(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792362
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】物干し器
(51)【国際特許分類】
D06F 57/00 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
D06F57/00 370
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-143205(P2016-143205)
(22)【出願日】2016年7月21日
(65)【公開番号】特開2018-11768(P2018-11768A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 悠介
【審査官】
芝井 隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−078608(JP,A)
【文献】
特開2016−019618(JP,A)
【文献】
特開2014−054507(JP,A)
【文献】
特開2012−055383(JP,A)
【文献】
実開平06−041691(JP,U)
【文献】
特開2011−067574(JP,A)
【文献】
実開平7−024293(JP,U)
【文献】
特開平4−200589(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第2479175(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 57/00 − 57/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の同一形状のアーム部が複数本の連結アームにより回動軸を介して連結され、前記アーム部間の間隙を伸縮可能とした物干し器であって、
少なくとも前記アーム部の両端の下にピンチ部を配置し、該両端のピンチ部間の前記アーム部の下にピンチ部を配置し、
上方から見た際の前記アーム部は、両端が中央から対称になるように湾曲又は屈曲していることを特徴とする物干し器。
【請求項2】
1本の前記連結アームの中央は、1本の前記アーム部の中央に回動自在に連結しており、前記1本の連結アームの端部は、前記1本のアーム部に隣接する前記アーム部の中央から先端に対して略半分の位置に、回動自在に連結していることを特徴とする請求項1に記載の物干し器。
【請求項3】
前記ピンチ部は等間隔でアーム部の下に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の物干し器。
【請求項4】
複数の前記連結アームの上部には、前記連結アームに対して回転自在でかつ折り畳み自在のフック部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の物干し器。
【請求項5】
両側に配置した前記連結アーム及び中央に配置した前記連結アームの上に、前記連結アームに対して回転自在でかつ折り畳み自在のフック部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の物干し器。
【請求項6】
前記フック部を隣接する前記フック部のフック基部に係止することで、前記アーム部同士を密着させた状態で保持するようにしたことを特徴とする請求項4又は5に記載の物干し器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアーム部を自在に伸縮可能とした物干し器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数個の棒状の支持板1を組合わせて、自在に伸縮できるようにした洗濯物干用ハンガーが開示されている。
【0003】
この洗濯物干用ハンガーは、棒状の支持板1を固定ピン2で連結し、固定ピン2の下部にピンチ4を取り付け、支持板1の間隙を拡開した状態で、洗濯物をこのピンチ4で挟んで吊り下げるようになっている。
【0004】
洗濯物を吊り下げる際は、取り付け作業時に作業する人の腕の動きを少なくするために、支持板1同士を寄せた状態で、ピンチ4に洗濯物を取り付けることがある。そして、洗濯物の取り付けが完了した際に、洗濯物干用ハンガーを乾燥させる場所に応じて拡開して乾燥させることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6−41691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の洗濯物干用ハンガーを拡開する前に、ピンチ4に洗濯物を取り付ける際に、例えば多数のバスタオルと多数のハンドタオルを同時にピンチ4に取り付けたい場合では、1つの支持板1の両端のピンチ4でバスタオルの両端を保持すると、ハンドタオルの両端を保持するピンチ4が不足することになる。
【0007】
また、小さいタオルの一端のみを支持板1の中央のピンチ4のみで保持したとしても、支持板1が棒状であるため小さいタオルが大きいタオルに接触してしまい乾き難くなるという問題がある。バスタオルに代えてTシャツ等とし、ハンドタオルに代えて、靴下等にしても同様に洗濯物同士が接触してしまい、洗濯物が十分に乾燥せずに生乾き状態になってしまうことがある。
【0008】
更に、不使用時にコンパクトになる洗濯物干用ハンガーは、壁等に吊るした状態で保管しようとすると、支持板が拡開してしまうという問題もある。
【0009】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、多数の洗濯物を効率良く乾燥させることができ、かつ縦置きした状態でもコンパクトに保管できる伸縮可能な物干し器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係る物干し器は、複数本の同一形状のアーム部が複数本の連結アームにより回動軸を介して連結され、前記アーム部間の間隙を伸縮可能とした物干し器であって、少なくとも前記アーム部の両端の下にピンチ部を配置し、該両端のピンチ部間の前記アーム部の下にピンチ部を配置し
、上方から見た際の前記アーム部は、両端が中央から対称になるように湾曲又は屈曲していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る物干し器によれば、ピンチ部を取り付けたアーム部を湾曲させることで、洗濯物同士が接触することなく乾燥させることが可能である。また、アーム部を拡開する大きさを乾燥させる場所に応じて調整可能であり、効率良く乾燥させることができる。また、隣接するフック部の下方の基部にフック部を係止することで、縮小状態を維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例の物干し器を上方から見た斜視図である。
