孔12cの直径は、補強孔12cが設けられている部分における補強板12の幅w1〜w3の略20%以上であることが望ましい。
【0039】
また、本実施の形態では、補強板12の上面の位置は、フレーム10の上面と略同一であったが、補強板12の上面の位置はこれに限られない。例えば、連結部11の高さをフレーム10の高さと略同一とし、補強板12をフレーム10及び連結部11の上に重ねても良い。
【0040】
また、本実施の形態では、連結部11として平角棒を用い、この平角棒の両端を、最も広い面と略平行な面が中立面となるように折り曲げて形成したが、連結部11は棒状であれば平角棒に限られない。例えば、連結部11として角棒を用いてもよい。この場合には、補強板12の折り曲げられた部分(補強板本体部12a及び固定部12b)が、角棒の隣接する2つの面を覆えばよい。
【0041】
<第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、自動二輪車用荷台1(フレーム10)の後方が狭くなっているが、自動二輪車用荷台1(フレーム10)の形状はこれに限られない。
【0042】
以下、本発明の第2の実施の形態に係る自動二輪車用荷台2について説明する。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0043】
図6は、自動二輪車用荷台2の概略を示す斜視図である。図6において、前方を矢印F、後方を矢印Rで示す。図7は、自動二輪車用荷台2の概略を示す6面図であり、(A)は正面図であり、(B)は背面図であり、(C)は左側面図であり、(D)は右側面図であり、(E)は平面図であり、(F)は底面図である。図7においては、視認できない部分を点線で表示している。
【0044】
自動二輪車用荷台2は、主として、フレーム10Aと、連結部11Aと、補強板12Aと、取付板13、14Aと、を有する。
【0045】
フレーム10Aは、棒材を略U字形状に折り曲げて形成される。フレーム10Aは、対向する2本の側枠10a’を有し、側枠10a’の後端部は1本の底枠10b’により連結される。フレーム10とフレーム10Aとの差異は、形状のみであるため、フレーム10Aの詳細な説明を省略する。
【0046】
2本の側枠10a’は、連結部11Aにより連結される。連結部11Aは、連結部11と同様、板状の部品であり、長手方向に略直交する断面の形状が略矩形形状の平角棒の両端を、最も広い面と略平行な面が中立面となるように折り曲げて形成される。
【0047】
連結部11Aは、図7(A)、(B)に示すように、フレーム10Aの中心軸Aと略直交する方向に延設され、連結部11A全体の長さの半分以上である中央部11a’を有する。また、中央部11a’の両端には、中央部11a’に対して両端を鈍角(角度θ(ここでは、略10度〜略15度))に折り曲げて形成された折り曲げ部11b’が形成される。連結部11と、連結部11Aとの差異は、長さ及び形状のみであるため、連結部11Aの詳細な説明を省略する。
【0048】
補強板12Aは、板状の部材であり、連結部11A及びフレーム10A(本実施の形態では、側枠10a’)に溶接される。補強板12Aの上面の位置は、フレーム10Aの上面の位置と略同一である。
【0049】
補強板12Aの周縁の一部(ここでは、前方の端)が折り曲げられて、補強板本体部12a’と、固定部12b’と、が形成される。補強板本体部12a’と、固定部12b’とのなす角度は、略90度である。補強板12Aは、補強板本体部12a’が連結部11の上面11cに当接し、固定部12b’が連結部11Aの前側面11dに当接するように、連結部11Aに溶接される。また、補強板本体部12a’及び固定部12b’は、長手方向において、中央部11a’の略全体を覆う。
【0050】
また、補強板12Aには、長手方向(ここでは、左右方向)に沿って、補強孔12cと、肉抜き孔12fと、が複数形成される。補強孔12cの直径は、補強孔12cが設けられている部分における補強板12Aの幅w4の略半分以下である(図7(B)参照)。
【0051】
2本の側枠10a’には、それぞれ、補強板12Aの補強板本体部12a’の上面と略直交する方向に突出する取付板13、14Aが設けられる。取付板14と取付板14Aとの差異は、形状のみであるため、取付板14Aの詳細な説明を省略する。
【0052】
本実施の形態では、中央部11a’が連結部11Aと側枠10a’との接続位置10c−3よりも後方に位置するため、荷物の積載面を広くすることができる。また、補強板12Aの周縁の一部を折り曲げ、この折り曲げられた部分が連結部11A(中央部11a’)の隣接する2つの面を覆うため、自動二輪車用荷台2の剛性を高くすることができる。さらに、補強板12Aに補強孔12cが複数形成されているため、自動二輪車用荷台2の剛性をより高くすることができる。
【0053】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。
【0054】
また、本発明において「近傍」とは、基準となる位置の近くのある範囲(任意に定めることができる)の領域を含むことを意味する。例えば、端近傍という場合に、端の近くのある範囲の領域であって、端を含んでもいても含んでいなくてもよいことを示す概念である。
【符号の説明】
【0055】
1、2 :自動二輪車用荷台
10、10A :フレーム
10a、10a’ :側枠
10b、10b’ :底枠
10c−1、10c−2、10c−3:接続位置
10d :荷掛けフック
11、11A :連結部
11a、11a’ :中央部
11b、11b’ :折り曲げ部
11c :上面
11d :前側面
12、12A :補強板
12a、12a’ :補強板本体部
12b、12b’ :固定部
12c :補強孔
12d :貫通孔
12e :湾曲部
12f :肉抜き孔
13、14、14A :取付板
13a、14a :取付孔
100 :自動二輪車
101 :エンジン
102 :燃料タンク
103 :シート
104 :フレームカバー
105 :サスペンション
105a :端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7