【
図4】アーム部の間隙を広げた状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は実施例の物干し器を上方から見た斜視図、
図2は下方から見た斜視図であり、大きさは
図1の状態でアーム部の横幅40cm、縦幅20cm、高さ15cm程度である。物干し器のアーム部の大きさや連結するアーム部の個数は、使用する場所に応じて適宜のサイズのものを採択できる。
【0014】
物干し器11の主たる部材は合成樹脂の成型品とされ、円弧状に湾曲した同一形状の複数本のアーム部12が、アーム部12の上部に配置された複数本の連結アーム13により拡開自在に連結されている。物干し器11は合成樹脂製以外にもアルミニウム等の適宜の材料を利用してもよい。
【0015】
また、実施例ではアーム部12は円弧状に緩やかに湾曲しているが、円弧形状以外に例えば棒体の両側を斜め方向に折り曲げた、又は棒体の中央から「く」の字状に折り曲げた屈曲形状のものであってもよく、アーム部12の両端が中央から対称になるように湾曲又は屈曲していればよい。
【0016】
連結アーム13はアーム部12よりも短く、1本の連結アーム13は隣接する3本のアーム部12に跨がって斜め方向に取り付けられている。1本の連結アーム13の中央は、1本のアーム部12の中央に回動自在に連結しており、前述の1本の連結アーム13の端部は、前述の1本のアーム部12に隣接するアーム部12に回動自在に連結している。
【0017】
これにより、回転軸14を介して隣接する3本のアーム部12ずつがそれぞれ回動自在に連結アーム13により連結されていることになる。なお、両側の連結アーム13’は両側の2本のアーム部12ずつのみを連結しているために、他の連結アーム13の半分の長さとされている。
【0018】
実施例では、両側の連結アーム13’と中央の連結アーム13”の3本の連結アームの回転軸14上には、鉤型のフック部15がフック基部16を介して取り付けられており、フック部15には必要に応じてフック係止具15aが付設されている。
【0019】
フック部15の下端には、円柱状の突片部15bが設けられており、この突片部がフック基部16の頂部から側面部に掛けて設けた溝部16a内に収納されている。溝部16aの幅は、突片部15bの幅よりも小さいことから、フック部15はフック基部16から外れることなく、フック部15とフック基部16とが連結される。
【0020】
フック部15はフック基部16に対して軸中心に回転可能とされており、フック部15の突片部15bは溝部16a内を自由に移動させることが可能である。従って、フック部15は直交方向に倒して水平方向に折り畳むことが可能とされている。更に、フック基部16は回転軸14の軸中心に回転可能であるため、フック部15は任意の方向に自由に倒して折り畳めることができる。
【0021】
また、アーム部12の下部の複数個所、例えば実施例では回転軸14の近傍のアーム部12及びアーム部12の両端下部には、半円環状の吊環17が形成されている。これらの吊環17には、洗濯物挟持用のばね付のピンチ部18がS字状の連結部19を介してそれぞれ吊り下げられている。
【0022】
なお実施例では、連結アーム13の中央の回転軸14付近には吊環17を設けており、これの吊環17にはピンチ部18を吊り下げていないが、これの吊環17にもピンチ部18を取り付けることもできる。また、実施例ではアーム部12に2組の計4個のピンチ部18を等間隔に取り付けているが、少なくともアーム部12の両端の下にピンチ部18を配置し、これらの両端のピンチ部18間のアーム部12の下に複数個のピンチ部18、例えば4個のピンチ部18を等間隔に配置し、合計6個のピンチ部18をアーム部12に取り付けるようにしてもよい。
【0023】
または、例えばフック基部16下に1個のピンチ部18を配置して、合計3個のピンチ部18をアーム部12に取り付けるようにしてもよく、少なくともアーム部12の両端の下にピンチ部18を配置し、且つ両端のピンチ部18間のアーム部12の下に単数、又は複数のピンチ部18を配置することが可能である。
【0024】
使用時には、先ず
図3に示すように両端のアーム部12を左右方向へ引っ張ることで拡開した状態にし、フック部15を物干竿等に掛ける。この際に必要に応じてフック係止具15aを用いてフック部15の鉤型の開口を閉止して、物干竿等から外れないようにする。そして、各ピンチ部18に乾燥すべき各洗濯物の一端を挟んで吊り下げていく。
【0025】
なお、吊り下げ作業時の腕の移動量を少なくするために、アーム部12同士を寄せて縮小した状態で各洗濯物を吊り下げてから、アーム部12を拡開するようにしてもよい。
【0026】
洗濯物を早く乾燥させるためには、各洗濯物間に十分な間隔を有する程度までアーム部12を拡開する必要がある。また、アーム部12を拡開する長さが長い程、つまり物干し器11の横幅を長くする程、拡開した際の物干し器11の縦幅が短くなるので、乾燥させる場所の奥行きに応じて、拡開する長さを調整することが好ましい。
【0027】
アーム部12は湾曲しているので、ピンチ部18に洗濯物を吊り下げると、
図4に示すように1本のアーム部12には、中央の回転軸14の下方の2つのピンチ部18を用いて幅の狭い、例えばハンドタオル等の洗濯物Aを吊るすことができ、アーム部12の両端のピンチ部18を用いて幅の広い、例えばバスタオル等の洗濯物Bを吊り下げることができる。
【0028】
このように、本実施例の物干し器11では、1本のアーム部12に例えば2つの洗濯物A、Bを吊り下げても、これらの隣合う洗濯物A、Bは接することはない。従って、洗濯物A、B間には十分な間隙が生じ、風通しの良い状態で乾燥させることができる。
【0029】
洗濯物を乾燥させた後は、ピンチ部18から洗濯物A、Bを取り外し、各アーム部12を密着させて保管する。保管時には
図5に示すようにフック部15を用いて仕切壁Wに引っ掛けることにより、保管することができる。
【0030】
即ち、アーム部12同士を密着し、3個のフック部15のうちの2個を折り畳んで、隣接するフック部15のフック基部16に係止することにより、アーム部12の密着状態を保持できる。このようにした物干し器11は、更に残りのフック部15により仕切壁Wの上端に引っ掛けることで、コンパクトに物干し器11を保管することができる。
【0031】
このように、物干し器11は複数のピンチ部18を取り付けたアーム部12を湾曲させることで、洗濯物同士が接触することなく乾燥させることが可能である。また、アーム部12の拡開する大きさを乾燥させる場所に応じて調整でき、効率良く乾燥させることができる。
【符号の説明】
【0032】
11 物干し器
12 アーム部
13、13’、13” 連結アーム
14 回転軸
15 フック部
16 フック基部
18 ピンチ部